目次
- 短期離職するならリスク対策が必須! 現状分析×事前準備で対処しよう
- 退職を考えたらまず知りたい! 短期離職についての前提知識
- 「短期離職」とは一般的に入社3年以内に退職することを指す
- 入社しても短期離職する人は意外と多い
- 若手人材のニーズが高まりつつある今は再就職しやすい
- 短期離職するとどうなる? 考えられる3つの影響をチェック
- ①経歴を不安視され選考の難易度が上がりやすい
- ②仕事に関するスキルが身に付きにくい
- ③短期離職に慣れてしまう可能性がある
- 当てはまるなら短期離職は要検討! ミスマッチ防止のためのチェックリスト
- ①今の仕事に少しは関心を持てることがある
- ②改善の見込みが0ではない
- ③待遇や労働環境以外に不満な点がない
- ④小さなことでも今の仕事で成果を出した経験がある
- ⑤仕事に慣れていないと感じることや知らないことがたくさんある
- 「短期離職したい理由」と「してからどうしたいか」を整理してから決断しよう!
- まずはなぜ辞めたいのか理由を整理して行動指針を立てよう!
- ステップ①今の職場に感じる不満を書き出す
- ステップ②現職では解消できない不満をピックアップする
- ステップ③どんな環境なら不満を解消できるか考える
- ステップ④将来のキャリアビジョンを明確にする
- 離職後のプランの参考にしよう! 短期離職後に選べる3つの道
- ①正社員として転職する
- ②非正規として働きつつ正社員登用を目指す
- ③フリーランスとして働く
- 転職活動をスムーズに進めよう! 短期離職後に役立つ4つの就活の極意
- ①希望条件の優先順位をつけて視野広く企業探しをする
- ②短期離職した理由を自責的な視点で整理しておく
- ③人手不足の業界を狙う
- ④就職エージェントを利用する
- 短期離職かほかの道を選ぶかで悩んでいるあなたに伝えたいこと
- 一人で判断するのではなく必ず誰かに相談しよう
- 何よりも大切なのはあなた自身の心と体の健康
- 短期離職を考えたときは現状と将来を見すえた冷静な判断をして希望をつかもう!
短期離職するならリスク対策が必須! 現状分析×事前準備で対処しよう
こんにちは、キャリアアドバイザーの今井です。
就職したばかりだけど辞めたいと悩んでいる人から、よくこんな相談をもらいます。
「入社してすぐ仕事を辞めたらキャリアに響くかも」そんな不安を感じて思い悩むこともありますよね。
あなたも次の就職先に関して不安を抱いていることも多いのではないでしょうか? また短期離職を繰り返してしまわないか、どうすれば理想の転職を実現できるのかも気になるところですよね。
この記事では、短期離職をしたうえでの転職活動の進め方や成功させるためのコツ、後悔のない選択をするための方法について解説していきます。自分にとって一番ベストな選択肢は何なのか、一緒に見極めていきましょう。
退職を考えたらまず知りたい! 短期離職についての前提知識
「まだ入社したばかりだけど仕事を辞めたい。でもあまりに早く辞めてしまったら、次の転職に響くかもしれない……」そう悩んでいるときは、まず短期離職についての基本的な知識を身に付けることが大切です。実態を知ることで不安なく次の行動を選択できるようになりますよ。
ここからは、短期離職についての基礎知識を解説していきます。自分の場合は短期離職に当てはまるのか、どのくらい短期離職をする人がいるのかを知り、対策を練るための準備をしましょう。
「短期離職」とは一般的に入社3年以内に退職することを指す
入社後どれくらいが短期離職と呼ばれるのか厳密に定義されてはいないものの、一般的には入社してから3年以内に退職する場合を指すことが多いですよ。ただしあくまで目安なので、企業によってはもっと短かったり、長期間を想定している可能性があることは覚えておきましょう。
また、新卒で入社した企業を短期離職したり、短期離職をして転職を考えている人のことを第二新卒と呼びます。企業によっては中途採用枠と第二新卒採用枠に分けて募集をしているところもありますよ。
第二新卒の就活法については、こちらの記事で詳しく解説しています。該当する場合は参考にして就活対策を練りましょう。
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短期離職はキャリアに影響する|5つの質問でベストな道を見極めよう
短期離職について考えた時、その後のキャリアや転職活動への影響を考えて不安に思うことがありますよね。大切なのは本当に今辞めることがベストなのかを見極め、後悔のない選択をすることです。この記事では、専門家のアドバイスを交えて短期離職について悩んだときに覚えておいてほしいことについて解説していきます。
