目標は父親のようなキャリア│人生を豊かにする仕事への向き合い方とは

アルテニカ 人事部 執行役員 田中 祐哉さん

Yuuya Tanaka・大学院卒業後、2015年4月にアルテニカの新卒第1号として入社。創業期から関わり、人事からシステム管理まで幅広く業務に従事。入社直後より採用領域をメインに人事業務を一手に引き受ける。2021年、現職

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自分のこれまでの環境を就職活動の軸に

就職活動をしたのは、今から10年ほど前のことです。実際に就職活動をスタートするまでは大手企業に就職することを前提に、結婚して、家庭を持ってと漠然としたイメージや考えしか持っていませんでした。

就職活動が始まった時、周囲の人と同様に「自分は社会に出て何がしたいのか? 」「ういった社会人になりたいのか? 」と自問自答を繰り返していく中で、その良きモデルケースとして設定したのが自分の父親でした。

私の父親は、大手企業で着実にキャリアを積み重ね、無事? に還暦まで勤め上げた、いわゆる絵に描いたような大手サラリーマンのキャリアを歩んでいました。そんな父親の家庭で育った私は、これまで本当に自由に育ててもらえたなと就職活動で自分自身の人生を振り返った時に改めて実感し、これを自身の就職活動の軸に設定することにしました。

父親と同じような環境を作れる自分になりたい」という就職活動を軸に当然ながらはじめは大手企業を中心に会社を調べるようになりました。

ところが、活動を続けている中で当時の私が見聞きした大手企業の実態(10年前の話なので、今は違うと思いますが)は、まだまだ年功序列が根強く、加えて私たちがキャリアを作る時代はより少子高齢化が進み、定年を迎える年齢がどんどん上がるとされている中で果たして大手企業に就職することが自身の就活軸や目標を満たしてくれるものな、疑問を持つようになりました。

結果、悩んで設定した就職活動の軸がさらなる悩みを作ってしまいました。

父親をモデルケースにしたにも関わらず、父親と同じ道を選んではその目標が達成できなさそうな不安感と社会や就職の環境が大きく違うことをはっきりと認識した瞬間でした

当たり前ですが、父親が活躍してきた環境とこれからの環境は大きく異なります。では、これからの時代で活躍をしていく為には何が必要か? これと向き合った時に「自身を証明できる専門性(スキル)を持つこと」にいきつきました。

父親と同じような環境を作れる自分になりたい」を就職活動の軸とし、それを達成するためにも専門性が身につく、スキルが身につく環境に身を置きたいという気持ちが強くなり、ベンチャー企業へ思い切って方向転換することを決意しました。

当時の私は、大手企業よりもベンチャー企業の方が、様々な仕事に挑戦することができ、即戦力として仕事を任され、いち早く色々な経験を積むことができると考えていました。

勿論、結果に繋がらないことや失敗が会社にもダイレクトに影響を与えてしまうのでないかというプレッシャーも大きかったですが、そのような刺激のある環境に身を置くことが自分の成長に間違いなくつながると判断しました。(現在は大手企業でも年功序列の社風や制度は廃止され、実力主義に移行しているとよく伺います)

新卒第1号として会社の創業期から参画することを決断

父親と同じような環境を作れる自分になりたい」という軸を基に「自身を証明できる専門性(スキル)を持つこと」を会社選びの方針にした私は、大企業への就職希望から一転、ベンチャー企業に焦点を定めて就職活動を再始動させました。

理系学部出身ということもありますが、これからの時代を考えた時に一番成長を期待できる業界はやはりIT業界しかないと考えていました。しかしながら、ITベンチャーによくある「新しいサービスを生みだす」や「画期的なシステムを開発して世に提供する」など。こういった革新的な挑戦をする事業方針にはどうしても深く共感することができませんでした。

私の性格からして、どちらかというと「堅実な仕事」「社会需要が安定している」「社会貢献性が高い分野」このような領域で強みを発揮している会社の方が自分には合っていると感じ、弊社が手掛けるようなITインフラ領域を担う会社を中心に興味を持って就職活動をするようになりました。

特に、通信インフラを支える企業であれば世の中に無くてはならない存在であるし、何より父親が同業界で勤めていたこともあり、私からすると「父親が活躍していた同じ業界に違うアプローチで挑める」ことに大きな魅力を感じており、当社(アルテニカ)への入社を決めました。

