正社員になるべき?メリット・デメリットや正社員以外の働き方を解説

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目次

  1. 大切なのは自分に合った働き方を見つけること
  2. 正社員にメリットがないと言われるのはなぜ?
  3. 終身雇用制度が崩壊し始めているから
  4. 同一労働同一賃金制度が開始するから
  5. 仕事に対する価値観が変化しているから
  6. 働く上での正社員のメリットは?
  7. 雇用が安定する
  8. 収入が安定する
  9. 教育制度が充実している
  10. 社会保険が完備されている
  11. 福利厚生が充実している
  12. 社会的信用度が高い
  13. 子育てと仕事を両立させたい人にとっての正社員のメリットは?
  14. 産休・育休中の収入を確保しやすい
  15. 保育園入園に有利になることがある
  16. 出産後も仕事復帰しやすい
  17. 正社員採用の企業からみたメリット
  18. 正社員のデメリットは?
  19. 転勤や異動がある
  20. 長期休暇を取りづらい
  21. やりたい仕事ができるとは限らない
  22. 残業や休日出勤があるケースもある
  23. 正社員以外に働き方には何がある?
  24. 契約社員で働く
  25. 派遣社員で働く
  26. パート・アルバイトで働く
  27. フリーランスで働く
  28. 起業をする
  29. 自分に合った働き方を見つける方法
  30. 絶対に譲れないポイントを書き出してみる
  31. その働き方で働いている人の話を聞いてみる
  32. まず正社員で働いてみる
  33. 自分に合った働き方を見つけよう

大切なのは自分に合った働き方を見つけること

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就活中の学生から、

「正社員になるメリットがわからない」
「他の働き方ではダメ?」

といった相談を受けることがあります。実際に働いたことがないと、「なぜ苦労してまで正社員になるんだろう」と思う人もいるかもしれません。正社員になる意味を見出せないと、就活そのものが嫌になってしまいますよね。

実は、昨今では正社員という働き方にこだわらない人も増えています。そのため、「絶対に正社員を目指すべき」とは言い切れません。大切なのはメリットやデメリットを知った上で自分に合った働き方を見つけることです。

この記事では、正社員のメリット・デメリットや正社員以外の働き方、正社員のメリットがないと言われる理由などを紹介します。

就職の意味を見出せない人や将来のビジョンを描けず悩んでいる人は、この記事を参考に働き方の選択肢を考えましょう。

就職の意味について考えている人はこちらも参考にしてくださいね。

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正社員にメリットがないと言われるのはなぜ?

正社員にメリットがないと言われている3つの理由

かつて仕事といえば正社員が一般的なイメージでしたが、昨今では正社員にこだわらない人も多く、働き方が多様化しています。一部では、「正社員はメリットがない」という声も。では、なぜ正社員にメリットがないと言われるのでしょうか。

終身雇用制度が崩壊し始めているから

終身雇用とは、正社員として採用した後定年まで雇い続ける制度のことです。法律で決められているわけではありませんが、終身雇用は「年功序列」とともに戦後の日本の経済成長に寄与してきました。

しかし、時代の流れとともに終身雇用制度は失われつつあります。厚生労働省職業安定局の「我が国の構造問題・雇用慣行等について」によると、若年期に入職してそのまま同一企業で働き続ける人の割合は、低下傾向になっています。この理由は、日本経済が低迷し終身雇用制度を続けることが難しい企業が増えたからだと考えられます

また、若手人材の確保のために、従来の年功序列制度を廃止し成果主義を重視する企業が増えたことも関係しています。

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一定数以上の企業では今でも終身雇用制度が続けられているため、完全に崩壊とは言い切れませんが、「正社員=定年まで安定して働ける」ではなくなってきたことが働き方の多様化に関係していると言えるでしょう。

同一労働同一賃金制度が開始するから

  • 同一労働同一賃金制度:2020年4月から施行された、同一企業・団体における正社員と非正社員の不合理な格差を解消するための制度。

厚生労働省の同一労働同一賃金ガイドラインでは、「正社員と非正社員が同じような仕事をおこなっている場合、同等の基本給や賞与、各種手当を適用しなければならない」という内容が示されています。

