転職の流れは4段階で理解! 「いつ何をやるか」を期間別で知ろう
この記事に登場するアドバイザー
転職活動の詳しい流れと必要な準備を理解して内定までのイメージをつかもう!
こんにちは、キャリアアドバイザーの今井です。
転職したいけどどのように進めていけばいいのかわからないという人から、このような相談を受けることがあります。
転職したいと思っていても、いつ何をすればいいのかわからないと行動にも移せないという気持ちはよくわかります。
転職活動を始めるにあたっては、まず全体像を把握することが大切です。準備から内定までにどんなことをやればいいのかが理解できれば、迷いがなくなり、転職に向けた第一歩を踏み出すことができますよ。
この記事では、転職活動のおおまかな流れから、準備〜内定後のやるべきことなどについて解説していきます。転職活動で「いつ」「何を」すればいいのか理解を深めて、内定をつかみましょう。
そもそも転職のタイミングがわからないという場合には、こちらの記事が参考になります。転職を始めるベストなタイミングについても解説されているのでチェックしてみてくださいね。
転職のベストタイミングを選ぶための3要素とは? 避ける時期も紹介
また、転職することをどうしても不安だと感じてしまうこともありますよね。不安解消法について、こちらの記事で解説しているので併せて確認してみてくださいね。
転職の不安を完全解消する15の方法|漠然とした不安の正体を解明!
まずは全体像とかかる期間を把握しよう! 転職活動のおおまかな流れ4ステップ
転職活動にかかる期間は人によって異なりますが、基本的には数カ月スパンで準備から面接などが進行していくと理解しておきましょう。
ここからは、転職活動で退職するまでのおおまかな流れを4ステップに分けて解説します。目安となる期間も解説するので、内定をつかむまでの具体的なイメージを膨らませていきましょう。
転職にかかる期間については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
転職期間は今の状況から考えよう! 最短で内定を得るコツ5選も解説
①事前準備(2週間~1カ月):自己分析や情報収集
何事もまずは準備が肝心ですよね。それは転職活動でも同じです。まずは、転職活動本番に向けて自己分析や企業研究などの準備を進めていきましょう。準備にかける期間は人それぞれですが、入念に進めるとなれば2週間~1カ月ほどはかかるのが一般的です。
事前準備でやること
- 転職の目的を明確にする
- 転職活動のスケジュールを設定する
- 自己分析から自分の強みや性格を見つけ出す
- キャリアを振り返ってスキルや経験を棚卸しする
- 業界研究から仕事内容への理解を深める
自己分析は転職における軸を作る大切な作業です。なんとなくで終わらせるのではなく、「自分が転職で何を叶えたいのか」を意識しておこなうようにしてくださいね。
また、業界研究も準備段階でおこなうのがおすすめです。活動本番になると選考対策に時間をとられてしまい、業界研究に時間を割けなくなってしまうので、準備の段階でできるだけ時間を割いて興味のある業界や職種を見つけておきましょう。
MATSUSHITA KENTO
事前準備でやることの詳しい解説は後ほどするので、そちらも参考にしてみてくださいね。
転職で役立つ自己分析の方法についてはこちらの記事の解説が役立ちますよ。
転職を成功に導く自己分析5ステップ|7通りの方法から最適解を発見
②転職先選び(2週間~1カ月):企業研究~応募
準備を終えて転職活動を始める準備が整ったら、今度は応募の段階です。基本的には以下の流れで進めていくことになりますよ。
企業研究~応募までの流れ
- 複数の手段を使い幅広く求人情報を集める
- 企業研究からどんな人材を求めているのか把握する
- 企業が求める人材に合う履歴書や職務経歴書を作成する
- 最初から絞らず複数の企業に並行して応募する
志望先を絞り込み応募するとなると、このフローでもおよそ2週間~1カ月ほどはかかると見込んでおきましょう。
また、求人情報の収集や企業研究は、企業とあなたのマッチ度を理解するために欠かせない作業です。事前準備で見つけた「転職の軸に合う企業はどこだろう」という視点でおこなっていきましょう。そうすることで、あなたの魅力が伝わる履歴書や職務経歴書を作成できます。
HONDA YURIKA
応募の際は、自分の可能性を広げる目的でも、できるだけ多くの企業に応募するようにしてみてください。選考を受けていくなかで企業の魅力がわかるケースもありますよ。
Adviser Comment アドバイザーからのコメント
MATSUSHITA KENTO 松下 建都
企業探しを効率的に進めることはモチベーションアップの効果もある!
