目次
- ニートの末路で怖いのは選択肢が狭まること! 未来の自分を考えて「今」行動しよう
- まずは用語の確認から! ニートの意味や似た言葉について解説
- ニートとは
- 無職とニートの違い
- 考えられるニートの6つの末路! 将来への影響をチェックしよう
- ①収入がないため生活が破綻する可能性がある
- ②社会的信用がなくさまざまな場面で不便になる
- ③人とのかかわりが少なくなり他者と疎遠になる
- ④経歴的には空白期間になるため就職が難しくなる
- ⑤仕事を通じての経験などがないため成長のチャンスもない
- ⑥孤独感や不安感などで精神的に滅入ってしまう
- 実際にニートの末路に行きつくまでの流れは? 段階ごとに状態の変化を解説
- ①収入もなく外に出る機会も減っていく
- ②時間が経つほど就職が難しくなり働く意思も弱まってくる
- ③周囲をあてにするしかなく不安を抱えた生活になる
- ④生活保護が受けられない場合は暮らしていけなくなる
- あなたは当てはまる? ニートの末路に至ってしまいやすい人の3つの特徴
- ①「働く」ということへの解像度が低く過度に恐れている
- ②「今楽ができればいいや」と将来を楽観視しすぎている
- ③周りの人の助けで成り立っていることを理解できていない
- ニートでいられなくなったときこそが問題! 未来を見すえて行動計画を立てよう
- ニートから抜け出したいと思う人必見! まず取り組むべき対策4ステップ
- ステップ① ニートの末路を想定して自分の将来を想像する
- ステップ② ニートになった原因や経緯を振り返る
- ステップ③ どうすれば今の状態を改善できるか考える
- ステップ④ 自分の今とこれからを整理して動き出す
- ニートとしての最終目標は社会復帰! 道が開けるおすすめの行動5選
- ①規則正しい生活をする
- ②求人を眺めて興味が湧いた仕事をピックアップする
- ③資格の勉強を始める
- ④就職エージェントに悩みを相談する
- ⑤日雇いバイトなどで仕事に触れてみる
- ニートの末路は暗い……。今からでも行動を起こして状況を改善しよう!
ニートの末路で怖いのは選択肢が狭まること! 未来の自分を考えて「今」行動しよう
こんにちは、キャリアアドバイザーの今井です。
ニートの末路が気になっている人から、よくこのような相談をもらいます。
今ニートでなくてもニートになりそうで不安な人や、もしニートになったらどうなるのか気になっている人もいますよね。
「ニートでいるとこうなる」と一概に言い切ることはできませんが、考えられる影響として共通しているのは選べる選択肢が狭まってしまうことです。
ニートになりそうだと思う人は「今」行動しないと未来を描けなくなる可能性もあることを認識しておくと良いでしょう。
ここでは、考えられるニートの末路や行きつくまでの流れ、さらにニートの末路に至ってしまいやすい人の特徴を解説します。また、ニートから抜け出すための方法も紹介するので、ニートの末路を考えて不安になっている人はぜひ確認してみてください。
まずは用語の確認から! ニートの意味や似た言葉について解説
ニートという言葉はよく耳にするものの、明確な意味についてはよくわからない人もいるのではないでしょうか。
そこでまずは、ニートの末路について知る前に、ニートの意味やニートと似た言葉を確認しながら理解を深めていきましょう。
ニートとは
ニートとは「Not in Education, Employment, or Training」の頭文字を取った略語であり、15歳〜34歳までの範囲で、学校に通わず、働きもせず、職業訓練も受けていない人を指します。ニートというとただ働かない人というイメージが強い人もいるかと思いますが、年齢に範囲があるのです。
また、よく混同されがちな言葉に「引きこもり」がありますが、ニートとは少し異なります。ニートは社会参加をしているケースも含むのに対し、引きこもりはずっと家にいて家族以外との関係を持たない状態にあることを指します。
本田 百合香
無職とニートの違い
「引きこもり」と同様に、ニートと混同されやすい言葉に「無職」があります。この2つの違いは年齢であり、無職は学生や主婦を除いて、定職に就いていないすべての人が対象です。
今仕事をしているとしても「定職に就いていない」という観点で、短期アルバイトや日雇いアルバイトだけをしている人も無職に分類されます。
