キャリアチェンジ成功の手引き|基礎知識から選考対策まで一挙公開!
この記事に登場するアドバイザー
キャリアチェンジとは? すべきかを冷静に判断しつつ必須準備をチェックしよう!
キャリアチェンジについて悩んでいる人から、よくこんな相談をもらいます。今後の自分のキャリアについて考えた結果キャリアチェンジを視野に入れてみたけど、本当にそれが自分にとって一番良い選択肢? そんな疑問を持つこともありますよね。
キャリアチェンジをするかどうかの判断は、慎重にする必要があります。まずは今本当に自分がキャリアチェンジをするべきかどうかの見極めから始め、どんな方向性でキャリアチェンジをするのか、成功させるためにはどうするべきかをしっかりと考えたうえで決断をしましょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの意見を交えながら、キャリアチェンジの意味から自分に合った進路の見極め方、キャリアチェンジを成功させる方法について解説していきます。一緒にあなたの今後のキャリアについて、ここでゆっくり考えてみましょう。
そもそもキャリアチェンジって何? 基礎知識を身につけよう
キャリアチェンジの基礎知識
キャリアチェンジには似た用語がいくつかあります。あなたはそれぞれを混同することなく、正しく理解できているでしょうか?
キャリアチェンジについて考える前に、まずはその意味を詳しく理解できているか、キャリアチェンジをすることでどんな影響があるのかを確認してみましょう。
未経験のことに挑戦する「キャリアチェンジ」
「キャリアチェンジ」はその名の通り、これまで経験したことのない業界や業種、職種にチャレンジすることを指します。
業界や職種がまったく違う環境に挑戦する場合だけでなく、同じ業界でも別の職種に挑戦したり、同じ仕事内容であっても別の業界に飛び込むことを表す言葉です。
キャリアチェンジ
未経験の業界や職種へ転職すること
似た用語との違い
キャリアチェンジには似たような言葉がいくつかあります。たとえば「キャリアアップ」。これは、より高いスキルを身につけたり、実績を積むなどして、自分の経歴を高めることを指します。キャリアアップのために異業種に挑戦する場合が「キャリアチェンジ」ですね。
また、転職もキャリアチェンジと同じような意味を持った言葉です。働く場所が変わるからキャリアチェンジと一緒? と思うかもしれませんが、働く場所が変わったとしても、業界や仕事内容が一緒ならそれは「転職」。別の業界や仕事内容を変えた場合を「キャリアチェンジ」と言いますよ。
YONEDA YUKI
ほかにも同じ職場の中で部署異動をすることで希望のキャリアを叶えることを「社内キャリアチェンジ」と呼びます。
キャリアアップ
より高いスキルを身につけたり、実績を積むなどして、自分の経歴を高めること
キャリアチェンジのメリット&デメリット
キャリアチェンジは大きな決断。自分の目標に近づくための大きな一歩ですが、無視できないデメリットもあります。これまでとは環境もすることもがらりと変わるので、少なからず壁に感じるようなこともあるでしょう。
ここからは、キャリアチェンジのメリットとデメリットについて解説していきます。これらの情報もしっかりと踏まえたうえで、これからのあなたの進むべき道について考えてみてくださいね。
キャリアチェンジのメリット
キャリアチェンジのメリット
- 自分の好きな分野に挑戦できる
- 新たなスキルを身につけられる
- 新たな環境で視野を広げられる
キャリアチェンジのメリットは、何といってもそのとき自分の関心のある分野に挑戦できること。新たに興味を持ったことや、やりたいと思ったこと、それが今の仕事と違うものなら、キャリアチェンジをしてその仕事に就きたいと思うこともありますよね。
また、複数の業界や職種を経験することで、身につけられるスキルが増えるだけでなく、広い視野を持つことができるようになります。複数のキャリアに触れることで、ほかの人にはない考え方やモノの見方が身につくことも考えられますね。
HONDA YURIKA
広い視野を持っていることで、問題や課題に対して柔軟な対応ができるようになります。前職で身につけたスキルや経験は、必ず今後のあなたの役に立ちますよ。
キャリアチェンジのデメリット
キャリアチェンジのデメリット
- 収入が下がる可能性がある
- 新しい働き方やスキルを身につけるときの負担が大きい
- 同世代や下の世代ができていることができず焦ることもある
まず第一に、キャリアチェンジをすることで収入が下がるケースがあるのは覚えておきましょう。特に前職で役職を持っていたり昇進していた場合、キャリアチェンジによって0からのスタートになることで給料が下がってしまう可能性があります。
また、新しいことを覚えるのは大変なもの。なかにはこれまでの仕事のやり方や向き合い方を大幅に変えなければならず、それが負担になる場合もあるでしょう。
MATSUSHITA KENTO
