テレビ業界ってどんな業界? 将来性や働くメリットを徹底解説

この記事のアドバイザー

  • 堀内 康太郎

    中学から大学までバスケットボールに熱中。大学では教員を目指していたものの、自分を見つめ直し… 続きを読む

  • 石川 愛

    幼少期からボーイスカウト活動をおこない、大学時代には子供たちを指導する立場を経験。思うよう… 続きを読む

  • 塩田 健斗

    大学卒業後、ポートに新卒入社。メディア広告の営業とマーケティング職としてファーストキャリア… 続きを読む

コラムの目次

  1. 大きな変革期を迎えているテレビ業界を理解して就活を始めよう
  2. まずはテレビ業界の仕組みについて理解しよう
  3. テレビ業界は大きく2つに分類される
  4. テレビ業界のビジネスモデル
  5. 押さえておこう! テレビ業界の動向と将来性
  6. ネット広告市場の成長に伴う広告費減
  7. VODなどの新プレイヤーの台頭
  8. テレビだけでなくインターネットを利用した多角化戦略を推進
  9. ローカル局は地域に密着した事業展開に注力
  10. テレビ局の4つの種類
  11. ①公共放送
  12. ②キー局
  13. ③準キー局
  14. ④地方局
  15. テレビ業界の代表的な職種
  16. ①番組制作スタッフ
  17. ②技術スタッフ
  18. ③アナウンサー
  19. ④営業・事務
  20. テレビ業界で求められる4つのスキル
  21. ①コミュニケーションスキル
  22. ②流行に対してのアンテナの高さ
  23. ③臨機応変に対応できる柔軟性
  24. ④変則的な労働時間にも耐えうる体力
  25. 知っておこう! テレビ業界で働くうえでのメリット
  26. 高収入を期待できる
  27. 最新の情報に触れることができる
  28. 特定の分野のエキスパートになれる
  29. 企画力や実行力が磨ける
  30. 知っておきたい! テレビ業界のトップ企業
  31. テレビ局①フジテレビ
  32. テレビ局②日本テレビ
  33. テレビ局③TBS
  34. テレビ局④テレビ朝日
  35. テレビ局⑤テレビ東京
  36. 番組制作会社①IMAGICA GROUP
  37. 番組制作会社②AOI TYO Holdings
  38. 番組制作会社③東北新社
  39. 番組制作会社④NHKエンタープライズ
  40. ES突破が最大の難関! テレビ業界の志望動機で盛り込むべき4つの要素
  41. ①なぜテレビ業界なのか
  42. ②テレビ業界の中でもなぜその企業なのか
  43. ③入社後にどのように貢献したいか
  44. ④どのように活躍したいのか
  45. 差別化が大切! テレビ業界の選考で押さえるべき4つのポイント
  46. ①夏期インターンシップに参加して具体的な将来性を伝えられるようにする
  47. ②テレビやVODなどのさまざまなコンテンツを研究する
  48. ③アナウンサー志望者のES用写真はプロに依頼してこだわる
  49. ④逆質問で入社意欲や積極性をアピールする
  50. テレビ局別! テレビ業界の志望動機の例文
  51. 公共放送
  52. キー局
  53. 準キー局
  54. 地方局
  55. テレビ業界を志望する学生からよくある質問に回答!
  56. 変化するテレビ業界の理解を深めて就活に臨もう

大きな変革期を迎えているテレビ業界を理解して就活を始めよう

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく、

「テレビ業界とはどんな所なのですか?」
「テレビ業界で働くにはどんな能力があったらいいのでしょうか?」

このような質問を受けます。テレビ業界は華やかなイメージがある反面、実際の業務については不安を感じることもありますよね。実際にテレビ業界は大きな変革期を迎えているので、目指すのであれば業界のことをよく理解したうえで選考に臨むことが大切です。

この記事ではテレビ業界について網羅的に情報をまとめて解説します。この記事を読むと、テレビ業界の現状がわかるので、自分自身でテレビ業界を志望すべきかどうかの判断ができるようになりますよ。

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まずはテレビ業界の仕組みについて理解しよう


就活生

テレビ業界に興味はあるのですが、まだ業界研究がきちんとできていません。


キャリアアドバイザー

まずはテレビ業界についてきちんと知ることが大切ですね。


就活生

テレビ業界というとやはり、よく見るテレビ局のことを指すのでしょうか?


キャリアアドバイザー

そうですね。テレビ局はもちろんテレビ業界の一部です。しかし、テレビ業界という枠組みの中には番組制作会社も含まれますよ。

テレビ業界といえばテレビ局をイメージするかもしれませんが、大きく2つに分類されており、テレビ業界を目指すのであれば業界の仕組みやビジネスモデルを理解することが大切です。

ラジオ業界についてはこちらの記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

テレビ業界は大きく2つに分類される

テレビ業界は「テレビ局」と「番組制作会社」の2つに分類されます。同じテレビ業界への就職でもテレビ局と番組制作会社のどちらに就職するかで実際の業務内容やアピールポイントが変わってきます

テレビ業界というとどうしてもテレビ局への就職をイメージしてしまう方もいるでしょう。しかし、人によってはテレビ局よりも番組制作会社への就職が向いている場合もあります。それぞれの違いをしっかりと理解しましょう。

①テレビ局

テレビ局とは番組を制作し放送をおこなう会社のことを指します。テレビ局の主な仕事内容は番組を放送することです。24時間のうち、どの番組をいつ流すのかという番組スケジュールを管理して実際に放送をおこなうのがメインの仕事です

スケジュールを作成するときには視聴率や視聴者の傾向を把握したうえで広告枠の価格も検討します。広告としてCMを出すスポンサーに広告枠を販売することもテレビ局の仕事の一つです。

スポンサー企業から番組への出資を受け、番組の間に広告を放送することでテレビ局は運営されています。


キャリアアドバイザー

NHKは公共放送で視聴者から番組制作費を集めているのでスポンサー企業はないためCMがありませんよ。

②番組制作会社

テレビ局が放送しているテレビ番組は、制作をテレビ局員が担当している場合もありますが、実際には番組のほとんどを番組制作会社が制作しています。

番組制作会社は主に番組を作ることを仕事としており、テレビ局から依頼を受けた内容を基に番組を作成したり、反対に番組制作会社が制作した番組をテレビ局に売り込んだりすることもあります。視聴者が面白いと感じる番組をテレビ局が定めた放送枠内で収まるように制作し、制作費を得ることが利益になるのです。

制作会社と一言で言っても業務内容は会社によって異なり、番組の企画から制作までを担当する会社、番組制作の一部分だけを担当する会社、ディレクターなどの人材を派遣する会社などがあります。

テレビ業界のビジネスモデル

テレビ業界がテレビ局と番組制作会社の2種類にわかれていることが理解できたら、次はテレビ業界のビジネスモデル、つまり収益の作り方について知識を深めましょう。

テレビ業界の収益は主に「広告収益」と「視聴料金」の2つです。広告収益と視聴料金の双方を収益としているテレビ局もあれば、どちらか一つを主として収益を上げているテレビ局もあります。

