【小論文の例文】構成方法と執筆のポイントを解説|頻出テーマ例あり

この記事のアドバイザー

目次

  1. 小論文を書くのが苦手な就活生は多い
  2. 小論文と作文は違う
  3. 企業がESではなく小論文を求める理由
  4. 小論文の文章構成法
  5. 序論
  6. 本論
  7. 結論
  8. 書き方で注意したい2つのポイント
  9. ①5W1Hに沿って一貫性のある文章にする
  10. ②根拠や具体性がある表現を意識する
  11. 出題されやすいテーマ一覧と例文
  12. ①時事問題や一般論
  13. ②志望業界・業種・就職について
  14. 例文を参考にしながら小論文を書いてみよう

小論文を書くのが苦手な就活生は多い

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就活生から

「小論文が苦手」
「どういう風に書けばいいのかわからない」

という声を多く聞きます。小論文は大学で書くことがあるでしょうが、人によっては全く経験したことがない場合もあり、就活で初めて出くわすということもあるでしょう。小論文の難しさは書き方のルールにあり、一定のルールに則っていないとそもそも小論文として体をなしません。

つまり、内容に関係なく、小論文として認められるかどうかがスタートラインで、この前提条件の部分でつまづいてしまう人は多いでしょう。小論文を上手に書くには、基本のルールやポイントを知ることが大切です。例文も参考にしながら、小論文の対策を念入りにおこない選考もスムーズに攻略しましょう。

小論文の詳しい書き方についてはこちらの記事で細かく説明しています。併せて読んでおくと良いですね。

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小論文と作文は違う

そもそも小論文と作文は全くの別物で、たとえテーマが同じだとしても書き方は異なります。作文は単に自分が思った通りに書く文章であり、そこには個人の主観や感想といった要素が多く含まれます。読書感想文がいい例で、本を読んだ上で自分がどのように感じたかを自由に書くことができ、個人の主観が主な構成になります。

それに対して小論文では主観をできるだけ排除し、事実に基づいて文章を作成することを求められます。つまり、自分がどのように思うかだけではなく、それを裏付ける事実や根拠を用いて、説得力のある文章を書くと考えると分かりやすいでしょう。いわば小論文は客観的、作文は主観的な文章とも言えます。

作文についてや書き方の説明はこちらの記事が詳しいです。ぜひ読んでみてください。

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企業がESではなく小論文を求める理由

小論文のテーマはESの設問に含めてもよさそうですが、企業はなぜ小論文形式にこだわるのでしょうか。そもそも、ESは提出までにある程度の期限が設けられているので、じっくり時間をかけて作成することができます。一方、小論文は試験会場で制限時間内に作成するケースが多いです。

つまり、企業は学生に小論文を制限時間内で作成させることで、ESでは把握することができない思考力や文章力をみているのです。実際、小論文を書いた就活生からは「時間が足りなかった」「考えがまとまらなかった」などの声をよく聞きます。試験会場で十分に力を発揮するためにも、事前に小論文の作成ポイントをおさえておくことが大切です。

小論文の文章構成法

構成法
  • 序論 テーマに対する自分なりの答えを明確にする
  • 本論 根拠づける
  • 結論 主張を明確にする

小論文として成立させるには、文章構成にこだわる必要があります。構成の時点で間違えてしまうと小論文の体をなさず、評価の対象にすらならない可能性もあります。また、文章構成を乱してしまうと、文章が伝わりづらくもなるため注意が必要です。構成を守って書くのは、相手に内容を伝えやすくするためでもあります。小論文は大きく3つの構成に分けられているため、それぞれ何を意識すべきか知っておきましょう。

序論

序論とはいわば導入の部分であり、小論文ではこの時点で一度結論を提示しなければなりません。小論文ではテーマが与えられるため、そのテーマに対する自分なりの答えを冒頭で明確にしておきましょう。最初に結論を提示することで、以降の文章はそれを説明するため、納得させるために書かれたものという意思表示にもなります。

最初に方向性を示しておくと文章も簡潔にまとめやすく、必要以上に長くなるのを防げるでしょう。結論を後回しにすると何を伝えたいのかが分からず、全体的に難解な文章になりやすいです。序論は問題提起の部分で起承転結の「起」に該当するため、ここで文章全体の骨格を提示しておきましょう。

本論

本論は序論で提示した内容を受け、それを説明、根拠づけていく部分です。小論文の中ではもっともボリュームが多くかつ重要な部分でもあるため、念入りに書かなければなりません。結論を提示して自分の考えを示すことは大切ですが、それだけでは主張の正当性が評価されないため、細部まで説明して説得力を高める必要があります。