新しいことを始めるなら苦労はつきもの。焦らず一歩一歩、あなたのペースでできることを増やしていけば良いという意識を忘れないでくださいね。
Adviser Comment アドバイザーからのコメント
YONEDA YUKI 米田 有希
収入低下を回避する対策は自身の「市場価値」を上げること
キャリアチェンジに伴う不安として大きいのは、やはり収入低下に関することでしょう。中途採用になるので、ある程度のスキルを持った人を採用したいと考える企業は多いものです。異業種からの未経験者がそこへ飛び込むとなると、もとめられるスキルに達しているかどうかが重要になってきます。
そのため、まずはその業界に必要なスキルを最低限身につけることや、今持っている能力とキャリアチェンジを目指す仕事の結びつけをアピールできるかどうかが重要です。自分を採用することで得られるメリットを分かりやすくするのです。
また、20代であれば多少のスキル不足でも今後のレベルアップを見すえて経験を積ませたいと考える企業もあります。そんな企業なら収入を下げずにキャリアチェンジできる可能性もありますよ。
今チャレンジするのってどう? 若手のキャリアチェンジの実態
キャリアチェンジに挑戦するなら、その実態は把握しておかなければなりません。特にキャリアチェンジを目指して転職をしようと考えているなら、自分の置かれている状況を客観的に見て、企業からどんなふうに思われている可能性があるのかは知っておきたいポイントです。
ここからは若手のキャリアチェンジについて、その実態を解説していきます。キャリアチェンジを目指す若手人材の立ち位置について、ここでしっかり確認しておきましょう。
企業から早期離職の不安を抱かれやすい
企業の不安解消のポイント
- 納得感のある転職理由と退職理由を伝える
- 志望企業では退職理由を解消できることを伝える
- 今後どんなふうに働いていくのかを具体的に伝える
若手で転職活動をする人、いわゆる「第二新卒」に対して不安を抱く企業があるのは事実。なかでも多いのが、早いうちに前の仕事を辞めたことに対する不安です。
「一度早いうちに辞めた経験があるから、離職のハードルが下がってるかも」「仕事で嫌なことがあったらすぐに辞めてしまうかも」そんな不安を感じてしまう企業もあるでしょう。
YONEDA YUKI
この不安を解消するのに必要なのは、納得感のある退職理由と転職理由です。前の仕事を辞めたのには確固とした理由があること、志望企業では希望を叶えながら働けることをしっかり伝えましょう。
第二新卒
明確な期間などの決まりはないものの、一般的には「学校を卒業後、企業に入社してから1〜3年で退職をしたり、転職を考えている人」を指す
転職を目指す若手に対して企業が抱きやすい不安の解消法は、こちらの記事でも詳しく解説しています。併せて参考にしてみてくださいね。
「第二新卒はやめとけ」は無責任な意見! 軸づくりのための必須対策
面接でアピールできるスキルが少なく選考突破の難易度が高い
面接でアピールできるポイント
- 若手ならではの成長性
- 入社意欲の高さ
キャリアチェンジは未経験のことにチャレンジするもの。職種が未経験なら、実務経験やスキルをアピールするのは難しいかもしれません。
また、経験職種であったとしても、第二新卒でのキャリアチェンジとなるとアピールになるようなスキルや実績がまだ十分にはない可能性もありますよね。面接でアピールできるものが少ない分、選考を突破する難易度は高くなりがちなのです。
HONDA YURIKA
これはスキルの代わりにポテンシャルをアピールすることで、ある程度挽回できます。若手ならではの成長性や意欲を伝えましょう。
若手人材を中途採用する企業が増えている
少子高齢化の影響を受けて、若手人材が不足している企業が多いのが最近の就活市場の特徴です。
厚生労働省が平成31年3月に卒業した新卒就職者の離職状況をまとめた「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)」によると、入社後3年以内に退職した大卒の人は32.3%とされています。新卒で入社した人のうち、約3割が退職をしていることがわかりますね。
若手の人材の確保が少しずつ難しくなっている中、入社後早いうちに仕事を辞めてしまう人が一定数いるのが現状です。この穴を埋めるために中途採用が活発になっており、なかでも新卒と同じようなメリットのある第二新卒の人たちには注目が集まっていますよ。
中途採用についてはこちらの記事を参考にしてみてくださいね。基本情報や覚えておきたいことについても詳しく紹介しています。
中途採用とは? 確認必須の10の基本|攻略の糸口は目的理解にあり
第二新卒を採用している主な大手企業
- 楽天
- 日産自動車
- 花王
Adviser Comment アドバイザーからのコメント
HONDA YURIKA 本田 百合香
少子高齢化の影響で今後も若手人材をもとめる企業は増加する可能性がある
少子高齢化の影響により、今後若手世代の人材不足と上の世代の大量退職が続くことからも、若手の採用に力を入れる企業は増えていくと考えられます。