転職活動において、もっとも時間を要するのが企業探しです。どれだけ入念に事前準備をおこない、転職の軸が決まっていた場合でも、いざ応募する企業を探すとなるとどうしても慎重になってしまい時間がかかるものです。
また、世の中には無数の企業が存在し、業界や職種も多岐にわたることから、どの企業を受けたらいいのかに悩んでしまい、転職活動自体がストップしてしまうケースもあります。
なかなか希望する企業が見つからず、企業探しに要する時間が長引けば長引くほど、あなた自身の転職に対するモチベーションも落ちかねません。
そのため、転職活動における企業探しは「効率的に進めること」がとても大切です。特に仕事をしながら転職を進めている人の場合、転職活動に使える時間も限られるため、自分に合った企業探しの方法を早めに見つけ出し、より効率的な手段で転職を進めることを意識してくださいね。
③選考(1カ月~2カ月):書類選考~面接
企業への応募が終わり、書類選考を通過したら面接の段階に入っていきます。面接を突破するには本番前の対策がとても重要になってきます。以下のやるべきことは必ずおこない、本番に臨むようにしてくださいね。
面接を受けるにあたってやるべきこと
- 転職面接で聞かれやすい質問への対策をおこなう
- 就職エージェントなどを活用して質問の回答をチェックしてもらう
- 面接の形式を確認しそれに合わせた準備を進める
- ビジネスマナーを意識して面接後にお礼のメールを送る
面接本番に向けた質問への回答を作るのはもちろんですが、就職エージェントを活用して回答の内容をチェックしてもらったり、練習相手になってもらったりするのも効果的です。
また、近年はリモート面接をおこなう企業も増えてきました。自分が受ける企業の面接は会社へ出向く面接なのか、リモート面接なのかによって準備するものも変わってくるので、事前にチェックしておくようにしましょう。
YONEDA YUKI
「どんな質問が聞かれるの? 」「面接に向けてどんな準備をすればいいの? 」という疑問については、後ほど詳しく解説しているのでそちらを参考にしてくださいね。
④内定後(1カ月~2カ月):退職~転職先への入社
無事内定をもらえた後は、退職〜転職先の入社までをスムーズに進めていきましょう。以下の流れを参考にしてくださいね。
退職~転職先へ入社までの流れ
- 内定をもらえた企業の中から承諾先を決める
- 内定先と入社日をすり合わせる
- 今勤めている会社に退職の旨を伝える
- 引継ぎを終わらせて退職する
上記のフローのなかで特に重要なのが、退職日と転職先の入社日の調整です。転職先へはいつでも入社できるわけではなく、入社可能な日が設定されている場合がほとんどです。調整しないままに退職を伝えてしまうと、思っていたタイミングで入社ができなくなる可能性もあります。
転職先はいつから入社してほしいと思っているのか、今の会社はいつを退職日にできそうなのか、この2点をしっかり把握したうえで、退職の手続きを進めていきましょう。
MATSUSHITA KENTO
円満退社を目指すうえでは、引継ぎをしっかりおこなうことも重要になってきます。引継ぎ資料の作成や後任に口頭で仕事内容を伝える時間を作り、あなたがいなくても円滑に業務が回るような体制を整えておくのが大切です。
Adviser Comment アドバイザーからのコメント
HONDA YURIKA 本田 百合香
転職成功のカギは事前準備の徹底にあり!
何も計画せず、手探りの状態で転職を進めてもなかなかうまくはいきません。後悔のない転職、効率的な転職を実現するには、まず全体の流れを把握しておくことが大切です。
特に重要となるのが、最初のステップである事前準備です。自己分析や業界研究などがしっかりできていれば、その後の転職先選びや書類作成などもスムーズにおこなうことができるほか、選考対策もレベルの高いものになります。
また、事前準備の中で転職活動のスケジュールなどもある程度決めておくことで、退職から転職先への入社においてのトラブルが発生するリスクも回避できます。転職活動全体の基盤となる事前準備の質がその後の転職活動の結果にも大きくかかわることから、妥協することなく、入念に事前準備をおこなうようにしましょう。
「いつ何をすればいいのか」を転職の流れに合わせて把握することが内定への道!
