目次
- 独自の強みを活かす! 既卒でも就職活動を成功させる方法を理解しよう
- まずは基礎知識を身につけよう! 既卒の定義とは?
- 卒業後に就職をしていない「既卒」
- 新卒との違い
- 第二新卒との違い
- 就活前に要確認! 既卒の就職実態を把握しよう
- 既卒の内定率は決して高いわけではない
- 既卒であっても多くの企業が新卒として扱っている
- 既卒者を募集している企業かどうかは判別しにくい
- 既卒として就職するなら押さえておきたい2つの事実
- 「就職できなかった」というマイナスな印象を抱かれやすい
- 仕事への熱意が低いと思われやすい
- 既卒での就活成功のカギは「既卒者ならではの悩み」の克服!
- ①既卒者としてどう就活を進めれば良いかわからない
- ②同じ境遇の仲間がいないため孤独を感じやすい
- ③既卒である理由をはっきりと説明することができない
- ④周りと自分を比較して劣等感を感じやすい
- 既卒者の3つのアピールポイントを押さえて就活を有利に進めよう!
- ①あきらめずにチャレンジできるタフさ
- ②新卒よりも豊富な就活経験
- ③入社時期に制限がない
- 既卒でも就職に成功している人はいる! 内定者の3つの特徴を押さえよう
- ①既卒になった原因・理由を分析できている
- ②根気強く就活の準備をしている
- ③意地にならず周囲を頼ることができる
- 確認必須! 既卒の就活を成功に導く5つのポイント
- ①企業研究を念入りにおこなう
- ②アピールポイントを整理する
- ③就活はなるべく早く始める
- ④スキルや資格を取得し強みを持つ
- ⑤就職エージェントに相談して進める
- 内定までのロードマップ! 既卒者の就活の進め方4ステップ
- ①就活のスケジュールを決める
- ②自己分析をしっかりとおこなう
- ③採用情報を幅広く収集する
- ④選考対策を念入りにおこなう
- 4つの例文で徹底解説! 既卒が面接で聞かれやすい質問と回答法
- ①なぜ既卒になったのか
- ②空白期間に何をしていたのか
- ③なぜこのタイミングで就活しようと思ったのか
- ④在学中に力を入れた活動は何か
- 既卒で中途採用枠に応募する際は職務経歴書を忘れずに書こう!
- 既卒ならではの就職が有利になるコツを押さえて選考に臨もう!
独自の強みを活かす! 既卒でも就職活動を成功させる方法を理解しよう
既卒として就活をする人から、よくこんな相談をもらいます。「新卒と比べて難しそう」「既卒ではなかなか就職先が決まらなさそう」といったネガティブなイメージから、就活に不安な気持ちを抱えている既卒者はとても多いです。
既卒としての就職活動には厳しい局面があるのも事実。ただ、しっかりと対策をすれば決して不可能ではありません。難しいことはあっても、希望のキャリアをつかむことはできますよ。
この記事では、キャリアアドバイザーのアドバイスを交え、既卒の定義から就職実態、さらには既卒の就職を成功に導く方法や対策の進め方などを詳しく解説します。内定を勝ち取るためにも、これから解説する内容をもとに既卒ならではの就活のコツを理解して、着実に対策を進めていきましょう。
まずは基礎知識を身につけよう! 既卒の定義とは?
就活では、既卒、新卒、第二新卒と似ている言葉が使用されていますね。あなたは意味を間違えてとらえてはいないでしょうか?
既卒から就職を目指すために的確な対策をするには、まず自分の立ち位置をしっかりと把握することが大切。まずは既卒の定義やほかの言葉との違いから理解していきましょう。
卒業後に就職をしていない「既卒」
既卒にはいつまでを既卒と呼ぶのかという明確な基準がなく、「卒業後就職しておらず一度も正社員として働いた経験がない人」を指します。ただし、卒業後3年までと期限を設定している企業が多いようです。
米田 有希
- 明確な基準はないが、学校を卒業後就職しておらず、一度も正社員として働いた経験がない人を指す。一般的には卒業後3年以内を既卒として扱う場合が多い
既卒についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。併せて参考にしてみてくださいね。
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新卒との違い
新卒とは、「新規学卒者」の略称で、一般的には「今年度中に学校を卒業する見込みで、卒業後就職予定の学生」を指します。ただ、入社後の職場内でも「今年度中に学校を卒業し新しく入社した人」を新卒と呼んでいる人も多いですね。
2010年の「青少年雇用機会確保指針」の改正で、卒業後3年以内なら既卒でも新卒枠で応募ができるようにと厚生労働省から各企業への呼びかけがありました。そのため、既卒であっても3年以内なら新卒として扱う企業も多くあります。
本田 百合香
既卒を新卒枠で採用するかは企業の自由であるため、すべての企業で新卒枠として応募できるとは限らないことは念頭においておきましょう。
- 一般的には「今年度中に学校を卒業する見込みで、卒業後就職予定の学生」を指す。在学生だけでなく、入社後の職場内でも「今年度中に学校を卒業し新しく入社した人」を新卒と呼ぶこともある
第二新卒との違い
一般的に第二新卒とは「学校を卒業後、企業に入社してから1〜3年で退職をしたり、転職を考えている人」を指します。
松下 建都
短い期間であっても正社員としての社会人経験がある人は第二新卒、正社員として働いた経験がない人は既卒である、という明確な違いがあるわけです。
- 明確な期間などの決まりはないものの、一般的には「学校を卒業後、企業に入社してから1〜3年で退職をしたり、転職を考えている人」を指す
第二新卒についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。併せて参考にしてみてくださいね。
