目次
- 人間関係で仕事を辞めたいと思ったときこそ冷静に考えて最善の道を見極めよう!
- 人間関係で仕事を辞めたいと悩むあなたに伝えたい3つのこと
- ①人間関係が原因で退職するケースは多い
- ②人間関係の悩みを完全に解消するのは難しい
- ③判断軸としてなによりも大切なのはあなたの心身の健康
- 退職は最後の手段だからこそ「今ほかにできること」を入念に吟味することが重要!
- 「人間関係が原因で仕事を辞めたい」決断の前に確認したい8つのチェック項目
- ①一時的な感情で判断してないか
- ②改善のためにできる行動はしたか
- ③周囲への理解がまだ浅いだけの可能性は考えたか
- ④退職以外の選択肢を検討したか
- ⑤社内外問わず誰かに相談したか
- ⑥退職後のプランは決まっているか
- ⑦将来のキャリアのことまで考えたか
- ⑧仕事以外の面で影響はないか
- 人間関係が原因で仕事を辞めたいときに取れる6つの選択肢
- ①仕事の範囲や責任を変えてもらう
- ②勤務形態を変えてもらう
- ③部署異動を申し出る
- ④転職する
- ⑤休職する
- ⑥退職する
- この流れで進めよう! 人間関係で悩まない転職をかなえるための5ステップ
- ①前職で悩まされた「人間関係の悩み」の原因を言語化する
- ②はっきりさせた原因をもとに自分に合う社風の会社の求人を探す
- ③応募書類はポジティブな転職理由を記載する
- ④面接ではマイナス印象を抱かれないような退職理由を伝える
- ⑤円満に退職できるよう引継ぎなどはしっかりおこなう
- 転職後も人間関係で悩まないためにできる3つのこと
- ①自分から積極的にコミュニケーションを取る
- ②周囲の人がどんな人なのか自分から歩み寄って理解を深める
- ③前職のことを持ち出さず転職先のカルチャーを尊重する
- 一人で抱え込まないことが大切! 職場の人間関係に悩んでいるときに頼れる相談先
- ①家族や友人
- ②公的な相談窓口
- ③信頼できる上司
- ④会社の人事部
- 仕事を辞めることがベストな選択なのか冷静に判断して自分の進む道を定めよう!
人間関係で仕事を辞めたいと思ったときこそ冷静に考えて最善の道を見極めよう!
こんにちは。キャリアアドバイザーの今井です。
人間関係が原因で今の仕事を辞めたいと悩んでいる人から、よくこんな相談をもらいます。
上司が自分に冷たい気がしたり、同僚と話が合わなかったりすると「自分はここにいて本当にいいのかな……」「いっそ辞めて楽になりたいな」と感じてしまうこともありますよね。
ただ、仕事を辞めたいからといって安易に決断してしまうと、「やっぱり辞めなければ良かった」と後から後悔してしまうかもしれません。本当に仕事を辞めるのしかないのか、一度冷静に見極めることが大切ですよ。
この記事では、仕事を辞める前に確認したいチェック項目や仕事を辞めたいときに考えられる選択肢、人間関係で悩まない転職をかなえるためのステップを解説。一緒に最善の道を考えていきましょう。
人間関係で仕事を辞めたいと悩むあなたに伝えたい3つのこと
人間関係がつらくて仕事を辞めたいと悩んでしまうと、仕事への不安が大きくなりすぎて、他のことに手がつかなくなってしまうこともあるかもしれません。
そんな人間関係に悩むあなたに伝えたいことがあります。伝える内容をもとに、自分は仕事を続けた方がいいのか、辞めた方がいいのかを一緒に考えていきましょう。
①人間関係が原因で退職するケースは多い
- データを見ても人間関係の悩みで退職する人は多い
- 実際に辞める人がいるということは辞めたいと思っている人はもっといる
人間関係で仕事を辞めたいと考えているのは、あなただけではありませんよ。多くの人が人間関係の悩みから退職を考えたり、実際に退職したりしています。
厚生労働省が入職者や離職者の状況を知る目的で調査した結果をまとめた令和3年上半期雇用動向調査結果の概況によれば、前職を辞めた原因としては、収入が少ないという理由に次いで「人間関係」が挙げられています。退職理由としてはかなりポピュラーなものといえますね。
さらに、同じく厚生労働省が15〜34歳の雇用実態についてまとめた平成30年若年者雇用実態調査の概況のデータを見ても、34歳までの人が会社を辞めた理由として、労働環境の次に人間関係がきています。
米田 有希
会社に行きたくないと思ってしまう原因や解決策について、こちらの記事で解説しているのでぜひ参考にしてみてくださいね。