転職を目指すにあたって流れがわかっても、実際に行動へと移そうとするには大きなハードルがありますよね。具体的に何をすればいいのか、いつから始めたらいいのかなど、迷ってしまう場面も多いと思います。
わからないことは不安が大きくなるものです。そこで、「いつ」「なにをすればいいのか」というこの2軸で理解を深めていくことが、転職への不安を解消し成功に近づいていく対策となりますよ。
ここからは転職の段階ごとにすべき準備を詳しく解説していくので、しっかりチェックしていきましょう。
【事前準備】転職を成功に導く絶対に外せない5つの準備
転職を進めていくうえで、もっとも重要となるのが事前準備です。ここをおろそかにしてしまうと、進め方に悩み時間を浪費してしまったり、選考本番で本来の力を発揮できず転職がうまくいかないなんて事態にもなりかねません。
ここからは、転職活動を進めていくうえで絶対に外せない5つの準備を解説していきます。一つずつチェックしていきましょう。
①転職の目的を明確にする
事前準備のなかでもっとも重要ともいえるのが、転職の目的を明確にすることです。転職の目的はあなたの「転職の軸」ともいえます。目的が明確でないと転職活動を進めていくうちに、「自分はなんで転職したいと思ったのか」がブレてしまう可能性があります。
そうなると、自分の転職の目的に合わない企業へ転職してしまう可能性も出てきてしまうので、しっかりと目的を決めるようにしてくださいね。
転職の目的を明確にするには、転職で自分がどんなことを叶えたいのか、できるだけ具体的に考えてみてください。
転職の目的の例
- エンジニア職へと転職して将来的に独立できるような専門的なスキルを身に付ける
- 営業職として成果主義の会社に入りチームをまとめるマネージャーを目指す
MATSUSHITA KENTO
転職の目的が明確であればあるほど、自分が目指すべき転職先も明確に見えてきます。理想の転職を叶える第一歩として、まずは目的を明確にしていきましょう。
Adviser Comment アドバイザーからのコメント
YONEDA YUKI 米田 有希
転職の目的を明確にすることは理想の未来をつかむことにつながる!
目的を明確にしないまま転職した場合、自分に合っていない会社へ入社してしまうリスクが高まります。「自分が何をしたいのか」「転職を通じてどんな将来を実現したいのか」といった部分が決まっていない状態なので、ミスマッチとなる可能性が高くなってしまうのは当然のことです。
自分に合っていない会社で働くのであれば、時間をかけて転職した意味がなくなってしまいますよね。最悪の場合、転職を繰り返してしまう可能性すらあります。短期間で転職を繰り返すいわゆる「ジョブホッパー」は、企業から「入社してもまたすぐに辞めるのではないか」という懸念を抱かれやすいため、採用を見送られてしまうケースもあります。
転職活動は、自分とってより良い未来をつかむためにおこなうものです。上記のようなネガティブな未来にしないためにも、事前準備のなかでしっかり考え、転職の目的を明確にできるように取り組んでくださいね。
転職の軸についてはこちらの記事でも詳しく解説していますよ。
転職の軸60選! 自分だけの軸を見出すカギは不満の言語化にあり
②転職活動のスケジュールを設定する
転職活動は新卒の就活と違い、この時期から就活の情報が解禁して、この時期から選考が始まるというような明確なスケジュールが決まっていません。始めるタイミングから終わりまで、すべて自分の意思で決めていかなければいけないのです。
そのため、転職活動を始めるにあたって、内定の時期から逆算し、準備から内定までのスケジュールを立てることがとても大切です。スケジュールを立てることで、やるべきことが明確になり、内定まで迷わず進むことができますよ。
HONDA YURIKA
準備や選考にかかる期間の目安を参考に、内定までのスケジュールを設定していきましょう。
転職活動にかかる目安
- 事前準備:2週間~1カ月
- 転職先選び:2週間~1カ月
- 選考:1カ月~2カ月
- 内定後:1カ月~2カ月
③自己分析から自分の強みや性格を見つけ出す
自己分析も転職準備の段階でやっておくべきことの一つとなります。自己PRや志望動機を作成していくためにも、自分の強みや性格を知ることはとても重要です。