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就活前に要確認! 既卒の就職実態を把握しよう
既卒は新卒や第二新卒とはまた違った見られ方をします。だからこそ既卒として就活を成功させるためには、就活市場での既卒の立ち位置や就職実態を正しく理解することが大切。一つずつ解説していくので、ここでしっかり確認しておきましょう。
既卒の内定率は決して高いわけではない
既卒者の就職活動状況についての調査結果をまとめた「2023年度 既卒者の就職活動に関する調査」によれば、2023年9月時点の既卒の内定率は34.8%です。対して2024年度の新卒の内定率は厚生労働省が発表している「令和4年度大学等卒業予定者の就職内定状況」によると90.9%と発表されています。
統計元が違うため必ずしも一致しているわけではないものの、参考値としてみれば、既卒の内定率は新卒に比べれば高くはないといえます。
米田 有希
裏を返せば既卒者の約4割は内定を勝ち取ることができているのも事実。しっかりと準備を進めていけば、既卒であっても就職できるのです。
既卒であっても多くの企業が新卒として扱っている
既卒の就職実態の一つとして、既卒であっても多くの企業が新卒として扱っていることも重要なポイントです。前述したとおり、2010年に厚生労働省は企業へ卒業後3年以内の既卒者は新卒として扱うよう周知をしています。
厚生労働省による若年者の雇用に関する報告をまとめた「今後の若年者雇用に関する研究会報告書案」によると、実際に既卒を新卒枠で採用可能とした企業は2019年時点では約70%にまでのぼっています。
本田 百合香
新卒に比べると就活のハードルは高いものの、既卒の応募を受け入れている中小企業や優良企業などはたくさんあります。既卒だからと諦めるのではなく、対策を徹底して内定を目指しましょう。
既卒者を募集している企業かどうかは判別しにくい
既卒の就職実態としては、既卒者を募集している企業かどうかは判別しにくいというのも挙げられます。新卒サイトや中途サイトの募集要項に「既卒可」といった記載があれば、一目でわかりますが、何も書いていない場合は、自分で企業に問い合わせをおこなう必要があります。
そのため、既卒は新卒とは異なり、そもそもどの企業であれば応募できるのか判断するのが難しいといえます。採用サイトをしっかりとチェックしたり、さまざまな企業を広く調べることが内定獲得に近づく道であると覚えておいてくださいね。
- 募集要項に「既卒可」などの記載がある
- 企業に直接問い合わせる
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
興味がある企業の募集要項に「既卒可」の記載がない場合でも、まずは問い合わせすることをおすすめします。積極的に既卒を募集していなくても、応募可能な場合があります。
応募しなければ何もはじまりません。諦めてしまう前に、勇気を持って自分から、気になる企業にアプローチしてみましょう。
企業への問い合わせが、仕事への熱意をアピールすることにつながるかもしれません。特に業績好調な企業では人手が足りていない場合が多く、これまで既卒の採用をしてこなかった企業でも、既卒へ門戸を開いてくれる場合があります。諦めない気持ちでチャンスをつかみましょう。
既卒として就職するなら押さえておきたい2つの事実
- 「就職できなかった」というマイナスな印象を抱かれやすい
- 仕事への熱意が低いと思われやすい
既卒での就活を進めるためにも、なぜ既卒が就職に不利と言われるのか、客観的に見た立ち位置を把握しておく必要があります。具体的な状況がわかれば、「ではどんな行動を起こすべきか」ということが明確になるので、ここで理由をしっかりと把握していきましょう。
「就職できなかった」というマイナスな印象を抱かれやすい
既卒が就職に不利と言われる理由の1つは、「就職できなかった」というマイナスな印象を抱かれやすいからです。新卒で特定の企業に就職をしなかった既卒に対しては、「働く意欲や社会性が低いのかもしれない」などネガティブなイメージを抱いてしまう人も0ではないのです。
そのため、なぜ既卒者として就活をしているのかを、採用担当者の誰が聞いても納得できるように伝えられるようにすることが重要であるといえます。
既卒になった理由が明確であれば問題のないケースも
松下 建都
「就職できなかった」とマイナスなイメージを持たれやすい既卒ですが、既卒になった理由が明確であれば問題のないケースもあります。
たとえば、どうしても就職したい企業や仕事のために、既卒という不利な立場になることを覚悟したうえで就活をしているのであれば、採用担当者は、仕事に対する意気込みや情熱などをむしろ好印象に感じることもあります。
また、業績悪化などが影響して内定取り消しになってしまいやむを得ず既卒になってしまった人など、努力をしていたけれど、明らかにどうしようもなかった場合であれば、採用担当者も理解を示してくれるはずです。
- 就職先に妥協せず既卒を選んだことで熱意を評価してもらえたとき
- 業績悪化によって内定取り消しになってしまったとき
仕事への熱意が低いと思われやすい
- 既卒になった理由
- 既卒になった事実を踏まえた今後の行動指針
既卒が就職に不利と言われる理由は「仕事への熱意が低いと思われやすいから」というのも考えられます。日本は一括採用が一般的であるため、同世代が就活に勤しんでいる間に就活をしなかったことや、新卒で就職先を決めなかったことに対して、「働くことへの意欲が低いのでは」と思われてしまう可能性があるのです。
だからこそ、採用担当者の抱えている懸念点を払拭できるように、既卒になった理由や反省点を明確に伝えられるように準備をしておきましょう。
米田 有希
企業としても納得のできる理由を伝えることができたら、熱意が低いかもしれないという懸念は解消できます!
