「勝ちたいのはいつか?」人生の勝負を見極めよう|面接は採用するメリットを提示して自分を売り込め

APパートナーズ 執行役員営業部長 村上和彦さん

Kazuhiko Murakami・キャリアは一貫して人材ビジネス領域に従事。前職で事業統括まで昇進するものの、フリーターに成長とチャレンジの機会を提供することで「正のスパイラル」を作り、社会に貢献していくという現職代表のビジョンに惹かれ、APパートナーズに入社。現在は執行役員営業部長を務める

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人材ビジネスと携帯セールスに携わり続けたキャリア

自身のキャリアを振り返ると、数度の転職を繰り返しながらも、一貫して人材ビジネスと携帯セールスの領域に携わり続けてきたように思います

長年同じ領域の中で働き続けながらも、環境を変えるたびに自身が大切にしてきたのは、「そこに身を置いて自分は貢献できるか」という視点でした。

私が学生の頃というのは、ポケベルからちょうど携帯に移り変わる時期で、携帯を使ったビジネスが盛り上がりを見せていました。それに伴って携帯関係の仕事の募集がとても増えていた時代でした。

たくさんあった募集の中でも目に留まったのが、当時は携帯販売を主なビジネスモデルとしていた販売支援の会社のスタッフ募集。雇用形態はアルバイトであったものの、学生の身からすれば高い給料だったので応募しました。

入社後はスタッフの管理からセールスイベントの運営など、忙しいながらも充実した日々を過ごしていたことを覚えています。

入社から3か月ほど経った頃、その働きぶりが認められ、当時の社長に「正社員にならないか」と声をかけていただいきました。

当時は大学3年生で勉強をしながらアルバイトとして就業していたため、正社員になるのであれば大学は中退しなくてはならない。大学を辞めて就職すべきかどうか、悩みました。

働いている中で、注意されたり厳しい言葉もかけられることもありました。しかし、「自分と正面から向き合ってくれている」と強く実感できる環境に、嬉しく感じてもいたのです。自分と正面から向き合ってもらえ、成長できるこの環境を自分は必要としているんだと思い、正社員の話を受けることを決意しました

正社員になってからは本格的に人材関係、携帯セールスの領域に携わることになりました。そして、以降現在に至るまでの20年間、ずっとこの領域に携わり続けることになります。

村上さんの人生ストーリー

その頃の私は将来的には独立を考えていたため、経験を積むために短期間で転職を繰り返していました

1度目の転職では携帯販売の会社に入社して携帯のセールスプロモーションの仕事に携わり、さらにその後は人材紹介の会社に転職をして、主に軽作業を担当するスタッフのマネジメントなどを担当しました。

人材紹介会社で働いていたある日、1社目の元上司から「起業するので手伝ってくれないか」とお声がけいただき、転職することにしました。

ただ、企業メンバーは社長と自分の2人だけ。当時20代だった自分には荷が重すぎました。起業の業務は煩雑で重要な業務が多く、それ以外にも何でも自分たちでやらなくてはならない。

プレッシャーの中2年ほど頑張りましたが、転職を考えるようになりました。社長に転職の意思を伝え、「独立は向いていないのではないか」と感じ始めたことも伝えました。

転職を決めた私に、「君は数億から10億、20億円規模へ成長していく会社のマネジメントが向いている」とアドバイスをくれ、一緒に転職先探しまで手伝ってくれました。

結果、アドバイス通りの携帯セールス会社が見つかり、以降その会社では13年ほど勤務しました。

「キャリア的に日の目を浴びていない人を支援したい」と転職

携帯セールス会社で13年ほど働いた後にAPパートナーズに転職をするわけですが、その頃はちょうど自分の中での「意識の切り替わり」が起きている時期でした。

そうしたタイミングで、フリーター層などのいわゆる「キャリア的に日の目を浴びていない層」に教育とチャンスを提供する会社を立ち上げて、より多くの人が輝いていけるようにしたいという代表の山田(現APパートナーズ代表取締役の山田昌氏)の熱い想いに触れ、強く共感したことが転職の決め手となったわけです。

代表の山田とは前職が同業だったためにかかわりがあり、「一緒に働こう」と何回も入社を誘っていただいていた経緯もあります。

前職ではありがたいことに高い評価を頂いていましたし、納得のできるポジションにも就いていました。しかし、携帯セールスは当時でいえば新しい仕事でしたので、人手がとにかく必要。

