キャリアに自覚的であれ|相対化できる環境に身を置きつづけよう

佐々木さん サムネイル

ネットイヤーグループ 代表取締役社長CEO 佐々木裕彦さん

Hirohiko Sasaki・大学卒業後、米国ニューヨークの大学院に留学し、MBA(経営学修士)を取得。電通国際情報サービスに現地採用された後、1997年に米Netyear Group(ネットイヤーグループ)創業に参画。1年後、同社の拠点を日本に移す。2003年には取締役SIPS事業部長、2019年に執行役員デジタルビジネスデザイン事業部長を経て、2021年6月より現職

米国の滞在経験で得た2つのキャリア基盤

自分のキャリアの基盤は、インターネット領域への専門性の高さと、国際的なビジネス感覚だと考えています。この2つを養えたのは、米国への留学経験があったからです。

米国の滞在経験は「海外で生活してみたい」「日本だけで生きていきたくない」と軽い気持ちで決心したのですが、その滞在経験がいまでも自分の糧になっているのは、本当に巡り合わせが良かったのだと今では思っています。

大学卒業後は留学と就職の2軸で考えていて、当初は周りと同じように就活をおこなっていました。しかし、当時はバブル崩壊後の就職氷河期。就活が難航したこともあり、大学卒業後は、MBA(経営学修士)の取得を目的に米国ニューヨークの大学院に進学することに決めました。

留学した1994年の米国はインターネットビジネスのまさに勃興期。AmazonやYahoo!などのIT大手企業が登場し、インターネットビジネスの始まりのど真ん中に米国で過ごせたことは、キャリアを築くにあたって得難い経験でした。この時代に留学したからこそ「仕事にするならインターネットだ」とその重要性を肌で実感することができました。

具体的に「インターネットビジネスで勝負しよう」と決めたのは、学生インターンの経験からです。MBAの大学院に通いながら大手広告代理店でインターンもしていたのですが、実業務に携わる中でインターネットとマーケティングを仕事にしたいという意向が明確になりました。

そして、米国の現地採用で入社したのが、ITサービスなどを提供する電通国際情報サービスです。入社してから2年後、インターネット事業に注力するために企画された社内ベンチャーの創業に携わりました。それが現在のネットイヤーグループの前身企業である米Netyear Group(ネットイヤーグループ)なのですが、これを機により深くインターネットの世界に関わっていくことになります。

同社はインターネットのコンサルティング事業を主力としており、事業も軌道に乗り始めたことから、創業から1年後に電通グループから完全に独立し、日本に拠点を移しました。それが今のネットイヤーグループです。

佐々木さんのバックボーンを築いた経験

世界の判断軸を知り、自分を相対化する

日本とは異なる国際的なビジネス感覚も、自分にとってビジネスで進めていくうえで欠かせません。国際的なビジネス感覚とは、何かを判断する上での世界の人の考え方や判断基準、いわば「世界の判断軸」です。

こうした感覚を実際に肌に感じ、米国で身につけられたことは本当に幸運だったと思っています。

日本と世界の判断軸の違い

日本と世界の判断軸とは何か。まず日本では、世の中から事業や答えを探し、そこから答え合わせをするような意思決定が頻繁におこなわれています。つまり、誰かがすでに出した正解と答え合わせをするのです。その背景には、失敗したくないという思いが強くにじんでいるように思います。

反対に、欧米では自分の中での答えを見つけようとします。欧米では、自分で物事を考える姿勢が一般的です。欧米は他国の人と比較しながら成長してきたため、アイデンティティが確立されて「個」を持っていることが背景にあるのでしょう。

さらに多様化が進む社会では、日本の判断軸ではなく、世界の判断軸を持ってほしいと思います。日本の「今」をそのまま受け入れるのではなく、世界という軸で見てどうかを考える。そうすることで自分を「相対化」することができます。

相対化して考える力は、多様化社会でますます求められる能力の一つとなるでしょう。それは潜在的な課題を見つけることに役立ちます。今後は、Problem solving(課題解決)ではなく Problem Finding(課題発見)が必要。なぜなら新しい技術が生まれてやり方が変われば、課題も変わるからです。