企業によってビジネスモデルの細部は異なる場合もあるので、全体像について解説します。

広告収益

メインの収益の上げ方は「広告収益」です。先ほどのテレビ局の項目でも説明しましたが、NHKを除いた民放テレビ局はスポンサーと呼ばれる企業や団体などにCM枠を販売しています。その広告料が広告収入です。

スポンサーは、番組の合間にテレビCMを流すことで視聴者に商品や企業・団体についての宣伝をおこなっています。スポンサーはテレビ以外にも雑誌や新聞といったメディアに広告を出すことができますが、テレビは一度に多くの人の目に触れるため宣伝効果が高く、その分広告費も高いという特徴があります

広告費の支払いには広告代理店が仲介として入ることが多いです。スポンサーが広告代理店に費用を支払い、広告代理店からテレビ局に広告費が支払われます。

視聴料金

テレビ局の中には視聴者から受信料や視聴料を集めているところもあります。受信料と聞いて思い浮かぶのはNHKでしょう。NHKでは民放のテレビ局と異なりCM枠がありません。その代わり国民から受信料を徴収しています。

2020年度にNHKが発表した決算によると受信料収入は6895億円に及びます。同年度のフジメディアHDの売り上げが2175億円ですので、NHKの受信料収入が大きなものであることがわかるでしょう。

また、全国どこでも視聴ができるように47都道府県すべてに放送局を持っているということも他の民放テレビ局との違いです。さらに、テレビ局の中には視聴料金を支払うことで見られるチャンネルもあります。具体的には次のようなチャンネルです。

衛星放送の有料チャンネル
  • スカパー!
  • WOWOW
  • インターネットテレビ
  • Hulu
  • Netflix

これらのチャンネルは、視聴者から月額で視聴料金を徴収することで収益を上げています。

キャリアアドバイザーコメント

石川 愛プロフィール

海外やローカル局への番組販売ビジネスが注目を浴びている

制作した番組を他のテレビ局や動画配信サービスに販売する「番組販売」は、近年のテレビ業界の収入源の1つになっています。

さらに販売先は日本のテレビ局に限らず、海外への販売もおこなっています。日本が海外に誇る文化の1つであるアニメーションやドラマ・バラエティ番組も販売していますよ。

番組を制作しているテレビ局と放送局が違うことがあるため、制作会社志望の就活生は注意が必要ですね。

海外への番組フォーマット販売についても押さえておこう

番組そのものの販売だけでなく、番組のコンセプトや構成などのパッケージを海外へ販売する「番組フォーマット販売」もおこなっています。実際に日本のテレビ番組がアメリカやスペイン、フランスなど幅広い地域でリメイクされて放送されていますよ。

このように広告収入だけでなく販売収益を上げることもできるので、テレビ業界志望の学生は覚えておきましょう。

あなたが受けない方がいい職業を診断しよう

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

押さえておこう! テレビ業界の動向と将来性


就活生

華やかで芸能人とかにも会えそうだし、絶対テレビ業界に入りたいです!



キャリアアドバイザー

確かに 華やかなイメージで憧れる人の多いテレビ業界ですが、反面、時代の変化の影響を受けやすく、激動の業界であることは念頭に置いておくべきです。

これまではメディアの中では抜群の影響力をもっていたテレビでしたが、最近ではテレビを見ない人が増えた影響で、テレビの広告費は減少傾向にあります。メディアの中心がテレビからネットに移行してきているのです。

このような現状を踏まえて上で、テレビ業界の動向と将来性について解説していきます。

ネット広告市場の成長に伴う広告費減

2018年以降、テレビ業界の規模は減少傾向です。具体的にはテレビ局大手5社(フジメディアHD・日本テレビHD・TBS HD・テレビ朝日HD・テレビ東京HD)の売上高は2015年から2018年までは緩やかな増加傾向にありましたが、2018年から2020年にかけては減少しています。

売上高が減少した背景にあるのは、テレビ局の主な収入源である広告収益が減ったからです。経済産業省の特定サービス産業動態調査によると、2022年12月時点のテレビ広告業の売上高は、1兆2,634億円となっており13カ月連続の減少傾向です。

一方でネット広告は1兆4,437億円と27カ月連続の増加傾向であり、ネット広告市場の成長に伴ってテレビ広告費が減っていることがわかります。

VODなどの新プレイヤーの台頭

VODとはVideo On Demandの略でビデオオンデマンドと呼ぶこともあります。

スマートフォンやタブレット、パソコンなどで動画を視聴できるWebサービスのことで、インターネット環境さえあれば、好きなときに好きな動画を好きなだけ視聴することができるのが特徴です。

VODの具体的な例
  • YouTube(ユーチューブ)
  • Tver(ティーバー)
  • Netflix(ネットフリックス)
  • Hulu(フールー)
  • Amazonプライム・ビデオ
  • U-NEXT(ユーネクスト)
  • dTV(ディーティービー)
  • iTunes
  • Google Play
  • TSUTAYA TV

テレビの視聴時間は減少傾向にある一方で、スマホやタブレット、PCなどのデジタルメディアを活用する時間は増加しています。特に新型コロナウィルスによる外出自粛の影響もあり、総務省の調査では2020年にネット利用時間がテレビ視聴時間を上回りました。

テレビ局も動画配信を強化

VODなどの新プレイヤーの台頭を受けて、テレビ局でも放送した番組をスマホで視聴できるように動画配信サービスを開始しています

たとえば東京に本社を置く5つのテレビ局(フジテレビ・日本テレビ・TBSテレビ・テレビ朝日・テレビ東京)は共同で2015年10月に見逃し配信サイト「TVer」の運営を開始しました。TVerは広告付きの無料動画配信サービスのため、視聴者は完全無料で視聴ができます。

また、フジテレビが運営するFODプレミアムをはじめとする定額課金制の動画配信サービスもあります。NHKは2020年4月にテレビ番組と同時にインターネットにも配信する「NHKプラス」を開始しました。テレビ局側も動画配信を強化しているのです。

テレビだけでなくインターネットを利用した多角化戦略を推進

今後もテレビからネットへと主力メディアが変わっていく流れは変わらないでしょう。そのため、引き続きテレビ局が得られる広告収益は減少していく可能性が高いです。

このような動向を踏まえて、大手のテレビメディアはテレビ以外の事業を強化しています。特にインターネットを利用した多角化戦略を推進しているのがテレビ朝日HDです。サイバーエージェントと共同展開している「AbemaTV」が業績に寄与しています。

他にもフジメディアHDは都市開発や観光事業に力を入れています。視聴率の低下が続く中で周辺事業の強化は今後の業績に大きくかかわっていくものになるでしょう。

ローカル局は地域に密着した事業展開に注力

一定の地域を放送エリアに持つローカル局でも、大手テレビ局と同様に広告収益の減少という問題が発生しています。ローカル局では放送による収益と放送以外の収益の比率はおよそおよそ9:1となっているため、広告収益の減少はさらに大きな問題になります。

ローカル局は地域に密着しているという特徴を活かした事業展開に注力していくことが求められるでしょう

たとえば2019年のラグビーワールドカップでは開催一年前の段階では代表選の視聴率低迷や開幕前イベントでの空席が目立つなど、ラグビー熱は高くはありませんでした。そこで、試合会場の一つである静岡と静岡での大会中継枠を持つNHK静岡がタッグを組みPRの施策を実施しました。その結果、10月13日の「日本対スコットランド戦」では39.9%という高視聴率を獲得したのです。

