安定は衰退なり│常に進化したいからIT業界でキャリアを追求する選択

ティーエーシーホールディングス 常務取締役 川勝 聡さん

Satoshi Kawakatsu・大学卒業後、2001年に日立システムアンドサービス(現:日立ソリューションズ)に入社し、SEとして証券系システムの開発に従事。2014年、父親が経営するティーエーシーホールディングスに転職。営業部門を担当した後、2022年6月に現職。グループ傘下のティーエーシーの取締役も兼務

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常に進化し続ける業界でチャレンジし続けたいとIT業界を選択

就職先はIT業界一本に絞り、日立システムアンドサービス(現:日立ソリューションズ)で13年間SEとして働いたのち、父が経営するソフトウェア会社に転職しました。かれこれIT業界で20年以上働いています。

大学は経済学部に進みましたが、就職活動をスタートするまでは将来について真剣に考えることはなかったと思います。小さい頃からの夢としては、グローバルな仕事をしたいなと考え、ただ漠然と憧れていたのは商社マンでした。世界を股にかけるような仕事はかっこいいなと幼心ながらに感じていました。

ただ、いざ私自身が就職を目前にしたとき、憧れていた商社を取り巻く環境、商社にもとめられる価値ともに大きく変わっている状況で、より魅力的な業界はどこかと考えるようになりました

世の中の中心となっていたのは、やはりIT業界で、常に進化し続けるIT業界に大きな魅力を感じました。何よりも動きが早い環境に身をおくことで自分も研ぎ澄まされるだろうと考えてIT業界をターゲットに就職活動を進めました。

IT業界は、想像通り、止まっていては置いて行かれる常に進化を続ける業界でした。新しい情報をキャッチしながら、色々なことに興味をもって知識を広げながら進んでいかなくてはいけない。私にとってこれ以上理想的な業界はないと思っています。

これまでのキャリアの中で私自身が常に意識してきたのは、たとえ失敗しても新しいこと、自分が経験したことがないことにどんどんチャレンジしていくことです。

停滞は衰退なり」。安定をもとめるのではなく、常に一歩、二歩前に進んでいこうと、とにかくがむしゃらに生きることを大切にしてきました

失敗しても大丈夫。失敗は必ず将来の成功につながると信じること

学生時代に熱中したのはスノーボードです。もちろんオリンピックに出るようなレベルとはもちろん全然違いますが、地域の大会やユーザカップなどに出場したり、目標を持って取り組みました

冬は日本の山に籠って練習し、夏にはニュージーランドに飛んで練習。あり余る学生時代の多くの時間をスノーボードに費やしました。

数あるIT企業の中で日立システムアンドサービスに入社を決めたのは、当時の採用担当の方が信頼できると強く感じたからです。人柄も素晴らしいと感じたのですが、何よりも学生と同じ目線でお話をしてくださり入社後に何か困ったことが出てきたときにもこの人にならきっと相談できる、と確信が持てたことが一番の決め手だったと思います。

実際、その直感は当たっていて、会社に入ってからもずっとお付き合いは続きました。憧れて入ったIT業界でチャレンジを続け、会社としてもそのチャレンジをバックアップしてくれる社風もあったことから、やりたいことが実現できる会社だと感じていました。

そんな恵まれた環境にいたにも関わらず、13年勤務した会社を辞めて転職することとなったのは、父の経営する会社を存続させるためです。同じIT業界で父は65歳のときに起業しました。事業は順調でしたが、70歳を過ぎたころから父の会社を支えるべきかと考えるようになりました。

父自身や父の周囲の方々「会社に入ってほしい」というようなことを言われたことは一度もありませんでした。ただ、自分自身の中で「自分が進むべき道はどれか」と常に迷っていました。

そんな私の背中を大きく押してくれたのは、当時の会社の上司です。「親父さんの会社にいくことが、一番の親孝行なんじゃないか? 」と言われ、その言葉を聞いてようやく決心することができました。

私にとって座右の銘になっている言葉があります。「成功には3つのプロセスがある。1つ目にチャレンジすること、2つ目に失敗を経験すること。3つ目に成功の喜びを感じること」というものです。

この言葉があるから失敗を恐れず、必ず将来の成功につながると信じてチャレンジを続けることができたと思っています。

その業界で仕事する自分をイメージし、「のめり込める仕事か」という視点をもとう

自分にはどのような業界が合っているのかわからない、と悩んでいる人も多いと思いますが、実際に働いてみなければわからないのは当たり前のことです。誰もわからないので心配する必要はありません。

わからないことを大前提として重要なのは、自分がその仕事にのめり込んでいる姿を想像できるかという点が大切だと考えています。

「のめり込める仕事」を探し出すにはどうしたらよいか

私がお勧めするのは、自分がその業界で働いている姿を具体的にイメージしてみることです。IT業界であれば、クライアントとシステムを構築するための打ち合わせをしている様子を想像する、メーカーであれば、自社製品をお客様にプレゼンテーションしている自分の姿を想像してみることです。

そうやってイメージしてみたとき、一番イメージがわきやすい業界、はっきりとイメージできる業界に軸足を置いて考えてみるとよいのではないでしょうか

この業界で働きたい! 」と考えても、こうやって想像してみたときにあまりイメージができないのであれば、より鮮明にイメージできる業界に行った方が結果的に合っている可能性が高いと思います。

