奇跡のようなご縁に感謝すれば道は拓ける! 周りの人を大切することで豊かなキャリアと人生を手に入れよう
Maxability(マックスアビリティ) 代表取締役社長 會田 孝弥さん
Kaida Takaya・10代から社会に出て働き、金融業界で証券営業において傑出した成績を残す。2010年、アイゾーン専門サロン「DL・BEAUTY」を運営するMaxability(マックスアビリティ)を設立。現在、飲食事業や美容事業など複数の会社を経営。「人は宝、人を大切にし、ご縁に感謝」を掲げて、アイブロウ市場においてはパイオニアとして、日本におけるアイブロウ文化の普及・定着にも力を注ぐ
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逆境にこそワクワクする性分がアイデアを生み出す
昔から逆境にワクワクする性分でした。ピンチの時こそ人一倍働き、知恵を巡らせ、周りの素晴らしい人とつながりながら、より良い状況に展開できると経験上知っているんですよね。
現在Maxabilityを含めた5つの会社を経営しています。実はコロナ禍に4社を立ち上げたんですよ。アイゾーン専門エクステサロンを運営するMaxabilityは店舗売上が苦戦しましたが、その逆境が新しい事業を生み出してくれたとも言えます。
私は家庭環境にあまり恵まれず、早くから社会に出て、自分の道を切り開いてきました。人は誰しも自分が育った環境が普通だと思うので、若いうちは自分と周囲の人との価値観や意識の違いを理解できませんでした。目標達成のためなら、休みなく働くのが普通だと思っていたので、周りは怠惰だと感じることも多かったです。
逆境でもワクワクしてしまうのも、そういった生まれた環境に寄るところもあるのかもしれません。
私のような感覚は珍しいかもしれませんが、そんな考え方と実際の成功例もあると知っていれば、逆境の捉え方も変わってきませんか。うまくいかない時は、次の展開に向けた転換の時期でもあるんです。
ビジネスの未来を見通す力と周囲の協力が成功の鍵
逆境が好きということと同時に、「未来が見える」という自分の特徴があります。何だかスピリチュアルな話に聞こえそうですが(笑)、そうではなくて、「このビジネスはこんな風に形になる」というイメージが浮かぶんです。
Maxabilityのアイビューティー事業も、開業当時はまだまだ黎明期でしたが、事業としての発展性を確信して起業しました。未来が見えるのは直感が大きいですが、もちろんさまざまなトレンドや市場・市況、関係者の実感なども含めて細かく精査した上での、直感です。
美容の需要は拡大すると感じていて、業界外の自分でも参入しやすいアイビューティーに内容を絞ることにしました。
未来を見通してイメージを描くのは得意ですが、そこにたどり着く資金や人的資源があるかないかは別問題です。ビジネスを進めていくには、自分の能力だけでなく、必ず周囲の力が必要です。Maxabilityの開業時はもちろん、コロナ禍での開業でも周囲の人のおかげで業績を上げることができました。
周囲にアンテナをはって情報を集め、人とつながることで、先を切り開くことができると感じます。会社員であっても、先に進むときには必要なステップだと思いますよ。
会社を始めるまでは、さまざまな仕事を渡り歩いてきました。証券の営業をしていた時には、何度も営業成績一位をとって、さらに上を目指していました。どこまでも成果を追い求め、お金も追い求めていたし、それに見合う努力を続けてきました。でもそこで実際に成功した時、すごく虚しかったんです。
たとえば世界に一台のフェラーリを持っていても、見せる人、乗せる人、一緒に共感してくれる人がいなければ、その価値は半減します。素晴らしい成果は、誰かに評価されてこそ意味を発揮します。自分一人の自己満足ほど虚しいものはないのです。お金は大切なものですが、それだけでは満たされないということを知りました。。
では、お金に変わる大切なものは何か。それは「縁」だと思います。自分と関わってくれた人、その奇跡的な出会いやつながりこそが、本当に価値のあるものだと感じるようになったのです。最初の起業もコロナ禍での新たなビジネスも、周りの人の力あってこそ進められました。一人で奮闘していた時に3億円だった売上は、周りの人を大切に尊重する姿勢に変えてから10億円に伸びたんです。
冷静に考えると、誰かと出会って関係を築くということ自体が、本当に奇跡です。70億を超える人がいる世界で、天文学的な数字の確率ですよね。そのことに気づいてから、自分は18歳から会った人全員に、毎年誕生日のメッセージを送っています。簡単なメッセージですが、ご縁への感謝を込めています。
