目次
- 就職留年は就職で不利? 企業の不安を解消できるかは「理由の伝え方」がカギ!
- そもそも就職留年とは? まずは概要から理解しよう
- 就職留年とは
- 就職留年と就職浪人の違い
- 就職留年した場合のメリット
- 就職留年した場合のデメリット
- 就職留年は就活で不利になる? リアルな就職実態をチェックしよう
- 留年の経歴がある場合ほぼ確実に聞かれる
- 就職留年が就活で必ず不利になるとは限らない
- 留年した理由によっては不利になることもある
- 留年の期間でどんなことに取り組むかが大切
- 冷静に判断しよう! 就職留年を選ぶ前に必ずチェックすべき項目
- 本当に就職留年するしかないのか自問自答してみたか
- 想定されるデメリットをすべて把握しているか
- 一人で悩むことなく誰かに相談しているか
- 就職留年を経ての就活は「納得感のある理由」を固めて企業の不安を解消しよう
- 説得力が格段にアップ! 就職留年の理由を伝えるコツ4選
- 留年した理由は正直に答えることを心掛ける
- 留年した理由を結論からわかりやすく伝える
- 留年から学んだことを伝える
- 留年期間中に取り組んだことを伝える
- 確実に対策しよう! 就職留年の就活で聞かれやすい質問と回答例文
- 「留年した理由はなんですか?」
- 「留年期間中はどんなことに取り組みましたか?」
- 「留年から何か学んだことはありますか?」
- 就職留年を経ての就活を成功に導く3つのポイント
- 業界や業種の選択肢を広げる
- できるだけ早めに就活の対策をおこなう
- 選考で有利になる実績を作る
- これだけは避けたい! 就職留年の就活で陥りがちな落とし穴
- 落ちてしまった企業や業界だけを狙う
- 留年した理由を他人のせいにしてしまう
- 留年した事実を隠そうとしてしまう
- 就職留年したときの就活は説得力のある理由を準備して選考突破を狙おう
就職留年は就職で不利? 企業の不安を解消できるかは「理由の伝え方」がカギ!
こんにちは、キャリアアドバイザーの今井です。
就活がうまくいかず就職留年しようか迷っている人から、よくこのような相談をもらいます。
就活はなかなかうまくいかないし、卒業までの時間もない。就職留年してもう一度就活にチャレンジする選択肢も見えてきたけど、デメリットも見過ごせない……。そう思い悩む気持ちはよくわかります。
確かに就職留年を選択すれば、新卒カードを失わないまま就活を継続することができますし、万全の準備をして就活に再度挑むことができるかもしれません。ただ、経歴に留年の文字がつくことは間違いなく、その経歴を企業に不安に思われてしまうのも事実です。
でも、留年することのメリットを活かしつつ、その企業の不安を払拭できる就活対策をすれば、内定を勝ち取ることはもちろん可能です。もし就職留年するか迷っているなら、必要な対策やデメリットなどをしっかりと把握してから決めるのが大切ですよ。
この記事では、キャリアアドバイザーのアドバイスを交えて就職留年の実態や決断する前に必ずチェックすべき項目、そして就職留年の就活で内定を勝ち取るためのポイントを解説。後悔しない選択をするためにも、一度考えを整理して就職留年をするかどうか一緒に決めていきましょう。
そもそも就職留年とは? まずは概要から理解しよう
本田 百合香
ここからは、就職留年の概要について解説していきます。まずは就職留年への理解を深めて、自分の置かれている状況を見つめていきましょう。
就職留年とは
就職留年とは、大学を卒業するタイミングで希望の会社から内定をもらっておらず、来年度にもう一度就職活動をするために自分から留年することを指します。留年をしているものの基本的に新卒扱いになるので、引き続き新卒として就活ができる点が最大のメリットですね。
- 翌年度に新卒枠での就活を目指してあえて留年すること
就職留年を選ぶ理由は人それぞれですが、以下のような理由から再チャレンジしたいと考えるケースが多いです。
- 勉強やサークルを優先した結果就活ができなかった
- 就活はしたものの卒業間近まで内定がもらえなかった
- 内定はもらえたけど行きたい会社じゃなかった
松下 建都
「行きたくない会社に就職するくらいなら自分が納得のいくまで就活を続けたい」という思いから就職留年を選ぶ人もいますよ。
就職留年と就職浪人の違い
就職留年と似た言葉に「就職浪人」と呼ばれる言葉があります。就職浪人とは、新卒での就活時に就職先が決まらず、学校を卒業してからも就活を続けている状況を指します。