「新卒の就活時に一度やったからいい」と思うかもしれませんが、仕事を経験するなかで強みや志向性が変わっている場合もありますよね。「今の自分」を見つめ直してみて、自分はどんな強みを持っているのか、どんな性格でどんな場所で活躍できそうかを見つけ出していきましょう。
自己分析の方法の例
- モチベーショングラフ:これまでの人生のモチベーションを可視化することで向いてる環境や条件を見つける方法
- マインドマップ:頭の中の考えを書き出すことで自分の思考が整理する方法
- 自分史:過去のエピソードから自分の根底にある価値観や強みを見つける方法
MATSUSHITA KENTO
自己分析はどれか一つの方法で自分のことがすべてわかるわけではありません。さまざまな方法を試してみて、いろいろな角度から自分の価値観を見つけていくのが大切です。
④キャリアを振り返ってスキルや経験を棚卸しする
企業はあなたのキャリアから自社に貢献してくれる人材かどうかを判断しようとしています。だからこそ、これまでのキャリアを振り返って、自分の言葉でこれまでのスキルや経験を話せるようにしておく必要がありますよ。
棚卸しがうまくできていないと、自分の魅力を十分に伝えることができず、選考がうまくいかない可能性もあります。重要な対策としてしっかりと準備していきましょう。
スキルや経験を棚卸しする例
- これまでの経験を部署や職種ごとに書き出す
- それぞれの具体的な仕事内容を振り返る
- 実績や身に付いたスキルを振り返る
YONEDA YUKI
期間と仕事内容だけでなく「どんな実績を上げたのか」「どんなスキルが身に付いたのか」まで振り返ることで、自分の強みまで見えてきます。できるだけ詳細に振り返って、仕事をとおして得たスキルや経験は何なのかを言語化していきましょう。
⑤業界研究から仕事内容への理解を深める
興味のある業界や職種の研究を進めて、仕事内容への理解を深めていくのも準備段階で欠かせない作業です。
念入りに調べないまま応募してしまうと、その企業に刺さるアピールも見えてこないので、選考を突破できる確率も下がってしまいますよ。
また、興味があるだけで、その業界や職種が自分に必ずしも合うとは限りません。自己分析から見つけた強みや性格が活かせる仕事であるか、という視点から理解を深めていくのが大切です。
業界研究の方法
- インターネットで「〇〇業界協会」「〇〇業界団体」などで検索する
- 業界新聞やニュースなどをチェックする
- 業界の関する本を読む
HONDA YURIKA
選考のなかでは、業界や職種についてどの程度理解できているか、という観点から質問されることもあります。詰まることなく回答するためにも、業界への理解を深めておくことは必要不可欠ですよ。
【転職先選び】書類作成から応募までの進め方4ステップ
多くの人が悩んでしまい時間をかけてしまうのが、転職先を選んで応募するまでのステップです。自分に合う企業を探すのに手間取ってしまい、なかなか進めないケースが多いのです。
そこで、ここからは書類作成から応募までのステップを解説していきます。情報を集めるコツから書類の作成の方法まで詳しく解説していくので、しっかりとチェックしていきましょう。
①複数の手段を使い幅広く求人情報を集める
転職先を選ぶにあたって、一つの媒体から情報収集するだけでは情報が不足してしまう可能性があります。自分にぴったりの企業を見つけるためにも、さまざまな求人を比較することはとても大切です。
多くの求人情報を集めるのは大変な作業ですが、自分の可能性を広げることにもつながるので、一つの手段だけでなくさまざま手段を使って情報を集めてみてくださいね。
たとえば、就職エージェントへ登録することで、公には後悔されていない非公開求人の中からあなたに合う求人が見つかることもあります。
求人情報を集める手段とそのやり方
- 就職サイトに登録して気になる業界や職種を探す
- 就職エージェントに登録して求人を紹介してもらう
- ハローワークを活用して求人を紹介してもらう
Adviser Comment アドバイザーからのコメント
HONDA YURIKA 本田 百合香
複数の手段を活用することが後悔のない転職につながる!