どのような働き方をしても、納得を得られる処遇を受けられるようにして、自由な選択ができる社会を目指すというものです

同一労働同一賃金制度が適用されれば、正社員・非正社員の格差が小さくなるため、「正社員のメリットが薄くなる」と言われることもあるようです。

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キャリアアドバイザー

この制度は、非正社員の処遇改善を目的としたものであるため、正社員が不利になるわけではありません。

仕事に対する価値観が変化しているから

時代の変化とともに、仕事に対する価値観も変化しています。公益社団法人日本生産性本部と一般社団法人日本経済青年協議会が新入社員を対象におこなった調査によると、以下のような結果が明らかとなりました。

  • 働く目的について、平成10年は「自分の能力を試す」が約30%であったのに対し、平成31年度は10%程度に低下。一方で、「楽しく働きたい」が30%から40%に上昇。
  • 働き方については、「人並み以上に働きたい」という人が減少、「人並みで十分」が増加。

つまり、昨今は仕事に対する貪欲さが薄れ、自分らしさやワークライフバランス、効率が重視されるようになったと言えます。この結果には、転職市場の活発化や働き方改革の推進なども関係しているでしょう。

仕事に対する価値観が変化したことにより、正社員でなくても自分らしく働ける方法を選択する人が増加したと考えられます。

乾 花穂子

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正社員として就職をする新卒生は実に全体の7割程度

新卒で就職する人のうち、正社員として就職するのは大体7割程度です。正社員にこだわらない働き方が増えてきたとはいえ、過半数の人が正社員を選んでいるのが現状です。正社員以外だと、契約社員や派遣社員としてのキャリアを選ぶ人もいます。ライフワークバランスを大切にしたいという思いや、転勤をしたくないという思いからあえて正社員を選ばないことも多いです。

他にも、数としては少ないですがインターンやアルバイトから仕事を始める人もいます。たとえば、入社したい企業や職種はあるが未経験は受け付けておらず、まずはインターンやアルバイトとしてのスタートを切るといった場合もあります。または、まだやりたいことが見つからないため、アルバイトをしながら興味のあることに手をつけてみるという人もいるでしょう。

このように、新卒での就職は正社員が多いですが、働き方はそれぞれの働き方にメリットやデメリットがあるため、自分にあった働き方は何か考えることが重要です。

まずはあなたが受けないほうがいい職業を確認しましょう

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働く上での正社員のメリットは?

正社員として働くメリット
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就活生

正社員というと、なんとなく「安定している」「給料が高そう」というイメージがあります!

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就活生

私は親から「正社員になるべき」言われ、漠然と正社員を目指しています…… 。

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キャリアアドバイザー

正社員のメリットを正しく把握できている人は意外と一握りなんですよ。では、正社員になるとどのような良いことがあるのでしょうか。

ここでは、正社員として働くことのメリットを紹介します。ただし、全ての企業が当てはまるとは限らないので、あくまでも一般的な傾向として理解しておいてくださいね。

雇用が安定する

正社員は、期間の定めがない雇用であり、よほどのことがない限り解雇されません。なぜなら、労働基準法では一方的に従業員を辞めさせないように、解雇について厳しく制限しているからです。不祥事を起こしたり自分から辞めたりしなければ、基本的には雇用が継続します。

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就活生

でも、会社が倒産することもありますよね?

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確かに、民間企業は経営不振などにより倒産・人員削減する可能性もあります。だとしても、雇用形態で言えば正社員は一番安定性のあるポジションであるといえるでしょう。

実際に、コロナウイルスの流行により多くの企業がダメージを受けました。しかし、そうした場合でも正社員は他の雇用形態より安定しており、働き続けられる可能性が高いと言えます。

収入が安定する

厚生労働省の 「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、男女合計の平均年収が、正社員・正職員で336.3千円に対し、正社員・正職員以外だと226.6 千円となっています。

これを見ると、正社員はほかの雇用形態と比べて収入が高いことがわかります。若いうちはそれほど変わりませんが、正社員は勤務年数や能力に応じて昇給していくため、年齢とともにその差は広がっていきます

また、正社員は月々の給料に加えて賞与や退職金、各種手当が支給されるのが一般的です。さらに、有給日数も正社員の方が多い傾向があるため、ある程度休みながらも安定した収入を確保できます。収入は生活に直結するため、正社員は長期的なライフプランも立てやすいでしょう。

