目次
- トライアル雇用とは何かを理解して理想をかなえる手段として活用しよう!
- トライアル雇用とは? 一般求人との4つの違いをわかりやすく解説
- 内容:正社員契約の前に3カ月間の有期雇用期間がある
- 目的:転職回数が多い人やブランクがある人の就職支援
- 紹介元:基本的にハローワークが担当している
- 応募条件:誰でも申し込めるわけではない
- トライアル雇用と試用期間の違いは「期間終了後に正社員で働ける約束」の有無
- 職歴に自信がなくても大丈夫! トライアル雇用の求人のメリット3つ
- ①未経験で応募できる求人が多い
- ②面接の前に書類で落とされる心配が少ない
- ③正社員になる前に職場の雰囲気や自分の適性がわかる
- 契約終了の可能性もある⁉ トライアル雇用の求人のデメリット2つ
- 一度に複数の求人に応募することができない
- 3カ月のトライアル後の常用雇用が約束されているわけではない
- トライアル雇用が気になった人必見! 求人の探し方と応募方法
- 求人の探し方:ハローワークでトライアル雇用併用求人を検索する
- 応募方法:ハローワークの窓口で求職者登録をする
- トライアル雇用に興味があるなら適性確認はマストで実施しよう!
- 応募するか迷ったらチェック! トライアル雇用に向いている人
- ①未経験からの正社員就職を目指している人
- ②職場の雰囲気や業務内容を理解してから正社員になりたい人
- ③一般の求人に応募しても選考がうまく進まなくて悩んでいる人
- トライアル雇用に応募する前に押さえておきたい3つのこと
- ①面接では働く意志の強さをアピールすることが重要
- ②口コミや評判を鵜呑みにするのではなく自分で判断することが重要
- ③客観的な意見がほしい場合は就職エージェントに相談するのがおすすめ
- トライアル雇用とは職歴に自信がない人のための制度! 転職で上手に活用しよう
トライアル雇用とは何かを理解して理想をかなえる手段として活用しよう!
こんにちは。キャリアアドバイザーの今井です。
トライアル雇用に興味を持っている人から、よくこんな相談をもらいます。
トライアル雇用は、実はうまく利用すれば未経験から正社員就職を目指せる便利な制度です。しかし、デメリットもあるので、制度についてよく調べてから活用を検討しましょう。
この記事ではトライアル雇用の求人と一般求人の違いや制度のメリット・デメリットを解説します。具体的な応募方法も紹介するので、応募するか迷ったときの判断材料に、そして実際に応募する際の手順確認として活用してくださいね。
トライアル雇用とは? 一般求人との4つの違いをわかりやすく解説
トライアル雇用は制度の仕組み上、一般的な求人と比べて特徴的な点がいくつかあり、これがトライアル雇用求人の応募条件にも影響しています。
トライアル雇用って普通の求人と何が違うんだろう──。そんな疑問が浮かんだら、まずはこれから解説する一般的な求人との4つの違いを理解しましょう。トライアル雇用求人に応募するかどうか考える判断材料の一つになりますよ。
内容:正社員契約の前に3カ月間の有期雇用期間がある
一般的な正社員の求人は、入社時点で正社員契約(雇用期間の定めがない無期雇用契約)を結びますよね。しかしトライアル雇用求人の場合は、入社時点では3カ月間という期限がある、有期雇用契約を結ぶ形になります。
入社して3カ月後に、企業が求める基準を満たせば正社員契約へ移行できるという仕組みです。
期限の決まった有期雇用ではあるものの正社員へ移行する前段階という位置付けなので、労働時間や給与などの労働条件は正社員とほとんど変わりません。実際の求人を見てみても「トライアル雇用:3カ月、労働条件変更なし」といった記載をしている求人が多いですよ。
本田 百合香
無期雇用についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてくださいね。
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無期雇用は3つの条件を満たせば実現できる! 正社員との違いも解説
「無期雇用」とは雇用期間に定めのない働き方を指します。有期雇用から転換するためには主に3つの条件があるため、もし希望しているなら、この記事のキャリアアドバイザーの解説を通じて、雇用制度の理解を深めることが大切です。