それでも世間は競争社会で、人を大切にするなんて理想論だという人もいるでしょう。人を蹴落としてでも成功すべき、という考え方を持つ人も少なくないのかもしれません。
でも、人を欺いて短期的に成功しても、長期的には失敗に陥ります。自分の経験もあるし、周りでいくつもそんな例を見てきました。目先の成功を重ねても、周りに誰もいなくなっていたら、人生はまるで豊かではないですよね。
仲間のモチベーションを高めるコツは「距離感」
せっかくのご縁は末長く大切にしたいと思って、会社を率いてきました。たくさんの社員をまとめるにあたっては、距離感を大切にしています。組織になったら全体に対しても、この距離感の気配りを徹底させます。
毎日コミットして時間を重ねてほしいと考えるスタッフがいる一方で、成果をしっかりと共有してくれれば、あとは放っておいてほしいと考える人もいます。友達でも家族でも、そうですよね。この適切な距離感を間違えてはいけません。
自分は大して優秀ではないと思います。でも私を取り巻く人たちの中には、能力の高い人がたくさんいます。こうした人の間に立って、力を存分に発揮してもらうのが経営者としての役割です。
たとえば当社のスタッフは圧倒的に女性が多いのですが、一般的に女性のキャリア形成の課題とされることが多い、出産や育児を経たとしても、更に活躍できる環境を整えたいと考えています。金融業界にいた時は男性社会だったので、美容の世界に入って女性の能力を活かしきれていない環境に、目を見開かされました。女性の経営者、女性のリーダーを増やしたいですよね。
仲間をまとめるために
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それぞれの人に合わせた距離感を保つ
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周囲の優秀な人が力を発揮する場所を整える
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仲間のモチベーションを上げて利益を還元
経営者は時に孤独です。未来が見える感じ、も理解されないと孤独に繋がります。だからこそ自分は縁を大切に、仲間が活躍できるような場所やステージを作りたい。仲間のモチベーションが上がり、それによって彼らの得るものが大きくなるのなら、これに勝る幸せはないし、自分の孤独感も薄まるような気がします。
期限付きの目標を
何か先に進む時は、期限付きで目標を立てると良いでしょう。しかも、来年、3年後、5年後などの短めのスパンで、具体的な数字をあげましょう。私もいつも目標を掲げて進んできました。
金融業界で営業をしていた時は、年収を設定していたように思います。まずはわかりやすく、「これくらい稼ぎたい」というのも良いと思いますよ。そのために何をしたら良いのか、道筋が見えてくると思います。
その次は、活動自体の意義を目標にしてみましょう。自分の行動やビジネスが周囲の人やお客様、ひいては社会にどんな影響を与えるか。周囲へのインパクトを目標にしてみると、視点も広がります。自分だけで達成できるわかりやすい数値目標から、もう少し複雑だけど成し遂げたいビジョンへと、視座をあげていくんです。
周囲への感謝の気持ちを忘れないことが飛躍のために必要な要素
自分が今経営者として成し遂げたいのは、スキルや経験を周囲の人に還元して、みんなの得るものが増えること。社員のモチベーションを上げ、お客様の満足度を高めるのは、その一環です。
自分が還元できることを、まだまだ増やさなければならないとも感じています。米国流のアイブロウを整える事業も行っているのですが、この分野は日本ではまだまだ黎明期。アイブロウ市場の第一人者になって、日本にアイブロウの文化を広め、根付かせたいです。いつか振り返った時に、「アイビューティーといえば會田」と言われるくらいの貢献ができれば、きっと世の中に還元できるものも大きくなるはず。
仕事とは、考え方と能力と熱意の掛け算だと言われます。考え方は大人になってからそれほど大きく変わらないでしょうし、能力は伸ばしていくことはできるけど限界はあると感じます。唯一、熱意だけがどこまでも飛躍できる要素です。ご縁を大切にしている自分は、熱意を感謝と読み替えています。
周囲への感謝を忘れずに、それを広げていくことで、より充実した仕事、ビジネス、そして人生につながると信じています。実は自分自身の人生ももっと豊かにしたいなと思っていて、未だ独身なので家族を持ちたいなと考えているところです(笑)。
取材・執筆:鈴木満優子