目次
- 小論文は書き方を押さえれば簡単に書ける
- 作文と対比して小論文を捉えよう
- 作文:相手に自分を理解してもらう文章
- 小論文:相手を自分に賛同させる文章
- 企業は小論文で学生の何を知りたい?
- 文章力があるか
- 論理的思考力があるか
- 多角的な視点を持っているか
- 小論文の基本的な構成
- 序論:自分の意見や考えを述べる
- 本論:序論の根拠づけ
- 結論:これまでの流れを受けて着地
- ステップ①メインの内容決め:筋が通っているか確認
- 初めに文字数を確認しておく
- 序論
- 本論
- 結論
- ステップ②メインの肉付け:自分の意見に根拠をつけよう
- 肉付けは本論がメイン
- ステップ③文章に起こす:字数オーバーに注意
- 項目ごとにおおよその文字数を定める
- 言い回しを簡単にする
- ステップ④見直し:ミスがないか確認しよう
- チェックポイント①全体の流れに筋が通っているか
- チェックポイント②誤字脱字はないか
- 【表現編】小論文を書く際に気を付けるポイント
- ①段落変えでは必ず一字下げ
- ②話し言葉は書き言葉に変換
- ③略語を使うのはNG
- ④ら抜き言葉は「ら」を入れて
- ⑤カタカナはなるべく使わない
- ⑥1文章には1内容
- ⑦同じ言葉を繰り返しすぎない
- 【書き方編】小論文を書く際に気を付けるポイント
- ①語尾は「だ」「である」
- ②一人称は「私」
- ③縦書きなら数字は漢数字
- ④アルファベットの小文字は1マスに2つ
- ⑤「」は引用でのみ使う
- ⑥先頭に来るのがNGな記号がある
- ⑦使うべきでない記号がある
- ライバルに差を付ける! 説得力を付けるテクニックを伝授
- 問題提起する
- 譲歩する
- 対比させる
- 選考当日までにやっておくべき事前準備
- 論文対策:実際に小論文を書く
- 論文対策:よく出題されるテーマを調べる
- 日頃の心掛け:ニュースや社会の動向を知っておく
- よく出るテーマのタイプを紹介
- ①社会に関すること
- ②企業に関すること
- そのほか小論文で出題されやすいテーマ
- 選考で小論文が求められやすい業界や企業
- ポイントを押さえて説得力のある小論文を書こう
小論文は書き方を押さえれば簡単に書ける
こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。就職活動では、選考の途中で小論文を求められることがあります。学生からは、
「小論文の書き方がわかりません」
「どんなテーマが出されるのでしょうか?」
という相談をされることがあります。小論文と聞くと難しく感じてしまいがちですが、決まった構成と書き方があり、コツさえ押さえれば誰でも説得力のある文章を作ることができます。
この記事では、小論文の書き方を一から詳しく丁寧に解説していきます。頻出テーマや例文も用意してあるので、ぜひ対策に役立ててみてください。
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作文と対比して小論文を捉えよう
小論文を書く前に、まずは小論文の概要を理解しましょう。小論文とは、問われていることに対して自分の意見を述べ、その理由を過去の体験などの事実を根拠にして説明する文章です。
「作文とは違いはあるんですか」といった相談をもらうことがありますが、小論文と作文では大きく違う点があります。小論文についてしっかりと理解するために作文と特徴を対比させながら考えてみましょう。
作文:相手に自分を理解してもらう文章
作文の目的は、自分の考え方や価値観、経験を知ってもらうことです。読書感想文が良い例ですね。ある本を読んで「面白かった」「怖かった」など、感情を自由に書くことで相手に自分の感じたことを伝えることができます。
つまり作文はある出来事に対しての自分の心境や感情を書いた文章です。「~と思う」「~楽しいと感じる」など、書き手の主観に基づいた文章であり、内容は主に感想や感情などで構成されます。
作文についてはこちらの記事で書き方を詳しく解説しています。小論文との理解を深めるためにも一度読んでみると良いでしょう。
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小論文:相手を自分に賛同させる文章
作文に対して小論文は「~と考える」という自分の意見から始まり、自分がその意見を主張する理由を事実に基づいて書きます。そしてその文章で読み手を説得しなければなりません。作文が「相手に自分を理解してもらう文章」なら、小論文は「自分の意見に賛同してもらう文章」と言えるでしょう。
そのため、小論文では主観をできるだけなくし、客観的な視点や事実をもとに文章を展開していかなければなりません。
企業は小論文で学生の何を知りたい?
