目次
- 契約社員か正社員か悩んだら7つの違いから自分が進むべき道を見極めよう!
- まず知っておこう! 契約社員と正社員それぞれの意味
- 【契約社員】企業と一定期間の契約を結んで働く社員
- 【正社員】期間の定めなく一つの企業で継続的に働く社員
- それぞれの実態を知ろう! 契約社員と正社員の7つの違い
- ①雇用形態:働く期間や時間が異なる
- ②業務内容:仕事の内容や裁量権が異なる
- ③責任範囲:担う責任の範囲も重さも異なる
- ④休暇制度:適用される休暇制度が異なる
- ⑤給与体系:ボーナスやインセンティブの制度が異なる
- ⑥福利厚生:契約社員の場合適用されないものもある
- ⑦キャリア:将来のキャリアパスが異なる
- 判断基準の参考にしよう! 契約社員のメリットとデメリット
- 契約社員のメリット:ライフスタイルに合った働き方がしやすい
- 契約社員のデメリット:生活が安定しない可能性がある
- あわせて覚えておきたい! 正社員のメリットとデメリット
- 正社員のメリット:将来の安心を得やすい
- 正社員のデメリット:責任が重くプレッシャーを感じやすい
- 強いこだわりがないならメリットの多い正社員がおすすめ!
- 将来を見すえて考えよう! 自分に合う働き方を見極める4ステップ
- ステップ①それぞれの働き方のメリットとデメリットを理解する
- ステップ②仕事に求めるものを明確にする
- ステップ③どのような環境なら実現できるか考える
- ステップ④プライベートも含めた将来のビジョンを立てる
- 希望の働き方がわからない……契約社員か正社員か決められないときの対処法
- それぞれの働き方をしている人に話を聞く
- 「これだけは避けたい」という要素から絞り込む
- 契約社員と正社員の違いを正しく理解して自分に合う道を慎重に判断しよう!
契約社員か正社員か悩んだら7つの違いから自分が進むべき道を見極めよう!
こんにちは、キャリアアドバイザーの今井です。
契約社員になるべきか、正社員になるべきか悩んでいる人から、よくこんな相談をもらいます。
契約社員と正社員、それぞれの働き方があることは知っているものの、具体的に何が違うのかは明確に説明できない人は多いです。
働き方としてどちらを選べば良いのか悩んだ際には、まずはそれぞれの違いをしっかりと理解することが大切ですよ。どのような働き方ができるのかを知り、自分に合った働き方ができる方を選びましょう。
この記事では、契約社員と正社員の違いやどちらが自分に合っているかを判断する基準について解説します。違いを理解して、一番マッチした選択肢を見極めていきましょう。
まず知っておこう! 契約社員と正社員それぞれの意味
契約社員と正社員の違いを知るためには、まずはそれぞれの言葉の意味を正しく理解する必要があります。ここからは、最初に知っておきたい契約社員と正社員の意味について解説していくので、正しい知識を身に付けることから始めましょう。
【契約社員】企業と一定期間の契約を結んで働く社員
契約社員とは、企業と期間の定めがある契約を結んで働く社員を指します。この契約期間は労働基準法で最長3年と定められており、3年以上同じ企業で働くことは基本的にはできません。
また一般的には1年ずつ労働契約を結び、1年経てばその都度更新をするケースが多いですよ。ただし毎年必ず更新されるわけではなく、場合によっては契約が打ち切りとなる場合もあります。その際には職を失うことになるので、注意が必要です。
松下 建都
同一の企業で、契約社員としての契約期間が通算で5年を超える場合は「無期雇用転換」を申し出ることができます。詳しくはこちらの記事で解説していますよ。
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無期雇用は3つの条件を満たせば実現できる! 正社員との違いも解説
「無期雇用」とは雇用期間に定めのない働き方を指します。有期雇用から転換するためには主に3つの条件があるため、もし希望しているなら、この記事のキャリアアドバイザーの解説を通じて、雇用制度の理解を深めることが大切です。
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【正社員】期間の定めなく一つの企業で継続的に働く社員
