目次
- 未経験からでも志望動機に一工夫加えれば望むキャリアは実現できる!
- そもそも未経験人材って需要ある? リアルな市場価値を解説
- 未経験者の需要が高い業界・職種
- 未経験者に企業が期待していること
- 未経験での就職・転職だからこそ志望動機が重要な2つの理由
- 押し出せる強みがないからこそ重要なアピールポイントになる
- 若手人材に対して企業は「意欲」も重要視する傾向にある
- 基礎を固めよう! 未経験就職における志望動機の基本5箇条
- ①徹底的に自己分析をして「なぜその会社がいいのか」を明確にする
- ②入念に企業研究をしてその会社の「求める人物像」を言語化する
- ③これまでの実績や自分のスキルを整理して活かせるものがないか探す
- ④未経験の状態からどのように成長していくのか入社後のプランを立てる
- ⑤就業経験がある場合は退職理由についてもまとめておく
- 職種別の「未経験」の志望動機例文! 盛り込む内容と流れをチェックしよう
- 例文①営業職
- 例文②一般事務職
- 例文➂企画職
- 例文④製造職
- 例文⑤クリエイティブ職
- 例文⑥介護職
- 例文⑦エンジニア職
- 例文⑧マーケティング職
- 例文⑨販売職
- 未経験就職の志望動機は「ポテンシャル」のアピールで企業の心をつかむ!
- 未経験でも採用するメリットを感じさせる魅力的な志望動機作成の3つのコツ
- ①若手人材というステータスから柔軟性や将来性をアピールする
- ②未経験というハンデを入社後にどのようにカバーするのか具体的に言及する
- ③未経験から再スタートするほどの意欲があるということを前面に押し出す
- 内容の工夫だけじゃ足りない! 「伝え方」にも工夫を取り入れて合格へ近づこう
- ①まず最初に「結論」から伝えて要点をわかりやすくする
- ②聞き手のイメージを助ける「具体的なエピソード」も加える
- ③内容の説得力を増すために数字といった「定量的な情報」を交える
- 内容が思いつかない……未経験就職の志望動機に迷ったときに役立つ対処法
- 志望企業のどこに魅力を感じるのかリストにしてみる
- 未経験での就職に成功している人に話を聞く
- 就職エージェントに相談する
- 要チェック! 未経験の志望動機を考える際の注意点
- 未経験であることをネガティブに伝えすぎない
- 前職の退職理由にも言及する際は他責的な言い方をしない
- 未経験就職の志望動機のポイントを押さえて理想のキャリアを実現しよう!
未経験からでも志望動機に一工夫加えれば望むキャリアは実現できる!
こんにちは、キャリアアドバイザーの今井です。
未経験から就職・転職を目指す人から、このような悩みの声を聞くことがあります。
未経験の場合、活かせるスキルや知識が少なく、採用で不利になるのではないかと考えがちです。しかし、未経験でも志望動機の書き方次第であなたの望むキャリアを獲得できます。
この記事では、未経験就職での志望動機作成のポイントを、職種ごとの志望動機例をふまえながら解説します。未経験で新たなキャリアをスタートさせるためにも、志望動機のポイントを押さえて最初の一歩をふみ出しましょう。
そもそも未経験人材って需要ある? リアルな市場価値を解説
未経験からそもそも就職できるのか? 実態を知らなければ、不利なのではないかという思いが先行して不安にもなりますよね。ただ、現状さまざまな業界・職種が未経験者を歓迎しているため、入念に志望動機を考えれば十分就職のチャンスはありますよ。
ここからは具体的に未経験者の需要がある業界・職種などを解説するので、リアルな実態を知るためにもチェックしていきましょう。
未経験者の需要が高い業界・職種
未経験者採用を積極的に実施している企業は、業績が好調で需要が高まっている成長産業に多い傾向があります。たとえば以下のような業界が挙げられます。
- IT業界
- 飲食業界
- 不動産業界
- 建築業界
また職種としては、営業職・販売職・事務職などが未経験の需要が高い点が特徴です。そのほか、高齢化の進展に伴い、医療・福祉・介護業界でも未経験者採用が進められている点も押さえておきましょう。
米田 有希
未経験者に企業が期待していること