また、企業によっては副業を解禁するところがあったり、リスキリング(学び直し)を政府が主導となって進めていることから、一つの仕事にこだわる時代が変わりつつあることが感じ取れます。
こういったさまざまな理由から、大手に限らず若手をもとめる企業は増えていくことが考えられますよ。
キャリアチェンジに適したタイミングを見極める4ステップ
キャリアチェンジについて考える時、そもそも今キャリアチェンジをして良いのか悩んでしまうこともありますよね。
「キャリアチェンジしたい気持ちもあるけど、今がそのタイミングなのかわからない……」そう悩んでいるなら、ここで一度あなたにとってのベストタイミングが今なのかを見極めましょう。
転職のタイミングについては、こちらの記事でもっと詳しく解説しています。今後のキャリアに悩んでいる人は併せて参考にしてみてくださいね。
転職のベストタイミングを選ぶための3要素とは? 避ける時期も紹介
ステップ①キャリアチェンジしたい理由を明確にする
キャリアチェンジしたい理由を明確にする3ステップ
- 今抱えている不満を書き出す
- キャリアチェンジをしなければ解消できない不満をピックアップする
- ピックアップした不満をキャリアチェンジの理由に置き換える
キャリアチェンジをするうえでは、その理由があなたの中で明確になっているかどうかは重要なポイント。まずはその理由が言葉にできるかどうかを考えてみましょう。
キャリアチェンジの理由がはっきりしないまま踏み切ってしまうと、何を目指しているのかがわからなくなってしまう可能性があります。
MATSUSHITA KENTO
理由がはっきりしていないと、どんな企業に行くべきか、どんな業界を目指すべきかの判断基準があいまいになってしまいます。ここはしっかり考えておきましょう。
ステップ②キャリアチェンジをした結果どんな自分になっているかイメージする
より深掘りしたイメージをするための3ステップ
- 何ができるようになったのか
- 仕事でどんな成果を残すことができたのか
- その結果どうなったか
キャリアチェンジをすることでどんなふうに変わることができるのか、具体的にイメージはできているでしょうか? ここで「キャリアチェンジをしたことでどんなふうになりたいのか」をもう一度考えてみましょう。
キャリアが変われば、働く環境や仕事内容だって変わりますよね。ポイントは、そこから一歩踏み込んで「何ができるようになったのか」「仕事でどんな成果を上げられたのか」「その結果どうなったか」まで深掘りしてみることです。
ステップ③イメージ通りの自分になるために必要な環境をピックアップする
こんなふうに考えよう!
- どんな仕事ができる職場?
- 職場はどんな環境?
- その職場の雰囲気は?
- 周りにどんな人がいたら良い?
キャリアチェンジをした先のあなた自身についてイメージができたら、今度はそれを実現するためにはどんな環境が必要なのかを考えてみてください。
これをはっきりとさせることで、転職をする場合にはどんな企業を選ぶべきなのか、どんな業界がベストなのかがわかります。
業務内容や、職場環境はみんなで協力して1つの目標を達成する雰囲気なのか、個人主義なのか。どんなに小さなことでも構わないので、できる限り具体的に環境をピックアップしてみましょう。
ステップ④今している仕事ではそれを実現するのは不可能かどうか考える
必要な環境がピックアップできたら、それが本当に今している仕事で実現ができないものなのかを考えてみてください。
もしかすると、同じ仕事であってもチームが変わるだけで実現できたり、これまでとは少し違った仕事をさせてもらうことである程度希望が叶えられるかもしれません。
もしどうしても今の仕事で実現するのが不可能なら、今があなたにとってキャリアチェンジをするのにぴったりな時期の可能性があります。この機会によく考えてみてください。
今している仕事でできること
- チームや部署を変えてもらう
- これまでと違う仕事ができないか上司に相談する
Adviser Comment アドバイザーからのコメント
MATSUSHITA KENTO 松下 建都
キャリアチェンジの目的の明確化もタイミングの見極めには重要
キャリアチェンジを考えるということは、今の自分の立場や現状に何らかの不安や不満を抱えている場合が多いですよね。
まずはその元となる種を取り出してみましょう。そのうえで今の職場、働き方、内容とキャリアチェンジ先に考えている業界や企業を比較した時、今の環境よりも自分にマッチするのか? そもそもどこまでその業界について調べたのか? そういった点を人に伝えられるぐらいに自己分析を行うことが重要です。
キャリアチェンジの目的を明確にすることで、ではいつ転職をするのが最適なのか? その答えが見えてくることもあるでしょう。キャリアチェンジのタイミングを見極めるなら、その目的を掘り下げることから始めるのも手段の1つですよ。
キャリアチェンジ成功のカギは企業の不安を解消できる明確な転職理由!
