飲食業界を目指す学生が絶対に知っておくべき知識を徹底解説!

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  • 石川 愛

    幼少期からボーイスカウト活動をおこない、大学時代には子供たちを指導する立場を経験。思うよう… 続きを読む

  • 清水 沙也香

    大学卒業後大手アパレルメーカーに勤務、副店長として店舗マネジメント人材育成をおこなうほか、… 続きを読む

  • 吉川 智也

    大学卒業後、2010年にマイナビに入社。300社以上の採用支援をしてきた経験をもとに、各大… 続きを読む

コラムの目次

  1. 飲食業界の課題と展望を把握しておくと就活を有利に進めやすい
  2. そもそも飲食業界とは?
  3. 飲食業界には出向いて食べる外食と家庭で食べる内食が存在する
  4. 飲食業界の主な5つの外食業態
  5. ①ファーストフード
  6. ②ファミリーレストラン
  7. ③パブ・居酒屋
  8. ④ディナーレストラン
  9. ⑤喫茶
  10. 業界選びを進める前に! 飲食業界の課題も知っておこう
  11. コロナ前の水準には戻っていない
  12. 慢性的な人手不足に陥っている
  13. 食材価格が高騰化している
  14. 業界研究の必須知識として把握すべき! 飲食業界の動向を押さえよう
  15. 大企業はM&Aを積極的におこなっている
  16. 海外に店舗を展開している大企業も多い
  17. コロナの影響で持ち帰り・宅配・出来合いの惣菜などの「中食」への新規参入が多い
  18. ITサービスが導入により業務を効率化している
  19. 時短勤務や変則シフトの制度を導入している
  20. 飲食業界に就職するメリット
  21. 仕事に対しての直接的な評価が目に見える
  22. 将来的に独立を目指せる
  23. 飲食業界で重宝される3つのスキル
  24. ①コミュニケーション能力
  25. ➁ビジネスで使えるレベルの英語力
  26. ③食材やお酒の豊富な知識
  27. 3ステップで完成!飲食業界の志望動機の書き方
  28. ①飲食業界を選んだ理由を書く
  29. ②応募先企業で選んだ理由を書く
  30. ③入社後どのように貢献できるのかを書く
  31. 【パターン別】採用担当者に好印象を与える!飲食業界の志望動機の例文
  32. 例文①ファーストフード
  33. 例文②ファミリーレストラン
  34. 例文③パブ・居酒屋
  35. 例文④ディナーレストラン
  36. 例文⑤喫茶
  37. 飲食業界に関するQ&A
  38. 飲食業界の繁忙期・閑散期は?
  39. 飲食業界のキャリアステップは?
  40. 飲食業界と消費者を結びつけてくれる!飲食業界に関連する業界
  41. 商社
  42. 物流業界
  43. 飲食業界に就職するなら課題や今後の動向を把握しておこう

飲食業界の課題と展望を把握しておくと就活を有利に進めやすい

こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。飲食業界に興味を持つ学生から

「今後、飲食業界の需要は増していくのでしょうか?」
「コロナ禍で経営難の飲食店が多い印象ですが、今就職しても大丈夫でしょうか?」

といった悩みが寄せられています。飲食業界は新型コロナウイルス感染症の影響を受けた企業が多いのは事実ですが、好調を維持している業態もあるのです。今後の展望を把握しておき、キャリアビジョンを語れる学生は重宝されるでしょう。

この記事では飲食業界の概要や主な業態、課題・今後の動向について紹介しつつ、効果的な志望動機の書き方も例文付きで解説します。飲食業界を志望する学生はぜひ参考にしてください。

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そもそも飲食業界とは?

  • 飲食業界とは、主に食品を調達して加工・調理をした食事を提供する仕事をおこなう業界のこと

飲食業界は生活に密接に関わる仕事のため、消費者からニーズが途絶えることはないでしょう。しかし、現在は人口が減少の一途を辿っていたり、ライフスタイルが多様化したりしていますよね。そのため、飲食業界の市場は徐々に縮小していくかもしれません。

また、飲食業界は参入障壁の低さから競争が激しいのも特徴です。事実、厚生労働省の「飲食店営業施設数の推移」によると、2021年度に営業中の飲食店は約145万店舗でした。

それでもコロナ禍で店舗数は減少傾向にあります。特に生き残るための戦略を立てていく必要がある業界ですね。

飲食業界には出向いて食べる外食と家庭で食べる内食が存在する

飲食業界は出向いて食べる外食と家庭で食べる内食は大きく2種類に分けられます。

外食と内食のそれぞれの定義
  • 外食:自宅の外で食べる食事を提供すること。レストランやカフェなどが当てはまる。
  • 内食:材料を買ってきて家で調理すること。自炊と呼ばれるもの。

飲食業界と言えば、外食を思い浮かべる学生も多いのではないでしょうか。ただ、実は内食の市場規模が飲食業界の中で最大です

事実、一般社団法人日本惣菜協会の「惣菜白書2023年版ーダイジェスト版ー」によると、2022年の外食の市場規模は約17兆円に対して、内食の市場規模は約36兆円でした。