このようなローカル局ならではの事業展開が求められます。

キャリアアドバイザーコメント

石川 愛プロフィール

テレビ放送に縛られない放映・制作の新しい挑戦に関われる

今紹介したとおりVODの台頭など時代の変化によって変化が求められており、今のテレビ業界は新しい挑戦ができる業界としての魅力もありますね。

今までは長期間にわたって「テレビ放送」という限られた手段の中で、より良い番組制作に取り組んでいました。ですが、すでに「AbemaTV」を代表するようにインターネットを利用した戦略もおこなわれていますよね。

さらに今後はVR・ARやメタバースという新しい技術革新が進んでいるため、今までにない斬新な企画や放映方法、番組制作がとても早いスピードで求められると言っても過言ではありません。常にトレンドを発信しているテレビ業界だからこそ、変化の最先端で世の中の移り変わりを提供し体感することができますね。

このようにテレビ放送にかかわらず、「先端技術を新しく取り入れること」に興味がある人にもテレビ業界はおすすめの業界になってきていると言えますよ。

あなたが受けない方がいい職業を確認しておこう

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

テレビ局の4つの種類

テレビ局はまず、「公共放送」と「民間放送」に大別されます。民間放送はさらに「キー局」「準キー局」「地方局」の3つに分けることができます。つまり、テレビ局には大きく以下の4つの種類があると認識しておくと良いでしょう。

  1. 公共放送
  2. キー局
  3. 準キー局
  4. 地方局

ここからは、4種類のテレビ局についてそれぞれ解説していきます。

①公共放送

公共放送に分類されるのは日本で一つだけで、NHK(日本放送協会)です。放送法第15条には次のように記載があります。

協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内基幹放送を行うとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うことを目的とする。

公共放送と民間放送の主な違い
  • 広告収益ではなく受信料を収入源としている
  • 番組制作費が多額になる傾向がある

番組制作費は2020年度で3,246億円となっており、同年の日本テレビHD制作費の884億1200万円と比べると多額の番組制作費を投じていることがわかるでしょう

②キー局

ここからは民間放送の「キー局」「準キー局」「地方局」の3つについて解説します。

  • キー局:東京都港区内に所在する5つの主要放送局である「日本テレビ放送網」「TBSテレビ」「フジテレビジョン」「テレビ朝日」「テレビ東京‌」を指す言葉

一般的には「キー局」と表されることが多いですが、5つのいずれも東京都に所在していることから、在京キー局、東京キー局と呼ばれることもあります。キー局は系列局とネットワーク協定を結んでおり、日本中にテレビ番組を放送しているのです。

また、各テレビ局は新聞社と密接な結びつきを持っており、日本メディアの中心的存在と言えるでしょう

③準キー局

  • 準キー局:大阪府大阪市に所在する4つの放送局である「読売テレビ」「朝日放送」「毎日放送」「関西テレビ」のこと

大阪に局を置いていることから「在阪準キー局」や「大阪準キー局」と呼ばれることもあります。

関西版のキー局という位置づけと認識すると良いでしょう。制作する放送番組の数はキー局についで多くなっており、プライムタイムと呼ばれる視聴率が最も高い時間帯(主に19時から23時)に全国ネットの番組供給をおこなうことができます。

また、関西圏(大阪・京都・滋賀・奈良・兵庫・和歌山)に番組を放映する権利があるため、後に紹介するローカル局と比べて放送の規模が大きくその分影響力も強くなります

④地方局

  • 地方局:全国ではなく、基本的に1つの県域に絞って番組を放送するテレビ局のことを指している言葉

ローカル局と呼ぶこともあり、日本全国に129局あります。

たとえば日本テレビ系列の青森放送(RAB)は青森県だけを放送対象地域としています。このように放送対象地域が限定されているのは1957年に策定された県域免許制度の影響です。

関東圏(東京・千葉・埼玉・群馬・茨城・栃木・神奈川)と関西圏(大阪・京都・滋賀・奈良・兵庫・和歌山)、東海三県(愛知・岐阜・三重)を除いて1つのテレビ局は1つの県域に限られているという原則があるのです。

地方局はキー局が制作した番組を放送することが基本ですが、地域に密着した特色のある自社番組を展開していることもあります

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テレビ業界の代表的な職種

テレビ局の代表的な職種
  1. 番組制作スタッフ
    ・プロデューサー
    ・ディレクター
    ・AD
    ・タイムキーパー
  2. 技術スタッフ
    ・カメラマン
    ・照明スタッフ
    ・音響スタッフ
  3. アナウンサー
  4. 営業・事務

テレビ業界といえばアナウンサーやプロデューサーといった仕事を思い浮かべるかと思いますが、その他にも多数の職種があります。

番組作成にかかわるテレビ業界特有の職種から一般企業と同じように経理や営業、管理部門といった職種も存在します。職種ごとの仕事内容を理解することでテレビ業界であなたがやりたい仕事は何なのか、明確に考えられるようになります。

ここからは、テレビ業界における代表的な職種について解説しますね。

①番組制作スタッフ

番組制作スタッフは次の4種類に分類できます。

  • プロデューサー
  • ディレクター
  • AD(アシスタントディレクター)
  • タイムキーパー

番組制作スタッフはテレビ業界特有の職種となっており、テレビ業界を志望する学生の興味を集めやすいとも言えるでしょう。主な仕事内容としてはテレビ番組を制作するための企画や打ち合わせ、取材などをおこないます。それぞれの業務内容について解説していきます。

プロデューサー

プロデューサーは番組制作の最高責任者にあたる役割です。ドラマ・バラエティ・情報・報道など、番組の制作全体を管理します。また、まだ方向性が未定の番組について企画・立案からおこなうのもプロデューサーの役割です。番組制作の予算を決め、出演者を決定・手配し、編集後の最終確認まで一括しておこないます。番組を制作し放送するまでのすべての工程にかかわることになるので、責任も重く裁量の大きい職種と言えるでしょう。

プロデューサーには番組の企画にかかわる発想力や企画力、管理能力が必要になります。特別な資格は不要ですが、プロデューサーになるにはADやディレクターとして数年間の経験が必要です。

ディレクター

ディレクターは番組制作の現場責任者に当たります。プロデューサーの企画・立案に基づいて番組を制作し、実際に企画通りに再現するために番組出演者と交渉したり、台本を作ります

また、実際に番組収録の際には、照明や音声、美術スタッフなどに演出を指示するのもディレクターの役割です。中には取材やロケ、編集を自分でおこなうディレクターもいます。そのため、業務内容の広く、非常に専門性が高い職種ともいえるでしょう。

ディレクターもプロデューサー同様にテレビ業界に就職してすぐになれるものではありません。次に解説するADとして数年間経験を積む必要があります。

AD

AD(アシスタントディレクター)はディレクターの補佐役として、番組制作の進行をサポートする職種です。ディレクターの指示を受けて、番組を制作するために必要な情報を収集したり、ロケをおこなう場所の選定や収録準備、編集のフォロー業務をおこないます。