正社員とは、期間の定めがなく継続的に働き続けることができ、企業が決めた労働時間内でフルタイムで働く社員を指します。
働く時間や日数、場所も企業の規定に沿って決められており、基本的には企業規定に則った働き方をする必要がありますよ。
米田 有希
ただし最近は「多様な正社員」と呼ばれる働き方を導入する企業が増えており、働く時間、日数、場所を自身のライフスタイルに合わせて調整できる場合があります。
働く日数を調整した働き方の一つに、週4日勤務があります。選択肢の一つとして考える際には、こちらの記事を参考にしてください。
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それぞれの実態を知ろう! 契約社員と正社員の7つの違い
契約社員と正社員の意味について理解したら、次はそれぞれの働き方の違いについて確認しておきましょう。契約社員と正社員はそもそも雇用形態が異なるため、仕事内容や労働条件に関する点で多くの違いがありますよ。
ここからは契約社員と正社員の7つの違いを解説するので、参考にしながら自分に合った働き方を見極めてくださいね。
①雇用形態:働く期間や時間が異なる
- 働く期間:契約社員は一定期間、正社員は無期限
- 働く時間:契約社員は一定の時間、正社員はフルタイムが基本
契約社員と正社員では、そもそも雇用形態が違います。最も大きな違いは、企業で働くことができる期間です。正社員は基本的に期間の定めなく働き、契約社員は事前に決められた期間内のみ働きますよ。
また契約社員の場合はフルタイムで働くこともあれば、契約時に決められた時間内のみ働く場合もあります。
本田 百合香
雇用形態は契約を結ぶ企業によって異なるので、志望する企業がどのような雇用形態なのかはしっかりと確認しておきましょう。
②業務内容:仕事の内容や裁量権が異なる
契約社員と正社員では、業務内容も変わる場合があります。特に専門性の高い職種では違いが出やすいですよ。
たとえば任される仕事内容や裁量権に関しては、正社員の方が広い場合が多くあります。契約社員は元より契約期間や勤務時間が限られているため、任せることができる仕事の範囲も限定されるわけです。
松下 建都
事務職や営業職といった、専門性よりも個々の適性が重視されるような仕事内容の場合、正社員とほとんど変わらない業務を任されることもありますよ。
③責任範囲:担う責任の範囲も重さも異なる
契約社員と正社員では責任範囲も変わることが一般的です。たとえば契約社員がミスをしたとすれば、その契約社員の上司にあたる正社員が責任を負うというケースが挙げられます。
契約社員と正社員の立場に大きな差はないものの、長期にわたり雇用できる正社員に責任範囲の広い仕事を任せるのが一般的であるということを覚えておきましょう。
米田 有希
ただし、能力があれば契約社員であっても責任あるポジションを任される可能性はあります。どの程度の仕事を任せられるかは自分次第ですよ。
④休暇制度:適用される休暇制度が異なる
休暇制度に関しても、正社員と契約社員では適用される範囲が異なる可能性があります。この点は企業によってさまざまなので、志望企業はどのような休暇制度が適用範囲なのかを確認しておきましょう。
- 育児休暇
- 介護休暇
- 通院休暇
- ボランティア休暇
企業の休暇制度は、正社員の場合条件が揃っていれば適用されます。一方契約社員に関しては一部の休暇制度が適用されない可能性もありますよ。
⑤給与体系:ボーナスやインセンティブの制度が異なる
ボーナスやインセンティブの支給といった給与体系、基本給に関しても、正社員と契約社員では異なる可能性があります。
そもそも契約社員は働く時間がフルタイムでなかったり、責任範囲の広い仕事は任されないことが多いです。その点で正社員とは違う業務形態になることから、正社員と比較すると少し低い給与を設定している企業も多くあります。
松下 建都
同様にボーナスやインセンティブの支給額も、正社員と契約社員では異なる場合がありますよ。
同一労働同一賃金について
