目次
- 「第二新卒とは」の答えと市場価値を理解して選択肢を見極めよう!
- 第二新卒とは? まずは定義から確認しよう
- 第二新卒の定義
- 既卒との違い
- 転職市場において第二新卒の需要が高まっている理由
- 新卒採用では採用枠を満たせない企業が多い
- ほかの企業のカラーに染まっておらず柔軟性がある
- 新卒に比べて育成にかかるコストが抑えられる
- マイナスイメージを払拭しよう! 企業が第二新卒に抱きやすい不安とその対策
- すぐに辞めてしまうのではないか
- 前職と比較して不満を感じてしまうのではないか
- 豊富な実績はないので即戦力となることを期待できない
- 第二新卒の転職で重要な企業選びの4つの軸を押さえよう!
- ①企業規模だけではなく成長率の高い企業を選ぶ
- ②職種と年齢相場に合った処遇の企業を選ぶ
- ③労働環境の整った企業を選ぶ
- ④福利厚生が充実している企業を選ぶ
- 企業選びでは企業の「外見」以外の部分も要チェック!
- 第二新卒の転職に欠かせない重要対策! 5つの対策で内定獲得しよう
- ①なぜ転職をするのか理由を言語化する
- ②将来のキャリアビジョンを明確にする
- ③自己分析を入念におこなう
- ④職務経歴書を充実させる
- ⑤就職エージェントを活用する
- 要確認! 第二新卒の転職で押さえておくべき3つの注意点
- ①転職の原因を他責的に言いすぎない
- ②勢いだけで転職をしない
- ③1人だけで決めてしまわない
- 知って損なし! 第二新卒が狙うべき転職に適した時期を押さえよう
- 4月入社
- 1月入社
- 10月入社
- 第二新卒の市場価値とすべき対策を把握し望むキャリアをつかもう!
「第二新卒とは」の答えと市場価値を理解して選択肢を見極めよう!
第二新卒って何? 自分も含まれるの? ここ数年、採用市場では売り手優勢が続いている影響で転職に対するハードルが下がり、第二新卒枠での転職を考える人も増えてきました。そういった背景もあって、このような質問を受けることがよくあります。
まず第一に自分が第二新卒なのかどうかを明確に理解しておかなければ、正しい対策も、転職や就活をスムーズに進めていくことも難しいです。
まずは第二新卒の定義や採用市場での扱われ方をしっかりと理解して、これからどんな行動をとることが自身にとってベストなのかを冷静に見極めることが何より大切です。
この記事では、第二新卒に関する基礎知識から、転職を決意した場合のすべき対策まで広く解説します。最後まで解説を確認し、第二新卒ならではの特別な対策を進めて、望むキャリアを描いていきましょう。
第二新卒とは? まずは定義から確認しよう
- 第二新卒の定義
- 既卒との違い
「第二新卒」というと、「新卒で入社後に短期間で転職をする人」というイメージはあるものの、細かい定義までは把握できていないという人もいますよね。
第二新卒か、それ以外の中途採用かによって、企業からもとめられるスキルや条件が異なるため、まずは定義をきちんと把握し、自分は第二新卒に含まれるのかしっかりと確認しましょう。
第二新卒の定義
「第二新卒」とは明確な期間などの決まりはないものの、一般的には「学校を卒業後、企業に入社してから1〜3年で退職をしたり、転職を考えている人」を指します。
たとえば院卒で年齢が高いから、ということで第二新卒扱いされない、といったことは基本的にありません。卒業後何年経っているのかという点で第二新卒扱いをするか判断されるケースがほとんどであることは覚えておきましょう。
第二新卒について調べるとき、「第二新卒はやめとけ」といった意見を見かけることもあるでしょう。本当に第二新卒はやめといた方が良いのかが気になるなら、こちらの記事をぜひチェックしてみてください。
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企業によって第二新卒として扱う期間が異なることも
第二新卒について一般的な共通認識はあるものの「〇歳まで/〇年目まで/職歴は〇〇」というルールはなく、企業によって解釈は異なります。
そのため、明確に「27歳までの正社員」と条件を設ける企業もあれば、正社員だけでなくアルバイトやパート経験のみの人も含めて第二新卒として採用している企業もあります。企業に応募するにあたっては、まずは採用基準をしっかりと確認し、自分の今の状況と照らし合わせて応募先を考えていくことが大切ですよ。
既卒との違い
既卒を定義する明確な基準はありませんが、一般的には学校を卒業した後、一度も正社員として働いた経験がない人のことを指します。既卒も第二新卒同様、卒業後3年以内までと期限を決めている企業が多いです。