キャリアアドバイザー

市場規模を把握したうえで就職活動に臨むと、企業側から業界への志望度の高さを評価してもらえる可能性が高まるため、覚えておきましょう。

あなたが飲食業界に向いているか、確認してください

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

飲食業界の主な5つの外食業態

飲食業界の外食業態
  1. ファーストフード
  2. ファミリーレストラン
  3. パブ・居酒屋
  4. ディナーレストラン
  5. 喫茶

飲食業界の外食業態は主に5つに分けられます。イメージだけで就職先を選んでしまうと、入社後のミスマッチにつながってしまい、短期離職の原因になりやすいですね。そのため、飲食店に就職を検討している学生はそれぞれの業務内容や客層、経営方針を把握しておきましょう。

①ファーストフード

ファーストフード業態は商品単価が安く、注文後すぐに商品が受け取れる特徴がありますね。その特徴から利用者の層は忙しい会社員や所得の低い学生が多いでしょう。

ジャンルはハンバーガーや牛丼などが多く、代表的な企業は以下の通りです。

代表的な企業の例
  • 日本マクドナルド株式会社
  • 株式会社ロッテリア
  • 株式会社すき家(株式会社ゼンショーホールディングスの完全子会社)
  • 株式会社 松屋フーズホールディングス

アルバイト経験がある学生ならわかると思いますが、ファーストフード業態の企業では調理業務と接客業務を同じスタッフが兼任することが多いです。

店長のみ正社員で、それ以外のスタッフはアルバイトやパートの場合が多いため、シフト管理に苦労するかもしれませんね。フランチャイズ経営をおこなっている企業が多いのも特徴です。

  1. フランチャイズ加盟する法人がフランチャイズ本部からお店の名前・商品・サービスを使う権利をもらう
  2. 店舗を運営する
  3. 売上金の一部を対価としてフランチャイズ本部に支払う


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新卒入社すると、店舗スタッフや店長として勤務することからスタートする傾向がありますね。就職を検討している学生はアルバイトを経験しておくと有利になるかもしれません。

②ファミリーレストラン

ファミリーレストラン業態は和洋中さまざまなメニューを取りそろえていたり、洋食メニュー中心のサイゼリヤやパスタに特化したジョリーパスタのようにジャンル特化型のお店もあったりします。

子供からお年寄りまで幅広い年齢層に愛されており、1人でも複数人でも入りやすいのも魅力ですね。フランチャイズ経営をおこなう企業が多いです。

代表的な企業の例
  • 株式会社サイゼリヤ
  • ガスト(株式会社すかいらーくホールディングスのファミリーレストラン事業)
  • びっくりドンキー(株式会社アレフが展開するハンバーグレストラン)
  • ロイヤルホスト(ロイヤル株式会社の外食事業)

業務内容は調理をするキッチン業務やお客様を席まで案内したり、食事を配膳したりするホール業務に分けられますね。ファーストフード業態同様、新卒で入社した場合は店長や店舗スタッフとしての勤務からスタートする可能性が高いです

「未経験者がいきなり社員として店舗で働くのは厳しいのでは?」と思った学生もいるのではないでしょうか。しかし、チェーン店は本部のマニュアルが整備されているため、しっかりとした研修を受けられます。そのため、配属後に接客の礼儀やマナーで困ることはあまりありませんよ。

③パブ・居酒屋

他の業態とは違い、パブ・居酒屋はお酒を振る舞うことがメインになりますね。居酒屋の場合はフランチャイズ経営をおこなっている企業が多いです。

代表的な企業の例
  • 株式会社鳥貴族ホールディングス
  • 磯丸水産(SFPホールディングス株式会社が運営する海鮮居酒屋チェーン)
  • ワタミ株式会社
  • 塚田農場(株式会社エー・ピーカンパニーが運営する地鶏居酒屋チェーン)

居酒屋は店舗の規模が大きくなるほど、業務が分業制になっている場合が多いでしょう。たとえば、調理業務ではドリンクを作成する担当やメイン料理を調理する担当など業務を分担している店舗もありますね

メインの利用者層である会社員や学生が飲み会に使用する場合が多く、夕方から深夜にかけての勤務です。そのため、夜型の生活になる人もいるかもしれません。

④ディナーレストラン

ディナーレストラン業態は客単価が高く、上質な料理や雰囲気が味わえるお店が多いです。レストランによっては格式の高いお店もあり、正しい食事のマナーが求められることも。

また、ファミリーレストランとディナーレストランでは売上の伸ばし方が異なりますね。

それぞれの売上の伸ばし方
  • ファミリーレストラン:店舗数を増加させて来客数を維持しながら、客単価を上げる
  • ディナーレストラン:店舗数と客単価を変動させず、来店客数を伸ばす

価格競争に巻き込まれる心配がないので、来客数を伸ばすための施策や味の追求をおこなうことに集中できるメリットがあるでしょう。会社員やファミリーなど所得に多少余裕がある層が利用している場合が多く、誕生日やイベントなどの会場で利用されていますね。

接客を担当するウエイター・調理を担当するシェフ・お酒のエキスパートであるソムリエ/バーテンダー・入店したお客様の案内をするフロントなど完全分業制で業務をおこなうのも特徴です。

⑤喫茶

喫茶(カフェ)業態は主にコーヒーや紅茶など飲み物や軽食、デザートなどを提供しています。フランチャイズ経営をおこなっている企業が多いのも特徴です。

代表的な企業の例
  • スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社
  • タリーズコーヒージャパン株式会社
  • 株式会社ドトールコーヒー