就職サイトであれば大手から中小企業まで幅広い求人情報を、就職エージェントであれば非公開のニッチな求人情報を、ハローワークであれば地方の中小企業など、集められる企業情報は手段によって大きく異なります。そのため、複数の手段を用いることは、さまざまな企業の情報を収集できるというメリットがあります。
また、複数の手段を使うことで、後悔のない転職にもつながります。一つの手段で限られた企業しか調べなかった場合、そのなかで自分に合う企業を探さなければならず、求める条件の一部を妥協しなければならないケースもあります。
逆に複数の手段によって幅広い企業を知ることができれば、あなた自身がもとめる条件をすべて満たす企業に出会える確率も上がりますよね。
より多くの企業を見ておけば、転職後に「やっぱりあの企業に転職しておけばよかった」という後悔が生まれにくいのはもちろん、「これだけ多くの企業の中から選び抜いた先に入社した」という事実は、転職後のあなたを支えるモチベーションにもなりますよ。
ハローワークの詳しい活用方法についてはこちらの記事が参考になるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ハローワークとは? 使い方や就活に役立つ8つのサービスを徹底解説
非公開求人についてもっと詳しく知りたい人は、こちらの記事もおすすめです。
非公開求人は公開求人との併用がマスト! 応募までの流れ4ステップ
②企業研究からどんな人材を求めているのか把握する
事前準備では興味のある業界研究をおこないましたが、応募の段階では企業の事業内容や特徴などの理解を深めて応募書類に反映させていく必要があります。
会社のホームページやSNSなどから、会社がどんな事業をおこなっているのか、どんな社風なのかなどの情報を集めていきましょう。企業研究からどれだけ企業への理解度が深められるかが、書類選考突破のカギになりますよ。
企業がどんな人材を求めているのか把握する方法
- ホームページの募集要項から「求める人材」「歓迎条件」などをチェックする
- 企業が運営しているSNSの発信内容から社風などを確認する
- 就職エージェントなどに会社の情報を聞いてみる
MATSUSHITA KENTO
自分での情報収集には限界があるので、就職エージェントなどを活用して転職先のことを聞いてみるのもおすすめの方法です。
③企業が求める人材に合う履歴書や職務経歴書を作成する
転職活動の書類選考では、履歴書と一緒に職務経歴書の提出を求められるケースがほとんどです。
職務経歴書とはこれまでの就業経験をまとめた書類のことで、仕事内容から実績、どんなスキルを身に付けたのかまで詳細に記載する必要があります。
書類選考では、この職務経歴書の就業経験から「自社で活躍できそうか」と判断されることになります。事前準備のなかでスキルや経験を整理したら、それらの経験を書類に盛り込んでいきましょう。
職務経歴書を書く際に意識したいポイント
- 実績や経験を数字でわかりやすく表現する
- 企業が求める人物像をイメージして作成する
- すべての経歴を書かず応募企業に合わせた経験を押し出す
YONEDA YUKI
応募企業が増えてくると書類を使いまわしたくなるかもしれませんが、それは避けておきましょう。応募企業に合わせた書類作成が選考突破のカギですよ。
書ける職歴がない……。そんな場合はこちらの記事で解説している対策が役立ちますよ。
職歴なしでも就職可能! 明確な理由と入社意欲で企業の心をつかもう
④最初から絞らず複数の企業に並行して応募する
理想の転職を叶えたい気持ちから、応募する企業を厳選して選考を進めたいと思うかもしれませんね。ただ、応募の段階から企業を絞りすぎるのはあまりおすすめできません。
応募数を絞りすぎると、たとえば選考が通らなかったときに一からスタートしなおさなければならず、時間的にも、モチベーション的にもマイナスな影響が出てしまう可能性があります。
焦るばかりに「このままだと転職がうまくいかないかも……」と自己嫌悪に陥ってしまい、転職をあきらめてしまう人もいます。モチベーションを保つためにも、応募数は限定しすぎず、できれば10~15社程度応募するのがおすすめです。
HONDA YURIKA
また、応募段階では志望度が低かった企業でも、選考をとおして自分とのマッチ度に気付く可能性もあります。応募してから自分に合う企業かどうか検討してみても遅くはありませんよ。
【選考】内定をつかむために必要な4つの選考対策
内定をつかむために必要な4つの選考対策
書類選考が終わればいよいよ面接に入っていきます。あなたの魅力を企業に伝えていくためにも、質問対策や準備などを徹底するのが大切です。
ここからは、内定をつかむために必要な4つの選考対策を解説します。どれも選考突破には欠かせない対策なので、内容をしっかりとチェックして対策を進めていきましょう。
①転職面接で聞かれやすい質問への対策をおこなう
新卒のときとは違い、転職だからこそ聞かれやすい質問がありますよ。たとえば、「転職を考えた理由」「これまでの就業経験」などは、新卒のときにはなかった質問です。確実に対策しておき、答えられるようにしておく必要があります。
転職で聞かれやすい質問
- 転職理由を教えてください
- 前の仕事で経験したことを教えてください
- 将来のキャリアプランを教えてください
- 当社を選んだ理由を教えてください
職務経験があるからこそ、転職面接においてはこれまでに身に付けたスキルのアピールが効果的です。持ち合わせているスキルなどを活かして転職先でどのように活躍できるのかや、将来目指しているキャリアなどを伝えていきましょう。
既卒の面接対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。既卒というマイナスイメージを払拭していくためにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。
既卒の面接はマイナスイメージの払拭が最重要|3つの必須対策を解説
キャリアビジョンの考え方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。併せて参考にしてみてくださいね。
キャリアビジョンとは? 10例文付きで解説する作成の極意!