- 新卒での就活時に就職先が決まらず、学校を卒業してからも就活を続けている状況を指す
もっとも違う点は就職留年は「新卒扱い」になるのに対し、就職浪人は「既卒」に含まれることです。既卒になると、経歴に対して不安に思う企業も一定数あることから、新卒の方が就活は有利になりやすい傾向にあります。
スムーズな就職を目指すのであれば、新卒での採用枠は手放さない方が良いでしょう。
米田 有希
ただし、就職留年と就職浪人、どちらが良い悪いというのは人それぞれの状況によって異なります。どちらが良い悪いということはなく、自分が納得できる方を選ぶのが大切です。
就職留年した場合のメリット
- 新卒枠で選考を進められる
- 時間に余裕を持って就活を進められる
- 就活の経験が豊富な状態で就活を進められる
本田 百合香
もし就職留年をするのであれば、留年した期間を有効活用できるよう、どんなメリットがあるのか理解しておくことが大切ですよ。
就職留年の最大のメリットは新卒枠として就活をやり直しできることです。新卒枠の求人に応募できるのはもちろんこと、インターンシップへの参加や大学のサポートなどを受けられるので、就活を有利に進められます。
また、単位を取得していれば翌年度は講義を受講する必要がなくなります。時間に余裕ができて、就活の準備や対策を進められるのも大きなメリットです。
松下 建都
ほかにも、一度就活を経験しているので、就活の流れを一通り理解できているはずです。その経験を活かして、前回よりもスムーズに就活を進められるでしょう。
就職留年した場合のデメリット
米田 有希
就職留年は「新卒で就活に再チャレンジできる」というメリットが目立ちやすいですが、実は多くのデメリットもあります。デメリットも理解したうえで、就職留年すべきなのかしっかり判断してくださいね。
- 大学に通う費用がかかる
- 面接で留年した理由を聞かれる
- 周りからの目が気になりやすい
就職留年のデメリットは、大学に通う費用がかかるという点がまず挙げられます。1年分の学費を用意する必要があるので、家族への負担が大きくなったり、自分で学費を稼いだりと金銭面で苦労しやすくなります。
また、就職留年には選考時のデメリットも。就職留年している場合、企業は「なぜ留年したのだろう?」と疑問に感じます。その疑問を払拭できるような対策も必要です。
本田 百合香
ほかにも、就活がうまくいっている周りの人たちと自分を比べてしまい、落ち込んでしまうことも考えられます。就活を相談できる友人も少なくなるので、精神的につらくなってしまうかもしれません。
就職留年は就活で不利になる? リアルな就職実態をチェックしよう
もしあなたが就職留年を視野に入れているなら、就職留年が就活で不利に働くのかどうかは一番気になるポイントですよね。
ここからは、就職留年は就活において本当に不利なのか、その実態を解説していきます。実態を知ることで、自分が本当に就職留年をすべきなのかどうか見えてきますよ。
また、就職留年した際に、どのように就活を進めていくべきかもわかるようになるので、しっかりとチェックしていきましょう。
留年の経歴がある場合ほぼ確実に聞かれる
就職留年した場合、留年した理由は面接でほぼ間違いなく聞かれます。あなたの表面的な経歴しか知らない企業にとっては、留年の理由まではわからないので「もしかしたら何か問題があるのかも」と不安に感じてしまうのです。
だからこそ企業にとって「なぜ留年したのか」は必ず確認しておきたいポイント。
松下 建都
ほぼ確実に聞かれる質問だからこそ、しっかりと回答を準備しておくのが重要です。本番で回答に詰まってしまうことがないように、企業を納得させられるような留年理由を考えていきましょう。
就職留年が就活で必ず不利になるとは限らない
就職留年の就活は不利になりやすいと言われることもありますが、必ずしも不利になるとは限りません。留年の理由によりますが、内容によっては企業から問題ないと判断されるケースもあるのです。
たとえば、以下のような理由であれば企業側も「そういった理由があるなら仕方ない」と感じ、不利にならない可能性があります。
- プロを目指して部活動に力を入れていたため、就活が思うように進められなかった
- どうしても入りたい会社に絞って選考を進めていたが最終的に落ちてしまった
- 病気にかかってしまって入退院を繰り返したことで就活ができなかった(現在は完治)
米田 有希
