目次
- 退職理由が「しんどい」のときの伝え方と次の行動につなげる方法を解説!
- 仕事がしんどくて退職したい……。そんなときに忘れないでほしいこと
- 退職理由が「しんどいから」という人は実は多くいる
- 仕事がしんどくて辞めるのは決して甘えじゃない
- 仕事がしんどくて辞めたいときは伝え方を工夫してストレスを減らそう
- 「しんどい」とそのまま伝えない! 円満に退職するための3つのポイント
- ①基本的には「しんどい」と直接的に伝えるのは避ける
- ②できるだけ繁忙期の退職は避ける
- ③退職の意思は1カ月以上前に伝える
- しんどくて辞めたい人必見! 退職を伝えるときの6つのコツ
- ①事前に明確な退職希望日を決めておく
- ②退職の意思は「退職届」で伝える
- ③詳しく聞かれない限り理由は「一身上の都合」とだけ伝える
- ④直属の上司にだけ伝える
- ⑤体に不調がある場合は診断書をもらう
- ⑥待遇改善の申し出には応じない
- 転職をするなら退職理由「しんどい」を深掘りして軸を見つけることが重要!
- 「しんどい」から転職の軸を見つける! 3ステップの簡単自己分析法
- ステップ①仕事をしていてどんなときにストレスを感じたかを書き出す
- ステップ②職場を離れなければ解決できないものをピックアップする
- ステップ③どんな環境なら悩みを解決できるか考える
- 面接でどう答える? 退職理由が「しんどい」のときの伝え方3ステップ
- ステップ①退職理由をポジティブに言い換えて伝える
- ステップ②退職という結果に対する反省点を伝える
- ステップ③反省点を学びに変え入社後に活かす意思を伝える
- 転職にも役立つ! しんどい原因別の退職理由の回答例文5選
- ①人間関係のストレスに耐えられない
- ②業務量が多すぎる
- ③適切な待遇を受けられていない
- ④社風になじめず職場にいるのがつらい
- ⑤精神的な負担が理由で体調を崩してしまった
- 「精神的に限界」と感じたらとりあえず休憩期間を作ることも大切
- 退職理由が「しんどい」のときは伝え方を工夫して次のキャリアにつなげよう!
退職理由が「しんどい」のときの伝え方と次の行動につなげる方法を解説!
こんにちは。キャリアアドバイザーの今井です。
「仕事がしんどいから」という理由で退職を検討している人から、よくこのような相談をもらいます。
「しんどい」という感情を退職理由にしても良いのか、「仕事がしんどい」という退職理由はそのまま伝えるべきなのか、悩むこともありますよね。
結論から言えば、「仕事がしんどい」という退職理由は決してだめなものではありません。何が退職の理由になるのかは人それぞれです。ただし、退職届を出すときや転職活動においては、伝え方を工夫する必要があります。
この記事では、キャリアアドバイザーのアドバイスを交えて「しんどい」が理由で退職する場合の退職理由の伝え方や、転職のコツを解説していきます。希望のキャリアをつかむためにも、「しんどい」と感じるあなたの気持ちと向き合ってみましょう。
仕事がしんどくて退職したい……。そんなときに忘れないでほしいこと
「仕事がしんどいから辞めたい」そう思っても、なかなか行動に移すのは難しいですよね。しんどいと思いながら働いている人はたくさんいるだろうし、こんなことで辞められない……。そう考えてしまうときもあるのではないでしょうか?