前職の退職理由を聞かれる際に、一身上の都合と答えると深掘りされるケースもあります。事前対策としてこちらの記事もチェックしておきましょう。
「一身上の都合」は理由を聞かれる可能性あり|就活での伝え方を伝授
②就職エージェントなどを活用して質問の回答をチェックしてもらう
就職エージェントに質問の回答をチェックしてもらうメリット
- 第三者の視点から回答の改善点を見つけてもらえる
- 就活のプロとして選考が有利になるようなアドバイスをしてくれる
選考対策は一人でもできますが、それでは自分視点だけの回答になってしまい十分な対策とは言えません。自分では完璧だと思っていても、実際に話を聞いた人の視点ではわかりづらい言い回しになっていたりと、改善点は意外と見つかるものです。
そこで活用したいのが就職エージェントです。これまでに何人もの学生をサポートしてきた転職のプロが、あなたが作成した回答を見たり、聞いたりしたうえで、どこを改善すればよりあなたの魅力が伝わるのかをアドバイスしてくれますよ。
Adviser Comment アドバイザーからのコメント
MATSUSHITA KENTO 松下 建都
就職エージェントを活用してプロからアドバイスをもらおう!
転職活動について、周囲に相談できず、一人で進めている人もいるかもしれませんね。新卒就活であれば、一斉に就職活動がスタートするので、友達や家族、大学キャリアセンターなど、周りに頼れる存在が多いですが、転職活動は仕事を始めているからこそ、孤独になりやすい傾向にあります。
しかし、一人の力で転職を乗り越えるのは難しいのも事実です。そこでおすすめなのが、就職エージェントなど転職のプロに頼る方法です。特に転職が初めての人にとっては、心強い味方となります。プロの視点による面接対策や第三者による客観的なアドバイスがある場合とない場合では、選考を突破できる確率も大きく変わりますよ。
また、就職エージェントは転職に関する相談相手にもなってくれます。孤独になりやすく、常に不安がつきまとう転職活動だからこそ、あなたのモチベーション維持や不安解消にも寄り添ってくれる就職エージェントを活用することをおすすめします。
③面接の形式を確認しそれに合わせた準備を進める
近年、対面の面接だけでなくリモート面接をおこなう企業も増えてきました。どちらの形式でおこなうかにより、面接に向けた準備の内容も変わってくるので注意が必要です。企業の面接方法を確認したうえで、準備を進めていきましょう。
対面の場合は、当日持っていく持ち物や服装などをチェックしておく必要があります。企業から指定がある場合もあるので、面接の案内をしっかりとチェックしておきましょう。
リモート面接の場合、基本的には企業から面接用のURLが送られてきます。開始時間の数分前にはURL先に入っておき、開始時刻に遅れることがないようにしてくださいね。また服装については、スーツや私服などの指定がある場合がほとんどなので、そちらも確認しておきましょう。
YONEDA YUKI
本番前に家族や友人に頼んで接続が問題ないか、音声はしっかりと聞こえるかなどテストしておくといいですね。
④ビジネスマナーを意識して面接後にお礼のメールを送る
社会人としてのマナーをアピールするために、面接終了後にお礼メールを送るのもおすすめの方法です。仕事で忙しいなか自分のために時間を割いてくれた相手に対して、誠意を込めてお礼のメールを送りましょう。
メールを送るのは面接をした当日、できれば面接が終わってすぐがおすすめです。あまりに遅くなってしまうと、忘れていたのかなと思われる可能性があります。感謝の想いを伝えること念頭に、できるだけすぐに送るようにしてくださいね。
HONDA YURIKA
面接を通して転職先への理解がより深まったと伝えることで、義務感ではなくしっかりとしたお礼のメールだということが伝わりますよ。
面接後のお礼メール例文
To▼△@vvvvv.jp
Cc
件名〇月〇日 採用面接のお礼(〇〇(自分の名前))
株式会社〇〇
△△部 △△様
〇〇(自分の名前)と申します。