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目的:転職回数が多い人やブランクがある人の就職支援
転職回数が多かったり前の仕事を辞めてから空白期間があったりすると、正社員としての就職は難しいかも知れないと感じている人は多いです。トライアル雇用の制度は、さまざまな事情で正社員就職にハードルを感じている人を支援する目的で運用されていますよ。
正社員の中途採用となるとどうしても経験者が優遇されることが多く、仕事の経験やスキルが足りないと応募の必須条件を満たせずに求人に応募できないケースも少なくありません。
しかし、トライアル雇用は採用後に応募者の適性を判断できる期間があるので、応募段階では職歴を問わない求人がほとんどです。そのため、仕事の経験やスキルに自信がなくても挑戦できます。
松下 建都
実際の求人にも「学歴・職歴不問」「必要な資格:なし」といった記載が多く見られますよ。
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
転職回数が多い人やブランク期間がある人の場合、一般の求人では採用されにくい傾向にあります。まず、転職回数が多い人の場合、企業側は「自社に入社してもまたすぐに辞めるのではないか」という懸念を抱くことがあります。特に短期間で転職を何度も繰り返していれば、早期離職のリスクが高いと判断され、採用される可能性も低くなってしまうのです。
また、忍耐力がなかったり、周囲とのコミュニケーションが苦手な人物だととらえる企業も少なくありません。少し嫌なことがあればすぐに辞めてしまう、入社しても周りと上手く付き合っていけないとなると、企業側も採用を躊躇してしまうのです。
トライアル雇用はそういった背景をふまえた支援的な側面をもった制度とはいえ、その後も長く働きたいと考えているなら、こうした不安を抱かれていることを理解して払拭するための姿勢を持つことも大切です。
紹介元:基本的にハローワークが担当している
一般的な求人は、民間の転職求人サイトや転職エージェントなどを経由して申し込みますよね。しかし、トライアル雇用求人の場合はハローワークが求人の紹介元になるため、申し込むときは基本的にハローワークを経由する必要があります。
トライアル雇用で企業の選考を受けるときも、ハローワークを経由した応募であることを証明するために、ハローワークから会社に宛てた紹介状の提出を求められるケースが多いです。
紹介状には選考を受ける求人の概要や、自分の名前、管轄のハローワークの連絡先などが載っています。
ちなみにトライアル雇用は国の就職支援施策の一環です。企業はトライアル雇用で人を採用して一定の条件を満たせば、都道府県労働局に雇用にかかわる助成金を申請できる仕組みになっています。
米田 有希
つまり、企業側は積極的にトライアル求人で人材を採用したいと思っているため、応募者にとっても「採用されやすい」というメリットがありますよ。
応募条件:誰でも申し込めるわけではない
トライアル雇用は就職が難しい事情を抱えている人のための制度であるため、誰でも申し込めるわけではありません。具体的には、次に当てはまる人はトライアル雇用求人に応募できないとされています。
- 安定した職業に就いている人
- 自分で事業を営んでいる人または会社の役員で、1週間あたりの実働時間が30時間以上の人
- 学校に在籍している人(卒業年度の1月1日以降も卒業後の就職の内定がない人はトライアル雇用の対象になる)
- ほかの会社のトライアル雇用期間中の人
さらに、ハローワークでトライアル雇用求人を紹介してもらう段階で次の要件のいずれかを満たしている必要があります。
- 過去2年以内に2回以上離職や転職を繰り返している人
- 離職している期間が1年を超えている人
- 妊娠や出産、育児を理由に離職して、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている人
- ニートやフリーターなどで55歳未満の人
- 生活保護受給者
- 母子家庭の母
- 父子家庭の父
- 日雇労働者
- 季節労働者
- 中国残留孤児などの永住帰国者
- ホームレス
- 住居喪失不安定就労者
- 生活困窮者
たとえば正社員として働きながら転職活動でトライアル雇用求人に申し込むことはできないということですね。転職回数が多い人やブランク期間が長い人、非正規雇用で働いている人などがトライアル雇用の対象者に当てはまりやすいです。