前にも解説したとおり、企業がキャリアチェンジを目指して転職活動をする人へ抱きやすいのは、早いうちに仕事を辞めてしまわないかという不安。これを解消するための一番のアピールになるのは、明確な転職理由です。
転職理由をはっきり伝えることができないと、企業は「今の仕事が嫌だからという理由だけでの転職?」「入社しても同じような理由でまた辞めてしまうかも」と不安になってしまいます。
転職の目的が明確なこと、前職を辞めた要因を解決できると感じる根拠があることをしっかりと伝えて、十分な意欲があることを知ってもらうのがキャリアチェンジを成功させるカギなのです。
キャリアチェンジの転職者に対する企業の本音は? 不安を解消する転職理由の伝え方
キャリアチェンジを希望している転職者に対して企業がどんな印象を抱くのか、その本音を知って確実に不安を解消できる対策をすることがキャリアチェンジをするうえでは重要です。
ここからは、企業が実際にキャリアチェンジを希望する転職者に抱きやすい不安と、それを解消するためにはどうするべきかを解説していきます。ここでしっかりと確認して、確実な選考対策をしましょう。
企業の本音をふまえた若手の転職についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。併せて参考にしてみてくださいね。
「第二新卒はやばい」は信じる必要ナシ|企業の本音を知って行動開始
「なんとなく今の仕事を変えたいだけじゃない?」
●キャリアチェンジしたい理由を人に伝えられるレベルまで言語化しよう!
キャリアチェンジをしたい理由が漠然としていると、企業は「本当にこの仕事に熱意を持って取り組めるのかな」と不安に感じてしまいます。仕事への熱意が低い人をわざわざ採用する企業はありませんよね。
意欲をしっかりと伝えるためにも、事前に「なぜキャリアチェンジがしたいのか」は誰かに説明できるくらいしっかりと考えておきましょう。
キャリアチェンジをしたい理由
私がキャリアチェンジを希望するのは、学生時代から追いかけていた出版社勤務の夢にもう一度チャレンジしようと思ったからです。
新卒の就活では出版社から内定をもらうことができず、食品会社に内定をいただきそこに就職いたしました。もちろん食品会社での仕事も非常にやりがいがあり、自社の製品でたくさんの人が笑顔になってくれるのはとてもうれしく感じました。
しかし、自社のベストセラー商品についてある出版社の方からインタビューを受けた時、やはりコンテンツを一から作り、私が制作に携わった本がたくさんの人の手に渡る経験がしたいと強く感じていた学生時代の気持ちを思い出しました。
YONEDA YUKI
食品業界から出版社の社員へキャリアチェンジしたい理由がわかりやすく解説されています。納得感のある理由の説明ができていますね。
「弊社じゃないといけない明確な理由はある?」
●その企業・職種だからこそ転職したい独自の熱い理由に変換しよう!
キャリアチェンジをしたい理由を「志望企業でなければいけない理由」に変換することも大切です。ただキャリアチェンジをするだけなら、ほかの企業でも希望が叶えられるはず。なぜ志望企業で働きたいと思ったのか? それをしっかりと伝えましょう。
大切なのは、徹底的な企業研究。その企業の掲げる理念や事業内容、そこで働いているのはどんな人たちか、どんな働き方をしている人がいるのか。小さなことで構わないので、あなたの希望と企業の特色の中にある共通点を見つけましょう。
HONDA YURIKA
企業研究を通してより深く企業を理解できます。入社後のギャップやミスマッチをなくすこともできるので、この作業はしっかりしておきましょうね。
志望企業でなければならない理由
私は読書家たちの幅広いニーズに徹底的に応えようとする御社の姿勢に深く共感しております。私自身、ニッチな作家の作品が御社によって書籍化され、文庫本になるのを楽しみにしている読者の一人でした。
読者層を把握したうえで敏感にニーズを汲み取り、本当にその本を必要としている人に価値の高いものを提供する。そんな御社のファン一人ひとりと向き合う姿勢が、私が御社を志望する理由です。
MATSUSHITA KENTO
企業研究をし、その企業にしかない特徴を押さえたうえで志望しているのがわかります。志望度の高さが伝わりますね。
「職種への憧れだけで転職しようとしてない?」
●キャリアチェンジ後の将来を見すえたキャリアビジョンを伝えよう!