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契約社員でも賞与が出る場合もありますが、正社員とは金額に差があるケースが多いです。

教育制度が充実している

正社員は長期雇用が前提あるため、教育制度が充実していることが多いです。特に、業務外で座学や実習などをおこなう「Off-JT」は、正社員と非正社員で実施率に違いがあります。厚生労働省の「令和5年度能力開発基本調査」によると、正社員にOff-JTを実施した事業所は72.6%であったのに対し、正社員以外の実施率は28.3%でした。

中でも、新入社員や初任層のOff-JTに注力している企業が多いため、社会人としての基本スキルや専門スキルを最初にしっかり学ぶには、正社員の方が有利です。業務外でしっかり教育の機会を作ってもらえるのは、正社員の大きなメリットと言えるでしょう。

社会保険が完備されている

正社員は、雇用保険や健康保険、厚生年金保険などの社会保険が完備されています。そのため、「保険料の負担が少ない」「将来の年金額が増える」といったメリットがあります

一方、アルバイトや派遣社員などは、労働時間や雇用期間などの条件をクリアしなければ社会保険に加入できません。非正社員の社会保険に関する環境改善は進んでいるものの、正社員に比べると加入割合は少ないのが実情です。

つまり、ケガや病気をしたときの金銭的負担や老後の生活などへの不安は、正社員の方が少ないと言えるでしょう。

柴崎 拓也

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不測の事態が起こったときでも正社員であれば補助や制度を受けることができる

社会保険には「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」の4つの保険が含まれています。これら保険への加入によるメリットの例として、将来受給できる年金額が増えたり、怪我や病気などの理由で働けなくなった時に手当金が支給されることが挙げられます。病気・怪我・事故・災害・失業など、将来的に何が起こるかわかりません。しかし社会保険に加入していれば、このような状況に陥ったときでも生活が保障される制度を受けられるため安心材料となるでしょう。

また、社会保険への加入は、加入条件を満たす労働者に対して義務付けられているため、正社員であれば必ず加入することになります。社会保険に加入しない場合は、基本的に国民年金や国民健康保険に加入しすべて自分で支払わなければなりません。しかし、社会保険の場合は会社と折半で支払うことになるため、自己負担額が減るというメリットもあります。

福利厚生が充実している

正社員は、住宅手当や家族手当、交通費などの福利厚生が充実している傾向があります。会社によっては、資格取得支援や旅行補助、資産形成補助など、社員のやる気を引き出すような独自の福利厚生を実施しているところもあります

昨今では、非正社員にも福利厚生を広げている会社も増えてきていますが、正社員に比べるとその内容は限られてしまうケースが多いです。

雇用や収入の安定に加え福利厚生の恩恵を受けられるという点でも、正社員は安心して長期間働ける方法だと言えるでしょう。

福利厚生の重要性についてはこちらの記事も読んでおきましょう。

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こちらの記事では福利厚生の例をいくつか紹介しています。

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社会的信用度が高い

正社員として働くことで、社会的信用も向上します。たとえば、住宅ローンやクレジットカードなどは、銀行が「返済能力がある」と判断するため審査に通りやすくなります。正社員でなくても安定した収入があれば審査に通ることもありますが、比較すると正社員の方が有利になるでしょう。

また、正社員として働いた経験は転職時にも評価される可能性が高いです。キャリアアップを目指す際も、正社員の社会的信用度が有利になるでしょう。

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子育てと仕事を両立させたい人にとっての正社員のメリットは?

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就活生

結婚や出産など将来のライフイベントを仕事と両立させたいなあ。

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キャリアアドバイザー

正社員として働くことは、ライフプランの両立にもメリットがありますよ。

特に出産や子育ては、一時的に仕事を離れたり制限したりしなければならず、生活に大きな影響を与えます。復帰する際も、保育園や勤務時間などさまざまな問題をクリアしなければなりません。そこで次に、子育てと仕事の両立にフォーカスした正社員のメリットを紹介します。

産休・育休中の収入を確保しやすい

産休・育休を取得する場合、正社員なら出産手当金や育児休業給付金を受け取ることができます。出産手当金は一日あたりの標準報酬日額の3分の2、育児休業給付金は休業開始時賃金日額の67~50%が支給されます。そのため、出産や育児で働けなくなった期間でも安定した収入を確保できます。