ここからは、そのような考えに陥ってしまっているときに忘れないでほしいことを解説していきます。
退職理由が「しんどいから」という人は実は多くいる
まず第一に、退職理由が「仕事がしんどい」という人は決してあなただけではありません。仕事を辞める人のなかには前向きな理由で辞める人ももちろんいますが、何かしらしんどいことがあって辞める人も多いことを覚えておきましょう。
また「仕事しんどいな」と思いながらも我慢をして働いている人もいますが、どの程度我慢できるかは人それぞれです。耐えられないからといって、あなたに何か問題があると思う必要はありませんよ。
松下 建都
仕事がしんどくて辞めるのは決して甘えじゃない
仕事がしんどくて辞める選択を考えた際、「甘えかも」「自分が弱いからかも」と自分を責めてしまう人は多いです。ただ、しんどくて辞めたいと思うことは決して甘えではないということも覚えておいてくださいね。
「しんどい」という気持ちが大きくなって精神的な負担につながると、それが原因で体調を崩してしまうかもしれません。そうでなくとも生産性が下がってしまったり、仕事への意欲が湧かずに仕事の質が落ちる可能性があります。
そうなると、あなた自身はもちろん企業にも良い影響はありません。仕事がしんどくて耐えられない時、無理して続けることはないのです。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
「しんどい」という理由で退職を考える人は、実際多くいます。決してあなただけではありません。理由はさまざまですが、たとえば「職場の人間関係がうまくいかない」「業務量や残業時間が多い」「休日出勤があって十分な休みがとれない」などが多いですね。
しんどいと思ってしまう理由が人それぞれなら、しんどさにどれくらい耐えられるかも人それぞれです。周りからすればそこまでの負担に見えないことでも、本人には大きなストレスになっていることだってあります。
そして、「しんどい」の感じ方は決して他人が決められることではありません。耐えられないと思ったら、退職を選ぶことも悪いことではないですよ。大切なのは周りの意見がどうであれ、自分自身としっかり向き合うことであると覚えておいてくださいね。
会社に行きたくないと思っているときは、こちらの記事も参考にしてみてください。解決のヒントが見つかるでしょう。
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仕事がしんどくて辞めたいときは伝え方を工夫してストレスを減らそう
退職理由が「しんどい」なのは決して悪いことではありませんが、そうはいってもなかなか伝えにくいものですよね。仕事を辞めたいけど、「しんどいから」という理由をそのまま伝えるのは気が引けるし、言い出せない……。その気持ちはとてもよくわかります。
ただ、だからといってしんどい気持ちを我慢しながら仕事を続けるのは良い状態とは言えません。無理して仕事をして体調を崩してしまっては、元も子もありませんよね。
そこで役立つのが、退職の意思を伝えるときの負担を少しでも減らすための一工夫です。この先の内容では、引き止められたりトラブルになることなく、互いにストレスのない状態で退職するためのポイントを解説していきますよ。
「しんどい」とそのまま伝えない! 円満に退職するための3つのポイント
しんどいという気持ちを抱えて退職まで考えた以上は、できるかぎり負担なくスムーズに退職まで進めたいですよね。
ここからは、円満に退職をするための3つのポイントを解説します。今以上のストレスを抱えることなくスムーズに退職の意思を受け入れてもらうためにも、この先の内容はしっかりチェックしておきましょう。
①基本的には「しんどい」と直接的に伝えるのは避ける
退職の意思を伝えた時、ほぼ確実に退職理由を聞かれるでしょう。その際「仕事がしんどいからです」とそのまま答えても、具体的な理由が伝わらず相手も納得しにくいですよね。
退職理由を聞かれたときは、「しんどい」と思った理由をふまえて納得感のある回答をすることを心掛けましょう。
もしどうしても伝えにくいなら、「しんどい」以外の伝えやすい理由を退職理由として伝えるのもおすすめです。親の介護、ほかにやりたい仕事があるなど、プライベートでの都合ややむを得ない理由であれば、企業も受け入れてくれる可能性が高いですよ。
- ほかにやりたい仕事がある
- 親の介護をすることになった