第二新卒と既卒の大きな違いは「正社員としての就業経験の有無」。なかには卒業後にアルバイトをしている人もいますが、そういった人も一部企業を除けば基本的に「既卒」として扱われます。
本田 百合香
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転職市場において第二新卒の需要が高まっている理由
実はここ数年、転職市場においては第二新卒の需要が高まってきています。
マイナビが2022年1月に実施した「中途採用状況調査」によると、2022年の中途採用の具体的な見通しとして、中途採用を予定している企業の61.7%が20~25歳の経験者採用に積極的と回答。若手の中途採用への意欲の高さがわかりますね。
ここからは第二新卒の需要が高まっている理由についてさらに詳しく解説していきますよ。
新卒採用では採用枠を満たせない企業が多い
日本商工会議所ならびに東京商工会議所が2022年7~8月に実施した「人手不足の状況および新卒採用・インターンシップの実施状況」によると、2021年度の新卒採用の状況について、「予定人数を採用できた」と回答した企業は5割弱にとどまっています。
少ない人材の中から、より優秀な学生を獲得しようと企業間の競争が激化の一途をたどっているのです。
一部の人気企業を除いて、企業は新卒採用で苦戦を強いられている状況。だからこそ第二新卒の採用によって若手人材の確保をする企業が増えてきているわけです。
ほかの企業のカラーに染まっておらず柔軟性がある
前職での経験が長いほど、その企業でのルールや文化が自然と身についていることは自然なことですよね。ただそのせいで「仕事はこう進めるべき」、「このやり方が自分には合っている」といった固定概念から抜け出せず、職場の雰囲気にうまくなじめないといったリスクもあるのです。
一方、第二新卒は企業での就業経験が少ない分、仕事のやり方や考え方をまだまだ柔軟に変えていける強みを持ち合わせています。
そうした柔軟性の高さは研修などを通した人材育成のしやすさに直結するため、企業としても魅力的に映るわけですね。
新卒に比べて育成にかかるコストが抑えられる
新卒で入った場合、名刺の渡し方や電話対応、メールの書き方など、社会人として必要なことをすべて一から学んでもらうことになります。研修期間は企業によりますが、通常1〜3カ月はかかります。
一方、第二新卒は前職の企業で社会人としての基本的な知識やビジネスマナーを学んでいることが多いため、そうした研修にかける時間や費用を省くことができます。
入社後すぐに現場で仕事を覚えてもらい、戦力としていち早く活躍していってもらうことができる点もまた、企業が魅力に感じている要素の1つといえますね。
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
第二新卒の需要が高まっている背景としては、前職の経験と実績を評価する企業が増えているというものもあります。
新卒の場合は実務経験がないので、学校での成績やサークル活動、アルバイトやインターンシップなどの経験をもとにした評価が一般的です。これらの要素だけでは、具体的な実務能力や適性を評価するのが難しいのです。
一方第二新卒は前職で業務経験を積んでいて、その間に実績や成果を挙げていることもあります。実績があることは企業としても安心材料になりますし、そういった点を評価して第二新卒を採用することに積極的になっている企業もあるわけですね。
マイナスイメージを払拭しよう! 企業が第二新卒に抱きやすい不安とその対策
- すぐに辞めてしまうのではないか
- 前職と比較して不満を感じてしまうのではないか
- 豊富な実績はないので即戦力となることを期待できない
松下 建都
確かに若手人材の需要の高まりと共に第二新卒の転職には追い風が吹いていますが、社会人経験が少ない分、企業が不安に感じる点もあるのです。
第二新卒の採用に積極的な企業は多くあるものの、早期離職をしたという経歴がある以上、「採用してもすぐに辞めてしまうのでは 」といったマイナスイメージを抱かれやすいことは事実。
企業が第二新卒に対して抱く不安を把握し、そういった不安を取り除くように面接で自分をアピールすることが、転職を成功に導くためのポイントといえます。
ここからは企業が第二新卒に対して抱きやすい不安を対策とともに解説していくので、しっかりとチェックしておきましょう。
すぐに辞めてしまうのではないか
●退職した原因に向き合い次に活かす姿勢をアピールしよう!