未経験採用を積極的に実施している企業は、応募者にさまざまなことを期待しています。
- 伸びしろがある
- 新しい視点をもって仕事をしてもらえる
- 前職の経験を活かして即戦力として活躍できる
企業側が、未経験者の場合は本人のスキルや実績をもとに、入社後の指導や経験により大きく成長する伸びしろがあると期待しています。また、未経験者が別の会社で培った新しい視点や考え方を取り入れたいと考える企業も多い傾向があります。
商品やサービスに対するアイデアや、社内の雰囲気など、未経験者を採用することでさまざまな効果を期待していているわけです。
本田 百合香
未経験で就職・転職を検討するなら、企業側が期待するポイントを把握しておくことでアピールにつなげられます。
未経験での就職・転職だからこそ志望動機が重要な2つの理由
- 押し出せる強みがないからこそ重要なアピールポイントになる
- 若手人材に対して企業は「意欲」も重要な評価項目にする傾向がある
就活・転職などの採用選考において「志望動機」は、応募者の熱意やマッチ度などを測るために質問されるのが一般的です。だからこそ、未経験での就職・転職を目指すなら、なおさら志望動機は重要視されますよ。
そうした背景もふまえて、ここからは未経験だからこそ志望動機が重要視される2つの理由を解説します。
押し出せる強みがないからこそ重要なアピールポイントになる
業界・職種の経験者が転職するなら、志望動機で活かせるスキルや強みをアピールできる可能性が高いです。一方で、未経験者の場合、就職・転職の段階で活かせる専門的な知識やスキルを持っていませんよね。
だからこそ、いかにそれ以外の部分であなたの魅力を伝えきれるかが重要になります。そこでもっとも効果が高い要素になるのが、意欲アピールを前面に押し出せる志望動機であるというわけです。
松下 建都
未経験で就活・転職を目指すなら、志望先の企業でアピールできるスキルや知識が少ないからこそ志望動機の書き方を理解しておくことが不可欠です。
若手人材に対して企業は「意欲」も重要視する傾向にある
特に20代などの若手を採用する際、企業は仕事に対する熱意を評価基準に含めるケースが多いです。未経験でありながら新たな業種・職種で働きたいと考えた熱意が面接担当者に伝われば、高い評価を得られる可能性もありますよ。
志望動機はその熱意の部分を軸にアピールすることができるので、あなたなりの志望理由を具体的に言及できるよう時間をかけて準備しましょう。
米田 有希
業界経験者と比べてアピールできるスキルや知識が少ないだけに、「なぜ志望企業を選んだのか」「チャレンジしたいこと」「活かせる経験やスキル」を事前に整理しておくことが不可欠です。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
未経験者を採用する企業の担当者は、未経験ながらも、その業界に飛び込みたいという意欲を持った若手人材が欲しいと考えています。そのため既卒・第二新卒といった若手人材に対しては経歴面よりもその人物の熱意や人柄をみているケースが多く、応募者の「ポテンシャル」が採用基準の大部分を占めていると言ってもいいでしょう。
新しいキャリアに挑戦する人物に期待されていることは、これからの成長や学習能力そして変化への適応力です。中長期的にその企業で活躍できそうな資質や可能性をアピールすることができれば、経験がなくても合格は見えてきますよ。
基礎を固めよう! 未経験就職における志望動機の基本5箇条
未経験での就職・転職では特に志望動機の内容が重視される傾向があります。「なんとなく興味があるから」といった曖昧な理由では、志望企業の採用担当者を納得させる説得力がありません。
ここから未経験の志望動機を作成する際の5ポイントを解説するので、一つずつチェックしていきましょう。
①徹底的に自己分析をして「なぜその会社がいいのか」を明確にする
未経験の就職で志望動機を作成するためには、まずは自己分析をきちんとおこなうことが不可欠です。さまざまな面から自分を見つめ直して、なぜ志望企業でないとだめなのかを言語化しましょう。
- なぜその企業で働きたいのか?