また、「フリーター」もたまに混同されることがありますが、フリーターは働く意思があるという点でニートとは異なります。たとえ一定期間無職であったとしても、働く意思があればニートとは言えないので、混同しないようにしましょう。
松下 建都
このようにニートは、「働いているか」という事実に加えて「働く意思があるか」という気持ちの部分も重要になるといえますね。
考えられるニートの6つの末路! 将来への影響をチェックしよう
似ている言葉と比較しつつニートの意味を理解したところで、ニートの末路はどのようなものなのかを見ていきましょう。ここでは、おもに想定される6つの末路を紹介するので、ニートになると将来的にどうなってしまうのか、意識しながら確認してみてください。
①収入がないため生活が破綻する可能性がある
ニートは働く意思がなく、実際に働いてもいないため、自分で稼いで収入を得ることができません。そのため、後々生活が破綻する可能性があります。
お金を工面してくれる人が周りにいれば生活はできますが、自分一人しかいない場合、貯金がなければ食べ物も洋服も購入できなくなります。住居も賃貸に住んでいるとしたら家賃を払えなくなってしまうでしょう。
米田 有希
生きるためにはお金が必要ですよね。日々の糧が得られないニートは生活がそもそも成り立たないことを理解しておきましょう。
②社会的信用がなくさまざまな場面で不便になる
「会社で働いている」「一定の収入がある」というのは、社会的な信用に直結します。その点働いておらず収入もないニートは社会的信用を得られないため、さまざまな場面で不便を感じることが多くなります。
たとえば、クレジットカードは毎月お金を支払える見込みがある人でないと作れません。また、車や家のローンを組む際も、この先何十年も返済できる経済力があるかを確かめるため、社会的信用が必要になります。
ニートとなり社会的信用がなくなると人生の選択肢が狭まるため、結果的に不便な生活を強いられることになってしまうでしょう。
③人とのかかわりが少なくなり他者と疎遠になる
働いていないとさまざまな理由から人とのかかわりが少なくなり、周りの人と疎遠になってしまう可能性が高いです。
たとえば、仕事での関係はまずありませんよね。また、収入がないため使えるお金がなく、家から出る回数も減ってしまうでしょう。そうすると出会いや人と会う回数が減り、自分以外の人とのかかわりが少なくなってしまうのです。
本田 百合香
定職に就いていないことで、以前からの友人や知り合いと食事に行くことや出かけることに引け目を感じたり、そもそもお金がなくて参加できない場合も考えられますね。
④経歴的には空白期間になるため就職が難しくなる
ニートでいる間は職歴がありませんよね。そのため就職活動で経歴を伝える場合は空白期間となり、実績や働いて身に付けた実力を示すことができず、就職の難易度が高くなる可能性があります。
10〜20代のうちであれば、今後活躍する可能性があるかポテンシャルを見てくれる場合もあるでしょう。しかし、30〜40代以降の年齢になると、働いている同年代の人は経験や実績を積み重ねています。この点が企業でも評価される傾向にあるため、あえてニートを採用する意味がなくなってしまうのです。
また、ニート期間が長いほど働く意思が弱いと思われてしまい、より就職が難しくなる場合もあります。自分の気持ち的にも働くことに抵抗感があり、慣れるまで時間がかかってしまうでしょう。
⑤仕事を通じての経験などがないため成長のチャンスもない
仕事をしていると、課題を解決したり目標に向かってスキルを磨くことで、自分自身を成長させることができます。しかし、ニートはその経験を得られないため成長のチャンスがなく、結果的に仕事で活用できる力が身に付きません。
そうなると、ますます就職することが難しくなります。もちろん、働かずに社会とかかわりながら生きていくことも可能ですが、今後働く機会が少なくなると成長するチャンスも失ってしまうでしょう。
⑥孤独感や不安感などで精神的に滅入ってしまう
働いていないことで仕事の人間関係がないのはもちろんですが、収入がなくなると外に出ることも少なくなります。結果的に人とかかわる機会が少なくなり、孤独感や将来への不安感に苛まれて精神的につらくなってしまうでしょう。