前職の企業を3年以内に辞めているということは、せっかく採用しても待遇や職場環境など不満に感じることがあれば、またすぐに転職してしまうのではないかと不安に思われやすいことは把握しておきましょう。
短期間で退職した場合、採用や育成にかかる費用がすべて無駄になるため、企業としてはどうしても採用には慎重になるのです。
そのため、面接では、短期間で退職することになった原因、それをふまえた今後の改善点、次の企業で成し遂げたいことなどを明確にし、企業への熱意を前向きに伝えていくことが大切ですよ。
前職と比較して不満を感じてしまうのではないか
●なぜその企業に入りたいのかという入社意欲を明確に伝えよう!
第二新卒は一度企業で働いた経験があるため、職場環境や福利厚生などさまざまな面で前職と比較してしまい、前職との違いに不満を感じてしまうかもしれないと不安を抱く企業も多いです。
そういった背景があるからこそ、「なぜこの企業に入りたいのか」という点を自分なりの根拠を持って伝え、企業の不安を払拭していくことが対策としては効果的です。
豊富な実績はないので即戦力となることを期待できない
●自分自身の成長性を軸に仕事への熱意を押し出そう!
社会人経験が長い人ほど、その業界や仕事に関する知識と技術に長けているため、キャリアチェンジをしない限り、転職先の企業でもすぐに活躍してくれる可能性が高いです。
その一方で、第二新卒は仕事に関する豊富な実績がなく、即戦力となることまでは期待できません。
特に人手不足で即戦力となるような人材をもとめている企業ではこうした点を不安に思われやすいため、実務的な面ではアピールができなくとも、入社後は業務知識を吸収し、いち早く戦力として貢献していきたいと、自身の意欲の高さを伝えるようにしましょう。
第二新卒の転職で重要な企業選びの4つの軸を押さえよう!
第二新卒として転職をするなら押さえておきたい市場価値について理解できたところで、次は転職をスタートするにあたってまず押さえておきたい、第二新卒ならではの企業選びのポイントについて解説していきます。
どこでも良いやと投げやりに転職を決めてしまうと、転職後にミスマッチに気づいてしまう可能性があります。ここでは転職先を選ぶうえでの4つの軸を解説していくので、解説内容を参考に自分に合った企業選びをしてくださいね。
①企業規模だけではなく成長率の高い企業を選ぶ
「大手企業なら簡単には倒産しないだろう」といった安易なイメージで企業を選んでしまうと、将来的にミスマッチな結果を生んでしまうかもしれません。
社会の経済状況は常に変化します。誰もが知っている大手企業が、30年後も存在する保証はどこにもないからこそ、企業規模だけではなく成長率が高いかという軸で選んでみましょう。
将来性を確認するなら、企業のHPで売上や営業利益などを確認し、過去と現在の数字を比較して企業の成長率を見てみましょう。また、株主向けの決算説明会資料には、業績や今後の見通しなどについてわかりやすく書かれているので、こちらも企業分析にはおすすめです。
- 企業のHPで売上や営業利益などをチェックして過去の数字を比較する
- 株主向けの決算説明会資料から今後の見通しを確認する
②職種と年齢相場に合った処遇の企業を選ぶ
職種と年齢相場に合った処遇の企業を選ぶことも、大切なポイントの1つです。仕事内容や年齢に対して、給料が相場よりも極端に低い場合、企業の経営状況が悪化していたり、人件費を大きく削っている可能性が高いです。
面接で落ちることが続くと、「働けるならどこでも良いや」と焦って決断してしまいがちですが、面接を受ける前に処遇についてはしっかりと確認し、不明点は必ず質問するようにしましょう。
③労働環境の整った企業を選ぶ
労働環境の整った企業を選ぶことは、仕事のモチベーションを維持し、その企業で長く働いていくためにはとても重要なこと。
「やりたい仕事ができるなら、労働環境が多少悪くても構いません」と思う場合もあるかもしれませんが、残業時間が多い、ハラスメントが常態化している、仕事に集中できるような作業場ではないなど、劣悪な労働環境ではモチベーションだって維持できませんよね。
