目次
- 理想の転職のタイミングとは? 見極めるポイントを理解して最適な時期を見つけ出そう
- 転職のタイミングを計るうえで持っておきたい2つの心構え
- 転職のベストタイミングは人それぞれでまったく違う
- 「自分にとってベストな転職タイミング」を見つけ出すのがなにより大事
- 転職のベストタイミングは自分の状況を分析すれば見えてくる!
- 年齢別で解説! 転職のタイミングと市場でもとめられるスキル
- 22~24歳:ポテンシャルや人柄など人物重視
- 25~29歳:社会人としての一定の経験やスキル
- 30~34歳:専門的なスキルやマネジメント経験
- 35~39歳:高いマネジメントスキル
- 環境から転職のタイミングを探ろう! 求人数が増える時期はいつ?
- 1〜3月:4月入社に向けた積極採用から求人数が増えやすい!
- 8〜9月:10月入社に向けた求人も増えやすい!
- ベストなタイミングを見つけよう! 転職の時期を見極める5つのポイント
- ①現職を離れるのが正解なのか今一度考えてみる
- ②転職したい理由は何なのか言語化する
- ③転職してデメリットはないか考える
- ④転職が思い描くキャリアプランにつながるか考える
- ⑤就職エージェントを活用して転職のタイミングを相談する
- 転職を考えるうえで行動に移すのは避けておきたいタイミング
- 入社してすぐのタイミング
- 繁忙期で仕事が忙しいタイミング
- 景気が落ち込んでいるタイミング
- 転職までの流れを完全理解! 退職~転職までの流れ4ステップ
- ①転職の目的を明確にしてベストなタイミングを考える
- ②転職活動を進めて内定をもらう
- ③会社に退職の意向を伝えて手続きを進める
- ④転職先で働く準備として知識習得や必要なものをそろえる
- 道は転職だけじゃない! 転職以外で自分の状況を変える方法
- 今の会社で異動やジョブチェンジを試みて環境を変える
- 副業を始めて本業以外のスキルや経験を積む
- 状況・時期から自分に合ったタイミングを見極めて理想の転職を叶えよう
理想の転職のタイミングとは? 見極めるポイントを理解して最適な時期を見つけ出そう
転職のタイミングに迷っている人からこのような相談を受けることがあります。転職は大きな決断だからこそ、いつすべきなのか、今すべきなのか、タイミングに迷う気持ちはとてもよくわかります。
結論から言えば、人それぞれで立場も状況も違うからこそ「全員共通の転職のベストタイミング」はありません。それよりも、なりたい将来像をしっかりと固めたうえで冷静に状況を整理して、自分にとってのベストな転職タイミングを見つけ出すことがなにより大切です。
この記事では、キャリアアドバイザーのアドバイスをふまえ、時期・年齢・状況から転職のベストなタイミングを見極める方法、逆に転職を避けたいタイミングなどについて解説していきます。
転職のタイミングは、今後のキャリアプランやライフプランに大きくかかわってきます。転職を通して理想のキャリアを築いていくためにも、ここでしっかりとチェックしておきましょう。
転職のタイミングを計るうえで持っておきたい2つの心構え
いつ転職するのが良いのか? そう転職のタイミングを考えるうえで、まず覚えておきたい心構えが2つあります。
これらの心構えを知ることで、後述する転職のタイミングを見極めるポイントについても理解しやすくなるので、まずはこの2つを前提知識としてしっかり確認しておきましょう。
転職への不安が大きくてタイミングがわからないしなかなか踏み出せない……そんなときは、こちらの記事を参考にしてみてください。あなたの不安を解消するヒントが見つかるはずです。
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転職は不安なことが多いですよね。良い転職先は見つかるのか、転職先でうまくやっていけるのか……そう考えるとなかなか一歩踏み出せない人も少なくありません。この記事では、専門家のアドバイスを交えて転職の不安を解消する方法や成功に導く心構えを解説。一緒に新たなキャリアへ自信に満ちた一歩を踏み出しましょう。
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転職のベストタイミングは人それぞれでまったく違う
転職のベストタイミングっていつ? そう悩む気持ちはとてもよくわかります。ただ、転職のベストタイミングというのは、人それぞれでまったく違うものであるということはまず覚えておきましょう。
たとえば、同じ年齢の転職でも「キャリアアップをしたい」という理由であれば、経験やスキルを積んでから転職しても遅くはありません。
しかし、「今の仕事で得られるスキルがない」という理由なら早めに環境を変えるために転職した方が良いかもしれませんよね。
本田 百合香
「自分にとってベストな転職タイミング」を見つけ出すのがなにより大事
年齢や環境、転職したい理由など、さまざまな要素が絡み合うために、転職のベストタイミングは人によって変わるもの。
そういった前提があるからこそ「自分にとってベストな転職タイミング」を見つけ出すのがなにより大切なのです。
松下 建都
自分にとっての転職ベストタイミングを探す方法についてはこれからじっくり解説していくので、一緒に確認していきましょう!