- 他の企業だとなぜダメなのか?
- その企業に入社したとして、何をしたいのか?
- なぜ求めるものが志望企業なら得られると思う?
自分に自分で問いかける際には、紙などに書き出して整理するのもおすすめです。思いつく限りの志望理由をまずは書き出してみましょう。
松下 建都
この段階で考えついたものが志望動機の根幹になります。時間をかけてでもじっくり取り組みましょう。
②入念に企業研究をしてその会社の「求める人物像」を言語化する
徹底的に自己分析をして、「これぞ」というあなたなりの志望理由が見つかったとしても、それが志望企業が求める人物像にマッチしなければ、採用担当者の心には響かないかもしれません。
志望動機を選考の場でアピールすると考えれば、志望企業が必要とするスキルや知識、実績など期待される人物像を分析して言語化しておくことが必須です。
- 求人票の募集要項を読み込む
- 企業のサイトから企業理念などを調べる
- 社内インタビューなどで取り上げられている人の特徴を押さえる
- 就職エージェントに相談して情報を共有してもらう
米田 有希
就職・転職の準備段階で企業が求める人物像をきちんと言語化できていれば、選考書類や面接などにおいても自身をアピールするための素材として活用できますよ。調べておいて損はありません。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
求人票や企業のHPなどを読み込んでも、企業が求める人物像が中々見えてこない場合があります。そんなときは直接現場の社員の声が聞けるチャンスがないか調べてみるのも一つの手ですよ。
合同企業説明会に参加して人事担当者に欲しい人材について質問してみる、または人事部にOB・OG訪問をさせてもらえないか交渉してみてもよいでしょう。その際は応募する職種の先輩社員に会わせてもらえると、より詳細なことを聞くことができますよ。
どうしても直接会えない場合には、就職エージェントの担当者に聞いてみるという方法もあります。これまで似たような企業に応募し突破してきた人の特徴や、していた対策を教えてもらえる可能性があります。
③これまでの実績や自分のスキルを整理して活かせるものがないか探す
未経験で転職を成功するためには、志望企業との接点をできるだけ多く見つけておくことがポイントです。そのためには、身に付けてきた実績やスキルを分析して整理する必要があります。
未経験の場合、これまで身に付けた自分のスキルが直接的に活かせないケースが多いです。しかし、異なる業種や職種で身に付けたスキルも、場合によっては新たなフィールドで活かせる可能性もあります。就職・転職の準備段階において志望企業で活かせる実績やスキルがないか、整理することが大切です。
- 事務職として社内の業務がスムーズに動くよう調整した=調整力、問題解決力
- 営業職として一から顧客を開拓した=提案力、行動力
- 企画職として新しい商品開発を手掛けた=アイデア力、言語化スキル
④未経験の状態からどのように成長していくのか入社後のプランを立てる
目の前の選考だけでなく、長期的な視点で入社後のプランを検討することも志望動機を考えるうえでは大切です。未経験から入社したあと企業が期待するのは、いち早く成長し戦力となることです。その点の期待に応える姿勢があることを志望動機で伝えられたら、より強固な意欲アピールになりますよ。
- 入社後の半年間はまず業務にキャッチアップに努める
- 入社から1年後は業務に必要な資格も取得して、一戦力として貢献する
- 入社から3年後は、チームをけん引するリーダーとして、同じような未経験入社の人も素早く慣れるようなチーム作りをして会社に貢献する
本田 百合香