学生・主婦・会社員と利用者の層が幅広く、仕事や読書、勉強、休憩など用途も広いです。

時間を気にせず利用できる大きなメリットがあるため、特に仕事で利用されることが増えていますね。PCやタブレットを使って作業する人の要望に応えて、フリーWi-Fiやコンセントを完備しているチェーン店は多いでしょう。


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個人経営のカフェは調理や接客、清掃、仕入れ、会計業務を従業員が1人でおこなう店舗も少なくありません。コーヒーチェーンに新卒入社してから独立する流れがおすすめです。

業界選びを進める前に! 飲食業界の課題も知っておこう

飲食業界は「ブラックな労働環境が多い」といったイメージを持っている学生もいるのではないでしょうか。慢性的な人手不足や食材価格の高騰化、コロナ禍の影響など飲食業界の課題は密接に関係し合っています。労働環境が整っていない企業が多い原因にもつながるため、ここで課題をしっかりチェックしておきましょう。

コロナ前の水準には戻っていない

新型コロナウイルス感染症の影響による経営状態の悪化を懸念している学生も多いですよね。感染拡大防止による臨時休業や時短営業の要請、テレワークなど外出を控える消費者の増加などで飲食業界全体としてみると打撃を受けていることは指摘せざるを得ないでしょう

しかし「一般社団法人日本フードサービス協会の「外食産業市場動向調査 令和4年(2022年)年間結果報告」によると、2022年3月に「まん延防止等重点措置」が解除されたことも影響し、売り上げは回復傾向にあります。

2022年度と2021年、2019年の売上比較
  • ファーストフード業態:21年度比107.9%、19年度比108.6%
  • ファミリーレストラン業態:21年度比118.1%、19年度比83.8%
  • パブ・居酒屋業態:21年度比180.9%、19年度比49.2%
  • ディナーレストラン業態:21年度比131.7%、19年度比76.6%
  • 喫茶業態:21年度比116.8%、19年度比80.0%

とくに酒類の提供が制限されたパブ・居酒屋業態では前年比180.9%と大きく売り上げが伸びているなど、どの業態でも売り上げが回復していることがわかりますね。しかし、ファストフード業態以外は新型コロナウイルス感染症が流行する前の売り上げにはまだ達していません。

慢性的な人手不足に陥っている

株式会社帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2023年4月)」によると、正社員の人手が足りないと回答した企業は60.7%、非正社員の人手が足りないと回答した企業は85.2%となり、全業種のなかで唯一8割を超えています。

長時間労働や不規則な勤務形態などで離職率が高い傾向があることが、人が集まりにくい要因です。人手不足より従業員1人にかかる負担も大きくなり、長時間労働を余儀なくされる負のスパイラルに陥っていますね

上記の状況が飲食業界の慢性的な人不足に拍車をかけている可能性がありますね。

食材価格が高騰化している

食材価格が高騰化していることも大きな課題になっています。中国やインド産などの需要の増加や産地国における天候不順などが主な原因ですね。外食産業では食材価格の高騰は直接的な原価の上昇につながるため、利益を出しにくくなってしまいます

食材価格の高騰化により、お店の利益を圧迫すると経営を続けるためにやむを得ず値上げに踏み切る企業も多いでしょう。ただ、値上げだけで上昇したコストを補えない企業は、経営悪化を免れない状況に陥っていますね。

業界研究の必須知識として把握すべき! 飲食業界の動向を押さえよう

飲食業界の動向
  • 大企業はM&Aを積極的におこなっている
  • 海外に店舗を展開している大企業も多い
  • コロナの影響で持ち帰り・宅配・出来合いの惣菜などの「中食」への新規参入が多い
  • ITサービスが導入により業務を効率化している
  • 時短勤務や変則シフトの制度を導入している

飲食業界は課題も多いですが、問題を解消するためにちゃんと策を講じています。今後の動向を把握しておくと業界知識を問う質問にも対応できるかもしれません。ここでしっかりとチェックしておきましょう。

大企業はM&Aを積極的におこなっている

M&Aとは
  • 企業の合併買収を指す。2つ以上の会社が1つになったり、ある会社が他の会社を買ったりすること

近年、大企業はM&Aを積極的におこなう動きがあるのです。たとえば、飲食業界首位の株式会社ゼンショーホールディングスは以下の企業を子会社化しました。

近年ゼンショーが子会社化した企業の例
  • 2016年:華屋与兵衛
  • 2018年:Advanced Fresh Concepts Corp.(アメリカのテイクアウト寿司店経営会社)
  • 2019年:ジョリーパスタ

また、株式会社コロワイドも焼肉・回転寿司・ステーキなどレストラン業態をM&Aで積極的に獲得していますね。もともとは居酒屋事業を中心に展開していたコロワイドですが、コロナ禍以前から異業態のM&Aをおこなっていました。

もし、居酒屋事業のみに絞っていたら、コロナ禍による経営難に陥っていた可能性もあります。しかし、グループ全体の経営を傾かせないために業態を分散させて、リスクを分散することに成功しています


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大企業がM&Aを積極的におこなうのにはこういった背景もあるかもしれませんね。企業を選ぶ際は経営戦略を見ておきましょう。