既卒での就活成功のカギは「既卒者ならではの悩み」の克服!
新卒と違い卒業した後に就活をおこなう既卒者は、募集している企業の少なさに焦りや不安を感じてしまったり、どのように就活を進めて良いかわからず行き詰まってしまうといったケースが多いです。
しかし、あらかじめ悩みを把握して対策を考えておけばそういった不安要素を排除し、自信をもって就活を進められるようになります。これから解説する対策方法を確認し、ぜひ取り入れてみてくださいね。
①既卒者としてどう就活を進めれば良いかわからない
- 既卒を募集している企業の見つけ方
- 就活を進めるペース
既卒者が抱きやすい悩みの一つには、どう就活を進めれば良いかわからないというものが挙げられます。既卒を募集している企業の見つけ方や、就活を進めるペースなど、既卒としての就活の進め方に戸惑うケースはとても多いのです。
新卒のときのように卒業までに就職するという目安もないため、既卒の就活は自分で期限を決めて動く必要があります。そのためにも、後半で解説をする既卒の就活を成功に導く5つの方法や既卒者の就活の進め方4ステップを参考に就活を進めることがおすすめです。
②同じ境遇の仲間がいないため孤独を感じやすい
一緒に就活を進められる仲間がいないため孤独を感じやすいことも、既卒者が抱きやすい悩みとして挙げられます。
本田 百合香
既卒の就活は新卒とは異なり、1人で進めなければなりません。自分の就活の方法は正しいのか、ペースは早いのか遅いのかなど、気楽に相談できる人がおらず孤独を感じる場面が多くなるのです。
孤独を感じながらの就活はモチベーションも保ちづらいので、相談できる相手を見つけておくことが大切です。就職エージェントなどは既卒の就活もサポートしてくれることが多いので、一度相談してみることをおすすめします。
③既卒である理由をはっきりと説明することができない
- 素直に事実を伝える
- 新卒の就活における失敗を克服するための努力をしたことをアピールする
既卒者が抱きやすい悩みには、既卒になった理由をはっきりと説明することができないというものも挙げられます。
明確な理由や目的があって既卒として就活をしている人であれば説明にも困りませんが、なんとなく就活をしなかった人や、そもそも就活をしたくなかったと、明確な理由がないまま既卒として就活をしている場合は、「聞かれたらどうしよう」と悩むことになるでしょう。
そんなときは、無理矢理考えた理由よりも素直に事実を伝えることがおすすめです。そのうえで、新卒の就活における失敗をどのように克服してきたのか、努力をしたポイントは何かなどを誠実にアピールすることでマイナスな印象になることは避けられますよ。
④周りと自分を比較して劣等感を感じやすい
既卒者が抱きやすい悩みとして、劣等感を感じやすいということも押さえておく必要があります。新卒として就職している友達と自分の状況を比べてしまい、自分を責めてしまう人は多いです。
早く働いている方が偉いということは決してありません。他人と比べて自分の状況をとらえるのではなく、自分はどうなりたいのかということをしっかりと考え、前を向いて就活を進めていくことが重要であると覚えておいてくださいね。
松下 建都
既卒である自分に対して劣等感を持ってしまうと、自信がなくなりモチベーションも保てず、対策なども思うように進まなくなってしまいますよ。
既卒者の3つのアピールポイントを押さえて就活を有利に進めよう!
既卒としての就活は新卒の就活とはさまざまな違いがあると解説しましたが、アピールポイントにもいくつか違いがあります。新卒とは環境も立場も違うからこそ、既卒なりのアピールポイントを把握しておくことは欠かせない選考対策といえるでしょう。
ここからは既卒だからこそのアピールポイントを3つ解説していくので、ぜひ参考にしてくださいね。
①あきらめずにチャレンジできるタフさ
米田 有希
新卒では就活をしなかったものの、あきらめず既卒としてあらためて就活をスタートさせられたことは、それ自体が1つのアピールポイントになります。
仕事では大なり小なり失敗や挫折を乗り越える必要があるからこそ、あきらめずにチャレンジできるタフさは企業としても好印象です。「たとえ困難な場面に直面しても、決してあきらめず粘り強く取り組みます」など、自分のタフさを仕事でも活かせることをアピールすると良いでしょう。
②新卒よりも豊富な就活経験
本田 百合香
既卒ではあるものの、新卒の頃には就活をしていた場合、通常の新卒就活生よりも就活経験が豊富な点は1つのアドバンテージといえるでしょう。
たとえば「新卒のときを含め、さまざまな企業を見てきたうえで志望企業にエントリーした」というのは、高い入社意欲のアピールにつながります。企業としても意欲的に働いてくれるだろうと感じられる、入社意欲の高い人材には良いイメージを抱きやすいので、これも既卒なりのアピールポイントといえますね。
③入社時期に制限がない
既卒のアピールポイントとしては、柔軟に入社時期を調整できるというものも挙げられます。新卒の場合は卒業後の4月入社と決まっていることがほとんどですが、既卒者は新卒のように卒業を待つ必要がないため、企業がもとめる時期に入社することが可能です。
