面白そうという直感×ビジョンへの共感で最強キャリアを築こう|小さな成功を積み重ねて進め!

Mellow(メロー) 取締役 西真田 寛人さん

Mellow(メロー) 取締役 西真田 寛人さん

Hiroto Nishimata・明治大学農学部卒業後、IT企業にてプロモーションや採用を担当。その後、2017年4月にMellowに参画。2019年6月より関西事業の立ち上げに携わる。2021年12月、地方拠点立ち上げの経験を元にエリア多角化戦略を立案。同戦略を推進するSHOP STOP(ショップストップ)ローカル事業を立ち上げ、事業責任者に就任、以降現職

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先入観を捨てれば仕事の「面白さ」に気づく

周囲と違うキャリアを選んだこと。これが人生における最初のターニングポイントになりました。

大学時代は農業経済を学んでいたので周囲は就職先として食品や化粧品分野を目指す人が多かったのですが、自分はあまり興味を持てませんでした。むしろ積極的にみんなと違う業界を選ぼうとしていたくらいで、当時勢いを感じたITベンチャーに就職。特にITに詳しいわけでもなかったのですが、面白そうだなという直感を信じたのです。

実際入社してみると、「社会人ってこんなに熱心に仕事をするのか」と感心するばかりで、毎日新鮮な驚きがありました。社会経験のない学生が一人前を目指して仕事をしていくので、日々学ぶことばかりでした。怒られることも、飲みにつれて行ってもらうことも、すべてありがたいと思っていましたね。

就職活動の時点で確固たる業務や組織のイメージがあって、それと実際のギャップに苦しむ若手社員も多いと聞きますが、そもそも働いたことがないのだから、必要以上にイメージを固める必要はないと思います。働くって思ったより楽しいですよ(笑)。まずは先入観を捨てて目の前の仕事に取り組めば、思った以上の経験ができると思います。

「会社の考えがしっくりくる」。ビジョンに共感できる企業を選ぼう

同社には面白そうという直感のもと入社し、プロモーションや採用の仕事を経験させてもらいました。日々学びも多く楽しい日々ではありましたが、次第にもっと違うジャンルのこともやってみたいと思うように。そんなときに出会ったのが、現在所属するMellowでした。

当社はフードドラック(キッチンカー)を支援する事業をおこなっているのですが、2017年当時は新型コロナウイルス感染症の流行前ということもあり、フードトラックは今ほどメジャーな存在ではありませんでした。もちろんイベントやオフィス街のランチなどで見かけることはあったものの、ちょっと珍しいという印象がありましたね。そんなフードトラックを通じて、個人の可能性を大きく広げていくという会社のビジョンに、驚きと感動を覚えたのです

たとえばエジプトのファーストフード「コシャリ」を広めたいという想いで脱サラし、キッチンカーを開業したオーナーさんに出会ったのですが、その生き方に強くひかれました。多くの日本人にとっての未知の食べ物を広めることに全力を傾け、会社員ではない生き方を選び取ったその思いを全力で応援したいと思ったんです。フードトラックのプラットフォーム事業を通じて、個々の想いやこだわりを実現できる。そんなサポートができるのは幸せな仕事だと感じました。

当時まだ10人程度の小さな会社でしたが、転職に迷いはありませんでした。事業自体の面白さと、ビジョンへの共感が背中を押してくれたと思います。「会社の目指していること・未来がしっくりくる」という感じですね。人生で数あることではないかもしれませんが、本当に自分の価値観や感覚にマッチする場所があれば、ぜひ迷わず踏み出してほしいです。

西真田さんのキャリアの気づき

当時当社はまだ立ち上げから1年程度だったので当然決められた業務なんてなく、正解がわからないから皆手探りでやれることを進めていく段階でした。その中で社員同士の衝突や離脱などもありましたが、悪戦苦闘しながら事業を育ててきました。

そのときは何が正しいのか、何ができるのかを自問自答する日々でしたね。そもそも自分は何かの専門家でもなければ、長い経験を積んでいるわけでもありません。何者でもないただの社会人で、将来どうなっていくのかすら、明確に考えているわけでもなかったのです。

だとしたらできることは1つ。今ある環境、人の縁の中で、できることに全力を尽くすことだけです。今できることを精一杯やることで成長し、変化し、周りにも影響を与えることができると信じて進みました。

誰だって最初は何者でもないはず。そこでどう動くかによって、将来は無限に変化します。プロではないからこそ、まっすぐに愚直にできることを積み重ねられるとさえ思います。今動くことで、未来を変える。それは経験もない専門性もない人であっても、できることではないでしょうか。