- 家業を手伝うことになった
②できるだけ繁忙期の退職は避ける
退職する時期は本人の自由であり、繁忙期だからといって退職をしてはいけないわけではありません。とはいえトラブルを可能な限り避けたり、スムーズに退職がしたいと思うなら繁忙期に退職を伝えたり、退職時期が繁忙期に重なることは避けるのが無難です。
繁忙期に退職の意思を伝えると、忙しさのあまり退職手続きが後回しになってしまったり、手が足りないために強く引き止められる可能性があります。
本田 百合香
スムーズに退職手続きを進めるには仕事があまり忙しくない時期を狙うのがおすすめです。
- 閑散期
- 参加しているプロジェクトが終了するタイミング
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
「どうしても辞めたいけど、これから繁忙期に入るからしばらく辞めるのが難しい。でも、今の自分の状態では繁忙期を乗り越えられそうにない……」そんな状況にある人もいるかもしれませんね。
そんなときはまず、上司やチームメンバーとオープンなコミュニケーションを取りましょう。今の状況や辞めたい気持ちを率直に伝え、理解してもらうことが大切です。そのうえで、可能なら繁忙期中の業務量・スケジュールを調整してもらえないか相談してみましょう。
心や体の負担を少しでも減らすために、上司や同僚、専門家にサポートしてもらうこともおすすめです。あなたの状況を理解してくれている人が近くにいるだけでも、心強い支えになるでしょう。
とはいえ一番に大切にするべきは、あなた自身の体と心の健康です。繁忙期だから絶対に退職できないということはないので、今すぐ退職するという選択肢も視野に入れながら自分と向き合って判断しましょうね。
③退職の意思は1カ月以上前に伝える
- 企業規定で退職日のどれくらい前に退職届を出す必要があるのか確認する
- 退職の意思はできるだけ早めに伝えることでトラブルを避けられる
法律では2週間前に退職を申し出れば良いことになっていますが、企業の規定ではもっと早い段階で退職を申し出る必要があると定められている場合もあります。まずはあなたの企業がどれくらい前に退職を申し出る決まりなのか確認しましょう。
あまりギリギリに伝えてしまうと、トラブルの原因になる可能性があります。できるかぎり円満に退職をするためには、早めに意思表示をすることが大切です。
米田 有希
企業側も「退職したい」と言われてすぐに応じるのは難しいこともあります。互いに必要以上の負担を背負わないためにも、退職の意思は早めに伝えましょう。
しんどくて辞めたい人必見! 退職を伝えるときの6つのコツ
仕事がしんどくて辞めたいと考えたなら、その後のやりとりも負担のないものにして、スムーズに次への一歩をふみ出したいですよね。
トラブルなく想定通りのスケジュールで退職手続きを進めていくためには、事前にさまざまな準備を進めておいたり、理由も深く聞かれない限りは「一身上の都合で」と伝えるだけにとどめるなど、知っておきたいコツがいくつかあります。
ここからはそういったスムーズな退職につながる6つのコツを解説していくので、ぜひチェックしておきましょう。
①事前に明確な退職希望日を決めておく
- 「今月いっぱいで退職します」
- 「〇月〇日付で退職します」
退職を申し出るときは、事前に明確な退職希望日を決めておくことが大切です。ここがはっきりしていないと、「緊急性はないんだな」「いつでも良いんだな」と判断されてしまい、退職時期が先延ばしになる可能性がありますよ。
「できるだけ早めに」「今の仕事が終わり次第」などの言い方は避け「今月いっぱいで」「〇月〇日付で」など、リミットを決めておきましょう。
松下 建都
企業側も、事前にしっかりと日付が決まっていれば引継ぎや退職手続きを進めるためのスケジュール設定がしやすくなりますよ。
②退職の意思は「退職届」で伝える
退職を申し出るときは口頭だけでなく、退職届を提出しましょう。退職届はあなたが退職の意思表示をしたことの証明になるので、認識にズレや行き違いが発生するのを防ぐことができます。
「退職願」もありますが、これは退職を願い出るものです。場合によっては却下されてしまう可能性があるので、「絶対に会社に残らない」「できるだけ早く辞めたい」などの場合は、退職の明確な意思を伝えるために退職届を提出するのがポイントですよ。