故にフリーターの人も多く働いている環境だったので、フリーターのまま歳を重ねた結果、なかなか正社員になれず苦労している人を立場上多く見てきました

加えて、当時の自分は40代に差し掛かる年齢で、ただ働いて業績を追うことよりも、「社会貢献がしたい」という意識が芽生え始めていました。

だからこそ、「キャリア的に日の目を浴びていない方々の自己実現を1名でも多くサポートしたい」という思いを抱えて、APパートナーズへ転職を決めたのです。

振り返ってみると、この転職は自身のキャリアにおけるターニングポイントであったように思います。

今後のキャリアとしては、弊社の掲げる事業理念に即した事業を引き続き進めつつ、多くの人を採用できる会社作りを目指していきたい

そして、山田さんが掲げる「100の事業・100の社長」の第1号として任されるように頑張っていきたいなと考えています。

面接は「自分」を売り込め

これまでのキャリア選択において、「会社自体が成長しているかどうか」を軸に置いていました。成長している会社であれば新しい業務も常に生まれますから、色々と任せてもらえるので成長できるチャンスを自分で掴み取りやすいのです。

さらにいえば、「そこに身を置いて自分は貢献できるか」という視点も大切にしています。なので、「成長させてもらう」という考えは一切なかったですね。

面接という場は「採用するかしないか」を決定する場ですから、「私を採用したらこんなメリットがありますよ」とアピールすべきです。だから、「御社で成長したいです」はちょっとズレています。

「御社で成長したいです」では、採用するメリットを自分から提示するのではなく、相手に見出してもらおうとしている。つまり、採用されることを目標としているのに、受け身で相手に選ばれにいってしまっているわけですね。

面接は「自分を売り込む意識」を持つことが大切ですし、実際に就活が上手くいっている人はその意識が自然にできている人だと思います

村上さんの考える就活が上手くいく人の意識に違い

自身がこうした「自分を売り込む意識」を持てているのは、新卒の面接を受けたことがないから、というのもあるかと思います。

これまで受けてきた面接はすべて転職の面接だったので、自分の能力やスキルを軸に「自分を採用することのメリット」を伝えることが身に染みついているのだと思います。

就活生の皆さんも、「会社に自分を売り込む」という意識をもってぜひ面接に臨んでみてください

ファーストキャリアだからこそ「長く働ける会社」を選ぶ

多くの就活生が悩む会社選び。悩むからこそ、自分なりの基準を持って選ぶことが大切です。

そして、その基準の持ち方について1つアドバイスを送るとするなら、「世の中にどう貢献するのか」という部分が明確になっている会社を選ぶのが良いと思います。時代的にも、自分の会社さえよければいいという会社は評価をされません。

そして、「自分はどういう社会にしていきたいのか」についても考えておきましょう。

自分が目指していきたい方向と「世の中にどんな貢献をしてどんな影響を与えたいのか」という会社の目指す方向が明確にわかれば、自分が会社に共感できるかどうかも判断しやすいですよ。

会社選びの段階では条件面ばかりを見がちですが、会社の目指す方向を確認して、それに共感できるかが長く働いていくためには大切だと思います。そうすれば、入社後も違和感を感じず、納得しながら働くことができると思います。

村上さんからのメッセージ

もう1つのアドバイスとしては、専業の事業や職種に限られている会社よりも、複数の事業、職種があるといった、その会社の中でさまざまな仕事に携われそうな会社を選ぶことをおすすめします

まだ会社で働いたこともない状態で自分に合う仕事を見分けるのは難しい。だからこそ、入社してから「この仕事は自分に合っていない」と気づいてしまうことはおおいにあり得ます。

そういった状況に陥っても、同じ会社の中で複数の仕事があれば仕事を変えられる可能性があるので、会社をすぐに辞めてしまうような事態を避けられるのです。

最初に入る会社だからこそ、すぐにやめてしまうとその後の転職活動にも影響が出ますから、自分のキャリアのためにも、「長く働けそうか」という点でのチェックは必ずしておきましょう。

なので、入社後に任された仕事が自分に合っていなかった場合、他の仕事に変えることができるのかなどを、面接で聞いておくことが良いと思います。

つまりは「ダメだった場合のケア」が整っている、「社員を残そうとする会社」を選ぶことが、結果として長く働ける環境を選ぶことにつながると思います

ただ、面接で「仕事に向いていなかった場合どんなケアをしてくれますか」とは聞きづらいと感じる人も多いはず。そんなときこそ、仲介となる就職エージェントサービスを使うことをおすすめします。