転職のベストタイミングは自分の状況を分析すれば見えてくる!
先ほども解説したとおり、転職のタイミングは人それぞれの年齢や環境によって変わります。たとえば、同じ仕事に応募するのでも、20代前半と30代後半では企業から見られるポイントがまるっきり変わってきますよね。
また、キャリアアップをしたいのか、キャリアチェンジをしたいのかでも転職のタイミングは変わってきます。
だからこそ、年齢や環境など今の自分の状況を客観的に分析することが重要です。自分のことを理解できていない状態では、転職のタイミングが見えてこないだけでなく、自分に合った転職先を見つけることも難しくなります。
逆に自分の現状を完璧に理解できれば、おのずとベストな転職のタイミングが見えてきますよ。
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
転職のタイミングは個人の状況によって異なるので、共通の「ベストなタイミング」は存在しません。自分の状況や目標に基づいて判断する必要があります。
さらにいえば、キャリアアップやキャリアチェンジを目的とした転職なら、それだけでもまたタイミングは変わってきますよね。転職は重要な決断であり、将来のキャリアに大きな影響を与える可能性があるため、慎重に考える必要があります。
まず、自身をよく理解し、将来のキャリアやビジョンを明確にしたうえで、転職のタイミングを判断していくのが大切ですよ。
年齢別で解説! 転職のタイミングと市場でもとめられるスキル
転職のタイミングを見極めるうえで、年齢は重要な要素の一つ。「この人は〇歳なら△△なスキルがあるだろうし、採用したら活躍してくれるかも」と、その人の年齢によって企業側がもとめるスキルや経験は異なってきます。
自分の年齢なら転職市場でどんなスキルや経験がもとめられるのか理解しておけば、「それが身についているか」で転職のタイミングを計ることもできます。
まだ身に付いていないなら、今の職場で身につけてから転職をしようと目標も立てられますよね。
ここからは年齢別に市場からもとめられるスキルを解説していきます。自分に当てはまる情報をチェックしつつ、ベストな転職のタイミングを見つけていきましょう。
年齢別の転職については、こちらの記事でも詳しく解説していますのであわせて参考にしてみてくださいね。
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22~24歳:ポテンシャルや人柄など人物重視
- 若手人材として見られるのでポテンシャルや人柄など内面が重視されやすい
- 現職とは異なる業界や職種へのキャリアチェンジが比較的しやすい
- 早期離職の経歴を不安に思われやすい
22〜24歳は第二新卒とも呼ばれており、一般的に学校を卒業後、企業に新卒入社してから1〜3年が経っているうえで転職を考えている人を指します。
米田 有希
第二新卒は若手人材としての転職になるので、現職とは異なる業界や職種へのキャリアチェンジがしやすいタイミングともいえますね!