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入社しても短期離職する人は意外と多い
「短期離職の選択をするのは自分だけかも」と不安を抱くことがあるかもしれません。しかし入社した後、短期離職の決断をする人は毎年一定数存在しています。
社会人として働いてみて価値観が変わったり、仕事に対する思いが変わるのはよくあることです。あなたが今のタイミングでキャリアチェンジを考えるのも、仕事を通して成長し考え方が変わった結果なのかもしれません。
米田 有希
若手人材のニーズが高まりつつある今は再就職しやすい
「少子化」「売り手市場」「人手不足」最近はそんな言葉を聞くことが多いですよね。今の就活市場には、若手人材不足に悩まされている企業が多くあります。若手人材確保のために積極的な採用活動をしているところが多いので、比較的再就職がしやすい状況と言えますよ。
また若手のうちに転職活動を始めれば、企業側もあなたの人柄や成長性、意欲を重視して採用してくれる可能性がありますよ。そのため年齢を重ねたタイミングで転職をするよりも、ハードルが低いことが多いです。
本田 百合香
特に未経験の業界・職種にチャレンジする場合は、ポテンシャルを重視した採用をしてくれる今のうちに転職活動を始めるのも戦略の一つですよ。
未経験業界・職種にチャレンジするキャリアチェンジについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしながら対策を固めましょう。
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短期離職はキャリアに影響する|5つの質問でベストな道を見極めよう
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短期離職するとどうなる? 考えられる3つの影響をチェック
短期離職を考えたときに気になるのが、今後のキャリアへの影響ですよね。「転職はうまくいくのか」「その後のキャリアに悪影響が出る可能性はあるのか」これについては決断前に欠かさずにチェックしておきましょう。
ここからは、短期離職によって考えられる3つの影響について解説していきます。
①経歴を不安視され選考の難易度が上がりやすい
- 企業が求めるレベルのスキルなどを有していないケースが多い
- 面接の際に短期離職をした明確な理由を必要とされることが多い
- 書類審査の時点で経歴を不安視されやすい
第二新卒などの転職の場合、企業側もそこまで実績やスキルを求めることはありませんが、なかにはなるべく早いうちに活躍してもらいたいと考える企業もあります。そのためある程度のスキルや経験がないと採用に前向きになってもらえないことがあるのです。
またほとんどの面接で短期離職を決意した理由を質問されると思っておきましょう。企業側も短期離職をした人に対しては「すぐに辞めてしまうのでは」と不安に感じる場合があり、その不安を解消するために理由を深掘りして聞かれることがありますよ。
ここで明確な理由が伝えられないと、イメージダウンにつながり転職活動が難航しやすくなります。前職で抱えていた不満ややりたいことを整理して、説得力のある理由を用意しておくことが大切です。
松下 建都
あまりにも短いスパンでの短期離職となると、書類選考の時点で「簡単に仕事を辞めてしまう人なのかも」と不安を抱かれてしまい通過しにくくなることも考えられます。
②仕事に関するスキルが身に付きにくい
入社してから早いうちに退職をすることで、スキルが身に付きにくいことも短期離職による影響の一つです。
仕事のスキルは短期間で身に付くものではありません。基本的な仕事の進め方は学べるかもしれませんが、戦力となるようなスキルや経験、実績を手に入れるとしたらそれなりに時間がかかりますよね。
より専門的な仕事がしたかったり、選べる選択肢を増やしたいと思っているなら、短期離職の決断をする前に現状を冷静に見極めましょう。これ以上今の企業で学べることはないか、スキルを身に付ける方法はないかを考えてみてくださいね。
米田 有希
入社して間もないころは、今後どのように経験を積んでいけるのかもわからないことが多いでしょう。決断をする前に、一度上司に今後について相談してみるのもおすすめですよ。
- これ以上今の企業で学べることはないか
- スキルを身に付ける方法はないか
- キャリアアップをすることで不満は解消しないか
③短期離職に慣れてしまう可能性がある
一度短期離職をすると、短期離職に対するハードルが下がってしまうことがあります。その結果、短期離職に対する抵抗がなくなってしまい同じことを繰り返すことになる可能性がありますよ。
もちろん短期離職の選択が今のあなたにとってベストなこともありますが、常に選択肢のなかに短期離職が含まれてしまい、ちょっとしたことですぐに辞めてしまう状況に陥ることは避けましょう。
