自分の「軸」を確立せよ|やり続ければ失敗はない

レントラックス 代表取締役社長 山﨑大輔さん

Daisuke Yamazaki・駒澤大学卒業後、2003年にガリバー・インターナショナル(現IDOM)の営業職として入社。その後、スカウトを受けてカービューに入社し、国内、海外、SNSの各事業の責任者を経験。2012年、レントラックスに入社し東証マザーズ上場を経験。メディア事業部営業グループリーダー、副社長執行役員を経て、現職

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自分と関わった人は幸せになってほしい。だから「やる」と決めたらやり切るだけ

就活のときの考え方は単純に「とにかくお金を稼ぎたい」ということでした。大学時代にアルバイトに明け暮れて、生活水準が上がりすぎて一般的な初任給では生活していけなくなったことがその背景です(笑)。アルバイトに打ち込んだのは、とにかくエネルギーが有り余っていたからです。だからこそ、新卒でも「思いっきり働ける環境」で仕事に集中したいとも考えていました。

そのため新卒では、エネルギーをぶつけた分が成果として返ってくる成果主義のガリバー・インターナショナル(現IDOM)に入社しました。今は違うかもしれませんが、当時のガリバーは頭よりも体力勝負の世界でした。だから、「月に数日程度休みがあればいいかな」という勢いで仕事をしてました。結果が出るまで頑張り続ける精神やパワープレーの営業を身に付けましたね。

そこまで仕事に打ち込めたのは、やはり仕事が楽しかったからです。自分がぶつけたエネルギーが成果として返ってくるので、それがやりがいになります。戦友のような仲間がたくさんいたのも、仕事が楽しかった理由の一つです。

入社してから1年半後にカービューに転職したのは、先輩からのスカウトがきっかけでした。孫さんとビルゲイツさんが作った会社で上場を間近に控えたタイミングだったので、やりがいがありそうだと思いました。企業としての魅力も感じ、ガリバー同様バリバリ働ける環境だったので、社長に会って二つ返事で入社を決めました。

一社目のガリバーは体力勝負な部分が大きかったのですが、カービューではそれに加えてインターネット系ということもあり地頭が試されるため、その部分が研ぎ澄まされたと思います。

営業から始めて、入社後2~3年後はマネージャーになって新卒が中心の部下を率いていました。4年目くらいからは営業部長に昇進し、そのときに上場を果たしました。新卒当時の同期も誘って入社していまして、同じタイミングで部長になったりと、仲間と一緒に楽しんで働くというベースはそのままでした。

部長としてカービューの主要3事業である国内、海外、SNS各事業を経験しました。結果を出すまでコミットしながら仕事をする中で、どんな事業でも共通するスキルを身に付けたと思っています。

KPI(重要業績評価指標)から逆算して達成するまでのシナリオやストーリーを考えて経営陣とすり合わせる。そこが固まったら、必要な人材を集めてチームビルディングをする。そして戦略を現場に落とし込んで一緒に走りながら部下を引っ張っていくことは、どんな事業でも業績を上げるためには必要です。

これらはどんな仕事でも共通して必要なスキルなので、今後キャリアを築いていくうえでも身に付けておくべきスキルだとも思います。

山崎さんが結果にコミットしながら身に付けたスキル

約7年半勤めたカービューから現在社長を務めるレントラックスに入社しようと思ったきっかけは、レントラックス現取締役会長(当時の取締役社長)の金子(金子英司氏)に誘われたからです。カービューでは一緒に働いていた上司であったため、金子会長とは入社前からずっと交流がありました。

ある日「一緒にレントラックスで働いて上場させないか?」と誘われて、詳しい説明を聞いた結果、自分が入ることで上場に貢献できるかもしれないと思ったため入社することを決めました。

目標は、自分が入社して3年目で上場すること。上場するためにはそれ相応のパワーが必要ですが、「やる」と決めたらやり切るしかありません。自分のことは二の次で、仕事に集中しました。営業と人事の両方に携わって、3年以内の上場に向けてただひたすらやり切りました。

やはり上場するということは、会社全体がお祭り騒ぎになるくらい楽しいことです。経営層に近い立場で仲間と一緒にやってきた会社で、上場という偉業を成し遂げたいという一心でしたね。

無事上場を果たした3年後、当時の金子社長(現会長)から「自分が社長になったほうが会社にとってもいいから社長にならないか」と言われた時は、急な展開で驚きましたが、社長になったほうが人脈が広げやすいことと、取引先企業との関係づくりもやりやすいと考え、社長に就任しました。

自分の経歴を振り返ってみると、キャリアを選択するときの判断軸は「自分が周囲に対していい影響を与えられるか」ということです。その根底には、自分と関わった人は幸せになってほしいと思っていることがあるように思います。だからこそ、常に全力でやり切ってきましたね。

これまでの人生、仕事に全力を注いできましたが、家族も大好きなのでプライベートも大事にしています。仕事も家族との時間も両立できる人こそ「プロ」だと思っています。

人間関係も仕事も「自分が提供した分」が結果になる

私にとって、仕事とは「人生を豊かにするもの」だと思っています。

仕事とは誰かのために自分の何かを提供して、喜んでもらえたら結果として対価がもらえる。与えているものが大きければ、それが対価の大きさに直結して企業としての業績につながります。企業が大きくなるということは、それだけその会社のファンが増えているということです。その結果影響力も大きくなって、その企業で働く人の「誇り」になると考えています。

山﨑さんにとっての仕事とは?