企業によっては人材が不足している現状から、早く入社できる人を探している場合もあり、既卒にとってはそうした状況はよりチャンスであるといえます。いつでも入社可能だというメリットを活かし、柔軟にスケジュールを調整できることがアピールできれば、好印象につなげやすいでしょう。
松下 建都
既卒者は就業していないため、第二新卒とは異なり前職の退職手続きなどの手間がなく、入社がスムーズである利点もありますね。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
入社時期に制限がないことを面接でアピールするために、いつから働くことが可能か即答できる様にしておきましょう。
現在アルバイトをしている場合、退職手続きにかかる日数を確認しておくと安心です。雇用期間を定めないアルバイトであっても、退職は〇〇日以上前までに申し出ること、 等の雇用契約を結んでいる場合があります。
仮に日数の定めがない場合でも、あなたが辞めることで、新規にアルバイトを募集しなくてはいけないなど、辞めるまでに日数を要するかもしれません。あらかじめスケジュールを確認しておきましょう。
既卒でも就職に成功している人はいる! 内定者の3つの特徴を押さえよう
既卒者の就職に対する壁は高く、不安になったり、あきらめかけてしまったりすることもあると思います。しかし、実際に就活に成功している人はたくさんいます。
ここからは、そうした既卒であっても就活に成功できる人の特徴から、対策で取り入れておきたいポイントについて解説していきます。少しでも内定に近づくためにも、ここでしっかりチェックしておきましょう。
①既卒になった原因・理由を分析できている
「既卒になった原因や理由をしっかりと分析できている」というものがまず就活を成功させられる人の特徴として挙げられます。
既卒は採用担当者から既卒になった理由や経緯の説明を必ずもとめられるので、そこで納得感をもたせて答えることができれば、既卒ということが必要以上にマイナスにとらえられてしまうことを避けられるのです。
米田 有希
既卒になった原因や理由の説明は人によっては難しく感じるかもしれませんが、嘘をついたり誤魔化したりすることは避け、正直にかつ前向きに回答することを心掛けましょう。
②根気強く就活の準備をしている
本田 百合香
既卒でも就活に成功している人の特徴は、根気強く就活の準備をしているということです。
「新卒で上手くいかなかったからあきらめよう」「やる気が出たら就活を始めよう」と就活の準備を怠らず、目標に向かって根気強く努力を続ける姿勢は、企業に対してのアピールになります。
また、就活の準備というのは数日で終わるようなものでもありません。自己分析、企業研究、既卒になった理由の言語化、自己PR作成……。さまざまな準備が必要だからこそ、コツコツと根気強く進めることができる人は、それだけで内定に一歩ずつ近づいていきます。
既卒になってしまった事実を認めて、就活の準備を黙々とおこない、どれだけ積極的に行動できるのかが既卒の就活において重要なのです。
③意地にならず周囲を頼ることができる
松下 建都
既卒でも就活に成功している人は、 意地にならず周囲を頼ることができるという特徴を持っています。
既卒の就活は新卒とは異なり、同じ境遇の仲間が周囲におらず孤独を感じやすいものです。そのため、誰か相談できる人を見つけることはとても大切ですよ。
周囲の信頼できる友人や就職エージェントなどには積極的に頼っていきましょう。自分の力だけでなんとかすると意地を張って就活を進めるよりも、些細なことでも相談したり、客観的なアドバイスをもらったりしながら就活をおこなう方が良い結果につながりやすいのです。
- 信頼できる友人
- 大学のキャリアセンター
- OB・OG
- 就職エージェント
確認必須! 既卒の就活を成功に導く5つのポイント
既卒は新卒と同じような就活の仕方ではなく、既卒だからこそ念入りな就活への工夫や対策が必要になります。
既卒は新卒よりも厳しい就活になるのは間違いありませんが、一つずつ着実に進めていけば、内定を獲得するチャンスは必ずあります。既卒の就活を成功に導く5つの方法をそれぞれ解説していくので、ぜひ就活対策に取り入れてくださいね。
①企業研究を念入りにおこなう
既卒の就活を成功に導く方法としては、企業研究を念入りにおこなうことがまず挙げられます。企業研究とは、自分に合っている企業なのか見極めるために、情報を収集し、企業理解を深める作業です。
企業研究ができていないとその企業に適したアピールポイントを見極めることもできませんし、もし入社できたとしても、入社後にミスマッチが生じてしまい早期離職につながる可能性があります。
以下の項目を中心に、まずはその企業が自分のもとめている環境なのか、納得して働くことのできる企業なのか、しっかりと見極めていきましょう。
- 事業内容
- 企業理念や経営者の考え方
- 同業界や他社と比較した強みと弱み
- 人事・休暇・福利厚生などの制度面
- 将来性
- 社風
②アピールポイントを整理する
既卒として就活を進めていくうえでは、自己分析でアピールポイントを整理することも重要です。新卒のときに自分のアピールポイントを明確にできていたとしても、既卒になった今の自分を見つめ直して改めて考えてみましょう。