本田 百合香
勢いのまま短期離職をしてしまうことで「辞めなきゃ良かった」と後悔する可能性もあります。今のあなたにとってベストな選択を考え抜き、公開のない決断をすることが大切ですよ。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
短期離職をして次の就職に対するハードルを上げてしまう人がいる一方で、短期離職を繰り返すことに慣れて逆にハードルが下がるということもあります。
「仕事ってそこまで選ばなければほかにもたくさんあるんだ」そんな気持ちで仕事の短期離職を繰り返してしまうと、今後あなたが本気で挑戦したいと感じた業界や職種への転職を目指したときに短期離職を繰り返した経歴が壁になってしまうかもしれません。
また、辞めてしまった仕事が実はあなたにとってベストな仕事だったことに後から気がつき後悔することもあるかもしれませんよ。
上記のようなケースが起こりうることもしっかりと考慮したうえで、退職を考える前に「どうして今の仕事を辞めたいのか」「リスクを背負ってまで辞める必要はあるのか」をしっかりと検討しましょう。
自分自身が納得できる答えが出せたら、その決断を後悔する可能性も最低限にできるはずです。結果として次の仕事での短期離職を防ぐことや、自分自身のキャリアの形成に役に立つでしょう。決断を焦らず、リスクもしっかりと見すえて判断してくださいね。
当てはまるなら短期離職は要検討! ミスマッチ防止のためのチェックリスト
短期離職の決断をする際には、何よりもミスマッチな決断でないかどうかを一番に考えることが大切です。
あなたが知らないだけで、辞める以外にも選択肢はあるかもしれませんし、実はその仕事があなたに一番マッチした仕事なのかもしれません。後から「やっぱり辞めずにこうしておけば良かった」と思うことがないよう、慎重に検討してくださいね。
ここからは、そんなミスマッチの防止に役立つチェックリストについて解説していきます。
①今の仕事に少しは関心を持てることがある
現職で少しでも関心を持てることがあるなら、あまり早いうちに決断しない方が良いかもしれません。今の時点では納得のいくような働き方ができなかったとしても、経験を積むことで関心が持てる分野で活躍できることもあるでしょう。
もしその余地が0でないなら、早いうちから上司に希望を伝えて関心の持てる分野でキャリアを積んでいくことができるかどうかを確認してみるのも良いですね。あなたの希望がかなう可能性があるのかどうかを知ってから短期離職の判断をしても、遅くはないはずです。
米田 有希
経験を積んでいけば、新たに興味や関心を持てることができることもあります。仮に転職をすることになったとしても、身に付けたスキルや経験は必ずあなたの希望をかなえる手助けになりますよ。
- 関心の持てる分野で仕事ができる場合のキャリアビジョンを立てる
- 上司に希望を伝えて希望のキャリアを積んでいけるかどうか確認する
②改善の見込みが0ではない
もし不満に感じていることが改善される見込みが少しでもあるなら、今すぐに見切りをつけて短期離職をする必要はないかもしれません。どんなことに不満を感じているのかを書き出して、それが改善できる可能性がないかを改めて考えてみましょう。
冷静に考えれば、それまで思いつかなかった解決策が見えてくることもあります。一人で考えるのが難しい場合は、上司に相談してみるのも良いですね。良いアドバイスをもらえる可能性がありますよ。
本田 百合香
改善できるまでに時間がかかったり、今後のキャリアを考えたときにすぐ改善する必要があるなら、転職をした方が良いこともあります。キャリアビジョンと照らし合わせて検討しましょう。
- 上司に悩みを相談し解決策がないかを考える
- 今後のキャリアビジョンと照らし合わせてすぐに改善する必要があるのかどうかを考える
③待遇や労働環境以外に不満な点がない
今の職場に抱いている不満が待遇や労働環境にかかわるもので、もしそれ以外の仕事内容や人間関係、社風に不満がないなら短期離職に踏み切るかどうかは慎重に考えた方が良いかもしれません。
というのも、待遇や労働環境は働き続けることで改善できるものもあります。仕事で実績を出せば、昇給して待遇が良くなる可能性は十分にありますよね。労働環境も部署異動や在宅ワークを取り入れることで改善されることがあります。
一方で、仕事内容や人間関係がぴったり合っている企業を探すのは簡単ではありません。特に人間関係は誰しも悩まされやすい要素の一つです。今快適に過ごせているなら、その環境を手放しても良いのかどうかは慎重に判断した方がミスマッチを防ぐことができますよ。
松下 建都
もし同じ業界内であなたが働いている企業の給料が明らかに低いなら、改善のために早めに行動をした方が良いことがあります。今のあなたの状況を客観的に見つめて後悔のない判断をしましょう。