海外に店舗を展開している大企業も多い

海外に店舗を展開している大企業も増えてきていますね。以下のチェーン店が海外に店舗を展開中です。

海外に店舗を展開している大企業の例
  • 牛丼チェーン:『すき家』は東南アジアなどで展開。吉野家はアジアやアメリカを中心に出店。『松屋』はアメリカ・中国・台湾・ロシアで展開している。
  • ファミレスチェーン:すかいらーくHDは台湾で『すらいらーく』『しゃぶ葉』『藍屋』などを出店している。
  • 回転寿司チェーン:『スシロー』『くら寿司』が主にアジア進出。

海外進出をする理由として、前述したリスクの分散はもちろん、縮小傾向にある国内市場の中で需要の取り合いをするより、市場の大きな海外で営業した方が利益を得られる可能性が高いためです

特にアジアの発展途上国や中国は人口増加やGDPの上昇により、外食の需要が高まっていますね。そのため、今後も海外への販路を拡大していく企業は増加していくでしょう。

コロナの影響で持ち帰り・宅配・出来合いの惣菜などの「中食」への新規参入が多い

中食とは、出来合いの惣菜や弁当などテイクアウトで食事を提供することです。前述した通り、新型コロナウイルス感染症により、飲食業界は大打撃を受けています。

ただ、外出自粛やテレワークの普及による巣ごもり需要を取り込もうと、持ち帰り・宅配・出来合いの惣菜などの「中食」への新規参入している企業が多いですね

中食への新規参入の例
  • ファミレス・カフェなど:テイクアウトメニューやデリバリー対応店舗を増やしている。
  • 焼肉店など:持ち帰り弁当を開始している。
  • 居酒屋など:ランチ営業を始めるお店が続出している。

また、スマホやPCで出前をオーダーできる「Uber Eats」や「Wolt」の台頭により、デリバリー需要は増加の一途を辿っていますね。飲食店が配達員を確保する必要がないことから、大手企業のみならず、個人店も市場に参入する場合が多いです。

また、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「フードデリバリーサービスの動向整理」によると、デリバリーサービスの拡大の影響で中食産業自体の市場規模が増加傾向で推移しています。


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人件費を削減したい企業とお店の味を自宅で楽しみたい消費者の需要がマッチしているサービスになっているため、今後も中食産業の市場規模は拡大していくでしょう。

ITサービスが導入により業務を効率化している

昔は飲食店では注文を紙に書き出すなどアナログ作業が当たり前で、従業員の大きな負担になっていました。しかし、今はファーストフード業態やファミリーレストラン業態を中心に、ITサービスを導入しています。

飲食店のITサービスの例
  • タブレットなどセルフオーダー端末の導入
  • キャッシュレス決済対応のセルフレジの導入
  • オンライン上の予約システムの導入
  • オンライン上でシフト表や予約管理表を一括管理

上記のような業務の効率化が可能なサービスの普及により、人手不足や人件費削減などの問題を解決できるかもしれません。また新型コロナウイルスの影響により、現在では非接触で料理をどうお客様に提供するかが課題となっています。こういったサービスは、この課題を解決するのにも役立ちますね。


キャリアアドバイザー

ただ、ITの導入によって資本力がある上位企業の売り上げが伸びる一方で、資本力のない下位企業が苦戦しやすくなる傾向に拍車をかけることになっていますね。

時短勤務や変則シフトの制度を導入している

時短勤務や変則シフトの制度を導入している企業が増えてきました。

代表的な例として「牛角」や「甘太郎」を展開する株式会社コロワイドでは、勤務地を自宅から働けるエリアに限定して、週20時間以内なら社員として働ける「限定社員」といった制度を導入していますね

一般社員と同様、年2回の賞与や報奨金も出るため、従業員の満足度の向上に一役買っているそうです。こういった施策により、正社員とアルバイトの垣根を超えた働き方ができるようになっていくかもしれません。

正社員のメリット・デメリットに関しては、こちらの記事でも解説しています。

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キャリアアドバイザーコメント

清水 沙也香プロフィール

原材料を適正価格で調達できるかが課題

飲食業界が抱えている課題に「エシカル(倫理的)な調達」があります。エシカルな調達とは「モラルにかなっている調達」という意味で、労働問題や環境問題に配慮して商品を調達するという取り組みです。

消費者のことを考えると、料理の販売価格は安いに越したことはありませんよね。安い販売価格で利益を上げるためには、原材料を安く調達する必要があります。でも原材料に安さを求めすぎると、生産者の人件費が安くなりすぎたり働く環境が悪化したりしかねません。しかし、かといって開発途上国の子どもが低賃金で生産している原材料を安く買い叩けば、社会通念上のモラルに反してしまいます。

そのため、飲食業界では「適正価格で原材料を購入しよう」という取り組みがおこなわれているのです。飲食業界は世界人類すべてがお客様です。生産者を大切にすることが周り回って自分たちの事業の発展にもつながるのですね。

あなたが受けない方がいい職業を診断しよう

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

飲食業界に就職するメリット

飲食業界の課題を知り、「理想と現実にはギャップがある」と感じている学生もいるのではないでしょうか。ただ、飲食業界に就職するメリットはあり、キャリアプラン次第ではこれ以上の環境はないかもしれません。そこで飲食業界に就職するメリットを紹介します。

仕事に対しての直接的な評価が目に見える

飲食業界では美味しい食べ物や丁寧なサービスを提供すれば、顧客から直接、感謝の言葉や感想がもらえる場合が多いです。結果としてお店を気に入ってもらえれば、次回の来店につながります。