未経験から入社する以上は、最初は戸惑うこともあるだろうと当然企業側も想定しています。そこに耐えることができるか、すぐに辞めないか、という不安を払拭する意味でも入社後のプラン立ては欠かせません。
⑤就業経験がある場合は退職理由についてもまとめておく
未経験就職の志望動機を考えるうえでは、未経験の業種・職種を目指したいと考えたきっかけや経緯を整理するために、退職理由をまとめておくことが大切です。なぜ未経験の環境にチャレンジしようと思ったのかは企業としても気になるポイントになるため、志望動機でもその点を知りたいと考えているケースがあります。
それをふまえた志望動機の構成を考えるために、過去の退職理由をまとめて、そこから未経験である志望企業へのチャレンジを決めた理由を練り込むようにしましょう。
米田 有希
具体的な例はこの後例文で解説するので、そちらもチェックしておきましょう。
職種別の「未経験」の志望動機例文! 盛り込む内容と流れをチェックしよう
- 営業職
- 一般事務職
- 企画職
- 製造職
- クリエイティブ職
- 介護職
- エンジニア職
- マーケティング職
- 販売職
未経験からの就職・転職を目指すための基本的な心構えを知ったところで、ここからは実際に選考で活用できる具体例を紹介します。
職種に応じて求められるスキルは異なるため、志望職種ごとにアピールする内容を整理することが大切です。具体例を参考に、実際に志望動機を考えてみましょう。
例文①営業職
前職では、飲食店で店長として5年間接客業務に携わってきました。お客様に満足してもらえるような仕組みづくりや従業員のスキル向上に貢献してきました。その結果、店長就任前と比較して、管轄する店舗の売上を110%に向上させることができました。
お客様から評価を得て、商品やサービスの魅力を発信していくことにやりがいを感じ、営業職への応募を決意しました。営業職は未経験ですが、全体を見渡す客観的な視点と丁寧な対応力は、貴社の営業職においても活かせると考えています。
松下 建都
前職での実績やスキルをもとに、志望企業との接点を見つけてアピールすることが大切です。
例文②一般事務職
前職では、インテリア・家具の販売をする「〇〇会社」で販売スタッフとして働いていました。前職では接客業務のほかに、商品の発注や在庫・売上管理の業務にも携わってきました。売上額や経費などの数字管理のもと、適切な在庫管理をおこなうことで、来店顧客数を前年比120%に向上させることができました。
事務職は未経験ですが、細かな作業や数字の管理にやりがいを感じ、応募させていただきました。Wxcel・Wordなどの基本的なパソコンスキルはもちろん、丁寧かつ確実に作業を進めていく能力や人と連携して物事を進めていくコミュニケーション力は、貴社の事務職で活かせると考えています。
米田 有希
事務職にもとめられる「パソコンスキル」「基本的なビジネスマナー」「コミュニケーション力」は、アピールとして活用できます。
例文➂企画職
私は、前職で経理チームのリーダーを担当してきました。請求書の処理や給与管理などの細かな作業のほか、効率的に仕事を進めるための仕組みづくりにも貢献してきました。また他部署との連携をとり、業務改善の提案も積極的におこなってきました。〇〇という計算ツールの導入を提案して実現したところ、チーム全体のミスを月3件から0件に削減できました。
企画職は未経験ですが、周囲の人との連携を大切にしながら、事業をより良くするための「行動力」や「提案力」は、貴社の企画職に活かせると考えています。
本田 百合香
未経験での応募が困難といわれる企画職であっても、実績やスキルをアピールすることで評価を得られる可能性がありますよ。
例文④製造職
