大きな目標があれば成長し続けられる|大事なのは「理解すること」「貢献すること」「本気になること」

プロシップ 代表取締役副社長 鈴木 資史さん

Motoshi Suzuki・大学卒業後、1998年にプロシップに入社。固定資産管理ソリューション「ProPlus(プロプラス)」の前身となるサービスの開発に携わる。2009年にはシステム開発の副本部長、2012年には取締役、2014年にはソリューション開発の本部長に就任。2022年、代表取締役副社長に就任し、以降現職

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大手志向の時代に自分の意志でベンチャー企業へ

就活生の頃、「成長産業に身を置いて自分の価値を高めたい」と思っていたため、当時急速に成長していたIT業界への就職を希望していました。

ほとんどの人が就職先として大手企業への就職を目指すなか、私はむしろベンチャー企業に就職したいと思っていました。というのも、大手企業に就職すると「自分の価値が相対的に低くなる」のではないかと考えていたからです。

大手企業の場合は学歴が重視されますし何百人もの学生が採用される場合もあるので、「自分の存在が埋もれてしまうのではないか」「ベンチャー企業のほうが、入社後の実力や頑張りを評価してもらいやすいのではないか」と思ったのです。そして、ご縁がありプロシップに入社することを決めました。

鈴木さんからのメッセージ

「学生までの自分」と切り替え、充実したキャリアを歩むこともできる

社会人になってから、良い会社や良い仕事、良い人との出会いによって、学生時代の自分からは想像できないくらい成長できたと思います。

当社は固定資産管理ソリューション「ProPlus(プロプラス)」を提供していて、「この製品を世界一にしたい」という想いがとても強い会社です。社員の皆さんもモチベーションが高く、私もその雰囲気に影響を受け、「自分の頑張りが、会社やみんなの目標につながっているんだ」という実感を得ながら仕事をすることができました。

さらには「もっと周りのために頑張りたい」という貢献心が育まれていきました。自分の損得や手柄を考えるのではなく、「どうすればチームのパフォーマンスが大きくなるのか」という視点で仕事をするようになりました。

就活生の頃は「社会人になったら頑張ろう」という漠然とした思いしかありませんでしたが、会社の環境に恵まれたおかげで、一気に成長することができたのです。皆さんも今は明確な目標がなくても、「高い目標やビジョンを持つ組織」や「貢献心に溢れた人の多い組織」に入社し、そこに共感ができれば、どんどん自分を変えることができると思います

キャリアアップの秘訣は「理解すること」「貢献すること」「本気になること」

これまでのキャリアでは、システム開発の副本部長や取締役を経て、2022年に代表取締役副社長に就任しました。今振り返ると、社内で評価を得てキャリアアップを実現できた背景には、「相手を理解すること」と「自分なりの貢献を果たすこと」、そして「仕事に本気になること」があったと思います。

若手の頃から周りに尊敬できる上司や先輩、同僚が多かったので、その人たちの考えを理解することを意識していましたね。上司がミーティングなどで発言をしたらすぐにメモに取る。そして、その内容を毎日寝る前に見返していたんです。次第に上司の考え方を理解できるようになり、自分が成長するうえで大きなヒントになりました。

さらに、上司がもとめていることを理解できるようになると「このような場面ではこうするはず」「何も言っていないけれど、今こうしてほしいのでは」などと先読みをして行動できるようになり、自分らしいやりかたでチームに貢献できるようになったのです。

「仕事に本気になること」も大切なポイントです。なぜなら、ビジネスの世界は本気になれば勝てるところだからです。

たとえばスポーツの世界は才能を持ったアスリート全員が本気なので、周りに勝つことはとても難しい。本気になったところで成功できるとは限らないでしょう。しかし、ビジネスの世界では本気になって仕事をしている人は少数派のように感じます。むしろ「どれだけ楽をできるか」を考えている人が多い。本気になることさえできれば、多少才能や能力が劣っていたとしても、周りに勝つことは実現できます

鈴木さんのキャリア変遷

そして、自分が本気になりやすい仕事は「自分が得意なこと」だと思います。ずば抜けて優れていることでなくても、「周りの人よりは上手くできる」というくらいで大丈夫です。相対優位という考えがあるように、チームのなかでの貢献度が高まれば、周りから重宝されやすいと思います。必ずしもデキる人と同じようになる必要はないのです。

