大学院を中退しても就職できる! カギとなる理由の言語化4ステップ

この記事のアドバイザー

就活成功のコツを伝授 大学院中退後の就活を 成功させる5つのポイント

目次

  1. 大学院中退後の就活は不安に思われやすい要素を一つずつ潰すことが重要!
  2. 大学院を中退する人っている? 就職できる? リアルな就活実態を解説! 
  3. ①大学院を中退する人は一定数いる
  4. ②既卒扱いになるため新卒に比べて就活が難航しやすい 
  5. ③大学院を卒業した人よりも収入が下がる可能性がある
  6. あきらめる必要はない! 大学院中退後でも就職できる3つの理由
  7. ①一度大学院まで進学したという実績を評価する企業も多い 
  8. ②大学院で学んだ高度な専門知識は魅力的なアピールポイントになる
  9. ③就活市場では若手人材の需要が高まっている
  10. 大学院中退後の就活はどうなる? 就職成功率を上げる5つのポイント
  11. ①中退後のプランを明確にする
  12. ②空白期間が長引かないよう早めに行動開始する
  13. ③研究分野にとらわれず広い視野で企業探しをする
  14. ④大学院での経験を活かしたアピールをする
  15. ⑤大学院中退者ならではの頻出質問対策をする
  16. 大学院を中退した「理由」を企業が納得する形でまとめることが最重要! 
  17. 面接に役立つ! 大学院中退理由を納得感のある形にまとめる4ステップ
  18. ステップ①大学院に通っていて感じる不満を言語化する
  19. ステップ②大学院を中退しないと解消できない不満を挙げる
  20. ステップ③「〇〇がしたいから」へポジティブ変換する
  21. ステップ④中退理由をふまえたビジョンを立てる
  22. 大学院中退後は効率的な企業探しが重要! 4つの仕事の探し方
  23. ①同じ研究室の知人に聞いてみる
  24. ②求人サイトで「既卒」で検索
  25. ③ハローワークに相談する
  26. ④就職エージェントに相談する
  27. 大学院中退後のビジョンは幅広い視野を持って考えるのがマスト!  
  28. 大学院中退は目的を明確にして慎重に判断し次の一歩を見極めよう! 

大学院中退後の就活は不安に思われやすい要素を一つずつ潰すことが重要!

こんにちは、キャリアアドバイザーの今井です。

大学院の中退を検討している人や、すでに中退して今後の進路に悩んでいる人から、よくこんな相談をもらいます。

大学院中退を考えている人が抱きやすい悩み

「大学院中退」という経歴が就活や今後のキャリアに影響するのではないかと不安になることもありますよね。

確かに大学院の中退経歴は、就活でのあなたの印象に少なからず影響します。場合によってはマイナスイメージにつながることもあるでしょう。その状況を打開するには、明確な大学院を中退した理由が必要です。

この記事では、キャリアアドバイザーのアドバイスを交えて大学院を中退したうえでの就活の進め方や大学院を中退した理由の伝え方について解説していきます。一緒に大学院中退後の就活のコツをつかみ、希望のキャリアを実現しましょう。

大学院を中退する人っている? 就職できる? リアルな就活実態を解説! 

大学院中退後のリアルな就活実態とは

大学院を中退するとなると、その後の就活実態が気になるところですよね。そもそも大学院に進む人があまり多くはないので、大学院中退後の話を聞くことがなく不安が募る場合もあるでしょう。

ここからは、大学院中退者の就活実態について解説していきます。着実な就活対策の第一歩として、実情を把握することから始めましょう。

①大学院を中退する人は一定数いる

「せっかく大学院に進んだのに中退する人なんていないのでは」と不安に思うこともあるかもしれません。しかし毎年一定数の人が大学院を中退しています。

文部科学省が発表している学生の修学状況についての研究データをまとめた「学生の修学状況(中退者・休学者)などに関する調査」によると、2021年の時点で大学院生を含む大学生の中退率は1.95%とされています。

割合を見ると決して多くはないものの、あなたと同じように悩み、中退の決断をした人はいます。「自分以外に大学院を中退した人はいないのでは」と過度に不安に思う必要はありません。大切なのは、今のあなたの状況を見つめてベストな選択肢を見極めることですよ。

松下 建都

松下 建都

大学院を中退した人のなかにも、就活に成功し希望をつかんだ人はいます。大学院中退の経歴によって社会人としての道が閉ざされてしまうわけではないことは覚えておきましょう。