労働環境を自分の力で変えることはなかなかできるものではありません。入社を決めてしまう前に、出身大学のOB・OGに連絡を取って話を聞いたり、転職サイトや就職エージェントなどで情報収集したりして、労働環境が整っているかを確かめておくようにしましょう。
④福利厚生が充実している企業を選ぶ
第二新卒の転職では仕事内容や職場の雰囲気などを重視して企業を選ぶ人が多いですが、福利厚生についても忘れずチェックしておきましょう。
福利厚生とは社会保険や労働保険、各種手当、食事・社宅の貸与や特別休暇など、社員が働きやすい環境を目指して企業が経済的支援をおこなうことを指します。
福利厚生が充実していると、従業員満足度が高い傾向にあり、仕事に対するモチベーションも高いため職場に活気が生まれやすい傾向にあります。
第二新卒として入社した後も、働きやすい環境で周囲と協力しながら円滑に仕事をしていけるかは、こういった面からも測ることができるかもしれません。
米田 有希
福利厚生は、企業によって大きく差が出やすい部分なので、企業同士を比較検討し、転職先を選ぶポイントの1つとして見ていきましょう。
企業選びでは企業の「外見」以外の部分も要チェック!
条件や福利厚生、労働環境は企業選びにおいてとても大事な指標になります。ただ、そういった企業のいわば外見の部分だけでは、自分に本当にマッチした企業であるかは判断し切れない可能性が高いです。
ミスマッチのない企業選びをするためには、企業理念といった内面的な要素のチェックが欠かせません。
企業の向いている方向性や、経営者の価値観が自分の価値観に合っているか、仕事でやりがいを感じられそうか、その会社で成長していきたいと思えるかなど、企業の内面の部分での相性も入念にチェックしておきましょう。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
企業選びにおいて、価値観や内面がマッチしているか、はとても重要な要素といえます。企業の理念と自身の価値観が合わない、企業の向いている方向性に納得できない、カルチャーが肌に合わない――こういったミスマッチが起きると、さまざまな問題が生じる可能性があります。
まず、自身の価値観や理念に合わない企業で働くと、仕事に対するモチベーションが低下する可能性があります。自身が納得できない方向性やカルチャーの中で働くことは、やりがいや充実感を感じにくくなることも。
せっかく入社しても、こういったミスマッチを抱えた状態では早期離職につながる可能性すらあります。企業の価値観がマッチするかといった内面のチェックは、欠かさずしてくださいね。
第二新卒の転職に欠かせない重要対策! 5つの対策で内定獲得しよう
第二新卒は市場価値が高まっているものの、経歴面では不安に思われやすい事実もあることは解説したとおりです。加えて、第二新卒の需要が高まっていることから、第二新卒で転職を考える人も増加傾向にあり、その分ライバルも増えるため油断はできません。
ここでは、第二新卒が転職を成功させるためにすべき必須対策を5つ解説していきます。企業に応募する前に準備を入念におこない、転職活動をスムーズに進めていきましょう。
①なぜ転職をするのか理由を言語化する
まず、なぜ転職をするのかの理由を言語化することが大切です。
「なんだか今の仕事は合わない気がする」など、あいまいなイメージのまま転職活動を進めてしまうと、面接で自分の希望をうまく伝えられず、実際に新しい仕事を始めてから理想とのギャップを感じる可能性があります。
まず、今の会社で感じている不満をすべて書き出して、それらの中から、妥協できること、譲れないことにわけていき、自分の考えを整理しましょう。
そのうえで、なぜそう思うのか、どのような企業・仕事であればその不満が解消できるのかを具体的に考えていきます。
そうすることで、次の会社にもとめる条件が明確化し、転職理由を聞かれたときも説得力のある回答ができるようになりますよ。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
上記のように今の会社や仕事の不満を全部書きだそうとしても、転職する理由がとくに具体的になく、「なんとなく違う感じがする」としか言えない場合もあるかもしれませんよね。
そのときは、あなたが転職先にもとめる要素を整理しましょう。どのような職場環境や仕事内容を理想としているのか、どのような環境をもとめているのかなど明確にしてみてください。