実際にテレビ番組の制作現場に携わることができるため、高い人気があります。最近では、番組で取り上げる内容を探すという情報収集を担うADも増えてきました。

プロデューサーやディレクターは番組制作の現場経験を数年間積んでからなれる職種であるのに対し、ADはテレビ業界未経験者であっても就くことができます。そのため、テレビ業界への就職を希望する方の入口とも言えるでしょう

プロデューサーとディレクターについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせて読んで理解を深めてくださいね。

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タイムキーパー

タイムキーパーとはその名前の通り番組進行の時間管理を担います。特にテレビを事前に収録せず、スタジオや現場から直接に放送する生放送では欠かせない職種になっています。

テレビ番組はあらかじめ決められた放送時間枠の中で番組を収める必要があり、報道番組などでは差し込みの緊急ニュースなどによって番組の進行が計画通りには進まないこともあるでしょう。タイムキーパーは番組放送前に事前にタイムスケジュールを作成します

番組の放送中、タイムキーパーは副調整室にいて、ディレクターと共に番組の進行をストップウォッチを持ちながら管理していくのです。また、CMの入りからCM明けまでの時間を計算してディレクターや出演者に伝えるといった業務もあります。

②技術スタッフ

技術スタッフは次の3種類に分類されます。

  • カメラマン
  • 照明スタッフ
  • 音響スタッフ

最近のテレビ番組では演出の一環としてディレクターやADが番組に出演することもあり、どうしても番組制作スタッフに焦点が当たってしまいがちですが、技術的なスタッフもテレビ業界の大切な職種です。

技術スタッフはカメラワーク、映像処理、音響効果などをおこなう技術専門職です。それぞれの職種について解説していきます。

カメラマン

テレビ局のカメラマンの仕事は次の2つに分けられます。

  • スタジオカメラマン:スタジオ収録の際にスタジオでカメラを回す仕事
  • 取材ロケカメラマン:ロケなどで屋外の撮影のときにカメラを回す仕事

スタジオカメラマンの場合は、テレビ番組の収録をディレクターの指示のもと、企画通りに撮影することが求められるのです。スタジオで撮影されている生放送の撮影を担当することもあり、失敗が許されない環境で精神的に負荷が掛かることもあるでしょう。

取材ロケカメラマンの場合は音響スタッフと共に、ロケ地に出向いて撮影をします。

カメラマンは基本的には専門学校や大学の映像学科を卒業したのち、下積みとしての経験を積んでからでないとなれません。また、想像力や撮影のセンスも問われる職種です。

照明スタッフ

照明スタッフはディレクターが企画した番組制作の世界観に合うように現場で複数のライトを活用してセットや出演者などに照明を当てる仕事です。

照明の仕事は一見簡単なように思われるかもしれません。しかし、実は番組制作において照明は綿密に計画されており、1つの番組の収録でも複数の照明を活用してより綺麗で見やすい番組ができるように工夫されているのです

光を使って感情を表現したり季節や時間の経過を表す、音楽に合わせた光の演出をおこなうなどさまざまな工夫がされています。照明によってテレビ画面で見たときの色合いも異なるため、専門的な知識が必要な仕事です。

照明スタッフの多くは専門学校出身で、テレビ局に専属というよりは番組制作会社に籍を置いており、外注でテレビ局に派遣されているケースが大半です。

音響スタッフ

音響スタッフは番組制作の音響や音声を専門とする職種になります。音響スタッフの仕事は次の2つです。

  • ロケや収録などで出演者の声や周囲の音などを拾う仕事
  • すでに録音した音声の調整をおこなったり音響効果を加えたりする仕事

基本的には両方を兼任することが多く、「音声さん」「音効さん」「ミキサー」と呼ばれることもあります。

マイクを使って拾った音声を、ミキサーという機械を使って編集します。番組出演者によって声量が異なりますが、そのまま収録するとスタジオで編集する際に手間が掛かってしまうため、収録の段階で事前に調整をする必要があることも音響スタッフの仕事の一つです

また、効果音を加えることで映像の印象が変わるため、音響スタッフによる編集も重要な作業です。

③アナウンサー

アナウンサーとは番組でニュースやナレーションなどの原稿を読むことで情報を伝える係のことを指します。世の中で話題になっている情報をわかりやすく伝えることや、地震などの災害情報や毎日の天気予報といった情報を伝えることもアナウンサーの仕事です

番組の進行役であり、情報を正しく伝えるために発声や滑舌を身に付けて言葉を正しく美しく話す技能を身に付ける必要があります。

最近では、番組の司会をおこなうなどタレントのように出演することも増えてきています。そのため、テレビ局側もアナウンサーとしての技能はもちろん、個性や要望も重視して採用活動をおこなうこともあるのです。

番組の収録時間に合わせて勤務時間を調整するため、早朝出勤や長時間勤務が連続するなどハードな一面もあるでしょう。

④営業・事務

今までは主に番組の制作スタッフや技術スタッフについて紹介しましたが、テレビ業界にも一般の事業会社と同様に営業や総務・人事などの事務といった仕事があります。

テレビ業界の営業は、番組の広告枠についてスポンサーに提案をしたり、交渉をおこなうという仕事があります。会社の収益に大きく影響を与える職種です。事務の仕事は具体的には一般の事業会社と大きな違いはありません。一般事務、営業事務、経理事務などにわかれており、それぞれ特化した事務作業をおこないます。

一般事務の場合はマスコミにかかわる事務になることが多いですが、テレビや映像・音楽関係の事務をおこなうこともあります。またメールや電話対応、来客対応など業務は多岐にわたるでしょう。

テレビ業界で求められる4つのスキル

ここまで、テレビ業界の動向や種類、職種について解説してきました。

次に、テレビ業界を志望する方に向けて、業界で活躍するためにどんな力が必要なのか、テレビ業界で求められる次の4つのスキルについて解説します。

自分の強みがテレビ業界で活かせそうか、検討する参考にしてくださいね。

①コミュニケーションスキル

テレビ業界は番組を通して情報を発信するのが主な仕事内容です。もちろんパソコンや機械を操作して番組を制作することも業務の1つですが、基本的には人と人とのかかわりで業務を進めていきます。

また番組は自分が作りたいものを何でも自由に制作できるわけではありません。外部からの依頼を受けたりスポンサーの意向を反映したりと、クライアントの理想を反映させられる番組制作をおこなっていきます。他者とのかかわり合いの中で、相手の望むものを正しく理解することのできるコミュニケーションスキルをもった人材が望ましいです

実際の業務の中では職種ごとや同一番組の制作担当者ごとにチームを組む必要があります。自分から積極的にチームにかかわり、わからないことがあれば周りに意見を求められるスキルも必要です。

面接でコミュニケーション能力をうまく伝える方法はこちらを参考にしてみてください。

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②流行に対してのアンテナの高さ

テレビ業界で最も優先すべき事項は視聴者が満足できる番組を制作して視聴率を上げることです。視聴者を惹きつける番組作りのためには、世間の関心事や流行りごと、文化についての知識と理解が必要になります。

好奇心が強く、多様な分野に対して興味をもつことができ、流行に敏感な人はテレビ業界に適性があると言えるでしょう。流行や文化を知るためにはネットや新聞・雑誌などで情報を集めることができます。