非正規雇用で働いている場合は、正社員を目指す方法として今の職場で正社員登用を狙うのもありますよ。正社員登用については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せて参考にしてみてください。
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正社員登用とは? リアルな利用実態から状況別の対策リストを大公開
非正規雇用から正社員を目指すことができる正社員登用制度。利用したいと思っても、どんな制度なのかがわからないと、なかなか一歩を踏み出しづらいですよね。この記事では、専門家のアドバイスを交えながら正社員登用制度の基礎知識から対策まで解説。一緒に正社員としての一歩を踏み出しましょう。
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本田 百合香
トライアル雇用の求人に応募したいと思ったらまず応募条件をよく確認して、自分が応募できるのかをチェックしましょう。
トライアル雇用と試用期間の違いは「期間終了後に正社員で働ける約束」の有無
ここまでトライアル雇用についてざっくりと説明しましたが、「一般求人にある正社員の試用期間と何が違うのか? 」という疑問を持つ人もいるかもしれません。どちらも本格的に働く前のお試し期間というイメージで、明確な違いがわかりにくいですよね。
トライアル雇用と試用期間の違いは「期間終了後に正社員で働ける約束」があるかどうかです。
正社員の試用期間は無期雇用契約の一部で、基本的には試用期間が終了したら本採用となって正社員として働き続けられます。試用期間中に遅刻や欠勤が多かったり経歴詐称が発覚したりといった、よほどの理由がなければ解雇されません。
一方、トライアル雇用はあくまで有期雇用なので、入社時点ではトライアルの期間が終わった後に正社員として働けるかどうかは決まっていません。正社員契約を結ぶかどうかは、入社してからの3カ月間で会社が適性や能力などを見て判断します。
本田 百合香
そのため、トライアル雇用の場合は期間終了後に「契約期間満了」という形で退職する可能性もゼロではないということは覚えておいてくださいね。
職歴に自信がなくても大丈夫! トライアル雇用の求人のメリット3つ
トライアル雇用は期限の決まった有期雇用で、期限満了後は正社員になれない可能性があるなら、一般の求人ではなくトライアル雇用の求人に応募する意味は何なのか? そういった疑問も出てくるかもしれません。
そこでここからは、トライアル雇用のメリットを具体的に3つ解説します。一般求人と比較したトライアル雇用求人の良さを理解し、理想のキャリアを実現するための手段になり得るかどうか考えてみてくださいね。
①未経験で応募できる求人が多い
トライアル雇用は、上記で説明したとおり一般の求人では就職が難しい人のための制度です。そのため、応募条件なしや経歴不問など未経験でも応募できる求人が多くあります。
トライアル雇用では、初心者でも取り組みやすい業務から少しずつ任せたり、入社してから教育や研修を通して業務に必要な知識やスキルを習得したりといった人材育成スタイルを採用していることが多いので、業務経験がなくても挑戦しやすいという背景があります。
ただし、有期雇用で働いた後に正社員として契約するためには、有期雇用の3カ月間で企業が期待するレベルまでスキルを磨き、積極的に仕事に取り組んで経験を積むことが必要になります。
松下 建都
就職のハードルが高くないからこそ、継続雇用を目指すためには入社してからの努力が大切です。
②面接の前に書類で落とされる心配が少ない
トライアル雇用の制度では、選考方法についてハローワークから企業に「なるべく書類ではなく面接で応募者を選考してください」と推奨されています。そのため、トライアル雇用の枠で申し込むと最初から面接で選考がおこなわれることが多く、通常の求人よりも書類選考で落とされる心配が少ないというメリットがあります。
履歴書や職務経歴書などの書類では、面接と比べて自分の思いや性格などをうまく表現できないと感じて苦手意識を抱いているなら、このメリットはとても魅力的ですよね。
面接での選考が多いトライアル雇用であれば、会話の受け答えや言葉選び、表情、姿勢、雰囲気などさまざまな観点から総合的に応募者を評価できるので、企業側としてもより深く自社に合った人材かを測ることができるメリットもあります。
