目次
- 転職の面接は聞かれることの一覧を把握して事前準備を徹底しよう!
- 新卒の就活と転職の面接で聞かれることはどう変わる?
- 新卒時に比べてより深掘りした難易度の高い質問がされやすい
- 即戦力になるかを測るため仕事での実績や経験などに関連する質問も多い
- 転職者だからこそ新しい環境になじめるかのチェックもされやすい
- 企業はどこで合否を判断している? 転職の面接で見られる4つのポイント
- ①仕事に対する熱意
- ②前職の経験やスキル
- ③転職を考えた経緯
- ④社会人としてのビジネスマナー
- 質問の回答例も紹介! 転職面接の基本的な流れと聞かれること一覧
- ①自己紹介:端的にまとめて伝えよう
- ②転職・退職理由:前向きな理由を答えよう
- ③志望動機:入社意欲をアピールしよう
- ④自己PR:企業に合う経験やスキルを伝えよう
- ⑤目標やキャリア:10年後を想像して答えよう
- ⑥逆質問:事前に準備して関心度合いをアピールしよう
- 転職の面接を突破するには自分の状況に合わせた質問対策が必要不可欠!
- 自分の現状に合わせた対策をしよう! 状況別の転職の面接で聞かれること
- 第二新卒や20代などの若手転職の質問例
- 未経験業界・職種への転職の質問例
- 経験を活かしたキャリアアップの転職の質問例
- フリーターなどの就業経験がない場合の質問例
- 転職だからこそ聞かれる踏み込んだ質問例! 回答対策も合わせてチェック
- 雇用環境や条件の質問
- 会社への理解度に関する質問
- 答えづらい内容の質問
- 転職の面接で好印象を残すには? 面接官を納得させる答え方のコツ3選
- ①結論から簡潔に話す
- ②ネガティブな内容はポジティブに変換する
- ③転職理由と志望動機に一貫性を持たせる
- 聞かれることがわかれば怖いものなし! 対策を徹底して転職の面接を突破しよう
転職の面接は聞かれることの一覧を把握して事前準備を徹底しよう!
こんにちは。キャリアアドバイザーの今井です。
転職の面接に向けて対策を進めようとしている人から、よくこんな相談をもらいます。
新卒のときに面接を経験しているとはいえ、転職の面接ではどんなことが聞かれるのだろうと不安に感じてしまう気持ちはよくわかります。
転職の面接では就業経験を積んでいるからこそ、新卒とは違った視点からの質問をたくさん受けます。そのため、新卒と同じような質問対策では、企業からの質問にうまく答えられず、転職が思い通りに進まないこともありますよ。新卒とは違った転職ならではの質問対策が必須になります。
この記事では、転職の面接で見られるポイントや転職面接の基本的な流れと聞かれることの一覧、面接官を納得させる答え方まで解説します。転職を成功させるためにも、この記事の内容を参考にして質問対策を進めていきましょう。
新卒の就活と転職の面接で聞かれることはどう変わる?
「転職の面接では新卒のときと聞かれることは変わるのかな?」面接の対策を進める中で、そう感じることもありますよね。実際、転職の面接では就業経験があるからこその質問も数多くされますよ。
そこで、ここからは新卒の就活と転職の面接で聞かれることの違いについて解説していきます。企業が転職者に対して、どのような点を懸念しているのかまで解説するので、面接の回答を作成する前にチェックしていきましょう。
新卒時に比べてより深掘りした難易度の高い質問がされやすい
- 転職ではポテンシャルよりも即戦力人材を求めているから
- 面接に向けてしっかりと対策しているか見極めるため
転職の面接では就業経験を積んでいるからこそ、新卒の面接よりも難易度の高い質問をされる傾向にあります。というのも、社会人経験を積んでいるからこそ、新卒よりも論理的な思考力や判断能力が備わっていると思われているからです。これらの能力は仕事を円滑に進めていくうえでも求められる重要なスキルです。
そのため、回答したことに対して「なぜそう思ったのですか?」「どうしてそのように判断したのですか?」など、一つひとつの質問を深掘りする質問をよくされます。そこで回答に詰まってしまうと、「あまり深く考えていないのかな」と思われてしまい、選考突破も難しくなってしまいます。
本田 百合香
即戦力になるかを測るため仕事での実績や経験などに関連する質問も多い
- 企業は実績や経験から入社後すぐに活躍してくれるかを見極めようとしている
- 面接を突破するには自分の就業経験の振り返りが欠かせない
これまでの仕事に関する経験は転職者が必ず聞かれる質問です。先ほど解説したように、企業が中途採用をおこなう目的は、即戦力となる人材の確保です。これまでの仕事で身に付けた実績や経験などから「入社後活躍できそうか」を判断します。
企業に自分の経験やスキルをアピールするためにも、これまでの仕事経験の棚卸しは欠かせませんよ。自分がアピールできる経験は何なのか、どんな実績を残してきたのかを振り返っておきましょう。
松下 建都
「この企業ならこの経験がアピールできそうだな」と、企業ごとに自分の強みをアピールしていけるような回答を作成することが、面接を突破するカギになってきます。
転職者だからこそ新しい環境になじめるかのチェックもされやすい
- 社風や仕事の進め方は会社によって違うので適応できるかどうか不安視されやすい
- 転職先が自分の性格や雰囲気に合っているかをチェックするのはとても大切
「この人は新しい環境にも適応できそうか」というのも、企業の懸念点の一つです。社風や仕事の進め方は会社ごとにまったく違うので、別の職場での就業経験があるからこそ適応できるかどうかを不安視してしまうのです。
たとえば、上下関係が厳しい年功序列の会社から風通しが良くなんでも意見を言える会社に入社する場合、かなりのギャップを感じてしまうかもしれませんよね。
こういった例だけに限らずとも、ギャップに耐えきれず会社を辞めてしまう人も一定数いるため、企業としては新しい環境になじめるかどうかを見極めたいと思っているのです。
米田 有希
新しい環境になじめるかどうかは、あなた自身にとっても重要な問題です。仕事を長く続けていくためにも、転職先の企業が自分の性格や雰囲気に合っているかどうかをチェックするのが大切ですよ。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
ここまで解説したように、新卒と転職とでは求められるスキルから選考での見られるポイントまで、大きく変わってきます。
新卒は熱意や企業への理解度など今後の期待を込めての採用が一般的です。まだどの企業の社風にも染まっていないため、会社の社風に一からなじんで企業文化を一緒に形成していってくれる人材を欲しています。
一方で転職の場合はどうでしょうか? まず見られるのはスキルや経験など突出した能力の部分です。そのうえで、コミュニケーション能力などの人柄面を見て、最終的な合否の判断をおこなう傾向にあります。
また、前職の経験を新しい環境でどう活かすかも見られるポイントです。自分を雇った場合のメリットをいかに伝えられるかが選考突破のカギになってきます。
企業はどこで合否を判断している? 転職の面接で見られる4つのポイント