「キャリアチェンジがしたい」と聞くと、転職がゴールになってしまい、入社後の仕事内容についてしっかりと考えられていなかったり、自分の中にあるプラスなイメージだけで入社を希望しているのではないかと不安を感じてしまう面接官もいるでしょう。
そんな不安を解消するためには、あくまでキャリアチェンジはゴールではなく、その先に目指すべき目的があることをしっかりと伝える必要があります。
YONEDA YUKI
自分がそこで活躍をしているイメージをしっかりと伝え、単に憧れだけで志望しているわけではないことをアピールしましょう。
将来を見すえたキャリアビジョン
私は御社に入社後、ニッチな本が好きな読者層に向けた電子書籍化のプロジェクトを手掛けることが目標です。
私がこれまで御社から出版されている書籍によって得られた感動を、より多くの人に届けていきたいと思っております。
それを実現するために、まずは営業として御社で書籍を電子化することの魅力をたくさんの人に伝え、電子書籍の分野で売上成績を上げていきます。そこでノウハウを身につけ、入社5年目には電子書籍の部署で新規顧客獲得のプロジェクトに参加し、御社の売り上げに貢献していきます。
HONDA YURIKA
入社がゴールではなく、その先を見すえて将来設計をしていることが伝わります。入社後の活躍に期待できますね。
キャリアビジョンの描き方については、こちらの記事で詳しく解説しています。キャリアビジョンを考えるのが苦手な人は、ぜひ併せて参考にしてみてくださいね。
キャリアビジョンとは? 10例文つきで解説する作成の極意!
Adviser Comment アドバイザーからのコメント
YONEDA YUKI 米田 有希
「長く働き続けてくれるのか」という企業の不安解消が内定につながる!
若手の場合、早期離職を懸念する企業もあるでしょう。特に人材採用に多くの費用を投じるのが難しい企業の場合、ある程度仕事を任せることができるようになった瞬間に転職されてしまうことは一番避けたいもの。
それまでにかけた育成コストなどを大企業ですら気にするこの時代、「自社で長く働いてくれる人材であるか」はどの企業も重要視する傾向にあります。
能力があるに越したことはありませんが、能力が十分とは言えない可能性のある若手の第二新卒を採用するということは、長く勤めて欲しい、いずれは会社の中心になって欲しいという考えも企業の中には少なからずあります。
そういった事情があるからこそ、自分が未経験の業種へあえて飛び込んだ理由や、志望企業を選んだ理由を明確に答えられるようにしておくことは、会社側に安心感を与え採用に前向きになってくれる可能性を上げることにつながります。
対策必須! キャリアチェンジの転職で聞かれやすい頻出質問4選&回答例文
キャリアチェンジの転職で絶対聞かれる頻出質問
キャリアチェンジに向けて選考対策をするなら、面接での頻出質問を押さえておくことは必須。特に転職理由や退職理由は必ず聞かれる項目なので、確実に答えられるよう事前にしっかりと準備しておくことが大切です。
ここからは、キャリアチェンジ転職の面接でほぼ確実に聞かれる頻出質問と、その答え方例文を紹介していきます。確実な対策をして、あなたの魅力をしっかりと企業にアピールしましょう。
「退職理由を教えてください」
回答のポイント
- キャリアチェンジをしたいと思った瞬間のエピソードを交える
- 「不満ではなく事実を伝える」という点を意識して理由をまとめる
この質問に答える際に重要なのは、納得感のある明確な理由を伝えること。前職を辞めてキャリアチェンジを決断した理由を簡潔に伝えましょう。
キャリアチェンジをしたいと思った瞬間のエピソードをふまえると、面接官もイメージしやすくなるのでおすすめです。
MATSUSHITA KENTO
キャリアチェンジを希望する理由がマイナスなものである場合は、退職理由が愚痴っぽくならないよう、「不満ではなく事実を伝える」という点を意識しましょう。
退職理由
私が退職を決意したのは、接客の仕事を通し、既存の商品を売るだけではなく、もっと良い商品を作りたい思いが強くなったからです。
以前よりお客様とお話をしていて、ご希望に添える商品が見つからない時、「この商品がもっとこうだったら良いのに」と歯がゆい思いをすることがありました。
今度はわたし自身が商品開発に携わり、それを実現してたくさんの人の痒いところに手が届くモノを作りたいと思っています。
YONEDA YUKI