- 退職届:退職の固い意志を会社に通告する場合や、すでに退職が決まったことを届け出るもの。原則として撤回ができない
- 退職願:「退職を認めてほしい」と企業に願い出るもの。企業に残る場合には撤回ができる
米田 有希
退職後の離職票を発行するためにも退職届が必要になる場合があるので、意思が固まっているならあらかじめ提出しておきましょうね。
③詳しく聞かれない限り理由は「一身上の都合」とだけ伝える
退職理由が「しんどいから」と伝えた場合、その理由を聞かれたり、改善策を提示される場合もあります。そのやり取り自体が負担になる可能性があるので、「一身上の都合」とだけ伝えるのも選択肢の一つです。
退職理由を詳しく伝える義務はないので、退職届に記入する際にも一身上の都合だけで大丈夫ですよ。
本田 百合香
もし理由を深掘りして聞かれる可能性があるなら、事前に返答を考えておくと安心です。
④直属の上司にだけ伝える
- 退職を引き止められる可能性がある
- あなたが退職する事実に対して快く思わない人とトラブルの原因になる可能性がある
事前に「仕事がしんどいから辞める」と周りの人に話してしまうと、引き止められたりそれを快く思わない人との間でトラブルが発生する可能性があります。
退職はデリケートな話題なので、あまりたくさんの人に言わず、直属の上司に伝えるのみにとどめた方が余計なトラブルの種を生まずに済みますよ。
松下 建都
決断の前に職場の信頼できる人に相談することや、お世話になった人に先んじて退職の意思を伝えるのは悪いことではありません。臨機応変に対応することが大切です。
⑤体に不調がある場合は診断書をもらう
もししんどい気持ちが強くなってしまいそれがストレスになって体調を崩してしまっているときは、事前に診断書をもらっておくのがおすすめです。
体調を崩しているとなると、企業側も引き止めるわけにはいきません。なおその際は口頭で伝えるだけでは説得力に欠けることもあるので、医師からの診断書を提示して、心身に影響を及ぼしている状況にあることを伝えましょう。
米田 有希
ストレスから体調不良に陥っていると感じたら、診断書をもらってから退職を申し出ることも一つの選択肢として持っておきましょう。
⑥待遇改善の申し出には応じない
- 悩みの原因が待遇ではない場合現状が改善されない可能性が高い
- 「待遇を良くしてもらった以上辞められない」という考えになってしまう可能性がある
退職理由によっては、待遇改善を条件に働き続けてほしいなどの打診をされる可能性があります。もしあなたの悩みの種が待遇ではないときは、基本的には応じないことがおすすめです。
不満の原因がほかのところにある場合、待遇が良くなったとしても現状が改善されない可能性が高いですよね。また、「待遇を良くしてもらったし、もう辞めたいとは言えない」などといった事態に陥ってしまう可能性もあります。
本田 百合香
待遇が良くなると思うと悩みどころかもしれませんが、あなたの悩みを解消する一番の方法は何か、どうすれば状況が良くなるのかをよく考えたうえで決断をしましょう。
転職をするなら退職理由「しんどい」を深掘りして軸を見つけることが重要!
これまで働いていた企業を退職した後に別の企業への転職を考えている場合は、なぜ「しんどい」と感じたのかを深掘りすることが大切です。
これまで働いていた企業の何をしんどいと感じていたのかがわかっていないと、また同じような企業を選んでしまいこれまでと変わらない悩みを抱える可能性がありますよ。
また、面接ではほぼ確実に退職理由を聞かれます。その際「仕事がしんどいと感じていたから」と答えてしまうと、ネガティブな印象が残り好印象につなげるのが難しくなってしまいます。
次なる行動を起こすための最初の準備として、「しんどい」と感じていたその原因を見つめることから始めていきましょう。
「しんどい」から転職の軸を見つける! 3ステップの簡単自己分析法
転職をするなら、何のために転職をするのか、どのような企業を求めているのかを明らかにした「転職の軸」が大切です。この転職の軸は、あなたの「しんどい」という気持ちを深掘りすることで見つけることができますよ。
ここからは、「しんどい」から転職の軸を見つけるための自己分析の方法について解説していきます。
ステップ①仕事をしていてどんなときにストレスを感じたかを書き出す
まずはあなたが何に対して「しんどい」と感じていたのかを明らかにしましょう。どんなに小さなことでも構わないので、仕事をしていてストレスに感じたことや、モチベーションが下がった出来事を書き出してみてください。