面接で聞かれることを確認する前に、企業が面接の中でどんなポイントをチェックしているかを知ることが大切です。チェックポイントがわかれば、その視点を考慮した回答が作成できるので、より面接官に刺さる回答が作成できますよ。
ここからは、転職の面接で見られる4つのポイントについて解説していきます。回答を作る際は、ここで紹介するポイントを意識しながら作成してみてくださいね。
①仕事に対する熱意
- 仕事の熱意から仕事に対する本気度を知りたいから
- 第二新卒のような就業経験が少ない人材は熱意を見るしかないから
仕事に対する熱意は、仕事を経験している転職者だからこそ聞かれやすい質問です。熱意がないと仮に入社できたとしても、すぐに辞めてしまう可能性が高くなってしまうからです。熱意の大きさから仕事への本気度を測ろうとしているのです。
また、転職者の中でも第二新卒のような就業経験年数が少ない人材は、仕事での経験やスキルよりも入社後のポテンシャルを評価されやすい傾向にあります。仕事に関する経験が少ない分、熱意が評価の割合を大きく占めるわけですね。
本田 百合香
応募する企業や仕事内容のことを隅々まで調べたうえで、「この企業じゃなきゃダメなんだ」と伝わるような回答を準備していきましょう。
②前職の経験やスキル
- 経験やスキルからすぐに活躍できる人材かどうかを見極めたいから
- 仕事に対しての向き合い方から転職後も活躍できそうか見極めたいから
新卒の就活と転職の面接とで最も違ってくる点が、前職での経験や身に付けたスキルに関する質問です。企業としては、就業経験のない新卒はポテンシャルを評価して合否を判断していますが、転職の場合は違います。すぐにでも活躍してくれる即戦力の人材を求めているのです。
だからこそ、転職の面接では「前職でこんな経験を積んだからこそ転職先でも活躍できる」というアピールがとても重要です。
松下 建都
どんな仕事を経験してどのようなスキルを手に入れたのか、面接ではその点を深掘りして聞かれます。しっかりと答えられるように、自分のこれまでの経験を振り返っておきましょう。
③転職を考えた経緯
- また転職するのではないかという懸念を払拭するため
- 自社に合う人材かどうかを見極めるため
企業は転職者に対して「また転職して辞めてしまうのではないか」という懸念を抱きやすいです。その懸念を払拭しようと、転職を考えた経緯は詳しく聞かれますよ。自己分析ができておらず、なんとなくで転職活動をしている場合、深く突っ込まれて回答に詰まってしまう可能性もあります。
そうならないためにも、転職を考えた経緯はしっかりと答えられるように準備しておきましょう。ネガティブな理由にならないよう、できるだけポジティブな理由を用意しておくのが大切です。
米田 有希
たとえば「今の職場は環境が合わなかった」と答えた場合、「うちの会社に入っても環境が合わないといって辞めそうだな」と思われてしまいます。前職の会社では自分が望むことがかなえられないから転職したいんだというような答えを用意していきましょう。
④社会人としてのビジネスマナー
- 社会人を経験しているからこそビジネスマナーは身に付いている前提だから
- 円滑にコミュニケーションが取れるかどうかを知りたいから
転職の面接では社会人を経験しているからこそ「マナーは身に付いているか?」という視点からも見られていますよ。質問に回答するときの答え方、服装なども新卒就活のときより厳しく見られやすいです。特に以下のような点をチェックしていますよ。
- 大きな声で挨拶ができているか
- 正しい敬語や言葉遣いができているか
- 適切なコミュニケーションが取れるか
- 企業の雰囲気に合った適切な服装をしているか
本田 百合香
質問への回答の仕方も重要な評価ポイントとなっています。悪い印象を持たれてしまっては、面接の合格も難しくなってしまうので、普段の生活からマナーが守れているかチェックしてみてくださいね。
質問の回答例も紹介! 転職面接の基本的な流れと聞かれること一覧
転職の面接はどんな流れで進んでいくのか? どんなことを聞かれるのか? ここを理解できれば面接への不安を和らげて、自分の本当の実力を発揮することができますよ。
ここからは、転職の面接の基本的な流れと聞かれることの一覧を解説していきます。事前に聞かれることの対策をしておくことで、本番でも慌てることなく自信を持って回答できるようになりますよ。解説する内容をしっかりと押さえて、対策を進めていきましょう。
①自己紹介:端的にまとめて伝えよう
自己紹介は面接の中でも、第一印象に大きく影響する重要な場面です。ただ、いろいろと話そうとしてしまうと、どんな人なのかがぼやけてしまうので、端的に伝えるのがとても重要です。以下の項目を1分程度にまとめて伝えるようにしましょう。
- 名前
- 現在(もしくは過去)の職歴
- 簡単な志望理由
松下 建都
自己紹介は「1分でまとめてください」など、時間を指定される場合もあるので状況に合わせた回答ができるように準備しておきましょう。
- 自己紹介をお願いします
- 前職の経験も含めて自己紹介してください
- 職務経歴を教えてください
- 1分間で自己PRをお願いします
- 何か趣味はありますか?
- 休日はどんなふうに過ごしていますか?
- これまでの人生で最も力を入れて取り組んだことは何ですか?
面接の始めは緊張をほぐす目的で趣味や休日の過ごし方などを聞かれることもあります。何かしら答えられるように準備しておいてくださいね。
「自己紹介をお願いします」の回答例文
〇〇と申します。〇〇大学〇〇学部を卒業後、医療機器メーカーの〇〇(会社名)で営業として1年半勤務しておりました。担当エリアにおいて中部エリア1位の売上実績を獲得し、新人賞を受賞した経験がございます。
この度、御社で新たなチャレンジをし、スキルをさらに伸ばして成長したいと考えています。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
米田 有希
面接の際の自己紹介は、あくまで「仕事」に関する自己紹介です。端的に自己紹介をして、前職での経験をアピールしているところがいいですね。
②転職・退職理由:前向きな理由を答えよう
企業が転職・退職理由を聞く目的は、あなたの転職の軸を知りたいから。転職の軸がブレていてなんとなく転職を考えていると捉えられてしまうと、「またすぐに転職するのでは?」と思われてしまいます。
そう思われないためにも、退職理由は前向きな姿勢をアピールできる転職理由を考えてみてください。以下のように、転職・退職理由から志望動機までが一貫していると軸がブレません。
- 自分がやりたいこと、かなえたいことは何か
- そのやりたいこと、かなえたいことは今の職場でかなえられない
- だからやりたいこと、かなえたいことを実現できる転職先で働きたい
本田 百合香
以下の質問のように、かなり深い内容まで質問される可能性があるので、回答に詰まることがないように準備をしていきましょう。
- 転職を決断した理由を教えてください
- 転職を決めた一番の理由を教えてください
- 転職を決断するうえでどんなことに悩みましたか?