仕事がつらいと感じてニート生活をしている人は、今は仕事から解放されて楽しいと感じているかもしれません。ですが、徐々に収入がなくなってくると不安感が増します。
このように精神的につらい状態だと、行動を起こす気力が湧きません。そうなると普通に生活することもままならなくなってしまうと考えられます。
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ニートになることで影響を受けるのは自分だけではありません。ニートの生活を支える家族は経済的・精神的な負担が大きく、場合によっては家庭が破綻する可能性もあり、家族や周りの人に影響を及ぼすことを認識しておきましょう。
そして、「働きたくても働けない状態」と「働きたくないから働かない状態」では、家族など周りの人の受け取り方も大きく異なります。前者であれば家族も積極的にサポートしたいと思えますが、後者の場合は応援したい気持ちになりにくいでしょう。
就職の場面においても、働きたくても働けない状態だったことを説明すれば、企業側も納得する可能性が高いですが、ただ働きたくないからニートになったという経緯であれば、労働意欲が低いと判断され、採用される可能性も低くなってしまいます。このように、働く意欲はあるものの、仕方のない事情で働けない状態と、ただ働きたくないから働かないという状態では、周りの受け取り方や企業の捉え方などで大きな差があるため、自らすすんでニートになることはあまりおすすめしません。
実際にニートの末路に行きつくまでの流れは? 段階ごとに状態の変化を解説
ここまでニートの末路はどうなるのかを具体的な例を挙げて見てきました。このような末路を辿りたくないと思った人も多いのではないでしょうか。
ただし、自分では気づかないうちにニートの末路に向かっている可能性もあります。どのようにニートの末路に行き着くのか、段階ごとに状態の変化を追いながら解説するので、確認してみてください。
米田 有希
もし自分がどこかの段階に当てはまるかもしれないと感じたとしても、挽回は可能です。自分の今の状態に気づけただけでもニートを抜け出す第一歩になるので、過度に不安にならないでくださいね。
①収入もなく外に出る機会も減っていく
まずニートになるということは働いていないので、収入がなくなります。貯金があれば最初のうちは切り崩して生活できるかもしれませんが、その生活もずっとは続けられないですよね。
そうすると、できるだけお金を使わないように家にいる時間が長くなります。結果的に外出する機会が減ってしまうのです。
②時間が経つほど就職が難しくなり働く意思も弱まってくる
ニートとして生活を送ることができているうちは気持ちに余裕があるかもしれませんが、時間が経つほど就職が難しくなり、働く意欲もなくなっていきます。
仕事をせず刺激のない生活を長くしていると、その状態に慣れてしまい徐々に仕事へのやる気が出づらくなるでしょう。そうして、気づいたら年月だけが過ぎていて、これからの未来が思い描けなくなる可能性もあります。
本田 百合香
長期間ニートでいることで働く機会がなくなるだけでなく、働こうとする意思もなくなっていくといえますね。
③周囲をあてにするしかなく不安を抱えた生活になる
ニート期間が長くなると、自分のお金だけでは生活できなくなります。周囲に頼るしかない状態になり、「頼れる人がいなくなったらどう生活していこうか……」と将来に不安を抱えた生活を送ることになるでしょう。
自分のお金がなくなって間もないうちは、親や知り合いを頼って生活していけるかもしれません。しかしニート期間が長くなるほど、周囲の人もお金を援助するのがきつくなったり、そもそもこれ以上自分のお金で養いたくないと思う場合も多いでしょう。
また、自分より年を重ねている親はいずれ働けなくなります。年金は入ってきますが、働いているときよりも額は少なくなるでしょう。最終的には自分の力で生活していく必要があるため、将来を考えると不安感が強くなるといえますね。
④生活保護が受けられない場合は暮らしていけなくなる
親や周囲の人が頼れなくなり自分も収入がないとなると、生活保護に頼ることになるでしょう。ただし、以下の場合は生活保護を受給できないため、生活保護が受けられない場合は生活が破綻してしまいます。
- 心身が健康的で働ける状態の場合
- 家族や親族から援助を受けて、生活できる場合