業界という枠だけではなく、職種でも同じようにイメージしてみてください。たとえば、一人で黙々と進める仕事がイメージできる人もいれば、人と関わり合ってプロジェクトを進めている様子をイメージできる人もいるはずです。

色々とイメージしてみて、一番自分が働いている様子をイメージできる業種・職種が「のめり込める仕事」と捉えて問題ないと考えています

のめり込める仕事」に出会えれば、自ずと良い成長サイクルが回り始めます。なぜなら、「のめり込める仕事」であれば自然とチャレンジしたいという意欲がわいてくるはずだからです。

チャレンジして仮に失敗しても、その失敗を糧に成功につなげていくことができます。一度成功の喜びを体験すれば大きな自信となりますし、また次のチャレンジに向けたバイタリティがわいてきます。一度このような成長サイクルが回り始めると、人間はどんどん成長していくものです。

チャレンジできる環境があるかどうかを良く見極めてほしい

最終的に入社する企業を選ぶときには、社員の成長をサポートする制度がある会社を選ぶべきだと考えます。

具体的には、各レンジに応じた教育キャリアアップの制度が整っているかどうか。たとえば、IT業界であれば新入社員に対して基本的なスキルの教育をすると思いますが、次の段階でその学んだスキルを生かしてチャレンジできる環境があるのかどうかが大事です。

知識はもっているだけでは意味がありません。現場で経験してはじめて使えるスキルになるわけです。

皆さん自身がどんどんチャレンジしていこうという気持ちはもってほしいですし、会社もそのチャレンジに応えなくてはいけないと私自身は考えています。さらに、チャレンジしてたとえ失敗したとしても、失敗から得たものを生かして次のチャレンジにつなげていけるようなフォローアップを大切にしています

そうやって強力にキャリアを支援してくれる会社かどうかは、やはり先輩の生の声を聞くのが一番です。「こういう支援制度があります」とアピールしている会社でも本当のところはどうなのか、ぜひ現場で働く先輩に聞いてみてください。

入社1、2年目の頃のキャリアがあれば、入社5年目のキャリア、入社10年目のキャリア、入社15年目のキャリアと、それぞれの年次でそれぞれのキャリアがあるはずです。できれば色々な年代の方に話を聞いてみることをおすすめします。実際にさまざまな年代の社員に積極的に会わせてくれる会社というのは、その時点で信頼できる可能性が高い会社だと思ってよいのではないでしょうか

ぜひ、失敗をおそれずどんどんチャレンジできる会社と出会ってほしいと願っています。

学生時代にしかできないことをやり尽くせば社会人生活はきっとうまくいく

これからの時代にもとめられているのは、常にチャレンジしていこうという姿勢をもつ人材だと考えます。「停滞は衰退なり」です。

とくにIT業界ではその傾向が強く、技術はものすごいスピードで進歩しますので、一歩前へ、さらに一歩前へと進むチャレンジ精神がなければあっという間に置いていかれる世界です。

学生の皆さんにぜひ伝えたいのは、時間に余裕がある学生時代に色々なことにチャレンジしてほしいということ。学生の間にしかできない体験の限りをやり尽くしてほしいと思っています。

学生時代を振り返って後悔することはない。やりたいことはすべてやり切った」と言える人は、社会人生活はほぼうまくいくと思って間違いないと思っています。どうか、後悔のない日々を過ごしてください。

私自身は、スノーボードに没頭してたびたびニュージーランドに遠征に行きましたし、野宿しながら海外を旅した経験が今現在も生きていると常日頃感じています。お客様との雑談のときなどに、当時の生々しい体験談を語ることもあります。

何かに熱中した体験がある人は、何歳になっても当時の体験を鮮明に語れるものですし、キラリと光るものがあります。10年、20年後にも学生時代の貴重な体験は錆びずにずっと輝き続けるものだと思っています。

今は、スマホ一つでどんな情報も手に入れられる時代ですが、自分の足で歩いて、目で見て聞いて肌で感じることこそが大事な体験。ここ数年は、コロナ禍で学生生活に制約があった部分も多々あるとは思いますが、バイクが好きならバイクで日本一周してみるような体験こそが後々いきてきます。

社会人になると、やはり時間が圧倒的になくなりますから、ぜひ今の時間を大切に充実した学生生活を過ごしてほしいと思っています

さまざまな出会いが待っている!コロナの影響を受けた学生時代を挽回してほしい

コロナ禍の学生生活は人と接する時間が極端に少なくなったはずですから、学生時代を楽しめなかった、苦しかったと感じる部分もあると思います。しかし、逆にアフターコロナへと移っていくこれからの社会人生活には大いに期待してほしいと私自身は願っています。

人生まだまだこれから長いです。たくさんの良き出会いが待っています。学生時代とは違った楽しさ、やりがいもありますから、ぜひコロナでつらい思いをした時期を挽回してほしいと思うのです。

新たな人との出会いに期待し、仕事をすることの楽しさにも期待して、ぜひ前向きに社会人となる準備を進めてほしい。心から応援しています。

取材・執筆:小内三奈

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