- 前職の職場環境について教えてください
- 前職の上司や同僚との人間関係はうまくいっていましたか?
- 社内での異動などは検討しなかったのですか?
- 退職してからどんな生活をすごしていましたか?
- 転職回数が多いのには何か理由がありますか?
- 転職を通してどんなことをかなえたいですか?
- 前職での不満や不安は何かありましたか?
転職回数が多い理由の答え方についてはこちらの記事を参考にしてみてくださいね。
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転職回数が多い人でも内定はつかめる! 理由の整理が選考突破のカギ
転職回数が多い自分はもう転職しない方がいいかもしれない……。そんなふうに悩む人もいるかもしれません。転職回数が多くても、適切な対策を取っていけば、転職を成功させることは十分可能です。この記事では転職回数が多い人でも転職を成功させる方法について解説しています。
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「転職を決断した理由を教えてください」の回答例文
転職を決断した理由は、より成長できる環境で自分の力を試したいという思いが強かったためです。
前職では何人もの承認を得ないと仕事が進まない業務が多く、仕事に対してあまり個人の裁量を持って働くことができませんでした。先輩の姿を見ていても、これから先も仕事の裁量を任せてもらえないことにモヤモヤした気持ちを感じ、転職を決断いたしました。
松下 建都
前の会社に対する不平不満をだらだらと述べるのではなく、簡潔に会社の風土が合わなかったことが伝えられていますね。
「転職を決断するうえでどんなことに悩みましたか?」の回答例文
転職を決断する際には、転職先の企業文化や社風が自分に合っているかどうか、ワークライフバランスの面で特に悩みました。将来のキャリアパスを見すえて、どんなことを大切にして働いていきたいのか、何度も深掘りして自分自身と向き合いました。
米田 有希
転職を簡単に決めたのではなく、将来性を見すえて具体的に考えていることをアピールできています。「またすぐ辞めてしまわないか」と不安に思われないように伝えるのがポイントです。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
上記でも解説しているように、転職・退職理由と志望動機の一貫性はとても重要です。ここがズレていては、面接で好評価を得ることも難しくなってしまいます。
では一貫性を保つにはどうすればいいのかというと、自分が目指すキャリアと志望企業とのマッチ度を伝えることです。転職を決断したということは、今の環境ではかなえられない何かがあったのだと思います。それこそが転職の理由になっていることもありますよね。その「何か」が志望企業に入ればかなえられると伝えることで、一貫性の保たれた理由と志望動機が出来上がります。
また、キャリアを目指す中で志望企業に貢献できると伝えることで、お互いにとってメリットがあるというアピールにもつながりますよ。
③志望動機:入社意欲をアピールしよう
転職・退職理由のところでも解説したように、転職・退職理由と志望動機はつながりが大きいので、一貫した回答ができるように心掛けてくださいね。
企業が志望動機を聞く意図は、会社にマッチしている人材かどうかを判断するためです。企業への理解は深まっているか、仕事内容への理解までできているかなどを質問を通して知ろうとしています。
回答を作成する際は、企業研究を念入りにおこない、企業のビジョンや事業内容の理解と仕事内容への理解を深めておきましょう。
- 当社を志望した理由を教えてください
- 当社のどのような部分に惹かれましたか?
- 当社を知ったのはどんなきっかけでしたか?
- 当社の事業の中でどの事業に一番興味がありますか?
- 数ある職種からこの職種を選んだ理由を教えてください
- 転職先に求める条件を教えてください
- 当社の業界についてどのような認識を持っていますか?
- 競合他社がいる中で当社を選んだ理由は何ですか?
- 未経験の職種に挑戦しようと思ったきっかけを教えてください
- 応募している企業の基準を教えてください
「当社を志望した理由を教えてください」の回答例文
御社の社風や企業文化が、私の価値観と一致していると感じました。チームワークを重視し、社員の成長を支援する環境作りに力を入れている点に魅力を感じています。
また、御社の研修制度やキャリアパスにも魅力を感じました。従業員のスキルアップを重視する取り組みがおこなわれており、自己成長を追求する姿勢が素晴らしいと思います。
御社の優れた製品やサービスは、リーディングカンパニーとしての地位を築いており、他社にはない独自の強みがあります。それらを提供する一員として、自分自身も常に学び続ける姿勢を持ちながら、御社の成長に貢献したいと考えています。
松下 建都
しっかりと会社の社風やサービスの特徴をつかみ、応募企業への思いが伝わる例文ですね。応募先の理解度の高さを伝えることはとても大切です。
「数ある職種からこの職種を選んだ理由を教えてください」の回答例文
私が営業職を選んだ理由は、前職の接客業で身に付けた相手と円滑なコミュニケーションを取れる能力を活かせると感じたからです。
接客業では一人ひとりのお客さまにかかわれる時間が少ないと感じており、よりお客様の深い悩みに寄り添える仕事がしたいという思いが強くなりました。
そんな中、営業職はお客様一人ひとりのお悩みを詳しく聞きながら課題解決に貢献できる仕事であり、自分の思いと合っていると感じて選択しました。
米田 有希
どうして営業職を希望したのか、根拠が伝えられています。自己PRと関連させてアピールできているのがいいですね。
④自己PR:企業に合う経験やスキルを伝えよう
自己PRでは、自分の強みや長所を伝えていきます。このとき、企業が求めている人材に合わせた強みや長所を伝えられると「この人はすぐに活躍してくれそう」と感じてもらえ、好評価につながりますよ。
選考を有利に進めることにもつながるので、回答を作成する際は、自分の強みと企業の求める人材が合っているかをチェックしておきましょう。
- あなたの強みを教えてください
- 自己PRを1分間でお話しください
- 長所と短所を一つずつ教えてください
- 短所を克服するために取り組んでいることがあれば教えてください
- あなたは周りの人からどんな人だと言われますか?
- 働くうえで大切にしていることはありますか?
- あなたの強みはどんな場面で発揮されると思いますか?
- 前職で身に付けたスキルを教えてください
- これまでのキャリアで最も努力した経験は何ですか?
- 前職で残した実績を教えてください
- 仕事での失敗経験があれば教えてください
- 働いている中でやりがいを感じる瞬間はどんなときですか?
- 〇〇の仕事をするうえでどんなスキルや能力が求められると思いますか?