もしうまく整理できなかったり、何にストレスを感じていたのかが漠然としてしまう場合は、モチベーショングラフを使うのがおすすめです。入社当時から現在までを振り返り、モチベーションが大きく下がったのはどんなときだったのかを考えてみましょう。
モチベーショングラフの具体的な作成方法や活用方法については、こちらの記事の解説が参考になりますよ。
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ステップ②職場を離れなければ解決できないものをピックアップする
- 部署異動などで解決できないか
- 悩みを解決できるような社内制度はないか
ストレスの要因が整理できたら、次は今の職場を離れなければ解決ができないものをピックアップしてみましょう。
今の職場でも改善の余地があるものは、転職の軸としては説得力に欠けてしまいます。面接官も「その退職理由は本当に転職する必要があるものなのか」に関しては深掘りしてくる可能性がありますよ。
松下 建都
転職活動で「御社でないとだめ」という熱意をアピールするためには、あなた自身も納得できる転職理由が必要です。問題を解決する手段としては、転職以外にないのかはしっかりと考えてみましょう。
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
今すぐに職場を離れる必要はないものの、解決に向けて動くのも難しい……。そう思うときは、なぜ難しいと感じるのかを考えてみてください。
たとえば「どうせ解決しない」「解決に向けて動いてもわかってもらえそうにない」など、思いとどまるのにはさまざまな理由があります。あなたの本音の部分を、より深く考えてみてくださいね。
もしかすると、根底には「どうせ……」という思い込みがあるのかもしれません。初めから可能性をなくしてしまうことはせず、今の企業でできることがないかをじっくりと考え、できるだけたくさんの選択肢を持っておきましょう。
ステップ③どんな環境なら悩みを解決できるか考える
- できるだけ具体的にイメージする
- 優先順位を付ける
転職しないと解決できないストレス要因がピックアップできたら、次はどんな環境であれば悩みを解決できるのかを考えてみましょう。ここは転職先を選ぶ指標にもなるので、できるだけ具体的にイメージすることが大切です。
業務量が多くてしんどいなら1カ月の平均残業時間を調べてみて、違和感のない企業を探してみてください。また人間関係が原因でしんどいと感じるなら、これまでの企業とは違う年齢層、男女比の企業や、一人で仕事を進めやすい環境の企業を条件にしてみましょう。
松下 建都
条件が多すぎるとなかなかぴったりの企業が見つからなくなってしまうので、あらかじめ優先順位を付けておくのがおすすめです。絶対に譲れない点は何かを考えてみてくださいね。
「一人で黙々と仕事がしたい」を職種探しの条件にしたい場合は、こちらの企業を参考にしてください。黙々とできる職種例も紹介しています。
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退職理由は転職の際の面接でもほぼ確実に聞かれるものです。この時、素直に「仕事がしんどいから」と答えてしまうと、アピールにつながらないばかりかマイナスイメージとなる可能性もあります。
伝え方によっては、退職理由も意欲のアピールになりますよ。ここからは、退職理由をアピールにつなげられる回答方法を3ステップで解説していきます。
ステップ①退職理由をポジティブに言い換えて伝える
- 「〇〇が嫌だったから退職する」ではなく「〇〇がしたいから退職する」に変換する
- 仕事に対する前向きな姿勢や意欲を伝えることを意識する
退職理由を聞かれたら、まずは結論を簡潔に伝えましょう。その際、これまで働いていた企業を否定するようなネガティブな回答ではなく、前向きにとらえるポジティブな言い方に変換するのがポイントです。
たとえば、残業の多さが退職理由なら「これからは限られた時間のなかで効率良く仕事をこなすことを意識しながら、クオリティを重視した働き方がしたい」など、「〇〇が嫌だったから退職する」ではなく「〇〇がしたいから退職する」というふうに伝えてみてください。
米田 有希