経歴上では空白期間となってしまう既卒だからこそ、これまでの経歴よりも内面を重視した採用がしたいと考えている企業も少なくありません。冷静に内面を見つめ、どういった点が自分の強みなのかをあらためて整理することが既卒としての就活を成功させるカギですよ。
- 就職をあきらめない根気強さ
- 目標を明らかにする課題発見力
- 周囲の人が話しやすい雰囲気作りができるコミュニケーション能力
③就活はなるべく早く始める
- 目標を意識したスムーズな就活がしやすくなる
- 若手としてのポテンシャルをアピールできる
大切なのは、限られた時間を有効活用すること。特に既卒の場合は、新卒のように卒業までに就職先を見つけるという大きな目安がないため、自分で目標を定めて動き出さないとあっという間に時間が過ぎてしまいます。期限を決めて本気で就活に取り組む覚悟がもとめられるわけです。
既卒であっても卒業して3年以内は新卒として扱われますが、社会人未経験者を採用するのであれば年齢が若い方が優先される場合も多いです。新卒やほかのライバルたちに負けないためにも、1日でも早く主体的に行動し、可能性を広げることが大切ですよ。
既卒として2年目を迎えた人にフォーカスした就活法をこちらの記事で詳しく解説しています。併せて参考にしてみてくださいね。
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既卒2年目は企業の懸念払拭がカギ! 回答例文付きで徹底攻略しよう
既卒2年目で就活をするうえで押さえておきたい基礎知識や、頻出質問に対する回答例などを、キャリアアドバイザーの解説を踏まえながらわかりやすく解説します。求人の探し方から独自の就活対策法もチェックできる、既卒2年目の人は必見の内容です。
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キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
企業に応募する際には、エントリーシートや履歴書の提出を求められます。それらには「学歴」として、学校を入学・卒業した年月日を記載します。
最終学歴以降、何の記載もないまま、既卒として面接を受けるまで期間が空いてしまうと、その間何をしていたのか、事情の説明を求められることになります。
履歴書の経歴にある空白期間を見て、企業から「計画性のない人物なのでは?」とネガティブなイメージを持たれてしまう可能性も。空白期間が長くなればなるほど、就活において不利となりやすい傾向にあるのです。
既卒の就活は自分で具体的なスケジュールを組んで行動しなければ、ずるずると長期化してしまう可能性があります。いつまでに入社するという目標を持って活動しましょう。
④スキルや資格を取得し強みを持つ
- 専門知識やスキルを備えた即戦力としてアピールできる
- 資格を取得するほど仕事への意欲が高いというアピールにもなる
既卒の就活を成功に導く方法の一つとして、スキルや資格を取得し強みを持つことが挙げられます。
社会人経験がない既卒は、新卒と同じく入社後の活躍や将来性を見込まれて採用されるケースがほとんどですが、仕事で活用できる資格を取得することで、新卒に一歩差をつけることが可能です。
どのような仕事がしたいのか決まっている人は、仕事に関連する資格取得を目指してみましょう。ただし、難易度の高い資格を取得することで時間がかかってしまい就活をする時間の捻出ができなくならないようにすることが大切です。
⑤就職エージェントに相談して進める
- 既卒就活の進め方がわかる
- 既卒を募集している企業を紹介してくれる
- 応募書類の添削、面接対策など選考対策をしてくれる
- 就活の進捗に関してのアドバイスをくれる
- 既卒になった理由の答え方を考えてくれる
- 悩みの相談ができる
既卒として就活を進めていくうえでは就職エージェントに相談して進めることも大切です。
就職エージェントは、企業と求職者のマッチングをおこなうサービスです。専任のキャリアアドバイザーに現状や就きたい仕事などを相談すると、希望に合った仕事や自分では見つけにくい優良企業を紹介してくれます。
米田 有希
就活における悩みや問題などもスムーズに解決することができるため、ぜひ一度相談してみてくださいね。
内定までのロードマップ! 既卒者の就活の進め方4ステップ
既卒の就活の進め方は、①就活のスケジュールを決める②自己分析をしっかりとおこなう③幅広く情報を収集して企業研究をおこなう④選考対策を念入りにおこなうことを基本に考えると進めやすいですよ。
この流れを内定までのロードマップとして一つずつ解説していくので、ここでしっかり確認しておきましょう。
①就活のスケジュールを決める
既卒としての就活の第一歩は、就活のスケジュールを決めることです。既卒の就活は新卒とスケジュールが異なることが多く、既卒向けの求人を通年募集している企業もあれば、新卒採用が終わってから既卒の採用にシフトする企業もあります。
そのため、希望する企業の採用スケジュールを把握して、どのように進めるのか全体像を決めてから自分がすべきことを明確にすることが重要です。
- 10月には転職する!
- 9月には内定を獲得したい!
- 8月までに10社エントリーする!