- 前職で困難を乗り越えた経験があれば教えてください
- これまでにどんな役職を経験してきましたか?
自己PRでは、具体的なエピソードも一緒に伝えることで、その強みが本物なのだという説得力が上がります。そのため、自己PRの回答を考える際は、エピソードもセットで考えてみてくださいね。
「あなたの強みを教えてください」の回答例文
私の強みは、相手の立場に立ったコミュニケーションを取れるところです。人との円滑なコミュニケーションを大切にしており、相手の意見を尊重しながら自分の意見も伝えるようにすることを特に意識しています。
前職の営業職においても、お客様の目線に立って考えることを常に大切にしてきた結果、チーム内の顧客満足度1位を達成することができました。
御社でも前職で培った強みを活かして、より相手の立場に立ったコミュニケーションを取ることで信頼関係を築き、貢献していきたいと考えています。
本田 百合香
長所について、前職での経験をもとにアピールできているところがいいですね。自分を客観視して強みをまとめられています。
「前職で残した実績を教えてください」の回答例文
前職で残した実績として、営業のロールプレイングコンテストで全国大会へ進出したことが挙げられます。コンテストに向けてチームメンバーと協力し、営業手法について意見を出し合いながら試行錯誤を重ねて準備を進めていきました。その結果、コンテストでは高い評価を得ることができ、地域予選を勝ち抜いて全国大会への出場権を獲得しました。
この実績により、自分の提案やプレゼンテーションスキルが認められ、チームワークとリーダーシップの力を評価していただくことができました。
将来は営業チームをまとめるリーダーとして、さらなる成果を上げていきたいと考えています。
松下 建都
全国大会に出場した経験を挙げ、そこでどんなことを学んだのか述べているところが良いですね。これからの活躍に期待されるような例文です。
⑤目標やキャリア:10年後を想像して答えよう
転職の面接では、あなたが長く働いているイメージをつかみたいという思いから目標やキャリアに関する質問もされますよ。
目標やキャリアが曖昧だと「またすぐに転職しそうだな」という印象を持たれてしまうので、10年後の自分はどのように活躍しているかを想像して回答を作成していきましょう。
- あなたのキャリアの中での次の目標は何ですか?
- 5年後、10年後の自分はどうなっていると思いますか?
- あなたがキャリアを通じて達成したいことはなんですか?
- あなたの理想的なキャリアパスを教えてください
- 当社に入社後はどんなキャリアを歩みたいですか?
- 当社で働くことがあなたの目標達成につながると思いますか?
- 自分自身を成功したと感じるために必要なものは何ですか?
- 今後どんなことに挑戦していきたいですか?
- 目標を達成するためにどんな努力をしていますか?
- 理想のキャリアを歩むために必要なスキルは何だと思いますか?
米田 有希
目標やキャリアの質問は10年後の自分を想像していれば答えられるものばかり。「なぜ自分は転職を考えたのか」を今一度振り返ってみて、どんな自分になりたいかを想像してみてくださいね。
「5年後、10年後の自分はどうなっていると思いますか?」の回答例文
5年後は、Webデザイナーとしての経験をさらに積み、デザインの仕事のみならずWeb制作全般の知識を身に付けて、プロジェクトの責任者などマネジメントをする立場になりたいと考えています。
そして10年後は、デザイナー経験で得た制作側の目線を活かし、より大きなプロジェクトのリーダーとして仕事に取り組みたいと考えています。
具体的には、アプリ開発のグローバル展開をされている御社で、ディレクターとしてチーム全体を率いてプロジェクトを成功させる立場になり、より会社を成長させられるような人材を目指していきます。
本田 百合香
具体的な将来の展望が述べられているのがいいですね。将来のキャリアパスが具体的に描かれているので、面接官も期待が持てるでしょう。
「当社に入社後はどんなキャリアを歩みたいですか?」の回答例文
私の仕事をするうえでの目指すキャリアは自分自身の接客スキルを高め続けて、「あの人に接客してもらって良かったな」と誰かの記憶に残るような存在になることです。
だからこそ、御社に入社後は、まずは接客スキルを高めるために常に学ぶ意識を高く持ち、与えられた役割をまっとうしながら学びを深めてまいります。
そしてお客様に特別感のあるおもてなし接客をおこない、多くの笑顔と感動を創造してリピーターを増やしていきます。最終的には人を育てるポジションや新しいスタッフを発掘する人事の立場となり、お客様だけでなく共に働くスタッフの記憶にも残る存在になっていきたいと考えております。
松下 建都
自身の目指すキャリアや成長意欲の高さもアピールできていることから、これからの成長性へも期待がもてるため、好印象を抱きやすい回答になっています。
⑥逆質問:事前に準備して関心度合いをアピールしよう
面接の最後には、企業への逆質問の時間が設けられている場合がほとんどです。逆質問をおこなう目的は「うちの会社にどのくらい関心を持っているか」を知るためです。
企業への入社意欲をアピールするためにも、質問は事前に用意しておきましょう。準備をしておくことで、逆質問のときに慌てることなくスムーズに質問ができますよ。
- 最後に何か質問はありますか?
- 何か聞いておきたいことはありますか?
- 面接を通して疑問点などはあれば教えてください
- 御社ではどのような方が活躍されていますか?
- 御社で活躍するために必要なスキルや資質は何ですか?
- 御社がこれから挑戦したい領域はありますか?
- 仕事内容の理解を深めたいので配属先の方とお話しする機会をいただくことは可能でしょうか?
- 御社が今後力を入れていく予定のプロジェクトがあれば教えていただけますか?
- 入社後の研修はどのような研修をどのくらいの期間受けることができますか?
- 御社でいち早く活躍したいと思っています。入社前にやっておくといいことはありますか?
- 御社の魅力はどのようなところにあると思いますか?
- 仕事をしている中でどのようなところに魅力ややりがいを感じますか?
- 御社の評価制度や昇進制度はどのような基準になっていますか?
米田 有希
待遇や福利厚生などの質問はやめておいた方が無難です。仕事内容よりも待遇目当てで入社したいのではと捉えられかねません。あくまで応募企業に興味があるとアピールできる逆質問をするようにしましょう。
転職の面接を突破するには自分の状況に合わせた質問対策が必要不可欠!