非正社員でも条件を満たせば給付金を受け取れますが、

  • 同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
  • 1年以内に雇用関係が終了しない

などの条件に当てはまらない人も少なくありません。そのため、産休・育休中も収入を確保したい場合は正社員の方が安心です。

保育園入園に有利になることがある

子供を保育園に預けて仕事復帰する場合、両親ともに正社員であれば入園に有利になることがあります。というのも、保育園は両親の就労時間や家庭状況に応じた点数を基準にして、入園の優先順位が決まるからです

ただし、待機児童が多い地域はフルタイム正社員であっても希望の保育園に入園できるとは限りません。一概に「正社員だから入れる」「非正社員だから入れない」とは言えませんが、業務形態を比較すると正社員の方が選択肢は多くなる可能性があります。

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正社員か否かは関係なく就労時間が基準になる自治体もありますし、認可外保育園なら先着順で入園できることもあります。

出産後も仕事復帰しやすい

正社員の女性は、非正社員と比べて出産後も同じ職場に復帰しやすい傾向があります。内閣府の「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)レポート2018」によると、第一子出産前後の継続就業率は、正社員が約69%(うち54.7%が育休取得)、パート・派遣社員は25.3%(うち10.6%が育休取得)となっています。このような結果になったのは、非正社員は就業時間や雇用期間などの関係で育休を取得しづらいことが関係していると考えられます。

出産や育児を機に仕事から離れると、「保育園に入園できない」「勤務条件が合わない」といった理由で再就職が難しくなってしまう人もいます。子どもを持ったあとも継続して働きたい場合は、正社員のメリットを視野に入れて働くと良いでしょう。

正社員採用の企業からみたメリット

正社員を雇うことは、企業にとって以下のようなメリットがあります。

企業にとっての正社員を雇うメリット

・優秀な人材が集まりやすい
・雇用が安定化する
・中長期的な人材育成が可能
・企業業績の向上につながる

正社員は他の雇用形態よりも収入や福利厚生などの待遇に魅力があるため、求職者が集まりやすいという特徴があります。また、離職率も比較的低いです。そのため、企業にとっては優秀な人材を確保し安定して働いてもらえるというメリットがあります。

加えて、正社員は長期雇用が前提であるため、じっくりと時間をかけて人材育成ができます。優秀な人材を確保してしっかり人材育成ができれば、生産性の向上につながるため、企業業績の向上も期待できますよね。

要するに、正社員を雇うことには企業成長においても大きなメリットがあるということです。

高橋 宙

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長期雇用を見据えた正社員にはさまざまな業務を任せやすい

正社員を雇うことによる企業側のメリットとして、正社員の方が任せられる業務の幅が広いという側面もあります。たとえば、非正規雇用の派遣社員の場合、任せる業務の内容が事前に決まっているため、突発的に発生したタスクやトラブルの対応などを任せられないこともあります。しかし、正社員であればさまざまな業務を任せることができるため、臨機応変に対応してもらえるのです。

また、正社員は中長期的な目線で採用されていることもあり、勤続年数が長ければ長いほど他部署も含めた会社全体の理解も深まります。そのため、結果的に正社員に責任のある仕事やポジションを任せられるようになり、企業としても重宝する人材を育成することができます。加え、仕事を任された社員のモチベーション向上・企業への定着にもつながるため、良い循環が生まれやすいのです。

社員・企業双方にメリットが多いのが正社員!

このように、社員・企業の両側面から考えても正社員であることのメリットはたくさんあります。安定した雇用や福利厚生以外にも、確実なスキルアップや社会的地位の向上にもつながるため、長く勤めていきたいと気持ちが強いのであれば、正社員であるメリットはより大きくなるでしょう。

あなたが受けないほうがいい職業を確認しておこう

就活の成功は、自分に合う仕事・合わない仕事を知ることが鍵です。しかし、それがどんな仕事なのかが分からず悩む人も多いでしょう。

そんな時におすすめなのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけあなたの強み・弱みを分析したうえで、合う仕事・合わない仕事を診断できます

早めに自分に合う仕事・合わない仕事を知って、就活を成功させましょう。

正社員のデメリットは?