- 待遇:自分の業界の平均収入と自分の収入の差を確認する
- 労働環境:同じ職種・業界でもっと労働環境の良い企業があるのかどうかリサーチしてみる
在宅ワークができる仕事については、こちらの記事で詳しく解説しています。在宅ワークがしやすい職種も紹介しているので、参考にしてくださいね。
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短期離職はキャリアに影響する|5つの質問でベストな道を見極めよう
短期離職について考えた時、その後のキャリアや転職活動への影響を考えて不安に思うことがありますよね。大切なのは本当に今辞めることがベストなのかを見極め、後悔のない選択をすることです。この記事では、専門家のアドバイスを交えて短期離職について悩んだときに覚えておいてほしいことについて解説していきます。
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④小さなことでも今の仕事で成果を出した経験がある
もし現職で何らかの成果を上げたり実績を残した経験があるなら、今短期離職をするかどうかは一度立ち止まって考えてみた方が良いかもしれません。
結果を残した経験は、誰にでもあるわけではないですよね。それができるほどあなたには実力があり、得意なことがあるのです。
成功体験を深掘りし、どんな仕事をしていたのかを思い返してみてください。そこにあなたの得意なことややりがいを感じられることがあるのではないでしょうか? 現職でもそんな仕事に携われる機会があるなら、今すぐに辞めてしまうのはもったいないかもしれません。
米田 有希
成果を出した経験を深掘りしてあなたの得意なことや好きなことが見つかったら、それに関する仕事ができないか上司に掛け合ってみるのも良いでしょう。退職以外の改善策があるかもしれません。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
成果を出した経験はあるものの「結構前のことだし今仕事に前向きになるのは難しい」「自分の功績とはいえない」と思ってしまう人もいるかもしれません。
そんなときは、本当に仕事をしていて成果を上げたり努力をした経験がないのかを今一度じっくり考えてみましょう。もしかするとあなた自身が勝手に「それは自分の成果ではない」と思い込んでいるだけで、周りの人はあなたに助けられていたかもしれません。
どうしても客観的に自分を見つめることができない場合は、第三者から見た普段のあなたの頑張りや助けられたことなどを聞いてみるのも良いでしょう。他己分析は自分を客観視する良い方法ですよ。
それらを掘り起こして自信を持つことで、今の仕事にその成果や努力がどう活かせるのかがわかります。あなたにしかない魅力のある力を発見できるでしょう。
⑤仕事に慣れていないと感じることや知らないことがたくさんある
入社間もないためにまだ仕事に慣れておらず、できないことが多い状態なら苦労することもあるでしょう。けれどそれは誰しも経験してきたことで、今のうちは仕方がないのかもしれません。
実務経験を積めば仕事についての理解が深まり、考え方が変わることもあるでしょう。今は仕事のやり方がわからないだけで、本当はあなたに合っている仕事かもしれません。
仕事に慣れてできることが増えれば、キャリアアップの幅も広がります。理想としているキャリアを進める可能性も十分にあるはずです。すぐに見切りをつけてしまわずに、もう少し様子見しても良いかもしれませんね。
松下 建都
たとえばミスを必要以上に責められることがあったり、何度同じ経験をしても仕事への苦手意識が消えなかったり、場合によっては短期離職を視野に入れた方が良いこともありますよ。
「短期離職したい理由」と「してからどうしたいか」を整理してから決断しよう!
短期離職を視野に入れているときは、自分を冷静に見つめ直しミスマッチのない判断をすることが大切です。
そのために、まずは短期離職をしたいと考えた理由を整理しましょう。短期離職のリスクを理解してもなお今の仕事から離れたいと思うには、大きな理由があるはずですよね。それを言語化することで、自分自身が抱えている悩みを客観的に見ることができますよ。
次に短期離職をした後のキャリアビジョンについて考えてみてください。「どんな企業で働きたいのか」「どんなふうにキャリアを積みたいのか」「将来どうなっていたいのか」このビジョンを明確にすることで、次に起こす行動の指標が見つかります。
短期離職の決断を希望の実現へ向けた価値のある選択にするには、確固とした将来のビジョンを持っていることが大切です。焦って判断せず、時間をかけて自分を見つめ直し慎重に決断しましょう。
まずはなぜ辞めたいのか理由を整理して行動指針を立てよう!
