「短期的なモチベーションはさほど重要ではない」。得意なことを最大化できるキャリアを選び続けよう

白石さんの写真

ライトアップ 代表取締役社長 白石崇さん

Takashi Shiraishi・1997年筑波大学卒業後、日本電信電話(NTT)に入社。その後、サイバーエージェントにコンテンツ事業の立ち上げ責任者として誘われ転職。1年後、コンテンツ事業メンバーとともにライトアップを設立し、現職。2018年東証マザーズ上場

「インターネットを通じて世の中を良くする」がキャリアの軸

これまで「インターネットを通じて世の中を良くしたい」という考えを軸にキャリアを築いてきました。

インターネットに興味を持ったのは、純粋に心から「おもしろい」と感じていたから。社会的にもインターネットへの期待が高まっていたこともありますが、「インターネットは世界を変える」と大きな可能性を感じていました。

小学生の頃からパソコンに興味を持ち、お年玉をためてMSXというハードを購入したのが始まりでした。大学のときは自分でホームページを作り、当時専攻していた心理学の実験内容をまじめに面白く伝えるコラムを毎月2回ほど配信したり。この経験が後にサイバーエージェントから誘われるきっかけにもなりました。

「次のコラムの更新はいつ?」と問い合わせがあるほど人気がでて、最終的に読者数はメールマガジン登録ベースで6万人を超えました。当時は、田中宇さんや田口ランディさんに次いで、国内で3番目の数でした。

白石さんのキャリアの軸

インターネットを仕事にしたいと考えて就活をしていたときに、「マルチメディアを形にする、NTT」というCMを見て「NTTに行けばいいんだ」と単純に思い、ファーストキャリアを決めました。

NTTには4年間勤めましたが、大きな組織ということもあり、「希望の業務に携わるには10年くらいは実績を積み上げる必要がある。その間に時代が変わってしまうかも」と葛藤を抱えるようになりました。そんなときに、サイバーエージェントがコンテンツの部署を立ち上げるので転職しないか、とスカウトをもらいました。私の個人の活動を以前からチェックしていたとのこと。さほど悩むこともなく、転職を決意しました。

サイバーエージェントでは、コンテンツ部署の立ち上げ責任者として携わりました。とても楽しくやりがいある日々でしたが、買収騒動などがあり、一時的にコンテンツ部門には力を入れない方針へと変わり、自分のやりたいことができなくなってしまいました。もともと起業は考えていませんでしたが、当時の部下から毎日のように起業を促されたこともあり「じゃあ自分でやるか」と起業を決意しました。

起業する際、出資を募ることや会社の後ろ盾がなくなるなどの懸念点がある人もいると思います。しかし私の場合は、幸いにもそうした懸念は特にありませんでした。特に初期投資が必要な事業ではなかったため自己資金ではじめました。また、自分で生活していけるくらいは稼げるスキル(コラムの連載費用等)もあったので生活に関する不安もさほどありませんでした。

自分で、サービス企画や開発、営業、制作、そしてバックヤード全般業務まで一通りできたということもあったかもしれません。そういう意味では、サイバーエージェントで事業責任者を担当できたことは幸運でした。

起業してからは「全国、全ての中小企業を黒字にする」という理念を掲げ、中小企業が困っていることを支援する事業に注力しています。これからもライトアップが「存在する限り日本はよくなるような企業」としてあり続けることを目指しています。

これまでのキャリアを改めて振り返ってみると、「得意なこと」「やりたいこと」ができる場所を探してキャリアを選択してきました。自然の流れに身を任せてキャリアを築いてきたように感じています。

「日本のため」以外にやることはない

キャリアを築くにあたって「短期的なモチベーションは重要ではない」と感じています。

やるべきことさえ明確であれば、短期的なモチベーションに鼓舞されて頑張る必要はないからです。自分の行動原則は「日本を良くすること」の一点です。そして日本を良くするという明確なゴールに向かってやるべきことをやれば、最終的に地位も名誉も金銭報酬も手に入ると思います。

だからこそ、当社では赤字の中小企業を助けることを目的にしています。ライトアップとしてできることの中で顧客を360度支援することを軸に事業を展開しているため、ありとあらゆるサービスが存在します。もっとも投資家から、サービスが多岐にわたりすぎてわかりにくいと言われることが多々ありますが(笑)。

ライトアップが提供するサービスの軸

しかし、中小企業を助けるという観点から見ると一貫性が見えると思います。経営していくうえでの価値観は、たったの2つ。「ライトアップができることか」「赤字の中小企業を助けられるか」ということだけです。他社がすでに実施しているサービスはその会社と提携する。そして、誰も実施していないサービス領域は当社で独自開発して提供する。故に、ライトアップのサービスは必ず国内唯一のユニークなサービスばかりになってしまいます。

さまざまな新規サービスを生み出してきましたが、上手くいくのは3割程度です。上手くいく事業の共通点は、困っている人をしっかり助けられているかということ。ビジネスは、困っている人を助けるとお金になる仕組みになっているからです。

これまでキャリアを築いてきて感じているのは、「日本を救う」という明確なやるべきことにおいて、モチベーションという小さな部分はそこまで重要ではないということです。調子が悪ければ悪いなりに精一杯頑張ればいいし、調子が良すぎるのであれば勢いあまって失敗しないように慎重に考える意識を持てばいいだけです。