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②人間関係の悩みを完全に解消するのは難しい
- 会社で働く以上はどうしても人間関係が付きまとう
- 人間関係の悩みを最小限にするためにできることを考えるのが大切
会社で働く以上、上司や同僚、部下など人とのかかわりは避けられませんよね。これは転職したとしても同じことです。転職して環境を変えたとしても、また違った人間関係の悩みが生まれることも少なくありません。
つまり、人間関係の悩みを完全に解消するのは難しいということ。その事実を、まずはしっかりと認識しておきましょう。そのうえで、どんな対処をすれば人間関係での悩みを軽くできるのか、もしくは解消できるのかを考えていくのが大切です。
③判断軸としてなによりも大切なのはあなたの心身の健康
- 仕事をする人の代わりはいてもあなたの代わりはいない
- 選択の軸は自分の心と身体を最優先で考えることが大事
一つ、とても大切なことを覚えておいてください。それは、仕事をする人の代わりはいても、あなたの代わりはいないということ。何よりも大切なのは、あなたの心と身体の健康です。
「今の環境にいるのがどうしてもつらい」「上司からのパワハラで仕事に行きたくない」そのような状況なら、今の職場を離れるのも仕方がありません。自分の心身の問題を最優先にしないと、心身とも疲れ果ててしまい、取り返しのつかない事態に陥ってしまうこともあります。
本田 百合香
今の環境が本当につらいのなら、転職や退職といった選択肢を取ることもできます。自分自身の心と身体を大切にすること。これを最優先で考えてくださいね。
パワハラが原因で仕事を辞めたいと考えている人は、こちらの記事も参考になりますよ。やっておくべき行動などについて詳しく解説しています。
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キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
仕事での人間関係の悩みは決してあなただけの問題ではありませんよ。それはチームの問題であり、組織の問題であり、会社全体で考えなければいけない問題です。
まずはその事実を理解して、自分が望む環境はどんな環境なのか、自分がどうすれば楽になるのか、楽しく仕事ができるのかなどを考えてみてください。このように自分の価値観や気持ちを整理することで、今後の働き方の軸が見えてきますよ。
その軸をもとにさまざまな対処法を考えていけば、自ずと自分が臨む環境が手に入るはずです。一人で悩むのではなく、上司や先輩などまずは相談したい人に話してみることが大切です。相談するためにも、どんなところに悩んでいて、どう改善していけるのかまでイメージしておけると良いですよ。
退職は最後の手段だからこそ「今ほかにできること」を入念に吟味することが重要!
「退職すれば人間関係の悩みから解放されるはず! 」そう思うかもしれませんね。確かに、一時的には人間関係の悩みが解消されて楽な気持ちになるかもしれません。ただ、転職なども視野に入れないまま退職してしまうと、人間関係以外の収入や今後のキャリアなどに影響が出てしまうことも考えられます。
そのため、いきなり退職を考えるのではなく、「退職以外で今の自分にできること」を見つけ出していくことが大切です。そうすれば、自分へのリスクを最小限にして、仕事での人間関係の悩みを解消することができるかもしれません。
米田 有希
今は辞めたいという気持ちが先行していて、冷静な気持ちで自分を見れていないかもしれません。一緒に退職以外の道がないか考えて、納得のいく選択をしていきましょう。
「人間関係が原因で仕事を辞めたい」決断の前に確認したい8つのチェック項目
仕事における人間関係で悩んでしまうと、いっそのこと仕事を辞めて楽になりたいと思う気持ちもよくわかります。ただ、辞めた場合のリスクまで確認しておかないと、その選択を後悔してしまうこともありますよ。
ここからは、仕事を辞める決断をする前に確認したい8つのチェック項目を解説していきます。自分の選ぶ道を最善なものにするためにも、すべての項目をチェックしてから決断するようにしてくださいね。
①一時的な感情で判断してないか
「人間関係に疲れたから今すぐ仕事を辞めたい」そんな感情になるときもあるかもしれません。ただ、その感情は一時的なものの可能性はありませんか?