つまり、仕事に対しての直接的な評価が目に見える反応としてあらわれる業界です。これはやりがいにつながるでしょう。

一方で、他の業界の仕事は顧客の表情を直接目にできるとは限らないため、プロジェクトの規模が大きくなると、裁量権の狭さから自分の仕事が歯車の一つに見えてしまう可能性もあるのです。飲食業界の仕事は評価が見える状態になっていることにより、一般的な企業の仕事よりやりがいを感じやすいメリットがあるかもしれませんね

すぐに接客の改善や料理のメニュー開発などに役立てられる

仕事に対しての直接的な評価が目に見えることは、接客の改善や料理のメニュー開発などに役立てられますね。

たとえば、接客での問題点があれば、お客様の態度にあらわれたり、お客様アンケートを実施することで匿名で本音のアドバイスをもらえたりと改善点を洗い出すのが比較的簡単でしょう

また、一番の売れ筋メニューの人気の理由を分析して、新メニューを開発したとします。新メニューを出すことですぐにお客さんの評価をもらえるため、「評価→改善→計画→実行」とPDCAサイクルを回しやすいのです。


キャリアアドバイザー

飲食業界では問題が見つかりやすく、改善点をすぐに直せるため、スピード重視で成長したい学生におすすめします。

将来的に独立を目指せる

飲食店では、キッチン・ホール・経理など目に見えるところで業務がおこなわれています。仕事を続けていけば、仕事の全貌を一通り把握できるため自分に合ったポジションから勉強し始めることができますね

最近では、店主一人ですべての業務をおこなっている個人経営のカフェもありますよね。一度食に関する専門技術が身に付けば独膣を目指せることもメリットの一つでしょう。

独立での人材流出に対しての風当たりが強くない

飲食業界は独立での人材流出に対しての風当たりが比較的強くないケースも多いです。個人営業の飲食店の場合は独立している人が多いため、自分も独立した背景から独立したい人に対して、寛容な場合がほとんどでしょう


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むしろ、独立したい人を歓迎する求人を記載しているお店まであるため、将来的に自分のお店を構えたい学生は応募してみてはどうでしょうか。

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吉川 智也プロフィール

若いうちから裁量権が与えられるのも魅力

飲食業界に就職するメリットを紹介しました。ほかにも「若手が活躍しやすい」業界体質に魅力を感じて志望している学生が多いですよ。

飲食業界は若手が店舗運営を任されていることも多く、若いうちから裁量権を与えられます。スタッフの教育から売上アップのための施策、キッチンやホールの効率的な動線などを自分のアイデアでおこないやすいです。

またアルバイトのスタッフと一丸となって、店舗を良くしていくために取り組む楽しさも味わうことが可能です。取り組みの成果は売上やお客様からの態度などでダイレクトに味わうことができるのも魅力の一つですね。

このように飲食業界の「若い人材に店舗を任せる」というところにメリットを感じている学生も多い傾向にありますよ。早くから周囲をまとめ、引っ張りたいという人にはおすすめですね。

あなたが受けない方がいい職業を確認しておこう

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

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飲食業界で重宝される3つのスキル

飲食業界で働きたい学生の中には「飲食業界で役立つスキルがない」と不安になっている人もいるかもしれません。ただ、食への興味が豊富だったり、話すのが好きだったりなど特徴のレベルでも、飲食業界では重宝されるスキルになる可能性があります。そこで、飲食業界で重宝されるスキルを把握しておきましょう。

①コミュニケーション能力

飲食業界は「接客業」として働くイメージを持っている学生もいるのではいますよね。実際、さまざまなタイプの顧客が訪れるため、コミュニケーション能力のある学生は重宝されます。

役立つコミュニケーション能力の例
  • 顧客のニーズを汲み取る力
  • イレギュラーにも柔軟に対応する力
  • 相手の話したいことを引き出す傾聴力

さまざまな人のスタイルに合わせた接客ができると顧客満足度が上がりやすいです


キャリアアドバイザー

素質として人と話すのが好きだったり、人に合わせて対応できたりするだけでも十分評価されますね。そのため、面接でアピールしてみるのをおすすめします。

コミュニケーション能力をアピールしたい学生はこちらの記事を読んでみると良いですよ。

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➁ビジネスで使えるレベルの英語力

近年はSNSの発達により、どんなお店でも海外の方が来店しやすくなりました。つまり、英語力を使って接客する機会も以前よりかなり増えているのです。

また、先ほどお伝えした通り、飲食業界では海外展開をしている大企業も多く、海外支社の勤務になるかもしれません。ビジネスで使えるレベルの英語力がある場合は重宝されやすいため、アピールするのをおすすめします


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TOEICのスコアを目安とすると、接客業として英語力をアピールしたい場合は600点程度、海外支社で働きたい場合は800点以上を目指しましょう。

TOEICのスコアのアピールの仕方はこちらの記事で解説しています。

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③食材やお酒の豊富な知識

飲食業界を志すなら食やお酒の知識が豊富な学生は多いのではないでしょうか。特にお酒の知識は重宝されますね。

近年、お酒は種類や飲み方も多様化しており、それに伴い顧客の趣味や趣向も多様化しているでしょう。そんなニーズに対応できるスタッフがほしいと思う企業は多いのです。

現状、ソムリエのような資格は必ずしも必要ありません。しかし食やお酒が好きなら知識を覚えることが苦にならない方は今から準備しておけば、企業から重宝される可能性は高いですね。