前職では、電機製品を販売する小売店で販売スタッフを担当していました。お客様が製品の特徴を理解して納得して購入していただけるように、仕事の中で日々製品の特徴や構造などを学んできました。電機製品について学び、接客スタッフとしての業務に携わる中で、製造にかかわりたいと感じるようになりました。
製造職は未経験ですが、これまで培ってきた製品に関する知識は、貴社の製造職に活かせると考えています。
松下 建都
生産管理や生産ラインへの転職を希望する場合は、「単純作業も集中してこなすことができる」「一つずつ丁寧かつ正確に仕事をすることが得意」といったアピールが効果的です。
例文⑤クリエイティブ職
前職では、印刷会社の事務職に携わっていました。データ入力といった細かな作業や来客対応などをとおして、業務を正確かつスピード感を持って遂行していくスキルやコミュニケーション力を培ってきました。これまで身に付けてきたスキルや経験は、編集職にも活かせると考えます。
米田 有希
編集者は、ライターや著者と対話を重ねながら制作物を作り出していきます。クリエイティブな仕事にもさまざまなものがあるため、目指すクリエイティブな仕事が何かを明確にすることが大切です。
例文⑥介護職
前職では、リラクゼーションサロンの接客スタッフとして働いていました。来店するお客様が、施術後に笑顔になって帰られる姿を目の当たりにして、身体に不調のある方の生活をサポートする介護職に関心を持つようになりました。相手を思いやる気持ちや、接客業務で身に付けたコミュニケーション力は、介護職に活かせると考えています。
本田 百合香
具体的なエピソードも交えて、活かせるスキルをアピールすることで説得力が高まりますよ。
例文⑦エンジニア職
前職では営業事務を5年間担当していました。商品の発注や在庫管理をするためのシステムが導入され、業務効率が向上したことをきっかけとして、システム開発に関心を持つようになりました。営業事務の仕事をしながら、2年前から独学でシステム開発やプログラミングの勉強を続けています。
エンジニア職は未経験ですが、前職でシステムを活用してきた経験と独学で身に付けたスキルや知識を活かして貴社のエンジニア職に貢献できると考えています。今後も勉強を続け、上級試験にも挑戦していきます。
松下 建都
エンジニア職は、システム開発やプログラミングなどの専門的なITスキルが必要な職種です。未経験で応募する場合は、現在学習していることなどを伝え、積極的にスキルを身に付ける姿勢をアピールすることが大切です。
例文⑧マーケティング職
前職では、営業職で勤務をしていました。お客様に合う商品を提案し、ときにはサービスに対する真摯な要望に耳を傾けることに心掛けてきました。昨年度の個人の営業成績では、チームの中で1位を獲得したほか、チームの売上成績においても前年比120%を達成しました。営業職で商品の魅力を伝える仕事をする中で、マーケティング職への転職を決意しました。
顧客の目線に立って営業の仕事に取り組んできた経験は、貴社のマーケティング職に活かせると考えています。
米田 有希
数字を使って達成した成果を具体的に示していることがアピールのポイントです。
例文⑨販売職
ここに例文の前職は、サービスに関する顧客問い合わせ窓口でオペレーターとして働いていました。お客様が納得していただけるように、いただいた質問やご意見に対応し誠実に対応してきました。お客様の話に耳を傾けながら、問い合わせの内容に対して最も有用な情報を伝えられるように心掛けてきました。お客様の目線に立って物事を考え、提案してきた経験を活かして、貴社の事業に貢献していきます。
本田 百合香
応募先の仕事との共通点をアピールポイントとして挙げ、どのような姿勢で仕事をしていきたいのか熱意も一緒に伝えることがポイントです。
未経験就職の志望動機は「ポテンシャル」のアピールで企業の心をつかむ!
