素直さによって成果や評価は付いてくる|自ら経験しどんどん失敗しよう

ケーワンテック 取締役社長 菊池 光之さん

Mitsuyuki Kikuchi・高校時代はアマチュアボクシングに励み、千葉商科大学へ入学。20歳の頃、プロボクサーへの道を志し、大学2年生で中退。プロボクサーに転身した後、怪我で引退を決意し、地元の飲食店へ就職。26歳でケーワンテックに中途入社し、現職

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父親の姿を追いかけて、自身の道を切り拓いた

私は高校時代、ボクシングに励んでいました。そのきっかけになったのは、父親がプロボクサーだったこと。学生時代にいじめのような経験を経て、周りを見返してやりたいという思いで、父親のかっこいい姿も見ていましたし、ボクシングを始めたんです。

その魅力にのめり込んでいき、成人式のときにプロボクサーへの道を志し、大学2年生の頃に中退。プロボクサーになる夢を叶えました。しかし、大きな怪我をしてしまい、ボクサーを続けるのか、辞めるのかを決める転換期が訪れました。

私は怪我をするのも何かのタイミングだと捉えて、新たな道へと進むことを決意。大学時代に飲食でアルバイトをしていて、人と関わる楽しさを知っていたので、地元の焼き鳥屋で働くことにしました。

小さなお店だったので、焼き鳥を作るところから接客まで、幅広くやっていました。同年代のメンバーが多く楽しかったですね。

その5年後、「父親の会社の手伝いをしてほしい」と母親から話があったんです。今までずっと親不孝だったので、これを機に親孝行していきたいと思い、26歳でケーワンテックに中途入社することにしました。

紆余曲折を重ね、平社員から社長まで昇り詰めた

私自身、プロボクサーから飲食、ビルメンテナンス業界と、異業種からの転職を重ね、社内でのポジションも変わっていきましたが、まずはやってみる、という考え方によって前進していけたと思っています。

行動に移して何かしらの結果が出てから、どうするのかを考えたら良いのではないでしょうか

社長の息子という立場で入社しましたが、最初は現場から入ることが絶対条件でした。私としても、2代目だからといって甘えたくなかったので、人の3倍は努力しましたね

当時は時代もありますが、現場から営業事務アルバイト管理まで全部こなして、かなりハードワークだったと思います。ただ、上下関係の厳しいボクシング業界での経験もあり、大変な状況でもあまり苦に思っていなかったですね。

その後、経営状況を良くするために、コンサルティング企業に入ってもらったことがありました。社内環境が一新され、今までのやり方に慣れていた社員からすると、抵抗感を覚えた人も多く、社員の半数が辞めてしまったんです。

私はその際に採用活動を任され、新卒採用を成功させるなどの頑張りが認められ、平社員から係長、課長、次長とキャリアアップし、現職である代表取締役社長を任されるようになりました。

中小企業の魅力は、社長との距離が近いこと

社長になった今でも、仕事において充実感を得られるのは、お客様から感謝されるときです。当社は他の会社ではできないような、難易度の高い形状のビルメンテナンスもおこなっています。お客様にとっても、清掃したくてもできない領域なので、「綺麗にしてくれてありがとう」という言葉をいただくと、経営のモチベーションにつながりますね。

これからも感謝される仕事を心掛けながら、5年後には売上2倍の20億円を目指しています。毎年115%ずつ伸ばし続けるという大きな目標ではありますが、社員にも共有していて、「一緒に頑張りましょう」と言ってくれるので、みんなで一丸となって達成したいですね。

当社のように50名程度の中小企業は、社長と距離が近いことが圧倒的な強みだと思います

たとえば私は、誕生月の社員と毎月飲みに行って、社員の声を汲み取るようにしているんです。社長と社員が直接話せる機会があると、社員の意思思いが伝わりやすく、それを実行してもらえるスピードも早いです。

最近では、入社5年目の社員から「毎月5000円の“整体手当”を作りませんか? 」と提案されました(笑)。ビルメンテナンス業務は、長時間同じ体勢でビルのガラスを拭くので、腰痛になることもあって。「それ良いじゃん! 」と、すぐに採用しましたね。立場に関わらず、コミュニケーションが取りやすい会社は、社員にとって働きやすいと思いますよ。

菊池さん流 キャリアを充実させるコツ

  • お客様から感謝される仕事をする

  • 意見や思いを伝えやすい職場選び

冷静な視点をもって、自分に合う会社選びを

就活や仕事のことを考えると、学生のうちから何かしたほうが良いのでは、と焦る人もいるかもしれません。しかし、学生時代はとにかく遊ぶことが大切だと思います。せっかく時間があるので、元気いっぱいにいろいろな体験経験をしてほしいです。

会社選びの視点で言えば良い会社、悪い会社という見方ではなく、自分に合う会社を選んだほうが良いです

能力面で言うと、自分の能力がBレベルだとして、Sレベルの会社に入っても辛くて辞めたくなりますし、Dレベルの会社に入ってもつまらないと思うんです。社風においても、一人で黙々と作業するのが好きな人が、活気のある会社に入ると居心地が悪いでしょうし、その逆も然りです。何よりも合う、合わないを大切にしてほしいですね

そして、入社後にきちんと教育をしてもらえる会社を選ぶと良いと思います。たとえば当社は、教育研修費に1000万円投資し、社員一人ひとりに合った外部セミナーに参加してもらっています。入社後に十分学びの機会を与えられるようにしているんです。学生時代は思い切り遊んで、社会人になってから仕事を学んでいってもらえたらと思っています。

また会社説明会だけでは、本当のことは分からないということも覚えておきましょう

会社説明会は、学生側も会社側も、お互いが良いところを見せるような場所です。もう少しリアルな実態を知りたい場合は、社長や採用担当者以外の社員とも会ってみて、どういう人達がいるのかを見ることをおすすめします。職場体験キャリア面談を活用して、入社後のギャップを減らしてくださいね。

菊池さん流 会社選びのポイント

  • 良い悪いではなく、自分に合うか、合わないか

  • 新人育成に力を入れている会社へ

  • 会社のリアルな実態を知ろう

素直さに勝るものなし。恐れず失敗していこう

先ほど、仕事について学ぶのは、社会人になってからで良いという話をしました。とはいえ、自ら積極的に学んだり経験したりする人は、結構少なかったりします。

それだけでなく、お客様とのコミュニケーションにおいても、話の引き出しが増えます。これはどのような業界や会社でも共通するところです。他にも、いろいろな経験をするなかで失敗することもあると思いますが、それで悔しい思いをしている人は、相手の弱みも分かってあげられますよね。

また、素直さに勝るものはないというのは、社員の姿を見てひしひしと感じています。仕事に対して疑いを持たず、素直に実行していくと、後から結果もついて来るんですよね。

最近の事例で言うと、昨年と比べて121%の売上を出した営業や、採用活動で過去最高人数を達成した人事が社内で表彰されました。スポーツでもそうですが、最初は我流でやっても上手くいかないんです。その会社で結果を出している人がいるなら、その人の真似をしたら良いでしょう。

社会人になって壁にぶつかることもあるかと思いますが、越えられない壁は絶対ありません。自分に見合った壁が出てくるので、まずは立ち向かってほしいですね。

そこで失敗しても大丈夫です。会社というのは、社員一人の失敗で崩れるようなひ弱なものではないので、何度でも失敗して大丈夫だと言うのは、覚えておいてほしいです。

取材・執筆:志摩若奈

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