小論文は自身の主張がいかに正しいのかを説明する文章でもあるため、本論の部分でどれだけ根拠づけができるか、説得力を高められるかが重要です。仮に序論で素晴らしい問題提起ができていても、後に続く本論の内容が弱いと、文章全体で見た評価は下がってしまうため、注意しなければなりません。

結論

序論と結論の違いは、本論の説明を受けて答えを提示しているかどうかであり、結論部分では本論の流れのままに最後の地点に到達することが大切です。ざっくり言えば、序論は仮説立て、本論は検証、結論が証明とイメージするといいでしょう。

本論でしっかり説明づけたものを再度提示して自身の主張をもう一度明確にすることで、よりインパクトのある締めくくりとなります。結論を書く際は、簡潔に提示するのはもちろん、序論と主張が変わっていないか確認も必要です。本論を書いているうちに、主張が180度変わってしまうということも多いため、最初と最後で意見が変わらないよう注意しましょう。

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書き方で注意したい2つのポイント

就活生

小論文って何書けばいいのかわからなくて、なかなか最後まで書けません。

キャリア
アドバイザー

最後まで書くためにも、盛り込んでいく内容を見ていきましょう。

小論文は細かい書き方にもポイントがあり、文章構成と合わせて意識することが大切です。文章構成は小論文の骨格作りであり、細部の書き方はそれに肉付けをする作業です。骨格がきちんとできていても、肉付けができておらず内容がないと、高評価を獲得するのは難しいため注意しなければなりません。小論文の内容を充実させて上手にアピールするには、2点のポイントを意識することが大切です。

①5W1Hに沿って一貫性のある文章にする

5W1H
  • いつ(When)
  • どこで(Where)
  • 誰が(Who)
  • 何を(What)
  • なぜ(Why)
  • どのように(How)

より伝わりやすい文章を作成するには、「5W1H」を意識することが大切です。これはいつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)の略称で、文章作成の基本と言えます。小論文は事実に即して書く必要があるため、状況を正確に述べることが大切です

これらを意識することで一貫性のある文章が作成でき、説得力も高められるでしょう。小論文は一貫性が重要であり、途中で主張が変わったり話の主軸がブレたりすると、一気に説得力を失ってしまいます。内容が不明瞭になるのを防ぐためにも、5W1Hをしっかり意識して細かい情報まで述べることを心がけましょう。

吉川 智也

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小論文を作成する前に構成を明確にしよう

簡潔な文章を作成するにするには、最初に構成を明確にすることが大切です。小論文では「序論」「本論」「結論」の順で話を展開させていきますが、書き始める前に自分が主張したい「結論」、本論に挙げる「素材」のアイディアの洗い出しをおこないましょう。

小論文では書いている最中に「こうすればよかった」と思い付くことがありますが、説得力のある文章にするには主張の一貫性が大切です。あらかじめ構成を決めておけば、読み手に必要な情報を選別して書くことができます。

②根拠や具体性がある表現を意識する

小論文は使用する表現も重要で、曖昧なものや漠然としたものは避けなければなりません。いかに説得力を持たせることができるかどうかが小論文では重要視されるため、根拠や具体性を意識して表現方法を考えることが大切です。具体的な根拠がないものは説得力がないと判断され評価の対象にはならず、場合によってはマイナスの印象を与えてしまう危険性もあります。

例えば何かの意見に賛同する場合、「感動したから賛同する」「素晴らしいと思ったから賛同する」というのはNGです。もっと具体的に「プラスの効果が発揮されていると、○○のデータで示されているため賛同します」という風に根拠を盛り込みましょう。

塩田 健斗

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説得力を持たせるには経験したことを取り上げる

小論文を書く上でよくない例をご紹介します。たとえば「仕事を通して自己実現する」という結論に対して、お金を得て働く経験(アルバイト等)がないと働くことに関して理解が乏しいと判断されてしまいます。趣味やサークルで得た経験は貴重ですが、本や知人から見聞きしたことよりも、自分で経験したことの方が説得力はあります。

また「積極的」や「論理的」のように「○○的」という言葉を多用する人は注意しましょう。「○○的」という表現は汎用的で使いやすい反面、抽象的な印象を与えやすいです。簡単な言葉であっても自分の言葉で伝えられるようにまとめることが何よりも大切です。