未経験の就職・転職で内定を獲得するためには、あなたが志望企業で活躍できる可能性、つまり「ポテンシャル」をアピールすることが不可欠です。
そして、採用担当者は志望動機に書かれている情報から、あなたの将来性や仕事に対する適性を見極めます。そう考えれば、ポテンシャルをアピールするために最も重要な手段は「志望動機」と言えますよね。
未経験就職の場合、即戦力として使えるスキルや知識が少ない点がデメリットと考えられがちです。しかし、志望動機で将来性をアピールできれば有利に選考を進められますよ。
松下 建都
ポテンシャル面のアピールを活かした志望動機作成のコツについては、これから解説します。
未経験でも採用するメリットを感じさせる魅力的な志望動機作成の3つのコツ
- 若手人材というステータスから柔軟性や将来性をアピールする
- 未経験というハンデを入社後にどのようにカバーするのか具体的に言及する
- 未経験から再スタートするほどの意欲があるということを前面に押し出す
未経験ならではの志望動機の書き方を押さえることで、書類選考突破の確率は一気に上がります。経歴やスキル面ではアピールしきれずとも、これから解説するポイントを押さえて志望動機を考えれば採用担当者の心をつかむことは可能です。
具体的に3つのポイントを解説するので、ここでしっかりとチェックしておきましょう。
①若手人材というステータスから柔軟性や将来性をアピールする
20代などの若い年齢であれば、若手人材として柔軟性・将来性が評価につながる可能性があります。
また企業によって既存社員の年齢層は異なりますが、特に若手人材を求めている企業であれば、経験の有無にかかわらず、若手の斬新な意見や発想を欲しているケースは少なくありません。
若手ならではの柔軟性や斬新な考え方により、会社に良い影響を与えられることをアピールすることで、高評価が期待できますよ。
②未経験というハンデを入社後にどのようにカバーするのか具体的に言及する
未経験者は、志望職種に求められる専門的なスキルを持っていないことが多く、選考においては不利になる場面が少なからずあることは事実です。ただ、足りないスキルや知識を意欲でカバーし、入社後にどう活躍していくのかといった視点を持つことも大切です。
スキルや経験は後天的に身に付けられるものです。入社後にいかにそれらを素早くキャッチアップできるかを示すことで、十分魅力的な志望動機を考えることができますよ。
米田 有希
特に若手を対象とする場合は、企業も最初からエキスパートレベルのスキルを求めて採用することは少ないです。それよりも、入社後に精一杯頑張れるか、辞めないか、その点を見られていると意識しておきましょう。
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
未経験の応募者を採用する企業側は、この人物は期待通りに成長してくれるか、そして異業種の企業にうまく馴染めるだろうかと不安に思っているケースが多いです。そんな企業側の不安を解消するためには、これからどのようにカバーしていくかを具体的に伝える必要があります。
未経験からしっかり知識を吸収していき、継続的に学べる人物であることをアピールするには、新しい仕事に役立ちそうな資格を取得しておくことも良いでしょう。
また新しい環境への適応力や新しい仲間とのコミュニケーション能力の高さを表すエピソードを準備しておくこともおすすめです。たとえば、前職で新規プロジェクトに自ら立候補して、企業内のさまざまな部署の人たちと積極的にかかわって仕事を進めたなど、環境の変化に適応できることを伝えると不安解消に効果的ですよ。
③未経験から再スタートするほどの意欲があるということを前面に押し出す
未経験の環境に飛びこむことは勇気の要ることですよね。それを実践できているということは、それ自体が一つのアピールになりますよ。
これまでの実績やスキルを活かしつつ、入社後は新たなキャリアをスタートさせていくという意欲を志望動機としてきちんとアピールすることが大切です。
内容の工夫だけじゃ足りない! 「伝え方」にも工夫を取り入れて合格へ近づこう
志望動機を作成する際は、「伝え方」も重要です。自己分析や企業分析を徹底して質の高い志望動機をまとめたとしても、面接などでの伝え方に工夫がなければ、他の応募者と差別化できません。
未経験からの就職を目指すなら、こうした点にも注力をすることが欠かせませんよ。
これから解説する手順を把握したうえで、言葉に気持ちを込めて相手にメッセージが伝わるように表現方法を工夫しましょう。