就活生
キャリアアドバイザー
ビジネスの場で不可欠な文章力を見たいという理由もありますが、実はそのほかにも評価しているポイントがあります。一緒に確認しましょう。
文章を書くという点ではESや履歴書も変わりません。それなのになぜ企業は学生に小論文を求めるのでしょうか。小論文の書き方を知る前にまずは企業が小論文で学生の何を知りたいのか確認しておきましょう。企業の意図がわかれば実際に小論文を書くときもその意図を意識して対策ができますね。
文章力があるか
ビジネスでは、社内外問わず多くの人と文章でやりとりするシーンが多くあります。「間違った意図で伝わってしまった」「文章でコミュニケーションがうまくとれない」などということが起こると、仕事も円滑に進みませんよね。
受け手に正しく意図を伝え、円滑にコミュニケーションをとる文章力はビジネスで必須のスキルともいえます。文章で自分の考えをアウトプットできているかももちろん重要視されていますが、学生がいかに相手に伝わりやすい文章を正しく書けるかは小論文を課す主要な目的です。
論理的思考力があるか
小論文は作文とは違い、読み手を納得させることが求められます。しかし自分の意見を感情的に主張するだけでは相手を説得させることは難しく、その意見を持った理由や根拠を筋道立てて説明していく必要があります。
ビジネスの場においても、仕事を進めるときには社内外問わず連携する相手に自分の考えを理解してもらう必要がありますが、その際は物事を論理立てて説明することが重要になります。論理的思考力は社会人として欠かせないスキルのため、企業は小論文を通して学生にそのスキルがあるかを見ているのです。
多角的な視点を持っているか
小論文は主観ではなく客観的に物事を捉えて文章を展開していかなければなりません。そのため、幅広い視点で物事を捉えられているかも重要な評価ポイントになります。
同じ物事でも立場や見方によっては考え方がまったく違うことは当然あります。たとえば「消費税を増税すべきか」というテーマに対し、生活者の視点に立ってみれば、生活の負担が増すので「消費税は反対」という人が多いでしょう。
一方、超高齢者化社会を見据えた財政健全化や日本の将来のためには、かならずしも反対とはいえませんよね。さまざまな視点や意見を汲み取りながら主張を展開することは、説得力を持たせるには非常に重要な能力です。
小論文はマスコミ業界の選考で頻出します。以下の記事も読んでおきましょう。
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小論文の基本的な構成
それでは、ここからは小論文の作り方を見ていきましょう。小論文は、「序論」「本論」「結論」の三段階で構成されています。それぞれのフェーズの役割を一つずつ解説していきますね。
序論:自分の意見や考えを述べる
序論は、そのテーマに対する自分の意見です。読み手にとってみれば初めに主張が明確だと混乱せずに読み進められ、「結局何が言いたかったのかわからない」となってしまうことも避けられます。書き手にとってみても方向性が決まるのでそのあとの話も進めやすくなりますよね。
キャリアアドバイザー
方向性を示しておくと文章も簡潔にまとめやすくなる効果もあります。書いていたら文字数が足りなくなり結論が述べられなかった、ということを避けることもできますよ。
本論:序論の根拠づけ
本論では、序論で示した意見の理由を述べます。ここで、自分の主張する意見がいかに正しいかを読み手に説得させなければなりません。小論文の中ではもっともボリュームが多く、かつもっとも重要な部分になります。事実や過去の経験を根拠にして話を進めましょう。
結論:これまでの流れを受けて着地
これまでの流れを受けて、自分の意見をまとめましょう。序論と結論で意見が変わってしまうと、一貫性がない主張になってしまい、最後の最後に大きなマイナス評価になってしまう可能性があるので、気を付けたいところです。
ステップ①メインの内容決め:筋が通っているか確認
就活生
構成はわかったけど、実際に書くのは難しそうだなあ……。
キャリアアドバイザー
たしかに一見難しそうに感じますが、小論文は4つのステップで簡単に書くことができますよ。
ここからは、実際に小論文を書くための4つのステップを紹介します。このステップに沿えば、誰でも簡単に魅力的な小論文が書けますよ。一つずつ解説していきますね。
ステップ①では各論のメインとなる内容を定めます。ここで大切なことは序論から結論まで筋を通すことです。序論と結論の内容を決めたら本論がそれを立証させるための内容になっているか確認しましょう。
初めに文字数を確認しておく
小論文に手を付ける前にまずは小論文の指定文字数を確認しておきましょう。実際に文字数制限がかかわってくるのはステップ③ですが、ここでも文字数をチェックしておきたいポイントがあります。このあとに詳しく解説しますね。
序論
まずは序論の内容を決めていきましょう。たとえば「消費税の増税をすべきか」というテーマがあれば、主張するべき意見は「するべき」「するべきでない」のどちらかになります。序論の内容を決めるうえで注意しておきたいポイントを解説します。
ポイント①中立にならず意見を定める
「賛成 or 反対」の意見のときに特に気を付けるべきことですが、中立にならずに必ずどちらかの意見を明確に主張しましょう。
「メリットもあるがデメリットもある」と考えて意見を決めかねている場合は、メリットが多いほうを選ぶと良いでしょう。デメリットの部分は「どうすれば改善できるか」について考え、本論でその改善策に触れると、主張のウィークポイントがなくなるので論文そのものの説得力を上げることにつながりますね。
キャリアアドバイザー
立場が曖昧なままだと自分でもどのような意見を述べたいのかわからなくなったり、読み手にも何を主張しているのか伝わりづらくなったりしてしまいます。
ポイント②聞かれている内容に正しく答える
出題されたテーマをしっかりと理解して、問われている内容に沿った意見を主張する必要があります。たとえば「入社後にやりたいこと」というテーマには「○○な仕事がしたい」と答えるのが正しい意見の主張です。
しかし「○○や◎◎という仕事をして5年後には管理職になりたい」という回答では、キャリアプランについて述べているので少し論点がずれてしまっていますよね。まずは意見を主張する前に何を問われているのかきちんと把握して、そのうえで意見を定めましょう。
キャリアアドバイザー
論点のずれはそれだけでマイナスになることが多いほかに、内容が支離滅裂になってしまい伝わりづらい文章になってしまいがちなので注意が必要です。
本論
本論の内容は序論と結論の内容を根拠づけるエピソードや事実などですよね。テーマに対して、なぜ自分がその意見を主張するのか、その理由となる事実やエピソードを提示します。
ポイント①過去の経験や知識を根拠にする
就活生
テーマが「小学生にスマートフォンを持たせるかどうか」……この間「依存症や健康への被害が報告されている」という話を聞いたので、このエピソードを根拠にします!
キャリアアドバイザー
いいですね! でも、どんな健康被害でどのような症状が出るのかなど、エピソードを深掘りしてしっかり詳しく書き込めそうですか?