ただ嫌なことを伝えるのではなく、今後はどんな働き方がしたいのかを伝えることで、仕事に対する前向きな姿勢や意欲が伝わりやすくなりますよ。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
たとえばこれまで働いていた企業に問題があり退職をすることになったとしても、それをそのままネガティブに言ってしまうのは避けておきましょう。
面接官は、あなたの身に起こったことの背景や実際の状況を知りません。にもかかわらず周りを悪く言ってしまうと、「自分勝手なだけかもしれない」と不安に思われてしまう可能性があります。
あなたが悪くなかったとしても、可能な限り「強いて言うなら自分のここが反省点だった」と思える部分をあわせて伝えましょう。その経験から何を学び、今後どのように生かしたいかを前向きに伝える方が、あなた自身ももっと魅力的に映るはずです。
ステップ②退職という結果に対する反省点を伝える
- 退職理由には自分にも責任があるととらえたうえで反省点を伝える
- 不満を抱いて終わりではなく、それを自責的にとらえて真摯に向き合う姿勢のアピールをする
- ハラスメントなど自分に非がない場合は伝える必要はない
退職理由を伝えたら、次は結果として退職を選ぶことになった原因を振り返り、自分にも責任があるととらえたうえでの反省点を伝えましょう。
大切なのは、ただ不満を抱いて終わりではなくそれを自責的にとらえて真摯に向き合う姿勢です。この点をしっかりと伝えることで、入社後に問題に直面した際の向き合い方もアピールできますよ。
米田 有希
ただし不当なハラスメントがあったなど、あなたに責任がない場合は無理に反省点に結びつける必要はありません。
ステップ③反省点を学びに変え入社後に活かす意思を伝える
- 反省点をふまえ入社後にどんな働き方がしたいのかを伝える
- どんな経験も学びに変える姿勢をアピールする
反省点を伝えることができたら、それをふまえて入社後にはどんな働き方がしたいのかを伝えましょう。
しっかりと自分の行動を振り返り反省ができたなら、そこから何らかの学びを得たはずです。つらい経験をしたからこそ、それをバネに入社後に活かしていきたいという思いを伝えることで、あなたの印象をグッと上げることができますよ。
松下 建都
これまでの経験を積極的に学びに変える姿勢をアピールすることで、面接官もあなたが入社後に活躍してくれるイメージを抱きやすくなります。
転職にも役立つ! しんどい原因別の退職理由の回答例文5選
ここまで、面接で退職理由を伝えるときのポイントについて解説してきました。意識することが理解できたら、次は実際にあなたの退職理由をどんなふうに伝えるかを考えてみましょう。
ここからは、よくある「しんどい」の原因別に退職理由をポジティブ変換した例文を解説していきます。
①人間関係のストレスに耐えられない
●主観を交えず客観的な事実にフォーカスして回答を組み立てよう!
人間関係にストレスを感じているときは、客観的な事実だけを伝える意識が大切です。伝え方によっては周りに問題があったのではなく、あなた自身が「協調性のない人」と受け取られてしまう可能性があります。
たとえば、同僚との関係がうまく築けずそれが大きなストレスになっているとします。その場合は「仕事に集中するあまり同僚とのコミュニケーションが希薄になってしまい、連携を取りながら仕事をするのが難しくなってしまった」と言い換えれば、客観的な事実として伝えることができますよ。
本田 百合香
人間関係のトラブルには、お互いに原因がある場合があります。一方的に嫌われていると感じたときでも、自分の何が嫌われる原因になってしまったのかを考えてみるのがおすすめです。
私は、現在の職場での人間関係が原因で退職いたしました。
前職では個人の成績が重視される雰囲気がありました。お互いに切磋琢磨する環境は成長する機会が多く、前職での経験は今の私の力になっておりますが、職場の先輩や上司とコミュニケーションを気軽に取ることができず、わからないことをすぐには解決しにくい環境でした。
私自身も同じ職場の仲間であるにもかかわらず壁を作ってしまったことを反省し、これからは密なコミュニケーションを取ってチームプレイで仕事に取り組むことのできる環境で働きたいと思っております。
米田 有希
退職理由が簡潔にまとめられています。次の職場では前向きに頑張りたいという意思を示すことができていますね。
②業務量が多すぎる
●具体的な数値をふまえて事実を客観的に伝えよう!