出題されやすいテーマ一覧と例文

小論文はテーマに沿って書き進めるため、どのようなテーマが出題されるのか予測を立てることも大切です。企業ごとに内容が違うため、完全に予測することはできませんが、頻出のテーマは存在します。

頻出のものは確実に押さえておくことが大切であり、基本のテーマや書き方の対策を進めておくと、その他のテーマが出てもスムーズに対応しやすいです。出題されやすいテーマ一覧と例文を参考にして、小論文への理解をさらに深めていきましょう。

①時事問題や一般論

小論文では、時事問題や一般論といった一般常識がテーマに上げられることも多いです。これらの場合は、そもそもテーマに上げられていることが何かを理解できなければならず、基礎知識が必要なことは覚えておきましょう。問題自体を把握できないと小論文を書き進めようがないため、事前に一般常識も広く身につけておかなければなりません。

時事問題や一般論がテーマになる場合は、テーマに対する自分の意見を主張し、その正当性をアピールすることが大切です。客観的事実を総括し、自分の主張の正しさを定義づけると言ってもいいでしょう。「自分がこのように思うから正しい」ではなく、「世間的にこのように言われている事実があるから正しい」と、根拠や具体性を意識する必要があります。

例文

テーマ:消費税の引き上げは本当に正しいと言えるか

消費税増税は、国民の生活を守る意味では正しいと言える。消費税が上がることで日々のコストは少しずつ増額するが、反面国の財源が潤い、社会保障が充実するという側面もある。実際に日本は社会保障が充実しており、アメリカを例に出すなら健康保険は群を抜いて優れており、気軽に通院しやすい環境が整っている。
消費税増税によって国が安定した収入を得ることで、負債は少なからず解消傾向に向かい、社会保障の安定も見込まれる。直接的なコストは上がるように見えても、隠れたコストで相殺できるため、増税は結果的に国民の生活を守る正しい選択と言える。

時事問題は話題となっていることはもちろん、その業界に関係することがテーマになることもあるでしょう。業界に関係なく経済系の問題はテーマになりやすいため、事前の確認が必要です。時事問題では賛成、反対どちらかの立場を選んで答えることも多く、選んだ立場の正当性を曲げないよう、他方の立場を肯定する意見を含まないことが大切です。自分が選んだ立場を最初から最後まで一貫して肯定し、客観的な事実に即して述べることが評価されるポイントといえるでしょう。

時事問題は小論文だけでなく、面接でも聞かれることがあります。しっかりと対策しておきましょう。

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②志望業界・業種・就職について

志望する業界や業種、就職についてなどの仕事に関するテーマも多いです。単に志望理由のように問われる場合から、「あなたにとって仕事とは?」のように、仕事の価値観そのものを問われることもあるでしょう。仕事に関する質問は、就職とも密接な関係があるため、回答内容は特に注意しなければなりません。

基本的には、企業が求める人材像と一致するよう、仕事への価値観を提示することが大切です。価値観を正しく提示できていたとしても、それが企業が求めるものでないなら、高評価を得られない可能性もあります。上手に答えるには、事前の自己分析、業界・企業研究が欠かせません

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例文

テーマ:あなたにとって仕事とは?

私にとって仕事とは、人生を豊かにするもののひとつである。社会人になると、生活の大半の時間が仕事に充てられる。つまり、仕事の充実度によって人生の満足度に大きく影響するため、充実度を高めるためにはやりがいを意識しなければならない。
もちろん、仕事以外の時間もあるが、仕事でやりがいや充実を感じているなら、それ以外の時間も気持ちが上向きになり、結果的に全体の満足度はプラスになる。仕事にやりがいを感じ、真摯に向き合うことこそ社会人の喜びであり、豊かな人生を実現するための最適な手段と言える。

例文では仕事の価値観を問われ、仕事とはやりがいであると提示しています。最初に提示する結論は何でも構いませんが、最後まで一貫して述べること、さらにその主張を裏付けるための根拠を示すことが大切です。例文では仕事が生活の大半を占め、その時間を充実させることで、それ以外の時間の充実も図れると根拠を示しています。結論でも序論と同じ結論が示されており、一貫性を持ってアピールできているでしょう。

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例文やテーマを参考にしながら自分でも作成してみることで、より細部まで理解が深まり本番でもスムーズに作成できるようになります。小論文は何度も書いて練習することが大切です。例文と自身が作成した文章を見比べた上でいい点と悪い点を見つけ、少しずつブラッシュアップしていきましょう。

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