契約社員と正社員では給与体系が異なりますが、たとえば契約社員が正社員とほとんど同じ条件で働いているのに雇用条件に大きな差があっては、納得のいく状態で働くことはできませんよね。この事態を回避するために、同一労働同一賃金という制度があります。
企業は基本的にこの制度に則って契約社員の雇用条件を決定する必要があり、契約社員が正社員とほぼ同じ条件で雇用契約を結ぶなら給与体系もそれに見合ったものにされますよ。
本田 百合香
契約社員として働く際は、雇用条件にもしっかりと目をとおし不当な差がないかを確認することも大切です。
⑥福利厚生:契約社員の場合適用されないものもある
福利厚生についても、契約社員と正社員では違いがあることがあります。なかには契約社員の場合適用範囲外の福利厚生もあるので、契約社員として雇用契約を結ぶ場合はこの点もしっかりと確認しておく必要がありますよ。
- 住宅手当
- 交通費
- 退職金
- 健康診断
- スポーツクラブの利用優待
企業によってはユニークかつ多種多様な福利厚生を導入しているところもあり、企業の個性や魅力の一つですよね。契約社員を目指す場合、これらがどの程度適用されるのかは要チェックポイントです。
⑦キャリア:将来のキャリアパスが異なる
契約社員には雇用期間の定めがあるので、その企業で積めるキャリアパスも正社員とは変わります。
企業側の視点で考えてみましょう。契約社員に管理職を任せたとしても、将来的に契約期間を満了した際に退職されてしまう可能性がありますよね。
管理職クラスのポジションに穴が空いてしまうのは企業側にとっても負担となるという背景があるため、今後も長期的に働いてくれることが見込まれる正社員の方が多様なキャリアパスを想定できる場合が多いですよ。
そもそもキャリアがよくわからないという人は、こちらの記事を参考にしてくださいね。キャリア形成に関して詳しく解説しています。
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正社員登用について
契約社員のキャリアパスに関して、場合によっては契約社員から正社員として雇用される正社員登用の道もあります。
たとえば契約社員として働いていたとしても、意欲や能力が認められたり大きな功績を残した場合にこれまでとは雇用条件を変えて正社員として採用される場合がありますよ。
この正社員登用は企業から「正社員にならないか」と声をかけられることもあれば、自ら正社員登用にチャレンジしたいと申し出る必要があることもあります。もし将来的に正社員として働きたいなら、正社員登用へのチャレンジも視野に入れてみてください。
米田 有希
ただし、そもそも正社員登用制度が存在しない企業もあります。また正社員登用にチャレンジしたいと申し出たとしても、確実に正社員になれるわけではない点には注意しましょう。
正社員登用制度について、詳しくはこちらの記事で解説しています。今後のキャリアパスを考える際にはぜひ参考にしてください。
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こちらの記事では、社員登用を含めた契約社員から正社員になる方法について詳しく解説しています。
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契約社員の契約期間は最長3年であり、かつ職務が限定されているなかで雇用されている状況から、契約期間中のステップアップは考えにくいでしょう。ただし、正社員登用の制度がある会社であれば、職務姿勢や能力が会社や上長から認められれば、昇格、昇給を含めたより責任あるポジションへのステップアップをすることも可能ですよ。
一方で、契約社員として入職して契約期間内に実績を積むことで次の転職活動を有利にし、契約期間満了後に他社でより良い条件で働くといったキャリアプランも考えることができます。
たとえば、英語を使用して仕事をしていきたいと考えたときに、すぐに正社員になれなくても、契約社員として「英語を使用したメールや電話の顧客対応をおこない、円滑にコミュニケーションをとることで契約につながった」などの実績を積むことで、次の転職活動の候補先も広がりますし、経験があるということは書類審査や面接で有利に進められると言えます。
いずれにしても契約社員として入社する前にキャリアプランを検討することが大切ですよ。