ただし、上記のような理由であっても伝え方次第ではマイナスな印象になってしまうことも。企業に不安を解消させる伝え方のポイントはこの先の内容で解説するので、併せてチェックしておきましょう。
留年した理由によっては不利になることもある
先ほど、就職留年は不利になるとは限らないと解説しましたが、理由によっては不利になることも当然考えられます。たとえば、以下のような理由では企業側を納得させるのは難しいかもしれません。
- 自分に合う会社がなかった
- 趣味に没頭してしまい就職活動をおろそかにしてしまった
- 学業をおろそかにしてしまい単位を取得できなかった
たとえば「自分に合う会社がなかった」とそのままに伝えてしまうのはあまり良い印象には映らないでしょう。留年の理由を他責的に受け止めているのではと受け取られてしまい、無責任な印象に映ってしまいます。
また、単位不足も努力が足りないととらえられて悪い印象になる可能性がありますよ。
本田 百合香
留年した理由が不利にならないような回答のコツは、この後解説していくので、そちらを参考にしてくださいね。
留年の期間でどんなことに取り組むかが大切
就職留年した人に対して、企業は「留年期間に何をしていたのか」という疑問も抱きやすいです。留年はどうしてもプラスの印象に映らないので、その期間中に何をしていたか気になるのは当然のことですよね。
企業の疑問を払拭するためにも、留年期間中は何かに精力的に取り組み、選考でアピールできるように準備しておくのが大切です。たとえば以下のような取り組みをしていれば、企業も納得しやすくなるでしょう。
- インターンシップに参加する
- 業務に活きるような資格を取得する
- ボランティアなどの活動に取り組む
- 企業研究や選考対策などの就活に取り組む
松下 建都
サークル活動も取り組む内容としては悪くはないですが、留年期間だからこそ取り組めることを探してみましょう。
就職留年期間中に取り組む内容は、自分の将来的なキャリアビジョンから見つけるのがおすすめです。キャリアビジョンについてはこちらの記事で解説しているので参考にしてくださいね。
関連記事
キャリアビジョンとは? 10例文付きで解説する作成の極意!
面接対策としてキャリアビジョンを考える時、難しく感じることがありますよね。キャリアビジョンを考えるコツは、今と理想の将来像、そこへ近づくためにするべきことを見極めること。この記事では、専門家のアドバイスを交えキャリアビジョンの例文から考え方まで解説していきます。
記事を読む
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
留年期間に取り組む内容として、自分の視野を広げることにチャレンジしてみるのがおすすめです。いつもの学生生活では味わえないことを経験してみると、自己分析に役立つかもしれませんよ。
たとえば、海外に短期留学をして、異文化に触れてみると良い刺激を受けることができます。海外には、日本よりも政治や経済、環境問題などに関心が高い国もあります。そのような国の学生と意見を交わすことは、自分の中の新たな視点に気づくきっかけとなるかもしれません。
また異なる世代の人との交流から学べることも数多くありますよ。高齢者や子どもと交流するイベントを手伝うなど、いつもの仲間以外との関係から学んだことを、選考でのアピールに活用してみてはどうでしょうか。
冷静に判断しよう! 就職留年を選ぶ前に必ずチェックすべき項目
ここまで解説したように、就職留年は必ずしも有利に働くわけではありません。その人の状況や取り組んできた内容によっては不利にもなりえます。だからこそ、自分は本当に就職留年すべきかどうか、冷静に判断しなければいけません。
ここからは、就職留年を選ぶ前に必ずチェックしておきたい3つの項目について解説していきます。チェック項目を参考にして、自分が就職留年を選ぶべきかどうかをしっかりと判断していきましょう。
本当に就職留年するしかないのか自問自答してみたか
- 就職留年を経ての就活が必ずうまくいくわけではない
- ほかの選択肢がないのか冷静に考えてみるのが大切
今就活がうまくいってないから、結果に満足できてないから就職留年するしかないと思い込んでいませんか? 今一度、それがベストな選択なのか自問自答してみましょう。
就活がうまくいかない現状を来年に持ち越して再チャレンジしたい気持ちはとてもよくわかります。ただ、就職留年する以外の選択肢も残されているのではないでしょうか。今から一生懸命就活に取り組めば、内定をもらえる可能性もゼロではないはずです。