たとえば、「作成した資料の内容を上司に怒られた」「一緒に仕事をしていた同僚から注意を受けた」このような一時的なストレスによって、仕事を辞めたいと思ってしまっている場合もあります。少し時間が経てば、元通りの人間関係に戻るかもしれませんよね。
本田 百合香
自分は感情的になっていないか。今一度、冷静な気持ちで考えてみてください。一時的な感情で辞めると判断してしまうと、後々後悔してしまうことになるかもしれませんよ。
②改善のためにできる行動はしたか
人間関係は双方のコミュニケーションだからこそ、自分から改善に向けた行動を取るだけで悩みが解決できることもあります。特に自分が受け身でしかコミュニケーションを取っていない場合は、小さな行動を起こしてみて、現状が改善しないかをぜひ試してみてください。
- 自分からあいさつや話をしてみる
- 相手が喜びそうな行動をしてみる
- できるだけ笑顔で接する
自分が一方的に悪いと思っているだけで、自分から積極的に行動してみると良い人間関係を築くことができるというケースは多々あります。
松下 建都
相手の性格を変えようとするのは、さすがに難しいですよね。だからこそ、自分から改善に向けた行動をとることが大切なのです。
③周囲への理解がまだ浅いだけの可能性は考えたか
人間は正体がわからないものには不安を感じてしまいます。それは人間関係でも同じです。相手のことがよくわかっていないからお互いの関係にぎこちなさを感じているケースもあるのです。
そこで大切になるのが、相手のことを理解しようとする気持ちです。コミュニケーションを取ってみると「この人はこんなふうに考えているのか」と、価値観の違いを知ることができます。そのような相手への理解を深めることで、コミュニケーションが取りやすくなり、人間関係が改善することもあります。
米田 有希
相手を理解することは、解決策を見つける第一歩です。勇気を出して理解を深める行動を取っていきましょう。
④退職以外の選択肢を検討したか
人間関係が苦しいとはいえ、本当に仕事を辞めるしかないのでしょうか? 実は、退職する以外にも人間関係の悩みを解消する方法はたくさんありますよ。たとえば、以下のような選択肢が考えられます。
- 仕事の内容や責任の範囲を変える
- 勤務形態を変える
- 部署異動をする
- 休職する
身近な解決策でいえば、仕事内容や勤務形態を変えることで人間関係によるストレスが軽減されて、悩み解決につながるかもしれません。また、部署異動によって環境を変えてしまうのも一つの手ですね。
本田 百合香
企業としても、貴重な働き手にはできる限り辞めてほしくないというのが本音です。今の仕事内容を変えるのは勇気のいる決断ですが、解決できる方法はないか考えてみてくださいね。
⑤社内外問わず誰かに相談したか
人間関係で仕事を辞めたいと思っている現状を一人で抱え込んでいませんか? 誰かに相談してみることで、今抱えている悩みを解決できるケースもありますよ。
「そんなことで解決できるの? 」と思うかもしれませんが、自分の悩みを誰かに話すことで気持ちが軽くなることもあります。さらには、解決に向けた具体的なアドバイスをもらえる可能性もありますよね。改善に向けた行動を取るためにも、誰かに相談することはとても大切なのです。
- 家族や友人
- 公的な相談窓口
- 信頼できる上司
- 会社の人事部
松下 建都
一人で悩みを抱えていても、なかなか解決策は見つからないものです。社内外問わずでいいので、まずは人間関係の悩みを誰かに相談してみましょう。
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
人間関係の悩みは他人には相談しづらいような内容もありますよね。ただ、一人で抱え込んでしまった結果、あなたの心身が疲れてしまい、望まない結果になることもあるかもしれません。
そんなときに大切になるのが、信頼できる人に自分の悩みを打ち明けることです。 それは社内の人、社外の人、誰でも構いません。
会社内の人であれば、社内事情の理解が早い分、問題が早く解決できる可能性が高いです。ただ、会社内の人に相談できる人がいないという場合もあるでしょう。そのときは、家族や友人などあなたのことをよく理解している人に相談してみてください。具体的な問題解決は難しくとも、自分の悩みを声に出し、誰かに共有、共感してもらうことで、あなたの心の負担が軽くなるはずです。
そうして気持ちを落ち着けてから、具体的な解決策を見つけていきましょう。
⑥退職後のプランは決まっているか
仕事を辞めた後どんな道に進んでいくのか、ここをしっかりと考えられずに退職してしまうと、辞めた後に後悔してしまうことになるかもしれませんよ。
人間関係からは解放されても、収入をどうするのか、次の仕事を見つけるまでの期間は何をするのかなど、別の悩みが次々と出てきてしまいます。そうならないためにも、退職後のアクションプランを描いておくことが大切です。