- 資産がある場合
生活保護は基本的に、何らかの事情で働けない、もしくはたくさん働けない人のための制度です。ニートのように働く意思はないけれど健康で働ける状態の場合は、まずは働くように促されるため、生活保護を受給することは難しいかもしれません。
松下 建都
何らかの理由でもし受給できた場合でも、最低限暮らしていける範囲での生活を強いられるため、将来に不安を感じながら生活することになるでしょう。
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ニートの末路に行きつくまでの流れを見て、大きな不安を感じた人もいると思います。ただ、どの段階にいたとしても、現状を変えたいという強い意思を持ち、着実に行動し続けることができれば、必ず状況を変えられます。
現状を変えたい気持ちはあるものの、具体的に何をすべきかわからない人は、ハローワークを利用するのがおすすめです。全国に拠点があるので誰でも利用しやすく、希望条件にあった求人紹介や職業訓練の相談など、充実したサポートを受けることができます。
また、地域若者サポートステーションを活用するのも一つの方法です。厚生労働省の委託により、若者の自立支援の知識やスキルを持つNPOやが運営する就労支援機関であり、ひきこもりやニートの立ち直り支援・就労支援全般を手厚くサポートしてもらえます。
これらはほんの一例に過ぎず、このほかにもたくさんの支援機関があります。変わりたいという強い気持ちさえあれば、サポートしてくれる人たちは多くいるので、現在がどのような状況であったとしても決してあきらめないでくださいね。
あなたは当てはまる? ニートの末路に至ってしまいやすい人の3つの特徴
ここまで解説してきたように、ニートは期間が長くなるほど抜け出すのが難しくなるため、ニートになりそうだと感じたらすぐに対処することが重要になります。
ニートになりそうだと早めに気づくためには、ニートの末路に至ってしまいやすい人の特徴を知っておくと良いでしょう。ここでは3つの特徴を解説するので、自分に当てはまっているものはないか、今の状態と照らし合わせながら確認してみてください。
①「働く」ということへの解像度が低く過度に恐れている
もしかしたら、一度仕事から離れたことで「働く」ことへの解像度が低くなり、再び働くことに過度な恐れを感じている人もいるかもしれません。
もちろん、ニートになったとしても抜け出せる人はたくさんいますが、以下のような3つの特徴に当てはまる人はなかなか働き出せない可能性が高いです。その結果ニート生活が長引き、ニートの末路に至ってしまいやすいでしょう。
- トラウマなどから、ほかの人と比較することで自分が傷つくことを過度に恐れている
- 「自分はもう仕事ができない人間だ」と拡大解釈をし、マイナス思考になっている
- 対人関係が苦手で職場でのコミュニケーションがうまくいかず、人とかかわることに抵抗がある
また、一度も働いたことがない人の場合は、仕事の解像度が低くイメージが偏っていることから過度に恐れを抱いてしまうケースもあります。仕事に対する怖さがあるため、一歩を踏み出せなくなるのですね。
どちらにしても、働くことへのイメージができていないことをきっかけに、働かない期間が長引くことでニートになってしまうといえます。
本田 百合香
最初は働こうという意思がある人も、働いていない期間が長くなると働こうとする意思が薄れてニートになってしまう可能性があるので注意しましょう。
②「今楽ができればいいや」と将来を楽観視しすぎている
働きたくない気持ちが強いと「今楽ができればそれで良い」という考えに至ってしまい、自分の将来を楽観視しすぎて働かなくなる人もいます。
将来の見通しがたっていればまだ良いですが、「なんとかなるだろう」と根拠のない気持ちで仕事から離れた場合、危機的な状況になるまで気づけない場合もあるでしょう。
もちろん、今を楽しく生きることは大事なことです。しかし、ニートになると「今」の状態が長く続くわけではありません。収入がなくなることで贅沢はできなくなり、最終的には生活すること自体がままならなくなります。
今の生活を続けたいのであれば、安定した収入源を確保するために働く必要があるでしょう。将来を楽観視しすぎずに、見通しを立てたうえで今を楽しむことが重要です。
松下 建都