正社員として働くデメリット

正社員になることには、上記で説明したようなメリットがありますが、良いことばかりではありません。企業や職種にもよりますが、一般的には以下のようなデメリットがあります。

転勤や異動がある

長期雇用が前提の正社員は、会社都合で転勤や異動になる可能性があります。その目的は社員教育や人員の調整、昇進などさまざまですが、一般的に企業命令の転勤や異動は断れません。自分の希望した土地・部署に異動できるなら良いですが、突然望まない場所に配属になる可能性もなくはありません

そのため、引っ越しや新たな人間関係の構築にストレスを感じる人にとっては、大きな負担となるでしょう。また、家族がいる場合は、自分だけでなく家族の生活にも影響が及ぶこと理解しておきましょう。

長期休暇を取りづらい

正社員の場合、責任ある仕事を任されることが多く、長期休暇を取りづらい傾向があります。有給休暇を使おうと思っても、「忙しくて休めない」「自分だけ休むのは気が引ける」と思ってしまう人もいるかもしれませんね

将来組織の幹部や責任者となることが期待されている正社員は、プロジェクトなどのタイミングによってはアルバイトや派遣社員よりも長期の休暇を取得しにくい可能性があります。

やりたい仕事ができるとは限らない

前述したように、正社員は企業命令で転勤・異動になることがあります。そのため、自分のやりたい仕事ができるとは限りません。特に大企業の場合は、部署の数が多いため、希望の部署に配属されないケースも少なくありません。また、社員教育の一環として一定期間他の仕事を経験させる場合もあります。

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希望の仕事ができなかったとしても、キャリアアップとして前向きに捉えることができれば良いですが、そうでない人は注意が必要ですね。

残業や休日出勤があるケースもある

正社員は、大きな仕事を任されることも多く、顧客の都合や業務状況によって残業や休日出勤になることがあります。基本的には残業代が支給されますが、みなし残業代や裁量労働制の場合、働いた分だけ給料が増えるとは限りません。

その場合、ワークライフバランスを重視したい人や所定労働時間以外は働きたくない人にとっては、大きなストレスになるでしょう

高橋 宙

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企業としても「正社員のデメリット」を解消しようと動いている

正社員にはデメリットもいくつかありますが、それらを回避できる働き方もあります。

ひと昔前までは「正社員は残業や休日出勤をするもの」と考える企業も一定数ありました。しかし近年はその考えは淘汰されつつあり、就活や転職市場では「ワークライフバランスをどれだけ重視できるか」といった視点でジャッジする人も増えています。そのため、正社員でもプライベートと仕事を両立できるような制度を導入するなど、多様的な働き方を推奨する企業も増えています。

「多様な正社員」という働き方も広まりつつあることを押さえておこう

実際に、厚生労働省は、従来の「正社員」と「非正規雇用の労働者」の二極化した働き方を緩和した「多様な正社員」を提唱しています。具体例として、全国転勤のない営業職や、1日6時間程度の短時間勤務の事務職などが挙げられます。他にも、場所を選ばず働けるリモートワーク制度や、平日でも病院や役所に行けるよう勤務時間を調整するフレックス制度を導入する企業も目立ちます。

このように、時代の変化に伴い正社員の働き方も自由になりつつあります。特にベンチャー企業や一部大手企業で導入されている傾向にあるため、柔軟な働き方に魅力を感じる場合は視野に入れてみてはいかがでしょうか。

正社員以外に働き方には何がある?

正社員以外の働き方

ここまで、正社員のメリットやデメリットについて説明しましたが、正社員以外にも働く方法はあります。では、正社員以外にはどんな選択肢があるのでしょうか?「正社員じゃなきゃだめなの?」「多くの選択肢を知っておきたい」と思っている人はぜひ参考にしてくださいね。

あなたが受けないほうがいい職業は?
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入社後の早期離職を避けるためには、自分に適性のある職業を選ぶことが大切です。しかし、それがどんな職業なのかが分からず悩む人も多いでしょう。

そんな人におすすめなのが「適職診断」です。40の質問に答えるだけ適性のある職業や受けないほうがいい職業を診断できます

自分に適性のある職業を早めに知って、就活を成功させましょう。

契約社員で働く

契約社員
  • あらかじめ雇用期限が決められた社員のこと

フルタイム勤務が多く、正社員とあまり変わらない仕事を担当できますが、基本的に異動や転勤はありません。契約期間の上限は原則3年で、契約終了後に更新できなければ新しい仕事を探すことになります