- 今一度自己分析と企業研究をやり直して企業に応募する
- 就活がうまくいっている友人からアドバイスをもらう
- すでに働いているOB・OGに相談する
- 大学のキャリアセンターに相談してみる
- 大学の先生から就職先を紹介してもらう
- 就職エージェントに相談して就活を効率よく進める
米田 有希
就職留年したからといって必ず就活がうまくいくわけではありません。自分の状況を冷静に見つめ直して、ほかの選択肢を選ぶことができないのか考えてみましょう。
想定されるデメリットをすべて把握しているか
- 考えられるデメリットをすべて把握して自分への影響を考える
- 自分にかかわるメリットとデメリットを書き出して比較してみる
就職留年を視野に入れた際、得られるメリットばかり見ていませんか? 先ほども解説したように、就職留年にはさまざまなデメリットもあります。
それらのデメリットをすべて把握し、納得したうえで就職留年の道を決心しているでしょうか。 就職留年の理由によっては、就活が不利になってしまうことも考えられます。また、1年分の学費がかかってしまうので、金銭面で苦労することになるかもしれません。
本田 百合香
就職留年をしてから後悔しないためにも、考えられるリスクをすべて把握してから決断するようにしてくださいね。
一人で悩むことなく誰かに相談しているか
- 周りのアドバイスも踏まえて意思決定するのが大切
- 相談することで見えてくるデメリットもある
もし、就職留年するかどうか一人で悩んでいるのなら注意が必要かもしれません。就職留年は人生の中でも大きな決断。そんな大きな決断を自分ひとりの意思で決めてしまうのは危険です。誰かに相談してアドバイスをもらうのがとても大切ですよ。
- 友人
- 家族
- 大学の先生
- キャリアセンター
- 就職エージェント
松下 建都
特に家族には相談しておいた方が良いでしょう。自分がどれだけ就職留年したいと思っても、学費を払ってもらえない可能性もありますよね。周りにもしっかり相談して決断するようにしてくださいね。
さらにいえば、就職に関する知識が豊富な就職エージェントにも一度相談しておくのもおすすめです。あなたの状況を伝えたうえで、本当に留年することがベストなのか、ほかに選べる選択肢はあるのか、専門家の目線から的確なアドバイスをしてもらえますよ。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
「自分ひとりの力でなんとかしよう」と考えることはとても立派です。ただ残念ながら、自分の知識や行動できることには限界がありますよね。
周りの人が持っている知恵を借りた方が、スムーズに物事を進められるかもしれません。照れや恥ずかしさを乗り越え、困ったときに自ら他の人に相談し、アドバイスをもらうことで得られることも多いはず。
意地を張らず、素直になるのはとても大切なことです。周りの人の客観的な視点に基づく助言はとても貴重なものですよ。
就職留年を経ての就活は「納得感のある理由」を固めて企業の不安を解消しよう
就職留年の就活は、留年理由をうまく伝えられなければマイナスな印象に映ってしまうこともあります。つまり、就職留年を経ての就活を成功させるには、「納得感のある留年理由」を固めて、企業の不安を完全に取り除くのがとても大切なのです。
納得感のある留年理由が用意できれば、企業としても安心できるので選考突破も狙いやすくなります。ここからは、選考時に就職留年の理由を伝えるコツや実際に聞かれる質問への回答例文などを解説していきます。
就職留年から内定を目指すうえで欠かせない項目なので、しっかりと対策を進めて、ゴールに近づいていきましょう。
説得力が格段にアップ! 就職留年の理由を伝えるコツ4選
企業側からすると「なぜ留年したのか」は確実に確認しておきたい要チェックポイント。そこでうまく回答して企業の不安を払拭するためには、企業が納得できるような形で留年理由をまとめておく必要があります。
ここからは、留年理由をまとめる方法を含む、説得力が格段にアップする伝え方のコツを解説していきます。就職留年を経ての就活ならではの対策になるので、ここでしっかりと準備して、内定獲得に一直線に向かっていきましょう。
留年した理由は正直に答えることを心掛ける
自分を良く見せたいと留年した理由を盛ったり、嘘をつきたいと思ってしまうかもしれません。しかし、それはやめておきましょう。もし嘘がバレたら、もっとも説得力のない回答になってしまいます。