- 退職して半年間は生活費が持つのですぐにハローワークにいき、3カ月以内に仕事を見つける
本田 百合香
プランはできるだけ具体的に描いておきましょう。そうすれば、安心して退職後の生活を過ごすことができますよ。
安心して退職後の生活を送るための方法については、こちらの記事で詳しく解説していますよ。転職を成功に導く心構えについても紹介していますので参考にしてみてくださいね。
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⑦将来のキャリアのことまで考えたか
人間関係がつらいから今の環境を抜け出したい気持ちはよくわかります。ただ、その選択は長期的な目線で考えられますか? 今のつらさと今後のキャリアを天秤にかけたとき、本当に辞める選択が正しいのか、今一度考えてみてください。
将来のキャリアまで見すえた冷静な目線で考えてみると、実は辞めない方がプラスに働くというのはよくあることです。仕事を辞めるのか考える際は、短期的な視点だけではなく、長期的な視点からも考えて決断しましょう。
松下 建都
短期的な視点だけで会社を辞めてしまうことは、後々の後悔にもつながるかもしれません。大切なのは、今と未来のバランスを考えてみることです。
キャリアビジョンについて悩んでいる人はこちらの記事を確認してみましょう。キャリアビジョンの作成方法について詳しく紹介していますよ。
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⑧仕事以外の面で影響はないか
仕事を辞める場合、その影響は仕事以外の部分にまで出てきます。たとえば、金銭面は大きな影響が出てくるでしょう。転職しなければ、収入はゼロになるわけなので「このまま生活資金がなくなったらどうしよう」という不安が新たに出てくるかもしれませんよね。
また、家族がいるなら自分ひとりの都合では辞められない場合もあるかもしれません。事情を説明しても納得してもらえない可能性も考えられます。
米田 有希
会社を辞めた場合に起きる変化についても、しっかりと把握しておきましょう。そのうえで辞める場合は、準備や対策を整え、仕事を辞めても問題のない環境を作っておくことが大切です。
人間関係が原因で仕事を辞めたいときに取れる6つの選択肢
仕事の人間関係で悩んでしまうと、退職するしかないのではと思ってしまうかもしれません。ただ実は、人間関係の悩みは必ずしも仕事を辞めなければ解決できないわけではないですよ。
ここからは、人間関係が原因で仕事を辞めたいときに取れる6つの選択肢について解説していきます。すぐに退職を考えるのではなく、今の自分にとってどの選択が最善の道なのかを一緒に考えていきましょう。
①仕事の範囲や責任を変えてもらう
- 仕事の範囲や責任が増えるとかかわる人が増えて人間関係の悩みを抱きやすい
- 業務の範囲や役割を変えてもらうことで人間関係の悩みが落ち着くこともある
人間関係が原因で仕事を辞めたくなってしまう理由に、仕事の範囲や責任が関係している場合があります。というのも、仕事の範囲や責任が大きくなると、かかわる人の数も増えてきて人間関係がより複雑になってくるからです。
たとえば、チームをまとめる立場の人であれば、部下をマネジメントすることに疲れてしまい、仕事をつらいと考えることもあるでしょう。
本田 百合香
そのようなときは、上司や人事に相談して業務の範囲や役割を変えてもらうことを検討してみてください。仕事の範囲や責任が小さくなれば、仕事でかかわる人たちも変わり、人間関係も改善できるかもしれません。
②勤務形態を変えてもらう
勤務形態を変えてもらうのも人間関係のストレスを軽減させる方法の一つです。勤務形態を変えるとは、たとえば以下のようなことが挙げられますよ。
- リモートワークに変えて直接人とかかわる機会を減らす
- フレックスタイムに変えてコミュニケーションを取りやすくする
リモートワークに切り替えれば会社の人と直接かかわる時間が減るため、人間関係のストレスが軽減され、会社を辞める気持ちが落ち着くかもしれません。また、自分に合った働き方ができるようになるので、ワークライフバランスも向上し、仕事のストレス軽減も狙うことができます。
松下 建都
どんな勤務形態があるのかは会社の規則で決められている場合もあるので、上司や人事と相談して変えられるかどうかを検討してみてくださいね。
③部署異動を申し出る
- 部署異動することで会社を変えなくても新しい環境でスタートできる
- 異動先の仕事が合わないケースもあるので慎重に判断する必要がある
今の部署やチームで人間関係のトラブルにより、仕事を辞めたいと考えるケースもあるかもしれませんね。そのようなときは、部署異動を申し出て、違う部署に異動するのも一つの手です。
