環境が人を成長させるのではない|企業選びに重要なのは「自分で決断する」こと

メディックス 取締役 両角創平さん

メディックス 取締役 両角創平さん

Souhei Morozumi・2004年上智大学卒業。新卒でメディックス入社後、業務委託先のリクルート社のメディアであるキーマンズネットのメディアセールス業務からスタートし、その後兼任で新商品企画にも携わったことから2008年には社外メンバーでは異例の通期MVPに選出。その後プレイイングマネジャーを複数の立場で経験したあと、2014年にBtoBクライアントに特化したデジタルマーケティング支援をおこなうビジネスマーケティング部を発足させ部長に就任。2018年に本部化し事業拡大させ、その後2020年より並行してBtoC領域のクライアント向け営業組織の責任者も兼務し、2021年より現職

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就活に絶対的な答えはない。広い視野と直感を大事にして就活に挑もう

就活生のときにメディックスに出会えたこと。これが私の人生を大きく変えました。

もともとは新聞記者になりたいと思っていたので就活ではいくつかの新聞社を受けましたが、残念ながら内定をもらうことはできませんでした。卒業に必要な単位取得もまだ残っていたので就職浪人することも頭によぎりましたが「まずは社会人としてさまざまな経験を積んで力をつけよう」と考え、業界を変えて就活を継続することに。

そんな中参加したメディックスの説明会がとても印象に残りました。

入社2、3年目くらいの若手の社員が話していたのですが、飾りっ気がなく脱力感すら感じたのです(笑)。ほかの会社がキラキラした、とにかく自社の良い話ばかりをしているように見える中で、まったく飾らない正直な雰囲気がとても印象的でしたね。その後の面接でも、人間味溢れる方たちと面接っぽくない話をしながらお互いの理解を深めることができ「この会社なら人間関係で苦労することはなさそうだな」と感じました

また、事業としても、まだネット広告黎明期ともいえる時期であり「やりがいがありそうだな」と感じたため、メディックスへの入社を決めました。

両角さんからのメッセージ

振り返ってみると、就職先は「直感」も頼りにして決めたといえますね。それでもかれこれ20年ほど同じ会社で働いているので、縁とはわからないものです。

就活生のときに新聞社しか見ていなかったら、知らなかったことがたくさんあったと思います。新しい発見につながることもあるので、就職活動はぜひ視野を広げて直感も大切にしながら挑んでみてくださいね。

成長できないことを環境のせいにするのはもったいない。まずは今できることをとことんやりきろう

メディックス 取締役 両角創平さん

当社の当時の方針で、入社後まずはいわゆるテレアポをする日々が続きました。毎日ひたすら電話を掛け続ける泥臭い仕事なので、理想とのギャップを抱える同期もいましたね。

一方自分は「こんなものだろう」と考えていました。もともと直感を頼りに入社したこともあって、細かい仕事内容にこだわりがなかったことも大きかったと思います(笑)。営業職への先入観もなかったし、身の丈に合わない理想や特別な希望もなかったんですよね。だから変に仕事や環境に疑問を感じることもなかったんです。単純に今まで経験していなかったことに取り組んでいるという意識でいました

今の学生や転職希望者に話を聞くと、社会人として“成長したい”と語る人が多い印象です。そしてその成長のために適した環境を選択するのが就職や転職だと考える人も多いように感じます。しかし「成長できる・できないを環境だけのせいにしてはいけない」ということは伝えたいですね。

環境も成長に影響を与えることは間違いありません。たとえば、メディックスで働くとすれば、広告運用スキルを磨いて顧客に提供していくにあたり、論理的思考力、プレゼンテーション力、周囲との連携を深めるコミュニケーション力、プロジェクト推進力など、多くの成長をもとめられる機会が多々あると考えています。

しかし、それらを学ぶために整った環境だからといって必ずしも成長できるわけではないでしょう。逆に、環境が整っていないからこそ工夫を重ねることで成長できる場合もあると思うのです。このように考えると「環境が成長の必須条件ではない」といえますし、成長における環境の要素は半分以下なんじゃないかなとも思いますね。

環境だけが成長の条件ではない

 

まずは今いる場所で頑張ってみる。うまくいかないことをどう乗り越えるか、自分なりにできることを突き詰めて考え、実行してみる。やりきっていないのに環境だけ変えても、また同じような壁にぶつかるだけな気がします。

むしろ「環境のせいで上手くいかない」と考えてしまう“癖”がついてしまうと厄介です。私は立場上、中途採用の面接で短期間に何度も転職を繰り返している方とお話する機会がたまにあるのですが、「環境のせいだと考える癖が付いてしまって、負のループから抜けれなくなっている」と感じる人もいます。