判断基準の参考にしよう! 契約社員のメリットとデメリット
契約社員として働くべきか、正社員として働くべきか悩んだときは、まずそれぞれのメリットやデメリットを把握しておくことが大切です。
ここからは契約社員のメリット・デメリットについて解説するので、あなたが仕事に対して何を求めるのか、どのように働きたいのかを考えながら確認してくださいね。
契約社員のメリット:ライフスタイルに合った働き方がしやすい
- 勤務時間や勤務地、働く日数などを調整できる可能性が高い
- 業務内容があらかじめ決まっており新しい仕事を覚える負担が少ない
- 業務内容によっては専門性を活かすことができる
契約社員のメリットは、何よりもライフスタイルに合った働き方がしやすい点です。企業によっては勤務時間や一週間のうちに働く日数なども調整ができる場合があるので、自分のペースに合わせた働き方が選択できますよ。
また業務内容が決められた範囲内に限定されている場合もあるため、自分の得意分野で活躍できる可能性が高いのも魅力の一つです。
本田 百合香
仕事にあまり多くの時間を費やせなかったり、ほかにやりたいことがある場合には契約社員の働き方は魅力が多いですよね。
契約社員のデメリット:生活が安定しない可能性がある
- 正社員に比べると給与の総支給額が少なくなる可能性がある
- 雇用が保証されていないため突然職をなくす可能性がある
- キャリアアップがしにくい可能性がある
契約社員のデメリットとして最も大きいのが、生活が安定しにくいという点です。
契約社員は正社員に比べ収入が低くなる可能性が高いうえに、長期的な雇用は保証されていません。たとえば企業の業績が悪化してしまった場合、3年の契約期間満了を待たずに契約を打ち切られてしまう可能性もありますよ。
またキャリアアップもしにくいため、大幅な昇給は見込めない点もデメリットの一つです。契約社員になる際には、今後のライフプランについてよく考える必要があります。
松下 建都
市場価値が上がるような能力を身に付けたり、長期的なライフプランを立てることでデメリットをある程度解消することもできます。綿密な人生設計をしたうえで、慎重に判断しましょう。
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
生活の安定は精神の安定にもつながります。よって、契約社員になるかどうかを考えるうえでは自身のスキルや金銭事情、そして性格をよく把握しておくことが重要ですよ。
たとえばもし突然職を失っても、次の就職までの数カ月間をなるべく精神的に安定させながら生活できる基盤があるかどうか、次の就職先でも活用できるようなスキルや能力があるかどうかを自分で知っておくことで、急な事態にも冷静に対応できるでしょう。
とはいえ、将来の雇用が基本的に保証されている正社員の方が生活は安定しており、安心感があることは間違いありません。だからこそ契約社員を選択する場合には、自分自身にとってベストなライフスタイルを考えておくことが必要です。
あわせて覚えておきたい! 正社員のメリットとデメリット
契約社員だけでなく、正社員にもメリットとデメリットはあります。ここから解説していくので、理想的な働き方や人生設計と照らし合わせ、正社員が自分にとってベストな選択肢なのかを見極めてくださいね。
米田 有希
契約社員と正社員を比べると、やはり正社員の方を魅力に感じる人は多いです。もちろんそれだけのメリットがあることは事実ですが、デメリットもあります。両面をしっかり理解しておきましょう。
正社員のメリット:将来の安心を得やすい
- 雇用や収入が安定しやすい
- 社会的信用が得られる
- 契約社員に比べて収入が高い傾向にある
- キャリアアップがしやすい
正社員のメリットは、何と言っても将来の安心を得やすいことにあります。雇用や収入が安定するため将来設計がしやすいですよ。
また安定的な収入があることで、社会的信用を得やすいのも魅力の一つです。たとえばクレジットカードの契約時やローンを組みたいときなどは社会的信用があるかどうかで審査をされるので、この点も重要なポイントになります。
本田 百合香