②自己分析をしっかりとおこなう
- 卒業後の経験による成長や気づき
- 既卒になった理由
既卒就活の進め方としては、自己分析をしっかりとおこなうことも大切です。自己分析を怠ると自分を正しく理解できないため、採用担当者に強みや魅力を効果的にアピールできなくなります。
また、「なぜ既卒で就活をしているのか」ということはほぼ確実に聞かれるからこそ、新卒で就職をしなかった理由や、既卒として就活を再スタートした理由などを冷静に見つめ直しておく必要があり、既卒の就活は自己分析の重要性がより高まるわけです。
ここからは既卒の自己分析で特に重視すべきポイントを解説していくので参考にしてください。
卒業後の経験による成長や気づき
自己分析では、卒業後の経験による成長や気づきを洗い出してみましょう。資格取得の勉強、アルバイト、インターンなどを通して成長したことや自分にとっての気づきがあれば、アピール材料として活用できます。
本田 百合香
新卒のときに就活がうまくいかなかったとしても、卒業後に経験したことで成長や気づきを得られたことを伝えることができれば、「努力ができる」「成長意欲が高い」と高評価につながりますよ。
- パソコンのスキルを磨くためにMOSを取得した
- インターンで営業職に就き、社会人基礎力を磨いた
既卒になった理由
自己分析では、既卒になった理由を必ず深掘りしてください。採用担当者は、なぜ既卒として就活をしているのか理由を知りたいと考えます。ほぼ確実に聞かれることになるうえに回答次第では印象を大きく左右する重要な質問ですよ。
誤魔化したり、嘘をついたりするとかえって採用担当者の不信感を深めてしまうため、誠実な姿勢で回答することを心掛けてくださいね。
- 周囲が就活をおこなっているのにもかかわらず動き出せなかった→既卒の就活では新卒のときの反省点を活かして早めに行動している
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
既卒になった理由を考えることは、新卒時の自分の就活を冷静に振り返ることから始まります。過去の自分を思い出し、ここはこうした方がよかったかもと改善点を探し出すことは、既卒の就活を成功させる大切なポイントです。
一人で悩まずに誰かに相談した方がよかったのではなど、自分を主人公にした振り返りができれば、次はその反省を生かせるでしょう。
逆に自分は悪くない、周りが助けてくれなかったからだ。と他人のせいにしてしまうと、成長はそこで止まってしまいますし、面接でも無責任な印象になってしまうかもしれません。原因を冷静に分析し、自責的に受けとめて次に活かそうとする姿勢が肝心です。
③採用情報を幅広く収集する
- 新卒・既卒の就活サイト
- ハローワーク
- 企業HP
既卒として就活を進めるうえでは、幅広く採用情報を収集することも重要です。既卒の就活は新卒時に比べると応募できる企業数も少ない傾向にあり、また、そもそも応募可能かわかりにくい企業なども多くあります。
狭い視野で求人を探すのではなく、幅広い情報収集をして企業研究をおこなうことが結果として就活を成功させることにつながります。ここからは、既卒でも応募できる企業を探す方法を解説するので、ぜひ役立ててくださいね。
採用情報を幅広く収集するうえでは、日勤だけでなく夜勤の仕事も選択肢として見ておくのも良いでしょう。夜勤の仕事について詳しく知りたい場合はこちらの記事が参考になりますよ。
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夜勤の仕事は不規則な生活になりやすいからこそ、将来まで見据えた仕事選びが大切です。この記事では、専門家のアドバイスを交えつつ、夜勤の仕事のメリット・デメリットや向いている人・苦手に感じやすい人、おすすめの夜勤の仕事まで解説します。
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新卒・既卒の就活サイトを見る
- いつでもどこでもパソコンやスマホから求人を探せる
- 自己分析結果をふまえて条件を絞った検索ができる
既卒でも応募ができる企業を探すためには、新卒・既卒の就活サイトを見るのがおすすめです。就活サイトであれば、いつでもどこでもパソコンやスマートフォン(スマホ)などから、一覧で求人を確認することが可能です。
松下 建都
自己分析をおこなった結果を踏まえて、ある程度条件を絞ってから検索するのもおすすめです。限られた時間を効率良く活用するためにも、希望条件の中で企業を抽出する作業が重要であるといえます。
ハローワークで相談する
ハローワークで相談するのも、既卒でも応募ができる企業を探すうえでは効果的な手段です。既卒がハローワークを使用する場合は「新卒応援ハローワーク」を活用すると良いでしょう。
一般的なハローワークとは異なり既卒に特化している点がポイントであり、以下のようなサービスを無料で受けられます。
- 担当の就活支援ナビゲーターとの相談
- 全国のハローワークの求人検索
- 就職面接会や企業説明会への参加
- 自己分析やビジネスマナーなどの講座
- 臨床心理士などによる巡回相談
厚生労働省がハローワークについての情報をまとめた資料「公共職業安定所(ハローワーク)の主な取組と実績」によると、通常のハローワークは544カ所とたくさんありますが、新卒応援ハローワークは全国56カ所と少なめ。もし自分が住んでいる地域にあればぜひ活用してみてくださいね。
ハローワークについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。併せて参考にしてみてくださいね。
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仕事探しにハローワークを使ってみたいけど、利用のハードルが高く感じてしまう人もいますよね。この記事では、そんなあなたのためにハローワークでできることや上手な使い方、初めてハローワークに行くときに必要なものを専門家のアドバイスを交えて解説。私たちと一緒にハローワークについて学んでみましょう。
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企業HPを見る
既卒でも応募ができる企業を探すためには、企業HPを見て直接応募する方法も挙げられます。「既卒可」「社会人未経験者歓迎」「資格不問」などの記載があれば、既卒でも応募が可能です。