直接は聞きにくいこともエージェントが仲介に入ってくれるので、臆せず聞けるようになります。

つまりは、「選択肢」を多く持っておくということです。大学のキャリアセンターでも、エージェントサービスでも、使える手段はどんどん使う。自分1人で探すよりも幅広く効率的に調べることができます。

慎重に会社を選ぶためにも、さまざまな方法を駆使して情報を集めて、今の自分に合っているか、向いているかをしっかりと見定めて選ぶようにしてください

村上さんの教える会社選びのコツ

  • 「長く働けそうな会社か」を見極める

  • 同じ会社の中に複数の仕事があれば「ダメだった場合のケア」がしやすい

  • あらゆる手段を使って情報を調べて慎重に選択する

迷ったときは「正面から本音で話してくれる面接官」を選べ

就活を進めていけば、内定が複数出たり、働いてみたい会社が絞り切れなかったりと、進むべき道を選びきれないといったこともあると思います。

そのときは、「面接官が本音で話してくれているか」を1つの判断基準にしてみてください。つまり、いかに自分を見て、正面から本音をぶつけてくれるか、ということです。

当社の面接では、就活生の本当にやりたいことを聞いたうえで、当社で働くこと以外にやりたいことがあるようなら、「あきらめずにそれに挑戦しなよ」と伝えてしまうことも多くあります。

正面から向き合って、その就活生の人生を本気で思って、本音で話しているのです。

だからこそ、耳触りの良いことばかりではなく、耳に痛いことも伝えてくれるような面接官と出会ったときは、「注意された」とショックを受けるのではなく、「正面から向き合って本音で話してくれる面接官と出会えた」と思うようにしてみてください

村上さんからのメッセージ

また面接の際には、「今回の面接で至らなかった点があれば教えていただけないでしょうか」と聞いてみるのも良いと思います。

自分からフィードバックをもらおうとする姿勢そのものも評価されやすいですし、何より自分の成長に役立つ情報を手に入れることができますよ。

過去は変えられない。未来を向いて歩んでいこう

今後活躍できる人は、有言実行できる人です

黙って待っていたらまず自分にパスは回ってこない。「リーダーになりたい」「支店長になりたい」など、実際に言葉にした人が叶えていますし、実際に当社でも「なりたい自分」をどんどんアピールできる人が活躍しています。

ダイバーシティ化が進む現代、今後はさらに年功序列などもなくなっていくので、とりわけ「声を上げる」ということがより求められるようになっていくと思います。

ただ、声を上げるということに気が引けてしまう、抵抗感を感じてしまう人も当然いるでしょう。そういった人は、学生のうちからさまざまなチャレンジをしてみて欲しい。

サークルの代表に立候補してみる、バイトリーダーに立候補してみるなど、どんなことであれ自分の意志で手を挙げてチャレンジしてみることで、有言実行ができるようになっていきます

あとは、「失敗しても前進する」といったポジティブシンキングを持つようにしてみることです。そもそも失敗とは、「人生の勝負をどこに置いているか」が深くかかわってきます。

仮に今失敗したと感じることがあったとしても、「勝ちたいのは20代の今なのか? もっと未来を見据えるべきなのではないか?」と立ち止まって考えてみましょう。

20代における差など微々たるもの。40代になったときの方が差が大きく開いていることは多々あります。

だからこそ、若いうちから「失敗せず成功したい」と意識するあまり、挑戦することを避けた「小さい自分」にはならないでください

今は若さを活かして、失敗を気にせずとにかく行動して経験を積んでほしいです。未来を見据えて、今できることを全部にチャレンジをしてみてください。

村上さんの教える未来志向な「勝ち方」

誰でも失敗することはありますし、失敗すること自体はしょうがない。「失敗したなら、次は上手くやろう」を繰り返して、少しづつ成長を積み上げていけば良いのです。

ただ、「失敗した」という過去は変えられないので、失敗の経験を「未来」に活かして自分を変えていこうと意識してみてください

キャリアは長く続きます。70歳くらいまで働くと考えれば、今焦って成果を上げる必要はないのではないでしょうか。失敗を恐れず、今自分にできることを模索して、毎日ベストを尽くしていくことが大切です。

村上さんが贈るキャリアの指針

取材・執筆:小林駿平

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