しかし、これらの情報の中には情報の更新がされていなかったり、誤った情報も混じっている可能性があるため、情報を適切に取捨選択する力もあると良いです。

③臨機応変に対応できる柔軟性

番組を制作するうえでは、さまざまな制約があります。番組として確保している時間の枠や、制作費の予算、撮影に使用できる環境など、自由に設定することは難しく、事前に決まっている枠組みの中で発想を広げて対応したり、交渉したり、代替案を提示したりと対応変更する場合があります

また、番組制作の中では急な予定変更や計画変更も頻繁に発生する可能性があります。そのような状況の変化にも臨機応変に対応できる柔軟性が必要です。

番組制作内のチームには自分より経験のある先輩ディレクターや職人気質の強い技術スタッフなど多様な人がいます。相手の意見を理解するためには自分の固定概念にとらわれない思考の柔軟性も求められるでしょう。

臨機応変さのアピールの仕方はこちらを参考にしてみてください。

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④変則的な労働時間にも耐えうる体力

テレビ業界は労働時間の面ではハードな仕事が多いと言えます。クライアントとの調整に奔走したり、納期に間に合わせるまでに徹夜で仕事をすることもあるでしょう。

また、収録が夜まであった翌日に、別番組の早朝からの収録が入ることもあり、毎日規則的に仕事をおこなうことは難しい場合もあります。そのような変則的な労働時間でもきちんと自分に与えられた役割を果たすことのできる体力が求められるのです。

さらに番組を制作するために綿密な計画が立てられており実際の収録で予定通りに進めなければいけないというプレッシャーがかかることもあります。立ち仕事や力仕事が必要になる職種もあるため、激務にも耐えうるメンタルと体力を今から鍛えておきましょう。

キャリアアドバイザーコメント

堀内 康太郎プロフィール

「流行に対するアンテナの高さ」に加えてリサーチ力・検索能力も必要

説明の中でも紹介しましたが、適切な情報を収集する検索能力・リサーチ力がテレビ業界で活躍するために非常に重要なスキルになります。

インターネットがあれば「いつでも欲しい情報にアクセスできる」と思っている人が多いですが、高い検索能力がなければ質の高い情報を得ることはできません。検索能力がないとリサーチにかける時間が長くなってしまい、さまざまなトレンドを追うテレビ業界では仕事の効率が悪くなってしまうのです。業務時間が長くなると身体への負担も大きくなってしまいます。

検索能力・リサーチ能力を学生時代から高めるためには、常にアウトプットを意識すると良いですよ。無意識に情報収集をすると理解した気になってしまい、情報の質が低いことに気づかないことが多いです。ですが、他人へ説明することを前提に情報に触れると、深く理解しようとするので情報の質が低いか高いか考えながら収集することになりますよね。

普段の情報検索でも意識を変えるだけで就活対策になるため、テレビ業界志望の人はぜひ実践してください。

知っておこう! テレビ業界で働くうえでのメリット


就活生

テレビ業界は華やかなイメージの裏側で、コミュニケーションスキルや柔軟性、体力など、さまざまなスキルを求められる場所なのですね。


キャリアアドバイザー

確かに視聴率の高低で左右されることも多いため、決して楽な仕事とはいえないでしょう。


就活生

なんだか、テレビ業界を志望するべきか少し不安になってきてしまいました……。


キャリアアドバイザー

そんなに落ち込むことはありません。憧れやイメージだけで突き進むのではなく、現状や大変な面もしっかりと理解したうえで決断できる方が将来の自分にとってプラスに働くと思いますよ。

ここからは、テレビ業界で働くことの4つのメリットを解説します。

高収入を期待できる

テレビ業界というと高収入というイメージをもっている方も多くいるのではないでしょうか。

キー局に勤務する社員の平均年収例
  • TBS:1,632万円
  • 日本テレビ:1,461万円
  • テレビ朝日:1,377万円
  • フジテレビ:1,117万円
  • NHK:1,088万円

※ダイヤモンドオンライン「新・旧メディア120人の年収序列」より

長く勤務し、プロデューサーなど職種が上がるにつれて年収も高くなっていきます。ただ、実際にはどのテレビ局に所属をするのか、番組制作会社に所属をするのかによって、収入には大きな差が生まれます。高収入を期待できるのはキー局やNHKに入社できた場合です。

最新の情報に触れることができる

テレビ業界で働くためには最新の情報を常にキャッチするアンテナの高さが必要であることは先ほどの求められるスキルのところでも述べました。そのようなスキルをもった人材が集まりやすいのがテレビ業界とも言えるので、常に最新の情報が飛び交う環境に身を置くことになります。

そのため、日々さまざまな新しい情報を取り入れることができるでしょう。バラエティー番組の収録では、最新の流行についてリサーチをし計画を立てることで新しい知識を得ることができるかもしれません。

また、報道番組の制作であれば、一般の視聴者が放送後に知ることになる情報をいち早く捉えることが可能になります。得られる情報の鮮度はテレビ業界で働くメリットの1つです。

特定の分野のエキスパートになれる

テレビ業界に就職すれば影響力の強いテレビ番組を制作する立場になります。そうすると、伝える内容が正しいものか、きちんと情報を収集してから判断することが大切になるでしょう

番組制作の担当になった場合は番組内で伝える内容の根拠を明らかにするために専門家に取材をおこなうことや、論文など正式な文書を読むなど、かかわりのある内容を深く調べることもあります。

このような対応が発生するかどうかは、企画の内容や担当する役割次第ではありますが、番組制作のために自分自身の知識を深めることができて特定分野のエキスパートになれるかもしれません。

企画力や実行力が磨ける

番組制作においては、どのような番組を作りたいのかという企画力とその企画を実現するためには何をしたらいいかの実行力を磨いていくことになります

企画力という面では、まっさらな状態から取り上げたいネタをリサーチしたり、どのような方向性で進めていくかを考えていくことになります。

実行力という面では企画を成功させるために、どの役割の人が何を行えば良いか、全体像と細部について計画を立てて実際に実行する必要があります。計画通りに行かないことも踏まえたうえで実現させるという場面もあるでしょう。

企画力や実行力が磨けるという点ではクリエイティブで働き甲斐のある仕事と言えるでしょう。

知っておきたい! テレビ業界のトップ企業

次は、テレビ業界の中でも影響力のあるトップ企業について、紹介します。今回はテレビ局5社、番組制作会社4社の計9社を売上高ランキングの順に取り上げます。

ぜひ、それぞれの企業の特徴を把握するのに役立ててくださいね。

テレビ局①フジテレビ

  • 企業名:株式会社フジテレビジョン
  • 代表者名:宮内 正喜
  • 従業員数:1,311名(2021年3月31日時点)
  • 設立年月日:2008年(平成20年)10月1日

フジテレビジョンは、フジ・メディア・ホールディングスの連結子会社です。キー局であり、関東を中心に広域圏を放送対象地域としています。

「挑戦と創造」を企業理念としており、番組制作はもちろん、映画や映像ソフトの作成など幅広い事業を手がけています。売上高はテレビ業界トップであり、日本のテレビ業界をリードしていると言えるでしょう。

