学び続け、考え抜く|得意なことに目を向けて学び続ければキャリアは拓けていく

サクラサクマーケティング 取締役社長 根岸雅之さん

Masayuki Negishi・1980年生まれ、東京都出身。2003年JSコーポレーションで営業を経験。2006年オプトでSEMコンサルタントを経て、同年サクラサクマーケティング(旧プルトア)へ入社。営業をはじめ、SEOコンサルティング、新規事業開発、自社マーケ、人事、財務と幅広い領域を経験し、2015年社名変更とともに取締役社長に就任

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人生を逆転させるのは、強い気持ちと挑戦

大学受験は第一志望に届かなかったので、就職では自分の力を発揮して望む場所へ行きたいと思っていました

また、子どもの頃からサッカーをやっていたのですが、末っ子だったこともあり、兄弟と比較されて悔しい思いをしたことも。負けず嫌いなので、それまでの人生を逆転したいという思いで就職活動に臨みました。

実力でのしあがるならマスコミかなと思い、希望通り学校関連の広告・出版の会社に入社し、経験を積みました。でも、思っていたような実力主義の環境ではなかったんです。

学校相手なので安定していて、大きなチャレンジはしづらい環境でした。安定した仕事がありがたい反面、もっと競争できる場所で、思う存分挑戦してみたいという気持ちも生まれました

そこで思い当たったのが、インターネット業界。当時はまだ新しい産業で、成長の機会が多いと考えたわけです。

そして入社から3年後、思い切って転職することにしました。「まだ人生の逆転はなされていない」「もっともっと成長したい」という負けず嫌いの気持ちが、新たなキャリアを後押ししました。そしてインターネット広告の草分け的存在である、オプトの門を叩いたのです。

強いチームの補欠より、弱いチームのキャプテンに

次に入社したオプトも大きな企業でした。大企業を2つ経験して思ったのは、「こういう会社は自分がいなくても困らない」ということ。大きな組織では、自己効力感が低いと気づいたんです。

そこでもっと手応えを感じたくて、小さい企業、ベンチャーやスタートアップへの転職を考えるようになりました。強いチームの補欠より、弱いチームのキャプテンでありたいという思いです。

そんな思いを抱えて飛び込んだのが、当時まだ4名のベンチャー企業であった当社。マンションの一室で顔をつきあわせ、売上を作るのに悪戦苦闘した日々のことは今でも覚えています。

信用がないので大手企業とは取引できず、何をやるにもないものづくめでした。でも不思議と不安や不満はなかったですね。なければ作ればいい、自分でやればいいと思っていました

ベンチャーといえば聞こえがいいですが、言うなれば零細企業ですから、当時は周りの人から心配されたり反対されたりもしました。他の企業からのお誘いもなかったわけではありません。

でも、自分の信念は曲げたくありませんでした。自己効力感を高められる場所で、会社と一緒に成長する。自分で決めたキャリアのステップを信じたいと思いました。

「自分に嘘をつかず、選んだ道を正しくするために、なりふり構わずに努力するのみ!」、そう心に決めて仕事に邁進しました。すると次第に売り上げが伸び、社員数も増加。その時、自分の選択は間違っていなかったと実感できました。

多くの人が自分のキャリアに悩んでいると思いますが、ある程度方向が定まったら、後は自分を信じてキャリアを切り開くしかありません。選んでしまった選択を後悔してもしょうがないでしょう。選んだ手を最善手にするためには、努力を重ねるしかない。そう思います。

学ぶ姿勢と自己管理でキャリアを動かす

では努力とは何か。それは学び続ける姿勢です。大学に入るまで、もしくは大学であれだけ勉強したのに、社会に出た途端に学びを辞めるのはなぜでしょう。社会人として常に幅広い学びを続ける人にだけ、成長のチャンスは訪れると思います。

具体的にはさまざまな人に会い、経験を広げること。そして、会えない人からも学べる=読書をすること。この2つです。特に読書は学びの王道なので、習慣づけてほしいですね。

社会人の成長にとって、もう一つ大切なことがあります。それは自己管理です。コロナ禍でリモートワークが一般的になり、当社もフルリモート、フルフレックスの体制が敷かれ、自宅で自分の時間に合わせて働けるようになりました。

しかし、会社に出社しないということは、すべて自分で管理しなければならないということでもあります。自分で時間や効率などを意識しながら、継続してアウトプットを出していくのは簡単なことではないですよね。

だからこそ、今後個人で差がついてくることでしょう。自分を管理する方法やマインドを持っていることが、成長の要件になるかもしれません。就活生の皆さんもぜひ今の段階から「自己管理」を意識してみてくださいね