就活生
いえ、以前人から聞いただけなので詳しくは知りません……。
キャリアアドバイザー
なるほど。それだとそのエピソードの根拠をはっきり書けないので、説得力が非常に薄くなってしまいますよ。
基本的に小論文はその場で調べながら書くことはできません。そのためここで選ぶ根拠は「過去の経験」や「自分がすでに持っている知識」にすることが望ましいでしょう。
たとえばこの「小学生にスマートフォンを持たせるかどうか」というテーマでは、実際にスマホを幼い頃から使っていたことで視力が悪くなってしまった事実があったりニュースなどから依存症があると知っていたのならば「依存症や健康への被害が報告されている」を根拠にしてもエピソードを具体的に書き込むことができますよね。
自分に知識があったり関連があるエピソードを選ぶことで、しっかりとした根拠を詳しく書き込むことができ、具体性のアップにつなげることができます。
ポイント②全体の文字数で根拠の数を変える
根拠となる事実やエピソードは数があればいいものではありません。具体性がもっとも大切になります。少ない文字数の中にあれもこれもとエピソードを詰め込んでは、それぞれの内容が薄くなりかえって具体性がなくなってしまいます。
ここで参考になるのが最初に確認した指定文字数です。文字数に応じて紹介するエピソードの数を決めておくのがおすすめですよ。文字数が200~300字ならば1つが目安です。600~800字であれば3~5個あると良いでしょう。
結論
結論で書く内容は序論と変える必要はありません。ここでは筋が通っていることが大切になるので、初めから終わりまで話は一貫させることを意識しましょう。
そのうえで、本論で示した内容を踏まえて序論よりも踏み込んだ内容の意見を結論で提示することが重要になります。本論で示した内容を要約したり、内容の一部を盛り込んだりすると良いでしょう。
キャリアアドバイザー
「このように◎◎だから私は○○と考える」というように、本論でしっかりと根拠づけたものを再度提示したうえで自分の意見を主張すると、よりインパクトのあるまとめ方ができますよ。
ステップ②メインの肉付け:自分の意見に根拠をつけよう
ステップ②では先ほど決めた各論の内容に肉付けをおこないましょう。いくら骨格がきちんとできていても、肉付けができていなければ高評価を獲得するのは難しいといえます。小論文ではいかに説得力を持たせられるかが非常に重要で、具体的な根拠がなければ説得力がないと判断されることもあるからです。
肉付けは本論がメイン
このときは序論と結論は肉付けをおこなう必要はほぼないと考えてかまいません。むしろ肉付けをすることで意見がぶれてしまうこともあります。
主に本論を重点的に肉付けすることになりますが、ここの書き方次第で小論文の説得力がグッと変わります。「自分がなぜその意見を主張するのか」を実体験や根拠をもとに具体的に詳しく説明しましょう。
ポイント①具体的な数字やデータを用いる
具体性を上げるためには数字やデータを用いると良いですよ。たとえば「消費税増税反対に多くの人が賛同しています」と「消費税増税反対に国民の7割が賛同しています」と伝えるのと、どちらが具体的に多さをイメージできるでしょうか。数字を使うほうがその多さが良く伝わりますよね。
漠然とした表現ではなく、具体的な表現を使ってわかりやすい文章を作成しましょう。
ポイント②5W1Hに沿って深掘り
より具体的でわかりやすい文章を作るために、文章作成の基本ともいえる5W1Hを意識してみましょう。この手法を使うと一つのエピソードについて深掘りができるため、エピソードそのものの具体性が上がりますよ。
- いつ(When)
- どこで(Where)
- 誰が(Who)
- 何を(What)
- なぜ(Why)
- どのように(How)
たとえば「就活の軸は何ですか」というテーマに対して「早くから裁量のある仕事ができることが軸」と答えるとします。その根拠が「アルバイト時代にそのような経験をしたから」とするならば、そのアルバイトでのエピソードを深掘りして具体性を上げる必要があります。5W1Hに沿って「いつ」が明確になれば「早くから」の根拠が生まれますし「何を」が明確になれば「裁量のある仕事」の基準がわかりますね。
エピソードが具体的になるとより説得力が高められますし、不明瞭な内容になることを防げもします。5W1Hを意識して細かい情報まで書き込むことを心掛けましょう。
キャリアアドバイザーコメント酒井 栞里プロフィールをみる
肉付けをする際は、自分の経験なのかメディアなどから得た情報なのかを分けながら整理をしていくことがポイントです。面倒くさがらずに紙に書いて見える化をすることで、自分が一番重視している点が明確になり、すっきりとした本論を書くことができますよ。
たとえば「消費税増税反対に国民の7割が賛同しています」という文章を例にすると「7割」という理由が「新聞で読んだ情報によると7割が賛同している」のか「自分の周囲の7割ほどが賛同している」のかでも、受け手の印象は異なってくるのではないでしょうか。数字や5W1Hを記載するときにその情報ソースは自分の経験からなのか新聞からの情報なのかを整理し、主観と客観の区別をきちんとつけていきましょう。
ステップ③文章に起こす:字数オーバーに注意
内容に肉付けができたら、これで小論文に書くべき要素がそろいました。ここからはその要素をつなげて文章にしていく作業になります。基本的には今ある要素をつなげるだけですのでそれほど難しいことはありませんが、ここでもっとも起こりやすいのが文字数をオーバーしてしまうこと。いくつかコツをお伝えしますね。
項目ごとにおおよその文字数を定める
文字数をオーバーしないために、目安として項目ごとに文字数を決めておきましょう。事前に文字数が把握できていれば結論間際になって文字数が足りなくなるということも避けられます。手順を説明しますね。
手順①序論と結論を先に考える
まずは比較的文字数を割かなくても良い部分から決めていきましょう。基本的に序論と結論は「私は○○と考える」という文章になることが多いので、原稿用紙の初めと字数制限の最後の部分に先に書き込んでおきましょう。残りの文字数が本論に使えるものになります。
手順②本論の文字数をエピソードの個数で割る
残りの文字数をすべて本論に使えるとはいっても、考えなしに書き込んでしまってはやはり本論の最後で文字数が足りなくなるということも起こり得ます。
残りの文字数の中で、先ほど決めた本論のエピソード数に応じてエピソードごとに割ける大まかな文量を事前に見積もっておきましょう。そうすることで各エピソードごとに文字数を気にしながら書けるので、初めのほうに文量をかけすぎて最後は文字数が足りずに内容が薄くなるということが避けられますね。
言い回しを簡単にする
