理想からキャリアを逆算する|大切なのは1つの目標に向けて一点突破すること

あわえ 取締役 執行役員 吉田和史さん

あわえ 取締役 執行役員 吉田和史さん

Kazufumi Yoshida・大学の経営学部事業支援学科を卒業後、新卒でIT関連のコンサルティング会社に入社。経営コンサルタントとして民間企業へのコンサルティング、IT導入サポートなどをおこなう。その後、あわえに入社し、地域人材育成事業の統括や全国に地域活性化事業を広げていく地方創生推進部の立ち上げと拡大に従事。現在は、あわえの取締役 執行役員と地方創生推進部の部長を兼任している

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「1冊の本との出会いが人生を変えた」日々触れる情報がキャリアにつながる

新卒ではコンサルティング会社に入社し、経営コンサルタントとしてキャリアをスタートしました。経営コンサルタントを目指そうと思ったのは、15歳のときに出会った「13歳のハローワーク」という本がきっかけです。

中高生向けに500以上もの職業が紹介されているなかの1つの職業として、経営コンサルタントが紹介されていました。企業の業績を上げるために交渉し、戦略を作るというような説明を見て「かっこよく働けそうだ」と直感的に惹かれ、経営コンサルタントを目指しました。

今振り返ってみると、こうした日々の何気なく触れている情報をきっかけに自分のキャリアが少しずつ明確になっていったと感じています。ほんの些細な情報がキャリアの参考になることもありますよ。

就活で受けた企業はたった2社、自分で決めた道への一点突破が成功のカギ

そこから芯はブレず、就活ではコンサルティング業界に一直線でした。

就活では強く入社を志望していた2社のみ選考に進みました。当時は大手志向の学生の割合が多く、100社くらい選考を受ける人も珍しくなかったので、周りから見ても受けた企業数は圧倒的に少なかったですね。

企業を受ければ受けるほど、1つの企業の選考対策に割ける時間は少なくなる。それなら志望度の高い企業の選考対策に多くの時間を費やすことで、必然的に内定を獲得しやすくなるだろうと考えたのです。

就活成功のカギは入社したい企業に的を絞ること

内定を得るために意識したことは、「自分は入社後に活躍できる人物だ」と企業にアピールするための材料を集めることです。コーポレートサイトを徹底的に読み込み、まずは企業が求める人物像について調べました。

そして、志望企業で活躍できる人材であることを証明するため、今の自分に足りない経験やスキルを補うことに注力しました。たとえば、アルバイトでコンサルタントとして必要なスキルを身に付けることを意識したり、さまざまなインターンに参加して実務ベースでの経験を積みました。

企業で活躍できる自分を徹底的に作り上げたので、ほかの学生には負けないだろうという自信がありましたね。結果的に、無事に入社を希望していた2社に内定をもらうことができました。

入社したいと思える企業が明確であれば、自ずと自分に足りないものが見えてきます。足りないスキルを補い、入社したい企業に一点突破で挑んだことが、自分の目標を叶える近道だったと思います。

吉田さんからのメッセージ

「標準以上のスキル」を「短期間」で身に付けられる会社を選ぼう

もし会社選びに迷ったら、標準以上のスキルが短期間で身に付く会社を視野に入れてみてはいかがでしょうか。今やりたいことがわからなかったとしても、スキルや経験さえ持っていれば、キャリアの選択肢を広げることができます。

私のキャリアを充実させるうえで欠かせない要素は「お金を儲けること」「自由があること」「社会性の高い仕事をすること」の3つです。シンプルですが、最初からこれらすべてを満たすのは難しいですよね。この3つを実現させるために、まずは自分の能力を高めました。

自分自身に能力があれば、キャリアアップしてお金を稼ぐこともできますし、自由度高く働くこともできます。社会に大きく貢献することもできますよね。つまり、自分の能力を上げれば、理想のキャリアを実現しやすくなるのです。

そういう意味でも、ファーストキャリアに選んだコンサルティング業界は正解だったと思います。基礎思考力や交渉力、資料作成スキルなど社会人基礎力を鍛えられ、まさに標準以上のスキルが短期間で身に付く環境でした。さらに、ビジネスの第一線で活躍する経営者とやり取りする中で学ぶことは多く、会社全体を俯瞰してみる力や経営知識など視座の高い知見が身に付きましたね