キャリアアドバイザー

食べたり、飲んだりすることのなかでも特に好きなものがある場合はアピールしてみるのをおすすめします。

キャリアアドバイザーコメント

吉川 智也プロフィール

飲食業界では特にリーダーシップがあると重宝される

リーダーシップがあるタイプの方は、飲食業界で重宝されやすいといえます。店舗運営を任されると、スタッフを引っ張ってまとめていくスキルが必要だからです。

飲食店の印象はスタッフの接客態度によって左右されます。料理が同じでも、スタッフの接客態度が良いと店舗の印象も良くなりますし、悪い場合は店舗の印象まで悪くなってしまいます。店舗と自社ブランドのイメージ向上のためにはスタッフの教育がカギを握ります。

とはいえ、トップダウン方式で上層部の意見をスタッフに伝えるだけでは周りのスタッフがついてきてくれないことも多いです。そのため、社員はスタッフ一人ひとりの個性や長所を見て伸ばしてあげて、チームワークにつないでいくスキルが求められます。

店舗のスタッフを大切にして引っ張っていけるスキルがあると、飲食業界で重宝される人材になりやすいですよ。選考では、リーダーシップがあることに加えて周りとのかかわり方についても触れると良いでしょう。

3ステップで完成!飲食業界の志望動機の書き方

志望動機には飲食業界の課題やトレンドに絡めた内容を入れてみましょう。内容に独自性が出やすくなり、他の学生と差別化できるかもしれません。これから解説する手順にしたがって、オリジナルの志望動機に仕上げてみましょう。

①飲食業界を選んだ理由を書く

食べたり、飲んだりするのが好きなことも志望理由ですが、「好き」だけでは飲食業界を選んだ明確な理由にはなりませんよね

明確な理由がないと、志望度の高さは感じてもらえません。志望度の低い学生は内定を出しても、別の企業へ入社される可能性があります。そのため、企業側は志望度の低い学生を避けるでしょう。

飲食業界でないといけない理由が必要になります。次に志望度の高さをアピールする方法を解説しますね。

飲食業界の課題やトレンドに絡めた内容だと尚よし

飲食業界の課題やトレンドに絡めると志望動機の独自性が増して、志望度の高さを証明しやすくなります。課題やトレンドを把握するほどの豊富な業界知識は、志望度が高くない学生は身につけないためですね

たとえば、


就活生

アルバイト先の居酒屋では人手不足が深刻化していました。変則シフトやITシステムの導入などで飲食業界の働き方をゆくゆくは変えていきたいです。

など課題とトレンドの両方を絡めた内容に仕上げてみてください。

課題に絡めた内容だと飲食業界で成し遂げたいことが伝わりやすいため、志望動機の納得感につながりやすいです。そのため、飲食業界の課題やトレンドに絡めた内容の志望動機を作成しましょう。

②応募先企業で選んだ理由を書く

応募先企業を選んだ理由を記載しましょう。独自性のない志望動機は志望度の低さから採用を避けられてしまう可能性があるためです

企業独自の強みを探す際はIR情報をチェックしてみましょう。IRとは、企業が投資家向けに経営状態・財務状況・業績の実績・今後の見通しなどを広報するための活動のことです。IR情報を見ることで企業の経営目標、強みがわかります。

IR情報から企業独自の強みや経営目標を把握したうえで、志望動機を作成してみてはどうでしょうか。

企業が求める人物像にマッチした内容にする

企業が求める人物像は企業で活躍できる人材に近いです。つまり、業績に貢献してほしい企業は求める人物像にマッチした人材を集めていますね。

内食業態の場合は企画・商品開発・販売・管理部門などさまざまな職種であり、職種や企業によって求める人物像が変わります。そこで以下の方法で企業が求める人物像を把握しておきましょう。

企業が求める人物像を見極める方法
  • 新卒採用サイトを確認する
  • 社長の著書やインタビューを読んでおく
  • 店舗に出向いて雰囲気を確認しておく
  • 希望企業の同じ業態を営む知り合いに必要な人材を質問してみる
  • アルバイトをして必要な人材を肌で感じてみる


キャリアアドバイザー

基本的に外食業態は人と接するのが多い仕事のため、人と話したり、細かい気遣いができたりするコミュニケーション能力が求められますね。

③入社後どのように貢献できるのかを書く

企業は自社の業績に貢献できる人材を求めています。飲食業界での業務内容と自分の経験のエピソードを絡めて、自社で働く姿を採用担当者にイメージしてもらいましょう

たとえば、ゼミの発表で班長として得たリーダーシップを活かせば、店長としてアルバイト社員と一緒に店舗を運営できると思ってもらえる可能性がありますよね。

そのため、業務内容と自分の経験のエピソードを絡めて、入社後どのように貢献できるのかを記載しましょう。

キャリアアドバイザーコメント

石川 愛プロフィール

他人に厳しい人という印象は与えないように注意

志望動機で盛り込むエピソードを考える際は「厳しい人柄」をアピールしすぎないように気をつけましょう。アルバイトのスタッフに厳しすぎる社員は、店舗の離職率を高める可能性があるからです。