フジテレビではコミュニケーションや交渉などに好奇心旺盛な人やクリエイティブな人を求めているので、あてはまる人には最適な企業と言えます。

テレビ局②日本テレビ

  • 企業名:日本テレビ放送網株式会社
  • 代表者名:大久保 好男
  • 従業員数:1,325人(2021年4月1日時点)
  • 設立年月日:1952年(昭和27年)10月15日

日本テレビは、日本テレビホールディングスの連結子会社です。売上高はフジテレビに次ぐ業界第2位に位置しています。「見たい、が世界を変えていく」を理念としており、テレビ放送事業の他にも動画配信事業や映画事業、海外事業なども手がけています

採用サイトには「日テレの働き方」や「ワークライフバランス」といった項目も設けられており、テレビ局でありながら働きやすさを重視している企業ともいえるでしょう。

テレビ局③TBS

  • 企業名:株式会社TBSテレビ
  • 代表者名:武田 信二
  • 従業員数:1169名(2021年3月31日現在)
  • 設立年月日:2000年(平成12年)3月21日

TBSテレビはTBSホールディングスの連結子会社です。「最高の”時”で明日の世界をつくる。」をブランドプロミスと設定しており、通常のテレビ放送事業に加えて「スカパー」というCS放送向けの専用チャンネルをもっているのも特徴です

新しいことに貪欲にチャレンジし、多様化する世の中に応える真摯な姿勢で、魅力あるコンテンツをつくり、広げていける人を求める人材としています。

テレビ局④テレビ朝日

  • 企業名:株式会社テレビ朝日
  • 代表者名:早河 洋
  • 従業員数:1269名(2020年3月時点)
  • 設立年月日:1957年(昭和32年)11月1日

テレビ朝日は、テレビ朝日ホールディングスの連結子会社です。

テレビ朝日HDのグループ理念ページでは「テレビ朝日グループは放送・その他の事業を通じて より魅力的かつ社会から求められる情報やコンテンツを提供し、夢や希望を持ち続けられる社会の実現に貢献します」と企業使命を掲げています。

TBSと同様にスカパーのプラットフォームをもっていることも特徴です。「現状に満足せず、広い視野を持ち、常に考え、挑戦的(Challenge)で積極的(Active)な人材」を求めています。

テレビ局⑤テレビ東京

  • 企業名:株式会社テレビ東京
  • 代表者名:小孫 茂
  • 従業員数:763名(2021年3月31日時点)
  • 設立年月日:1964年(昭和39年)4月12日

テレビ東京は、テレビ東京ホールディングスの連結子会社です。

「私たちは、コンテンツ制作力を核とした最良・最強のメディア集合体になることを目指します。私たちは、放送の公共的使命を自覚し、責任あるメディアとして文化の創造に貢献することを目指します。」という企業理念を掲げています。

もともとは科学教育専門のテレビ局として開局したという背景もあり、他社とは異なる独自性をもった番組制作が特徴です。テレビが好きで、映像に魅力を感じ、「人々の心を動かす仕事」がしたい!という情熱のある人を求める人物像としています。

番組制作会社①IMAGICA GROUP

  • 企業名:株式会社IMAGICA GROUP
  • 代表者名:長瀬 文男
  • 従業員数:連結3,480名(2021年3月31日時点)
  • 設立年月日:2002年(平成14年)4月1日

IMAGICA GROUPは、映像の企画から制作、映像編集、配信・流通などを手がけています。産業や医療などの分野へも映像技術を活用した高品質なサービスを提供しており幅広く映像制作にかかわることができる企業です

「私たちは、誠実な精神をもって新たな価値創造につとめ、世界の人々に『驚きと感動』を与える映像コミュニケーショングループを目指します。」とグループの経営理念を設定しています。

創業時は映画フィルムの現像・上映用プリント事業をおこなっていたこともあり、映像を軸に総合力を発揮した事業展開をおこなっているのが特徴です。

番組制作会社②AOI TYO Holdings

  • 企業名:AOI TYO Holdings株式会社
  • 代表者名:中江 康人
  • 従業員数:単体159人 連結1,727人(2020年12月31日時点)
  • 設立年月日:2017年(平成29年)1月4日

AOI TYO Holdingsは広告制作プロダクション大手のAOI Pro. とTYOを傘下にもつ持株会社です。広告コンテンツの戦略立案・企画・制作をおこなっています。グループのスローガンは「未来を、感動を、人を、プロデュース。」であり、グループ企業の社員が一丸となり企業の成長を目指しています。

2020年以降は事業構成を従来の広告映像制作を中心としたものから、「コンテンツプロデュース事業」と「コミュニケーションデザイン事業」の2事業体制へと転換しているのが特徴です

番組制作会社③東北新社

  • 企業名:株式会社東北新社
  • 代表者名:中島 信也
  • 従業員数:単体880名 連結1,571名(2021年3月31日時点)
  • 設立年月日:1961年(昭和36年)4月1日

東北新社(略称TFC)は、映画の製作・配給、海外テレビ映画の輸入配給・字幕吹替の翻訳、テレビ番組・CM制作、セールスプロモーション・イベント制作事業や、衛星放送事業などをおこなっています。

外国映画の日本語版を制作していることでも知られており、国内最大手です

番組制作会社④NHKエンタープライズ

NHKエンタープライズ(略称NEP)は、日本放送協会の放送番組制作会社です。NHKの番組制作の元請けや、番組の版権管理・映画製作・テレビアニメ制作・インターネットコンテンツの制作をおこなっています

NHKとNEPの共通点・相違点をまとめると次のようになります。

共通点
  • 公共性などの理念を共有している
  • NHK番組の企画・制作をしている
相違点
  • NHKは特殊法人、NEPは株式会社
  • NEPは放送以外の事業展開もおこなう
  • NEPは自治体や企業等との取引が多い

NEPは「構想力」「具現化力」「調整力」のあるコンテンツ制作力を有した人材を求めています。

ES突破が最大の難関! テレビ業界の志望動機で盛り込むべき4つの要素

テレビ業界はメディアの中心がネットに移っている現在においても人気の高い業界です。総エントリーシート(ES)の提出数は記念受験が減った現在でも数万単位です。また、採用人数も少ないため、就職倍率は非常に高くなっており、たとえばフジテレビは2021年の新入社員数が総計30名です。

仮にESの提出が1万とすると倍率は約333倍になります。このような激戦の選考を勝ち抜くために、まずはESが通過するようにするために必要な3つの要素について解説します。

志望動機の作り方はこちらでまとめているので参考にしてみてください。

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①なぜテレビ業界なのか

テレビ業界はより広範囲で見るとマスコミ業界の中に位置付けられます。同じマスコミ業界の中でもなぜ広告や出版業界ではなくテレビ業界を選んだのかを自分の言葉で説明できるようにしましょう。

たとえばテレビ業界の特徴としては映像で番組を制作することがあります。「音声と映像の両方で視聴者に笑顔を届けられるような番組を作りたい」などのテレビ業界ならではの理由を盛り込むようにしましょう

また、現在のテレビ業界が直面している課題として若者のテレビ離れがあります。この現状を受け止めたうえで、自分がどのように貢献をできるかを伝えることができるとより深みのある志望動機になることでしょう。

②テレビ業界の中でもなぜその企業なのか

テレビ業界といっても、テレビ局と番組制作会社では企業としての目標や実際の業務内容が異なります。なぜ、その企業を志望しているのかということについて、自分が今後やりたいことに関連付けて明確に述べることができないと、その企業である必要性はないと選考担当者に判断されてしまう可能性もあります