文字数の調整には言い回しを簡単にしたり形容詞や副詞を省くのがおすすめ。たとえば「サークル活動に一生懸命に取り組んでいた」という文章があったとします。ここから副詞を取り除いて「サークル活動を頑張っていた」と言い換えても意味は伝わりますよね。ぜひ試してみてください。
ステップ④見直し:ミスがないか確認しよう
最後のステップは見直しです。最後まで気を抜かずに書き上げたものの品質を確認しましょう。とはいえ何を確認すればいいのかわからない人もいますよね。ここでチェックしておくべきポイントが2つあります。見直しをおこなうときはこの2つに注目してみてください。
チェックポイント①全体の流れに筋が通っているか
読み返してみて、筋が通った文章になっているか確認しましょう。このとき、序論と結論で主張している意見にぶれがないかチェックしたうえで、その根拠として本論がその役割を果たせているかといった視点で確認してください。本論が意見に説得力をつけるためのブロックになっているか確認しましょう。
キャリアアドバイザー
場合によっては論点がずれた展開をしてしまい、流れで読み返したときに本論から結論にねじれが起きている可能性もありますよ。
チェックポイント②誤字脱字はないか
せっかく内容が良くても誤字脱字が多くて減点されてしまうのは非常にもったいないですよね。注意力がないと思われてしまう可能性もあります。
特に手書きで提出する場合、最後に脱字が見つかると修正に時間がかかります。段落ごと各論ごとなど、区切りがついたところで読み返しをおこなうのも良いでしょう。万が一間違えていても少しの修正で済みますよね。
誤字脱字についてはこちらの記事を参考にすると良いですよ。こちらの記事は履歴書の誤字に関する記事ですが、誤字の予防策が載っているので小論文を書くうえでも役立ちます。
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履歴書の誤字・脱字はその後の対策が最重要|予防策も紹介
履歴書の誤字によって選考が不利になる場合があるのは知っていますか?今回は履歴書の誤字が与える企業からの評価の影響や、提出後に誤字に気が付いた場合の対処法をキャリアアドバイザーが詳しく解説します。履歴書の誤字脱字を防止する方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
記事を読む
【表現編】小論文を書く際に気を付けるポイント
小論文を書くときには、気を付けたい細かなポイントがいくつかあります。知らないからといって評価に大きく響くというわけではありませんが、知っておけば不必要な減点は減らせます。ここでは、気を付けるべきポイントを「表現編」と「書き方編」に分けてお伝えしていきますね。
表現編では、小論文の定型から表記のルールなどを解説します。話し言葉と書き言葉では表現の仕方が違うことも多いので、意外と知らないものもあるかもしれません。また、小論文のように書くときだけでなく、面接のように話す場面でもチェックされがちです。この機会に書き言葉に直す癖をつけておくと良いですね。
①段落変えでは必ず一字下げ
作文では、文章を書き始める際は初めの一マスは空けて次のマスから書き始めます。話の内容が変わると、行を変えて別の段落で書きますよね。これは小論文でも同じです。書き出しは必ず一マス空けて、内容が変わると段落も変えるようにしてください。ちなみに、このとき空けた一マスも字数として数えますよ。
注意しておきたいのが段落が変わるときも必ず一字下げなければならないということ。一字下げを各論の始まりにしかおこなわない人も見受けられますが、一字下げは一つの小論文で3つ以上あってもかまいません。むしろ段落が変わるときには改行と一字下げがルールですので、必ず下げるようにしましょう。
②話し言葉は書き言葉に変換
小論文では話し言葉を使わないように気を付けましょう。話し言葉とは日常の会話で使う言葉で、普段よく使う分文章を書く際にも意図せず使ってしまうことがあります。話し言葉は副詞や助詞に多く、代表的なものがこちら。
- とか
- たり
- なので
小論文を書く際は、本来使われていた正しい使い方に直すようにしましょう。「どんどん」「いつも」などの副詞も話し言葉の一つです。これらも「より」「いっそう」「急速に」「常に」などと言い換えることができますよ。
並列する2つの内容を示すときに使いやすい。「や」に置き換える。
・◎◎とか○○ ⇒ ◎◎や○○
・「なので」は基本的に使わない。
「したがって」「そのため」に置き換えるか、動詞のあとに助詞の「ので」「ため」を付ける
× ⇒ 雨が降った。なので、傘を差した。
○ ⇒ 雨が降った。そのため、傘を差した。
○ ⇒ 雨が降ったので、傘を差した。
また、日常の会話でよく「全然大丈夫だよ」などと言うことはありませんか。「全然」は話し言葉ではないので小論文でも使うことができますが、あとに続く言葉は否定の言葉になります。「全然~ない」の形で使うことを意識しましょう。
③略語を使うのはNG
会社名や団体名などの正式名称は、省略せずに正しく書くようにしましょう。また、そのほかに日常で使う単語の中にも、実は略語で馴染んでいるものもあります。意識せずに使っていた言葉が実は正式名称ではなかったという場合もよくあるので、ここで確認しておきましょう。
- バイト ⇒ アルバイト
- チョコ ⇒ チョコレート
- デジカメ ⇒ デジタルカメラ
- リハビリ ⇒ リハビリテーション
- プレゼン ⇒ プレゼンテーション
- 国連 ⇒ 国際連合
- 卒論 ⇒ 卒業論文
- 通販 ⇒ 通信販売
- 百均 ⇒ 百円均一
④ら抜き言葉は「ら」を入れて
「食べれる」「見れる」など、話すときには良く使いがちですよね。しかし、これらも小論文など、文章を書く際には使ってはいけません。語尾が「れる」で終わる言葉は要注意。特に受け身のときや可能という意味合いで使うときに使いやすいので注意するようにしましょう。
中には「座れる」のように、語尾が「れる」で終わるもののら抜き言葉ではない言葉もあります。これらを見分ける方法は、その動詞を否定形にしたときに「~ない」の前に「ら」がつくかどうか。「ら」がつく動詞は、可能の意味合いで使うとき、「ら抜き」が正しい表現となります。
- 食べれる ⇒ 食べられる
- 見れる ⇒ 見られる
- 寝れる ⇒ 寝られる
- 出れる ⇒ 出られる
- 受けれる ⇒ 受けられる
ちなみに、似たような言葉に「い抜き言葉」というものがあり「している」という言葉で主に使います。たとえば「勉強している」を「勉強してる」と言うことがよくあるのではないでしょうか。文章を書くときは「勉強している」が正解になります。ら抜き言葉と同じく、改めて見直しておきましょう。
- してる ⇒ している
⑤カタカナはなるべく使わない
小論文ではカタカナは最小限にとどめておきましょう。小論文で使っていいカタカナは「カタカナでしか表現できない言葉」だけです。たとえば「カステラ」「ボタン」などは固有名詞であり、カタカナでしか表現ができませんよね。