第二新卒を転職のタイミングに選ぶなら、自身が若手人材として見られることは覚えておきましょう。まだ社会人経験も少ないことは企業もよくわかっているので、ポテンシャルや人柄など内面を重視した評価をされやすい傾向にあります。
ただ、このタイミングでの転職は前職を短期間で辞めているケースが多く、企業からは早期離職の経歴を不安に思われることも。
「またすぐ辞めてしまわないかな?」と懸念を抱かれやすいタイミングでもあるので、転職先では長く働けることをアピールすることが大切ですよ。
第二新卒の転職事情はこちらの記事で詳しく解説しています。第二新卒で転職を考えている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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25~29歳:社会人としての一定の経験やスキル
- キャリアアップの転職なら経験やスキルが見られやすい
- キャリアチェンジの転職ならポテンシャルを見られやすい
本田 百合香
25〜29歳を転職のタイミングに選ぶなら「キャリアアップ」と「キャリアチェンジ」どちらの転職をするかで見られるポイントが変わってきます。
キャリアアップを目的とした転職であれば、これまでのスキルや経験での実績を評価されやすい傾向にあります。もし、今の仕事で自信を持って話せる実績がまだないのであれば、まずは着実に実績を積み上げてから転職を考えるのも一つの手です。
キャリアチェンジを目的とした転職の場合は、22〜24歳と同様に「新たな環境でも挑戦していけるか」というポテンシャル面が重視されます。
一方で、22〜24歳と比べると年齢を重ねている分、経歴や実績などポテンシャル以外の面も見られやすいのも特徴の一つです。
松下 建都
これまでの経験に加えて、人柄や性格を強くアピールするのが大切です。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
上記以外にも、20代での転職ではコミュニケーション能力がもとめられる傾向にあります。20代は先輩から学ぶこともあったりと、社内において活発に人と話すタイミングが多くあります。だからこそ、そういった場面で問題なくコミュニケーションが取れるか、というのは企業にとっても重要なポイントと考えられています。
また、チームワークや顧客対応がもとめられる職場では、良好な人間関係を築くことが不可欠です。円滑なコミュニケーション能力や協力関係の構築ができることは、評価される大きな要素です。
上司やほかのメンバーとの信頼関係を築き、意見やアイディアを共有し合いながら、目標に向かって取り組む能力がもとめられやすいと覚えておいてくださいね。
30~34歳:専門的なスキルやマネジメント経験
- 即戦力と期待されるので専門的なスキルを持っているかを見られやすい
- マネジメント経験を活かした転職も多い年代
- キャリアとライフプランのバランスを見ながら転職するのも大切
30歳以降ともなれば、キャリアとしては中堅の域。転職市場においては社会人としての経験はもちろんのこと、積み上げてきた専門的なスキルやマネジメント経験の有無などが見られます。
即戦力として期待されやすい年齢なので、これまでの経験から専門的なスキルを持っていることをアピールしていきましょう。
また、30歳以降の転職ともなれば管理職の募集も増えてきます。応募するのであれば、マネジメント経験のアピールは必須。これまでの経験で話せる内容がないか振り返っておきましょう。
松下 建都
ほかにも、ライフプランを見つめ直すタイミングでもあります。キャリアとライフプランのどちらも考慮しながら、条件に合う転職先を探してみてくださいね。
35~39歳:高いマネジメントスキル
- 高い専門スキルや管理職・マネジメント経験を活かした転職が多くなる
- マネジメント経験も30代前半より高い経験がもとめられやすい
- 年齢を重ねているので社風や文化に適応できるかどうかも見られやすい
この年齢になると、「高い専門スキルを活かした転職」もしくは「管理職・マネジメント経験を活かした同業種への転職」のどちらかが一般的です。
マネジメント経験については、「多数の部下をマネジメントした経験がある」「課長や部長など管理職として活躍した」など、高いスキルがもとめられやすくなります。マネジメント経験の有無に転職の成功が左右されやすいので、これまでの経験を活かした転職が可能か見極めることが重要ですよ。
本田 百合香
年齢を重ねていることもあり、転職先の社風や文化に適用できそうかという点も見られやすいポイントです。転職の際は、転職先の社風に自分の性格が合っているかも見極めていきましょう。
環境から転職のタイミングを探ろう! 求人数が増える時期はいつ?
転職市場を見てみると、実は毎月ずっと同じ求人数というわけではありません。1年の中で求人数が増えるタイミングが明確にあります。
企業によっては、この時期にしか求人を出さなかったり、採用者数を増やしたりする場合もあるので、時期を見極めたうえで転職を進めていくことが重要です。
ここでは、転職のタイミングに適した求人数が増えやすい時期を解説していきます。より多くの転職先を見定めて、転職の可能性を広げるためにも、ぜひ参考にしてくださいね。
1〜3月:4月入社に向けた積極採用から求人数が増えやすい!
- 一年でもっとも求人数の増えるタイミングなので転職のチャンス
- 求人数が増えるにつれてライバルも多くなる
もっとも求人数が増える時期は、1〜3月にかけてです。4月は新年度となり社内異動や新入社員の受け入れなど、新しく体制を強化するタイミングになることが多いもの。その時期に合わせて、転職者についても積極的に採用する傾向があるのです。
松下 建都
普段は求人を出していないような企業も積極的に求人を出す時期です。選択肢が増えるので転職のタイミングには適している時期といえますね。
ただし、ほかの求職者も同じように考えているので、ライバルが多くなる時期でもあります。求人数が増えれば応募する企業の選択肢は増えますが、競争が激しくなりやすいことは理解しておきましょう。
8〜9月:10月入社に向けた求人も増えやすい!