米田 有希
面接で自分の魅力を最大限に伝えられるよう面接準備を徹底しましょう。
③正社員になる前に職場の雰囲気や自分の適性がわかる
一般の求人では内定をもらってすぐ正社員契約を結ぶことが多いので、正社員として働く前に職場の雰囲気や業務内容を詳しく知ることは難しいですよね。
働き始めてから自分がイメージしていた環境と実際の職場の状況に大きな差があり、辞めたくなるケースも少なくありません。実際、入社してから仕事内容が自分に向いていないと気づいて苦しい思いをする人もいます。
一方、トライアル雇用では、有期雇用の3カ月間で職場の雰囲気や自分の適性を確かめられるので、さまざまな観点で仕事を見極めてから正社員になるかどうかを考えることができます。
松下 建都
働くうえで職場の雰囲気や自分の適性を重視する人に合っている就職方法ですね。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
トライアル雇用に限らず、正社員として就職する前に職場環境や業務内容、労働条件などについて可能な限り把握しておくことは非常に重要です。入社前のリサーチを怠れば、入社後にイメージとのギャップを感じ、早期離職してしまう可能性が高くなります。
入社後のギャップを減らすには、入社前のすり合わせが不可欠です。面談などの機会を活かし、給与や勤務地などの労働条件、どの部署に配属される可能性があるのか、どのような仕事内容なのかなど、細かくすり合わせておくことで、ギャップが生まれにくくなります。
また、疑問や不安を感じた部分については、必ず確認しておいてください。質問内容が細かったり、何度も質問することで「企業に嫌がられるのではないか」と考える人もいますが、決してそのようなことはありません。
企業側も採用後に早期離職されることは絶対に避けたいので、可能な限り、入社後のギャップをなくしたいと考えています。つまり、細かなすり合わせをおこなうことは、企業側にとっても非常に大切なことなのです。
このほか、良い面だけを伝えてくる企業は、入社後にネガティブなギャップが生まれやすくなるため、入社前の時点で、大変な部分や不足している部分など悪い面もしっかり伝えてくれる企業の方が、入社後のギャップが生まれにくくなりますよ。
契約終了の可能性もある⁉ トライアル雇用の求人のデメリット2つ
- 一度に複数の求人に応募することができない
- 3カ月のトライアル後の常用雇用が約束されているわけではない
トライアル雇用には未経験で応募できる、書類選考がない、職場の雰囲気や自分の適性を確かめてから正社員になれるといったメリットがあると解説しました。
しかしトライアル雇用は一般的な求人と仕組みが異なるので、いくつか応募前に知っておくべき注意点もあります。応募してから後悔しないために、これから解説するデメリットをしっかり理解したうえで応募を検討しましょう。
一度に複数の求人に応募することができない
一般の求人の場合は、選考を受けてみたい複数の会社に一斉に応募できますよね。そして、掛け持ちで選考を進めながら入社する一社を選ぶことができます。
しかしトライアル雇用の場合は、気になる企業が複数あっても一度に応募できるのは一社のみとなり、複数の企業の選考を掛け持ちしながら会社を選ぶことはできません。
また、トライアル雇用で入社した後に「やっぱりほかの会社でトライアル雇用にチャレンジしたい」と思っても、一社目の有期雇用期間が終了するまでは次のトライアル雇用求人に応募できません。
そのため、トライアル雇用で気になる求人をいくつか見つけたら、選考を受ける前の段階で一番自分の希望に合っている一社を慎重に選び出しましょう。
米田 有希
企業選びに迷ったら正社員就職をしたい理由に立ち返ってみると考えやすくなりますよ。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
就職や転職活動において、複数の選考を並行できない場合、他社と比較しないまま就職したことで「あっちの会社の方が合っていた」「この仕事」後から後悔してしまうケースがあります。トライアル雇用では一社ずつしか経験できないため、慎重な見極めが必要です。
また、視野が狭くなり、焦って就職してしまうリスクもあります。特に一刻も早く正社員として働きたいと考えている人は、トライアル雇用で入った企業の良い部分ばかりに目がいきがちです。正社員になった後で悪い部分が見えたとしても、簡単に辞められるわけではないので、焦らず、広い視野で企業を見極めましょう。