②既卒扱いになるため新卒に比べて就活が難航しやすい 

大学院を中退すると生じる影響として、卒業してからの就活と比較して難易度が上がりやすくなることは覚えておく必要があります。

大学院を中退するデメリット
  • 教授からの推薦がもらえなくなる
  • 既卒扱いになるため新卒よりも選択肢が狭まりやすい
  • 中途採用に応募する場合は採用枠や求人数が少なく倍率が高くなる

大学院中退の経歴がある場合、企業からみれば就業経験のない既卒という扱いになります。新卒の方が応募できる企業が多いため、そもそも企業探しに難航する可能性がありますよ。

大切なのは、こういった大学院を中退するデメリットを理解したうえで決断をすることです。本当に今大学院を中退するのがベストなのか、慎重に検討しましょう。

米田 有希

米田 有希

仮に大学院を中退したとしても、目標を明確にして就活に臨むことで打開できることは覚えておきましょう。この先の内容で解説しているので、欠かさずチェックしてくださいね。

具体的な対策法はこちらの記事で解説しているので、参考にしながら内定獲得へ向けて前進していきましょう。

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③大学院を卒業した人よりも収入が下がる可能性がある

大学院を中退したうえでの就職となると、やはり大学院を卒業してから就職する人に比べて収入が下がってしまう可能性があることは覚えておきましょう。

もちろん大卒の経歴はあるので生活をするには問題のない程度の収入を得られる可能性が高いですが、職種や企業によっては大学院を卒業した人と大学を卒業した人では、年収や初任給の額が変わることもありますよ

厚生労働省が発表している賃金に関する調査結果をまとめた「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、2022年時点での大学院を卒業した人の給料の平均は、25~29歳の統計平均でみるとおよそ28万7,100円です。一方で大学を卒業した人の給料の平均は26万5,200円とされています。

本田 百合香

本田 百合香

ただし、収入については入社後のあなた次第で変わります。大切なのは志望企業でどれほど活躍ができるかです。収入差も挽回できるチャンスは十分にあることを忘れないでください。

本田 百合香

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大学院修了見込みで内定をもらった場合はきちんと卒業しよう

大学院を修了見込みで内定をもらった場合、中退によって経歴が大学卒業に変わるとなると内定取り消しになる可能性があることは覚えておきましょう。

もちろんすべての企業がそうとは限りません。しかし選考の過程で大学院に通っていることをアピールした場合、大学院を卒業できるだけの能力があると見越したうえで採用される場合があります。ここで大学院を中退してしまっては、企業が求めている人物像とかけ離れてしまう可能性がありますよね。

企業側も大学院修了だけが採用理由ではないとはいえ、大学院で学んだ実績を評価して内定を出している可能性は大いにあります。もし企業に内定をもらったとしても、大学院は中退せずにしっかりと修了するのがおすすめですよ。

あきらめる必要はない! 大学院中退後でも就職できる3つの理由

大学院中退後でも就職できる3つの理由

大学院の中退経歴は一見不利に働いてしまうように思えますよね。けれど大学院に通った実績やそこで得た経験は、確実にあなたの役に立つものです。就活にもうまく活かせば希望のキャリアをつかむ手助けになりますよ。

ここからは、大学院中退後でも希望をつかむことができる3つの理由について解説していきます。

①一度大学院まで進学したという実績を評価する企業も多い 

大学院に進学したことで得られる評価
  • 一般以上の教養がある可能性が高い
  • コツコツと努力を続けることができる
  • 専門的な知識がある程度身に付いている

最終的に中退したとはいえ、やはり大学院に進学した経歴はアピールになるものです。大学院に進学できるだけの能力があることの証明になるのはもちろん、目標に向かって努力したあなたの姿勢を評価する企業は必ずありますよ

また大学院に進学したということは、それだけ専門的な知識が身に付いてるということになりますよね。その知識を活かせる分野であれば、あなたの経験は企業にとって大きな魅力になるでしょう。

松下 建都

松下 建都

大学院に進学したという実績は、あなたの魅力でありアピールポイントです。たとえ中退をする結果になったとしても、その魅力は変わらないということは忘れないでくださいね。

②大学院で学んだ高度な専門知識は魅力的なアピールポイントになる

大学院を中退したとしても、そこでは大学の頃よりも一歩先に進んだ知識やスキルを身に付けたはずです。高度な専門知識を少なからず魅力に感じる企業は多いので、しっかりとアピールにつなげることができれば印象アップが狙えますよ。