新しい部署ではこれまでの人間関係をひきずることなく、新しい環境で再スタートを切ることができますよ。仕事内容が変わるとはいえ、転職と違って会社のことをわかっている状態で仕事を進められるので不安も少なくて済みます。
米田 有希
ただ、異動先の仕事が合わなかったり、異動までに時間がかかってしまったりするケースもあるので、その点は注意が必要です。
④転職する
勤務形態の変更や部署異動でも人間関係による仕事を辞めたいという気持ちが解消できないなら、転職という選択が適しているかもしれません。
転職することで、これまでの人間関係をリセットできるので、仕事で抱えていた人間関係の悩みを解消できるかもしれません。ただ、人間関係の問題は転職したからといって必ず解消できるというわけではありませんよ。企業研究をしっかりとおこない、自分に合う企業を見つけることが大切です。
本田 百合香
転職を目指すなら、まずは就職エージェントに相談してみましょう。エージェントがあなたの話を聞いたうえで、人間関係で悩まずに済む転職先を紹介してくれますよ。
⑤休職する
- 休職することで人間関係で悩む気持ちを整理できる時間ができる
- 元の職場に戻りづらいと感じるときは部署異動などの対応をお願いする
仕事自体は好きだけど人間関係がどうしても合わないという場合には、休職していったん気持ちを整理する方法も考えられます。
休職中は、体調を優先に考えて業務のことは何も考えずに過ごすことができます。病院にも定期的に通院するので、不安なことを一人で抱え込む心配もありません。自分の心を落ち着ける時間を過ごすことで、人間関係の悩みをリセットできるかもしれませんよ。
松下 建都
ただ、人間関係を理由に休職した場合、元の職場に戻りづらくなってしまうこともあるかもしれません。その際は、別の部署に配置してもらうなどの対応を会社にお願いした方がいいでしょう。
なかには休職中に転職活動をしたいと考えることもあるかもしれません。そういったことがそもそも可能なのかどうかについてはこちらの記事で解説しているので参考にしてみてくださいね。
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人間関係に悩んで仕事を辞めたい人へ|選べる6つの選択肢を徹底解説
人間関係で仕事を辞めたいと考える人はあなた以外にも多くいます。本当に退職しても良いのかを考えるための8つのチェックリストをキャリアアドバイザーが徹底解説します。退職以外の選択肢も紹介していきます。
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⑥退職する
- 今の職場では人間関係の悩みが解消できないなら退職するのも一つの手
- 人間関係以外の不安や悩みが出てくるかもしれないので計画を立てておくことが大切
米田 有希
今の環境で働き続ける未来が見えない、人間関係の悩みが大きく修復は難しいといった場合には、退職という選択も考えられます。
退職すれば、休職と違って復職のことを考える必要もなくなります。今の会社の人間関係を完全に断ち切れるので、ストレスから解放された生活を送ることができますよ。
ただ、退職によって仕事以外のストレスが生まれる可能性も考えられます。たとえば、収入の減少や将来のキャリアなどの不安が出てくるかもしれません。そうならないためにも、将来のキャリアプランや生活設計をしっかりと見すえ、後悔のない選択をすることが大切です。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
人間関係のストレスから休職や転職、退職を考えて、実際に行動に移す人は何もあなただけではありません。ただ、今の環境を変える選択には大きなストレスも伴います。
たとえば、新しい人間関係を築く必要があったり、新しい仕事内容を覚えたりすると、それまで以上にストレスを感じてしまう原因にもなりかねません。せっかく行動に移したのに、解決にいたらないという事態は、できれば避けたいですよね。
そのため、まずは今の環境にいるとどうしてストレスを感じてしまうのか、そして今の環境のままそのストレスを解消できないか考えることが大切です。転職や休職は、今の環境でできることを考えた後でも遅くはありませんよ。
特に今の仕事が好き、誇りを持っているなど、仕事自体から充実感を得ている場合は、転職して仕事内容を変えてしまうと後悔してしまう可能性もあります。まずは、今の環境からできることを考えて、行動に移していきましょう。
この流れで進めよう! 人間関係で悩まない転職をかなえるための5ステップ
会社を退職することを決め、転職を決意したときに「次は人間関係に悩まない会社に就職したい」と思うはずです。しかし、ただ転職するだけでは同じような人間関係で悩んでしまう可能性もあります。