転職の経緯は人それぞれですよね。たとえば、キャリアアップを目指すケースもあれば、新しい職種にチャレンジしたいなど、自分の環境や状況を考えて転職を決意したはず。このように、応募者の状況が違うからこそ、転職の面接で聞かれることは人それぞれで変わってきます。
だからこそ、転職の面接では自分の状況に合わせた質問対策が欠かせません。第二新卒には第二新卒なりの、経験者には経験者なりの聞かれやすい質問があるのです。それらの対策を万全にすることが転職の面接を突破するカギになりますよ。
ここからは、より詳しい転職の面接で聞かれることを解説していきます。転職者を4つのパターンに分けた場合の聞かれることや、転職の面接だからこそ聞かれる深掘りするような質問についてまで解説していくので、質問対策の参考にして面接を突破していきましょう。
自分の現状に合わせた対策をしよう! 状況別の転職の面接で聞かれること
先ほど解説した面接の流れと聞かれることは、新卒の面接でも聞かれる一般的な内容ばかりです。ただ、転職では、応募者それぞれの状況や環境が違うからこその質問も数多くされますよ。
ここからは、年齢や経験の有無など4つの状況に分けて転職の面接で聞かれることを解説していきます。自分がどの状況に当てはまるかチェックしたうえで、どんな視点で評価されているのか、どんな質問をされるのかを理解していきましょう。
第二新卒や20代などの若手転職の質問例
企業はほとんどの転職者に対して、入社後すぐに活躍してくれる人材を求めています。ただ、第二新卒や20代での転職では就業経験が短いこともあり、業務経験ありの即戦力採用ではなく、入社後のポテンシャルを重要視した採用をおこなっているケースもあります。
だからこそ、第二新卒や20代の若手転職者に対しては、これまでの経験よりも、入社への思いや仕事への熱量などの質問がされやすくなります。該当する場合は、以下のような質問の回答を準備しておきましょう。
- 前職ではどんなことを学びましたか?
- なぜ今のタイミングで転職を考えるようになったのですか?
- 自分のキャリアをどのようにしていきたいですか?
- 今の会社に未練はありませんか?
- もう少し今の会社で働こうとは思いませんでしたか?
- 最近のニュースで気になったものはありますか?
- 仕事以外でもいいので何か感銘を受けたことがあれば教えてください
本田 百合香
若手の転職ではまたすぐに辞めないかという不安からの質問が多いので、応募先の企業がベストな環境なのだということを伝える意識で回答を作成してみてくださいね。
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「前職ではどんなことを学びましたか?」の回答例文
前職では〇〇の営業として、多くの顧客の課題解決のサポートに注力してきました。その経験の中で2つの学びを得ました。
1つ目の学びは事前準備の徹底が目標達成には必要不可欠な要素であるということです。だからこそ、これからどんな仕事をすることになっても、まずは徹底的に自己スキル向上と知識習得に時間を費やしてまいります。
2つ目の学びはどんなことも自分の捉え方次第で変えられるということです。前職では月間目標に対して、常にどうしたら達成できるだろうと捉えることで、達成に向けて前向きに取り組むことができ結果を残すことができました。これからも得た学びを活かして業務に取り組んでまいります。
松下 建都
業務内容的な話ではなく、働くうえで意識すべきこと、意識することでどういう結果につながっていくのかまで話していることで、実際にどのような姿勢で働いてくれるのかイメージができる内容になっていますね。
「なぜ今のタイミングで転職を考えるようになったのですか?」の回答例文
私が今のタイミングで転職を考えるようになった理由は、学生時代のときから興味があった接客業に改めて挑戦したいと強く思ったことがきっかけです。
今の仕事で一通りの経験を積んだ中で「自分が本当にやりたいことは何なんだろう」と考えたときに、学生時代に接客業のアルバイトで感じた接客業のおもしろさを思い出し、人にかかわる仕事に就きたいと感じました。
一度立ち止まり、自分の思いを強く自覚した今だからこそ、このタイミングで仕事を辞めて転職しようと考えるようになりました。
米田 有希
現在の思いや考えを話すことで話の流れがスムーズとなり、さらに理由としても納得感がある話になっていますね。
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
上記の例文以外に、「今の会社に未練はありませんか?」「もう少し今の会社で働こうとは思いませんでしたか?」などの質問はなかなか答えづらいかもしれませんね。
このような質問を受けたときは、まず未練がないことをきっぱりと伝えましょう。そのうえで、会社への感謝や学んだ知識、良い出会いなどがあったことを伝えつつ、その先を見すえたときに新たなステージに挑みたいと思ったという旨を伝えることで面接官に良い印象を持ってもらえます。
また、3年後、5年後と考えた時、機会は今しかないという決断に至ったという理由を添えるのもいいでしょう。それにより、あなたが長期的なキャリアを見すえて転職を決断したという強い意思が伝わりますよ。
第二新卒の転職活動全般については、こちらの記事で解説しています。ぜひ参考にしてくださいね。
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未経験業界・職種への転職の質問例
未経験の業界や職種への転職を考えるケースもありますよね。その場合に企業が見るのは「どれだけ仕事への理解を深めているか」という点です。表向きは理想的に見える仕事も、実際にやってみると思っていたのと違ったとギャップを感じてしまうのはよくあること。
そうなると、早期離職にもつながりかねないので、企業としては業界や仕事への理解度を重要視しているのです。そのため、このケースでの転職は業界や職種のことは調べつくしている、もしくは仕事以外のところで経験しているなど、仕事への高い理解度を示すことが大切です。
- 未経験の業界・職種への関心を持ったのはなぜですか?
- 新しい職種に挑戦するにあたってどんな努力をしてきましたか?
- 〇〇業界に関係する資格の勉強はしてきましたか?
- 未経験の領域へのチャレンジに不安を感じることはありますか?
- 未経験の業界に転職してまでかなえたいことは何ですか?
- これまでの経験が新たな職種でどのように役立つと思いますか?
- 〇〇業界についてどのように勉強して理解を深めましたか?
