原動力は自ら生み出せ! 「行動量」を高めて挑戦し続けるために

ウィルゲート 代表取締役CEO 小島 梨揮さん

Riki Kojima・18歳でECサイトの運営を始め、この経験からWebマーケティング事業への参入を決める。慶応義塾大学在学中、2006年にWebマーケティング事業を中心としたウィルゲートを吉岡諒氏(専務取締役COO)と共同創業し、現職

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「いま動き出さなければチャンスを逃している」と起業を決意

経営者を志した背景には、家庭環境が大きく影響しています。両親や祖父母も経営者で、起業に対するハードルはもともと低く、「経営者になりたい」と昔から考えていたように思います。

漠然と経営者になりたいと考えていたものの、高校入学の時点で具体的に「何をしたいのか」は決まっていませんでした。そんなとき転機となったのは、実行委員を務めた高校の文化祭です。そこでITの知識が豊富な同年代が多いことを知り、「ビジネスチャンスがあるんじゃないか」とIT領域に興味を持ち始めました。

高校生の時に、少ない資本で始められるネットショッピングから事業をスタート。大学卒業後や就職を経てからではなく、このタイミングで起業を決意したのは、「いま何も動き出さなければ自分はチャンスを逃している」という思いがあったからです。誰もがネットショップを持つことができ、年齢を問わずに挑戦できる時代。そんな時代だからこそ挑戦したいという思いに駆り立てられたんでしょうね。

現在のマーケティング支援を核とする事業を展開するウィルゲートの創業に思い立ったのも、この事業経験があったからこそです。ネットショップでは、集客が必須。しかし、集客の核となるWebマーケティングに関して真摯に対応してくれる業者がほとんどおらず、「信頼できる企業がないなら作ればいいじゃないか」と思い至りました。

ECサイトの運営で培ったマーケティング領域の知識を活かして、幼馴染の吉岡と大学生のときに創業したのがウィルゲートです。

小島さんのキャリア領域の絞り込み方

自分が体感したベンチャーの負を解消したい

起業してから経営をずっと続けてこられたのは、「自分が体感したベンチャーの負を解消したい」という思いがあったからです。これまでのベンチャーの負の部分は、だいたい自社で経験してきました。自分自身の失敗の経験があったからこそ、そこに対処していきたいと思っています。

ベンチャーは「ないこと」が前提です。たとえば、「人がいない」「お金が集まらない」など。家庭環境から周りの経営者の悩みを肌で感じながら育ち、実際に自分もベンチャーの「ない」を経験したからこそ支援したい、あるいはできると考えました。

「ないことが前提」だと、すごくチャレンジングな事業になります。しかし、ベンチャー企業の中にも、社会的にとって良い価値や影響を与えようとサービスを提供しているような、当社の企業理念にある「価値ある『will(意志、想い、やりたいこと)』」を持っている企業も多いです。

だからこそ、「ない」ことで苦しむベンチャーへの支援は非常に価値のある事業だと考えています。

壁にぶつかったときこそ視野を広く

インタビュー写真

大学生という若さで創業したため、もちろん壁にぶつかったときもありました。壁にぶつかったときって、どんどん視野が狭くなって負のスパイラルに陥ってしまいますよね。でも、そんな時こそ視野を広く持つことが原動力につながると思います。私の場合は、自分のためにではなく「誰かのために」を考えることがモチベーションになりました。

目の前の壁を感じて、負のスパイラルに陥ってるときは視野が狭くなっているので、「誰かのため」や「頑張った先の貢献」を考えるのはなかなか難しいかもしれませんね。

壁を乗り越えるためには、仲間の存在も重要だと思います。私は、他の人も大変な状況な時に「大丈夫?」と自分を気遣ってもらったことが気づきとなり、視野を広く持てたからこそ壁を乗り越えられてきました。

モチベーションの源泉に身を置く

キャリアを築くにあたって私が思うのは、それぞれの人生ステージにあった前向きな働き方をしてほしいということです。働き方が多様化しているなかで、自分の人生としっかり向き合って働き方を決めていくことが今の時代には必要だと思います。

そんな中で、「どんどんチャンスをつくっていきたい」と自分のキャリアを前向きに考えている人は「行動量」を高めて挑戦していってほしいと思います。そして、挑戦し続けることをやめないでほしいです。

挑戦し続けるためには、高いモチベーションが肝となります。まずは自分自身を知って、何がモチベーションになるのか知っておくべきだと思います。

モチベーションの源泉は個々人で違いますよね。それが人間関係の場合もあれば、仕事内容である人もいます。これまでを振り返って、部活や学業など、何かに打ち込んだとき「自分はなぜ頑張れたのか」を考えてみると見えてくるはずです。

そして、自分のモチベーションの源泉を理解したら「モチベーションを作りにいく」ということを意識すると良いと思います。私の場合は、人間関係と言い訳できない環境を作ることを意識していました。だからこそ意識的に仲間を作って、周りに「これはやる!」と宣言しました。

目標を周りに宣言することで、言い訳できない諦められないような環境になると考えたからです。

行動量を高めて挑戦し続ける方法

自分でモチベーションを作りに行くためにも、企業選びは「内的要因」で考えるべきだと思います。

外的要因のほうが見えやすく、内的要因は見えにくい部分なので軽視されやすい傾向にあるかもしれません。しかし、モチベーションというマインドの部分に影響するのは、社風や価値観だと思います。

その企業の価値観を知るためには、まずは経営層の考え方を知るのが一番だと思います。その価値観が一貫しているのか、また現場に浸透しているのかは企業選びのときに見ておくと、その企業の内的要因の理解につながるでしょう。

たとえば、当社の場合は、「三方よし」という考え方が挙げられると思います。三方とは、自社、お客様、そして社会の3つです。企業として自社の売上や顧客の利益を考えることは当然。それだけでなく、社会にとっていいことを考えられるということが、社員も共通して持っている価値観です。

今後求められるのは「自走」できる人材

これからの社会で充実したキャリアを築いていくために欠かせないのは「主体性」と「考える力」だと思います。

ここ数年で働き方は目まぐるしく変化しています。リモート中心の企業も増え、どこでも仕事ができる時代になりました。しかし、リモートワークにはコミュニケーションが取りづらいという課題もあります。

距離が離れて仕事をしていくなかで、「待ちの姿勢」だとチャンスは与えられません。いかに主体性を持ってチャンスを作りにいけるかが、成果を上げられる人材になるためのカギだと思います。

もう一つの社会情勢として、「デジタル化」があります。さまざまなものがデジタルやAI(人工知能)に置き換わっていきます。そのようななかで、人間らしい価値を発揮するためには「考えていく力」が必要です。「自分ならでは」の付加価値を与えられる人が、今後デジタルに置き換えられない仕事ができる人材だと思います。

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