つまり、多様化していく社会の中では、課題を解決していくだけでは不十分。「課題を作る」くらいの意識がなければいけないのです。

相対化する力を養うには、まず価値観を広げること。それは私のように海外に行くことだけが方法ではありません。新しい価値観に触れるように行動してみるだけでも、相対的な視点が身につくでしょう。

相対的な視点を持つための行動

また、目の前のことを盲目的に受け入れるのではなく、違う尺度で見続けてほしいと思います。「今」を常に疑うことができれば、課題が見つけられることができます。今すでに存在する課題ではなく、潜在的な課題を見つけられ続けられれば、変化を起こし続けられる人材になるでしょう。

重要なのは課題解決よりも課題発見

大事なのは自分のあり方。自分のキャリアに自覚的であれ

佐々木さんインタビュー写真

今後、どんな企業に入社したとしても、自分自身の「正しいあり方」を追い求めていってほしいと思います。今自分が生きている世界での「正解」と、相対的に見たときの正解は軸がずれているかもしれないからです。自分自身で考えて、そして自分の意思でキャリアを選んでいってください。

私はこれまで誰かに言われて、やらされた仕事はありません。自分でやりたいことを探し、仕事を作り出してきたからこそ、やりがいを持って充実したキャリアを築けてきました。やはり、やりたいことを見つけて働くのが一番です。

やりたいことを仕事にして、世の中から反響があれば、それがやりがいになる。百歩譲って心からやりたい仕事じゃないとしても、やらされているという意識と、自分の意思でやっているのかでは、仕事への取り組み方も全然違います。

場所や環境次第で、そこで経験できることや学べることは違います。だからこそ、そこで自分がどういうあり方をするのかがとても重要になると考えています。

たとえば、大企業は日本を支えているということもあり、優秀な人材が集まっていること、規模や社会に対する影響力が大きな仕事ができるというメリットがあります。また、日本の常識を知ることができるのも良い経験になるはずです。まず日本の常識を知ってからこそ、それを鵜呑みにするのではなく、常識を疑うことこそが重要だと思います。

一方で、ベンチャー企業は新しい価値を生み出して成長している場合が多いため、チャレンジできる環境があることが特徴ですね。常識の枠を超えた考え方が鍛えられると思います。ただし、非常識なことだけが正解だと信じるのは危険。相対的に見て、自分の正解を見つけることが大切です。

環境に囚われない正しい自分の在り方の見つけ方

たとえどのような環境を選んだとしても、そこで自分が正しいと思う選択をし続ければキャリアは確実に充実すると思います。そのためにも、常識や目の前のことを疑い、自分が今やっていることが正しいかどうかを考え続けてください。

Change Leaderとして変化を起こせる人材を目指そう

これから社会に出る人には、Change Leader(周りを巻き込んで変化を起こせる人)になってほしい。そのために、変化することをゴールにするのではなく、変化し続けることを目的にし、自分で変化を起こせるようになってほしいと思いますね。

これからの社会を生き抜くためには、変化を恐れないことが大事です。「変わること」を恐れる人も多いですが、価値観が多様化していく社会では、変化を受け入れられる柔軟性があったほうが生きやすいと思います。

たとえば、生きていく中で違和感を持つことがあれば、変化を起こしてそこに合わせていったほうがストレスも感じないのではないでしょうか。変えることを恐れて、ストレスや壁を感じているのであれば、変えてしまえばいいと思います。

違和感や課題を見つけて、そこに変化をもたらしていける人材は、社会にとって本当に価値のある人材だと考えています。そうした人材は、歴史のある大きな会社では認められない場合もあるかもしれませんが(笑)。でも、そういうところこそ志の高い若者が変えていく気概を持って飛び込んでいくことで、日本は少しでも変わるように思います。

変化をもたらせる環境を選ぶためにも、会社が求める答えを伝えるのではなく、自分の答えを明確に伝えてください。そして、それを受けて入れてくれる企業を選ぶと良いと思います。

佐々木さんが贈るキャリ指針

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