退職を決意したときのエピソードが添えられており、わかりやすい構成になっています。企業に不安を抱かせることのない説得力のある退職理由ですね。
「転職理由を教えてください」
回答のポイント
- 志望企業でどのように希望を叶えていこうと思っているのかを伝える
- 志望企業で希望が叶えられると確信する根拠は何かを伝える
- 志望企業と自分の希望の間にある共通点をふまえる
この質問に答えるときのポイントは、「志望企業でどのように希望を叶えていこうと思っているのか」「それができると確信する根拠は何か」を具体的に伝えることです。
志望企業の特色をふまえて伝えることでよりいっそう説得力を持たせることができるので、企業研究をしっかりとしてあなたの希望と志望企業の間にある共通点を見つけましょう。
HONDA YURIKA
退職理由とかみ合っていない場合、面接官に違和感を残してしまう可能性があります。退職理由と転職理由の間に整合性があるかどうかはしっかり確認しましょうね。
転職理由
私が御社に転職したいと思ったのは、ユーザーのニーズをいち早くキャッチし、それを商品化するスピード感に魅力を感じたからです。御社には、自分の中にあるアイディアを形にし、たくさんの人により良い商品を最速で届ける環境があると確信しています。
私はこれまでお客様にいただいた商品へのご意見をどんなふうに形にできるか、どう改良すればより良い商品になるかを考えていたので、ニーズをキャッチする能力と発想力には自信があります。この能力を活かし、御社に貢献したいと思っています。
MATSUSHITA KENTO
転職理由に加え、志望企業でどのようなことがしたいか、どのように活躍したいかが明確な良い転職理由ですね。
「将来のキャリアビジョンを教えてください」
回答のポイント
- 入社1年後、5年後、10年後と目安を決めたうえで目標を伝える
- 目標はできるだけ具体的に伝えることを意識する
キャリアビジョンに対する質問を通して見られやすいのが、早期離職の可能性がないか。キャリアチェンジがゴールではなく、その先に目標としていることがあり、志望企業での将来を見すえていることをしっかりと伝えましょう。
YONEDA YUKI
入社1年後、5年後、10年後と目安を決めて目標を立てることで、より納得感のあるキャリアビジョンにできます。できるだけ具体的に伝えることを意識してみてくださいね。
キャリアビジョン
私は自分の中にあるアイディアを形にし、ベストセラー商品を開発して、世界中に御社の商品のファンを生むことを目標としています。
そのために、まず入社1年目は御社で発売している商品について学び、一つひとつの魅力を的確に伝えられるよう商品知識を深めてまいります。
5年後には商品開発のチームの一員として、私の中にあるアイディアを積極的に発信し、提案力では誰にも負けない存在を目指します。
10年後には開発チームをまとめながら、さらに顧客のニーズを敏感にキャッチしてベストセラー商品を作り、御社の商品をこれまで以上にたくさんの人に知ってもらいたいと思っています。
HONDA YURIKA
目標を達成するまでの道筋が明確になっており、キャリアビジョンをしっかりと持っていることが伝わります。入社後の活躍に期待できる良いキャリアビジョンですね。
「前職での成功体験を教えてください」
回答のポイント
- 志望企業で活かせるような成功体験を伝える
- 成功を収めるまでの過程を具体的に伝える
この質問は、あなたのスキルをアピールするチャンスと思っておきましょう。答える成功体験や実績は小さなもので構いませんが、志望企業で活かせるような経験を選ぶことで、あなたが活躍する姿をより鮮明にイメージしてもらうことができますよ。
MATSUSHITA KENTO
大切なのは結果ではなく過程。あなたがしていた努力や工夫をしっかりと面接官に伝えましょう。
前職での成功体験
前職での私の成功体験は、商品の使い方の工夫をお伝えすることで喜んでいただいた経験です。
ご来店いただいたお客様が商品の使い方について悩んでおりお話を聞いたところ、購入を迷われている商品があと一歩機能が足りないようだったので、ほかの手ごろな商品を組み合わせて使うのはどうかと提案をいたしました。
どちらも使い勝手の良い自信を持っておすすめできる商品だったので、お客様にも喜んでいただくことができました。どんなに小さな商品でも把握し、良いところを引き出す使い方を考えることを徹底していた私だからこそできた提案だったと思っています。