取り組んでいた研究内容や志望企業で活かせそうな学びなどは、しっかりと整理してまとめておきましょう。場合によってはレポートをポートフォリオとして活かせる可能性もあります。

米田 有希

米田 有希

研究内容をアピールに使うなら、ある程度の結果が出ているものがおすすめです。思うような結果が出なかったとしても、レポートにまとめられる程度までは研究を進めておきましょう。

大学院での経験をアピールする際のポイント
  • 研究レポートをポートフォリオとして提出する
  • ある程度の結果が出たものを厳選してアピールに使う

米田 有希

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大学院での専攻分野への挑戦時は中退理由と目的達成を伝えよう

大学院で高度な専門知識を身に付けたことは、その分野への就職に際して大きなアピールポイントになります。

しかし中退をしたうえで大学院で専攻していた分野の専門職に応募するとなると「どうして中退したんだろう」「研究を途中で投げ出したのでは?」と不安視されてしまう可能性がありますよ。

この不安を解消するには大学院を中退した理由とあわせて、中退するまでにどのような研究をしてきて、どのような成果を得られたのかを具体的に伝えることが効果的です。そのうえで大学院での学びや得たものが、志望企業でしっかりと活かせることアピールしましょう。

③就活市場では若手人材の需要が高まっている

大学院中退後の就活のポイント
  • 就活成功率を上げるために大学院での経験が活かせる仕事を探す
  • 効果的な若手アピールのために早めに就活を始める

少子高齢化の影響で若手人材が不足している業界が多いことも、大学院中退後の就活成功を後押ししてくれるでしょう。

若手人材というだけでも大きな魅力に感じる企業は多くあります。そのうえアピールになるような専門的な知識も持っているとなれば、大学院を中退していても「ぜひとも自社で働いてほしい!」と考える企業もあるはずです

もし大学院中退後のキャリアの方向性が決まっているなら、若手人材であるという強みを活かすためにも早めに行動を開始することが就活成功のカギですよ。

本田 百合香

本田 百合香

未経験の業界に挑戦する場合でも、大学院での経験を活かせる職種を選ぶことで成功率が上がります。入社後にも活躍しやすくなるので、これまでの経験を活かせる仕事を狙うのもおすすめです。

大学院中退後の就活はどうなる? 就職成功率を上げる5つのポイント

大学院中退後の就活は、少なからず難航しやすくなります。だからこそ大学院を中退した人ならではの就活方法を押さえて、着実に準備を進めることが大切ですよ。

ここからは独自の就活法として、大学院中退後の就活の成功率を上げるポイントを解説していきます。この先の内容をしっかりと確認して、着実に希望実現への一歩を踏み出しましょう。

①中退後のプランを明確にする

大学院中退後のキャリアを考えるステップ

大学院中退後の就活の成功率を上げるには、中退後のプランをあらかじめ明確にしておくことが大切です。大学院を中退して何をしたいのかを明らかにして、目的を見失わずに職種・企業選びをしていきましょう

大学院中退後のプランを立てるときに考えたいこと
  • 何の仕事に就きたいか
  • どんな企業が良いか
  • 志望企業で何をしたいか
  • どんなふうにキャリアを積んでいきたいか

ビジョンを明確にすることで、入社後にも目標を見すえた仕事ができ、モチベーションの維持にもつながりますよ。

松下 建都

松下 建都

大学院中退の理由は面接でもほぼ必ず聞かれるので、面接に備えるうえでも入社後のビジョンを立てておくことは大切です。しっかりと考えたうえで就活をスタートさせてくださいね。

米田 有希

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目的意識を持って大学院中退後のキャリアビジョンを立てよう

中退後のプランを立てるときに意識してほしいポイントがあります。

それは、大学院を中退した事実をネガティブに捉えすぎないことです。結果として中退することになったとしても、何かしらの目標があり中退を決意したはずですよね。目的意識があっての中退は、言い換えれば目標に向かって行動を起こした、とも言えるわけです。まずはその気持ちを忘れないでくださいね。

そのうえで大学院で得た経験を活かせる企業と、自分のなりたい姿を焦らずすり合わせていきましょう。別の大学院に編入するにしても、「最終的にはどんな道に進みたいのか」をしっかりと見すえてキャリアビジョンを立てることが大切です。

