「仕事は適当で良い」の裏にある3つの意図｜正しい力の抜き方の極意

仕事は適当でいいわけではないが根詰めすぎもNG！ 負荷を減らす働き方を知ろう

こんにちは、キャリアアドバイザーの今井です。

「仕事は適当で良い」。こんな話を聞いたことがあるかもしれません。実際に下記のような相談を受けたことがあります。

誤解してはいけないのは、この言葉の真意として仕事を雑にこなしたり、手を抜いて良いわけではないということです。もっと別の目的・意味があり、それを知ることはあなたの仕事への向き合い方を楽にするかもしれません。

この記事では、「仕事は適当で良い」の本当の意味や具体的にどのように仕事に向き合えば良いのかを解説していきます。本当の意味を理解して、あなたの明日の仕事への向き合い方に活かしていきましょう。

「仕事は適当で良い」の真意は？ なぜそう言われるのか理由をチェック

実際に先輩や上司から「もっと適当でいいよ」「重く考えすぎだよ」と励ましを受けたことがある人もいるでしょう。しかしそれは仕事に対して手を抜け、と言っているわけではありません。

ここからは、「仕事は適当で良い」の本当の意味について解説します。なぜそのような言葉をかけられることがあるのかを、言葉をかけた側の目線でも一度考えてみましょう。

「仕事は適当で良い」と言われる人のなかには、仕事に真摯に向き合いすぎて心身の疲弊につながっている人もいるでしょう。そういった人が仕事に押しつぶされないため「もう少し肩の力を抜こう」といった目的で言葉をかけるケースが考えられます。

真剣に仕事に取り組む姿勢は大切ですが、それも行き過ぎると大きな負担になってしまいます。場合によっては体調を崩すことにもつながるため、周囲の人はそういった事態を防ぐために「仕事は適当で良い」と声をかけた可能性がありますよ。

「仕事は適当で良い」と言われる背景には、仕事の取り組み方を変えてもらう目的がある場合もあります。

仕事を丁寧にすることは重要ですが、それが行き過ぎて時間がかかっていたり、納期を守れないとなると仕事の進め方を改善する必要があります。それを遠回しに伝えるために「仕事は適当で良い」と言葉をかけられた可能性もありますよ。

仕事に真剣に向き合うことは大切ですが、それにより根を詰めすぎると心身に大きな負担がかかります。そういった事態を避けるためにも、周囲の人が適度に力を抜こうという意味で「仕事は適当で良い」と口にする場合がありますよ。

仕事による負担が大きくなると、体調を崩してしまう可能性があります。場合によっては仕事をすることも難しくなってしまうので、そうなる前に負担を減らす意識をしてもらう目的で「仕事は適当で良い」と言われているケースもありますね。

「仕事は適当で良い」は勘違いに要注意！ 雑に仕事をする4つのリスク

「仕事は適当で良い」を言葉そのままに受け取ってしまうと、大きなリスクがあります。せっかくかけてもらった励ましの言葉を理解せず仕事に向き合い方に反映してしまえば、周りからの信頼もうしなってしまうかもしれません。

ここからは適当を「手を抜く」と理解して仕事に取り組んでしまうことのリスクについて解説していくので、そういう意味での言葉ではないと理解を深めるためにもチェックしていきましょう。

①周囲に迷惑がかかり職場の人間関係が悪化する

仕事を雑にこなすことで考えられるリスクの一つが、周囲に迷惑をかけてしまい職場での人間関係が悪化することです。誰か一人が手を抜くだけでも、周囲の人には大きな迷惑がかかってしまいますよ。

常に仕事で手を抜いているような人と一緒に仕事をしたいと思う人はいませんよね。仕事への姿勢は周囲に伝わるものなので、「雑に仕事をしても良い」と考えないようにしましょう。

②成果が出ずモチベーションが下がる

仕事を適当にこなしていると、仕事の質が低いために成果が出にくくなります。その結果モチベーションが上がらず、ますます仕事の質が下がる悪循環に陥ってしまう可能性がありますよ。