本田 百合香
未経験の領域にチャレンジする姿勢も重要なアピールポイント。ただチャレンジしたいというよりも、チャレンジするにあたってどんな努力をしてきたかまで言えると、未経験業界・職種への本気度が伝わりますよ。
「未経験の業界・職種への関心を持ったのはなぜですか?」の回答例文
私はこれまで営業職として、お客様一人ひとりと向き合って、寄り添い支えることに力を注いできました。その中でたくさんの笑顔と出会い、感謝の言葉をいただいたことでやりがいや達成感を得ることができました。
そして、そんなサポートをしているうちにもっと身近にサポートを必要としている人の役に立ち、笑顔になってほしいという思いが強くなり、介護業界を目指すことにいたしました。
未経験の業界ではありますが、日進月歩の心を大切にしてさまざまなことに挑戦をしながら学びと経験を重ね、数年後には目標達成に貢献できる人材になってみせます。
松下 建都
この例文では関心を持つきっかけとなった経験と、その経験から得た思いに触れることで安易な気持ちで目指しているわけではないという意思表示ができていますね。
「新しい職種に挑戦するにあたってどんな努力をしてきましたか?」の回答例文
これまで未経験の添乗員という職種に挑戦するにあたり、私は2つのことに特に力を入れて取り組みました。
まず1つ目は添乗員をする際に絶対に必要となる「旅程管理研修」という資格の取得です。挑戦が決まったときから1日2時間は勉強することをルールとして定め、徹底的に取り組んだことで取得することができました。
2つ目は添乗をするうえで絶対的に必要となる観光地の知識習得です。具体的には地理検定対策の問題集を解き続けながらSNSや観光ガイドを読み、自分なりにまとめた観光地ノートの作成をおこないました。
このように未経験の職種だからこそ、必要な資格や知識習得から取り組み始めております。
米田 有希
例文のように努力していることを具体的に伝えましょう。もし、まだ何も始めていなければ「何もしておりません」と答えるのではなく、これからどんなことに取り組もうと考えているのかを可能な限り具体的に伝えるようにしてくださいね。
経験を活かしたキャリアアップの転職の質問例
キャリアアップの転職の場合、どれほどの経験をしてきているのか、会社が求めているスキルレベルに達しているかを測る質問をしてきます。これまでに身に付けたスキルや知識を存分にアピールして「自分は企業が求めるレベルに達している」ということを伝えていきましょう。
- これまでの経験を当社でどのように活かしますか?
- 前職で直面した最も困難な問題やプロジェクトは何ですか?
- 身に付けたスキルや知識について詳しく教えてください
- スキルを活かしてどのような実績を残しましたか?
- さらに経験を積むために取り組んでいることは何かありますか?
- マネジメント経験はありますか?
- 管理職として活躍していきたいという思いはありますか?
- 部下に接する際に意識していることはありますか?
本田 百合香
キャリアアップの転職ではマネジメント経験の有無が求められる場合もあります。将来的には、マネージャーや管理職として活躍してほしいと考えている可能性もあるので、自分のキャリアパスを考えて回答を考えるようにしてみてくださいね。
「これまでの経験を当社でどのように活かしますか?」の回答例文
私はこれまで所属してきた組織やチームにおいて、常に自分が担うべき役割を自覚し、まっとうできるように行動を積み重ねてきました。
その成果もあり、早期の接客デビューを果たし、成約率も50%から70%まで向上させるなど期待される役割を果たしてきました。この経験からメタ認知力と環境把握力を向上させることができました。
だからこそ、御社に入社後もこの2つのスキルを活かして常に現状を客観視して今すべきことや必要なことを把握し、実行に移してまいります。そして必ず果たすべき役割や目標を達成し、御社に貢献したいと考えております。
松下 建都
経験の話をするうえで具体的な実績の話をしているのでイメージが湧きやすいですね。さらに経験を通してどんなスキルを向上させることができたのかまで伝えることで、自己PRと同じようなアピールにつながっています。
「前職で直面した最も困難な問題やプロジェクトは何ですか?」の回答例文
私が前職で直面した最も困難だった問題は仕事の優先順位を正しく判断することです。
上司や先輩から指導される中で業務の優先順位の重要性は理解していましたが、判断する際の基準がわからなかったりずれていたりしたため、うまく判断することができず周囲に迷惑を掛けてしまうことがありました。
そこで私は優先順位の基準を理解するために、迷ったときは先輩に判断の軸を聞き、その内容をメモに残すことで、いつでも振り返り、基準をチェックできるように改善しました。
その結果、以前よりも先輩に指示を受ける回数が少なくなってきました。まだ完璧に改善できたわけではありませんが、これからも正しく判断できるまで常に学び続けてまいります。
米田 有希
新卒選考時は「学生時代の困難だったことは何ですか」という質問でしたが、転職の際は「前職」と限定される傾向にあります。ここで問われているのは、転職に至った問題点のことではなく、課題に対しての向き合い方を見られているケースが多いので、例文のように改善への姿勢を伝えるように意識してくださいね。
フリーターなどの就業経験がない場合の質問例
転職ではなく、フリーターやニートからの就職を目指しているという場合もあるかもしれませんね。就業経験がない場合の面接では「仕事をすぐに辞めてしまわないかな」という不安がどうしても付きまとい、それをチェックするような質問をされます。
企業の不安を払拭するには、就職を目指そうとした強い思いと、入社後は精一杯努力するという姿勢をアピールできる回答の作成が必要不可欠。以下の質問に自信を持って答えられるような回答を準備するのが大切です。
- 就職に踏み切るきっかけは何だったのか教えてください
- フリーター期間中に獲得したスキルや経験はありますか?
- なぜフリーター(ニート)をしているのですか?
- 正社員になっても問題なく働くことはできますか?
- フリーターとしての経験が入社後どのように役立つと思いますか?
- 就職活動に向けてどのような準備をしてきましたか?
- 就業経験がないことについてどのように感じていますか?
- これからどんな経験を積んでいきたいと考えていますか?
本田 百合香
今の状況から抜け出そうとしたきっかけがきっとあるはず。そのエピソードとともに、就職して頑張りたいんだという気持ちを込めて回答を作成していきましょう。
既卒で就業経験がない場合は、こちらの記事が参考になります。既卒の面接対策を詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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「就職に踏み切るきっかけは何だったのか教えてください」の回答例文
前職の業務において残業時間が80時間を超えてしまい心身が疲れ切ってしまったことで前職を辞め、しばらくは身体と心の休養をするためにフリーターとして数カ月過ごしてきました。
そんななか、同年代がSNSで仕事に関する発信をしているのをみて刺激を受けたのもきっかけの一つです。私の中で自分も早く正社員として復帰し、より社会の役に立ちたいという思いが生まれてきました。
前提として働くことが嫌いになったわけでもなかったため、3カ月の休養を経て、心身ともに回復したことからまた社会人としての一歩を踏み出したいと思い、就職へと踏み切りました。
松下 建都
この例文の良いところは「働く意欲は常に持っていること」を示すことができていることです。企業がフリーターに不安に抱きやすい「働く意欲はあるのかな」という点をしっかり解消していきましょう。
「フリーター期間中に獲得したスキルや経験はありますか?」の回答例文
前職を退職してから今日に至るまで私は2つのことに取り組みました。
1つ目は、収入を得ながら丁寧な応対力を身に付けるためにコールセンターでのアルバイトを始めたことです。
2つ目は、同年代と学びの部分で差が広がらないよう、自己啓発にも多くの時間を割いたことです。具体的には自己啓発動画を視聴したり、自己啓発セミナーに参加し学んだことをSNSなどで発信したりして、インプットとアウトプットに取り組みました。
この2つのことに取り組んだことで以前よりも話し方の選択肢が広がり、初対面の人とでも緊張することなく、円滑にコミュニケーションを取れるようになりました。
米田 有希
前提条件として企業としては「取り組んでいるのが当たり前」という考え方があるため、収入を得る以外の目的が必要となります。その点、この例文ではアルバイトや自己学習といった、その人にしか話せない経験をしっかり伝えられています。
転職だからこそ聞かれる踏み込んだ質問例! 回答対策も合わせてチェック
先ほど紹介した以外にも、転職だからこそ聞かれる踏み込んだ質問をされることもありますよ。しっかりと準備していないと、答えるのが難しい質問ばかりなので、聞かれることとその回答を準備しておくことが大切です。
ここからは、転職の面接だからこそ聞かれる質問例とその回答例まで解説していきます。ここで紹介する質問の回答までカバーできる人は少ないので、しっかりと準備して自信を持って回答し、周りと差をつけていきましょう。
雇用環境や条件の質問
転職の面接では、これまでに培ってきた経験やスキルによって雇用条件が変わってくる場合があります。未経験で入る人と経験ありで入る人とでは、給料や仕事内容に差が出てくるのは当然ですよね。
また、職場環境についても聞かれる可能性があります。特に近年はリモートワークの会社も増えているので、働く環境や条件などを聞かれることも多くなってきています。
- 働き方や勤務時間について何か特別な要望はありますか?