米田 有希
既卒での応募が可能でもそれを募集要項に記載していない場合もあります。気になる企業のHPに特に応募条件が書かれていないときは、問い合わせてみることをおすすめします。
- 既卒可
- 社会人未経験者歓迎
- 資格不問
- 経歴不問
- 学歴不問
④選考対策を念入りにおこなう
- SPI対策
- 面接での想定質問対策
選考対策を念入りにおこなうことも大切です。既卒の就活は新卒に比べて高い壁かもしれませんが、選考対策にかける時間をより多く割くことで、ほかのライバルに差をつけることができます。
ここからは、SPI対策と想定質問への練習の2つのポイントを掘り下げて解説していきます。自信を持って就活を進めていくためも、参考にしてください。
選考対策の前には書類選考もあります。既卒で職歴がない場合の職務経歴書の書き方についてはこちらで解説しているので、併せて確認してみてくださいね。
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アルバイト経験を書く場合はこちらの記事を参考にしてみてください。パターン別の記入例についても紹介していますよ。
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SPI対策
既卒が就活をするうえで、筆記試験はとても重要なポイントになります。面接とは違い、筆記試験は点数での評価となるため、新卒も既卒も立場は関係ありません。ここで得点を稼ぐことができれば、新卒との有利不利を覆すことも可能です。
そして、多くの企業が筆記試験に採用しているのがSPIです。SPIとは、言語(国語)と非言語(数学)の能力適性検査と、性格適性検査の2つで構成されています。
単に知識だけではなく、問題の解き方も重要になってくるため、SPI試験が選考にあるとわかった段階で、問題集を実際に解いて練習することがおすすめです。
- 「Synthetic Personality Inventory」の略でリクルートマネジメントソリューションズ社が開発した適性検査のこと。性格特性や基礎的な知的能力を測定する
面接での想定質問対策
既卒に対しての質問は、既卒ならではの独自の質問を受ける可能性が非常に高いので、想定される質問に対する準備と練習をしっかりとおこなう必要があります。
既卒になった理由、空白期間にどのようなことを考え行動したのか、就職しようと思った理由は何かなどを自分の言葉でしっかり伝えられるように事前に対策しておきましょう。
- なぜ既卒になったのか
- 空白の期間にはどのようなことをしていたのか
- なぜこのタイミングで就職しようと思ったのか
既卒の面接についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。併せて参考にしてみてくださいね。
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キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
既卒として就職を目指す場合、質問対策と合わせて模擬面接といった実践練習も大切です。魅力的な回答が用意できたとしても、緊張してうまく話せない状態では効果は発揮できません。
それに既卒期間があったのに、新卒と変わりないレベル感の回答しかできないと捉えられてしまえば、卒業後に何も成長していないと受け取られてしまうかもしれません。
そうならないために模擬面接でしっかり練習しておきましょう。落ち着いた自然な態度で面接に臨めるように、何度も模擬面接を繰り返して、面接の雰囲気に慣れることが大切です。特に敬語や尊敬語は普段使う機会も少なく、話しながら実践する練習が必要ですよ。
4つの例文で徹底解説! 既卒が面接で聞かれやすい質問と回答法
既卒としての就活を成功させるためには、既卒者が面接で聞かれやすい質問とその回答例を事前にチェックして対策しておくことが欠かせません。
ここからは面接で聞かれやすい質問とその回答例を解説していくので、「自社にマッチする」「貢献してくれる」などとプラスに印象付けられるよう準備をしていきましょう。
既卒の面接ではキャリアビジョンを聞かれることもあります。うまく答えられる自信がないときは、こちらの記事も併せて参考にしてみてください。
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①なぜ既卒になったのか
「なぜ既卒になったのか」はほぼ確実に聞かれることになると覚えておきましょう。回答のコツとしては、既卒という立場で就活をするうえで得た学びや成長についても触れることが大切です。
本田 百合香
「過去の自分を振り返り反省した」「既卒として就活をすることで新たな視点を得た」など、ただ理由を説明するだけに留まらない前向きな回答をすることで、ほかの就活生と差をつけることができますよ。
回答例
私は、新卒の就活の時期に自分のやりたいことを見つけられず、中途半端な行動をしてしまいどこからも内定をもらうことができませんでした。
当時を振り返り、自分の将来に対する考え方の甘さをとても反省しています。そのため、遅くなってしまいましたが、自分をしっかりと見つめ直す時間を設けました。その中で改めて自分の好きなこと、得意なこと、強み、弱みなどを把握し、何ができるのかを真剣に考えました。
既卒になった理由を整理した結果として、御社の営業職に興味を持ち、自分の強みを活かして貢献していきたいと思い志望いたしました。
松下 建都
既卒になった理由が明確に理解できますね。なぜ既卒になったのかという疑問もこれならしっかり解消できますし、これからどうしていくのかといった行動指針についても触れているので、全体的に納得感のある内容です。
②空白期間に何をしていたのか
既卒が面接で聞かれやすい質問の一つには、「空白期間に何をしていたのか」というのも挙げられます。既卒の場合は社会に出て働いていない空白期間が必ず存在していて、その期間をどのように過ごしていたのかは多くの企業が気になるポイントなのです。
就活の場であることを考えると、応募する企業に関連している取り組み、もしくは、仕事に活かせることを話すのが無難です。
たとえば、ただアルバイトをしていた場合でも「飲食店でのアルバイトを通して、コミュニケーションスキルや協調性を磨いていました」と良い印象につながるような一工夫をしてアピールすると良いでしょう。