また仕事で成果が出せないとなると、評価も上がりにくくなります。人によっては頑張りが評価につながるかどうかはモチベーションに大きくかかわるので、その点でも仕事を雑にこなすことによるリスクは大きいですよ。

③スキルが身に付きにくくなる

「仕事は適当で良い」と考えて雑にこなしていると、スキルを身に付ける機会を逃してしまう可能性があります。

スキルを身に付けるには、まず自分自身が学びたいという意欲を持って学びを深め、実際に仕事に活かしていくことが必要です。仕事を適当にこなしていてはそもそも学びを得る機会が減ってしまうほか、学んだことを仕事に活かせないことも考えられますよね。

またスキルが身に付かないと、成果を上げるのも難しくなります。それによりいっそうモチベーションが下がることも考えられるので、そういった事態を防ぐためにも仕事を適当にこなすのは避けましょう。

④キャリアアップしにくくなる

仕事を雑にこなしていると、その姿勢が周囲にも伝わり信頼を得られないほか、キャリアアップのきっかけとなるような大きな仕事を任せてもらえなくなる可能性があります。結果としてキャリアアップの機会を逃し、キャリアの選択肢が限られてしまうのです。

仕事をするうえでは、キャリアについて考える機会も少なからずあるでしょう。この先目標とするキャリアができたとしても、実力がなければかなえるのは難しくなります。その点を考慮しても、仕事には真摯に取り組む姿勢を持つことが大切です。

適当な力の入れ方を覚えよう！ 仕事の負担を減らすカギは優先順位×効率化

仕事について適当で良いと考えるのはリスクがありますが、もしこれまでに「仕事は適当で良い」と声をかけられた経験があるなら、仕事に対して根を詰めすぎてしまっているのかもしれません。そのようなときは、力の入れ方を調整してうまく仕事と向き合っていくことも大切です。

そのために大切なのは、仕事に正しく優先順位をつけ、そのうえで一つひとつの仕事を効率化していくことですよ。この2つを意識することで、仕事による心身への負担を大幅に減らせる可能性があります。

詳しくはこの先の内容で解説していくので、優先順位のつけ方と仕事の効率化を図る方法を理解して適当な力の入れ方を学びましょう。

スケジュール管理の極意！ 適当な力の入れ方を知る優先順位づけ4ステップ

力の入れどころを調整してうまく仕事と向き合っていくには、スケジュール管理が重要になります。一つひとつの仕事に優先順位をつけて進めていくことで、自分が今何を優先してやるべきかが明確になり納期に追われることが少なくなりますよ。

ここからはスケジュールを管理し、与えられた仕事に適切な優先順位をつける方法について解説していきます。一緒にあなたが今抱えている仕事にも優先順位をつけてみましょう。

ステップ①それぞれの仕事の納期を確認する

仕事に優先順位をつける際には、まず今抱えている仕事の納期を一つひとつ確認しましょう。このとき頭で考えるだけでは見落としが発生する可能性があるので、納期が近い順に書き出してみるのがおすすめです。

明確な納期が決まっていない仕事については、最終的にいつまでに仕事を完了しておけば良いのかを先輩や上司に確認してみてくださいね。

ステップ②それぞれの仕事にかかるおおよその時間を整理する

すべての仕事の納期が整理できたら、次にそれぞれの仕事にかかるおおよその時間を割り出してみましょう。

仮に納期が遅い仕事でも、時間がかかってしまえば納期に間に合わなくなる可能性があります。一つの仕事をこなすのにどの程度の時間が必要なのかを計算し、そのうえで適切な優先順位をつけることが大切です。

ステップ③納期が早い・時間がかかる仕事の優先順位を高くする

それぞれの仕事の納期とかかる時間を割り出したら、優先順位をつけていきましょう。この時、納期が早い仕事と時間がかかる仕事の優先順位を高くしてくださいね。

自分で判断するのが難しい場合は、一度スケジュールを立てたうえで上司や先輩に見てもらうのが良いでしょう。行動計画を共有しておくことで周囲の人にも今の仕事の状況を周知でき、進捗管理がしやすくなるメリットもありますよ。

