熱く、冷静に。楽観的に、シビアに|難しく考えず自分なりの「かっこいい生き方」を目指そう
マイクロアド 常務執行役員 角谷佳祐さん
Keisuke Kadotani・広島県出身。上智大学卒業後、2013年にマイクロアドへ入社。コンサル営業に従事した後、外資系IT企業との協業事業を責任者として立ち上げる。複数社のアライアンス業務に携わった後、ビジネス開発本部にて、事業企画や開発、推進を担当。2020年1月に営業本部へ異動し、執行役員に就任。既存および新規事業の推進を管掌。2022年10月の執行役員体制により、現職
伸び悩んでいた若手時代。真剣に耳を傾けてくれた上司がいたから、今の自分が在る
新卒から当社に入社し、今までさまざまな仕事を経験しましたが、最初は子会社への配属で、コンサル営業を担当していました。しかし新人の頃はなかなか芽が出ず、正直辛い思いをすることが多かったです。特に1年目はまったくと言っていいほど成果がついてこなくて、先輩からどれだけ厳しく指導を受けてもノルマを達成できず、伸び悩んでいました。
その後も、先輩に言われたことをやるのみで、「怒られるのが怖いから頑張る」というネガティブな動機で働いていたように思います。とにかく数字を追うことだけを強いられているように感じていて、仕事に対する納得感がないまま漫然と働いていました。
ただ、周りにもそれが伝わっていたようで、子会社の社長が「そのままで大丈夫か? 」と2人で話をする時間を作ってくれたんです。そこで「角谷はもし何をやっても良いと言われたらどうする? 」と聞かれたので、「1000万円の案件を取りたいです! 」と、半ば勢いに任せて言ってみました。きっと聞く耳をもってもらえないだろうと思いましたが、「もう少し深く聞かせてくれ」とまさかの反応。提案が通ったことよりも、こんな自分にも真っ直ぐ向き合ってくれたことが本当に嬉しかったですね。
そこから1000万円を実現できそうな企業リストを考えて提案したところ、「わかった。それだけを追っていこう」と背中を押してくれました。ワクワクする目標ができると、仕事に対するモチベーションが高まり、行動も変わっていったように思います。どうやったら受注できるだろう? どのような提案が響くだろう? と前向きに取り組んでいると、先輩や同僚も「手伝おうか? 」と声をかけてくれるなど応援されるようになり、しっかり成果もついてきました。
社長はそのときの成果やスキルだけで人を見ることはせず、若手にやる気や熱意をもってもらうことを重要視してくれる人です。そのおかげで楽しく仕事ができるようになり、仕事に向き合うなかで次第に責任感も身についていきました。今でもとても感謝しています。
幅広い業務経験と「製販一体」の想いから開けたキャリア
仕事に自信がついてきたこともあり、「自分で何かをやっていきたい」「新しい経験をしてみたい」という気持ちが湧いてきました。身近な人に相談しながらアイデアを模索していたところ、ある外資系IT企業が日本参入を考えていると知り、ぜひ協業してシナジーを起こしたいと上長に直談判。実際にアポイントを取り、同社の日本参入のサポートから、商品やサービスの独占販売、ジョイントベンチャーの立ち上げなどをやっていくという話にまで及びました。
当社からは私と新卒メンバーの2人でプロジェクトに参画。上長から最初に撤退ラインを決めるよう言われていたので、限られた期間のなかで覚悟と責任をもって事業に向き合えたと思います。最初は赤字続きの状況に後輩と頭を悩ませていましたが、1年後には社内で基盤となるような新規事業にまで育て上げることができました。
そして、そのプロジェクトで培った経験やスキルを活かしてアライアンス事業部を立ち上げ、外資系大手企業を含む複数社のアライアンス提携業務に携わったり、ビジネス開発本部にて事業企画や開発、推進を担当したりと、幅広い業務にかかわりました。
その後、2020年には営業本部へ異動することになるのですが、それまでプロダクト側の事業にかかわっていたのに営業に戻ってきたのは、当社が大切にしている「製販一体」という考え方からです。簡単に説明すると、製造側と販売側のどちらも、互いの仕事を理解し合ったうえでより良いサービスを提供するため励むべきという考え方ですね。
生産部門と営業部門は、お互いに誇りを持って仕事をしているからこそ、どうしても認識の齟齬や軋轢が生まれてしまうこともあるんですよ。しかし本来あるべきなのは、互いを責めるのではなく、互いの付加価値を足し合ってより良いものを作ろうという「製販一体」の考え方。現場でもこの考え方が浸透するように、もともとプロダクトにかかわっていた人間が営業に異動して、互いの仕事を理解しようという社内での流れがあったのです。
自分自身もこの考え方を大事にしていたことに加えて、先輩や上司からの後押しなどによって、営業部への異動の声がかかったわけですが、当時ほかの部署を担当していたので、正直迷った部分もありました。しかし、後押ししてくれた先輩の全面的なサポートにより「これはやるしかない! 」と思って異動を決心。現在の執行役員 兼 営業本部長という立場へとつながっていったのです。
「仕事に夢中になること」「お互いに協力し合うこと」で、キャリアが格段に飛躍する