- 1年のうち2番目に求人数の増えるタイミングなので転職のチャンス
- 4月入社に比べて即戦力の人材がもとめられやすい
次に求人数が増えるのが10月入社に向けた8月〜9月にかけてです。10月は4月の次に組織体制を見直されやすいタイミング。企業は転職者を積極的に採用しようとするので求人数が増えてきます。
ただし、入社時期が年度途中ということもあり、4月入社の人材よりも即戦力で活躍できる人がもとめられやすいという実態も。転職したい理由と併せて、10月入社が適切なのか見極めることが大切です。
松下 建都
4月に比べると求人数は少ないですが、より多くの求人から転職先を探し出せるタイミングなので、転職の時期としてはおすすめですよ。
ベストなタイミングを見つけよう! 転職の時期を見極める5つのポイント
「転職に適したタイミングはわかったけど、自分にベストなタイミングなのかわからない」。そう悩むこともあるかもしれません。
そこで、ここからはベストな転職のタイミングを見極めるための5つのポイントを解説していきます。転職した将来のイメージを明確にしていき、自分にとっての転職のベストタイミングを見極めていきましょう。
①現職を離れるのが正解なのか今一度考えてみる
転職のタイミングを見極めるうえでは、そもそも今の自分が転職すべきなのどうかを確認するのが大切です。そこでまずは「今の会社を離れるのが本当に正解なのか」を考えてみましょう。
転職すると今までとは違う会社の文化や風土を受け入れたり、人間関係を新しく築いていく必要があります。住む場所だって今とは違うところに引越さなければならないかもしれません。
転職は環境そのものが変わる大きな決断になるからこそ、どんな結果が待っているのか冷静に考え判断することが大切です。現職に残るべきかの判断は、以下の基準を参考にしてみてください。
- 何を不満に感じているのか
- その不満は転職をしないと本当に解決しないのか
- その不満を解決できるのはどんな環境か
本田 百合香
もし、上記に当てはまる項目があれば、今すぐ転職を決断する必要はないのかもしれません。一度立ち止まって現職を離れるのが正解なのかよく考えてみましょう。
②転職したい理由は何なのか言語化する
転職したい理由を明確にしなければ行動の軸が決まらず、なんとなく転職先を決めてしまう可能性があります。それでは、理想の転職が叶えられたとはいえず、転職をするうえでベストなタイミングを見極めることも難しいです。
自分が転職したい理由は何なのか、言語化しておくことが大切です。言語化することで、なぜ自分は転職したいのかがはっきりとわかるようになります。たとえば、以下のような理由を言語化しておくと、転職する目的が明確になりますよ。
- 新しいスキルを身につけたい、経験を積みたい
- スキルや経験を活かしてキャリアアップしたい
- 収入を上げたい
- ワークライフバランスを整えたい
松下 建都
言語化できたら、転職先にもとめる条件に優先順位をつけてみましょう。この優先順位をもとにすることで、次の仕事や転職先を選ぶときの条件が明確になりますよ。
もし今ストレスを抱えていて「会社に行きたくない」と思っているなら、こちらの記事も参考にしてみてください。あなたのストレスを解消する糸口になるかもしれません。
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③転職してデメリットはないか考える
次に考えておきたいのが、転職することによるデメリットです。デメリットを把握せずに転職してしまい、思いがけない影響を受けてしまうことも。デメリットには、以下のような例が挙げられます。
- 新しい環境や人間関係に慣れるまでが大変
- 仕事を一から覚える必要がある
- 年収が下がることもある
転職すると新しい環境に慣れるまでに時間がかかったり、人間関係もリセットされてしまいますよね。また、転職したからといって必ず年収が上がるわけでもありません。キャリアアップの転職ではなく、未経験の転職であれば、年収が下がってしまうなんてことも。
上記のデメリットをふまえても転職によるメリットの方が大きいと判断できたなら、転職のタイミングとしては問題ないといえるかもしれませんよ。
キャリアチェンジを目指して未経験の職種にチャレンジするときは、こちらの記事も併せて参考にしてみてください。
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④転職が思い描くキャリアプランにつながるか考える
転職は自身のこれからのキャリアにかかわる大きな決断です。今すぐ環境を変えられる短期的な視点だけでなくて、今転職することが思い描いているキャリアにつながるかという、中長期的な視点も持つことが大切です。