たとえば、チームワークを重視した職場、柔軟な働き方、充実した研修制度がある、など。あなた自身の強みや興味関心を考慮しながら、理想とする職場や仕事のイメージを描いていくことで、転職する理由が少しずつ具体的になってくると思いますよ。
②将来のキャリアビジョンを明確にする
転職理由と次の企業にもとめる条件を明確化できたら、将来のキャリアビジョンについても考えておきましょう。先述したとおり、企業は第二新卒に対して、短期間で辞めてしまうのではないかという不安を抱えています。
「前職では〇〇が不満だったから転職したい」というネガティブな理由だけではなく、入社後はどういったキャリアを歩んでいきたいのかまで伝え、前向きな姿勢をアピールすることが大切です。
また、キャリアビジョンは選考で有利に働くだけではなく、自分自身のためにもなります。
目標があることによって仕事のモチベーションを保ちやすく、仕事がうまくいかないときも「目標に近づくためだ」と前向きに考えて行動し、困難を突破していくことができますよ。
キャリアビジョンの考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せて参考にしてみてください。
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キャリアビジョンとは? 10例文付きで解説する作成の極意!
面接対策としてキャリアビジョンを考える時、難しく感じることがありますよね。キャリアビジョンを考えるコツは、今と理想の将来像、そこへ近づくためにするべきことを見極めること。この記事では、専門家のアドバイスを交えキャリアビジョンの例文から考え方まで解説していきます。
記事を読む
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
キャリアビジョンを考えるうえでは、志望企業で実現することを想定したものを具体的にまとめることが大切です。志望企業にまったく関係のない内容だとしたら、それを聞かされる企業も「なら弊社でなくてもいいのでは」と感じてしまいますからね。
志望企業で働くことを想定したキャリアビジョンを考えるなら、入念な企業研究が欠かせません。企業の求人情報やウェブサイトを参考にして、企業の理念やミッション、事業内容や事業戦略、企業文化、価値観などを徹底的にチェックしてください。
また、企業の業界の動向や競合他社の情報収集も進めておくと、より解像度の高いキャリアビジョンが描けますよ。
③自己分析を入念におこなう
転職活動におけるミスマッチを防ぐためには、まず自分を正しく理解することが大切です。新卒時に自己分析は入念におこなっていたとしても、現在にいたるまでの期間で変化した部分は必ずあるので、自己分析は入念におこなっていきましょう。
前職での経験を振り返り、自分にできること・できないこと、自分がしたい仕事・したくない仕事を1つずつ明確にしていきましょう。
自己分析でしっかりと自分に向き合い、価値観やスキルについて整理していくことで、次の企業を選ぶための就活の軸がはっきりとしていきますよ。
- マインドマップ
- 自分史
- 自己分析ノート
④職務経歴書を充実させる
職務経歴書を充実させることで、書類選考だけでなく、面接でも有利に働きます。職務経歴書がしっかりと書き込まれていれば、面接官も仕事内容やアピールポイントについて深掘りしやすくなりますし、話す題材が豊富なため会話も弾みやすくなります。
「在籍期間が短いから書くことなんてない」と諦め、空欄ばかりの職務経歴書を提出すれば、本当に自社で働く意欲があるのかと、入社意欲まで疑問視されてしまうことも。それだけは避けたいですよね。
たとえ短期間であっても、研修や仕事の中で自分が何を学び、どのように考えて行動してきたのか、評価された仕事はどんなことだったのかなどを書き出していきましょう。
⑤就職エージェントを活用する
第二新卒として転職をするなら、就職エージェントを利用するのもおすすめです。面談を通じてスキルや適性を確認し、そのうえで求人紹介をしてくれるため、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