しかし「ショックを受ける」「ヘアスタイル」などは「衝撃を受ける」「髪型」と言い換えることができます。同じ意味合いで表現できる日本語があればそちらを使うようにしてください。また「イジメ」や「ウソ」など、漢字で表せる言葉もカタカナでは書かないように気を付けましょう。
- カバーする ⇒ 補う、助ける
- カットする ⇒ 切る、節約する
- プラスする ⇒ 加える、添える
- スピーディーに ⇒ 迅速に
- フェア ⇒ 平等
- テーマパーク ⇒ 遊園地
- チェック ⇒ 確認
- チャンス ⇒ 機会
⑥1文章には1内容
- 「私はショートケーキが好きだがそれは生クリームが好きだからであり、ショートケーキの主役と言われるイチゴが好きだからではない」
こちらの文章は非常に長くて読みにくいですよね。この文章は、以下のように3つの文章に分けることができます。
- 私はショートケーキが好きだ
- なぜなら生クリームが好きだからだ
- 主役と言われるイチゴが好きだからではない
一文の中に複数の内容が含まれていると、読みにくいうえに言いたいことを正確に捉えることができません。一文章には一内容で書くことをおすすめします。
もしくはこのような分け方もできますよ。
- 私はショートケーキが好きだ
- しかし主役と言われるイチゴが好きだからではなく、生クリームが好きだからだ
このように、2文章に分けることもできます。1文章で切ってしまうと何となくおさまりや歯切れが悪い場合は、1文章に2内容を含めても良いですね。その場合は内容と内容の間に読点を入れるなどして、わかりやすく伝えることを心掛けましょう。
⑦同じ言葉を繰り返しすぎない
一つの文章の中で、同じ意味の言葉を使ってしまわないようにしましょう。よくある例としては「腹痛が痛くてつらい」「事件はいまだに未解決」などが挙げられます。
「腹痛」は一つの単語だけで「腹が痛い」ということを示しているので「痛い」を重ねる必要はありません。また「いまだに」も否定的な意味を持つ言葉です。「未」と同じく打ち消しの役割があるので、意味が被ってしまっています。
こちらの例も見てみましょう。
- 小学校と中学校の違いの一つに制服の有無が挙げられる。小学校では制服はないが、中学校では制服を着なければならない。
例文の中で、同じ言葉を近い位置で繰り返し使われています。文章の流れが少し悪く感じませんか。このような表現は表現力不足とみなされることも。こういった場合は、単語を別の表現に置き換えるなどして工夫しましょう。
小学校と中学校の違いの一つに制服の有無が挙げられる。前者ではないが、後者では制服を着なければならない。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
この中だと「1文章には1内容を意識する」というスキルは働き始めてからも特に大切です。働き始めると、メールや日報を毎日のように書く仕事に就く人もいるでしょう。
その際に大切なことは「誰が見ても言いたいことが明確か」どうかです。受け手からすると連日大量のメールを確認して優先順位をつけて返信をする必要がある場合、どうしても内容が読みやすいメールを優先してしまうこともあります。
小論文も同様です。限られた時間の中で多くの就活生の小論文を読む必要がある企業からすると、文章が明瞭で読みやすい小論文は好印象です。自分の文章を、頭の中でかまわないので音読をしてみて、スムーズに読むことができるかどうか確認してみてください。
【書き方編】小論文を書く際に気を付けるポイント
続いて書き方の面で気を付けたいポイントをお伝えします。実際に小論文を書こうとするときに、意外と迷ってしまうものばかりです。当日に焦ることのないよう、一つの知識として身に着けておきましょう。
①語尾は「だ」「である」
小論文を書く際の文体は、一般的な論文などでも使われている「だ」「である」で書くようにしましょう。「です」「ます」調は丁寧な印象を与えますし、決して間違いではありません。しかし文章が長くなりやすいうえに、自分の主張を伝えるためとしては印象が弱くなりがちです。
また、途中で「だ」「である」と「です」「ます」が混ざらないよう、統一することも意識してください。
②一人称は「私」
小論文で使う一人称は「私」です。男性の場合「僕」と迷う人もいるかもしれませんが、男女問わず「私」を使います。また、運動部に所属していた男性は「自分は」を使う傾向にあるので注意しましょう。
また、三人称にも注意が必要です。「父」「母」や「祖父」「祖母」などの言葉を使うことはもちろんですが、「おじ」「おば」は特に気を付けたいところ。父母の兄と姉には「伯父」「伯母」、父母の弟と妹には「叔父」「叔母」と使い分けましょう。
- 父母の兄・姉…伯父・伯母
- 父母の弟・妹…叔父・叔母
③縦書きなら数字は漢数字
小論文の形式を横書きで指定された場合、数字は漢数字と算用数字、どちらを使ってもかまいません。しかし縦書きの場合は必ず漢数字になります。ただし、口で言うままに書くのではなく、数字に沿うようにしましょう。2021年なら、二千二十一年でなく、二〇二一年となりますね。
ちなみに横書きの原稿用紙に数字を書く際は、1桁の数字は1マス、2桁以上の数字は1マスに2つの数字を入れます。3桁以上の奇数桁の場合は、最後の数字は左に詰めて書くようにしましょう。
④アルファベットの小文字は1マスに2つ
アルファベットを使う場合は、縦書き横書き問わず、大文字は1マスに1文字、小文字は1マスに2文字入れることが原則です。小文字が最後のマスに1つしか入らないときは数字と同じく左詰めで書きましょう。スペースは小文字と同じ扱いだと考えて、使う場合はマスの半分を使います。
基本的に縦書きの場合は字を倒します。SNSやWHOなどの英単語での略称は日本語として取り込まれているとみなすので、縦書きでも文字は倒さなくてかまいません。
⑤「」は引用でのみ使う
小論文は作文や小説ではないため、会話表現を使う場合でもカギカッコ(「」)は基本的に使いません。自分が過去に読んだ書籍や論文などから引用する場合のみ、引用部分に「」を使いましょう。
また、書名には二重カッコ(『』)を使います。ちなみに『』は言葉を強調したいときにも使うことができますが、使いすぎは逆に見づらくなり印象を下げてしまいます。1~2回にとどめておきましょう。
- ×「レジ袋は店がメーカーから買っている」と人から聞いたことがある
- ○ レジ袋は店がメーカーから買っている、と人から聞いたことがある
- パスカルは自身が書いた『パンセ』の中で「人間は考える葦である」と述べている
⑥先頭に来るのがNGな記号がある
文の先頭に書いてはいけない文字は「句読点」「閉じカッコ」「小文字」「々」です。「句読点」「閉じカッコ」「小文字」が先頭になるときは、前の行の最後のマスに合わせてか、欄外に書くようにしましょう。