たとえば、現職で今後マネジメント経験を積める予定があるとします。それならマネジメント経験を積んでから転職した方が、より良いキャリアにつながる転職が叶えられるかもしれませんよね。
逆に現職でこれ以上学ぶことがないと感じているなら、別の会社でキャリアアップを狙った方が良いかもしれません。
米田 有希
今の自分のスキルとこれからのキャリア像を踏まえて、転職のタイミングを見極めるようにしてみてください。
⑤就職エージェントを活用して転職のタイミングを相談する
「自分で決めた転職のタイミングは本当に合っているかな?」と迷っているのであれば、就職エージェントを活用するのもおすすめです。
就職エージェントは、転職に関する求人を紹介するだけでなく、キャリアプランやライフプランの相談にも乗ってくれます。
あなたの状況を踏まえたうえで、適切なアドバイスをくれるので、自分に合った転職のタイミングを見極めやすくなりますよ。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
転職エージェントを活用することで、自分だけでは得ることが難しい多くの情報が得られ、転職のタイミングを見極めやすくなりますよ。
転職エージェントは業界の動向や需要の変化、求人動向などの広範な情報を持っています。これらを提供してもらうことで、自分が希望する業界や職種、ポジションなどの現状を把握し、需要が高まっているタイミングやチャンスを見極めやすくなるのです。
また、転職エージェントは多くの求人情報を保有しており、通常の求人サイトでは公開されていない非公開求人や、企業との密な関係から紹介できる求人などの情報も持っています。転職エージェントを通じて得られる求人情報は、自分だけで探すよりも多岐にわたり、適切な転職のタイミングを見つける一助となりますよ。
転職を考えるうえで行動に移すのは避けておきたいタイミング
- 入社してすぐのタイミング
- 繁忙期で仕事が忙しいタイミング
- 景気が落ち込んでいるタイミング
冷静に状況を整理していけば自分にとってベストな転職タイミングは見極められると解説しましたが、逆に転職を避けておきたいタイミングも存在します。
転職活動が不利になりやすいタイミングで転職をスタートしてしまうと、活動がうまく進まず、転職へのモチベーションが下がってしまうかもしれません。
そのような事態を避けるためにも、これから解説する3つの避けておきたいタイミングを理解して、自分にとってベストな転職のタイミングを見極めるうえでの参考にしていきましょう。
入社してすぐのタイミング
本田 百合香
「入社してすぐ」は転職を考えるなら避けておきたいタイミングの1つ。入社後3カ月以内にやめてしまうと早期退職扱いになり、企業から「転職してもまたすぐに辞めてしまうのでは?」という印象を持たれてしまう可能性が高いのです。
企業から早期離職を不安がられている状態では、転職活動がうまくいかず、思い通りの転職が叶えにくくなってしまいます。
入社してすぐのタイミングで転職を考える際は、まずはなぜ転職したいのか、その理由を明確にしてみてください。たとえば、「仕事で活躍できない」が理由なのであれば、仕事に慣れることで改善する可能性もあるなど、冷静に状況を分析できます。
それに、転職理由をしっかりと固めておけば納得感のある説明ができるので、早期離職を経ての転職であっても企業の不安をしっかり解消することも可能です。
入社してすぐのタイミングで転職をする場合にすべき対策や準備についてこちらの記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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第二新卒として就活を始めようとするとき、「第二新卒はやばい」と言われたことがある人もいるのではないでしょうか。第二新卒は企業からの懸念を抱かれやすいもの。まずはその解消がマストです。この記事では、そんな企業の懸念解消法や求人の探し方を専門家と一緒に解説しています。
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繁忙期で仕事が忙しいタイミング
繁忙期の転職も適したタイミングとは言えないかもしれません。というのも、繁忙期は会社全体が忙しく、転職を引き止められたり、周りの先輩・同僚に負担をかけたりしてしまう可能性があるからです。
松下 建都
また、あなた自身も繁忙期中は忙しくて、転職の準備もままならないかもしれません。十分な準備ができないまま転職をするとなれば、ベストなタイミングを見極めることも難しいですよね。