しっかりと企業研究をおこない、企業ごとの特徴や強みに合わせた志望動機を作成しましょう。

テレビ局の場合

テレビ局にはそれぞれ各局ごとに特徴があり、厳しい視聴率競争の中で勝ち残るために個性やコンセプトを打ち出すことに注力しています

たとえば、テレビ朝日であれば、朝日新聞の影響を受け報道に強みがありますし、TBSは視聴率の高いドラマを放送しているといった特徴があげられるでしょう。

他にも日本テレビであれば、視聴率の高い人気番組を多く抱えており、2021年の全日・プライムタイム・ゴールデンタイムではいずれも個人視聴率1位を獲得しています。

また、地方局はキー局にはない独自性のある番組を制作していることもあります。テレビ局の強みと自分の強みを理解していることを志望動機に反映させると良いでしょう。

番組制作会社の場合

番組制作会社を志望するときは、なぜテレビ局ではなく番組制作会社を志望するのかをポジティブな内容で表すことが大切です

たとえば、テレビ局は倍率が高いので倍率が少しでも下がるように番組制作会社を選んだ、という人もいるかもしれませんが、これは番組制作会社の強みを反映している志望動機ではありませんので避けましょう。

番組制作会社の良さ
  • さまざまなジャンルの番組制作に携わることができる
  • 数多くの番組制作の実務を通して専門性を高めることができる
  • 部署異動や転勤がなく長く同じ現場で制作することができる

テレビ局に入社するよりも幅広い経験ができることを魅力に感じていることを志望動機に反映できると良いでしょう。

③入社後にどのように貢献したいか

テレビ業界ではアナウンサーやプロデューサーなど脚光を浴びやすい職種があります。そのような職種に憧れを抱いて、志望している人もいるでしょう。

しかし、憧れの気持ちだけでは選考を通過することは難しいです。自己分析を通して理解した自分の強みや長所、性格やこれまでの経験などを、志望している企業の志望した職種でどのように活かしていくことができるのか、貢献できる部分を具体的に説明しましょう

また、1つの番組を制作するためには裏方のスタッフもたくさんかかわります。そのような技術スタッフや番組制作スタッフなどを志望する人も、自分なりの貢献のビジョンを立てて明確に伝えるようにしましょう。

④どのように活躍したいのか

先ほども述べたようにテレビ業界は倍率の高い業界です。特に人気のあるテレビ局であれば、他の学生もしっかりと企業研究をおこなって志望理由を作りこんできている熱意のある学生だといえるでしょう。

その中で競争を勝ち抜くには自分がどのように活躍していきたいのか将来のキャリアプランをしっかりと示すことが必要です。ただ単に自分の理想を語るだけではなく、テレビ局が将来的に目指す方向性と自分が目指す方向性の共通部分を探り、志望動機に反映させるようにしましょう。

キャリアプランまで明確にした状態でESに記載できるとその企業に入って具体的に何をして活躍したいのかを伝えることができるでしょう。

キャリアアドバイザーコメント

堀内 康太郎プロフィール

テレビ業界の動向と将来性を踏まえた「どのように貢献したいか」を書こう

志望動機を考える際は、今紹介した「テレビ業界の将来的な課題」に対する貢献をアピールできると他の学生と差がつけられるのでぜひ実践してみてください。

ほとんどの学生は業界の将来性までは調べられていないため、その業界や企業の「今の課題」へ貢献することに焦点を当てています。「将来性に対する貢献」をアピールできると、採用担当者は長期的な活躍のイメージが持てるのでプラス評価につながりますね。

たとえば「VODなどの新プレイヤーの台頭」の課題に対して、部活・サークルやアルバイトの経験でアピールできますよ。具体例として飲食店アルバイトで考えてみると、コロナウイルスの流行でテイクアウト販売のニーズが高まりましたよね。この変化に対応するために「アルバイト先のSNS発信」や「Webサイトの発信」などをした経験は、世の中の変化に素早く対応した経験として入社後の活躍をアピールできますよね。加えてその経験をもとにテレビ業界の課題をどう解決したいのかについてさらに切り込めるとより熱意が伝わりやすくなるでしょう。

このようにテレビ業界が置かれている状況や将来性をしっかりと把握すると、就職活動でアピールする経験が変わり長期的な活躍がアピールできますね。

差別化が大切! テレビ業界の選考で押さえるべき4つのポイント

ESの志望動機に盛り込む内容が決まった後は、ES以外で選考を円滑に進めるために押さえるべき4つのポイントを紹介します。具体的には次の4点です。

  • 夏期インターンシップに参加して具体的な将来性を伝えられるようにする
  • テレビやVODなどのさまざまなコンテンツを研究する
  • アナウンサー志望者のES用写真はプロに依頼してこだわる
  • 逆質問で入社意欲を積極性をアピールする

テレビ業界ならではの気を付けるポイントもあるので気を付けましょう。また、これらをきちんとおこなうことで、選考の通過率を高めることができますので、ぜひ参考にしてください。

①夏期インターンシップに参加して具体的な将来性を伝えられるようにする

テレビ業界各社は夏期のインターンを開催しています。夏期インターンに参加すると次のようなメリットがあります。

  • 業務内容と社風を知れる貴重な機会になる
  • 冬期インターンに参加できる可能性が上がる
  • 内定までの流れを優遇してもらえることがある

テレビ業界はどうしても映像として放送される番組に焦点が当たってしまいがちで、放送されるまでのプロセスは見えにくい部分があります。実際にインターンに参加することで番組制作の内部を知ることができる貴重な機会になるでしょう。

また、実務を経験していることで選考時に具体的な将来性を伝えることができるようになります。企業によっては冬期インターンも開催している場合がありますので、開催スケジュールをあらかじめ調べておくようにしましょう。

インターンの就活への活かし方はこちらを参考にしてみてください。

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②テレビやVODなどのさまざまなコンテンツを研究する

テレビ業界への理解を深めるためには実際に放送されている番組やコンテンツを視聴することも大切です。志望する企業以外にも、競合他社はどのようなコンテンツ制作をおこなっているのか、傾向や特徴などをまとめておくようにしましょう

また、実際に番組を視聴する以外に書籍を読むことでも業界についての理解を深めることができます。テレビ業界に関して説明している書物は数多くあり、書籍ではネットやテレビでは得ることができない情報も載っています。

より専門性の高い知識を身に付けることができますので、ぜひ書籍も活用してコンテンツ研究をおこなってみてください。

③アナウンサー志望者のES用写真はプロに依頼してこだわる

テレビ業界でアナウンサーを志望する人はES用の写真にもこだわるようにしましょう。もちろん、写真や顔だけで選ばれることはありませんが、番組や局の顔となるアナウンサーという職種だからこそ顔やスタイルなど見た目も選考の重要ポイントになります。

特にキー局のアナウンサー選考では、写真を重視して選考が進むことも少なくなく、ESの記入欄のうち半分以上が写真のスペースということもあります。写真について細かい指定がある場合もあり、写真の映り具合がESの合否に大きく影響するのです。