①まず最初に「結論」から伝えて要点をわかりやすくする
●活かせるスキルや経験を具体的に記載することが大切
まず志望するメインの動機を簡潔に伝え、その理由を述べることが大切です。最初に伝えることで、志望動機の概要がわかり続く内容も理解しやすくなります。
あなたの仕事に対する考え方やこだわりを伝え、志望企業であればそれが実現できることを伝えましょう。
そして、志望企業への思いだけでなく、具体的に活かせるスキルや経験も続けて伝えましょう。採用担当者に「貢献してくれそう」と思ってもらえることが必要ですよ。
本田 百合香
最後に入社後はどのように活躍していくのかといった働く熱意をアピールすれば、間違いなくあなたの意欲の高さが伝わるはずです。
②聞き手のイメージを助ける「具体的なエピソード」も加える
●経験と紐づけて長所や短所、強みをアピールしよう
志望動機を伝える際は、具体的なエピソードを交えることで、説得力を高められます。
特に、自身の長所や短所、強みを伝える際は、どんな経験と紐づいているのかという点と合わせて伝えることで、採用担当者は背景をイメージしながら話を聞くことができます。
米田 有希
エピソードを加えることは、その志望動機の内容がよりあなたなりの内容になっていくということです。独自の魅力が詰まった内容になり、未経験という前提があったとしても「採用したい」と思わせる内容に仕上がります。
長所が思いつかない人はこちらの記事をチェックしてみましょう。長所を見つける方法や深掘りする方法についても紹介していますので、志望動機の作成の参考にしてみてくださいね。
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長所が思いつかない人必見の長所60例|探しだすコツは経験の深掘り
就活をしている時、長所が思いつかずに悩むことがありますよね。既卒や第二新卒の就活となると、長所のようなポテンシャルの高さを伝えられる質問でしっかりとアピールしたいところ。この記事では、専門家のアドバイスを交えて面接でのアピールに役立つ長所一覧や長所の掘り下げ方について解説していきます。
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③内容の説得力を増すために数字といった「定量的な情報」を交える
●数字を使えば真摯な仕事ぶりや貢献度を具体的にアピールできる
志望動機の内容に説得力を持たせるためには、数字などの定量的な情報を含めると効果的です。たとえば、前職が営業職であれば売上や顧客獲得率、目標達成率により実績をアピールできます。
一方で、事務職など目標が定性的でしか計れない職種に勤めていた場合でも、誰であっても評価が変わらないような具体的な成果を伝えることで、説得力を高められるでしょう。
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未経験の職種に応募する際、前職の活躍を軸にアピールを考えるとして、それを言葉だけで表現するとうまく伝わらない可能性があります。たとえば、接客業において、お客様に喜ばれる丁寧な接客を心掛けていました。という定性的な話をしても、転職先が接客業でなければ効果的なアピールにはならないかもしれませんよね。
転職先にしっかり伝わるようにするには、具体的な数字を使って活躍ぶりをわかりやすく表現しましょう。先ほどの接客業の例であれば、お客様に丁寧な商品説明をして、満足いくお買い物をして頂いた結果、リピーター客が1年で2倍になった。など、数字を用いると、真摯に仕事に取り組む姿勢と業績アップに貢献したことをわかりやすくアピールすることができますよ。
内容が思いつかない……未経験就職の志望動機に迷ったときに役立つ対処法
未経験での就職・転職活動に志望動機が重要であることはわかっていながら、いざ書こうとすると内容が思いつかないといったこともありますよね。
ただ、そこでやみくもに取り組んでもただ時間と体力を浪費してしまうだけです。悩んだときは、以下の対処法を活用してみましょう。
志望企業のどこに魅力を感じるのかリストにしてみる
●自分の言葉で志望動機を整理することが大切
「なぜ志望企業が良いと思ったのか」を考え、思いついたものをリスト化してみましょう。数ある企業のなかから志望企業を選んだことには、必ず理由があるはずです。リスト化する段階では、感覚的なイメージでも構いません。