短期離職を後悔のない選択にするためには、まずなぜ今辞めたいと感じるのかを明確にする必要があります。本当に今の企業から離れる必要があるのかを慎重に考えてみましょう。
ここからは、短期離職がしたいと感じる理由を整理し行動指針を立てるための4ステップを解説していきます。
ステップ①今の職場に感じる不満を書き出す
まずは今の職場に感じている不満をすべて書き出すことから始めましょう。小さなことでも構わないので「ここが改善できたらもっと働きやすいのに」と感じることやストレスの原因になっているものを紙に書いて可視化してみてください。
不満がうまく整理できないときは、マインドマップを使ってみるのがおすすめです。連想ゲームのように一つの物事を細分化しながら頭のなかを整理できますよ。
短期離職するかどうかに意識が向くと「そもそもなぜ辞める必要があるのか」を明確にしないまま焦って判断してしまうこともあります。そのような決断はミスマッチにつながりかねないので、一度立ち止まって考えてみてくださいね。
米田 有希
抱えている不満を可視化することで、今の自分自身を客観的に見つめ直すことができます。
- マインドマップを使う
- 第三者に悩みを相談しながら頭のなかを整理する
ステップ②現職では解消できない不満をピックアップする
今の職場に感じている不満を書き出したら、次はそのなかから今の環境を離れないとどうしても解消できないものをピックアップしましょう。
たとえば人間関係や仕事内容への不満なら、部署異動で解決できる可能性があります。今の職場でも改善の余地があるのに、よく考えずに短期離職に踏み切ってしまっては後悔をしてしまう可能性もありますよ。慎重に判断してくださいね。
本田 百合香
もし今の職場でも解決できる不満しかないなら、マイナスな気持ちに突き動かされて勢いのまま短期離職をしようとしているのかもしれません。一度気持ちを落ち着かせて考えてみましょう。
- 企業理念に共感できない
- まったく違う業界で働きたい
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
もし、今の職場でも不満の解消ができるならそれに越したことはありませんね。ただ「そんな気持ちの余裕も気力もない……」そんなふうに感じているときは、もしかすると投げやりになっている部分があるのかもしれません。
そのようなときは、まずは余裕を作ることから始めましょう。周りを見渡して、今の自分をフォローしてくれる人や相談できる上司、部署がないかを冷静に考えてみてください。一人で抱え込まず、誰かに頼るのはとても大切なことです。
それができなさそうなときは、仕事とは関係のない人に相談をしてみるのも一つの手です。信頼のおける友人、家族や、専門のキャリアアドバイザーを頼ってみることで解決策が見つかることがあります。まずは誰かの手を借りて気持ちの余裕を作ることで、抱えている問題を冷静に見つめ直すことから始めましょう。
ステップ③どんな環境なら不満を解消できるか考える
現職では解決できない不満をピックアップしたら、次はそれを解消できるのはどんな環境なのかを考えてみましょう。
改めて考えてみることで、複数の選択肢を見つけることができるかもしれません。転職をするときには希望の条件にマッチした企業を見つけるのにも苦労することがあるので、できるだけ視野を広げるために希望の環境は明確にしてくださいね。
本田 百合香
希望が複数あるときは優先順位をつけましょう。より優先順位の高い希望をかなえられれば、納得のいく転職を実現しやすくなりますよ。
- 企業理念に共感できない→自分の価値観に合ったビジョンを掲げる企業を探す
- まったく違う業界で働きたい→希望業界で仕事を探す、業界にこだわらず職種で探す
ステップ④将来のキャリアビジョンを明確にする
不満を解消するための条件を明らかにしたら、次は短期離職後のキャリアビジョンを立てましょう。
「どんな企業で働きたいのか」「どんなふうにキャリアを積みたいのか」「将来どうなっていたいのか」を明確にして、それをかなえるために必要なものを確認してください。
キャリアビジョンを立てるときは、入社後1年目、5年後、10年後とステップを踏むイメージで考えると良いですよ。目標として掲げられるようなキャリアビジョンがあれば、転職後もモチベーションを維持して働くことができます。
松下 建都
キャリアビジョンを明確にすれば、今の自分にはどんなスキルや経験が必要なのかがわかりますよね。これは企業探しにも役立つので、整理して書き出しておきましょう。