トライアル雇用を活用するメリットは大きいですが、上記のとおり、複数の選考を並行できないことで生じる悪影響もあるということは、しっかりと理解しておいてくださいね。
3カ月のトライアル後の常用雇用が約束されているわけではない
トライアル雇用は正社員雇用への移行を前提とはしているものの、契約形態はあくまで3カ月間の有期雇用です。そのため、契約期間が終了したあとに常用雇用(正社員)で働けるとは約束されていません。この不確定さがトライアル雇用のデメリットです。
その点で考えると、トライアル雇用は3カ月後の仕事や生活がどうなるかわからないので、さまざまな計画や見通しを立てにくいというのも考えられます。
トライアル雇用の求人に応募する場合は3カ月後に契約終了となる可能性も考慮して勤務地を選んだり、住居や移動費などの見当をつけておいたりすることが大切です。
本田 百合香
メリット・デメリットの両面をふまえて、冷静に判断するようにしてくださいね。
トライアル雇用が気になった人必見! 求人の探し方と応募方法
- 求人の探し方:ハローワークのサイトでトライアル雇用併用求人を検索する
- 応募方法:ハローワークの窓口で求職者登録をする
トライアル雇用のメリットやデメリットを把握したうえで求人に応募してみたいと思ったら、まずは実際にどんな求人があるのか調べてみましょう。
求人の探し方はこれから詳しく解説するのでぜひ参考にしてください。また、希望の求人が見つかった場合の応募方法についても解説します。今後の流れをイメージするのに役立つと思いますよ。
求人の探し方:ハローワークでトライアル雇用併用求人を検索する
トライアル雇用求人は、ハローワークが管理する求人情報検索システム「ハローワークインターネットサービス」で調べることができます。
求人の検索画面で詳細検索条件をクリックし、その他の欄で「トライアル雇用併用求人」にチェックを入れてOKを押すと、トライアル雇用の求人のみが表示されます。フリーワード欄にトライアル雇用併用求人と入力して探すこともできますよ。
なぜトライアル雇用「併用」求人となっているのか、疑問に思う人もいるかもしれません。これは同じ求人を無期雇用とトライアル雇用、どちらからでも応募できるという意味です。
トライアル雇用求人はすべて、無期雇用と併用になっています。企業がトライアル雇用の求人を出す際の条件として、無期雇用でも応募可能であることが定められているからです。そのため、トライアル雇用併用求人を無期雇用の枠でチャレンジすることもできますよ。
米田 有希
トライアル雇用にどのような求人があるのか気になったら、上記の方法で実際の求人をチェックしてみましょう。
応募方法:ハローワークの窓口で求職者登録をする
トライアル雇用の求人に応募するためには、近くのハローワークに行って求職者登録をする必要があります。
応募する前に求人の内容について不明な点があれば、ハローワークから会社に確認してもらうことも可能です。トライアル雇用は一社ずつしか選考を受けられないので、疑問はなるべく解消してから求人に応募しましょう。
- ハローワークにあるパソコン端末で求職情報を入力して仮登録をする
- 窓口で求職申し込み手続きをする
- ハローワークに就職相談し、トライアル雇用で選考を受けたい求人を探す
- 希望の求人が見つかったらハローワークに紹介状を発行してもらう
- 紹介状が発行されたら企業で面接を受ける
ハローワークの利用方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せて参考にしてみてください。
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ハローワークとは? 使い方や就活に役立つ8つのサービスを徹底解説
仕事探しにハローワークを使ってみたいけど、利用のハードルが高く感じてしまう人もいますよね。この記事では、そんなあなたのためにハローワークでできることや上手な使い方、初めてハローワークに行くときに必要なものを専門家のアドバイスを交えて解説。私たちと一緒にハローワークについて学んでみましょう。
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トライアル雇用に興味があるなら適性確認はマストで実施しよう!