正社員が解雇されないわけではありませんが、企業の一方的な都合で強制的に仕事を辞めさせるのは法律で規制されています。ある程度企業から守られる環境があるのも、正社員の魅力です。
正社員のメリットに関しては、こちらの記事でより詳しく解説していますよ。参考にしながらあなたに合った働き方かどうかを見極めましょう。
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正社員のデメリット:責任が重くプレッシャーを感じやすい
- 異動や転勤が発生することがある
- 契約社員に比べると就業時間が長くなりやすい
- 仕事の責任の重さが精神的な負荷につながる場合がある
正社員のデメリットは、仕事をするうえで希望通りにいかない点が多々あることです。たとえば就業時間は企業規則で決まっていたり、企業からの指示によって転勤や部署異動が発生する可能性もありますよ。
その点では、正社員の場合仕事が生活の中心になりやすい傾向にあります。仕事とプライベートを意識的に区別するなど、仕事をするうえでは気持ちを切り替える工夫も必要ですよ。
松下 建都
特に転勤ともなると生活拠点を変える必要があるため、それもふまえたライフプランを立てることが必要です。
強いこだわりがないならメリットの多い正社員がおすすめ!
ここまで契約社員と正社員のメリットやデメリットについて解説してきましたが、これらをふまえても決めきれなかったり、特に働き方に強いこだわりがない場合は正社員がおすすめです。
正社員の方が生活が安定しやすく、将来への安心感が生まれます。仕事はもちろん生活に関する選択肢も増える可能性が高いので、将来的に希望がかなえやすいと言えますよ。
また仕事が生活の中心になることに抵抗があったとしても、近年では自分に合った働き方を推進する企業も増えています。正社員として受けられるサポートも多くあるので、ぜひ前向きに検討してみてくださいね。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
これまで正社員経験がない、また正社員採用へチャレンジしてもうまくいかないときは、いきなり正社員を目指すのではなく、最終的なゴールを正社員にすえたうえでまずは契約社員から始めるのも一つの手です。
たとえば契約社員として入職し、そこから正社員を目指すというキャリアアップの方法もあります。場合によってはそのまま正社員登用してもらえる可能性もありますし、正社員と近い距離感で働き経験を積むことで、就職活動にも有利に働く可能性がありますよ。
契約社員として現場で経験を積むことで、社員とは何か、どのような心持ちで働けば良いのかといったことを理解できるようになるので、いきなり正社員を目指すよりもハードルが下がることも考えられます。目標は正社員にすえつつ、そのための経験やスキルを身に付ける目的で契約社員として働く期間を設けるのも方法の一つですよ。
将来を見すえて考えよう! 自分に合う働き方を見極める4ステップ
契約社員と正社員の違いやメリット・デメリットをふまえて考えた時、どちらの働き方も一長一短のように思えてなかなか判断ができないときは、徹底的な自己分析をしてどのような働き方がしたいのかを明確にすることが大切です。
ここからは、自分に合う働き方を見極める方法を4ステップで解説していきます。ここで自分自身の希望と将来に向き合いながら、ぴったりの働き方を見極めましょう。
ステップ①それぞれの働き方のメリットとデメリットを理解する
契約社員か正社員か悩んだときは、まずそれぞれの働き方のメリットとデメリットを正しく理解しておきましょう。自分の価値観や仕事に求めるものと照らし合わせ、どちらがより希望に近い働き方なのかを見極めることが大切です。
それぞれの働き方のメリットとデメリットはこちらで解説しているので、参考にしながら契約社員と正社員の実態を理解してくださいね。
ステップ②仕事に求めるものを明確にする
次に、仕事に求めるものを明確にしましょう。仕事をするうえで大切にしたいことや、何のために働くのかを考えてみてください。
求めるものが多いときは、3つ程度に絞るのがおすすめです。多くのものを望みすぎては希望をかなえるのは難しくなるので、これだけは譲れないというものをピックアップしましょう。