キャリアビジョンの立て方はこちらの記事で詳しく解説しているので、なかなか思い浮かばない人は参考にしてください。
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短期離職はキャリアに影響する|5つの質問でベストな道を見極めよう
短期離職について考えた時、その後のキャリアや転職活動への影響を考えて不安に思うことがありますよね。大切なのは本当に今辞めることがベストなのかを見極め、後悔のない選択をすることです。この記事では、専門家のアドバイスを交えて短期離職について悩んだときに覚えておいてほしいことについて解説していきます。
記事を読む
離職後のプランの参考にしよう! 短期離職後に選べる3つの道
短期離職の選択をミスマッチなものにしないためには、事前に仕事を辞めた後のプランを立てておくことが大切です。
正社員として再就職を目指す人もいれば、非正規雇用として働く道を選ぶ人もいるでしょう。選択肢は無数にあるので、そのなかでもあなたに合った働き方を見極めてくださいね。
ここからは、短期離職をした後に選べる3つの働き方について解説していきます。まだ今後のビジョンが明確になっていない人は参考にしてください。
①正社員として転職する
- メリット:雇用・収入が安定する、福利厚生が充実していることが多い、キャリアアップしやすい
- デメリット:非正規雇用に比べ異動や転勤が発生しやすい、責任が重い仕事を任されることがある、就業時間が長くなりやすい
正社員は雇用や収入が安定しやすく、安心して働くことができます。非正規雇用の人と比べると任せてもらえる仕事の範囲が広いので、キャリアアップを狙いやすいのも魅力ですね。
一方で、非正規雇用に比べて異動や転勤が発生しやすいのが懸念点です。また一日の大半の時間を仕事に当てなければいけない場合も多く、自由に時間を使いたい場合には不便に感じることもあるかもしれません。
米田 有希
正社員になるのにもメリットとデメリットはあります。どちらも考慮しておくことがミスマッチのない選択をするうえでは大切ですよ。
多様な正社員
正社員になるデメリットの一つに勤務時間の調整のしにくさが挙げられます。これを解決する多様な正社員という働き方がありますよ。
厚生労働省が発表している、多様な働き方を推進するための「多様な正社員制度」についてまとめた「多様な働き方の実現応援サイト」では、多様な正社員を「従来の正社員と比べ、職務内容、勤務地、労働時間などを限定して選択できる正社員」を指すとしています。
多様な正社員なら希望の働き方に合わせて選ぶことができるので、正社員になることに不安があるときはこうした制度がある企業を探してみるのも良いでしょう。
本田 百合香
ここにコメントを記多様な正社員としての働き方は、すべての企業でできるわけではありません。また役職やポジションによってはどうしても実現できない場合もあることは覚えておいてくださいね。載してください
②非正規として働きつつ正社員登用を目指す
- アルバイト・パート:正社員よりも短い労働時間で働く人。1週間に働く日数や時間を自分で決められる場合が多い
- 契約社員:雇用期間をあらかじめ決めて働く人。正社員の職務に近い仕事をする。2年契約の場合が多い
- 派遣社員:派遣会社に仕事を紹介してもらい紹介先の企業であらかじめ決められた雇用期間のみ働く人。3~6カ月などの比較的短期間の契約が多い
非正規雇用として働いて、そこから正社員登用を目指す選択肢もあります。メリットはさまざまですが、たとえば未経験の業界に挑戦するときに事前にある程度の実務経験を積めたり、あらかじめ職場の雰囲気を知ったうえで正社員になれるのが大きな魅力です。
また契約社員や派遣社員なら、正社員として入社するには難易度の高い企業でも比較的入社しやすいこともありますよ。実力が認められれば正社員登用をしてもらえる可能性もあるので、視野に入れてみてくださいね。
正社員登用についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、視野に入れている人は参考にしてください。
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短期離職はキャリアに影響する|5つの質問でベストな道を見極めよう
短期離職について考えた時、その後のキャリアや転職活動への影響を考えて不安に思うことがありますよね。大切なのは本当に今辞めることがベストなのかを見極め、後悔のない選択をすることです。この記事では、専門家のアドバイスを交えて短期離職について悩んだときに覚えておいてほしいことについて解説していきます。