ステップ④納期の1日前を期限にして逆算したスケジュールを立てる

最後に、納期の1日前を期限として逆算したスケジュールを立てましょう。余裕を持ったスケジュール設定をしておけば、万が一仕事が進まないことがあっても納期を超過せずに済む可能性があります。

仮にスケジュールのとおりに仕事が進まなかった場合は、焦らずに改めてスケジュールを立て直してくださいね。仕事には多くの人がかかわっている以上、予定どおりにはいかないことが多々あります。そのような場合も想定し、柔軟に対応することが大切です。

負担を減らすには効率化が命！ 効率的に仕事を進める3つのコツ

仕事の負担を減らすには、優先順位をつけたうえで一つひとつの仕事を効率的に進め、そもそも仕事にかける時間を削減することも重要です。

ここからは仕事を効率的に進めるためのコツについて解説するので、積極的に活用し少しずつ時間削減を図っていきましょう。

①仕事に集中できる環境作りをする

仕事を効率化するうえでは、集中できる環境作りも重要です。そもそも集中できる環境でなければ仕事の進みが遅くなってしまい、仕事の質も下がってしまう可能性がありますよ。

集中できる環境作りの方法は職種によって異なりますが、今仕事をしている環境に合った方法を実践してみましょう。仕事に集中できれば作業も早くなり、それが仕事の成果につながる可能性もありますよ。

②作業の過程を整理して無駄がないか確認する

今の仕事の進め方に無駄なところがないかを整理してみるのもおすすめです。そもそも無駄な部分があってはどんなに集中できる環境を作ったとしても時短が難しくなるので、一度よくある作業過程を書き出してみましょう。

仕事に真摯に取り組もうとするほど、ミスを減らそうと確認作業が増えることがあります。それらの作業は本当に必要なのか、削減できる部分がないかを振り返ることで、時間短縮につながりますよ。

③時短や効率化につながるツールを積極的に活用する

時間短縮や効率化を図るには、ツールをうまく使うことも大切です。たとえばPCのショートカットキーを積極的に使うようにするだけでも、少しずつ時間を短縮していくことができます。

もしくは、仕事効率化につながるツールを活用するのもおすすめですよ。

もし業務を進めるなかで「この作業時間がかかるな」「単純作業だし省略できそう」と感じたときには、それに該当したツールがないか探してみるのもおすすめです。

これだけは意識しておこう！ 仕事で力を抜いてはいけない3つのポイント

仕事を効率的に進めるうえでは力の入れどころを理解することが重要ですが、なかには逆に絶対に力を抜いてはいけないポイントもあります。

ここからは力を抜いてはいけないポイントを解説していくので、この先の内容にもしっかりと目を通しメリハリをつけた仕事ができるよう意識しましょう。

①納期を守る

自分に負担がかかるような仕事のやり方は避けるべきですが、最低限納期を守ることはしっかりと意識しておきましょう。そもそも優先順位の設定や仕事の効率化は、納期を守ることが前提であることを忘れないでくださいね。

しかし、ときにはどうしても納期を守るのが難しいこともあるでしょう。そのようなときは、できるだけ早い段階で納期を過ぎてしまう可能性があることを周囲に共有することが大切です。リカバリープランを立てるにも余裕は必要なので、早めの情報共有を心掛けましょう。

②仕事の「質」を担保する

負担を減らそうと力を抜いて仕事に取り組んだ結果、仕事の質が下がってしまっては本末転倒です。なるべく短時間で質の良い仕事をするのが、優先順位づけや効率化の目的であることを忘れないでください。

そのためには、スケジュール設定の時点で質を下げないようしっかりと時間をキープしておくことが大切です。短時間で仕事に臨もうとするとどうしても見落としやミスが発生しやすくなるので、余裕を持ったスケジュール設定が重要ですよ。