そこで、ここからは人間関係で悩まない転職をかなえるための5ステップを解説していきます。今後、人間関係で悩む確率がぐっと下がる転職の方法になるので、しっかりとチェックして理想の環境を手に入れましょう。
①前職で悩まされた「人間関係の悩み」の原因を言語化する
- 同じような原因で悩まないために辞めたいと思ったエピソードやきっかけを振り返る
- 振り返る際は紙に書き出して思考を整理することが大切
まずは、なぜ人間関係で悩むことになったのかをしっかりと言語化することが大切です。ここがわからないままでは、仮に転職できたとしても、また同じように人間関係で悩んでしまうことになるかもしれません。
言語化する際は前職のことを振り返り、悩みの発端となった具体的なエピソードや言われた言葉などを紙に書き出してみましょう。頭で考えているだけでなく、実際に書き出してみることでこんな原因があったのかという発見につながりますよ。
松下 建都
このステップで言語化する人間関係の悩みの原因は、転職の軸となる大事な要素です。納得のいく原因を見つけ出しておくことが大切ですよ。
②はっきりさせた原因をもとに自分に合う社風の会社の求人を探す
原因がわかれば、その原因がない会社の求人を探していきましょう。たとえば、原因が「自分の意見が何も言えない環境でストレスが大きかった」だとするなら、「フラットに自分の意見が言える会社」への転職を目指すようなイメージです。
このとき大切になるのが、会社の社風を理解すること。人間一人ひとりの性格が違うように、会社もそれぞれ独自の文化や雰囲気を持っています。その会社の特性に自分がマッチしているかという点をしっかりチェックするためにも、社風の理解は欠かせませんよ。以下のような方法からチェックしていきましょう。
- 企業のホームページから会社概要をチェックする
- 求人に掲載されている会社情報をチェックする
- 企業が運営しているSNSの情報発信をチェックする
- 会社の社長が出版している本を読む
本田 百合香
会社選びを間違えてしまうと、入社してから人間関係で悩む確率が上がってしまいます。ここは時間をかけてでも入念にリサーチしていきましょう。
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
さまざまな選択肢を考慮した結果、転職を決意して無事成功させたとします。ただ、必ずしも自分の理想が100%かなうとは限りません。むしろ、理想に100%合っている会社に出会う確率の方が低いでしょう。
というのも、仕事にはどうしても人間関係が付きまとうものです。転職に成功したとしても、新しい環境で新たな人間関係を築く必要があります。そして、その関係は自分が望んでいたものとは少なからずギャップが生まれてしまうかもしれません。
だからこそ大切になるのが、これだけは外せないというものをあらかじめ決めておくこと。求める条件を書き出して、優先順位をつけていきましょう。その優先順位に沿って転職先を見つけることで、人間関係の悩みが少ない会社への転職を目指すことができます。
③応募書類はポジティブな転職理由を記載する
- 企業としては人間関係が原因の転職は採用しづらい
- ポジティブな転職理由で前向きな気持ちを伝えることが書類選考突破につながる
人間関係を理由に会社を退職した場合、転職理由はどうしてもネガティブな理由になりがちです。あなたに原因があったわけではないケースでも、企業にとっては人間関係を円滑に築けない人だという目で見られてしまいます。
そのため、応募書類を書く際は、前職のネガティブな点を強調するのではなく、今後の成長や新しい環境にチャレンジしたい前向きな気持ちなどを記載しましょう。そうすることで、ポジティブな印象につながり、書類選考を突破しやすくなりますよ。
松下 建都
転職理由は企業にとっても気になる点です。自分の印象がマイナスに映らないよう、ポジティブな気持ちで転職することをアピールしていきましょう。
④面接ではマイナス印象を抱かれないような退職理由を伝える
書類選考と同じように、面接の中で人間関係による退職理由を伝えると、マイナス印象を抱かれやすくなってしまいます。退職理由は事実を伝えるのに留めて、できるだけポジティブな内容を伝えるのが大切です。
たとえば、「仕事に対する考え方や価値観が異なっていた」と伝えれば、悪く言っているようには感じず、客観的な視点から考えられていると思ってもらえます。
- 職場の上司がすぐに怒鳴るタイプだった→上司とも意見交換しながら仕事ができる環境に入りたい
- 競争の激しい会社で個人プレーが多かった→チームで協力しながら仕事で成果を上げたい
米田 有希