状況を「ポジティブに考えること」と「楽観視すること」は意味が異なります。将来を考えず今だけを楽しむのではなく、将来を描いたうえで今を前向きに生きられるのが良いですね。
③周りの人の助けで成り立っていることを理解できていない
親や周りの人のお金で不自由のないニート生活を続けていると「今のままで大丈夫だ」と感じ、周りの人の助けがあって今の状況が成り立っているという意識が希薄になります。もしくは、支えられていること自体を理解できていない場合もあるでしょう。
自分で貯めた貯金が十分にある場合は別ですが、ニートは基本的に周りの人にお金を工面してもらわないと生活できません。自分は楽な生活を送れていたとしても、周りの人はニートの人の生活費を支えている分、生活が窮屈になる場合も考えられます。
このように少なからず周りの人にも影響を及ぼしていることは忘れてはいけませんよ。周りの人の視点に立って状況を把握できないと、ニート生活が長引きやすくなるといえますね。
米田 有希
周りの人に過度に依存する傾向が強いと、お金だけでなく食事や家事など身の回りのことも頼る必要がある場合もあります。そうすると楽な生活が続き、ますますニート生活から抜け出せなくなるでしょう。
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現在すでにニートの状態になっていて、特に行動を起こせていない人は、上記の特徴のいずれかに該当している場合があり、このまま何もせずに放置すると高い確率でニートの末路に至ってしまう可能性があります。
自分では自覚がなかったとしても、まずは行動を起こすことが大切です。ニートである期間が長いほど、就職など立ち直りの難易度も高くなってしまうため、自覚の有無にかかわらず、とにかく行動することを意識してください。
実際に行動を起こすことで、なぜ自分がニートになったのか、これから何をすべきかなど、さまざまなことに気づくことができ、前向きな気持ちになれるはずです。最初はつらく感じるかもしれませんが、少しずつでも構わないので、立ち直りに向けて行動してみましょう。
ニートでいられなくなったときこそが問題! 未来を見すえて行動計画を立てよう
本当に問題になるのは「ニートでいられなくなったとき」です。周りの人に支えてもらいながらニートを続ける場合、生活はできるかもしれませんが、ニート期間が長いとニートから抜け出したいと思ったときにはすでに手遅れの状態であることも多いです。
ニートから抜け出すためには就職することが必要ですが、ニート期間は職歴がないため、実績や経験、仕事で身に付けたスキルを示すことができません。そのため、自分が入社後に活躍できることを示しても、企業側には説得力がないように見えてしまいます。
ニートから抜け出そうにも定職に就くのが難しいため、結果的にニート期間が長くなり、より就職が難しくなる、という負のループに入ってしまう可能性があるのです。
そのため、ニートになりそうな人や今ニートの状態にある人は、今の状態が永遠に続くと考えず、自分の未来を見すえて行動しましょう。抜け出したいと思って行動するなら常に「今」が一番早いタイミングですよ。
松下 建都
これから具体的に抜け出す方法を伝授するので、実践してみてくださいね。
ニートから抜け出したいと思う人必見! まず取り組むべき対策4ステップ
ニートに訪れる末路を知り、危機感を持ったかもしれませんね。もちろん、しっかりステップをふめば抜け出すことができるので、もう無理だと悲観する必要はありませんよ。
ここでは、ニートから抜け出したいと思ったときに実践すべき4ステップを解説します。何よりも重要なのは「抜け出したい」という強い気持ちなので、めげない意思を持って取り組んでみてくださいね。
ステップ① ニートの末路を想定して自分の将来を想像する
まずは、想定できるニートの末路を参考に、自分が今の状態から将来どのようになるのかを想像してみてください。この工程を最初におこなうことで「将来あのようにはなりたくない」と思う気持ちが強くなるでしょう。
そのニートの末路に行き着きたくない強い思いが、この後ニートから抜け出すための行動の原動力となります。将来を具体的にイメージするには以下のような方法を取ると効果的ですよ。
- テレビでニートに関するニュースやドキュメンタリー番組を見る
- 書籍や過去の新聞でニートとなった人の事例を見る