なかなかキャリアビジョンを考えられないときは、こちらの記事を参考にしてください。キャリアビジョンの立て方や例を紹介しています。

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②空白期間が長引かないよう早めに行動開始する

空白期間が長引くことによって企業が抱く可能性のある疑問や不安
  • なぜすぐに就活を始めなかったんだろう
  • 空白期間に何をしていたのかな
  • 働く意欲はあるのかな

大学院を中退してから就活を始めるまでに長い空白期間が空いてしまうと、企業からは「なぜすぐに就活を始めなかったんだろう」「空白期間に何をしていたのかな」と不安に思われてしまう可能性があります。

1カ月程度の期間なら就活準備をしていたと説明することもできますが、それ以上長引くとしたら納得感のある理由が求められるでしょう。

ここで「腰が重くてなかなか就活を始められなかった」と答えてしまうと、イメージダウンにつながる可能性があります。明確な理由や特別な事情がない限りは、大学院を中退した後はなるべく早めに就活を始めることが大切ですよ

米田 有希

米田 有希

入社後のキャリアアップを考えても、行動は早いに越したことはありません。早いうちに行動し多くの経験を積むことで、入社してからのキャリアの幅が広がることもありますよ。

③研究分野にとらわれず広い視野で企業探しをする

大学院中退後の就活を成功させるには、就活対策だけでなく企業探しにも工夫が必要です。大切なのは、これまでの研究分野やしたいことにとらわれず広い視野で企業探しをすることですよ。

幅広い視野で企業探しをするのにおすすめの方法
  • 適性検査や適職診断を受ける
  • 就職エージェントに相談する

もし大学院での学びを活かした働き方がしたいと思っても、できるだけ業界や職種を限定せずに幅広い視野で企業探しをしましょう。専門的なことを学んでいたとしても、それを何らかの形で活かせる仕事はたくさんあるはずです。

また企業探しをしているうちに興味をひかれる職種に出会ったり、意外にも相性の良い仕事が見つかる可能性もあります。企業探しはなるべく視野を広く持ち、選択肢を広げる気持ちで取り組むことが重要です。

本田 百合香

本田 百合香

新卒に比べると、大学院中退後の就活は選択肢が限られやすくなります。業界や職種を限定しすぎると、そもそも企業探しがうまくいかずにモチベーションが下がってしまう可能性がありますよ。

④大学院での経験を活かしたアピールをする

たとえ中退を選んだとしても、大学院で残した実績や得た知識、経験はあなたの大きな魅力になるものです。大学院中退後の就活で成功を収めるために、大学院で得たものはしっかりとアピールにつなげましょう。

大学院での経験から幅広い分野でアピールできる要素例
  • 集中力
  • 熱意
  • 論理的思考力
  • 粘り強さ
  • 情報収集能力

もし大きな実績がなかったり志望企業に関係する研究をしていなかったとしても、日々試行錯誤しながら研究に打ち込んだ経験は熱意や集中力の高さのアピールにつなげることができますよ

松下 建都

松下 建都

大学院は誰もが進学できるわけではありません。中退したからといって大学院で過ごした日々そのものを負い目とは思わずに、アピールできる部分はしっかりと企業に伝えましょう。

ほかにも大学院に進学したからこそアピールできるポイントをこちらの記事で解説しています。参考にしながらアピールポイントを見つけましょう。

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⑤大学院中退者ならではの頻出質問対策をする

大学院を中退した経歴には、多くの企業が疑問を抱くでしょう。そのため、大学院を中退した経験に関する頻出質問には確実に対策をしておく必要があります。

大学院中退者ならではの質問例
  • なぜ中退を選んだのか
  • 中退前はどんな研究をしていたのか
  • 研究内容をふまえてなぜ自社を志望するのか
  • 大学院を中退した後は何をしていたのか

その裏には「打たれ弱いのでは?」「嫌なことからすぐに逃げ出してしまうかも」「仕事への意欲はあるのかな」という企業側の不安があります。この不安をしっかりと解消しなければ、希望の就職をかなえるのは難しくなりますよ。

大学院に通っていた事実を魅力としてアピールにつなげるためにも、企業側の不安はしっかりと解消しておきましょう。

米田 有希

米田 有希

逆に言えば、この不安を解消できれば就活がスムーズに進みやすくなります。しっかりと対策をして、確実に内定へと前進していきましょう。

大学院を中退した「理由」を企業が納得する形でまとめることが最重要! 