ここで参考になるのが、アメリカの教育学者ドナルド・E・スーパーが提唱した14の労働価値です。多くの人が仕事に望むものが14個紹介されているので、なかなか求めるものが浮かばないときはリストのなかから選んでみてください。
- 能力の活用:自分が持つ能力やスキルを発揮する
- 達成:仕事が良い結果につながったという実感を得る
- 美的追求:美しいものを創る
- 愛他性:たくさんの人の役に立つ
- 自律性:自律する
- 創造性:自らのアイディアで新しいものを生み出す
- 経済的価値:お金を稼ぎ生活の質を上げる
- ライフスタイル:自分に合っていたり、望む生活をする
- 身体的活動:体を動かす機会がある
- 社会的評価:社会から高い評価を得る
- 危険性、冒険性:リスクを冒してでもわくわくするような経験をする
- 社会的交流性:多くの人とかかわりながら仕事をする
- 多様性:多種多様な活動をする
- 環境:職場環境が自分に合っている
何のために働くのか、働く意味がわからない……そのようなときは、こちらの記事を参考にしてください。働く意義を見つけるきっかけになるでしょう。
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自分たちは一体なんのために働くのか? 働く意味を見失ってしまうと、仕事としっかりと向き合えなくなってしまいますよね。この記事では、専門家のアドバイスを交えて働く意味やその見つけ方を解説しています。あなたの働く意味について、ここで一度立ち止まって考えてみましょう。
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ステップ③どのような環境なら実現できるか考える
仕事をするうえで大切にしたいものが明確になったら、次はどのような環境でならそれを大切にした働き方ができるのかを考えてみましょう。
- 創造性を活かせる:企画職やデザイナーのようなアイディアを求められる環境
- ライフスタイルを大切にできる:自分の生活に合わせた働き方ができる環境
この段階ではまだ契約社員か正社員かを選ぶ必要はありません。あなたが仕事に求めるものはどのような環境であれば実現できるのかを考え、求める環境をピックアップしてみてください。
ステップ④プライベートも含めた将来のビジョンを立てる
最後に、将来どのように働いていたいのか、プライベートではどのような生活をしていたいのかビジョンを立てましょう。ここで具体的なビジョンを立てることで、契約社員と正社員のどちらがあなたに向いているのか見えてきますよ。
- 語学力を活かして海外を拠点に働きたい。その際、なるべくのんびり働けるような環境が欲しい→副業しつつ、契約社員としてリモートで働く
- 将来的にはグローバルに働きたいから、今は経験を積んでスキルアップしたい→正社員として幅広い業務を担いレベルアップを狙う
将来のビジョンを立てたら、次にそれを実現するにはどうすれば良いのかを逆算して考えましょう。必要なことはどんなもので、それを実現にするにはどんな環境が必要で、それはどんな働き方が合っているのか──そうして具体化することで、理想の働き方が見えてきますよ。
どうしてもキャリアビジョンがぼんやりとしてしまいうまく目標が立てられないときは、こちらの記事を参考にしながらビジョンについて検討してみてください。
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キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
契約社員としての働き方を選択する場合は、スキルを身に付けて自分自身の市場価値を上げていくことが大切です。
契約社員は正社員に比べ雇用が安定していないため、不況や企業の経営状況によっては職を失ってしまうリスクがあります。そういった事態に対処できるような知識とスキルを身に付け、企業から必要とされる人材になる必要がありますよ。
最近は、ひと昔前の生涯雇用として一つの会社で長く働くことが当たり前だった時代から、ジョブ型雇用といって、自身のスキルや能力により所属する環境を変えながら働いていく時代にシフトしています。逆に会社の視点からすると、必要なスキル、能力を持った人材を、そのときの会社の成長に合わせながら雇用していく時代になったということです。