つまり、仕事で成功している人は、その対価をもらえるだけ大きなものを提供しています。会社にとって必要なことに時間を割ける人が、その企業でキャリアアップしていけると思います。

今後、業務時間はどんどん短くなって休みは増えていく社会になるでしょう。そこで重要になるのは、残った時間をどう使うかです。一般的に仕事終わりや休日は自分の時間として自由に使いたい人が多いと思います。でも定時後や休日にどれだけ自分で勉強するか、仕事のスキルを身に付けようとするかどうかで今後のキャリアは変わっていくはずです。

たとえば私の場合はカービューで働いていた時代に、仕事が早く終わった日などは自分のスキルアップや、会社としての成功を目的に外部での講師として無料でセミナーをやったりもしました。このセミナーがプレゼン能力の成長とアウトプットするための学習する力が身についたように思います。

人間関係も「自分が提供した分だけ返ってくる」というのは同じだと思っています。人間関係構築のコツは、自分の時間を人のために使う「自己犠牲の精神」だと思います。

私も、仕事して帰宅してから、社員と電話で話しながら皿洗いなどの家事もします。それは、単純にただ座って電話しているよりも、家事をしながらのほうが家族も喜ぶと思うからです。仕事も大事にしていますが、家族や友人にも時間を使うため、自分の時間はあまりないんですよね(笑)。

自分が提供した分だけ対価として返ってくる

企業選びの判断軸は「家族になれるかどうか」

山﨑さんのインタビュー写真

就活の企業選びにおいて、うわべで意思決定をする人が多いと思っています。しかし恋愛と一緒で、うわべだけの情報で判断して入社すると「性格の不一致」という理由で別れることになってしまいます。会社の性格や考え方を理解せず、企業説明会での雰囲気や事業内容だけに惹かれて入社すると「あれっ、こんな会社だと思わなかった」となってしまうケースがあります。

企業にも必ず性格があります。だからこそ、考え方や価値観が合うところを選ばなければ、そこでキャリアを積んでいくことは難しいでしょう。レントラックスの場合、レントラックスイズムという理念があって就活生には詳細に説明しています。そのため、役員に聞いても現場社員に聞いても、会社としての考え方や価値観に対する答えは共通していると思います。

一方で、そこを全面に出しきれていない企業もありますよね。その場合は「家族になれるか」という視点で考えてみてください。社長が親、上司になりそうな人たちが兄弟や親戚になると考えてみて、今一度その家族の一員になりたいか考えてみてください。これが結果的に、性格が合うかどうかを考える方法だと思っています。

企業選びは性格の一致が重要だからこそ、内定が決まらなくても落ち込みすぎないでほしいと思います。「採用されない=自分に欠陥がある」と考える人も多いですが、就活生も会社を選ぶ権利があることを覚えておいてほしいですね。内定がないのは自分に合った企業に出会っていないだけです。だから、就活が上手くいかないときは「自分を明確に相手に伝える」という努力をしてください。

自分を明確に相手に伝えるためにも、将来何を成し遂げたいかの「目的」の部分が明確かどうかが重要になると思います。つまり「軸」ですね。ここが定まっていなければ、自分の価値観や考え方もぶれていきます。この「軸」とは、明確な将来のビジョンも描けていることが必要です。たとえば、軸があるかないかでは、こんな風に回答が分かれてしまいます。

自分の軸は、頑張り続けるモチベーションにもなります。他人に作ってもらったモチベーションは長続きしません。だからこそ、自分のやりたいことを明確にした「軸」を持つことで、頑張り続けられるのだと思います。

「失敗だと決めるのは自分」。諦めなければ必ず結果は出る

就活中でも入社後でも壁にぶつかることはあると思います。壁を乗り越えるためには、まずは何事も失敗だと思わないようにしてほしいですね。これまで仕事は、実践を通じてスキルを身に付けてきました。成果を追い求めればスキルや結果はついてくる。逆に結果が出ない人は途中で諦めているだけだと思っています。

結局、失敗だと決めるのは自分自身です。諦めたら、そこで失敗してしまったことになる。諦めなければ、挑戦し続けていることになります。つまり、諦めずに挑戦し続ければ「失敗」はしません。だから「私は、失敗したことはない」と考えています。一発芸の失敗はありますが……(笑)。

もちろん仕事で結果が出ないこともあるでしょう。そういう時は、人からアイディアをもらって、やってみると良いと思います。第三者の視点を入れることで、気づきもありますし、自分の選択に自信も持てます。

若手ならば、たとえば上司やそのさらに上の経営層。そこでも答えがでなければ、成功している外部の人に相談したりします。アイディアをもらって結果がでなかったら、別のアイディアをもらってPDCAを回して成果につなげていきます。

アイディアをもらってやってみたら、その都度フィードバックをもらうことも大切です。間違っていたらそこで軌道修正することができますしね。

私の場合は、会長の金子に毎日相談します。聞かなくてもいいことまでとりあえず聞いてみます。私にとってビジネス界で成功してきた強力なメンターです。あとは、ビジネスで成功している経営者の話もよく聞いています。

新卒で入社したら、まずは自分の上司をメンターにしてみるといいのではないでしょうか。素直さを持って、周りの話に耳を傾けることでさまざまな発見があり、成長できると思います。

取材・執筆:山本梨香子

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