もし「々」が先頭に来てしまうときは、ひらがなや別の言葉で言い換えるようにしてください。
- 人々 ⇒ 人びと、人たち
- 日々 ⇒ 日ごと、毎日
⑦使うべきでない記号がある
「!」「?」「”」「~」「…」などの記号は基本的に使ってはいけません。文末が疑問形になる場合でも、最後は句点で終わらせましょう。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
たとえば縦書きの際の英数字の書き方が違うからといって、それだけを理由に選考に落ちることはまずないでしょう。しかし、このルールは働き始めてからも大切になってきます。たとえば郵便物を送るときや書類を作成するときに、慌てることや先方に失礼になることがないように、今からきちんと身に付けておきましょう。
「ルールがたくさんあり大変そう」と思った就活生もいるかもしれませんね。しかし、働き始めると会議の議事録、プレスリリース、報告書など様々な機会で文章を書きます。その際のルールは会社ごとに決まっていることが多いため、「文章を書くときのルール」を守る必要性は常に発生すると言っても過言ではありません。今のうちから慣れておくという意識を持つようにしましょう。
ライバルに差を付ける! 説得力を付けるテクニックを伝授
ここまでは小論文の構成や書き方を解説してきました。小論文を一つ書き上げることもできたのではないでしょうか。ここからは、小論文にさらに説得力を付けるためのテクニックを3つ紹介します。実践できそうなものがあればぜひ試してみてください。
問題提起する
小論文の序論では「私はこのテーマに対して○○と考える」というように、自分の主張を端的に述べますよね。その前段階として、問題提起をしてみると良いですよ。問題提起とは、テーマに対して自分なりの切り口を作り、そこに疑問を提示することです。
例を挙げてみますね。今回は、テーマと主張する意見を以下のように定義します。
- 部署の雰囲気を良くするためには、共通の目的を持つ
まずは意見が決まったら、文末を「○○だが、○○だろうか」にした文章を意味が通るように考えます。これが問題提起文となります。
- 仕事への取り組み方は人それぞれだが、本当にそれでいいだろうか
- 共通の目的を持ってもチームの雰囲気にはかかわらないと言われたが、本当にそうだろうか
この問題提起のあとに「私はそうは思わない。部署の雰囲気を良くするためには、共通の目的を持つことが大切だと私は考える」とつなげることができますよね。問題提起をすることで、小論文に出だしからインパクトを与えることができます。
【テーマ:部署の雰囲気を良くするためにできること】
<序論>
仕事への取り組み方は人それぞれだが、本当にそれで部署はまとまるだろうか。私はそうは思わない。部署の雰囲気を良くするためには、共通の目的を持つことが大切だと私は考える。
<本論>
なぜなら~
譲歩する
譲歩とは、「自分と反対の考えを示した上でそれに反論する」というテクニックです。反対意見や別の視点での主張も述べたうえで自分の意見を主張するので、強い説得力を与えることができます。この方法は意見が2つに分かれやすいテーマで使うのが効果的ですよ。
具体的には、まず反対意見のメリットを書き出します。そこに、その意見の問題点を加えることで反論し、自分の主張につなげます。やり方を文字だけではわからない人も多くいますよね。実際に例文を見ながら理解を深めましょう。
私は原子力発電所の稼働には反対だ。
原子力発電所を稼働させることは、火力発電よりもコストが下がるため家庭の電気代の負担を減らせるというメリットがある。しかし、原子力発電所は安全性が不確実だ。仮に原子力発電所を稼働させ事故が起きてしまえば、家計の負担を守るどころか安全な生活そのものが失われてしまう可能性がある。
よって、私は原子力発電所の稼働に反対する。
キャリアアドバイザー
賛成側のメリットも踏まえていると、メリット同士を比較できるのでわかりやすさも上がります。また多角的に物事を見られているので、視野が広いアピールにもつながりますね。
対比させる
対比とは「反対の状況を取り上げ、両者を比べることで自分の主張のメリットを主張する」というテクニックです。先ほどと同様に例文を使ってそのテクニックを説明しますね。
私は子どもにスマートフォンを持たせるのは反対だ。
小学5年生のときに親にスマホを買ってもらったのだが、その影響で、家に帰るとまずはスマホを触ることが習慣化していた。ゲームをしたりSNSをしているうちに時間が過ぎて、気付けば自分の勉強時間を確保できていないことが多くなった。しかし、小学4年生まではスマホを持っていなかったために、家に帰るとまずは宿題や予習をするなど勉強する時間を確保していた。そのため、5年生になってからの自分の成績が4年生時と比べて大きく下がってしまった。
このように、スマートフォンを持つことで子どもの学習時間に影響が出ると考えられるため、私は子どもにスマートフォンを持たせるのは反対する。
キャリアアドバイザー
スマホを持っていなかった時期と持っている時期とを比べることで、スマホがもたらす悪影響についてわかりやすく書けていますね。
選考当日までにやっておくべき事前準備
小論文の書き方がわかっても、当日に良い小論文が書けなければ高評価はしてもらえません。ここからは選考当日までにやっておくべき準備について解説します。事前準備をしっかりすることで、当日に完成度の高い小論文が書けるようにしましょう。
論文対策:実際に小論文を書く
小論文は文字数も書く内容も多いので、書き慣れないうちは大変に感じてしまいますよね。そのため、まずはとにかく何度も小論文を書くようにしましょう。文章は回数を重ねることで上達しますし、繰り返し小論文を作成すれば徐々に慣れてきます。そうすれば文字数も負担に思わなくなりますし、作成のスピードも早めることができますよ。
ポイント①どれくらい時間がかかるか把握する
小論文は、どんなにいい内容が書けていたとしても、制限時間内に書き上げられなければ評価すらされないことも。時間内に各論の内容を考え文章をまとめ、最終確認までできるように、しっかりと時間配分をする必要があります。
まずは練習のうちから時間を計るようにして、どのステップでどれだけ時間がかかるか記録しておきましょう。慣れてきたら、それぞれのステップに何分時間を割けばいいか考えます。
- ステップ①:5分
- ステップ②:15分
- ステップ③:30分
- ステップ④:10分
ただし上記はあくまで一例です。人によって得意不得意は当然あるので、自分の傾向に合わせて考えるようにしましょう。
ポイント②第三者に見てもらう