それに、面接官は何人もの学生を見てきているので、質問への答え方などから留年理由が嘘かどうかはわかってしまいます。仮に嘘をつき通せたとしても、嘘をついてしまった自分に自信が持てなくなってしまうかもしれません。留年した理由は正直に答えることを心掛けてくださいね。
米田 有希
留年した理由を伝えたからといって、必ずしも悪い影響があるわけではありません。正直に伝えることで、あなたの人柄や性格などが魅力的に伝わるメリットもあるのです。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
留年した理由を話す際に、嘘をついたり、ごまかしたりするのはもっともやってはいけないことです。面接官はこれまで多くの就活者と面談を重ねています。嘘と断定できなくても、何だかおかしいな? と違和感を感じるかもしれません。対話の雰囲気そのものが悪くなってしまっては、自分の良さをアピールする機会を失います。
面談の場で、面接官は応募者の本気度を計っています。留年した理由は必ず聞かれる項目です。しっかり分析して正直に伝え、その経験から学んだことを自信を持って伝えられるようにならないと、合格は見えてきませんよ。
留年した理由を結論からわかりやすく伝える
留年した理由をダラダラと話してしまうと話の要点がわからず、面接官に伝わりづらくなってしまいます。
そこで、留年した理由を伝えるときは、話の内容が伝わりやすくなるように結論から伝える意識を持ちましょう。相手に何かを伝えるときは、結論→理由→具体例→結論の順に説明をしていく「PREP法」という手法を活用してみてください。
- PREPとは「結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)」の頭文字で、この順番で述べるコミュニケーションの方法。結論から理由を順番に伝えていくことで、話の内容が相手にわかりやすく伝えられる
本田 百合香
「留年した理由は○○です」と結論から話すことで、聞いている側は話の全体像が理解できます。その後、理由と具体例で内容に説得力を持たせ、最後に改めて結論を伝えましょう。聞いている側もストレスなく話を聞くことができますよ。
留年から学んだことを伝える
留年を失敗と捉えず「留年から学んだこと」を伝えることで、あなたの前向きな姿勢をアピールできます。
就活がうまくいかず就職留年した場合、留年した経験を失敗だと感じるかもしれません。しかし、その失敗は自分に足りないものに気づいた学びととらえることもできます。「就活がうまくいかなかったから来年はこうやって改善しよう」というのも立派な学びなのです。
留年理由を伝える際は、上記のような学びを重点的に伝えるように意識してみてください。企業に「マイナスなこともプラスに捉えられる人なんだな」というポジティブさをアピールできますよ。
- 就職活動をしている中で、自分の本当にやりたいことが見つかったので方向転換したいと思った
- 部活に夢中で必修単位を落としてしまった経験から時間管理を徹底するようになった
松下 建都
留年した原因から目をそらし、こんなはずではなかったという回答はどうしてもマイナスの印象を与えてしまいます。そのような回答になっていないか、しっかりとチェックしてくださいね。
留年期間中に取り組んだことを伝える
就職留年を決めてから就活が本格化するまでには、ある程度の空いた期間がありますよね。その期間を使って自分の成長につながるような取り組みができたと伝えることで、目的をもって留年を選んだことや、意欲的に行動していたというアピールにつながります。
- 勉強に励みスキルを上げる
- ボランティアなどの課外活動に力を入れる
- 読書をして知識や教養を身につける
米田 有希
留年期間中だからこそできる経験は、自信にもつながりますよ。その経験を来年度以降の就活で存分にアピールしていきましょう。
確実に対策しよう! 就職留年の就活で聞かれやすい質問と回答例文
理由を伝えるコツを理解できたところで、就職留年の就活で聞かれる具体的な質問や、その回答例文について解説していきます。具体例を参考に、自分の解答を作る際の参考にしてみてくださいね。
こうした頻出質問対策は、就職留年を経て内定獲得を目指すならもっとも重要な項目です。具体的な質問と回答例文をしっかりと理解して、就活を成功に導いていきましょう。
「留年した理由はなんですか?」
●原因を冷静に受け止めていることを示しつつ、大学を留年した理由を正直に伝えよう!