当社は、2013年04月に創業し、私が入った時は会社ができて2年目のいわゆる創業期と呼べる時期に会社の新卒第1号として参画することになりました。「価値の最大化」を理念に「未経験からでも立派なIT人材を育てる」をコンセプトとし、これから会社を一緒に大きく成長させていこうというエネルギーに満ちた社風に大きく惹かれました。

創業期は部署などもなく、誰もが何でも屋でした。良くも悪くも「器用貧乏」な私は、当時からいろいろな仕事を任せていただきながら日々奔走しておりましたが、ある時期に人事として会社の一角を任せていただけることになりました。

人事に任命され、自身の成長フェーズに入ることができた当初は、採用活動を中心に積極的に会社の成長に貢献できるよう努めてきました。数えられない失敗も重ねましたし、上手くいかないことの方が多い毎日で悩んだり、苦しんだりしましたが、周囲に支えてもらいながら、助けてもらいながら、会社と共に成長することができたと実感しています。

正直、仕事をしていて楽しいと思ったことはありません。むしろ辛いと感じる場面の方が多いですし、今でもそう思っています。ですが、自分が就職活動の時に悩みに悩んで決めた目標に1歩ずつ近づいている手応えや仕事の大変さがあるからこそ、合間に入る休日や家族や友人とのプライベートの時間が充実したものに感じることができているのだと思います。

ポジティブに捉えればですが、仕事の存在によって、自分の生活にメリハリができ、結果的に人生を豊かにするためのあくまで人生を充実させるためのツールだと私自身は考えています

ぜひ、この先社会人として活躍されていく中で仕事が辛いと感じる場面も多々あると思いますが、「仕事>人生」になって身体を壊してしまうなどが無いように「仕事<=人生」と捉えて頑張ってほしいと思います。

業界や仕事内容より、「仕事を通してどんな生活を送っていきたいか」

就職活動の中で業界や職種を自分の好きなこと、興味があることに絞って研究・選択されている人も多いかもしれませんが、個人的にはあまりお薦めできないと考えています

私自身はIT業界を選択しましたが、IT業界が好きだったか、本当に興味があったかというと自信がありません。さらに言えば、自分が人事という仕事を担当するようになるなどは微塵も想定していませんでしたが、今では大きなやりがいを感じて仕事に就けています。

つまり、やりたい仕事、興味のある仕事、やりがいを感じられる仕事というのは、その時の環境、周囲との関係性、自分の持っている知識や視野など様々な外的要因に影響を受けて大きく変化するわけです

その為、「この仕事をやりたい」「この業界が良い」といった強い固定概念を新卒という可能性しかない時期から固めてしまうと、いざ希望する道に進めない違う道を選ばざるをえない、となってしまった時に目標の修正やモチベーションの再構築が難しくなってしまうのではないかなと思います。

一方で、自分のプライベートや日々の過ごし方、友人や家族との関わり方は自分の一存で自由に決めることができると思います。

なので、仕事に望むにあたっても「こういった人生を過ごしていきたい」や「○○年後にはこのような人生設計をしていきたい」といった大きな目標設定やモチベーション構築から「次の休日には○○して過ごそう」「この仕事終われば、友達と○○だ! 」のように目先の細かい目標設定やモチベーション構築に繋げていくこともできます。

個人的な見解かもしれませんが、このような目標設定やモチベーションはブレにくく、たとえブレてしまったとしても自分自身で修正しやすいものになるかと思います。

繰り返しにはなりますが、仕事やキャリア選びにおいて重要なのは、「仕事>人生」にするのではなく、「仕事<=人生」で選び続けることだと思います。

わかりやすい例でいえば、より華やかな生活をしていく為に収入をもとめる働き方もあれば、趣味や生きがいを充実させる為にワークライフバランスを大切する働き方もあるということです。仕事以外の部分で自分はどうありたいのか、何のための仕事なのかをしっかりと確立させることが就職活動では一番大切だと考えています

就職活動を始める前に大切なこと

  • どういう人生を生きていきたいのか

  • 何をモチベーションにして生きていくか

企業の見極めポイントは、社風・人間関係・ビジョン・戦略

前述に近い話になりますが、私だったら、最終的に企業を決める時も、「私は仕事と共にこういった人生を過ごしていきたい」「仕事以外の時間でこういった楽しみを持ちたい」が叶えられそうかで判断すると思います。どんな仕事を任されたとしても高いパフォーマンスが発揮できるようモチベーション構築に柔軟性を持たせる為です。