小論文を作成したら、自分以外の人にも読んでもらうことをおすすめします。うまく書けていたつもりでも、ほかの人が読んでみると、誤字脱字や主張のねじれ、論点のずれなどに気付かされるものです。何回か添削してもらうと、自分の改善点の傾向が見えてきます。練習する際に気を付けるべきポイントがわかりますね。
友人や先輩など身近な人に読んでもらうのも良いですが、大学のキャリアセンターの職員や、社会人の知人に頼むのもおすすめです。また、もしOB・OG訪問ができるのなら、そこで読んでもらうと良いですね。
キャリアアドバイザー
OB・OGは同じ選考を受けていた可能性もありますから、選考突破につながるヒントが見つかるかもしれません。
ちなみに、OB・OG訪問についてはこちらの記事を読んでみてください。
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論文対策:よく出題されるテーマを調べる
小論文を書いて練習するとはいっても、どんなテーマがあるのか理解していなければ練習ができませんよね。小論文のテーマは大きく分けると3種類に分類することができるので、均等に練習しておけば本番でどのテーマが来ても慌てることはありませんね。
どのようなテーマが出されても「序論」「本論」「結論」の構成や小論文を作るステップは変わりません。基本は確実に押さえるようにしましょう。もし、自分が受ける企業でよく出題されるテーマがわかるならばより具体的な対策ができますね。
ポイント:テーマごとの主張を固める
頻出のテーマを調べる際は、それらに対する自分の意見や立場をまとめておきましょう。このとき、わざわざ長い文章にする必要はありません。意見とその根拠となる理由やエピソードを箇条書きでメモしておく程度で大丈夫です。
就活生
・このようなテーマのときには自分の意見は○○でその理由は◎◎
こういった意識をしておけば選考当日も一から意見や根拠を考える必要はないので、落ち着いて臨むことができますよ。このような引き出しを作っておくことは小論文対策に限らず、就活全体を進める上でも重要になることが多いです。
日頃の心掛け:ニュースや社会の動向を知っておく
日頃から社会の情勢やニュースに目を通しておくようにしましょう。これはテーマが時事問題にまつわる傾向にある企業で特に有効です。
しかしただ目を通すだけではなく、ニュースや話題の出来事に対してしっかりと自分なりの意見を持つようにしましょう。そのニュースがテーマとして出される可能性も大いにあり得ます。それに関連した業界のニュースや動向なども頭に入れておくと良いですね。その内容を盛り込めれば、業界研究ができているアピールにもつながります。
時事問題については、こちらの記事で詳しく説明しています。
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ポイント:意見を持つ・深掘りする癖をつける
ニュースなどを見る際は自分の意見に対して「なぜそう思うのか」「どのようにすればいいのか」など、自分の意見を持ち、深掘りすることを心掛けましょう。
ニュース:消費税増税
↓
賛成 or 反対
↓
なぜ自分はその意見を主張するのか?
ニュース:女性管理職の比率が10%未満
↓
女性が活躍できるためにはどのような取り組みをおこなえば良いか?
そのニュースが実際にテーマとして出題されたときに役立つのはもちろんですが、テーマによってどういう点を深掘って考えればいいかがわかるので、関連テーマが出されたときにも役立ちますよ。
キャリアアドバイザー
このような習慣をつけておけば、当日に予想外のテーマが出題されたとしても、落ち着いて自分の考えをまとめることができますね。
最近のニュースなどは面接でも聞かれやすいです。こちらの記事も併せて確認しておくと良いですよ。
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キャリアアドバイザーコメント加藤 大智プロフィールをみる
そのほかにも、自分が書くだけではなく「人の小論文を真似する」練習もおすすめです。書籍やインターネットで探すと、小論文の例文を探すことができますよね。それを模写して、序論、本論、結論のつながりを分析してみたり自分なりにいいと思った点と自分ならばこうすると思った点を考えたりしていきます。
例文には小論文で注意するべきポイントがぎっしりと詰まっています。いい文章をたくさん真似することで自分のものにしていきましょう。当然ですが、本番で同じテーマが出たとしても内容をそのまま真似して書くのはNGなので、あくまで参考として活用してくださいね。
よく出るテーマのタイプを紹介
就活生
小論文の対策をしたいのですが、小論文にはどんなテーマがあるのでしょうか?
キャリアアドバイザー
小論文のテーマは大きく2種類に分けられます。それぞれに特徴があるので一つずつ解説していきますね。
ここからは小論文の頻出テーマを解説していきます。テーマごとにポイントとなる部分が変わってくるので、しっかり押さえておかなければ的外れな回答をしてしまうことも。テーマごとに何を意識すべきか注目しながら読んでみてください。
①社会に関すること
小論文はあくまでも自分の意見を伝えるものではありますが、このテーマではあまりにも常識を外れた意見は持たないようにしましょう。あくまで就活や一般社会に適した意見を書くことが大切です。
ポイントは自分の意見の主張だけでなく、その正当性もしっかりと主張すること。客観的事実をまとめることで自分の意見が正しいと主張しましょう。「自分がこのように思うから正しい」ではなく「世間的にこのように言われているから正しい」と書くことが重要です。
ニュースや情勢をチェックしておこう
このテーマは、基本的に時事問題や社会情勢、トレンドなどが出題されることが多いです。そもそもテーマとなっている事象を知らなくては何も書くことができないため、先ほど説明した「普段からニュースや新聞を見ておく」という対策が非常に肝になります。積極的に情報を収集し、さまざまなことにアンテナを張っておきましょう。
- 少子高齢化について
- 働き方改革について
- AIについて
- 地球温暖化による100年後の影響
- 東京オリンピックについて
- 最近気になるニュースについて
- 最近の世界経済を踏まえて関心のある社会問題について
子どもにスマートフォンを持たせることに私は賛成である。
インターネットにはさまざまな情報があふれているため、検索するだけで簡単に知識を得られる。本に比べても、気になったことは気になった瞬間に調べられることから、図書館に行かなくともその場で情報を知ることができるため、非常に効率が良いというメリットがある。これらは子どもの興味や知識を伸ばすことにつながると考えられる。一方、スマートフォンへの依存や使い過ぎによる視力の低下などの問題も存在することは事実だ。根拠のない情報を鵜呑みにしてしまうことや、SNSなどで不特定多数の人と気軽に関われるなど危険な側面もある。しかしこれらの問題は、親子で徹底したルールを設けることで解決される。たとえば使用時間を定めたり、SNSを使用する際の注意点を教え込んだりした上でスマートフォンを持たせれば良い。