退職理由は志望動機にもつながってきます。会社の社風や仕事内容と自分が求めているものが合っていると伝えることで、良い印象を持ってもらうことができますよ。
退職する理由を意欲のアピールにつなげる方法についてはこちらの記事を参考にしてみてくださいね。
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転職理由22例文|意欲アピールになる回答で面接官の心をつかもう
転職理由は、転職活動でほぼ必ず聞かれるもの。なかには答えにくい場合があったり、どう答えるべきなのか悩んでしまうこともありますよね。この記事では、キャリアアドバイザーのアドバイスを交えて転職理由の回答例文や回答のコツについて解説しています。
記事を読む
⑤円満に退職できるよう引継ぎなどはしっかりおこなう
- 円満に退職できないと後々のトラブルにつながることもある
- 円満退職に向けて漏れのないように引継ぎすることが大切
人間関係の悩みから仕事を辞めるとはいえ、前職の会社を円満に退職できるよう準備を進めていきましょう。転職した後も何かしらかかわりがある可能性もありますし、ギスギスした関係で辞めてしまうのは自分のストレスにもつながりますよ。
円満に退職するには引継ぎや退職の手続きをしっかりおこなうことが大切です。引継ぎは口頭で済ませるだけでなく、書類も残しておきましょう。書類があれば、後任の人も円滑に仕事を進めることができますよ。
本田 百合香
もし人間関係の悩みの原因が上司にあって退職することを言いにくいのなら、人事部を通して退職する方法もあります。
転職後も人間関係で悩まないためにできる3つのこと
人間関係はどこの会社にも付きまとう問題です。せっかく新しい環境を手に入れたのなら、同じような悩みを繰り返したくはありませんよね。
そこで、ここからは転職後に人間関係で悩まないためにできる3つのことを解説していきます。過去の自分と決別し、人間関係で悩まない生活を送るためにもしっかりとチェックしていきましょう。
①自分から積極的にコミュニケーションを取る
新しい職場に入ったとき、新しい環境になじめるかどうか不安ですよね。そんなときこそ、自分から積極的にコミュニケーションを取っていくことが大切になります。
相手もあなたがどんな人なのかわからずに、コミュニケーションが取れないだけのケースもあります。自分から会社のメンバーと関係を深めるきっかけを作っていくことで、自然と良好な関係を築いていけますよ。
- 自分からあいさつをする
- 同僚をランチに誘ってみる
- 小さなことでもいいので質問する
松下 建都
人間関係は双方のコミュニケーションで成り立っています。声をかけられるのを待つだけでなく、自分からも話しかけることを意識してみてくださいね。
②周囲の人がどんな人なのか自分から歩み寄って理解を深める
人間関係で悩んでしまう理由の一つとして、周りの人の人間性を把握しきれていないということが挙げられます。たとえば、怖い印象を持っていた人でも、実際に話してみると話がしやすかったというケースはよくあることです。
そこで、自分から歩み寄って、周りの人がどんな人なのかを理解するように努めていきましょう。すると、今まではわからなかった相手の人間性が見えてきて、人間関係が改善される場合があります。
米田 有希
「相手のことを知らない」というだけでも、人間関係は悪くなってしまうものです。自分から相手への理解を深めて、自分から居心地の良い空間を作り出していきましょう。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
実は、人間関係は意外な理由でこじれることもあれば、簡単な理由で修復や関係改善につながることもありえます。
たとえば、自分から少し歩み寄ってみるだけで相手の態度が変わり、関係を修復できることもあります。だからこそ、人間関係の悩みを解消するには、まずは自分を変えてみることが大切です。自分から行動を起こすことで、すんなりとあなたの悩みが解決するかもしれません。
自分から行動を起こすのは最初は大変だと思います。今までやってこなかったことをやるわけなので、その気持ちはとてもよくわかります。ただ、その壁を乗り越えた先に、問題の解決が待っていると考えれば、行動にも移しやすくなるのではないでしょうか。
「コミュニケーションの練習だ」そのくらいの気持ちで自分から歩み寄って理解を深めることを実践してみてくださいね。
③前職のことを持ち出さず転職先のカルチャーを尊重する
- 会社ごとに文化やルールは変わってくる
- 前職のことは忘れてまずは適応する気持ちを持つのが大事
前職には前職の、転職先には転職先の文化や雰囲気というものがあります。そこを理解せずに「前職ではこうでした」と頻繁に話してしまうと、すれ違いが起こってしまい、人間関係がうまくいかない可能性が出てきますよ。