トライアル雇用の求人は応募の必須条件があまりないため、対象者であれば誰でも挑戦しやすいというメリットがあります。未経験でも応募できると聞いてチャレンジしてみようかなと思った人もいるかもしれません。
しかし、これまで説明したとおり他の求人と並行して選考を進められなかったり、採用されても正社員になれる保証がなかったりと、通常の求人に比べて不都合な部分があるのも事実です。そのため、トライアル雇用求人は自分に向いているかどうか、応募する前に十分検討する必要があります。
ここからは、どんな人がトライアル雇用に向いているか、そして応募前にはどんなことに気をつければ良いかを解説していきます。
応募するか迷ったらチェック! トライアル雇用に向いている人
トライアル雇用のメリットとデメリット両方を理解しても、実際に求人に応募するかどうかはなかなか判断しにくいですよね。
そこでここからは、トライアル雇用の求人に向いている人の条件を解説します。当てはまる項目が多ければ多いほど、トライアル雇用に向いていると考えられますよ。正社員を目指すうえで、就職や転職の方針を決める一つの参考として活用してくださいね。
米田 有希
当てはまらなかったといってトライアル雇用が完全にミスマッチな働き方になるというわけではありません。あくまで判断材料の一つとして参考にしてくださいね。
①未経験からの正社員就職を目指している人
未経験の分野の仕事で正社員就職を目指している人にとっては、トライアル雇用の求人に応募するメリットが大きいと言えます。一般の求人ではどうしても経験者が優先されてしまうので、未経験者が経験者と同じ土俵で戦うのは難しいですよね。
トライアル雇用の選考は入社前に特定の職務経験を問われることが少なく、ポテンシャル重視です。「過去の業務経験はないけれどこれからこの分野でキャリアを歩みたい」という強い意思がある人は、職歴面でのハードルが低いトライアル雇用でまずキャリアをスタートさせるという方法が取れます。
有期雇用の3カ月間で会社にポテンシャルを評価してもらえれば、正社員として活躍することも狙えますよ。
松下 建都
未経験からの正社員就職を目指すならトライアル雇用も選択肢の一つに入れておきましょう。
②職場の雰囲気や業務内容を理解してから正社員になりたい人
正社員を目指して働きたいけれど、職場の雰囲気や業務内容を理解しないままいきなり正社員になるのは不安……そんな人にもトライアル雇用求人は向いています。
正社員は期間に定めなく働き続ける前提なので、仕事や環境が合わず辞めようと思っても、言い出しづらかったり退職を切り出すタイミングが掴めなかったりして、すぐに辞められないこともあります。
トライアル雇用で入社した場合は3カ月間の有期雇用を経て正社員になるため、有期雇用期間中に「この会社で正社員として働くのは難しい」と思ったら正社員契約を結ばないという選択ができます。
本田 百合香
職場や業務を理解した状態で正社員になれるので安心して働けますね。
③一般の求人に応募しても選考がうまく進まなくて悩んでいる人
一般の求人でこれまで転職活動をしてきたものの内定まで結びつかず悩んでいるという人も、トライアル雇用の対象者に当てはまるなら応募を検討してみても良いかもしれません。
特に、書類選考の段階で通過できないケースが多い場合は、経験やスキルの面で企業の希望とマッチしていなかったり、人柄や熱意を履歴書の文章で十分に伝えられていなかったりする可能性があります。
トライアル雇用求人であれば現時点での経験やスキルは問われないことが多いので、これまでよりも選考が進みやすくなるはずです。
松下 建都
また、書類選考が基本的にないため、文章では伝えにくい自分の魅力や強みを面接で直接伝えることができます。これまでトライアル雇用求人をチェックしてこなかった人は一度求人情報に目を通してみましょう。