もちろん、売上向上と自社ブランドのイメージアップには厳しさが必要です。自分に厳しく真面目に働ける人材はどの業界でも求められています。でも飲食業界では、教育する相手は学生アルバイトであることが多いため、厳しすぎると離職の可能性を高めてしまいます。

アルバイトにすぐに辞められては人手不足がいつまでも改善せず、売上低迷という悪循環を起こしかねません。かといって甘すぎても適切な指導ができません。「アルバイトは自店舗を支える大切な仲間」という意識をもち、親心のような気持ちで育てていける人材が求められている場合も多いです。

飲食業界では、アルバイトに厳しすぎず、周囲への気遣いができる人柄と感じさせる志望動機を心掛けましょう。

【パターン別】採用担当者に好印象を与える!飲食業界の志望動機の例文

飲食業界の業態別の志望動機の例文を5つ用意しました。前述した手順を網羅しているので、ぜひ参考にしてみてください。

例文①ファーストフード

例文

私は飲食業界の現状を変えたいと思い、御社を志望しました。御社はM&Aをおこないリスクの分散をしたり、変則シフトやITシステムの導入をしたりと既存の概念に問われない経営戦略を展開しています。

私は大学時代、ボランティアサークルの部長として非行防止のイベントを企画しました。初めての試みでしたが、サークル員には指示を出したり、イベントの参加してくれる団体を連絡を取ったりと率先して動きました。結果的にイベントには数百人の人が集まり、啓蒙活動としては十分な効果を得られました。リーダーシップと既存の概念に縛られない企画力で、御社の業績に貢献したいと考えています。


キャリアアドバイザー

本社での企画職をいずれ、希望したい思いが伝わってくる内容でした。トレンドをきちんと抑えており、知識量から志望度の高さをアピールできているでしょう。

例文②ファミリーレストラン

例文

私は日本の食文化を海外に伝えたいと思い、御社を志望しました。御社は業界トップの和食中心のファミリーレストランチェーンとして海外に店舗を拡大しています。

私は学生時代に海外留学を経験しました。日本食をホストファミリーに振る舞ったところ、かなり好評でした。手応えを掴んだ私は留学先の学校で食べたい日本食のアンケートを実施しつつ、潜在ニーズに刺激するような日本食をパーティーで食べてもらいました。結果的に料理はすべて完売しました。語学力とニーズを把握する能力を活かして、御社の海外事業に貢献したいと考えています。


キャリアアドバイザー

志望理由も明確されており、何より入社意欲が伝わる内容でした。留学経験から語学力とコミュニケーション能力が伝わるため、企業から重宝されるでしょう。

例文③パブ・居酒屋

例文

私は全国の美味しいお酒を知ってもらいたいと思い、御社を志望しました。御社は全国の地酒を取り扱っている居酒屋を運営しています。一方で、品ぞろえの良さだけでなくコロナ禍によりランチ営業やデリバリー需要にも対応しており、柔軟性のある戦略を取っていることが御社の強みであると感じました。

私は学生時代、居酒屋のアルバイトリーダーを務めていましたが、学生が忙しさからシフトに入れない状況が多発していました。そこで私は学生バイトにスケジュールを聞いて回り、短時間勤務を提案するなど手薄なシフトにならないように奮闘しました。結果的にシフトがうまくまわり、みんなが働きやすい環境を提供できました。

このようなコミュニケーション能力とスケジュール調整能力を活かして、業績に貢献していきたいと思います。


キャリアアドバイザー

企業の戦略と自分の強みを合わせることで、活躍できるイメージが湧く内容になっていますね。店長としてお店をうまく率いてくれそうな期待が持てるかもしれません。

例文④ディナーレストラン

例文

私はお客様に上質な時間を提供したいと思い、御社を志望しました。御社はホテルディナーとして確固たる地位を築いていながら、お弁当のテイクアウトも実施しています。

私は学生時代は、フードデリバリーのアルバイトをしていました。御社は配達の際に運び方をレクチャーしてくれるなどデリバリーでもお客様への気配りを感じました。それから私も顧客それぞれのニーズに沿った配達を心掛けました。結果的に辞めるまで常にマックスの評価をいただくことができました。お客様に合わせた対応力と気遣いで、御社に貢献したいと考えています。


キャリアアドバイザー

アルバイト経験から企業の素晴らしさを知った志望理由は独自性が高く、採用担当者の印象に残りそうですね。接客スタッフの求める人物像に近いアピールができているため、入社後に働くイメージがしやすいでしょう。

例文⑤喫茶

例文

私は将来的に独立を考えております。一番好きなカフェである御社で経験を積みたいと考え、志望しました。

御社は他店よりバリスタである店主様がこだわり抜いたコーヒーが魅力であり、高い顧客満足度を誇ります。私は学生時代、カフェチェーンでアルバイトをしていました。その際にお客様アンケートで店舗の狭さがよく挙がりました。そこで私は店長や本部にかけあい、席数を2席減らして余白を作りました。結果的に次のお客様アンケートでは前より過ごしやすい空間になったという意見をいただきました。

自分でお店を作る視点を活かして、御社の業績に貢献していきたいと思います。


キャリアアドバイザー

独立志望の学生を募集しているカフェへの志望動機でした。店舗の狭さを改善することを自分事として考えられる視点は、店長としても従業員としても重宝されますね。

カフェの志望動機をもっと知りたい人は、この記事も確認してみてくださいね。

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飲食業界に関するQ&A

ここでは飲食業界に関するQ&Aをまとめました。気になるところがあれば、チェックしてみてくださいね。

飲食業界の繁忙期・閑散期は?