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③フリーランスとして働く
- メリット:働く量や時間を自分自身で決められる、仕事の内容を自由に選ぶことができる
- デメリット:自分で仕事をとってくることができなければ収入が途絶えてしまう、管理業務まですべて自分でする必要がある
短期離職後の選択肢として、フリーランスで働く手段もあります。
フリーランスなら働く時間や量を自分自身で決めることができるので、生活に合わせた働き方がしやすいですよ。また仕事の内容も自由に選ぶことができます。自由度の高い仕事ができるのもフリーランスの魅力の一つです。
一方で、自分で仕事をとってくることができなければ収入が途絶えてしまう可能性があるのはフリーランスの難しい面として挙げられます。また管理業務もすべて自分自身でする必要があるので、実際の仕事以外にもしなければいけないことが多いですよ。
フリーランスは自由度の高い魅力的な働き方ですが、自分で顧客を獲得する必要がありハードルが高い部分もあります。あらゆる点を考慮して選択をしましょう。
転職活動をスムーズに進めよう! 短期離職後に役立つ4つの就活の極意
短期離職後の転職活動には厳しい局面もあります。そんななかでもスムーズに転職活動を進め希望を実現するためには、コツを押さえておくことが大切ですよ。
ここからは、短期離職後の転職活動に役立つ4つのポイントを解説していきます。ミスマッチのない選択をして希望を実現するためにも、この先の内容は欠かさずにチェックしてくださいね。
①希望条件の優先順位をつけて視野広く企業探しをする
転職先に希望する条件には、優先順位をつけておきましょう。絶対にかなえたい希望とできればかなえたい希望に分け、絶対にかなえたい希望を実現できる企業を中心に探してみてください。
中途採用枠は限られていることが多く、希望に合った条件の企業を見つけるのは簡単ではないかもしれません。
なかなか良い企業が見つからなくてモチベーションが下がってしまう……そんな事態も考えられるので、いっぺんにすべての希望をかなえようとはせず、まずは優先度の高い希望を確実にかなえられる企業を探しましょう。
米田 有希
特に次に目指す業界や職種を限定しているときは、何がやりたいのかを明確にしてできるだけ視野を広げた企業探しをしてみてくださいね。
- 音楽にかかわる仕事がしたい:アーティスト、音響スタッフ、サウンドプログラマー
- 本にかかわる仕事がしたい:書店員、出版社、印刷会社
②短期離職した理由を自責的な視点で整理しておく
短期離職の経歴がある場合、面接ではほぼ確実にその理由を聞かれます。そんなとき「人間関係が悪かった」「給料が低かった」などの前職のイメージダウンにつながるような回答をすると自分勝手なイメージにも結び付く可能性があり、印象が悪くなるリスクがありますよ。
そこで大切なのが、短期離職の決断をした理由に自分の責任として捉えられる点がないかどうかを考えることです。
- 理由:人間関係が悪かった
- 自責的にとらえる点:自分のコミュニケーション不足にも原因があったかも
- 学び:今後はコミュニケーションを大切にして働く
本田 百合香
何事も自責的に捉え、そこから学びを得る姿勢は企業も高く評価してくれるはずです。短期離職をした理由を整理するときは自責的な視点を持つことも忘れないでくださいね。
③人手不足の業界を狙う
短期離職後の就活をスムーズに進めたいと思ったときは、人手不足の業界にチャレンジするのも一つの手です。
最近は少子高齢化の影響もあり、若手人材不足に悩まされている企業は多くあります。若手というだけでも大きなアピールになりますが、そのうえで人手が足りていない業界を狙えばよりスムーズな就職がしやすくなりますよ。
松下 建都
短期離職によるマイナスイメージはカバーするのが難しいこともあります。自分にとって少しでも有利なフィールドを選ぶことも、希望実現のための戦略の一つです。
- 介護業界
- 運送業界
- IT業界
④就職エージェントを利用する
- あなたの人柄や条件に合った企業を紹介してもらえる
- 非公開求人を紹介してもらえる場合がる
- 志望企業に合わせた選考対策サポートが受けられる
短期離職後の転職活動は、一人で進めるには難しい局面もあるでしょう。特にあなたに合った企業探しや選考対策は、誰かの手を借りた方が効率的に進めることができます。
そこでおすすめなのが、就職エージェントの活用です。一対一で就活のプロに企業選びから選考対策、条件交渉までサポートしてもらうことができますよ。