大学院を中退するなら明確な理由を準備しよう!

大学院中退後の就活を成功させるためには、何よりも中退理由を明らかにすることが欠かせません。「なぜ中退したいと思ったのか」「どんな目的があって中退するのか」を深掘りし、中退理由を明確にしましょう。

そのうえで意識するのが、大学院の中退理由が企業にとって納得感のあるものかどうかです。たとえば「研究がつまらなくなって中退をした」では企業からのイメージもマイナスになってしまいますし、何より納得感がありませんよね。

就活をスムーズに進めるためには、自分自身をしっかりと売り込んで採用するメリットを見出してもらう必要があります。中退理由も魅力のアピールにつなげ、企業の不安解消に役立てることで印象アップを狙うことができますよ。

ここでしっかりと自分を見つめ直し、大学院を中退する目的を明らかにして納得感のある理由を考えておきましょう。

面接に役立つ! 大学院中退理由を納得感のある形にまとめる4ステップ

大学院中退を納得感のある形にまとめる4ステップ

大学院を中退したうえでの就活には、納得感のある明確な中退理由が欠かせません。ただそうはいってもなかなか難しいこともありますよね。中退理由が浮かばないときは、順序立てて整理しながら考えてみましょう。

ここからは、大学院の中退理由を納得感のある形にまとめる4ステップを解説していきます。ここで企業の不安を確実に解消できる中退理由を作り、就活をスムーズに進めましょう。

また大学院を中退すると既卒扱いになるため、既卒ならではの対策が重要になります。既卒の面接対策についてはこちらで解説しているので、参考にしてくださいね。

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ステップ①大学院に通っていて感じる不満を言語化する

まずはなぜ大学院を中退したいと思うのか、その理由を明らかにしましょう。些細なことで構わないので、現状で抱えている不満を書き出してみてください。

大学院に通っていて感じる不満例
  • 研究が楽しくない
  • 研究室の教授との関係性が良くない

この点がぼんやりしていると企業へ納得感のある大学院中退理由を伝えることができなくなってしまいます。「嫌なことがあったからただ勢いで中退したのかも」と思われてしまってはイメージダウンにつながるので、しっかりと整理しておきましょう

本田 百合香

本田 百合香

改めて言葉にしてみることで、不満に思うことやあなたの考えを整理できます。悩みを可視化することで解決策が浮かぶ可能性もあるので、ゆっくり自分と向き合ってくださいね。

本田 百合香

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大学院中退の理由が思いつかないなら経験の可視化がおすすめ

大学院を中退したうえでの就職活動に欠かせないのは、今大学院に通っていることに対する不満を言語化して納得感のある中退理由を伝えることです。とはいえ納得感が必要となると、なかなか難しいときもありますよね。ポイントは、まず大学院を中退する理由を自分のなかでしっかりと整理することですよ。

ぼんやりとしていても良いので、辞めたいと思った理由やタイミング、きっかけになった出来事、モチベーションの変化を可視化してみましょう。その際モチベーショングラフなどを使うと原因の特定がしやすくなりますよ。

おおよその原因が見つかったら、マインドマップなどを使ってさらに理由を深掘りしていきましょう。「人間関係が悪い」「研究への興味をなくしてしまった」「ほかにやりたいことができた」など、そこから理由の深掘りをしていくことで納得感のある理由を伝えられるようになりますよ。

ステップ②大学院を中退しないと解消できない不満を挙げる

大学院に通っていて感じた不満が言葉にできたら、次はその不満のなかから大学院を中退しないと解消できない不満をピックアップしてみてください。

大学院を中退しないと解消できない不満例
  • 研究内容とは別の分野の仕事がしたくなった
  • 金銭的な事情で大学院に通い続けることが難しくなった

大学院を中退しなくても解消できるような不満なら、理由として企業に伝えるには説得力に欠けますよね。企業側からも「わざわざ中退して自社に就職する理由はないのでは?」と不安を抱かれてしまう可能性がありますよ