- 家族や周りの人と話しながら自分の将来について考えてみる
米田 有希
ただし、ニートの末路をあまりにも強く意識しすぎてしまうと、気持ちがネガティブになり精神的に滅入ってしまう可能性もあります。将来ニートの末路を辿る可能性もありますが、今はまだ抜け出せる状況だとポジティブに考えましょう。
ステップ② ニートになった原因や経緯を振り返る
今の状態のままだと将来自分がどうなるかイメージして、抜け出そうという意思を強く持った後は、なぜニートになってしまったのか原因や経緯を振り返ってみましょう。
ニートになったのには、必ずそのきっかけと過程があるはずです。そこには自分特有の問題や傾向があり、これらを明らかにすることでニートから抜け出すための効果的な改善策が見えてきますよ。
たとえば、以下の順番で振り返ると原因が見つかりやすいです。
- 過去をさかのぼって働きたくなくなった場面はどこか思い出してみる
- 気持ちが変化したタイミングではどんな出来事が起こっていたか振り返る
- 印象的な出来事をきっかけにどのように生活が変化したかを考えてみる
本田 百合香
原因や経緯が明確にわかれば、自分がニートになりそうな状況を察知できるため、抜け出した後に再度ニートになってしまう可能性も防げますよ。
ステップ③ どうすれば今の状態を改善できるか考える
自分がニートになった原因が突き止められたら、自分の今の状態に目を向けて改善策を考えましょう。頭のなかでいろいろと考えることはとても重要ですが、実際に対策を実行していかないとニートからは抜け出せません。
そのためには、今の状態の何を改善して、どう行動すれば自分が変わっていくのかを知る必要があります。人によって原因や今の状態は異なるため、どうすれば改善できるかには正解がありません。以下を参考にして自分ならではの改善点を見つけ出してくださいね。
- 「今のままではだめだ」と思ったことを書き出してみる
- 周りの人に今の自分をどのように変えたら良いか聞いてみる
- 理想像と今の自分を照らし合わせて何が足りないのか考えてみる
松下 建都
自分の改善点を導き出すのはもちろん重要ですが、一気に改善しようとしたり、過度に自分の良くない部分ばかりを考えてしまうと精神的につらくなります。思い詰めすぎずに取り組んでくださいね。
ステップ④ 自分の今とこれからを整理して動き出す
改善策がわかったら、自分の今(現在地)をどのように変えて、これからの自分(未来)を描いていくのか整理しながら行動計画を立てましょう。そうすることで、自分がすべき行動が明確になり、実際に行動するときに大きくブレることなく進められます。
計画を立てる際に意識すべきなのは、いつまでに何をするかを決めておくことです。期限を決めておかないと、ダラダラと過ごしてしまいニートから抜け出せなくなってしまう可能性が高まります。
今の自分となりたい自分の姿の距離を把握して、計画を立てたうえで動き出してくださいね。
- 6月中(現在地):少しの運動や早寝早起きを意識し、生活習慣を整える
- 7月中:求人を見たり、働いている人を実際に見て働くことへの抵抗感をなくす
- 8月中:自分が仕事でできそうなことは何かを知るために、色々な体験をしてみる
- 9月中:資格の勉強を始めつつ、日雇いバイトなどで仕事することに少しずつ慣れておく
- 10月中:就職エージェントや就活アプリを活用して実際に仕事を探す
- 11月中:何社か選考を受けて、選考対策をしながら内定獲得を目指す
- 12月中(目標地点):定職に就き、社会復帰する
本田 百合香
自分の今と未来のことを整理して計画を立てると、抜け出すまでの道のりが明確になり、「これをやっていけば抜け出せるんだ」という安心感にもつながりますよ。
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ニートから抜け出すためにやるべきことは理解できたものの、なかなか気力が湧かなかったり、今の自分と向き合うのが怖いという気持ちから、そもそも上記のステップに取り掛かれない人もいると思います。
ステップをふむ前のハードルを下げるには、まず家族など頼れる人に相談し、一緒に取り掛かるのがおすすめです。自分一人で行動を起こすのは簡単なことではありません。周囲にサポートをお願いすることで、モチベーションを保ちやすく、不安な気持ちも軽減されます。