- 客観的に見ても業務量が多すぎると判断できる具体的な根拠を示す
- 業務量が多すぎることで自分の身に起きている影響を伝える
- それを改善したうえで今後どう働いていきたいかを伝える
退職理由が業務量の多さにある場合は、客観的に見ても業務量が多いと判断できる根拠を示したうえで、業務量が多すぎることによる影響を伝えましょう。
たとえば、力量に見合わない業務量を任されており、とりあえず仕事をこなすだけになるあまり評価につながりにくい状況があったとします。
その場合「業務量が多すぎることで仕事をこなすだけになってしまい、クオリティにこだわった仕事ができずに評価につながらなかった。今後は仕事の質も意識できる環境で着実に功績を積んでいきたい」と伝えることで、今後の仕事との向き合い方もアピールできますよ。
松下 建都
「月に50時間以上の残業をしなければ仕事を終えられなかった」など具体的な数値を伝えることで、あなたの不満が正当なものであることが伝わりやすくなります。
私の退職理由は、現在の職場での業務量が非常に多く、負担が大きいためです。
残業時間は慢性的に月50時間を超えており、休日出勤も頻繁にしなければならない状況にあり、体力的・精神的に大きな負担となっていました。
このような状況で生産性が下がり業績が落ちてしまい、普段の仕事にも集中できない状態が続いておりました。私自身の成長のためにも万全の状態で力を発揮できる環境で働きたいと思い、退職を決意いたしました。
米田 有希
業務量の多さが客観的に見てもわかりますね。そのうえで志望企業で前向きに働く意欲が伝わる良い退職理由です。
業務量が多すぎる場合は、週4日勤務ができる仕事を考えるのも手段の一つです。こちらの記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
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週4日勤務を実現しやすい10職種|一番合う働き方を知る3ステップ
週4日勤務がしたい……そう思っても、なかなか条件に合う仕事を見つけるのは難しいですよね。この記事では、専門家のアドバイスを交えて週4日勤務ができる仕事やその実態、自分に合った働き方の見極め方を解説しています。一緒にあなたにぴったりな働き方について考えてみましょう。
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③適切な待遇を受けられていない
●待遇改善をした結果まで見すえて意欲アピールにつなげよう!
これまで働いていた企業での待遇に不満がある場合は、十分な待遇を得られないことでどんな影響が起きているのかを伝え、それを改善したうえで今後はどのように働きたいかを伝えましょう。
たとえば、「給料が低い・上がらない」という理由から「生活が苦しく、私生活を充実させる余裕がないために仕事へのモチベーションが上がらない」という影響が出ているとします。
そのれに対し「今後はプライベートを充実させながらメリハリのある働き方をして仕事の質を上げていきたい」と前向きな姿勢のアピールにつなげることができますよ。
本田 百合香
理由によっては「お金のためだけに仕事をしてるのかな」と不安を抱かれてしまう可能性もあるので、あくまで仕事と向き合ううえで待遇の低さが悪影響となっていることを伝えましょう。
前職を退職したのは、待遇の悪さから生活が困難になってしまっていたためです。常に将来への不安を抱えており、仕事に全力で取り組むことができませんでした。知人に相談したところ、相場よりも給料がかなり低いことが判明し退職を決意しました。
御社では社員のモチベーションアップのため待遇面にも力を入れていると伺っております。スキルアップ講習への無料参加や資格取得補助など、個人の能力をさらに伸ばすための補助制度が充実していることを先日の説明会でお聞きしました。御社のような環境であればよりモチベーション高く業務に取り組み、良い成績を残すことができると考えております。
入社後は業務に関連するスキルをどんどん獲得し、磨いていきながら、全力で仕事に取り組み御社に貢献していきたいと思っております。
松下 建都
待遇が良いことを理由に挙げる場合でも、あくまで自身のスキルアップにつなげる意欲をアピールしているのが良いですね。
④社風になじめず職場にいるのがつらい
●次の企業に求めるもの×強みアピールでマッチ度を強調しよう!
退職理由が社風にある場合は、どんな社風の企業であれば働きやすいと感じるのかを明確にして、志望企業との共通点からマッチ度の高さのアピールにつなげましょう。
その際「コミュニケーションが得意」などあなた自身の強みを活かして社風に合った働き方ができることを伝えることで、面接官からの印象もグッと良くなりますよ。
米田 有希
これまで働いていた企業がどんな社風だったかを伝える際には、あくまで客観的に見た事実を伝え否定的な表現は避けることが大切です。
私の退職理由は、現在の職場の社風が合わないと感じたためです。私はコミュニケーションを大切にし、チームで協力して仕事を進める環境でこそ力を発揮できると考えております。
しかし入社前のリサーチ不足が原因で職場の社風が個人主義的であることに入社後に気づき、コミュニケーションの取りづらさから作業効率をなかなか上げられなくなってしまいました。
御社は社員同士のコミュニケーションが活発で、意見交換を大切にしながら日々の業務をおこなっているとお聞きしました。私も御社のような一体感のある環境で一緒に働く仲間たちと協力し、お互いの考えを共有しながら高め合っていきたいと思っております。
本田 百合香
社風になじめないのを自分自身の反省点としてとらえ、それを学びに変えて次はどんな企業で働きたいのか意思表示することができています。企業側もマッチ度の高さを知ることができますね。
⑤精神的な負担が理由で体調を崩してしまった
●今は万全な状態で働けることをしっかりと伝えよう!