ダイバーシティでいつまでも続く組織づくりを

当社ではリモートワークやフルフレックスだけでなく、採用に関しても近年新しい試みを続けています。年齢、性別、国籍、居住地など、さまざまなバックグラウンドがある人を採用するようになりました。ダイバーシティを意識した組織づくりを進めています。

さまざまなメンバーを迎え入れて、さまざまな考えに触れるようになると、その多様さから気づきを得ることも多いです

特に当社はインターネット分野を扱っているので、若い人のアイデアが的を射ていると感じることもあるし、幅広い年代のユーザーを想定すると年長者の発言も絶対に無視できないと気づきます。海外向けのサービスを想定した場合には、日本ではない文化を持った人の観点は必要不可欠ですよね。

当社の目標は、長く存続していくこと。無理に大きくしたり、事業を多角化したり、上場を目指したりせず、インターネットの世界で必要とされ続けるための事業を着実に進めていきたいと考えています

こうした事業のスタンスはもちろん、長く存続するためには、健全な組織作りが必須です。そしてこれからの時代にマッチした組織は、ダイバーシティが確保された組織だと考えています。

学生時代は似たような環境にいて、同じような趣味を持つ人とつるんでしまいがちかもしれませんが、ぜひ広い目で世界を見て、さまざまな人とコミュニケーションをとってみてください。そうすれば、自然とダイバーシティへの感受性が磨かれていくと思います。

やりたいことより、得意なことを大切に

学生時代は似たもの同士でつるんでどうしても視野が狭くなってしまいがちだと言いましたが、仕事選びをするときに、「やりたいこと」を意識しすぎるのも視野の狭さから来ていると思います

そもそも少ない経験の中から見つけた「やりたいこと」だけにフォーカスしても、あまり意味がありません。

アルバイトでもいいし、ボランティアやインターンでもいい。家業の手伝いや旅行でもいい。なんでも経験してみると、好きじゃないけどうまくいくことや、なぜかいつも褒められることがあると気づくでしょう

やりたいという気持ちや意思だけでなく、実際やってみて得意なことや、無理なくできることをしっかり把握しておくことで、仕事選びの大きな指針になります。一方で絶対にできないこと、やりたくないことにも気づいておくと、決定的なアンマッチが防げます。

仕事は繰り返しながら向上させていくもの。毎日のようにやることならば、ハッピーにできたほうが良いですよね。得意で褒められる、上手だから容易に貢献できる、続けても苦にならないことを仕事に選んでみるという観点も大切です

仕事はスキルアップの道具ではない

得意なことでスキルアップして、さらに転職して……。と考えている人に、1つだけ伝えたいことがあります。それは、「仕事は個人のスキルアップの道具ではない」ということ。

スキルを身につけて成長することだけが、仕事の目的になっているような発言をたまに耳にすることがありますが、仕事は人のため、世の役に立つためにあるものだと私は考えています

つまり仕事とは、自分の周りを幸せにし、より大きな社会に貢献することが目的なのです。その本質を忘れないでほしいです。

一方で、スキルはスキルでしかありません。一つのスキルで一生食いつなぐことができるような時代は終わりました。「スキルを身につけよう」という視点だけでは、キャリアは小さくまとまってしまいます

本末転倒にならないようにキャリアを広げていくためにも、スキルアップや転職こそ、仕事の本質を理解し、より大きな貢献をするための「道具」にしてほしいです。

根岸さんの仕事に対する考え方

  • 仕事はスキルアップのための道具ではない

  • 仕事の目的は周りを幸せにし社会に貢献すること

重要なのは「自分で問いを立てる力」

現代は検索すれば何でも分かる時代です。キーワードさえ打ち込めば答えにたどり着けますし、たくさんの事例や必要な情報を集めることもできます。

こういった時代であるからこそ、課題を解決する力だけでなく、課題を見つける力、自分で問いを立てる力がますます重要になっていくと思います

社会に出てみるとよくわかるのですが、答えを探す以前に、課題を探すところからスタートしなければならない状況になることがよくあります。そういったときに、自分から課題を見出し、合っていようがなかろうがしっかり答えまで出せる人の方が、成長も早いだろうなと思います

課題を見出すことができるようになるためには、周り道でも自分の頭で考える癖をつけることです。目先の答えを横取りするのではなく、自分が納得し、周りを納得させる課題と答えを提起できるまで、粘り強く考えてほしいです。

私自身も、そんな最後まで考え抜ける人と一緒に質の高い仕事をしたいですね。

取材・執筆:鈴木満優子

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