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
転職活動がうまくいかない原因は、経験やスキル面だけでなく、自己PRの内容や面接でのアピール方法など、さまざまな要素が関係しています。転職活動を成功させるうえで、応募する求人の選び直しやトライアル雇用を活用することも有効な改善策ではありますが、同時に選考対策そのものを見直すのも非常に重要です。
自己PRの内容が伝わりにくくないか、しっかりと熱意の伝わる志望動機の構成になっているか、面接マナーは守れているかなど、選考対策で確認しておくべき部分は多々あります。自分だけで見直すのが難しいのであれば、エージェントやハローワークなど就職活動に詳しいプロに相談して、選考対策の質を改善しましょう。
どれだけ自分の希望条件に合致する企業が見つかったとしても、選考を突破できなければ入社することはできません。自分に合う企業に入社できる確率を少しでも高められるよう、求人探しと並行して、選考対策の見直しも検討してみてください。
なかなか内定が出ず、転職に疲れたと感じているときはこちらの記事があなたの支えになりますよ。
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転職活動に疲れたときの7つの処方箋! 経験の振り返りが解決の道
転職活動に疲れたと感じた時、視野が狭まってしまったり後ろ向きになってしまい無気力になってしまうこともあるでしょう。そんなときは疲れた気持ちの原因を見極め、あなたに合った対策を打ち出すことが大切ですよ。この記事では専門家のアドバイスを交えて、転職活動に疲れたときの原因と対処法について解説していきます。
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トライアル雇用に応募する前に押さえておきたい3つのこと
トライアル雇用は一般の求人では就職が難しい人のために国が設けている支援制度ですが、企業が助成金を受け取れる仕組みがあることや有期雇用であることなどが関係して一部ではネガティブなイメージで語られることもあります。
偏った認識でトライアル雇用を捉えてしまうと、自分で自分のキャリアの芽を摘んでしまいかねません。そのため、トライアル雇用を検討している人に向けて、応募前に押さえておきたい3つのポイントを解説します。
本田 百合香
トライアル雇用の求人にチャレンジすべきかどうか判断する材料として役立ててくださいね。
①面接では働く意志の強さをアピールすることが重要
トライアル雇用求人の選考を受けるうえで一番重要な点は、働く意志の強さをアピールすることです。経歴やスキルがあまり重視されない就職方法だからこそ、「いち早く成長して会社に貢献したい」という思いを伝えることで面接を突破しやすくなります。
企業によっては、過去にトライアル雇用で入社してすぐ辞めてしまった社員がいて、トライアル雇用で応募してくる人に対し「働く意志が弱そう」とネガティブな印象を持っている場合もあります。
有期雇用とはいえ企業は新人を一から育て上げるつもりで採用しているので、採用コストや教育コストを考えるとすぐに辞められては困るというのが企業の本音です。
トライアル雇用で選考を受けるときは、企業からの信頼を得ることができるように「成長したい」「長く働き続けたい」という気持ちを言葉や態度ではっきり示すようにしましょう。
松下 建都
入社意欲はトライアル雇用に限らずすべての選考で重視されるポイントです。職歴がなかったり、社会人経験が浅くても応募できるトライアル雇用だからこそ、企業側の懸念を払しょくできるように熱意をアピールしましょう。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