③周囲への影響を考える

どんなに短時間で効率良く、質を担保した仕事ができていたとしても、周囲の人たちに迷惑や負担をかけてしまっていては人間関係が悪くなる可能性があります。

結果として職場の生産性自体が下がることにもつながるので、周囲への影響もよく考える必要がありますよ。

仕事は一人で進めるものではなく、多くの人が協力して進めていくものです。周囲の協力なしに仕事はできないということを忘れず、迷惑をかけないような配慮をしましょう。

「仕事は適当でいい」ができない……力が抜けないときの4つの考え方

仕事をするうえでは、「自分で頑張らなければ」「完璧にこなさなければ」と考えてしまい、真摯に向き合おうとするほど負担になることもあるでしょう。なかなか肩の力を抜けない状態が続くと、精神的に疲弊することもありますよね。

そのようなときは、少し仕事に対する考え方を変えてみるのがおすすめです。ここからは力が抜けないときに意識してほしい考え方について解説していくので、負担の少ない仕事との向き合い方を理解しましょう。

①常に完璧を目指す必要はない

仕事が負担になっている場合によくあるのが「仕事は常に完璧にこなさないと」と考えてしまい、必要以上のプレッシャーを感じているケースです。そのような事態を避けるためにも、「仕事は完璧でなくて良い」という考え方を持つことも大切ですよ。

仕事を進めるうえではミスや不手際は避けたいものですが、失敗は自分の成長につながります。

ミスを恐れすぎるとチャレンジができなくなってしまうこともあるので、「失敗しても何とかなる」という気持ちもときには必要です。

怒られるのが怖くてどうしても完璧を目指してしまいがちな場合、こちらの記事の解説もぜひ読んでみてください。

関連記事

怒られるのが怖いのは「思考のクセ」が原因！ 3類型から対策を導く

仕事で怒られるのは誰しも怖いと感じるものですが、怖いと委縮しすぎてしまうのも成果が出づらくなってしまうため良くありません。怒られるのが怖いという状況を抜け出すための考え方や、怒られないようにするための行動や対処法をキャリアアドバイザーが徹底解説します。

記事を読む

②周りに頼ることも大切

仕事をするなかで「自分で進めないと」「周りの人に頼ってはいけない」と考えてしまう瞬間もあるのではないでしょうか。

確かにある程度の問題を自分で解決しようとする姿勢は大切ですが、その気持ちが強くなりすぎて周囲に頼れなくなってしまうと、負担は増す一方です。自分で考え抜いた結果答えが出なかったときは、周りの人に頼ることも大切にしてくださいね。

③「常に100点」ではなく「安定して80点」を目指す

仕事をするうえでは、常に100点の出来を目指すよりも安定して80点の品質を目指したほうが、適度に肩の力を抜いて仕事に向き合うことができますよ。

一緒に仕事をする人にしても、100点のときもあれば50点のときもあるよりは、常に一定の品質を保てる人のほうが仕事がしやすいですよね。

④適度な休憩は効率アップにつながる

仕事をする際には、適度に休憩や気分転換をする時間も必要であることを覚えておきましょう。仮に8時間仕事をするとしたら、その間ずっと全力で仕事に向き合おうとすると精神的に疲弊してしまったりストレスが溜まりやすくなります。

適度に休憩を挟むことで、気持ちを切り替えられたりリラックスしたりすることができ、むしろ作業効率アップにつながることもありますよ。仕事をするときには休憩も必要であることを覚えておきましょう。

「仕事は適当で良い」の真意を理解してまずは優先順位づけと効率化を意識しよう

ここまで、「仕事は適当で良い」の本当の意味や負担の少ない仕事の進め方について解説してきました。

力の入れどころを調整しながら仕事をすることは、生産性を上げたり作業効率を上げるためには重要です。大切なのは、適度に肩の力を抜いて自分に過度な負担がかからない範囲で全力を出すことです。

そのために、ここで解説している優先順位づけと業務の効率化を大切にしながら仕事に向き合っていきましょう。