松下 建都

松下 建都

あなたの不満が大学院を中退しなくても解決できると気がつけば、解決に向けて行動をすることも大切です。中退する以外の選択肢も視野に入れておきましょう。

ステップ③「〇〇がしたいから」へポジティブ変換する

大学院の中退理由がピックアップできたら、次はその中退理由をポジティブに言い替えて企業に入社への意欲を伝えましょう。

大学院中退理由のポジティブ変換例
  • 研究に興味を持てなくなった:ほかの分野に興味を持ったため、一刻も早くその分野で実務経験を積みキャリアアップがしたいと思った
  • 大学院での人間関係が悪かった:中退経験から人間関係の大切さを学び、自分からも積極的なコミュニケーションを取るようになった。入社後も密なコミュニケーションを取りチーム一丸となって業務遂行したいと思っている

前向きな理由に変換することで、しっかりとした目的意識があって大学院を中退を選んだことが伝わります。また意欲的に行動を起こすことができる人材というアピールにつなげることもできるので、「〇〇がしたいから」に言い替え前向きな気持ちを伝えましょう。

米田 有希

米田 有希

あなたにも反省の余地がある中退理由なら、その反省点と反省から得た学びを伝えてください。学びを入社後にどのように活かしていくかを伝えることで、マイナスイメージをカバーできますよ。

ステップ④中退理由をふまえたビジョンを立てる

大学院の中退理由が決まったら、最後にその中退理由をふまえた今後のビジョンを考えてみましょう。

ビジョンを立てるうえで考えること
  • 今後どのように活躍したいのか
  • これまで培った知識をどのように活かしていきたいのか
  • そのうえでどんなふうにキャリアアップがしたいのか

中退理由をふまえたビジョンを立てることで、大学院を中退したことに意味や目的があることをアピールできます。この意味や目的が、納得感につながる大きな要素です。しっかりと考えてみてくださいね。

本田 百合香

本田 百合香

もし中退理由から何らかの学びを得たと伝えるなら、それを入社後にどう活かしていくかを伝えましょう。

大学院中退後は効率的な企業探しが重要! 4つの仕事の探し方

大学院中退後の効率的な企業の探し方

大学院を中退した場合、あなたの経歴は既卒になります。既卒は新卒よりも選択肢が狭まりやすく企業探しが難航する場合があるので、企業を探す方法にも工夫が必要ですよ。

ここからは大学院中退後、希望に合った企業を効率良く見つけるための4つの方法を解説していきます。

①同じ研究室の知人に聞いてみる

知人に相談するメリット
  • 専攻していた分野と同じ分野の仕事が見つけやすい
  • 知人の知り合いが働いている企業などを紹介してもらうことで企業探しの視野を広げやすい
  • 最近の就活トレンドを共有してもらえる可能性がある

企業探しをするなら、同じ研究室に所属している知人に就職先をリサーチしてみるのもおすすめです。大学院での学びを活かせる企業を視野に入れている可能性が高いので、専攻していた分野と同じ分野に進みたいと思っているときに役立ちます

気兼ねなくコミュニケーションを取ることができる相手に相談してみることで、就活に前向きになれたりスムーズに就活を進める方法を共有してもらえる可能性もあります。同じ研究室の知人がいる場合は、積極的に頼るのがおすすめです。

松下 建都

松下 建都

ただし大学院を修了する予定で企業選びをしているなら、それだけ難易度の高い企業の可能性もあります。大学院中退後でもチャレンジできるかはしっかりリサーチしましょう。

②求人サイトで「既卒」で検索

求人サイトを使うメリット
  • 多くの採用情報を比較検討できる
  • いつでもどこでも好きなタイミングで企業探しができる
  • 絞り込み検索をすることで希望の企業が見つけやすい

企業探しをするなら、まず求人サイトを使う場合も多いですよね。求人サイトには多くの企業が採用情報を掲載しているので、たくさんの企業を比較検討しやすいのが魅力です。

一方で掲載されている情報が多いからこそ、自分にぴったりな企業が見つけにくい可能性もあります。そんなときは、絞り込み機能をうまく使ってあなたに合った企業を探してみましょう

たとえば「既卒」で絞り込み検索をしたり、フリーワード検索で「大学院中退」で検索してみるのも良いでしょう。大学院に進学した経験をふまえた検索結果も見られる可能性があるので、ぜひ活用してみてくださいね。

③ハローワークに相談する

ハローワークに相談するメリット
  • 求人数が圧倒的に多い
  • 就活対策のサポートも受けられる

大学院を中退したうえで企業探しをするときは、ぜひハローワークの活用も視野に入れてみてください。ハローワークでは、窓口の職員と相談しながら企業を探すことができます。求人数も圧倒的に多く、ある程度条件を絞ってもたくさんの企業を比較検討できるでしょう。