本田 百合香
企業がもっとも不安に感じるのは、あなたが大学を留年した理由です。選考時、留年していない人と比べてしまい、何かしらの不安を感じてしまうのは仕方のないことでしょう。
ここで大切なのは、留年してしまった正直な理由を伝えることです。留年してしまった事実をごまかそうと、言い訳のような回答をしてしまうのはやめましょう。
留年してしまったのはさまざまな経緯があると思いますが、あくまで自分の責任で留年してしまったと誠意をもって伝えることで、企業の不安を払拭することができますよ。
サークル活動に夢中になってしまい、必要な単位数を取得できなかったことから留年してしまいました。留年してしまった事実は自分でも重く受け止めており、今はサークル活動を控え、単位取得に向けて勉学に励んでいます。
具体的には講義がない日でも大学の図書館に出向き、毎日5時間以上の勉強に取り組んでいます。レポートの提出や小テストなどでも良い結果が出ており、これから始まる期末試験に向け、継続して勉強に取り組んでいく予定です。
留年はしてしまいましたが、この経験を通して勉強への取り組む姿勢を見直したり、継続力を身につけたりすることができたと感じています。
松下 建都
留年した理由をしっかりと受け止め、あくまで自責的にとらえられている点がポイントですね。理由はさまざまあれど、周りのせいばかりにしていると企業も「仕事を任せられないかも」とマイナスに感じます。留年した事実に対してどんな姿勢を取っているかは企業もチェックしていますよ。
「留年期間中はどんなことに取り組みましたか?」
●留年期間中に熱意をもって取り組んだことを伝えよう
「留年期間中にどんなことに取り組んできたのか」は企業が気になるポイントの1つ。留年したことを反省せず、遊びまわっていたとなれば、良い印象は持ちにくいですよね。
留年期間中に熱意を持って取り組んだ経験を伝えて、有意義な時間を過ごしたことをアピールしましょう。経験から学んだことを伝えられれば、学ぶ姿勢までアピールできます。
米田 有希
留年期間に取り組んでいたことの説明があり、留年が自分の人生にとってプラスになったとわかれば「前向きな人なんだな」と、企業もプラスの印象を持ちやすくなります。
留年期間中は自分が目指しているIT業界の資格取得を目指して、勉強に取り組んできました。留年してしまった反省を活かし、試験日から逆算して毎日どのくらい勉強すれば良いのか計画を立てて取り組みました。
アルバイトやサークル活動と両立しながら1日6時間勉強に取り組んだ結果、目指していた資格を取得することができました。
この資格取得は、留年してしまった自分の弱さを改善できたからこそだと感じています。今後は、同じような失敗を起こすことがないように、何事もゴールから逆算して取り組んで成果を出していきたいと思っています。
本田 百合香
留年期間中にしていたことを具体的に伝えられていますね。実際に何にどれくらい取り組んでいたのかをこれくらいリアルに伝えることができたなら、企業としても「無為に過ごしていたわけではないんだな」と安心できるでしょう。
「留年から何か学んだことはありますか?」
●就職留年するにいたった原因に向き合って回答を考えよう
就職留年することになった理由は人それぞれでしょうが、大切なのは留年した理由にしっかりと向き合い、そこからどのような学びを得たのかです。たとえば、「留年はよくなかったので、これからは気をつけます」だけでは曖昧過ぎますよね。
ここで原因に向き合う形で「就職留年のきっかけは部活動に熱中しすぎてしまったから」とまとめ、それから「振り返ってみて、自身の時間管理や優先順位のつけ方に対して大きく反省しました」とし、「これからはこの反省を留年から得た学びとして、行動の改善につなげていきます」とすれば、納得感のある回答でまとめることができます。
留年したという経歴は企業からすれば不安材料となりますが、ここで自らのおこないを客観的に振り返り、これからの行動の改善につなげようとする姿勢をアピールすれば、マイナスな印象は払拭できますよ。
私は留年をした経験から、何かに熱中しているときこそ周りに目を向ける大切さを学びました。
私が留年したのは部活動に力を入れてしまい、就活に時間を割けなかったのが原因です。部活動に集中しすぎて、本来同じくらい力を入れるべき就活をおろそかにしてしまいました。留年をきっかけにそのことに気づき、それからは勉強、部活動、就活を日々の生活にバランスよく取り入れるようにしています。
具体的には毎週末に1週間のスケジュールを立て、時間通りに行動することを意識しています。その結果、時間の使い方がうまくなり、今では就活にも力を入れて取り組めています。