- 事実を素直に伝えて問題ない
- 現在は体調が万全で問題なく働けることを伝える
しんどいという気持ちが大きくなり、日々のストレスから体調を崩してしまいこれまで通り働くのが難しくなってしまったのが退職理由なら、それを伝える分には問題ありません。
ただ、そのときに企業が不安視するのは今後も体調を崩す可能性があるのかどうかです。この不安を解消するために、しっかりと「今は体調が万全な状態です。問題なく働くことができます」と伝える必要がありますよ。
松下 建都
今後について断言できないなら、いつでも医師の判断を仰げる環境があることや体調が悪くなる可能性を抱えながらも十分に働いていくことができると考える根拠を伝えましょう。
現在の職場での精神的な負担が大きいと感じ、退職いたしました。前職では毎月80時間以上の残業が続いており、また上司からの高圧的な指導やプライベートへの言及が多く、仕事に集中できない状態でした。
ストレスや不安感が日常的になり、半年ほど前から健康状態にも悪影響を及ぼしてしまいました。上司に相談しましたが、改善される見込みがありませんでした。
一度仕事を退職してからは療養に専念し、医師からの指導のもと問題なく仕事ができる状態まで回復しました。今後は職場の仲間たちとのコミュニケーションをしっかりと取りながら、私が持つ力をしっかりと発揮して働いていきたいと思っております。
米田 有希
ポジティブな転職理由に転換して、希望する働き方を述べることができていますね。今後は問題なく仕事ができることも明言できているので、企業側も不安を感じることがないでしょう。
「精神的に限界」と感じたらとりあえず休憩期間を作ることも大切
退職理由が「しんどい」としか考えられないほど追い詰められているときは、退職手続きや転職のことは抜きにして、とりあえず休憩期間を作るのも一つの手です。
- 休職する
- 心身に現れている不調を伝え早期に退職させてもらう
仕事を辞めると今後について不安になるかもしれませんが、体調が良くない状態で転職活動をしてもなかなかうまくいかない可能性があります。
何より、転職先を探す際にあなたが冷静な状態でなければ適切な判断ができませんよね。これまでの自分を客観的に見つめないと、転職先でも同じような悩みを抱えて苦しむことになる可能性があります。
あなた自身の心と体の調子が崩れてしまうと、それを治すのには時間がかかるものです。そうなる前に、今のあなたがとるべき行動を冷静に見極めてくださいね。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
退職理由が「しんどい」以外に考えられないほど追い詰められているときは、心と体の回復を最優先にしてください。まずはゆっくりとあなたの状態を回復させることが重要です。この先の長い人生のことを考えれば、健康な心と体は何より大切なものであることを忘れないでくださいね。
休憩期間中はリフレッシュとセルフケアに専念しましょう。十分な睡眠、適度な運動、バランスの取れた食事、リラクゼーションなど、心身の健康に役立つことをしてあげてください。
また必要であれば医師に相談しましょう。カウンセリングや心療内科の受診など、専門家の力を借りることで心身の回復を早めたり、同じような状況に陥らないように予防することもできます。
転職をするときは、心身の状態が安定していることが重要です。自分を大切にし、健康な状態で将来のキャリアを築いていくことを目指しましょうね。
退職理由が「しんどい」のときは伝え方を工夫して次のキャリアにつなげよう!
ここまで、退職理由が「しんどい」のときの退職方法や、面接での退職理由の答え方について解説してきました。
「しんどい」という気持ちが強くなって仕事を辞めたいと思った時、トラブルなくスムーズに退職するには伝え方の一工夫が有効です。また、面接で答える際にもしんどいと感じた理由を深掘りしたうえで、アピールにつながるような回答をするのがポイントですよ。
一緒にあなた自身の気持ちと向き合い、希望のキャリアへふみ出すためにまずするべきことは何かを考えてみましょう。
退職理由が何であれ、少なからず今の仕事に不満があり辞めるという人がほとんどです。しんどいから辞めるのなんて自分だけだ、そんな風に自分を責めないようにしましょう。