この時代の変化はキャリアの専門家の誰もが言っていることであり、自分の価値を高めて生涯働くことができる人は、契約社員としても長く生活していけると言えるでしょう。
希望の働き方がわからない……契約社員か正社員か決められないときの対処法
契約社員になるか正社員になるかは今後の人生にかかわる大きな決断になることもあるため、なかなか決めきれないということもいますよね。そのようなときは、それぞれの働き方をしている人に話を聞いたり、絶対に避けたい要素から絞り込むのがおすすめです。
ここからは、契約社員か正社員かをなかなか決められない人に試してほしい対処法について解説していきます。意思決定の指標にして、自分の将来についてじっくりと考えてみましょう。
それぞれの働き方をしている人に話を聞く
契約社員か正社員かで悩んだときは、それぞれの働き方をしている人に実情を聞いてみるのがおすすめです。どんなに事前にリサーチをしてもわからないこともあるので、当事者から話を聞いて実際にはどのような生活ができるのか、不満はあるかなどを聞いてみましょう。
この時、可能な限りたくさんの人から話を聞くのがおすすめです。一言で契約社員や正社員と言っても働き方や考え方は人それぞれなので、たくさんの人から意見をもらい少しずつ自分に合った働き方を明確にしていってくださいね。
- 知人や友人に聞く
- 周囲の人にそれぞれの働き方をしている人を紹介してもらう
- SNSを利用して多くの意見を集める
本田 百合香
キャリアについて第三者に相談することで、新しい視点を得られることもありますよ。新しい選択肢が見つかる可能性もあるので、ぜひいろいろな人から話を聞いてみてくださいね。
「これだけは避けたい」という要素から絞り込む
契約社員か正社員かを考えるうえでは、絶対に避けたい要素から絞り込むのもおすすめです。希望が実現できたとしても、「これだけは嫌」という要素があるとストレスを抱えることになってしまいます。
場合によってはせっかく就職をしても長く続けられない事態に陥る可能性があるので、避けたい要素から働き方を絞っていくのもおすすめですよ。
松下 建都
ただし、あまりにも多くの条件があっては実現が難しくなります。ここで挙げる避けたい要素は3つほどに絞るのがおすすめです。
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
正社員、契約社員として働いている知人や友人、家族に聞いたり、それぞれのメリット・デメリットを列挙して、これだけは譲れないという働き方の要素を絞り込んだりしても、どうしてもどちらかを選べない場合は、正社員を選ぶのがおすすめです。
雇用期間、職務、給与、待遇面などに制約が多くある契約社員に比べて、正社員の方が選択肢が広く、将来的な安心感もあります。万が一その後転職をする場合にも、正社員であったことは企業側からみても安心要素となり、プラスに働きますよ。どうしても契約社員でなければできない仕事や状況でない限りは、正社員がおすすめです。
いろいろな話を聞けば聞くほど決めきれず、進みたい道がわからなくなってしまうこともあると思います。しかし、将来にかかわる大きな選択をするうえでは誰しも悩むものです。ゆっくり、じっくり、自分自身と向き合ってみましょう。
契約社員と正社員の違いを正しく理解して自分に合う道を慎重に判断しよう!
ここまで、契約社員と正社員の違いについて解説してきました。契約社員と正社員にはそれぞれのメリットやデメリットがあり、どちらが自分の希望に合った働き方がしやすいのかを冷静に分析することが大切です。
もちろんどちらが良い、悪いということはないので、将来を見すえた選択をしましょう。大切なのはあなたにとって後悔のない道を選ぶことです。
ここで解説した契約社員と正社員の7つの違いや、自分に合う働き方を見極めるための4ステップを参考にしながら、慎重に判断してくださいね。
例外として、専門職のような特定の条件を満たす契約社員に関しては、5年まで契約をすることができる場合があります。自分はどのような条件になるのか、事前に確認しておきましょう。