また、ニートから抜け出そうとしている自分を認めてあげることも大切です。なかなか気力が湧かない自分を「ダメな人間だ」と否定しがちですが、ニートの末路に不安を感じ、自分で調べ、この記事にたどり着いている時点で行動は起こせています。
過去の自分ばかりを見るのではなく、未来に向けて動き出そうとしている自分を肯定することで一歩を踏み出しやすくなるので、今の自分に自信を持ってくださいね。
ニートとしての最終目標は社会復帰! 道が開けるおすすめの行動5選
ニートから抜け出すためにまず取り組むべきことを解説してきましたが、ニートの最終目的は「社会復帰」です。一定期間働くことや人とかかわることから離れていたことで、いざ仕事をしようとしても抵抗感があり、踏みとどまってしまう人もいるでしょう。
そこでここでは、社会復帰への道を開きやすくする5つの行動を紹介していきます。ニートに逆戻りせずにしっかり社会復帰を果たすには、自分にとってハードルの低い行動から取り掛かるのがおすすめです。
米田 有希
今の自分の状態を確認しつつ、できることから始めてみてくださいね。
こちらの記事では社会復帰する際の方法を詳細に解説しているので、ぜひあわせて読んでみてください。
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社会復帰はハードルが高く、簡単にはいかないものですよね。そんな社会復帰を成功させるために大切なのは、あきらめずに小さな一歩を踏み出し続けることです。この記事では専門家のアドバイスを交えて社会復帰を成功させる方法を解説していきます。
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①規則正しい生活をする
社会復帰するためには、日中は起きて過ごし、夜は眠るというように規則正しい生活をする必要があります。
ニートは、いつ起きていつ眠るのかを自分で自由に決められるため、生活習慣が乱れやすいです。もし昼夜逆転した生活をしているのであれば、まずは生活を整えて健康的な身体と精神を取り戻しましょう。
いざ働くとなった場合、朝起きれないと会社に行けなかったり、遅刻することになりかねません。また、夜に眠れないと体調を崩しやすくなり、健康的に働くことができなくなってしまうかもしれません。
本田 百合香
生活習慣をいきなり改善するのは難しく、ある程度の時間がかかります。まずは以下を参考にしながら働く土台を整えて、スムーズに動き出せるようにしてくださいね。
- 早い時間に寝て、睡眠時間を確保しながら徐々に早起きにチャレンジする
- 朝外に出て散歩などをして日光を浴びて、体内時間を規則正しくする
- 夜寝付きやすくするために、日中に少し運動をして身体を動かす
②求人を眺めて興味が湧いた仕事をピックアップする
一定期間働いていなかったために、仕事に抵抗感を持っている場合もあるでしょう。その場合は、まずは求人を眺めて興味が湧いた仕事をピックアップすることから始めるのがおすすめです。この際、仕事に応募しようと考えなくても問題ありません。
「仕事を見つけなきゃ」という気持ちで求人を見ようとすると、求人を眺めることになかなか取り掛かれない場合もあります。気持ちの問題ではありますが、行動のハードルを下げるためにはとても重要なマインドセットです。
求人を眺めることで「これはやれそうかも」「これは少し興味がある」と、働くことへの意欲が高まるかもしれません。そして、それら仕事をピックアップしておけば、いざ求人に応募しようとした際にもすぐに行動できるのでおすすめです。
松下 建都
以前の仕事でトラウマがあってニートになった人は、その仕事を見るだけで拒否反応が出てしまう可能性もあります。そのときは無理をせず、まずは外に出ることや町を歩くなど、自分ができることから始めてみましょう。
③資格の勉強を始める
一定期間働いていないと、仕事での経験や知識、スキルなどが不足していると感じてしまい「自分でも働けるのか」と不安に思うかもしれません。そんなときは、まず資格の勉強を始めてみるのも一つの手です。
資格は実際に仕事をしなくても自分一人で取得に向けて動き出せます。勉強していくなかで仕事のイメージが鮮明になって働くことへの抵抗感が軽減されたり、実践してみたいと思うこともあるかもしれません。