本日はご多忙のなか、面接のお時間をいただき、誠にありがとうございました。
面接を通して、貴社の仕事内容や今後のビジョンを伺い、御社への理解をさらに深めることができました。改めて、御社に入社して貢献したいと強く感じています。
ご多忙かと存じますので、ご返信にはおよびません。
末筆ながら、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
〇〇 (自分の名前)
電話:000-0000-0000
メールアドレス:〇〇@xxxxx.com
【内定後】円満退社に向けた内定~退職までの流れ4ステップ
内定がでたら、次は退職~転職先への入社と、転職活動としては最後のステップに入ります。円満退社を目指すうえでは、退職日のすり合わせや引継ぎ資料の作成など、やることはたくさんあります。ここから解説する退職までの流れを参考に、スムーズに対応を進めましょう。
①内定をもらえた企業のなかから内定承諾先を決める
無事内定をもらえた後は、どの会社に転職するかを決めていきます。転職の場合、選考の進み具合によって各社の内定をもらえる時期が変わってくるので、内定時期の調整も必要になってきます。
たとえば、第二志望の企業から内定をもらっていて第一志望の会社の内定待ちの場合、第二志望の会社に承諾を待ってもらうように依頼する必要が出てきますよね。もし、待ってもらえないようなら、内定を承諾するか判断しなくてはいけません。
MATSUSHITA KENTO
企業から急かされて適当に決めてしまった……といったことがないように、承諾先を決める際は「転職の軸」を再度確認するようにしてくださいね。
②転職先と入社日をすり合わせる
内定先と入社日をすり合わせる際のポイント
- 内定を承諾したらすぐに入社日を調整する
- 有給休暇の消化なども踏まえて退職日を決める
意外と重要なポイントが、内定先との入社日のすり合わせです。面接ですり合わせをしている場合もありますが、詳しい入社日まで決めるのは基本的に内定後となります。
入社日はある程度定められている会社が多く、1カ月に1回、もしくは2回などの決められたタイミングでしか入社できないケースがほとんどです。そのため、今の会社を退職できるタイミングを確認したうえで、いつから入社できるのか転職先に伝えるようにしましょう。
YONEDA YUKI
引継ぎ期間は一般的に1カ月程度とされていますが、業務のボリュームや有給休暇の消化などもあるので、人それぞれで変わってきます。内定先がいつからの入社を希望しているか、その希望に合わせることができそうか確認してみてくださいね。
③今勤めている会社に退職の旨を伝える
内定の承諾先を決めて先方に承諾の連絡まで終えたら、現職の会社に退職の旨を伝えましょう。まずは直属の上司に退職することを伝え、今後の手続きや引継ぎの流れなどの指示をもらいます。
また、何月何日を退職日にするのかの調整も進めていきます。入社日を内定先とある程度すり合わせを進めているなら、それに合わせて退職日を調整したいと上司に相談してみましょう。もし退職日が希望に合わせられない場合は、転職先と入社日を調整する必要も出てきますよ。
HONDA YURIKA
転職先に予定していた入社日での入社が難しいことを伝える際は、できるだけ早めに情報共有することが大切です。入社日が延びてしまう理由は「大きな案件を終わらせる必要があるため」など、業務上、仕方のないことなのだと伝えてくださいね。
入社日を就職先と調整するための例文
現在担当している〇〇プロジェクトの関係で、現職の会社からプロジェクト完了までは残ってほしいとの相談がありました。私が主導しているプロジェクトなこともあり、〇月末まで勤務したいと思っています。
大変申し訳ないのですが、入社日を〇月△日以降に遅らせていただくことは可能でしょうか。
④引継ぎを終わらせて退職する
退職日が決まったら、退職するまでに後任への引継ぎを進めていきます。引継ぎをする際は、口頭ですべてを伝えようとするのではなく、書類にもしっかり残しておき、見返せるようにしておくことが大切です。
漏れがないように引継ぎを終わらせるコツ