転職したのなら、まずは転職先のカルチャーやルールを尊重し、過去の経験は持ち出さないようにしましょう。新たな環境に適応することも人間関係を円滑に築いていくことにつながります。
松下 建都
始めは慣れていないだけで、月日を重ねれば新しい文化や雰囲気にも慣れていきます。そうすれば、周囲との信頼関係も築けて、居心地の良い環境を作り出すことができますよ。
一人で抱え込まないことが大切! 職場の人間関係に悩んでいるときに頼れる相談先
人間関係で仕事を辞めたいというのは大きな悩みだからこそ、一人で抱え込んでしまうと、さらに不安が大きくなってしまいます。誰かに相談してアドバイスをもらったり、共感してもらうことで少しでも気持ちが楽になりますよ。
ここからは、職場の人間関係に悩んでいるときに頼れる相談先について解説していきます。心の支えとなる相談相手を一緒に見つけていきましょう。
①家族や友人
- 身近な相手なので相談しやすい
- あなたのことをわかっているからこそ悩みに共感してくれる
まずは、最も身近な家族や友人に相談するのがおすすめです。相談するハードルも高くないので、気軽に話をできるのが良い点ですね。
あなたのことをよく知っている身近な人たちなので、仕事を辞めたいという相談に対して、親身に寄り添ってアドバイスをしてくれるはずです。また、具体的なアドバイスはもらえずとも、話をするだけで気持ちが軽くなる場合もあります。
米田 有希
本音を吐き出すという行動が、自分の気持ちを楽にしてくれることもあるのです。一人で抱え込むくらいなら、まずは家族や友人に相談してみてくださいね。
②公的な相談窓口
- 身近な人に相談しづらいときに利用できる
- 悩んでいる現状から抜け出すためのアドバイスをくれる
「身近な人には相談しづらい」「もっと具体的なアドバイスがほしい」そんなときは、公的な相談窓口に相談してみてもいいでしょう。
あなたの現状に寄り添ってくれたうえで、どうすればその現状から抜け出せるのかを一緒に考えてくれますよ。以下の窓口は公的機関が運営しているので、ぜひ相談してみてください。
松下 建都
相談に乗ってくれるカウンセラーは、これまでに何人もの悩みを抱えた人の相談に乗っているプロの人たちです。今のあなたの現状を打ち明けて、解決に向けたアドバイスをもらいましょう。
③信頼できる上司
- 悩みを解決するために行動してくれる
- 会社全体で解決に向けて動いてくれる場合もある
職場内のことは会社の人に相談することで、より良い方向へと向かう場合もあります。そのため、会社内の信頼できる上司に相談してみるのもおすすめの方法です。
あなたがいる環境を知っているからこそ、具体的な解決策やアドバイスが期待できますよ。また、上司を通じて会社全体の問題として捉えてもらえる場合もあります。人間関係の問題は繊細だからこそ、会社全体で解決策を模索してくれるケースもあるかもしれません。
松下 建都
一点注意したいのは、会社の人にやみくもに相談してしまうこと。信頼できる人以外に相談してしまうと、大きな問題だと認識してもらえない可能性もあるので、相談する相手は慎重に選ぶようにしてくださいね。
④会社の人事部
- 上司に相談しにくい内容を相談できる
- 会社としても問題解決に動いてくれる
米田 有希
会社の上司に相談しにくい、もしくは相談したけど何も変わらなかったという場合には、人事部に相談するのも一つの手です。
人事部は、会社の中でもハラスメントや職場環境に関する業務を担当している部署なので、解決に向けて動いてくれる可能性が高いですよ。特に上司との関係がうまくいっていないケースでは、人事部に相談するのがいいでしょう。
相談する際は自分の一方的な主張だけでなく、客観的な事実やエピソードなどを具体的に伝えるのが大切です。自分がどんな被害を受けているのかをしっかりと伝えることで、会社としての問題だと認識してもらい、解決に向けて動いてもらいやすくなります。
仕事を辞めることがベストな選択なのか冷静に判断して自分の進む道を定めよう!
ここまで、仕事を辞める前に確認したいチェック項目や仕事を辞めたいときに取れる選択肢、人間関係で悩まない転職をかなえるためのステップを解説してきました。
人間関係が原因で仕事を辞めたいと思ったとき、まずは一度冷静な気持ちになりましょう。そして、今の自分にとってどんな選択がベストなのか考えてみてください。原因を見つめてみると、自分の進むべき方向性が見えてきますよ。
この記事で解説した内容を参考に仕事を辞めた方がいいのか、転職した方がいいのか、それを一緒に考えて、最善の道へと進んでいきましょう。
これらのデータは実際の退職理由についての調査なので、まだ辞めてはいないものの人間関係に悩み退職を検討している人は、実際は世の中にはもっとたくさんいると考えられますよね。人間関係に悩んでいるのは決してあなただけではないのです。