松下 建都
留年した人に対して企業が気にするポイントには「反省を踏まえて次に活かそうとする姿勢があるか」というのもあります。仕事では誰しもが失敗するからこそ、それを活かせるかが大切だからです。この例文ではそういった点を踏まえて、留年を経て何を学び行動してきたかを伝えられているので、企業としても好印象でしょう。
就職留年を経ての就活を成功に導く3つのポイント
ここまで就職留年した場合の具体的な対策方法を解説してきました。ここでさらに内定獲得の確率を上げるためのポイントについて紹介していきます。
あなたの就活をよりスムーズに進めていくためにも大事なポイントばかりです。希望のキャリアをつかむためにも、しっかりとチェックして実践していきましょう。
業界や業種の選択肢を広げる
就職留年するケースの一つに「入りたかった業界や職種を目指したい」という想いがあるかもしれません。
しかし、昨年度の就活でうまくいっていないことを考えると、同じ業界や職種だけを目指すのはリスクが大きいといえます。人気の業界を目指しているのであれば、さらにうまくいかない確率が上がってしまいます。というのも、一度落ちているということはほかの企業から見ても適性がないと判断される可能性があるからです。
同じ業界を受けるのであれば、その業界だけに絞るのではなく、少しでも興味がある業界へ選択肢を広げるのも検討してみてください。思いがけない業界や職種であなたにぴったりの会社が見つかるかもしれませんよ。
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
どうしても入りたい業界があり、就職留年を考えている場合もあるかもしれませんね。その場合は、徹底的に業界のことを調べてみることが大切です。その業界で働く憧れだけではなく、自分がその業界で何ができるのか、何をしたいのかなど、具体的に働き方をイメージできるまで仕事の内容理解を深めてみましょう。
ただ、せっかく調べるなら「この業界しかない」と狭い視野のままではもったいないです。周辺の業界も合わせて調べてみましょう。自分一人の力では理解が深まらないときは、就活エージェントや大学のキャリアセンターに相談し、情報を得ることがおすすめです。アドバイザーと対話を重ねるうちに、この業界もいいかもと選択肢が広がるかもしれませんよ。
- 就職サイトで調べきれていない業界や職種の求人を見てみる
- 大学のキャリアセンターで興味がある業界や職種について相談してみる
- 就職エージェントに相談しておすすめの業界や職種を聞いてみる
自分に向いてる仕事がわからないという場合には、こちらの記事で解説しているので参考にしてくださいね。
関連記事
職種80選|「向いてる仕事がわからない」は2軸の適職分析で克服!
向いてる仕事がわからない状態を抜け出すには「自己理解」と「仕事理解」の2つが大切です。この記事では、専門家のアドバイスを交えて向いてる仕事の悩み別の解説策や職種80選を解説。あなたの仕事が見つからない状況を一緒に解決していきましょう。
記事を読む
できるだけ早めに就活の対策をおこなう
単位の取得がほとんど終わっている状態での就職留年であれば、ある程度時間に余裕があるはずです。その時間を使って就活対策をおこなうことで周りと差をつけられます。
具体的には以下のような対策を進めておくと、就活が本格化したときにスムーズに選考を進めていけます。
- 自己分析や業界研究に時間を使う
- 昨年の就活でうまくいかなかった理由を振り返る
- 就職留年を選んだ理由を固める
- 大学のキャリアセンターを活用して書類や面接の対策をおこなう
- インターンシップに参加する
米田 有希
就活の対策は時間がかかるもの。就職留年したからこそ、周りと比べて時間に余裕があるはずです。その優位性を存分に発揮して対策を進めていきましょう。
選考で有利になる実績を作る
就職留年したことはプラスになりにくいのは事実です。ただ、就職留年の期間中に選考で有利になるような実績を生み出せれば、就活を有利に進めていくことも可能です。たとえば、以下のような取り組みは選考で有利に働きやすいですよ。
- インターンシップに参加する
- 志望業界に関連する資格を取得する
- 志望業界にかかわるアルバイトをする
- 留学をする
本田 百合香
必ずこれをやった方が良いという決まった取り組みがあるわけではなく、自分が成長できると思うことに取り組むのが大切です。留年したことを後ろ向きにとらえず、むしろ人生にとってプラスになったと思えるような実績を作り、選考でも自信を持って伝えていきましょう。