- どの程度の給与や待遇を望んでいますか?
- 当社の福利厚生について何か質問はありますか?
- あなたが求める理想的な職場環境は何ですか?
- リモートワークでも問題なく働くことができますか?
- 当社は平均20時間程度の残業が発生しますが問題ありませんか?
- 急な残業が発生しても問題なく対応できますか?
給与や待遇は自分が求める条件を正直に伝えても問題ありません。ただ、会社の給与水準などを把握したうえで、自分のスキルや実務能力のレベルに合わせた現実的な希望を伝えるのが大切です。
本田 百合香
雇用環境については、よほど譲れない条件がない限り問題なく働けることを伝えられれば、企業側も安心できますよ。
「働き方や勤務時間について何か特別な要望はありますか?」の回答例文
勤務時間については特別に強く要望するということはありませんが、私の理想とする働き方として、モチベーション高く仕事に取り組むためにも「自分自身で成長を自覚したい」と考えております。
そのため、入社後の研修制度やスタッフのスキルアップのために取り組まれていることなどがあれば教えていただけますでしょうか。
松下 建都
勤務時間については求人情報に記載されており、内容に対して了承しているからこそ受けにきていると考えられることが多いと思います。そのため、この例文のように面接段階で要望を出すことはおすすめしません。
「どの程度の給与や待遇を望んでいますか?」の回答例文
退職理由の1つとして給与の改善は含まれるため、前職と同水準か、年収ベースですと〇〇万円程度が希望ではあります。
しかし御社での経験も実績も何も無い中ですべてがかなうとはもちろん考えていないため、最終的には御社の判断に従います。待遇については営業部への配属を希望しておりますので、営業部に配属されることが望ましいですが、こちらも御社の判断にお任せいたします。
米田 有希
新卒面接と違い、転職面接の際は条件交渉の場面があります。理想としている条件はそれぞれにあるでしょうが、交渉するためには明確なスキルや実績を示す必要があります。示すのが難しい場合は、この例文のように希望を伝えつつ、最終的には御社の判断に任せますと伝えるのが無難ですよ。
会社への理解度に関する質問
先ほど解説したように、企業としては転職者にできるだけ長く働いて貢献してほしいという思いがあります。そのため、入社後にギャップを感じないよう、会社の理解度をチェックする質問は聞かれる可能性が高いです。
応募企業へのビジョンや社風などの理解度を深めておき「御社のことはバッチリ理解している」というアピールができれば、選考突破の確率もグッと上がりますよ。
- 競合他社と当社ではどんなところが違うと思いますか?
- 当社のビジョンやミッションについてどのように思いますか?
- 当社の製品やサービスについて知っているものはありますか?
- 当社の製品やサービスを利用したことはありますか?
- 当社の強みはどのようなところにあると思いますか?
- 当社の弱みはどのようなところにあると思いますか?
- 当社の業界についてどのくらい知っていますか?
企業への理解度を深めるには、企業のホームページ(HP)やSNSなどを見てみましょう。外部に発信している情報は、できるだけ多くの人に見てほしいと思っている情報です。
本田 百合香
情報をしっかりとキャッチして、理解度の深さをアピールしていきましょう。
「競合他社と当社ではどんなところが違うと思いますか?」の回答例文
御社のすべてを知っているわけではありませんが、ホームページ(HP)を拝見したり、面接でお話を伺ったなかで私が感じた他社との違いは2点あると感じました。
1つ目は企業理念や行動理念で示されていることを全スタッフの皆様が体現されている点です。仕事に取り組まれる動機は人それぞれだと思いますが、理念に掲げられている「お客様の課題解決に向けて誠心誠意向き合い、寄り添う」「掲げた目標は必ず達成する」など社員の方の行動や姿勢の話から共通の強い意志を感じました。
2つ目は働いているスタッフの皆様が輝いて見えることです。他の企業様の面接を受けるために訪問した際、事務所の雰囲気が重苦しく感じることがありました。しかし御社ではそのような印象を受けることがありませんでした。
この2点が御社と他の企業様との違いであり、私が感じる御社の魅力だと考えております。
松下 建都
この質問をする意図には「他社ではなく、何故弊社なのか」という志望度の高さを知りたいという思いがあります。そのため、この例文のように比較したうえでの魅力を話すことだけでなく、どこから感じたのかまで示すことが大切です。
答えづらい内容の質問
面接の中では、なかなか答えにくい質問をされることも。そのような質問は答えづらいかもしれませんが、質問を通して面接官はあなたの人間性や対応力を見ています。
質問をされる以上は、何かしらの懸念点や疑問点があるはずなので、できる限り正直に回答するようにしましょう。
- 当社は第何希望ですか?
- 前職で不満だったところがあれば教えてください
- ほかにはどんな企業に応募していますか?
- 他社の選考はどのくらい進んでいますか?
- 内定を出したら入社してくれますか?
- 結婚といったライフイベントを踏まえキャリアはどのように考えていますか?
- 当社で働くには〇〇のスキルが足りないように思いますが、自分ではどう思われますか?
- 最近最も気になったニュースは何ですか?
- 転職についてご家族にはどのように伝えていますか?
- 希望職種に就けるとは限りませんが問題ありませんか?
