仕事はとても楽しいもの。楽しむコツは、得意な領域で一生懸命努力すること

トップリフォーム 代表取締役 永井 良さん

Ryo Nagai・学生時代はサッカー部のキャプテンを務め、高校卒業後は私立大学へ進学。新卒で電通グループに入社し、クリエイティブ職に就く。その後、外資系ITベンチャー企業でマーケティングを担当し、3社目の上場企業では新規事業の責任者を担う。その後、グリーンイノベーションズホールディングスに入社。子会社であるトップリフォームの設立し、現職

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自分の選択を、自分の努力で正解にしていく

中学・高校とサッカー部のキャプテンを務めましたが、大学はスポーツではなく学問の道へ進むことを選びました。

学問の道を選びましたが、学生時代の仲間がサッカーで活躍しているのを見て、「自分は間違った選択をしたのかもしれない」という気持ちになりました。

「自分の選択をして良かったと思えるように、社会人になったら高い成果を上げよう」

その時、悔しさをバネにしようと決意し、自分の力で選択を成功に変えていくことを誓いました。「悔しいだけで終わらせたくない」という気持ちが強かったですね。

また、中学生の頃、漠然と社長になりたいと思っていたこともあり、社会人として経験を積んだ後、社長になることを志して大学時代を過ごしました。

新卒では、電通グループのクリエイティブ職に就き、専門性を身に付けました。それを活かして、外資系ITベンチャー企業に転職し、マーケティング領域を担当。その後、上場企業でマーケティングや新規事業の責任者を経験し、着実にキャリアアップしてきました

若手の頃は、上司から何かを任されることが多い中で、上司に止められるまでやり続ける、というのが私のスタンスでした。新規プロジェクトを担当する機会が多く、そこで「永井さんがそこまでやってできないなら、企画が悪かったね」と言われるまでやるようにしていました。

そして、2008年にグリーンイノベーションズホールディングスに入社し、マーケティング部の部長や執行役員、子会社の代表就任を経て、2015年にトップリフォームを設立。社長になるという長年の夢を実現しました。

とにかく社会人になってからは、社長になるという夢を叶えるために、一歩ずつ前を向いて進んできました。昔から抱いていた思いを胸に、行動に移していくことで、自分自身のキャリア選択を正解にすることができたと思っています

継続力は「成長実感」と「挫折経験」から生まれる

社長になった今でも、「自分の選択を正解にしていくこと」は大切にしている考えです。会社経営では、正しい決断を重ねていかなければなりません。その中で、可能な限り正解に近いことを導き出すことはできますが、100%正解というのは存在しません。だからこそ、自分の選択のもとで結果を出し、成功させていくことが重要なのです。

それを実現するために、何事も最後までやり切ることを意識してきました。何かアイデアを思い付く人はたくさんいて、それを実際にやる人は少ないですし、最後までやり切る人はもっと少ない。大体の人が途中で止めてしまいます。途中で止めると失敗になりますが、私はできるまでやることで、成功体験を増やしてきたように思います

もちろん、ここまでやってもできなかったら止める、という撤退ラインは設けますが、基本的には何かができなかった時、何が悪かったのか何が原因なのかを探り、そこを改善してまたやり始めます。この姿勢は私だけでなく、「進化・存続」にコミットしている当社の全メンバーの基本姿勢です。

このように物事を継続するコツは、定期的に成長していることを振り返り、きちんと実感することです。目の前の目標を達成したときや、小さくても成果を出したときなどに、しっかり自分を褒めてあげましょう。

自分自身で成長や成果を認識することで、嬉しい気持ち、楽しい気持ちにつながり、仕事に対するモチベーションも高まります。

また、過去に挫折した経験や悔しい思いを忘れないことも大切にしています

人は弱い生き物なので、手を抜きたくなったり、妥協したくなったりすることもありますが、そんなときに過去の出来事を鮮明に思い出し、「また悔しい思いをしたいのか」と自分に問いかけるのです。それで自分の心に火をつけることをよくやっています。

また、マネジメントする立場になると、自分だけでなく仲間や部下の成長も喜びになります。目の前に喜んでいるメンバーがいて、少なからず自分もその喜びに関与できたのだと思うと、大きなやりがいを感じますよ。

また、今後のキャリアにおける目標は、200年続く企業の礎を築いていくことです。当然、200年という歴史は私一人で創っていけるものではありませんし、今一緒に働いているメンバーだけでも実現できません。だからこそ、今後何世代かにわたり、世の中から必要とされ続けるための基盤を築いていきたいのです。

そのために大切にしているのは、「売上」と「」のバランスです。会社は売上を上げないと成り立ちませんから、世の中から感謝されることでお金を頂けるよう、常に世の中の時代の流れをキャッチして進化していければと思います。