企業探しについては一般公開されていない非公開求人を紹介してもらえることもあるので、掘り出し物の求人が見つかるかもしれません。また志望する企業の特色や求める人物像に合わせた選考対策もしてもらえるので、就活を進めるうえでの心強い味方になってくれます。
米田 有希
就職エージェントのなかには、第二新卒に特化したところや業界・職種に特化したところもあります。あなたの目的に合わせた就職エージェントを利用して上手に転職活動を進めましょう。
短期離職かほかの道を選ぶかで悩んでいるあなたに伝えたいこと
- 一人で判断するのではなく必ず誰かに相談しよう
- 何よりも大切なのはあなた自身の心と体の健康
短期離職をしても良いものか悩んでいる時、「甘えかも」「我慢するべきでは」と自分を責めるような考えに陥ってしまったり、視野が狭まってしまうことがあると思います。そのような状態では将来について冷静に考えることはできないので、まずは考え方を変えることが大切です。
ここからは、短期離職について悩んでいるときに大切なことや判断基準について解説していきます。
一人で判断するのではなく必ず誰かに相談しよう
仕事を辞める決断には勇気が要りますよね。そのうえ短期離職となると、悩むことが多くても仕方ありません。もしも自分一人で悩んでいてなかなか結論が出ないときは、誰かに相談するのがおすすめです。
あなたの状況を客観的に見てもらうことで、解決策が見つかる可能性もあります。場合によっては背中を押してもらったり、冷静な判断をするよううながしてもらえることもあるでしょう。
悩んでいると自分を客観的に見ることが難しくなるものです。そんなときに大きな決断をしてしまうと、ミスマッチにつながる可能性があります。焦らずに自分にとってベストな選択を見極めるためにも、誰かに相談することは大切ですよ。
本田 百合香
悩みを口に出すことで、頭のなかが整理しやすくなりますよ。あなた自身の気持ちを改めて見つめ直すためにも、誰かに相談するのは有効です。
何よりも大切なのはあなた自身の心と体の健康
短期離職をするかどうかは慎重な判断が必要ですが、短期離職そのものが悪いということはありません。今後を考えると思い悩んでしまうことがあったり「甘えているのかも」と自分を責めてしまうこともあるかもしれませんが、何よりも大切なのはあなた自身の健康です。
もし今大きな負担を抱えながら働いているなら、そんななかで仕事を続けていては体調を崩してしまうかもしれません。体の不調は治っても、心の不調を完治させるのは難しいものです。
何か悩みを抱えていてそれが小さなことだと思ったとしても、何よりもあなた自身のことを考えた決断をしてくださいね。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
短期離職はどうしてもイメージが悪くなりやすいと感じてしまうかもしれません。もし可能なら、多少の我慢をしてみるのも悪いことではないでしょう。困難を乗り越えた経験は必ずあなたにとって大きな学びにつながります。
ただそれによって身体や心にストレスを溜め込み、吐き出し先もないまま体調を崩してしまうのは一番避けたいことです。心の不調は簡単には治りません。一度調子が悪くなってしまうと、その後にも強く影響する可能性がありますよ。
もし調子が悪いと感じるなら、短期離職に踏み切ってでも自分の身を守ることが先決です。一人で判断をするのではなく、周囲に相談したり専門医に診てもらって判断してくださいね。
一人ですべてを抱える必要はありません。必要なときには誰かを頼りましょう。それが結果としてあなたの体を守ることにつながり、将来的にはあなたのキャリアを守ることにもつながります。体と心の健康を何よりも大切にし、充実した仕事とキャリア形成をする方法を考えていきましょう。
短期離職を考えたときは現状と将来を見すえた冷静な判断をして希望をつかもう!
ここまで短期離職をすることによる影響やミスマッチな選択をしないための考え方、短期離職後の転職活動の進め方について解説してきました。
短期離職には一定のリスクが伴うものです。勢いで判断せずに、今の自分の状況を客観的に見つめてミスマッチのない選択かどうかを慎重に見極める必要がありますよ。
一度立ち止まって考え、今何をすれば良いのかを明確にすれば必ず希望をかなえることができます。一緒にあなたにとってベストな選択は何なのかを考え、後悔のない決断をしましょう。
新卒の頃は社会人になった自分をイメージしづらく、キャリアへの考え方が明確でないまま企業を選ぶことも多いです。経験を積み新しい道に進みたいと思うのは、悪いことではありません。