ちなみに私の場合は、未経験で当社に入社しました。当時はプログラミングを身につけたいという想いで取り組んでいましたが、プログラミングを通じて当社の「ProPlus」に触れるうちに、会計や固定資産管理業務の知識も身についていきました。

プログラミングが好きで取り組んでいたのに、社会人1年目の時、「鈴木さんって若いのにいろいろ詳しくて凄いね」とお客様から褒められたんです。そうなると「もっとお客さんに喜んでもらいたい」と思うようになり、プログラミングだけでなく、会計や固定資産業務の知識習得にも本気になることができました。

周りの人より得意なこと、もしくは他社が真似のできない独自の専門性を発揮できる環境に身を置くと、仕事に対するモチベーションが高まり、本気になりやすいのではないでしょうか

「これから伸びる業界」かつ「大きな目標を目指す会社」を選ぼう

就活では、いま人気のある会社ではなく「これから伸びる業界」を選びましょう。今盛り上がっている業界よりも、皆さんが第一線で活躍する5年後、10年後にその会社、その業界がどうなっているかが大事ではないでしょうか。

企業の将来性を判断するためには、できるだけ市場の動向と企業独自の戦略を調べることが大切です。他社が真似のできない独自の戦略を持つ企業は持続的に成功できる可能性が高いですし、「人口の推移」と「テクノロジーの進歩」については、たくさんのデータが出ているので、ある程度先を見通すことができると思うため、チェックしておいたほうが良いと思います。

また、会社選びをするときは「大きなビジョンの実現を本気で目指している会社」がおすすめです。

当社も1969年の創業当初から現在まで着実に成長してこれたのは、「ProPlusを世界一にする」という大きな目標を掲げているからです。それを達成するために難易度の高いプロジェクトにも果敢に挑戦してきましたが、大きな目標がなければそれらはリスクやピンチと判断し、避けてしまったかもしれません。

同じ事実でも目標の持ち方次第で、チャンスにも、リスクにもなるのです。このように目標に向かって挑戦し続ける姿勢があるかどうかは、会社選びにおいて大切にしてほしいですね。

「仕事に対する姿勢」でキャリアの経験値が大きく変わる

社会人になって活躍できるのは「新しいこと、難しいことを面白がる人」です。皆さんも新しいことや難しいことに挑戦する機会があると思います。そのときに「嫌だな……」と思うのか、「面白しそう! 」と思うのかどうかで、その先の成長度合いが大きく変わります。

たとえば自分自身が上司の立場になったとして、同じチームに「仕事を面白がるAさん」と「消極的なBさん」がいるとします。2人のスキルが大体同じだとすると、新しい仕事や大きな仕事をどちらに頼むでしょうか。きっとほとんどの人はAさんに頼むと思うんです。仕事に対する姿勢によって、仕事を得るチャンスにも影響するということは、とても重要なことだと思います。

さらに仕事を面白がっていると、「もっとこうしてみたらどうだろう」とクリエイティブな思考になるので、1つの経験から得られるものが1だけでなく、5にも10にもなるんです。自身の経験値や成長具合も変わってくるので、ぜひ若手のうちから楽しく仕事をするために工夫してみてくださいね。

仕事に対する姿勢はキャリアの分かれ道になる

これから社会に出て大変なことがあったときは、このフレーズを思い出してほしいです。「7つの習慣(スティーブン・R・コヴィー著)」の一節にある「問題は自分の外にあると考えるならば、その考えこそが問題である」。

今でも行き詰まったときには、このフレーズに立ち返り、メンバーにもよく伝えています。苦しいときは、どうしても世の中や環境、お客様、同僚のせいにしてしまいがちですが、それだと状況は何も変わりませんよね。でも、自分のなかに問題があると考えることで、今自分にできることが見えてきて、次の行動を起こすことができます。このような意識を持って、本気で行動をすれば、あとは時間が解決してくれるはずです。

どのような場面でも、自分に何ができるかを考え、本気でキャリアを歩んでいってくださいね。

鈴木さんが贈るキャリアの指針

取材・執筆:志摩若奈

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