また、応募から面接日程の調整、内定にいたるまで企業とのやりとりを代わりにしてくれるほか、応募書類の添削や面接対策も対応してくれることがほとんど。
松下 建都
加えて、就職エージェントは、転職者だけでなく企業ともやり取りをしているため、企業内の事情にも詳しい場合が多いです。
職場の雰囲気や、仕事の忙しさなど、求人票だけでは知り得ない情報も教えてもらうことができるため、情報収集の手段として登録するのも1つの手です。
要確認! 第二新卒の転職で押さえておくべき3つの注意点
第二新卒として転職をするうえでは、押さえておきたい注意事項もあります。注意事項を念頭において転職活動をしていくことで、あらかじめ対策ができリスクを避けることができます。
ここからは具体的に3つの注意点を解説していくので、転職活動をスムーズに進めていくためにも一つひとつしっかりと確認していきましょう。
①転職の原因を他責的に言いすぎない
第二新卒として転職するなら「なぜ転職するのか」は必ず聞かれる質問。その際に「周りの人間がダメだった」「会社の方針が間違ってた」など、転職の原因を他責的に言いすぎてしまうと、自己中心的な印象に映ってしまう可能性があります。
転職を決意した理由は人それぞれあれど、伝え方はなるべくネガティブな印象になり過ぎないよう工夫することが大切ですよ。
米田 有希
とはいえ、ハラスメントがあったなど、どう考えても環境に原因がある場合はそのまま伝えても何も問題ありませんよ。その場合は感情的になりすぎず、客観的な視点で事実を説明するようにしましょう。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
転職の原因を他責的に言いすぎている人に対して、企業は「入社後も周りのせいにしてしまうかも」といった印象を抱く可能性があります。そんなマイナスイメージがついてしまえば、選考突破の難易度はぐんと上がってしまいます。転職を決意する理由は人それぞれあると思いますが、原因を伝える際には「自責的な視点」は忘れないようにしておきましょう。
また転職理由を伝えるなら、ネガティブな印象にならないように、ポジティブな要素を強調することも印象アップに欠かせません。たとえば、「環境への不満」があったなら、「もっと成長できる環境をもとめた」「チャレンジングで自己成長がしたい」など、より熱意のある形に変更してみてください。
他責的に言いすぎない、ネガティブな発言には気をつける、この2軸はぜひ意識しておきましょう。
②勢いだけで転職をしない
現職で嫌なことがあり、そこから逃げるために「転職してしまおう」と、あまり深く考えずに勢いで退職をして転職活動を始めていくのは避けましょう。
「とにかく転職できれば良いや」と勢いだけで転職先を決めてしまうと、いざ入社したときにイメージしていた働き方とギャップを感じたり、「これなら前の会社にいれば良かった」と後悔したりするかもしれません。
転職を考えるのであれば、一度落ち着いて、本当に転職がしたいのか、現職での不満を解消する方法はほかにないのかを冷静に考えてみてください。
そのうえで転職を決意するのであれば、自己分析と企業研究をしっかりとおこない、就活の軸を定めてから選考に臨んでいくようにしましょう。
③1人だけで決めてしまわない
転職活動をするにあたって、1人ですべてを決めてしまうのは冷静な判断ができない可能性があります。1人で抱え込んで勢いで決めてしまう前に、ぜひ誰かに相談してみてください。
自分1人だとどうしても視野がせまくなるもの。適切な選考対策ができなかったり、自分の改善点に気づけず選考につまずいてしまうなんてこともあります。
転職経験のある友人や就職エージェントなど、相談できる相手を探すことも重要な対策として進めておきましょう。
- 家族
- 知人、友人
- OB・OG
- 大学のキャリアセンター
- 就職エージェント
- ハローワーク
相談相手としておすすめなのはハローワーク。どんな施設なのか、どんなサービスが受けられるのかわからないなら、ぜひこちらの記事で詳しくチェックしておきましょう。
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ハローワークとは? 使い方や就活に役立つ8つのサービスを徹底解説