ただ、そういった忙しさが転職の動機となっているなら、思い切って転職するのも1つの手。
繁忙期とはいえ求人がないわけではないので、転職を決心したなら、まずは転職サイトに登録だけしてみるなど、できるところから始めていきましょう。
景気が落ち込んでいるタイミング
景気が落ち込んでいるときは全国的に求人数が減ってしまうため、転職するのに適したタイミングとは言いづらいです。
企業の業績が悪化して採用人数を減らしたり、そもそも募集をしなくなったりする会社もあります。そうなると、自分に合う会社が見つかりづらくなり、思っていたような企業への転職が叶えられない可能性も。
今の景気を知りたいときは、景気動向指数や景気ウォッチャー調査を参考にしてみましょう。これらはテレビでも報道されるのでチェックしておくと、景気が落ち込んでいるのか、上向いているのかわかるようになりますよ。
本田 百合香
今すぐに会社を離れたいという強い理由がない場合は、景気が回復してから転職のタイミングを見定めることを意識してみてくださいね。
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
景気が落ち込んでいるタイミングでは、なかなか転職に踏み切るのが難しいですよね。もし、どうしても転職をしたいのであれば、以下の点を意識したり、情報収集したりすることをおすすめします。
・不況にも強い業界や企業について調査する
不況にも強い業界、安定性のある企業に転職することは、将来の安定性を考えるうえで重要です。景気が不安定なときこそ、景気の影響を受けにくい業界や企業、需要のある職種を選ぶことで、転職後も安定した環境で働くことができるでしょう。
・学習とスキルの習得
景気が落ち込んでいるときは、採用における競争が激しくなる傾向にあるため、自身のスキルや知識を向上させることが重要です。新しい学びやスキルの習得のために資格取得や自己学習、自己啓発に取り組むことでアピールする幅を広げることができますよ。
転職を考える際には、景気の動向も把握しつつも、自身の状況や目標に合わせて戦略を練り、行動することが重要です。
転職までの流れを完全理解! 退職~転職までの流れ4ステップ
転職のベストなタイミングを見極めた後は、実際に転職活動を進めていく段階に入ります。タイミングを見極めることはもちろんですが、その後の転職活動までの流れもしっかりと理解しておくことが、スムーズな転職活動につながります。
ここからは転職のベストなタイミングを見極めた後にどんな行動をすればいいのか、4ステップで解説していきます。いざ転職をするとなった段階で迷うことがないよう、一緒にチェックしていきましょう。
①転職の目的を明確にしてベストなタイミングを考える
- 「何月から転職先に入社するか」「何月までに今の会社を退職するか」の2つを決める
- 退職する際は1カ月前に申し出る必要がある
- 有休を消化する場合はさらに余裕を持ったスケジュールを設定する
米田 有希
まずは、これまで解説した内容をもとに自分に合ったベストな転職のタイミングを設定しましょう。これが決まらなければ、転職活動を開始してから退職までスムーズに進めることができません。
具体的には「何月から転職先に入社するか」「何月までに今の会社を退職するか」を考えます。
一般的に、退職する際はその旨を1カ月前に申し出る必要があるので、それも見越して退職と入社のタイミングを設定しておきましょう。有給消化をするならさらに余裕を持って設定しておくと、安心して転職活動を進めることができますよ。
②転職活動を進めて内定をもらう
- 転職活動のことは今の職場であまり話さない方が良い
- 内定をもらい転職を決意してから伝えるのがおすすめ
転職のタイミングを決めた後は、実際に転職活動を進めていくことになります。自分の環境やキャリアを踏まえて理想となる転職先を見つけたら、着実に対策を進めて選考にトライしていきましょう。
職場の雰囲気や人間関係によって対応は変わりますが、転職活動していることを今の職場でおおっぴらには話さない方が良いでしょう。伝えてしまうと、辞めてほしくないという思いから引き止めにあったり、退職までの仕事に影響が出たりする場合もあります。
松下 建都
会社の上司や同僚には、転職先から内定をもらい、転職することを決意してから伝えるのがおすすめですよ。
③会社に退職の意向を伝えて手続きを進める
- 直属の上司に退職したい旨を伝える
- 退職の手続きや業務の引継ぎなどをおこなう
- 引継ぎがスムーズに進むように引継ぎ資料を残しておく