米田 有希
ただ、個人的な価値観や詳細なプライベートなど、どうしても答えたくない質問をされた場合は、無理に回答する必要はありませんよ。あくまで企業と応募者は対等。そのことを忘れずに面接に臨みましょう。
「当社は第何希望ですか?」の回答例文
私の中で御社は第一志望です。その理由として、私が今回転職をするうえで重視している3つの点において御社はすべてかなえることができると感じたからです。
重視していることの1つ目は、私の思いや大切にしたいことと企業理念や行動理念がマッチしていることです。2つ目は働く環境の中に挑戦、協力、競争といった要素があること、3つ目は給料や福利厚生などの待遇面が前職よりも改善されることです。
お話をお伺いするなかですべてかなえられる場所だと確信することができたため、私は御社への入社を強く希望しております。
本田 百合香
「第〇志望です」と一言で終わるのではなく、そのあとに第1志望となぜ言えるのかの理由を明確に話しているので、納得感のある回答になっています。また理由を3点挙げることで「御社でなければならない理由」が伝わり、ほかの就活生との差別化を図ることができていますね。
「前職で不満だったところがあれば教えてください」の回答例文
前職での不満としては、事務職への転属希望を上司に相談していたのですが、なかなか認めてもらえず、結果的に転属がかなわなかったことです。
ただし、転属希望を相談した際はなんとなく事務職に就きたいという思いのまま相談してしまったこともあり、会社としても希望をかなえにくかったのではないかと感じています。その経験もあり、今一度自分が何をしたいのかを見つけるために自己分析をおこないました。
そのうえで、やはり人をサポートしたいという気持ちは変わらず、事務職を目指したいという気持ちが強まったことから、事務職への転職を目指すことにしました。
松下 建都
会社の不満を言いつつも、自分にも非があることを伝えてしっかりと自分を見つめ直していることを伝えられている良い回答ですね。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
面接官の中には答えづらい質問や圧迫面接などをおこなってくるケースもあるかもしれません。
ただ、それは間違った面接のやり方だという認識が強くなってきています。実際に、厚労省が発表している、公正な採用選考を実施するためのガイドラインである公正な採用選考の基本によれば、人権を尊重した、差別のない公正な採用選考が大切だと定められています。このことからも、答えにくい質問や明らかに個人的な質問などは面接の場にふさわしくないと認識されています。
このように、国からの指示で個人を尊重する採用活動が常識となってきている点は覚えておいてくださいね。
転職の面接で好印象を残すには? 面接官を納得させる答え方のコツ3選
転職の面接では用意した回答をただ話せば良いわけではありませんよ。面接官に質問への回答に納得してもらい、自分の印象がより良く映るように回答していくことも大切ですよ。
ここからは、転職の面接で好印象を残すための答え方のコツを解説していきます。自分の考えた回答が、これから解説する内容を反映できているか、しっかりとチェックしてみてくださいね。
①結論から簡潔に話す
面接では結論から話すことで、伝えたい内容が明確になり、あなたの回答を面接官に納得してもらいやすくなりますよ。結論から伝える説明手法はPREP法と言われており、わかりやすい説明をする型として使われているので、ぜひ覚えておきましょう。
結論を伝えた後は、結論を補強するように理由と具体例を伝えていきます。聞いている相手は結論に至った理由や背景がわかるので、話の内容をより理解できるようになります。最後に結論をもう一度伝えることで、結論の印象を残すことができます。
米田 有希
PREP法は、聞いている相手だけでなく自分にとってもメリットが大きい説明手法です。型の流れがわかっていれば、話す内容がブレなくなり「自分は何を話そうとしていたんだっけ?」という話の脱線も少なくなります。型を効果的に活用して、好印象を残していきましょう。
②ネガティブな内容はポジティブに変換する
面接はあくまで自分をアピールする場。マイナス印象につながるようなネガティブな回答はできるだけ避けた方が無難ですよ。
たとえば「失敗経験はありますか?」と聞かれた際にただ失敗談を伝えるだけでは、「そこから何も学んでいないのかな?」と思われてしまいます。
失敗から何を学び、どう成長したのかを伝えることで、面接官にあなたの前向きな姿勢と成長の意欲をアピールできます。あなたの魅力を最大限伝えていくためにも、ネガティブな内容をポジティブに変換することを心掛けていきましょう。
- 会社の方針が合わなかった→自分の意見をしっかりと受け止めてくれる環境で働きたい
- 人間関係がうまくいかなかった→周りと協力して仕事を進める環境に身を置きたい
本田 百合香
ネガティブな内容を伝えるだけで終わっている回答がないか、今一度見直してみてくださいね。
③転職理由と志望動機に一貫性を持たせる
転職理由と志望動機は関連性が深いので、この2つは一貫性を持った回答ができるように準備していきましょう。
今の環境を飛び出してまで新しい環境を求める理由、そして応募企業を選んだ理由がマッチしていれば、面接官はしっかりと考えたうえで転職しようとしていると感じます。そうすれば「この人はうちの会社で長く働いてくれそうだな」と評価され、好印象を残すことができますよ。
松下 建都
一貫性を持たせる際は、転職理由と志望動機が「だから」の接続詞でつながるか考えてみてください。
- 転職理由:前職は裁量のある仕事ができなかったので転職先は自分で仕事を進められる裁量の大きい会社で働きたい
- 志望動機:御社は手を挙げた人には仕事を任せる社風であるため、自分が求める環境が整っている
米田 有希
上記のように、一貫性を持たせられているかしっかりと確認してみてくださいね。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
面接において、基本的なことができているかどうかも好評価を得るための重要なポイントです。
たとえば「ハキハキと大きな声で話せているか」「相手の問いにズレのない回答ができているか」などもよく見られているポイントです。そのうえで先ほど解説した3つのポイントが活きてきます。
中でも特に結論と理由を簡潔かつ丁寧に説明することはとても大切です。面接はコミュニケーション能力の場なので、相手に自分の意図が伝わらないと意味がないわけですね。その点を踏まえても、どんな回答もPREP法で伝えることを意識できると「基本的なコミュニケーション能力が備わっている」と判断され、好印象を持ってもらいやすくなりますよ。
聞かれることがわかれば怖いものなし! 対策を徹底して転職の面接を突破しよう
ここまで、転職の面接で見られるポイントや転職面接の基本的な流れと聞かれることの一覧、面接官を納得させる答え方まで解説してきました。
転職を成功させるには、新卒のときとは違った質問対策が欠かせません。聞かれることをしっかりとチェックしておき、その質問への回答を準備しておくことがとても大切なのです。
また、自分の状況に合わせた質問対策も重要です。今の自分ならどんな質問をされやすいかも考えて、しっかりと対策を進めていきましょう。そうすれば、自分が望む転職をかなえることができますよ。
一つひとつの答えの根拠も含めて質問対策をしていくことが、転職の面接ではとても重要なのです。