少し厳しいことを言えば、「条件が整った環境においてのみ成長し力を発揮できる人」が魅力的に見えるかというと、残念ながら見えないのです。だからこそ学生の皆さんにも上手くいかないことを環境のせいにしてしまうのはもったいないよ、ということはぜひ伝えたいですね

企業選びでは「自分で決断すること」が重要

どんな就職先を選んだとしても最終的に成長するかしないかは自分の努力次第で変化させることができます。

しかし強いていえば自分のモチベーションが保てない就職先は避けるべきでしょう。そのためには自分にとって許せないもの、受け入れ難いものなど「これだけはない」と思うことは明確にしておくと少しはミスマッチを防げるかもしれません。私の場合は人間関係的にも風通し良く、自分の意見をはっきり主張できる環境かどうかを重視していたように思いますね。

また、最終的に就職先を選ぶ際は「ここで頑張る」と腹をくくることが一番重要なのではないでしょうか。仕事をする中で辛いことや大変なことは必ずあります。そういう局面でも頑張れるかどうかを自分で決断したかが大事だと思うんです。自分自身で「決める」ということは、自分の選択に責任を持つという「覚悟」が必要です。

企業選びでは自分が頑張れる場所かどうか見極め、まずは一通りのことをやり切ると「自分で決断する」ことまで意識してほしいですね。そこでの覚悟が、今後成長していくために必要な要素になると思いますよ。

両角さんが考えるファーストキャリアを選ぶポイント

 

今もとめられる「本質を見極める力」とは。視野を広げることから始めよう

デジタル化された情報が溢れる現代においては、物事を主観的なだけでなく客観的にも捉え、適切に判断する力がもとめられるでしょう。客観的に判断するには何かしらの尺度を持つことが必要です。

たとえば同じデータを見ても、その背景や意味をしっかりわかっているかどうかで理解の深度が変わります。数字やデータは客観的なモノと思われがちですが、一部の数字だけを抜き出すなど恣意的に使用される場合もあるでしょう。そのため数字やデータをそのまま信じるのではなく、さまざまな角度から考えて本質的な判断を下せる人材が今後ますますもとめられていくと思います

そういった人材になるためには世の中に関心を持ち、広い視野を持つことが重要です。自分の興味関心だけにとどまっていると、どうしても恣意的な意見に流されてしまうことも多いでしょう。自分とは違う意見、世界、観点を知ってこそ、客観性が磨かれていくと思います。

客観性を育む特効薬はありませんが、新聞やニュースを見ることはもちろん、自身と異なる経験や知識を持った方とたくさん意見交換するのもおすすめです。まずは世の中に興味を持って自分なりの考えを持つ。そして、いろいろな方たちのさまざまな意見も受け止め交じり合わせていくことで、初めて理解できる世界もあるでしょう。本質的な思考を身につけるうえで意識的に取り組んでいくと良いのではないでしょうか。

情報が溢れる社会でこそ必要な能力

少しの「遊び」が未来に繋がる。今しかできないことを全力で楽しもう

ここまで少し厳しいお話もしてきましたが、若い方たちには「もっと気楽に考えてもいい」ということもぜひ伝えたいですね。

たとえば当社はデジタルマーケティングの支援会社として多くのクライアントから信頼されており、社員たちはクライアントからの期待に答えようと責任を持って必死に頑張ってくれています。

強い責任感で働く社員が多くいることは誇るべきことであり素晴らしいことです。一方でほんの少しだけ「遊び」の部分を持つことも大事なのではとも考えています。そうすることで目先の目標だけでなく、その先の大きな目的に対して必要なことを考えていく余裕が生まれると思うんです。

「顧客のため」「責任を持って」という意識に加えて、たとえば仲間のためかもしれませんし、自分の夢の実現につなげたいという場合もあるでしょう。そういったポジティブな要素を感じながら動ければ、より良い発想・アイディアも生まれてくるのではと思います。

だから私はポジティブな目的意識を持てるような、組織・制度・人材を作っていきたいと思い日々色々と動いています。若い方たちには未来志向のためのある種の「気楽さ」も忘れずにいてほしいですね。

最後になりますが、学生の皆さんには「今しかできないこと」を全力で楽しんでほしいです。私も学生時代はテニスをやらないテニスサークル(笑)で楽しんだり、海外旅行に行ったり、アルバイトをしたり、バンド活動をするなど学生生活を謳歌していました。今もできないわけではないですが、時間と体力、意欲があって純粋に楽しめた貴重な時間だったなあと思います。

今しかできないことを存分に味わうことは、いつだってその後の人生の後押しになるはずです。ぜひ時間がある学生時代のうちに、やりたいことには積極的にチャレンジしてくださいね。

両角さんが贈るキャリアの指針

取材・執筆:鈴木満優子

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