また、資格の勉強をすることは仕事に就く前に頭や身体を慣らすのにも効果的です。勉強するなかで、頭と手を使いながら仕事に関連する内容を学ぶのは働く感覚に近いため、良い訓練にもなりますよ。
本田 百合香
資格の勉強にチャレンジしてみたいという人は、以下を参考に自分に合う資格を探してみてくださいね。
- 自分が興味のある資格から選んでみる
- 興味がある仕事があれば、その仕事に必要な資格のなかで基礎的な資格を勉強する
- 家族や周りの人と一緒に自分ができそうな資格を探してみる
④就職エージェントに悩みを相談する
働きたい思いがより強くなってきて、具体的にどうしようか悩んでいる人は、就活のプロである就職エージェントに相談してみるのもおすすめです。
一人で悩んでいると視野が狭まってしまったり、解決策が見出せず考えが煮詰まってしまうことも多いです。そんなときは、自分以外の人に悩みを吐き出したり相談することで、自然と頭が整理され、悩みを解決しやすくなります。
そして、就活に関しての悩みは就職エージェントに相談すると、豊富な知識をもとに効果的なアドバイスがもらえる可能性も高いです。寄り添いながら話を聞いてくれるのも相談しやすいポイントですね。
また、就活の悩みに乗ってくれるだけでなく、自分に合う企業も紹介してくれます。自分で探すだけだと、ニートを採用してくれるかわからない企業に応募してしまう場合もありますが、就職エージェントならニートを前提として興味がある企業とつないでくれるので、就活の効率も良くなるでしょう。
⑤日雇いバイトなどで仕事に触れてみる
働きたい気持ちがあれば、実際に仕事を体験してみるのも一つの手段です。特に短い期間で仕事を体験できる日雇いのアルバイトなどは挑戦しやすいでしょう。
最初から、就活してやっと採用された企業で働き始めたとしても、働くこと自体に慣れていないと身体がすぐに疲れたり、精神的にきつくなってしまうことがあるかもしれません。
そうすると「やっぱり自分には働くのは無理だったんだ」と自分を責めたり、すぐに辞めてしまうことになりかねません。
日雇いのアルバイトであれば、仕事内容に専門的な知識やスキルが必要なものも少ないため、一定期間働いていないニートであっても比較的気軽に応募することができるでしょう。
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社会復帰するには自分が行動する必要がありますが、ニートの状態から社会に復帰する過程で、もし気持ちが落ち込んだり、不安を感じるようなことがあれば、一人で悩まずに早めに誰かに相談することが大切です。
気持ちやモチベーションの部分で不安を感じた場合は、家族や友人など心を許せる人に相談することで不安が軽減されます。就職に関する悩みであれば、ハローワークや就職エージェントといったプロを頼ることで、やるべきことが見えてくるでしょう。
ニートから社会復帰することは決して簡単なことではないからこそ、誰かに相談し、サポートを受けることが不可欠です。また、相談するタイミングが早ければ早いほど、サポートする側もじっくり考えることができるので、なるべく早く相談できると良いですね。
社会復帰に向けて、自分で行動しようという気持ちを持つことは素晴らしいことですが、自分一人でできることには限界があります。今の自分を変えようという気持ちさえあれば周囲は助けてくれるので、どんどん周りを頼ってくださいね。
ニートの末路は暗い……。今からでも行動を起こして状況を改善しよう!
ニートの末路についていろいろな角度から見てきましたが、総じてニートの行き着く末路は暗いといえます。もちろん、さまざまな理由や経緯があってニートとして生活している人もいるでしょう。しかし将来を考えたときには、できるだけ今の状態から抜け出す行動を取ることをおすすめします。
そして、抜け出す行動をするなら「今」がもっとも早いタイミングです。「自分なんて……」とニートになった自分を責めてしまっている人もいるかもしれませんが、自分の気持ちと行動次第で現状は変えられます。
まずは自分にできることを今からでも始めて、現在の状況を改善していってくださいね。
35歳以上で働いていない人もいます。その人たちは厳密にはニートではないですが、働く意思がないことを同義として「中年ニート」や「高齢ニート」と呼ばれることもありますよ。