これだけは避けたい! 就職留年の就活で陥りがちな落とし穴
就職留年を選んだならば、今度こそ納得いく結果を出したいですよね。その気持ちはとても大切です。しかし、その気持ちが空回りしてしまい、逆に成功を遠ざけてしまう場合もあるのです。今度こそ就活を成功させるためにも、いったん冷静になり、就活の対策を進めていきましょう。
ここからは、就職留年の就活でやりがちな注意点を3つ紹介していきます。しっかりとチェックし、自分の行動を振り返ってみてください。
落ちてしまった企業や業界だけを狙う
- どんなに対策をしても企業との相性で内定をもらえない可能性があるから
- 視野が狭くなってしまいミスマッチな結果になりかねないから
昨年度に落ちてしまった企業へ何としてでも入社したい! そのように、応募先を絞りたい気持ちがあるかもしれませんね。しかし、それはあまりおすすめできません。特に、大手企業を狙っている場合は注意が必要です。
もちろん、選考対策をしっかりおこなえば内定を獲得できる可能性もゼロではありません。しかし、一度落ちているということは、そもそも企業との相性が悪いことも考えられるので、対策したからといって内定をもらえるとは限らないのです。
松下 建都
就職留年から再度チャレンジをしているからこそ、昨年度に応募しなかった業界や企業にも積極的に応募していくのがおすすめです。
留年した理由を他人のせいにしてしまう
- 他人のせいにすると無責任な印象に映ってしまうから
- 入社後も他人のせいにするのではと思われてしまい印象が悪くなりやすいから
面接の回答で、留年した理由を他人のせいにしてしまうことも避けましょう。他人のせいにしてしまうと「社会人になっても人のせいにしてしまうのでは?」と無責任な印象に映ってしまいますし、そういった人に仕事を任せようとは思ってもらえません。
勤務先の人手不足によってシフトを多く入れられ、結果アルバイトをする時間が増えてしまい就活に時間を割けませんでした。
米田 有希
他人のせいにするのではなく、留年した原因をしっかりと冷静に受け止め、自責的な視点をもちながら反省を今後に活かしていきたいと伝えられたら、「この人は失敗から学べる人なんだな」というアピールにつながります。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
得意なこと、楽しかったことを話すときは、自然と生き生きした表情や話し方になりますよね。ただ、留年の理由を話すとき、自信がないため固い表情で言葉が少なめで、口調もハッキリしないかもしれません。そうならないためには、留年した理由をしっかり分析して、ポジティブに伝えられる練習をしましょう。
特に気を付けたいのは言葉選びです。「自分は悪くない」という気持ちが言葉に出てしまわないよう意識しましょう。「親から反対されたせいで」とか「相談できる人が周りにいなくて仕方がなかった」など、言い訳していると受け止められてしまうような表現はNGですよ。
留年した事実を隠そうとしてしまう
- 履歴書の経歴から嘘をついているのがバレてしまうから
- 嘘をついてしまうと自分で自分の首を絞めてしまう不利な状況になるから
就職留年が不利になると考えて留年した事実を隠したいと思うかもしれません。しかし、それはやめておきましょう。なぜなら、履歴書の経歴から留年しているかどうかは簡単に判断できてしまうからです。
先ほども解説しましたが、留年は必ずしも不利になるわけではなく、理由によってはむしろプラスに働くケースもあります。
本田 百合香
留年したことを隠そうとすればするほど、自分に不利になってしまいますよ。留年した理由をしっかりと整理して、答えられるように準備しておきましょう。
就職留年したときの就活は説得力のある理由を準備して選考突破を狙おう
ここまで、就職留年の実態や就職留年を選ぶ前に必ずチェックすべき項目、就職留年の就活で内定を勝ち取るためのポイントについて解説してきました。
就職留年は就活を再チャレンジできるメリットもありますが、デメリットも多くあるので慎重に判断する必要があります。
それを理解したうえで就職留年を選択した場合は、説得力のある留年理由を答えられるように準備しておくことが大切です。しっかりと準備しておけば、望んだキャリアをつかむことは十分可能ですよ。
この記事で解説した内定を勝ち取るためのポイントをもとに、一緒に就活対策を進めていきましょう。
「就職留年」がどのような意味なのか明確にわからなければ、決断するのも難しいですよね。そこでまずは基礎知識を理解することが大切です。前提が理解できれば、自分が本当に就職留年すべきなのかどうか、見えてくるようになりますよ。