西真田さんからのメッセージ

大きな目標でなくていい。まずは「身近なところ」で1番を目指そう

Mellow(メロー) 取締役 西真田 寛人さん

入社から2年後、関西拠点の立ち上げを命じられました。これもまた決められた手順なんてありませんし、どうやってやれば良いのか、皆目見当もつかないミッションでした。しかし、必死の奮闘を重ね、なんとか会社で初めての地方拠点を作ることに成功したのです。

その成果もあり社内では「地方の話は西真田に聞け」と言っていただけるように。思い返すと前職のときも必死でテレアポの実績を重ね、「テレアポは西真田に聞け」と言われたことがありました。

日本全国や世界で1番になるのは簡単なことではありません。でも身近なグループの中でなら、比較的1番を目指しやすいのではないでしょうか。社内やグループ内、同期の中で1番になれることが1つでもあれば自信になるし、居場所もできます。私も1つの分野で成果を残したことで実際に頼ってもらう場面も増えました。

1番を目指すのは、どんなジャンルでも構いません。エクセル使いがうまいとか、電話応対が抜群とか、社内システムに精通してるとか。小さなことであっても何か実績ができれば、職場の居心地が変わります。処世術とまでは言えないかもしれませんが、一生懸命努力した先に「これだけは自信がある!」というものを得られたら良いですよね。

大きな目標を掲げて失敗を恐れないのも素敵ですが、“小さな成功を繰り返す”つもりでステップを上がっていけば、気がついたら1番になれるものです。目の前のできることをやって、小さくとも成功して、さらにステップアップしていく。その成功の循環を作っていくことで、周囲の中でプロを目指せるのではないでしょうか。

小さな成功を積み重ねて自信をつけよう

自分とは違うからこそ発見もある。属性・世代を超えてコミュニケーションを取ろう

仕事を頑張る基盤になるのは「人」だと思います。私が当社に転職したのも、素晴らしいビジョンとともに、代表の魅力的な人柄があったからでした。私が支えたいと思うのも、フードトラックオーナーの熱意やこだわり、個性に惹かれるから。キャリアにおいて人は大切な要素です。

振り返ると自分が惹かれた人は、自分とはまるで異なる人でした。違った背景を持ち、異なる考え方があり、別の場所に属している人。だからこそ興味を持って交流してみたいと思うのです。

たとえば最近の若手社員と話していると、デジタルやSNSが当たり前の世界で育ってきたから、そういった部分では価値観が違うところもあると感じますし、良い意味でその強みや感覚をうらやましく思うこともありますね。だからこそ世代で括らずに、多くの人と関係を深めていくようにしています。

自分が知らない、わからない、相容れないかもしれないものに興味を持ち理解しようとすることで、人間性が育まれるのではないでしょうか。上司は世代が違うからと切り捨てずに、わかろうとすれば面白い部分があるかもしれませんし、それぞれの良さを感じる感性も育むことができるでしょう。

自分とは違う人とも一緒に何かを進めていけることが、仕事の面白さの1つだと思います。ぜひ自分と同じ属性の人だけでなく、違う価値観を持っている人とも積極的にかかわってほしいですね。

自分と違う人へ目線を向けよう

未来の予測が難しいからこそ「自分で決める」ことが重要

現代は予測がつかない時代。世界規模のパンデミックが起こり、人間同士が争っている世界を、数年前に予測できたでしょうか。

同様に、どんなに賢くても、これから起こるすべてを見通せることはありません。予想を超えた環境の変化は続き、私たちは順応していかなければならないのです。そのため変化に対応できるような心構えや、いくつかの選択肢を持って、キャリアを積み重ねていくことが重要です。

どの企業に入るのか、転職するのか残るのか、結婚するのか、引っ越すのか……。先が見えない中で選択するのが難しいのは当然です。だからこそ選択したのは自分だという自負を持つことを忘れないでほしいですね。

相手のせい、環境のせい、時代のせいにするのは簡単ですが、それを踏まえて決めるのは自分です。自分で決めたのだという納得感があれば、その後の苦労や経験も前向きに立ち向かえるのではないでしょうか

たとえば私は子どもが生まれてからは、家庭のことにも時間を割きたいと思って奮闘中です。仕事も家族も大切だからこそ、思ったようにはいかないのが歯がゆいですよ(笑)。時間ややることで家事を分担しようとするとうまくいかないので、仕事のときは仕事、家庭にいれば家族に意識を100%向けるようにしました。まだ試行錯誤の最中ですが、自分で決めた「プライベートも大切にする」生き方のためには、悪くない方法だと思います。

私生活も充実させながらキャリアを築きたいと思っている皆さんも、自分で決めたという誇りと納得を持ってキャリアと人生を切り開いていってくださいね。

西真田さんが贈るキャリアの指針

取材・執筆:鈴木満優子

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