YONEDA YUKI
前職で身につけたスキルだけでなく、仕事に熱意を持って取り組んでいたことが伝わってきます。入社後も意欲を持って働いてくれる姿が想像しやすいですね。
転職理由の伝え方についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。あわせて参考にしてみてください。
転職理由22例文|意欲アピールになる回答で面接官の心をつかもう
Adviser Comment アドバイザーからのコメント
MATSUSHITA KENTO 松下 建都
面接官の質問を過度に恐れず、落ち着いた対応をすることが重要
上記で解説している4つの質問は、やはりどの会社でも聞かれることが多いでしょう。さらに踏み込んだ質問となると、同じ業界は受けたか? 当社が第一志望か? などの質問をしてくる面接官もいます。
少し答え方に困ってしまうかもしれませんが、それは会社側も「採用したとして、本当に入社してくれるのか」「長く勤めてくれるのか」 そういった不安の裏返しだということを覚えておけば怖くはありません。
もちろん、正直に答えたうえで志望企業のどこに惹かれたのかを伝えることができれば、自ずと結果はついてきます。自分がまず落ち着くこと。これ以上の対策はありませんよ。
ライバルと差をつけよう! キャリアチェンジ成功のための+αのテクニック6選
キャリアチェンジを目指すときに忘れてはいけないのは、その業界や職種を経験したことのある手強いライバルの存在。企業が「未経験歓迎」で募集をしていたとしても、即戦力になってくれる可能性のある経験者がいればそちらを採用したくなりますよね。
そうでなくとも、未経験者も採用してくれる企業には多くの募集が集まる可能性があります。
手強いライバルとの差は縮め、同じ未経験者のライバルには大きな差をつけられるよう、ここからは選考対策のテクニックについて解説していきます。
①キャリアチェンジを希望する理由をポジティブに伝える
キャリアチェンジを希望する理由がネガティブなものなら、それをポジティブな印象になるように伝えるのも工夫の一つ。
たとえば「今の仕事が自分に合わなかった」なら、どんな点が合わなかったのかを深掘りし、どんな仕事なら自分の能力を発揮できるかを伝えましょう。
HONDA YURIKA
職種や業界を変えるにしても、これまでの仕事の経験を入社後に活かせることをアピールできると、面接官からの印象もさらに良くなりますよ。
仕事が自分に合わなかった場合
これまでの接客の仕事は非常にやりがいのあるものだったが、マルチタスクが苦手なことがわかった。今後は一つの作業に集中できる環境でクオリティの向上を目指した仕事がしたい
ほかにしたいことが見つかった場合
これまでの営業職も非常に学びのあるものだったが、そのうちもっと根底となる部分で顧客満足に努めたいと思うようになり、プログラマーに興味を持った。営業経験から顧客がどんなことに不便を感じるかを理解する視点を持っているので、それを活かして顧客の不便を解消できるプログラマーになりたい
②役に立つ資格や志望する分野の勉強をしておく
未経験者の大きなアピールは、そのポテンシャル。ただそれはほかのライバルにも同様に言えることです。あなたがアピールできることは、ほかのライバルもアピールできると思っておきましょう。
そんななかでライバルと差をつけ面接官の印象に残るには、資格を取ったり自主学習をして実際にある程度の知識をつけておくのが効果的です。
MATSUSHITA KENTO
自分が目指す分野の知識を深めるのは、業界や職種の実態を知ることにもなります。志望する分野の勉強は、企業理解にもつながることもあるのです。
おすすめの学習
- 営業系:マーケティングについて、コミュニケーションについて
- IT系:基本情報技術者試験、MOS
③努力が目に見える成果物を選考の際に提出する
資格であれば努力の成果をすぐに証明することができますが、自主学習の場合は口頭で伝えるだけになってしまいます。
もちろんそれだけでもライバルと差をつけることはできますが、もっとわかりやすく、より面接官の印象に残りたいなら、成果物を提出するのが効果的ですよ。できあがったものが完璧じゃなくても大丈夫。企業は学習に対する意欲と熱意を評価してくれるはずです。
YONEDA YUKI
現在は選考書類をWeb上で提出できる企業も多いので、その際に成果物のデータを添付して一緒に見てもらうのも良いですね。
こんな成果物がおすすめ!