- 引継ぎのスケジュールを立てる
- 引継ぎ業務をリスト化した資料を作成する
- 引継ぎ資料を口頭で説明する時間も設ける
今の会社を円満に退職するには、引継ぎをしっかり終えることが必要不可欠です。引継ぎ漏れがないように気を付けてくださいね。
MATSUSHITA KENTO
転職の準備や通常業務もあり、引継ぎ資料の作成時間をあまり取れないというケースも多々あります。転職を決めた段階から少しずつ引継ぎに向けた準備を進めておくと退職直前にバタバタせずに済みますよ。
転職活動を早めに終わらせるには? 確認必須の2つのポイント
転職活動を効率的に終わらせるポイント
- 面接の日程調整は有休などを活用して企業の希望に合わせる
- 引継ぎ資料の作成は事前に進めておく
転職活動はやることも多く、意外と時間がかかるものです。ただ、今の職場から早く離れたいなど、スムーズに転職を終えたい場合もありますよね。
そこでここからは、転職活動を効率的に終わらせるための2つのポイントを解説していきます。積極的に活用してみてくださいね。
面接の日程調整は有休などを活用して企業の希望に合わせる
面接の日程調整は企業の希望に合わせた方がいい理由
- 面接日がどんどん先延ばしになり転職期間が伸びてしまうから
- 志望度が低いと判断されて選考が不利になる可能性があるから
転職活動が長引く要因の一つに、面接の日程調整がうまくいかないことが挙げられます。新卒のときと違い、働きながらの転職となると日程を合わせるだけでも苦労しやすいです。
企業も通常業務の合間に面接をしている関係もあり、日程調整がうまくいかないと面接本番がどんどん延びてしまう可能性もあります。
転職を早めに終わらせるためには、有給休暇制度を活用していきましょう。企業の要望に合わせた面接日に調整することで、転職活動を早めに終わらせることができますよ。どうしても外せない仕事がない限りは有休を取得して、企業の要望に合わせるようにしてみてくださいね。
HONDA YURIKA
日程をうまく調整することで「この人は頑張って日程を合わせてくれているな」とプラスの印象を抱いてもらえる可能性がありますよ。
働きながらの転職活動についてはこちらの記事でも詳しく解説していますよ。有休を活用した日程調整の他にも効率よく進めるためのポイントを紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。
転職活動は働きながらでもできる! 共倒れにならない転職5ステップ
引継ぎ資料の作成は事前に進めておく
引継ぎ資料の作成を事前に進めておいた方がいい理由
- 通常業務に時間を取られて引継ぎが十分にできないことがあるから
- 日頃から準備を進めることで引継ぎ漏れの可能性が少なくなるから
引継ぎがうまくいかずに転職活動期間が伸びてしまうというのもよくあるケースです。通常業務に加えて、退職のあいさつ回り、退職の手続きなども進める必要があるので、引継ぎに時間を割けないのは仕方のない面もあります。
だからこそ、転職を決意した段階から少しずつでも退職に向けた準備を進めておくことで、退職期間を短くすることができます。たとえば、転職をすると決めたあと、「引継ぎが必要だと思った業務をメモしておく」「1日10分だけ引継ぎ資料の作成を進める」などの退職に向けた事前準備は進められますよね。
MATSUSHITA KENTO
少しずつでも日々積み上げることで、スムーズに退職まで進めることができますよ。
転職の流れを理解して内定まで一直線に進んでいこう!
ここまで、転職活動のおおまかな流れ、準備〜内定後のやるべきことなどを解説してきました。
転職を目指すうえでは、準備から内定までの流れを理解するのがとても重要です。それぞれのステップで「いつ」「何をすればいいのか」まで理解し、自分がやるべきことを明確にすることで、内定まで一直線に進むことができます。
この記事の内容を参考に、転職の全体像を押さえて、理想の転職をかなえていきましょう。
- 記事の編集責任者
- 今井 祐大セカンドエージェントG マネージャー