その上で確認することは、人間関係や会社の雰囲気(社風)です

特に大事なのが「人間関係」だと思います。ネガティブな退職理由の多くが人間関係を原因したものだと言われています。つまり、捉え方を変えれば、人間関係が満足いく状態であれば、辛い仕事も乗り越えられる可能性が高いということです。

私自身も仕事の中で数えきれない失敗や辛いと感じる場面を乗り越えてきました。ですが、それは決して自分ひとりの力で乗り越えたものではなく、周囲の支えや助けがあったからこそできたことだと痛感しています。

仮に同じ仕事内容・同じようなキャリアが想定できる会社が候補にあるのであれば、最後は人間関係や会社の雰囲気が自分に合うと感じる方を選んでいただくことを強くお薦めさせていただきます

セルフコントロールができる人は強い

これから社会人としてのキャリアをスタートさせようとしている皆さんにぜひ伝えたいことが3つあります。

1つ目は、自分が疲れているタイミングを自分が把握できるようにしておいて欲しいということ

情報社会とも呼ばれる現代社会では、「肉体的な疲労」よりも「精神的な疲労」が蓄積されやすくなります。「精神的な疲労」の怖いところは自分では気づきにくい・思がいけない中で蓄積されていくことにあります。

一生懸命頑張っているのに結果がでないだったり、思うように仕事が進まなくてプレッシャーを感じるなどの場面が増えてきたりなどストレスを感じる場面が増えてきます。そのようなときに「自分が精神的に疲労している」というシグナルに自分自身でちゃんと気付けるようになってください。

そのような時こそ「あえて休む」ことが大事です。そのような状態で頑張ったところで効率が悪く、余計に疲れるだけです。勿論、すべてを投げ出して……みたいな無責任なことはしてはいけませんが、疲れていると感じた時・自分が弱っていると感じた時は、とにかく一度休む。リフレッシュして、気持ちを切り替えてから取り掛かるようにしてください。

特にファーストキャリアのときには、自分の限界や自分が疲れていることを認識しづらいです。はじめてのことばかりですから当たり前でもあるのですが、日頃から自分が疲れているタイミングや何かいつもと違うなと感じるシグナルをキャッチできるようにしておくと良いかと思います。

2つ目は、休む「方法」です。個人的には、「疲れているから寝る」は確かに一定の効果があるかもしれませんが、あまりおすすめしません。寝ることによって肉体的な休息はあっても精神的な休息になっていない可能性があるからです。

3つ目は、ファーストキャリアの仕事が自分の身の丈とどの程度乖離しているかを自己評価することです

自分の現状と大きくかけ離れたレベルの仕事に取り組むのであれば、相当なチャレンジをもって挑まなければなりません。普通にこなしているだけでは成果が上がらないのは当然です。

最初にその仕事は少し頑張れば楽に達成できるものなのか、それとも相当難易度が高くてかなりチャレンジが必要な仕事なのかをまずは自分で判断することで、仕事との向き合い方をしっかりとセットすることが大事になってくると考えています。

ファーストキャリアで大切にしてほしいこと

  • 自分が弱っているタイミングを理解できるようになっておく

  • 元気を取り戻すための復活方法を探しておく

  • 与えられた仕事が自分の身の丈とどの程度乖離しているかを自己評価する習慣をつける

これからは専門スキルと説明力、情報処理能力がもとめられる

これからは「個の力」が重宝される時代だと思います。最も重要になるのは専門性のあるスキルをもっていることだと考えます。さらに、スキルをもっているだけでなく、そのスキルを武器にどういうパフォーマンスが発揮できるのかをわかりやすく説明できる力がもとめられるでしょう。

また、情報過多の時代だからこそ、今後は高い情報処理能力が必須になります。探した情報をより正確によりスピーディーに判断するスキルを磨かなくてはいけません。

これらは一朝一夕に身につくものではなく、実践あるのみだと私自身は感じています。

Excelを使えるようになりたいからと、テキストを読んだだけでできるようにならないのと同じで、「こういう時はこういう風にするのか」「この場合はこっちのやり方がいいな」と場数を踏むことではじめて自分の血肉になっていくスキルだと思います。

就職活動においても、昔とは比べものにならないほど情報が溢れ、集められる時代です。ぜひ、情報に操られず、情報をうまく操れるようになってください。日頃から「情報リテラシーをアップさせよう」と意識的に取り組む姿勢を大切に頑張ってください!

取材・執筆:小内三奈

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