このようにどこの会社に転職しても恥ずかしくないスキルを最短で身に付けられる環境があるのは、コンサルティング業界ならではの魅力ではないでしょうか。

あわえ 取締役 執行役員 吉田和史さん

直感を信じよう。揺るぎない意思決定のコツは感情に素直になること

転職して「あわえ」に入社したことは、人生のターニングポイントの1つです。あわえとの出会いは偶然の産物といえますね。たまたまテレビ番組であわえの特集を見て興味を持ち、すぐに「社長と面談がしたい」と電話でアポイントを取りました。転職したいという気持ちではなく、純粋に興味があってその会社を知りたいという気持ちでいったのに、そこからとんとん拍子で入社が決まりました。

あわえの本社は私の地元である徳島にありますが、特に地元志向があったわけではありません。それに正直、地域創生事業に興味があるというわけではありませんでしたね。しかし、転職を決めたことにまったく迷いはありませんでした。

当時の徳島は地方創生のトップランナーとして「VS東京」というコンセプトのもと地方ならではの魅力を打ち出していました。直感的に今後は個々のスタイルに合った働き方や生活が重視されているだろうと、地方創生事業への大きな可能性を感じました。

また、コンサルタントとして働くうちに「自分で事業を作りたい」という思いも芽生え始めていたので、「自分で事業を作りたい」という思いと直感的に感じた地方創生への可能性を信じて転職を決めたのです

吉田さんのキャリア変遷

迷ったときの意思決定のポイントは、自分の感情に気付くこと。どんなに迷うことがあっても、案外答えはすでに自分の中で決まっていることが多いと思います。だから私は、自分の感情が動くかどうかを基準に意思決定をしています。

たとえば就活では、会社で働く姿をイメージして「かっこいいな」「わくわくするな」と心が動いたら、それは自分にとって魅力的な会社なのだと判断していました。シンプルなことだと思うかもしれませんが、意外と自分の感情に気が付いていない人が多いように感じます。

就活で選択肢に困ったら、その会社で働く自分をイメージして「かっこいいと思えるのか」を1つの判断基準として持っておくと良いかもしれませんね

吉田さんがおすすめする迷ったときの重要な判断軸

成長していない自分に嫌気を感じる人であろう

新社会人として仕事をするうえで、ぜひ自分の成長に貪欲であってほしいと思います。日々業務をおこなうなかで、成長していない自分に嫌気がさせるような人は大きく成長できると思いますね

一般的には「顧客のために仕事をする」という意識を持つことが理想的とされているかもしれません。しかし、最初から誰かのために仕事をするのはハードルが高いことだと思うのです。自分にできることが増えて初めて「ここまで成長させてくれた会社に貢献したい」という気持ちが芽生えてくるものではないでしょうか。

なのでまずは、「自分が成長するために働く」という意識が成長へのファーストステップだと考えています。

1カ月前の自分と比較して、できることが増えているか確認することを習慣づけていました。「こんなこともあんなこともできるようになった」と自信を持って答え続けることができたら、数年後は想像もつかない程大きな成長を遂げていることでしょう。

今となっては、自分を成長させるよりも会社の成長のために貪欲に取り組んでいます。直近の目標はあわえを社内外ともに憧れるかっこいい会社にすることですね。会社の規模を拡大させ、「地方を元気にしたい」という熱意を持って仕事に励んでいる社員がしっかり活躍できる環境作りに励んでいます。

ビジネスに超えられない壁はない、努力を楽しむ工夫をしよう

自分の努力次第でいくらでも成長できるところは、ビジネスの魅力の1つだと思います。

学生時代の部活では体格の差など努力では超えられない壁を感じ、挫折を経験することもありました。しかし、社会人になって「挫折」を感じたことは1度もありません

もちろん仕事をする中で失敗も怒られた経験も山ほどありますが、失敗は次に活かせば自己成長につながります。仕事は頑張り次第でいくらでもスキルを高めることができます。成長する努力をし続けることで、いくらでも高みを目指すことができるのがビジネスの魅力なのです。

とはいえ長い社会人生活の中で「自己成長しよう」と日々モチベーションを保ち続けるのも簡単なことではありませんよね。そこで私は、努力を楽しむことを大切にしています。努力を楽しむコツは、小さなアクションから始めることです。小さなことでも続けていくうちに、自然と楽しいという感情が生まれてくると思うのです。

吉田さんからのメッセージ

高校生のときは本を読む習慣がありませんでした。しかし、経営者が口をそろえて読書が大事だというので、そこから15年ずっと本を読み続けています。たとえばYouTubeを見てリラックスしたいと思うときでも「本を1ページ読んでみる」など小さなことから始めると、いつの間にか本を読み進めている自分がいます。

このように、どんなに小さなことでも良いので毎日行動し続けることが「成長を楽しむ段階」にたどり着くコツです。学生のうちから努力を楽しむ工夫ができると、成長し続けられる自分を作ることができますよ。

取材:柳瑛紘
執筆:間宮美咲

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