そして、売上と同じくらい大切なのが、会社としての志です。

トップリフォームのビジネスモデルは、全国に独自の職人ネットワークを持ち、リフォーム販売会社様へ高品質・低価格のリフォーム工事請負サービスを提供するという、他に類を見ない仕組みです。その中で、リフォーム工事に関わる全ての方々の「ベストパートナー」であるという志を掲げ、創業以来、右肩上がりの成長を遂げてきました。

これからも「売上」と「志」を同じ熱量で追いもとめていき、長く続く会社へと歩みを進めていきたいです

仕事選びは、自分の得意を3つ探すことから

自分の得意なことは、何もずば抜けたものでなくても良いのです。学校のクラスで3番目とか、10人の中ではトップ、周りと比べたら比較的できる、という程度でも十分です。

あとは、他の人は飽きているけど、自分は嫌にならず、ストレスなく続けられること。続けられるというのは、実はかなり得意なことだと思うのです。それを3つくらい探して、全てを活かせる仕事を選んだら、すごく輝けるのではないでしょうか。

私自身も、何かで日本一になったことはありませんでしたが(現在はアジア急成長企業ランキングにて建設業部門アジア1位になった)、体力に自信があったこと多少絵が上手かったことリーダーシップがあったことを掛け合わせて、新卒でクリエイティブ職に就き、TVCMの制作に携わるなどしました。

自分の得意な領域でたくさん努力すると、結果が出やすいんですよね。結果が出ると、上司から評価を得たり、同僚から褒められたり、お給料が上がったり。否が応でも仕事が楽しくなります。社会人はみんなプロフェッショナルなので、最初から得意な領域で勝負しないと、簡単には高い成果を上げられません。

私もそうですが、自分にはずば抜けたものがないと思う人は、3つくらい、周りより少し得意なことを考えて、全てを活かせる仕事が何かを考えてみてください

自分に合った仕事を見つけて、最後に入社する会社を決めるときは、「どの会社が専門性をいかに早く身に付けられるか」という視点を持つことをおすすめします。専門性というのは、言い換えると「得意なことを社会で通用するスキルに昇華したもの」ですね。これを20代のうちに身に付けることが大きな資産になると思います

たとえば私は、新卒で3つの得意なことを活かせる会社に就職し、特に「絵が得意」であることを「クリエイティブ」という力に昇華させました。そこで人の心がどう動くのかを学んだり、プレゼンスキルを培ったりもしました。

早いうちに専門性が身に付くと、30代では、専門性があるからこそできる経験を積むことができ、40代以降のキャリアが盤石になります。将来的にいろいろなチャンスを掴むためにも、20代のうちに専門性を磨くことができると良いと思います。

あとは、いくら得意な領域でも努力は絶対に必要なので、頑張りやすい環境を選ぶのも大切です。すぐに目に見える成果が欲しい人は実力主義のベンチャー企業ある程度足並みを揃えてキャリアアップしたい人は大手企業、企業規模ではなく刺激を与え合える仲間がいる環境など、ご自身に合った会社選びを意識してみてくださいね。

これからもとめられるのは「変化に対応できる人」と「変化を提案できる人」

今、世の中の動きはどんどん早くなっています。これからもきっとこの流れのまま、加速し続けるでしょう。だからこそ、どの企業も生き残るために積極的に変化するようになっています。それに伴い、これからもとめられるのは、「変化に対応できる人」そして、「自ら変化を提案できる人」です。

変化を柔軟に受け入れるのも大切ですが、それに加えて、「こういう新しい商品を出したらどうですか」「こういう組織を目指すのはどうですか」などと、世の中の変化に合わせて提案できる人は、どの会社でも一目置かれると思います。

特に若手の頃は、自分の上司だけを見て仕事をしてしまいがちだと思いますが、普段から世の中やマーケットに意識を向けておくことが大切です。すると、世の中やマーケットの変化に気づきやすく、それをもとに提案しやすくなります。最初は難しいかもしれませんが、いつもアンテナを張っておくと、少しずつできるようになっていくと思いますよ。

仕事はとても楽しいもの。仕事を、人生を存分に楽しもう

就活生の方に伝えたいのは、何よりも仕事はとても楽しいということです。最初にお伝えしたように、自分の得意な領域で一生懸命努力すると、結果が出て褒められて、お客様から喜ばれて、評価や給与も上がる。仕事はやり方次第で、とても楽しめるものなのです。

1日24時間のうち、8時間寝ていると考えると、残り16時間。そのうち移動や準備時間を含めると、仕事に関わっている時間が圧倒的に長いです。

人生の大半を占める仕事を楽しむというのは、人生を楽しむことに直結しています。仕事が楽しいと、ライフワークバランスを意識しすぎる必要もなくなるんですよね。

もちろんストレスや疲れもあるかと思いますが、そのときは息抜きをして、基本は思い切り楽しみながら、仕事に励んでいただけたらと思います。

取材・執筆:志摩若奈

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