魅力的な写真を取るためには写真館でプロのカメラマンに依頼をして撮ってもらうようにしましょう。全身写真やスナップショットなどに対応した写真館も多数ありますので、スケジュールに余裕をもって探すと良いです。

履歴書の写真のポイントはこちらで解説しています。

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④逆質問で入社意欲や積極性をアピールする

就活の面接では、最後に「何か質問はありますか?」と採用担当者に聞かれることがあります。このことを逆質問と言いますが、逆質問がなかったときでも、自分から採用担当者にたずねることで入社意欲や積極性を伝えることができます

逆質問では、実際の業務の内容や今後の事業の展開性など、聞いてみたいことをあらかじめ用意しておくと良いでしょう。

おすすめの逆質問
  • 入社までにやっておくと良いこと
  • やりがいや感動したこと
  • 自分が将来やりたいこと、やりたい企画

また、面接・説明会で聞いた内容の疑問点などを聞くのも効果的です。

おすすめの逆質問例はこちらでもまとめているので参考にしてみてください。

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キャリアアドバイザーコメント

塩田 健斗プロフィール

テレビ業界では特にインターンシップの参加が差別化につながる

就活ではエントリーシートの限られた文字数や面接の限られた時間でアピールすることが求められています。ですが、インターンシップに参加し社員と接点を持っておくことで、エントリーシートと面接以外の場で自分をアピールできることになりますよね。

実際にインターンシップへ参加したことで早期に内定獲得をしている人もいますし、キー局の内定者3〜4割が冬期インターンシップへ参加しているというデータもありますよ。

インターンシップへ参加すると「テレビ業界で必要になるスキル・スタンス」を実務を通じて体感することができますよね。インターンシップで感じた「仕事で活かせる自分の強み」をよりアピールできる経験を面接解禁までにできれば、テレビ業界への志望度の高さもアピールできますよね。

このようにインターンシップ参加は倍率の高い人気のテレビ業界では特に内定獲得のカギになります。さらに差をつけたい人は、就職活動が本格化するまでにスケジュールを逆算し、もし参加できるものがあれば必ず参加してテレビ業界で求められている経験を積むようにしましょう。

テレビ局別! テレビ業界の志望動機の例文

ここからはテレビ局を志望する人に向けて、志望動機の例文を紹介します。公共放送、キー局、準キー局、地方局の4つに分けて紹介していきますので、自分が志望するテレビ局の種類に合わせて、活用してみてください。

また、志望動機を作成する際には、それぞれのテレビ局の採用サイトはもちろんのこと各局のIR資料を眺めると、事業の現状や今後の方向性について理解ができるでしょう。

公共放送

例文

私が貴社を志望した理由は、自身の企画力や粘り強さを活かすことができる環境があると感じたためです。学生時代にボランティアの活動を通して相手のニーズを理解し、それを具現化する企画をたてることの喜びを感じました。貴社では幅広い年代の視聴者が飽きることなく視聴できる番組を多数制作しています。貴社に入社したあかつきには革新的なアイディアで視聴者を喜ばせ、視聴率を高める番組作りに貢献することができると考えます。


キャリアアドバイザー

自分の強みとNHKの特徴の双方に触れて志望動機を制作することができているのが良いアピールになりますね。

キー局

例文

私が貴社を志望した理由は、貴社の強みである報道番組の制作において、中立的かつ客観的な立場で事実を伝える姿勢に共感したためです。他社の報道番組では、出演しているコメンテーターが個人的な意見を述べ、その発言力の大きさから視聴者もその意見に納得してしまうことがあると考えています。一方で貴社は他社とは異なり、中立的な立場で事実をありのまま伝えるという報道の形式を取っている点が魅力に感じました。貴社に入社した際は、事件や事故を中立的な立場で取材する記者になりたいと考えております。


キャリアアドバイザー

志望するキー局の強みと、番組制作に対する姿勢を的確に理解した志望動機で採用担当者の印象に残ることができますね。

準キー局

例文

私は、現在のネット化の流れが進んでいるテレビ業界において、他局に先んじて多様なメディア発信をおこなっている貴社の戦略に共感しました。貴社では、テレビ番組の放送とネット配信を同時におこなうなど新しい取り組みをおこなっています。私も貴社において、新しい情報発信の形を提案していきたいと思っております


キャリアアドバイザー

テレビ業界の動向を踏まえて、志望する準キー局の戦略に着目しています。自分のやりたいことの方向性もしっかりアピールしているのが良いですね。

地方局

例文

私は学生時代、貴局の情報番組を毎日視聴していました。地元である〇〇県について独自の情報を盛り込んだ内容に惹きつけられ、県民に寄り添った番組であると感じました。私も自分の出身県民のために、情報をわかりやすく伝えたいと考えています。貴社に入社した際にはアナウンサーとして中継や取材に積極的に取り組み、県内の正確な情報を伝えることに貢献したいです。現場主義を第一に掲げる貴局のアナウンサーを志望いたします。


キャリアアドバイザー

なぜその地方局のアナウンサーを志望するのかを明確に伝えられている点がいいですね。

テレビ業界を志望する学生からよくある質問に回答!

テレビ業界に興味はあるものの、業界の仕組みについてよくわからない学生やもとめられるスキルを知りたい学生もいるでしょう。そういった学生からよくある質問にキャリアアドバイザーが回答します。

  • テレビ業界の仕組みを教えてください。

    テレビ業界は、主にテレビ局と番組制作会社の2つに分かれます。テレビ局は日本テレビやテレビ朝日のような商業放送局とNHKといった公共放送局に分かれますが、商業放送局は視聴者から料金を得るのではなく「広告収入」によって収益を得ています。一方公共放送局は、視聴者から受信料を徴収することで会社は成り立っていますよ。

    ほかにもテレビ局の中には、スカパー!WOWOWといった衛星放送もあり、これらは毎月の視聴料金を得ることで収益を上げています。

  • テレビ業界を目指すうえでもとめられるスキルを教えてください。

    テレビ業界を目指すうえでもとめられるスキルは多いですが、特に柔軟性と好奇心は必要といえるでしょう。テレビの仕事は不規則なスケジュールや長時間労働になる可能性があり、その時々に合わせた働き方が柔軟に対応できることがもとめられますよ。また、ニュースやエンタメ、スポーツなど、さまざまな分野に関する好奇心が番組作りの情熱にもなることから、日々の生活や社会への変化に敏感な人はテレビ業界に向いているでしょう。

変化するテレビ業界の理解を深めて就活に臨もう

この記事では、テレビ業界の動向や職種について、またテレビ業界で求められるスキルや志望動機作成のポイントなどについて解説してきました。テレビ業界の現状を理解し、この業界を志望するのかどうかということやどの企業を志望するかが明確になったことでしょう。

変化の激しいテレビ業界だからこそ、現状をきちんと理解して就活を進めていきましょう。

記事の編集責任者

北原 瑞起きたはら みずき

新卒でポート株式会社へ入社。入社2年目に年間1億2千万円の売上を記録し、全社の年間MVPを獲得。現在は、リクルーティングアドバイザーグループの責任者として、年間300社の採用支援及び、年間2,000人の学生の就活相談に乗り、企業と学生の最良なマッチング機会の創出をおこなっている。プロフィール詳細

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01458)

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