思いついたことを自分の言葉として整理していくことで、他の応募者と違うあなただけの志望動機が書けるようになります。
未経験での就職に成功している人に話を聞く
●経験者のリアルな声を聞けば経験者にしかわからないポイントや注意点がわかる
自分の頭の中でいくら考えていても、志望動機が思いつかないときもあります。そのような場合は、周囲の未経験就職に成功した人からアドバイスをもらうのがおすすめです。志望する企業に勤めている人でなくても、未経験で新たなフィールドに飛び込んだ経験者の話を聞くことは志望動機作成に効果的です。
経験者の立場からリアルな声を聞くことで、志望動機を作成するために知っておきたいポイントや注意点などを把握できるので、ぜひ実践してみましょう。
- SNSで発信する
- 家族や友人に相談する
- 出身大学のキャリアセンターに相談する
- 同年代のコミュニティに所属する
就職エージェントに相談する
●プロに聞けば公では得られない情報や志望企業の傾向をチェックできる
就職活動をサポートしたり、さまざまな情報を提供したりしている就職エージェントに相談する方法もあります。プロの目線で、未経験就職に成功するために今すべきことを詳細に教えてもらえます。
また、就職エージェントに相談することで、企業の最新情報を知ることができます。志望動機作成だけでなく、企業分析にも役立ちますよ。
要チェック! 未経験の志望動機を考える際の注意点
- 未経験であることをネガティブに伝えすぎない
- 前職の退職理由にも言及する際は他責的な言い方をしない
未経験就職の志望動機のポイントについて解説してきましたが、反対に注意すべきポイントもいくつかあります。これから具体的に2つ解説するので、作成する際はしっかりと念頭に置きながら考えるようにしてくださいね。
未経験であることをネガティブに伝えすぎない
未経験であることを謙虚に思う姿勢は大切ですが、志望動機においては、あまりにもネガティブな表現で伝えないことが大切です。
ネガティブすぎる表現を用いると、採用担当者から「ミスマッチが生じてすぐに退職してしまうのではないか」などと不安視される可能性があります。
ネガティブな要素も、見方によってはポジティブに捉えることが可能です。志望企業でどのように貢献できるのかという前向きなポイントを全面に押し出すようにしましょう。
前職の退職理由にも言及する際は他責的な言い方をしない
転職面接では、前職の退職理由を聞かれるケースがあります。退職理由を述べる際は、人のせいにしたり、前職のイメージを下げたりするような表現は避けましょう。
他責的な言い方をしてしまうと、入社後も失敗したときに会社や他人のせいにするのではないかと不信感を残してしまいます。
ちなみに採用担当者は、「入社後すぐに退職しないか」見極めるために退職理由を質問することが多いです。たとえ退職理由がネガティブな内容であったとしても、そこからどのようなアクションをしたのかという主体性も含めて伝えるようにしましょう。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
前職の退職理由を聞かれた際は、まずは前提として正直に答えることを心掛けましょう。しかし退職理由がネガティブなものである場合は、正直に伝えるだけでは、面接官に良い印象を残すことは難しいです。できる限り前向きな姿勢をセットで伝えるなど、ポジティブな印象に受け取ってもらえる様な工夫が必要です。
前職の社風が合わなかった、などネガティブな理由だった場合、「単に社風に不満を持ったから」と伝えるよりも「転職をすることで、自分の思い描くキャリアを実現したい、前職にない御社の〇〇な部分に魅力を感じて応募を決めた」など、具体的な理由も添えることが大切です。
そういった工夫を施すことで、仮にネガティブな退職理由であったとしてもマイナスな印象になりすぎないようにできますよ。ぜひ取り入れてみてください。
未経験就職の志望動機のポイントを押さえて理想のキャリアを実現しよう!
未経験から就職・転職を狙うなら、志望動機対策は不可欠です。経験やスキル面の不足をどうカバーし、入社後成長していくのか、その点をしっかりとアピールできれば、必ず理想のキャリアは実現できますよ。
ここまで解説した職種別の志望動機の例文を参考にして、他の応募者とは違うあなただけの志望動機を作成して成功を勝ち取りましょう。
他の企業で経験を積んだ未経験者を採用することで、自社に新たなアイデアや発想を期待するケースが多いですよ。