仕事探しにハローワークを使ってみたいけど、利用のハードルが高く感じてしまう人もいますよね。この記事では、そんなあなたのためにハローワークでできることや上手な使い方、初めてハローワークに行くときに必要なものを専門家のアドバイスを交えて解説。私たちと一緒にハローワークについて学んでみましょう。
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知って損なし! 第二新卒が狙うべき転職に適した時期を押さえよう
- 4月
- 1月
- 10月
第二新卒としての転職や就職を狙うなら、転職に適した時期についてのチェックは欠かせません。求人が増えやすい時期を知っておけばその分効率的に企業探しを進められますし、何より選択肢が増えれば増えるだけ自分にマッチした企業に出会える可能性が高まりますよね。
第二新卒が狙うべき転職時期とその理由についてここからは解説していくので、自分が希望する時期と併せて考えながら、転職活動の開始時期を見極めていきましょう。
4月入社
4月は人事異動や転勤が多い時期。それを機に転職を考える人が出始め、年度末(3月末)の退職が多くなる傾向にあります。企業は欠員が出た分を中途採用で補充しようとし、求人が出やすくなっているため、転職時期としてはおすすめです。
また4月入社であれば、必要に応じて新卒と一緒に研修を受けることができるため、知識の習得もスムーズにできるのも嬉しいポイントですね。
1月入社
1月入社も、退職者の数が多いため求人が出やすい時期。12月は賞与を支給する月としている企業が多く、賞与をもらってから年末年始休みをはさんで退職しようと考える人が多いのです。
また一般的には企業の事業年度は4月1日から翌年3月31日であることが多いですが、なかには1月1日から12月31日としている企業もあります。
そうなれば12月が年度末となるため、繁忙期で転職活動をする余裕がないという人も一定数いるのです。4月入社よりはライバルが比較的少ないというのも、魅力的なメリットですね。
10月入社
4月が年度始まりの企業の場合、4~9月を上半期、10~3月を下半期としているため、上半期の終わりとなる9月末を1つの区切りとして退職しようとする人が多く、企業はその欠員補充で求人を出していきます。
また、企業によっては下期の事業体制に沿って年内に中途採用を終わらせたいというケースも。そのため8月以降は求人が増えていく傾向にもあるのです。
10月は下期の始めとなるため、プロジェクトや目標設定のスタート時期となることが多く、転職先の企業でスムーズに仕事を始めやすいという点もメリットといえますね。
もし転職をするなら、できれば一番良いタイミングでしたいですよね。自分なりのベストな転職タイミングを見極める方法はこちらの記事で解説しているので、ぜひチェックしておきましょう。
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転職したいと考えているけど、自分に合ったタイミングがわからないと悩んでしまう人もいますよね。転職のタイミングは時期や年齢、状況などで変わってきます。この記事では転職のタイミングを見極めるための必須知識について解説しています。
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第二新卒の市場価値とすべき対策を把握し望むキャリアをつかもう!
第二新卒とは何かといった前提知識から、第二新卒の市場価値、そして企業選びのコツから対策まで解説しました。第二新卒は短期間で退職した経歴を不安に思われやすい傾向にあり、そのマイナスイメージをきちんと払拭できるかどうかが重要です。
とはいえ第二新卒の需要は高まっているという追い風が吹いているからこそ、きちんと対策をしていけば望むキャリアを描くことは可能ですよ。
まずは転職を本当にするのかどうか冷静に状況を見極めて、そのうえで第二新卒として転職する決断をしたなら、ここまで解説してきた内容をもとに着実に準備を進めていきましょう。
その反対に、たとえ4月に入社して1カ月後にすぐ転職活動を始めたとしても正社員として就業した期間がある人は「第二新卒」扱いとなります。