給料は正社員と比べて給料は低い傾向がありますが、企業によってはあまり差がない場合もあります。また、福利厚生や昇格についても正社員とは異なる場合もあるため、契約社員になる際は勤務条件をよく確認する必要があります。

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契約社員は、正社員ほど安定している働き方ではありませんが、「お金を貯めたら留学したい」「3年間仕事を経験して別の仕事にチャレンジしたい」という人には、有期雇用であることがメリットになるでしょう。

派遣社員で働く

派遣社員
  • 人材派遣会社と雇用契約を結び、別の会社で仕事をするという働き方をする社員のこと

業務に関する指示や命令をするのは実際に働く会社ですが、給料を払うのは雇用契約を結んでいる派遣会社です。

給料は派遣会社によって異なりますが、時給制が一般的です。派遣会社の福利厚生を利用できることが多く、勤務条件によっては社会保険に加入できます。また、派遣会社が仕事探しや就業中のサポートをしてくれるのも派遣社員の魅力です

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派遣社員には、多くの案件の中から希望の仕事を選べるというメリットがあります。たとえば、週3日、1日6時間といった働き方も可能です。

パート・アルバイトで働く

パート・アルバイト
  • 一般の労働者よりも短い時間で働く労働者のこと

パートとアルバイトに明確な違いはありませんが、一般的には学生やフリーターなど若年層向けの仕事はアルバイト、主婦向けの仕事をパートと呼ぶことが多いです。

注意したいのは正社員より時間単位の給料が安く、賞与や福利厚生は基本的にはないという点です。もちろん未経験可の仕事も多く、パート・アルバイトから正社員登用できる会社もあります。パート・アルバイトは自由度が高い働き方である一方で、デメリットもとくにしっかりと把握しておく必要があります

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キャリアアドバイザー

パート・アルバイトのメリットは、自分で働く日数や時間を決められることです。病気や介護、子育て、就学などの理由でフルタイム勤務が厳しい場合でも、できる範囲で無理なく働けます。

フリーターからの正社員就職について詳しく知りたい人はこちらもご覧ください。

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フリーランスで働く

フリーランス(個人事業主)
  • 組織に属さず個人で仕事をする働き方

副業として始める人や正社員から独立して始める人が多いですが、大学卒業後にフリーランスになることも可能です。

フリーランスのメリットは、とにかく自由度が高いことです。就業規則や上司という存在がないため、自分で働く時間や場所を決め、自分が得意とする業務のみをおこなえます。また、給料も全て自分次第なので、スキルがあれば収入は青天井です。

ただし、収入が不安定、労働基準法が適用されない、仕事を自分で見つけなければならないといったデメリットもあります。また、正社員と比べて社会的信用も得にくいため、住宅ローンやクレジットカードの審査に不利になることもあります。

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クライアントとの契約や確定申告なども自分でやらなければならない一方で、フリーランスは会社という看板や強制力がないので、良くも悪くも自分次第ということです。

起業をする

起業
  • 新しい事業を立ち上げ運営していく働き方

起業してお金を稼ぐという選択肢もあります。起業とフリーランスは明確な区別があるわけではありません。一般的には「企業から業務を請け負って価値を提供する」ことをフリーランス、「自ら価値やサービスを提供すること」を起業と言う場合が多いです

起業は、フリーランスと同様に仕事内容や働く時間、場所を自分で決められます。事業によってはフリーランスよりも自由度が高いでしょう。また、事業が拡大して法人化した場合には、社会的信用がアップしたり節税の対象になったりといったメリットもあります。

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キャリアアドバイザー

ただし、初期投資や手続きなどリスクが伴うのも起業の特徴です。自由に働ける分仕事のオンオフを切り替えにくい点も注意が必要です。

自分に合った働き方を見つける方法

自分に合った働き方を見つける方法

ここまで正社員やそれ以外の働き方について説明してきましたが、何が自分に合っているのかわからない人もいますよね。大学生のうちは、そもそも仕事のイメージが沸かないという人も多いでしょう。