またハローワークでは企業探しだけでなく就活対策のサポートを受けることもできます。書類選考セミナーや模擬面接など、あらゆる就活対策サポートを無料で受けられるので、一度気軽に足を運んでみてくださいね。

米田 有希

米田 有希

ハローワークはいつでも利用できるわけではなく、営業時間が限られていたり土日や祝日は休みの場合もあります。ハローワークを利用しながらの就活はスケジュール管理も重要ですよ。

とはいえ、ハローワークについてよく知らないと利用するハードルが高くなってしまいますよね。こちらの記事でハローワークについて解説しているので、利用前に目をとおしておきましょう。

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ハローワークとは? 使い方や就活に役立つ8つのサービスを徹底解説

ハローワークからは、職業訓練に申し込むこともできます。就活をスムーズに進めるうえで非常に役立つので、こちらの記事で詳細を確認してみてください。

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④就職エージェントに相談する

就職エージェントに相談するメリット
  • 大学院中退経歴をふまえた求人探しをしてもらえる
  • 就活のプロから一対一でサポートを受けられる
  • 非公開求人を紹介してもらえる可能性がある

就職エージェントでは、就活のプロに一対一で相談をすることができます。たとえば「大学院での経験を活かしたい」と伝えれば、あなたの希望に合わせた希望通りの企業を紹介してもらえますよ。

また志望企業の求める人物像にも詳しく、それに合わせた就活対策や面接練習をすることもできます。プロの目線でアドバイスをもらえるので、就活成功に向けて着実に前進することができるでしょう。

本田 百合香

本田 百合香

就職エージェントでは一般には掲載されていない非公開求人を紹介してもらえる可能性もあります。もし就活に少しでも不安があるなら、一度相談してみるのがおすすめですよ。

非公開求人についてもっと詳しく知りたい場合は、こちらの記事がおすすめです。

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大学院中退後のビジョンは幅広い視野を持って考えるのがマスト!  

大学院中退後の進路例
  • 正社員として就職を目指す
  • 非正規雇用からスタートして正社員登用を狙う
  • フリーランスとして仕事を請け負う
  • 別の大学院への編入を狙う

大学院を中退した後の進路は、企業への正社員就職だけとは限りません。大学院に進むことができるだけの実力や、大学院での勉強で得た知識・スキルを活かすことでできることはたくさんありますよ

高度な専門技術を持っていれば、それだけ選択肢が広がります。業界や職種はもちろん、その後の進路自体も視野を狭めずにいろいろな選択肢を検討してみることで、あなたの希望をかなえる術が見つかるでしょう。

松下 建都

松下 建都

ほかに専門的に学びたい分野があるなら、別の大学院への編入も選択肢の一つです。ただ金銭面や編入難易度、社会に出るまでに時間がかかることなどのリスクもふまえ、慎重な判断が必要ですよ。

松下 建都

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大学院で学んだ知識や経験はあなたの選択肢を広げてくれる

たとえ中退したとしても、大学院に進んだことで少なからず専門的知識を身に付けていると思います。その知識や経験は、就活でのあなたの選択肢を広げてくれますよ。中退したからといって、大学院に通っていた時間が無駄になることは決してないと覚えておいてくださいね。

たとえば分野によっては人手不足に陥っており、大学院を中退した経歴があったとしてもぜひとも働いてほしいと考える企業もあるはずです。もし専攻分野で活躍がしたいと思っているなら、そんな業界を狙うのも一つの手でしょう。

これまでとはまったく違った道に歩みたいなら、今持っているスキルを少しでも活かせるフィールドを狙うことで就活にかなり有利になる可能性がありますよ。あなたのこれまでの努力は、たとえ中退をしたとしても必ず今後に役立ちます。将来のビジョンは幅広い視野で見つめ、慎重な選択をすることが大切です。

大学院中退は目的を明確にして慎重に判断し次の一歩を見極めよう! 

ここまで、大学院中退後の就活の進め方やコツ、企業探しのポイントについて解説してきました。

大学院を中退したうえでの就活を成功させるなら、何よりも納得感のある中退理由を見つけるのがマストです。自分としっかりと向き合い、将来を見すえた決断をすることがあなたの就活をスムーズに進めるためのカギですよ。

一緒に大学院中退後の就活のコツを押さえた着実な準備を進め、希望の実現に向かって一歩を踏み出しましょう。

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