就活生

飲食業界の繁忙期・閑散期は決まっているのでしょうか?


キャリアアドバイザー

需要はある程度固まっているため、おおよそどの企業も同じ時期ですね。

事実、GD Freak!の「飲食店の動向」によると、飲食業界の繁忙期は12月・3月・8月に対して、閑散期は2月・4月・9月でした。

繁忙期
  • 12月:クリスマスや年末商戦などイベントが多く、財布の紐が緩くなっている人が多いため
  • 3月:卒業シーズンはお祝いを目的に外食をしたり、出前を頼んだりする家庭が増えるため
  • 8月:お盆休みは学生だけではなく社会人の長期休暇でもあるため。遠出する人も多いので、旅先での外食の機会も増える
閑散期
  • 2月:イベントが盛り沢山の12月と初売りに出向く人が多い1月の後には、消費を抑える傾向があるため
  • 4月:3月の繁忙期の後で出費を抑える家庭が多い+年度初めで忙しいと外食が減少する傾向があるため
  • 9月:お盆休み後の出費を抑える家庭が増える傾向にあるため

飲食業界の売上が上がったり、落ちたりする大きな要因はイベント関係がほとんどですね。飲食業界に入社した際はイベントがある月に忙しくなることを肝に銘じておきましょう

飲食業界のキャリアステップは?

飲食業界に入社したいなら、将来のキャリアビジョンを明確化しておきましょう。

キャリアビジョンの例
  • 店長として売上を伸ばしたい
  • 独立して自分のお店を構えたい
  • 本部で企業の販促に携わりたい

どのようなキャリアビジョンを目指しているのかによって、入社する企業を選んだ方が良いですね。なりたい職種や目標が決まっていれば、入社後のミスマッチを防げるかもしれません

飲食業界のキャリアステップの例
  • 店舗の管理責任者:店長などそのお店のトップに立つ仕事のこと。売上の目標を立てたり、売上金の管理をおこなったりとお店の経営について考える。リーダーシップが必要になる。
  • マネージャー:お店の経営に関わる部分を担当する管理職のこと。本社の意向を店長に伝えたり、アドバイスをしたりする。フットワークの軽さやコミュニケーション能力が必要。
  • 企画:新メニューやサービスを考える商品企画・営業活動をおこなうために広告などを考える
  • 営業企画:メニュー表やポスターなど販促ツールを企画する販促企画など。
  • 独立:独立前に一度飲食業界へ就職しておくと、経営ノウハウを学べたり、食材の仕入先など取引先の人脈が手に入ったりする。独立支援をしている飲食店や会社に就職するのがおすすめ。

飲食業界と消費者を結びつけてくれる!飲食業界に関連する業界

飲食業界に関連する業界
  • 商社
  • 物流業界

飲食店の仕事は飲食業界だけでは成り立ちません。商社や物流業界など仕入れに関わる業界や企業の協力があって、初めてお客様に食事を提供できます。飲食業界への就職する前に上記の業界との関わりを把握しておきましょう。

商社

商社は企業同士を結びつけるパイプ役を担います。自社では在庫を抱えたり、メーカーのように商品を開発したりしないことが多いですね。

飲食業界と商社とのかかわりについてわからない学生もいるのではないでしょうか。飲食業界での商社の役割は品質や産地、値段のこだわりなどを飲食店から要望を聞いて、生産者やメーカーから食材を仕入れ、飲食店と生産元をつなぐことですね

パイプ役を1つの商社に頼むことで、物流や在庫、決算などを一括で代行してもらえます。一括代行は商社と飲食店の双方の人件費や物流費などコストを下げられるため、大きなメリットになるでしょう。

商社についてはこちらの記事で詳しく解説していますよ。

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物流業界

物流業界の業務内容は商品の運搬をおこない、生産者から消費者まで届けることです。飲食店の要望をもとに使用する食材を飲食に輸送する役割になります。要望には以下のように細かく対応してくれるでしょう。

飲食店の要望の例
  • 〇月末までに輸送して欲しい
  • 輸送方法は冷凍で送ってほしい

商社と同様に生産者やメーカーからの仕入れを一括化することで、物流コストを削減できます。物流業界にも物流センターでの作業が簡素化されたり、輸送人員を含めたコストを削減できたりする一括仕入れによるメリットがありますね。

物流の仕事に興味がある場合はこちらの記事も読んでみると良いですよ。

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飲食業界に就職するなら課題や今後の動向を把握しておこう

飲食業界への就職を検討している場合は、課題や今後の動向を把握しておくのがおすすめです。課題に対する具体的な企業のアクションに対して思ったことや感じたことを志望動機に絡めることで、飲食業界に関する豊富な業界知識をアピールできます。採用担当者に志望度の高さを伝えて、飲食業界の企業の内定獲得につなげましょう。

記事の編集責任者

北原 瑞起きたはら みずき

新卒でポート株式会社へ入社。入社2年目に年間1億2千万円の売上を記録し、全社の年間MVPを獲得。現在は、リクルーティングアドバイザーグループの責任者として、年間300社の採用支援及び、年間2,000人の学生の就活相談に乗り、企業と学生の最良なマッチング機会の創出をおこなっている。プロフィール詳細

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01458)

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