米田 有希
本当に何もしていなかったのであれば正直に話しましょう。嘘をついてしまうと、採用担当者に深掘りをされたときに回答できなくなる可能性があります。嘘が見破られてしまえば、正直に話したとき以上に大きなマイナスになってしまいますよ。
回答例
私は就職していない期間に、飲食店のアルバイトを始めました。調理、接客、新人教育、シフトの管理など幅広い業務を任され、さまざまな経験を通して成長できたと感じています。
顧客に接する中で、コミュニケーションスキルや柔軟性を磨き、相手が考えていることやもとめていることを先取りして考えて行動できるようになりました。また、新人育成では、アルバイトを始めた当初を思い出し、疑問点や不安点を解消していけるように意識して接しました。
結果として、アルバイトリーダーに任命されるまでになりました。御社でもアルバイト経験で得たスキルを活かして貢献していきたいと考えています。
本田 百合香
空白期間に何をしていたのかというのは、企業としても気になるポイント。エピソードも含めてこれくらい具体的に伝えられたら企業の不安もしっかり解消できそうですね。
③なぜこのタイミングで就活しようと思ったのか
既卒が面接で聞かれやすい質問としては、「なぜこのタイミングで就活しようと思ったのか」というものも挙げられます。ここでのポイントは、就職したいと思ったきっかけや理由を、採用担当者に納得感を持ってもらえるようにアピールすることです。
卒業してからずっと就活をしていなかったにもかかわらず、何がきっかけで就活をしようと考えたのかは採用担当者も気になる点であり、特に既卒としての空白期間が長い人は質問される可能性が高いでしょう。
松下 建都
アルバイトではなく正社員として働きたいと考えたのがきっかけであれば、正社員のどういった点に魅力を感じたのかも具体的に伝えられると良いですよ。
回答例
私がこのタイミングで就活を始めようと考えたのは、将来に不安を感じたこと、もっと社会に貢献できる仕事がしたいと感じたからです。
新卒のときに、自分のやりたい仕事がわからず、結果就職をしないまま大学を卒業してしまいました。アルバイトで生計を立てながら、自分に向いている仕事は何かをずっと考えているうちに、あっという間に1年が過ぎてしまいました。
日々アルバイトをする中で、「このままでも良いかもしれない」と逃げ腰な自分がいたことは事実です。ただあるとき、新卒で就職した友人と話をする機会があり、責任のある仕事を任される中で着実に成長してスキルを身につけている姿を目の当たりにし、自分の不甲斐なさを反省しました。そういった背景もあり、今ではこれまでの遅れを挽回すべく全力で就活を進めています。
これからは心を入れ替えて少しでも早く差を埋められるように、努力していきたいです。
米田 有希
理由について正直に伝えつつ、自分なりに反省し、さっそく行動に移していることが伝わってくる回答内容ですね。意欲の高さもうかがえて、これならマイナスな印象になることもないでしょう。
④在学中に力を入れた活動は何か
既卒が面接で聞かれやすい質問には、「在学中に力を入れた活動は何か」というのも挙げられます。特に学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)を質問される場合が多いです。
採用担当者の質問の意図は、在学中の過ごし方を確認し、何に興味があるのか、どのような価値観を持っているのか、自社で活躍できるのかなどの人柄を把握する目的があります。
本田 百合香
新卒のときに上手に伝えられなかった人は、仕事に再現性がある内容を再考することが大切です。自分の魅力を伝え、活躍していける人材であることを存分にアピールしていきましょう。
回答例
私が在学中力を入れた活動は、オーストラリアへの1年間の語学留学です。留学エージェントは利用せず、学校やホームステイ先の選定、チケット手配、保険加入などすべて1人でおこないました。
日本でも英語のスキルを向上させる工夫として取り組んだのですが、何から何まで英語で最初は苦労しましたが、自分ですべてをおこなう中で責任感が強くなったと感じます。
無事に現地での生活が始まったときに、英語で会話をする抵抗感がまったくなく、スムーズに環境に慣れることができました。ホームステイ先での生活は最初は慣れない部分もあり、ホームシックになることもありましたが、「自分で決めたのだから絶対にやりきる」と強い覚悟を持って、日々英語習得に取り組みました。
こうした留学経験を通して、英語力だけでなく、自分で決めたことを最後までやり遂げる責任感も同時に身につけることができました。
松下 建都
在学中の取り組みとして留学経験を挙げた回答例ですね。具体的なエピソードから、何に取り組み、何を得られたのかが明確にわかります。企業としても「こんな経験があるのか」「責任感をもって仕事に取り組んでくれそう」と好印象に感じるでしょう。
既卒で中途採用枠に応募する際は職務経歴書を忘れずに書こう!
既卒は社会人経験がないため、職務経歴書の記載は不要だと考えている人が多いと思います。しかし、アルバイトやインターン経験がある既卒が中途採用枠に応募する際は、職務経歴書を忘れずに書いてアピールするようにしてください。
「ただのアルバイトで正式な職務がない」とネガティブにとらえるのではなく、ライバルに少しでも差をつけるためにも、アピールできる経験は積極的に伝えるという意識を持つようにしましょう。
- 前職での仕事の内容や実績、仕事を通じて培ってきた知識・スキルを採用担当者に伝えるための書類。正社員としての経歴が主だが、アルバイト経験を記載することもできる
既卒ならではの就職が有利になるコツを押さえて選考に臨もう!
既卒の定義と就職実態、 既卒の就活を成功に導く方法や進め方のステップなどを詳しく解説してきました。
既卒の就活は「新卒と比べて難しそう」「不利で上手くいかない」と不安を抱えている人は多いと思います。しかし、自分を信じて、焦らず一つひとつ着実に準備を進めていけば、内定は獲得できます。
ここまでの解説を参考に、既卒での就職が有利になるコツを押さえて選考に臨んでいきましょう。
学校を卒業後、正社員として働いていない人がこの既卒になるので、アルバイトやパートなどで生計を立てるフリーターや、資格取得を目指して勉強中などであっても既卒にあたります。