転職先が決まり、入社のタイミングまで決まったら今の会社へ退職の意思を伝えましょう。伝えるのは勇気が要りますが、しっかりと説明すれば会社も納得してくれますよ。
まずは直属の上司に退職したいと伝えましょう。その後、退職の手続きや業務の引継ぎなどをおこないます。
退職届は上司から指示があるので、その内容に従って提出してくださいね。また、転職後の業務に支障をきたしてしまわないよう、業務の引継ぎは漏れなくおこないましょう。
米田 有希
自分の担当していた業務の引継ぎがスムーズに進められるよう、引継ぎ資料を残しておくことも大切ですね。
④転職先で働く準備として知識習得や必要なものをそろえる
- 本や業界誌から業界の知識を得る
- 転職先に提出する書類の作成や備品の準備なども進めておく
退職の手続きが完了したら、転職先で働く準備も進めていきます。
違う業界へ転職するのであれば、本や業界誌から業界の知識を得ることで、転職してからスムーズに仕事を進められますよ。
また、転職にあたっての必要書類の作成や備品などの準備をもとめられる可能性もあります。その場合は、出社までに必要なものをそろえて、出社当日に忘れることがないように注意しましょう。
道は転職だけじゃない! 転職以外で自分の状況を変える方法
環境を変えたいという思いから転職しか選択肢がないと思い込んでいませんか? 実は、自分の状況を変えるには転職以外の方法もあります。転職するしかないと思い込まず、転職以外の選択肢を知っておくことも大切ですよ。
ここでは、自分の状況を変える手段として転職以外の方法を解説していきます。理想のキャリアや環境を目指すうえで、転職以外の方法もぜひ視野に入れてみてください。
今の会社で異動やジョブチェンジを試みて環境を変える
今の会社で仕事内容に不満がある場合、異動やジョブチェンジを試みることで、自分の状況を変えることができます。
社内での異動やジョブチェンジが成功すれば、自分が望んだキャリアや環境が手に入り、転職しなくて良くなるケースもありますよ。
会社によっては、社内公募制度によるジョブチェンジを積極的に取り入れている会社もあります。会社そのものではなく、仕事内容に不満がある場合は、異動やジョブチェンジから環境を変えることも考えてみてくださいね。
副業を始めて本業以外のスキルや経験を積む
今の仕事だけでは将来のキャリアが不安。それなら、本業に力を入れるだけでなく、副業を始めてスキルや経験を積み、自分の状況を変えることもできます。
副業は今の環境を大きく変えることなく、新しいことにチャレンジできるのが大きなメリット。いきなり転職して環境を変えるよりもリスクが低く、さまざまな経験を積むことが可能です。
本田 百合香
今の会社を続けたい気持ちもあるけど、新しいことにもチャレンジしたい。そんなときは、まず副業を通してスキルや経験を積んで、自分の状況を変えることも検討してみましょう。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
転職以外で自分の状況を変える方法として、仕事以外の時間を充実させることも1つの方法です。
仕事がない休暇や休日を活用してリラックスによって心身の疲労を癒やし、仕事に縛られることなく自分の時間を楽しむことで、リフレッシュした気持ちで仕事に取り組めます。
また、趣味や興味のある活動にも時間を割り当て、自分が楽しんで没頭できる活動に取り組むことで、ストレス解消や自己成長につなげることができます。さらに、趣味や興味のある分野での活動を通じて、新たな人脈や経験を得ることも可能です。
これらの方法によって、ワークライフバランスを改善し、自分自身の状況を変えることができます。仕事に没頭するだけでなく、充実したプライベートの時間を過ごすことで、自分の状況を変化させ、より人生を豊かなものにすることができますよ。
状況・時期から自分に合ったタイミングを見極めて理想の転職を叶えよう
転職のきっかけや転職のタイミングの見極め方、さらには転職を避けるべきタイミングなど、自分に合うベストな転職のタイミングを見つける方法について解説しました。
転職は年齢や環境、転職したい理由など、その人の状況によってベストなタイミングが変わってきます。タイミングを見極めるのは簡単なことではないので、漠然と転職したいと思っているだけでは、理想のタイミングを見つけることは難しいでしょう。
しかし、ここまで解説をしてきた情報を参考にして、年齢や時期、現状などを把握できれば、自分に合ったベストな転職のタイミングを見極めることができます。そのうえで、正しい手順で転職活動を進め、理想の転職を叶えましょう。
転職のタイミングはその人の置かれている状況によって、ベストなタイミングが変わってくるものなのです。