- Webライター・デザイナー:自作した記事やHP
- 開発職:「志望企業で発売するなら」を想定した新商品の企画書
④キャリアチェンジについてのセミナーを受けてみる
キャリアチェンジに関するセミナーに参加し、あなたの将来像をよりはっきりとさせることで、志望企業にアピールできることも増えます。
たとえば、志望企業でどんなことがしたいのか、どんな働き方がしたいのか、そういった今後のはっきりとしたキャリアビジョンを伝えられるだけでも、企業にとっては好印象になるでしょう。
HONDA YURIKA
未経験の分野だと、どんなに調べてもなかなかキャリアのイメージがしにくいもの。セミナーなどで話を聞くことで、あなた自身も安心してキャリアチェンジに踏み出しやすくなりますよね。
こんな人はセミナー参加がおすすめ!
- キャリアチェンジをした先の将来像が漠然としてしまう
- 面接でキャリアビジョンについて聞かれたときにしっかりと答える自信がない
⑤業界・職種未経験の人の採用実績がある企業を狙う
業界・職種未経験の人の採用実績がある企業を狙うメリット
- 未経験者を採用するハードルが低い可能性がある
- 研修などの教育制度が整っている可能性が高い
選考通過率を上げるなら、選考対策だけでなく企業がこれまでにどんな人を採用しているのかをチェックするのもおすすめです。可能であれば、特に未経験者の採用実績がどの程度かを見ておくと良いですね。
未経験者の採用実績が多ければ、それだけ未経験者を採用するハードルも低いはず。未経験者の採用実績がほとんどない企業よりは狙い目といえます。
MATSUSHITA KENTO
未経験者の採用が多い企業は、教育制度も整っている場合があります。入社後にしっかりと研修を受けたいなどの希望があるなら、特に注目しておきましょう。
⑥キャリアチェンジしやすい時期を狙う
しっかりとタイミングを見極めるのも、キャリアチェンジ転職の選考通過率を上げるテクニックの1つ。タイミングについて悩んでいる、自分にとって一番良い時期を選びたいというときは、キャリアチェンジがしやすい時期に挑戦するのがおすすめです。
では、実際にはどんな時期が狙い目なのか? 自分と企業、両方の目線から狙い目といえる時期を押さえておきましょう。
【自分目線】仕事である程度の実績や成果を上げてから
転職の際には、必ずと言って良いほど前職での経験について質問されます。特に実績やスキルについて触れられることが多いので、タイミングに悩んでいるなら面接でアピールできるくらいの実績ができてからキャリアチェンジを考えるのも良いでしょう。
もし今の時点でアピールできるような実績がないなら、もう少し今の仕事を続けてみるのも一つの手。仕事で成功を収めることで価値観が変わる可能性もあるので、タイミングを見計らっていても良いかもしれませんね。
こんな人におすすめ!
- 現時点で志望企業にアピールできるような実績がない
- キャリアチェンジに踏み切るための明確な理由が見つかっていない
【企業目線】20代前半~半ばにかけての第二新卒といわれる時期
最近は若手人材をもとめる企業が多くなってきています。転職の時期を悩んでいるなら、20代前半~半ばの、いわゆる「第二新卒」と呼ばれる期間が狙い目です。
第二新卒は新卒と同じような将来性・柔軟性を持っているうえに、社会人としての基本的なビジネスマナーが身についている場合が多いもの。企業はそこに期待をして、第二新卒を積極的に採用したいと考えているのです。
この時期はキャリアチェンジ転職にもぴったり。もし時期に悩んでいるなら、20代のうちに行動を開始するのが良いですね。
こんな人におすすめ!
- いつでも良いけどいずれはキャリアチェンジがしたい
- 未経験の職種にチャレンジしようと思っている
第二新卒についての基本的な知識や詳しい就活法は、こちらの記事でも詳しく解説しています。併せて参考にしてみてくださいね。
第二新卒とは? 対象期間と市場価値を知りベストな選択を見極めよう
キャリアチェンジを成功させるために入念に準備を固め希望のキャリアをつかもう!
ここまで、キャリアチェンジについての基本的な知識からタイミングの見極め方、キャリアチェンジを成功させるコツなどについて解説してきました。
キャリアチェンジはあなたの人生を左右する大きな決断。今本当にキャリアチェンジを選択するべきなのかは慎重に見極め、いざするとなったらしっかりとした準備をして挑む必要があります。
決して簡単なことではありませんが、自分自身の将来を見すえて具体的なビジョンを思い描くことができれば、するべきことは自然とはっきりしてくるもの。あとはしっかりと準備をして、抜かりない対策をすれば必ず成功させることができます。希望をつかむために、まずは自分自身を見つめ直すことから始めてみましょう。
- 記事の編集責任者
- 今井 祐大セカンドエージェントG マネージャー