ちょっとしたきっかけが予想外のキャリアを作る|失敗を恐れず気楽に挑み続けよう

ブルークリーン 専務取締役 高橋 翔さん

ブルークリーン 専務取締役 高橋 翔さん

Sho Takahashi・大学卒業後、フリーターを経てウォーターサーバーのブース販売を経験。その後、大手携帯販売会社に就職し、副店長に就任。店長に昇格後、エリア責任者となり管轄エリアを大幅に拡大。統括部長補佐として100店舗以上、500人程度を管轄する。新規事業の立ち上げを経て、ブルークリーンに転職。以降現職

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きっかけは何だって良い。キャリアの展開を楽しもう

振り返ってみると、ちょっとしたきっかけの連続でキャリアが形成されてきたように思います。

大学時代はウェディングプランナーを目指していたのですが、当時は特に人気の職業だったこともあり、なかなか就活がうまくいきませんでした。それでも諦めきれず、大学卒業後も就活を続けることを決意しました。大学卒業後はフリーターとして就活を続けていましたが、見事にウェディングプランナーの仕事だけ内定をもらうことができませんでした(笑)。

一方で、ほかの会社からはいくつも内定をもらっていたのと、親にも「一旦就職してみるのも良いんじゃない」と背中を押され、内定をもらったなかからウォーターサーバーのブース販売をやってみることにしました。

しかし入社してみると、早朝から深夜までのハードワークで、とにかく嫌で逃げ出したくなってしまったのです。そんな時、たまたま大手の携帯販売会社の求人が目に入り、2カ月ほどで転職することを決めました。

転職してからというもの、本当に仲間に恵まれたと思っています。入社後に配属された店舗では副店長を任されたのですが、部下たちに「店長になってほしい」「高橋さんがいるから仕事を続けられている」といった声をたくさんもらいました。それがとても励みになっていましたし、自分の意思というよりも周りの後押しによって、店長に就任することになりました。

高橋さんのキャリアにおけるターニングポイント

「相手に寄り添うこと」が信頼関係構築やキャリアアップにつながる

仲間に恵まれた理由としては「相手に寄り添うこと」を大事にしてきたことも大きいと思っています。たとえば、どれだけ大人数の部下を抱えても、新卒のメンバーと1対1で話す機会を設け、相手の感じていることや考えていることに耳を傾けていました。お客様に対しても「相手が何を求めているのか」に常にアンテナを張り、潜在的なニーズまでとらえることも大切にしていましたね。

また、当時は32店舗・150名程度の関東甲信越エリアを統括していましたが、月に1回はすべての店舗に足を運び、全員の名前を覚えることを意識していました。普段からみなさんの仕事振りを見れるわけではないからこそ、実際に会えるときには会い、感謝の気持ちを伝えたいと思っていたのです。現場スタッフがいてこそ、会社は成り立っています。もっとも会社を支えてくれている存在だからこそ、その人たちのためにできることを最大限やりたいという考えでした。

もちろん「自分はリーダーとしての役割を果たせているのか」と思い悩むこともありましたが、周りの人が「何があっても付いていきますよ」「サポートするのでもっと上に上がってください」と支え続けてくれました。自分の意志やモチベーションといったもの以上に、仲間の存在によって救われ、キャリアアップを実現してこれたと思っています。

周囲との協力で相乗効果が生まれる

失敗の数だけ前進できる。過信せずに進み続けよう

ブルークリーン 専務取締役 高橋 翔さん

その後同社では新規事業の立ち上げなども任せていただきましたが、30代を迎えたタイミングで「やりたいことをやってみよう」と転職を決意しました。

そのとき考えていたのは「若手社長の元で働きたい」ということ。ちょうど当時は若手社長が注目を集めていた時代で、自分も実際にお会いするなかで「若いのにこんなに考えているんだな」と感銘を受けていたのです。

転職活動をするなかでいくつかの会社からお声がけいただきましたが、そのなかでも当社の社長は20代という若さにして事業を運営していることが決め手となり、入社を決めました。

入社して感じたのは、若さゆえの勢いがあることは大きな強みでありながらも、まだまだ未熟な点もあるということ。前職は大手の上場企業だったため、当然のように会社の仕組みが整っていましたが、当社のようなベンチャー企業はこれからどんどん成長していく段階です

だからこそ今までの経験値やノウハウに関しては、自分が率先してフォローしていく必要があると思っていますし、自分はどのように価値を発揮できるのか、どうすれば会社を飛躍させていけるのかを日々試行錯誤しています。

人生では決断しなければならない場面が数多くやってきますが、もちろんそのすべてがうまくいくわけではありません。ときには自分の選択が間違っていたのではないか、あのときああしていればなどと悩むときもあるでしょう。

ただ、だからこそ自分で決めたことには責任を持ち、最後までそれをやり遂げる意識を持つことが大切です。過去の決断を嘆いても、何も変わらない。それなら「今の環境を良くするにはどうしたら良いのか」を考えた方が良いと思うんですよね。

また、失敗するのを心配して選択したり行動することを恐れるのはもったいないと思っています。私もよく「失敗をたくさんした方が良い」と部下に伝えています。どんなに成功してそうな経営者でも、失敗の数はそこで働く社員よりも圧倒的に多いものです。だからこそ失敗を恐れて立ち止まってる場合ではないですし、むしろ「自分の失敗の数を数えよう!」くらいのマインドも必要だと思っています。

仕事で成果を出している人ほど、圧倒的に失敗を重ねているもの。「失敗」をきっかけに仕事を振り返り、たとえばその原因が見通しが甘かったことであれば計画を練り直す。行動が足りなかったのであれば行動量を増やす。そのように失敗を糧にして前進することもできるので、ただただ翻弄されて立ち止まるのはとてももったいないです。

また、当社のメンバーにもよく言っているのが、「自分を過信しない」ということです。どこかで「自分はできる」と過信していると、できなかったときに傷ついてしまいます。「自分はできなくて当たり前」と思っていれば、あまり傷つくことなく前に進んでいけるのではないでしょうか。自分を過信せず、失敗を糧にして前に進んでいってくださいね。

髙橋さんからのメッセージ

就活にとらわれず、ありのままの想いを伝えることを大切に

失敗を恐れる必要がないのは就活でも同じだと考えています。ファーストキャリアだからといって肩に力が入りすぎている人も多い気がするので、就活ではあえて「就活」を意識しないくらいがちょうど良いと思います。

「何か面接で良いことを言わなければ」「優秀な人だと思われないといけない」などと、自分で自分にプレッシャーを掛けてしまう人も多いように感じるのですが、実際には会社側が就活生や新入社員に求めていることは、それほど多くありません。

最初から期待しているわけではなく、あくまでも「入社後に育成していこう」という姿勢があるからこそ、多くの会社で手厚い教育体制が用意されているのです。「就活生や若手の頃からそんなにプレッシャーを感じる必要はない」ということをぜひ覚えておいてくださいね

それをふまえると、面接では「なりたい自分像を伝えること」と「会社にどのように貢献したいのか」を伝えるくらいで十分だと思います。なりたい自分像というのは、「会社」という型にはめる必要はなく、あくまでも自分視点で考えてもらって大丈夫です。それはきっと、どんな人も今の自分の120%、150%の能力を発揮している状態であり、普段からその自分を意識することで、会社のなかでも成長していけるはず。

会社としても、前向きに成長してくれる社員のことを歓迎してくれます。それと、面接では「社会にどのように貢献したいか」を含めて伝えられたら、会社や仕事に対する想いも示すことができると思います。

髙橋さんが贈るキャリアの指針

取材・執筆:志摩若奈

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