今の立場になって思うのは、社員であり仲間であるみんなが楽しそうに働いているのが何よりもうれしいということです。仕事における「楽しさ」は、夢中になっている状態だと思っていて。「努力する人は夢中な人に勝てない」なんて言葉もあるように、努力の先のやりがいだけをもとめている人よりも、いつも仕事に夢中になっている人のほうが、結果的に成果が出やすいと思うんです。
人間は弱い生き物なので、時には今の自分に対して不安になったり、憤りを感じたり、隣の芝が青く見えることもあると思います。でも、そればかりを気にしていると、人生がつまらないじゃないですか。やっぱり夢中で何かに向き合う時間が長ければ長いほど人生は幸せだと思うので、その姿勢を普段から大切にしています。
あとは、個人としても、組織や市場においてもそうですが、「セクショナリズム」はあらゆる弊害をもたらすと思っています。自分は自分、他人は他人という風な協力的ではない考え方のことですね。
たとえば自分が営業だったとして、開発側で何か問題が発生した時、「開発側の話だから関係ない」と切り離して考えるのか、「営業として手伝えることがあるかもしれない」と思えるのかによって、そのときの状況が大きく変わってきます。
営業のアイデアやヒントで打開策が見つかることも大いに考えられますし、そもそも営業側のデータに答えが眠っていることだってあるはず。本来はお互いの間に壁や垣根はありません。背中を預け合うときは預け合って、必要なときには助け合うといった柔軟な姿勢が大切なんです。これからもそういったチーム作りを意識していければと思います。
今後のビジョンとしては、2022年に上場したことでさらに飛躍する未来を描けるようになったので、守るところは守りながらも、どのような困難も乗り越えながら夢を実現していける組織でありたいですね。
今も意識していることですが、「情熱と冷静の間を行き来している人」でありたいなと昔から思っています。というのも、京セラなどを創業された稲盛和夫さんの言葉のなかで「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」というものがあって、これがとても好きなんです。熱いけれど冷静な人、楽観的だけどシビアな人はかっこいいですし、良い仕事をすると思っているので、これからもそのバランス感覚を大切にしながら仕事に向き合っていきたいです。
学生時代の感覚を忘れずに、就活でも人との相性やフィーリングを大切にしよう
就活の企業選びで大切にしてほしいのは、「自分で決断した」という覚悟を持つことです。どんな仕事に就くかよりも、「どれだけ就活に向き合ったのか」という過程のほうがある意味では重要だといえます。それによって社会人としての最初の覚悟が生まれ、もし仕事で辛いことがあったとしても、やり切れる理由にもなると思うのです。
加えて、ファーストキャリアで考えておきたいのは、「教科書を読みたいタイプなのか、作っていきたいタイプなのか」ということ。これはどちらが良い悪いといった話ではなく適性によるもので、言われた通りにやっていきたい人もいれば、自分で何かを作りたい人もいますよね。前者の場合は充実した研修システムがあり、着実に成長できる企業、後者の場合はベンチャー気質で自由度の高い企業が良いのではないでしょうか。
最終的には、やはり「働く人との居心地の良さ」が大切です。直感的なところが大きいと思いますが、たとえば「学生時代に同じクラスだったら友達になれそう」と思えたら確実ですよね。ただ、仕事ではお互いを補完し合う場面も多いので、違うタイプ同士のほうがピースがハマることもあります。
今まで一緒にいて楽しかったような人に加えて、そうではないけれどフィーリングが合いそうなど、人との相性を大切にしてみてください。社会人になってからも人付き合いを大切にしていたら気の合う友人はできますし、仲間と楽しく仕事ができるので、就活の時点でそれを視野に入れておくのをおすすめします。
それと、これから社会でもとめられていくだろうなと思うのは、ハードスキルよりもソフトスキルをもっている人です。時代によって需要の高いハードスキルは変わっていきます。今で言うとプログラミングや語学力などでしょうか。もちろん積極的に学んでいくこと自体はとても良いことですが、目的がなく追いもとめ続けていても終わりがありませんよね。だからこそソフトスキル、いわゆる問題解決能力や学習意欲、向上心などの根底にある部分のほうが重要です。そこが培われていれば、将来どのような時代になってももとめられ続けますから。
就活で自分自身の生き方を見つめる人も多いと思います。「将来どうなりたいんだろう」「どういう生き方をしたいんだろう」と思い悩むかもしれませんが、多くの人に共通するのは「人としてかっこいい生き方がしたい」という部分だと思います。
具体的にイメージできなくても大丈夫なので、「かっこいい人ならどう言う判断をするのか」「どういう言葉を使うのか」と、ときどき自分に問いかけてみてください。たとえば漫画の主人公なら「絶対にできない」と弱音を吐くことはなさそうですよね(笑)。そのような指針がどこかにあると、いざというときに判断しやすいです。
仕事に対して、人生に対して真っ直ぐ向き合っていたらいつか結果はついてくるもの。ぜひ社会を楽しんでいってくださいね。
取材・執筆:志摩若奈
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