トライアル雇用の面接では、働く意志の強さをアピールすることが重要ですが、意志の強さをアピールするには、入社後のキャリアビジョンを伝えるのがおすすめです。将来的にどんな仕事がしたいのか、どのようなキャリアを歩みたいのかを伝えることで、長期的にその会社で働く意志があるという部分がしっかりと企業にも伝わります。
また、入社後にやりたい仕事を具体的に伝えるのも有効な手段です。ただ「頑張ります」「貢献します」と伝えても、企業側に熱意や志望度の高さはなかなか届きません。「◯◯の部署で◯◯の仕事に挑戦したい」など、具体的な内容をアピールすれば、企業研究など事前準備の本気度も相まって、熱意や入社意欲の高さを評価してもらえます。
このほか、「どうしても御社で働きたいからこそ、トライアル雇用を活用した」とアピールするのも一つの方法です。トライアル雇用を活用すれば、ほかの求人に応募できなくなるものの、御社への入社を第一に考えトライアル雇用に挑戦したと伝えれば、働く意志や熱意を伝えるうえで、このうえないアピールになるでしょう。
キャリアビジョンについてはこちらの記事で詳しく解説していますよ。
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キャリアビジョンとは? 10例文付きで解説する作成の極意!
面接対策としてキャリアビジョンを考える時、難しく感じることがありますよね。キャリアビジョンを考えるコツは、今と理想の将来像、そこへ近づくためにするべきことを見極めること。この記事では、専門家のアドバイスを交えキャリアビジョンの例文から考え方まで解説していきます。
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②口コミや評判を鵜呑みにするのではなく自分で判断することが重要
インターネットやSNSなどでトライアル雇用について調べていると、ネガティブな口コミや評判を見かけるかもしれません。このような批判的な意見を目にしてトライアル雇用の求人に応募するか迷う人もいるでしょう。
ただ、重要なのは周りがどんな意見をもっているかではなく、その制度を利用してあなた自身の理想をかなえることができるのかどうかという点です。
周りの意見が気になったときこそ、自分はどうしたいのかという点にフォーカスして考えるようにしてくださいね。
米田 有希
自分のキャリアは自分の考え方や価値観で決めたほうが後悔も少ないですよ。
③客観的な意見がほしい場合は就職エージェントに相談するのがおすすめ
トライアル雇用での就職は正社員になれる保証がないという意味でリスクがあり、チャレンジすべきかどうか非常に悩むかもしれません。
トライアル雇用求人への応募について客観的な意見がほしい場合は、転職エージェントに相談するのもおすすめです。転職エージェントは企業の採用事情を徹底的に理解していてさまざまな就職事例も把握しているので、トライアル雇用に関してもプロの視点から意見をもらえます。
また、個人のキャリア開発という観点からも、トライアル雇用での入社が良いのか、一般的な求人で転職したほうが良いのか、など広い視野からのアドバイスを受けることができますよ。
本田 百合香
キャリアで迷ったら就職エージェントを積極的に活用しましょう。
トライアル雇用とは職歴に自信がない人のための制度! 転職で上手に活用しよう
トライアル雇用とは、転職を繰り返していたりブランク期間が長かったりと経験やスキルの面で不安要素がある人の正社員就職をサポートする制度です。
未経験からでも正社員就職を狙いやすいといったメリットがありますが、一般的な求人と異なり契約期間後に正社員になれる保証がないというデメリットもあります。
トライアル雇用の求人に応募するかどうか迷ったらまずは制度の概要をよく理解することが大切です。そして経歴に関係なく応募できる利点を生かして転職で上手に活用しましょう。
一般的な求人との一番の違いは最初の3カ月間の雇用形態と理解しておけば大丈夫です。