調子の良い・悪いというモチベーションは、自分以外の人にとっては全く関係のない話ですよね。その時々の状況で左右されるモチベーションというもので、周囲や業務に影響を与えるのは、ビジネスを担う人間としての自覚が希薄だと思います。

モチベーションは保ち続けられても、せいぜい一か月程度。年単位で頑張るためには、モチベーションではなく「社会に貢献しているという実感」が必要だと思います。やることを明確にして、目の前の成果を出せば自然と自己肯定感も上がり、短期的なモチベーションに振り回されなくなるのではないでしょうか。

「大きな壁を乗り越えるためにモチベーションが必要」という人もいるかもしれません。しかし、大きな困難や壁にぶつかることは誰にでもあり得ます。壁にぶつかった原因が自分のスキル不足なら、冷静に現実を見つめて必要なスキルを身に付ければいいと思います。

もし精神的な壁にぶつかったとしても、そんなものは無視してしまえばいいと思います。社会に出て、生きていくためには壁だらけ。誰もが経験する道です。壁を一生懸命乗り越えようとするのではなく、壁にぶつかりながら、そしてバランスを取りながらなんとか前に足を踏み出し続けることが大切だと考えています。

一歩前に出せばもう一歩もついてきて、前に歩いていけるようになります。

壁の乗り越え方

企業選びはオリンピックの種目選びと同じ

ビジネスはスポーツに例えられると思います。サッカーが上手い人は、ある程度野球もテニスもできたりしますよね。ビジネスでも同じように、一つの領域である程度経験を積めば、他の領域でもはじめからある程度できるようになります。

会社選びも、スポーツの競技選びと同じだと考えてみてはいかがでしょうか。たとえば、自分が出場するオリンピックの種目を選ぶと考えてみてください。自分の得意なことや、やりたいことを見つめ直して、それが発揮できるスポーツを選びますよね。会社選びの場合も、どんな企業を選べば、自分の得意な部分を活かして日本を良くすることができるのか、という観点で考えてみましょう。

20年前の就活では、企業の情報も限られていました。就職情報を発信する企業から送られて来たハガキに載っている数百社のなかから選ぶので、すべての選択肢を平等に見てから判断することができました。つまり、情報が限られているので選びやすかったのです。

しかし、今は選択肢が多すぎるので全て見ることはできません。だからこそ、自分のやりたいことや得意なことを明確にしてから選ぶことが大切です。

今と昔の就活の違い

「得意なことがわからない」「やりたいことがわからない」という人もいるかもしれませんね。少し厳しいことを言うようですが、今まで特に考えてこなかったからこそ、得意なことが見つからないのではないでしょうか。だからこそ、得意なことを死ぬ気で考えてみてください。そして、100個くらい書き出してみてください。

自分で考えてわからないのであれば、自分より目線が上の相談相手に聞いてみても良いかもしれませんね。可能であれば、社会で成功している人に相談すると良いと思います。友達は、目線が同じなのであまりおすすめしません。やりたいことや得意なことがわからないと気づいたのであれば、その時点でできることをやり切りましょう。

自分は大富豪連勝コースか、大貧民からの革命逆転コースか

ファーストキャリアの選択は、とても重要だと思います。なぜなら、新卒企業で経験したことは、キャリアのDNAとして一生残るからです。1社目で一番大きく成長するからこそDNAとして染み込みます。それも踏まえてファーストキャリアを考えてみてください。

ファーストキャリアのNTTという大手企業で学んだことは、今のキャリアに生きています。しかし、ベンチャーはベンチャーで新しいことを切り開いていくような、社会的な意義もあると思います。大手とベンチャーで悩むようだったらインターンなどで、社風を体験してみることも大事ですね。

また、トランプの大富豪のゲームで、自分は大富豪派なのか、大貧民派なのか考えてみるとわかりやすいかもしれません。大富豪派は、ゲーム中ずっと大富豪のままが楽しいという人です。こちらは、大企業で安定したキャリアを築いていくほうが向いていると思います。

一方で大貧民派は、基本的には大貧民だけど、あるとき大逆転をするのが楽しい人です。そういう人は、ベンチャーという挑戦し続けられる環境が向いていると思います。ただ、大貧民派の人は大逆転するまで何回も負け続けなければなりません。どんなに負け続けても頑張り続けられる精神力があるのか、冷静に考えてみる必要はあると思います。

ベンチャーでも大手企業でも、今後の新卒に求められるのは「即戦力」だと考えています。なぜなら、新型コロナウイルス感染症の流行でリモートワークが中心の企業が増え、社内教育の機会が失われつつあるからです。日本の手厚い人材育成もグローバルスタンダードの「個人に任せる」形に急速に変わりつつあります。

新卒はポテンシャル採用と言われていますが、新卒だからこその強みを活かして即戦力になることもできると思います。たとえば、新しい視点からの発想や、SNSなど最新の流行の知識などはフレッシュな人材だからこその強みです。

また、入社したときに少しでも即戦力になれるように、パソコンスキルの向上やビジネス知識の取得は、今のうちからできることはやっておくと良いですね。

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