そこで最後に、自分に合った働き方を見つける方法を3つ紹介します。正社員で働くのか、それ以外で働くのか迷っている人もぜひ参考にしてください。

就活で悩んでいる人はこちらも参考にしてくださいね。

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絶対に譲れないポイントを書き出してみる

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就活生

正社員か派遣社員かフリーランスか……。

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キャリアアドバイザー

漠然と考えるだけではなかなか定まらないので、まずは絶対に譲れないポイントを書き出してみましょう。そして、そのポイントをもとにメリット・デメリットを踏まえて働き方を絞り込んできます。

たとえば、このように考えてみましょう。

  • 収入の安定や福利厚生は絶対→正社員が有利
  • 妊娠や出産時に収入を減らしたくない→正社員が有利
  • 転勤はしたくない→転勤のある正社員は除外
  • 数年働いたら留学したい→契約社員や派遣社員が働きやすい
  • 多少リスクがあっても自由に過ごしたい、稼ぎたい→フリーランスや起業も良い

待遇や安定性を重視するなら正社員が有利ですし、勤務条件にこだわりがある場合は契約社員や派遣社員を視野に入れた方が選択肢は広がります。また、安定よりも自由を優先したいならフリーランスや起業の方が向いているでしょう。

その働き方で働いている人の話を聞いてみる

自分で考えても結論が出ない場合は、その働き方で働いている人の話を聞いてみるのもおすすめです。なぜなら、経験者から生の声を聞くとイメージをより明確化できるからです。

多くの大学生はアルバイト以外に働いた経験がないため、「正社員は安定」「社会的信用が高い」と言われてもピンと来ないでしょう。そのため、あれこれ考えるよりも実際働く姿を見たり聞いたりした方が手っ取り早いです

身近な人に聞くのも良いですし、いない場合は大学のキャリアセンターなどに問い合わせてみましょう。

塩田 健斗

キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる

家族や友人、アルバイトなどから糸口を見つけ、積極的に話を聞いてみよう

自分が興味をもった働き方をしている人に実際に話を聞いてみることをおすすめしましたが、派遣社員、とくにフリーランスなどの企業に属さない働き方をしている人にはなかなか出会いづらいですよね。

家族や友人、先輩などに該当する人がいれば、まずはその人に話を聞いてみるのが一番です。もし思い当たる人がいない場合は、周囲の人に「知り合いにいないか」とたずねてみましょう。中でもアルバイト先ではさまざまなバックグラウンドをもった人がいる傾向にあるため、とくに見つかりやすいかもしれません。直接的なつながりはなくとも、知り合いのツテをたどっていくと見つかりやすいのでおすすめですよ。また、興味のある働き方をしている人が1人でも見つかれば、その人経由で新たに話を聞ける人が見つかる可能性もあります。

それでも出会えない場合は、イベントに参加するという手もあります。実際に派遣社員やフリーランスなどで働いている人が登壇し、その働き方についてレクチャーしてくれるイベントもあります。有料のものもあれば無料のものもありますので、まずはインターネットで情報収集してみることをおすすめします。

まず正社員で働いてみる

新卒は中途よりも採用の間口が広くポテンシャルでの採用がメインのため、スキルや資格がなくても正社員になるチャンスを掴みやすい傾向があります。一方で正社員以外の働き方から正社員を目指す場合には、特定のスキルや実務経験が必要になってしまうケースが多いのも事実です。

せっかくの機会ですから、新卒の学生で自分に合った働き方がわからない場合は、まず正社員で働いてみるのもひとつの方法です。

正社員として働いてみることで、「収入や福利厚生の大切さがわかった」「もっと自由度が高い働き方をしたい」など、自分に合った働き方を見つけられる可能性があります

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キャリアアドバイザー

ただし、「とりあえず正社員になってダメだったら辞めればいい」と軽く考えるのは危険です。あくまでも前向きに考えるためのひとつの方法として理解しておいてくださいね。

自分に合った働き方を見つけよう

就職活動といえば正社員というイメージに縛られている人もいるかもしれませんが、必ずしも正社員が最良だとは限りません。なぜなら、将来の目標や理想の生活は人によって異なるからです。実際に、正社員という働き方にこだわらず働いている人も多くいます。

ただし、正社員には収入や福利厚生、教育制度など、他にはないメリットがあるのも事実です。働き始めてから「正社員になればよかった」「他の選択肢も考えるべきだった」と後悔しないように、各雇用形態の特徴を知ったうえで自分に合った働き方を見つけましょう。

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