このことからスマートフォンにはもちろん危険性もあるが、ルールに則り正しく使えば子どもの知識や関心を広げられると考える。よって、私は子どもにスマートフォンを持たせることに賛成である。
キャリアアドバイザー
この論文では先ほど説明した譲歩が取り入れられています。「スマートフォンを持った場合のデメリット」も説明した上でその解決策も提示できていますよね。非常に説得力のある小論文になっています。
②企業に関すること
企業や業界に関することがテーマとなることもよくあります。このテーマは自分を企業に売り込む意味合いが強いと考えても良いでしょう。小論文の内容で、志望企業への強い関心や企業と自分が合っていることのアピールにつながります。事前に企業の求める人物像を押さえておき、それに沿った回答をすることが高評価につながるポイントです。
これらのテーマでは必ずしも一般的に正しい回答をしているかをチェックしているわけではありません。学生の価値観や業務への向き合い方など、仕事に対する姿勢につながる部分を見ているので、決まった正解はありません。論点のずれた回答や常識はずれな回答はマイナスにつながりやすいですが、テーマに対して正直に前向きな考えを書くようにしましょう。
業界・企業研究が欠かせない
企業や仕事のことに触れる以上、企業研究は必ずやりこんでおく必要があります。志望企業の情報が間違っているとマイナスの評価になることが考えられます。また企業によっては業界に関することがテーマになる場合もあるので、企業研究と合わせて業界研究もしておくと良いでしょう。
企業研究をする際は求める人物像をチェックしておくことも欠かせません。たとえ自分の価値観をしっかりと示せていたとしても、それが企業が求めるものとずれているならば高評価にはつながらないことも。事前に採用サイトなどから確認しておき、企業の求める人材像と自分の価値観がマッチしているとアピールしましょう。
もし事前にその企業のインターンやOB・OG訪問ができる場合は積極的にしておきましょう。その企業の実際の仕事や空気感、社員だからこそわかる情報を知ることで、より企業に沿った回答ができるようになります。
インターンに関してはこちらの記事を確認しておきましょう。
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記事を読む
- 仕事を通してどのように成長したいか
- 企業に求めることは何か
- 企業が自社の社員に求めていることは何か
- 社会人として求められることは何か
- 会社で働くうえで何がもっとも大切なスキルか
- 商品の売上をアップさせる方法
- 業界の課題は何か
- 入社後にやりたいたいこと
- その企業の社会における役割は何か
- 企業を志望する理由
- その企業の強み
- 働くうえで大切だと思うこと
- 将来の夢
私は仲間と切磋琢磨し合って働くことを軸に企業を選びをしている。なぜなら、仲間と切磋琢磨し自分を成長させることで大きな成果を上げることができると考えたからだ。
特にゼミでの学びを通してそう感じるようになった。私はゼミを選ぶ際に、教授と先輩の優秀さでゼミ選びをおこなった。ゼミに入ってからは厳しい指導のもと、先輩や同輩と競い合って大きな成長を遂げることができた。特に夏と冬に2つの論文を書き上げることができ、そのうち冬の論文は、ゼミ内選考のもとコンテストで入賞を果たせたが、これは仲間と競い合えたことが大きい。ゼミに入った当初は、テーマであるスポーツ経済学について深く理解できておらず、勉強する内容が非常に難しく感じたためついていくのは苦労した。しかし、優秀な仲間に対するライバル心と教授や先輩からのサポートがあったからこそ勉強を続けられ、最終的にはコンテストで入賞を果たすまでになった。
このことから、私は仲間と切磋琢磨し合える環境であれば、さまざまなことを学べ自分が成長できると考えるため就職活動の軸としている。
キャリアアドバイザー
「切磋琢磨し合う環境が軸」に対し過去のエピソードでも「切磋琢磨した経験」を説明しており、話の一貫性がしっかりしています。エピソードそのものも非常に具体的でわかりやすいですね。
そのほか小論文で出題されやすいテーマ
小論文では、自分自身に関することもテーマとしてよく出題されます。自分自身に関することは「自分を知ってもらう文章」であるため、内容は主観や感情がメインとなり、どちらかというと作文の形式で書くことになります。しかし基本的に書き方や構成は小論文と変わらないので、自分自身に関するテーマが出題された場合にも焦らず落ち着いて、ステップに沿って書くことを意識しましょう。
たとえば「学生生活でもっとも力を入れたことは何か」というテーマ例だった場合、序論と結論は「もっとも力を入れた出来事」で本論は「それにかかわるエピソード」となります。
アピールポイントを1点に絞り込む必要がありますし、学びや企業での活かし方も書かなければなりません。テーマの性質上実体験を元に書くことが多くありますが、体験だけを書くのでは内容に具体性がありません。自己PRと同様に、具体性や説得力を意識しましょう。
自分をアピールするチャンス!
基本的に小論文は文字数が多いので、自己PRなど就活でよくされる質問の回答よりも内容を多く書くことができます。つまり、より自分の考えを詳細に伝えられるできるということです。このテーマは、自分の人柄などを採用担当にさらにアピールするチャンスだと捉えると良いでしょう。
注意しておきたいことは、内容を自分中心の話にしすぎないこと。「視野が狭い」「幅広く物事を考えることができない」などという印象を持たれる場合もありますので「こういう指摘を受けて考え方が変わった」など、できるだけ自分の周りとも関連させた書き方をするようにしましょう。
- 今まででもっとも力を入れたこと
- 今まででもっとも感動したこと
- 今まででもっともつらかったこと
- 今までに挫折した経験
- 学生生活で学んだこと
- 尊敬する人物は誰か
- 自分が成長したと感じた瞬間
- 社会に出たらどのような人になりたいか
- あなたが思う学生と社会人の違い
- 自分の強みは何か
- 自分の短所は何か
私が大学生活で学んだことは時間を有効活用することの大切さだ。
その中で時間を有効活用するにあたり大切なことは隙間時間の使い方だと考えた。たとえば大学への通学時間宙に授業の予習や復習をおこなうことで、授業やテストの準備を効率的におこなうことができた。その結果として、そのような準備をおこなっていなかった頃よりも成績が1.2%ほど向上した。また1日を24時間ではなく48時間あると意識して過ごすことを心掛け、毎日2倍の時間分活動する気持ちで行動するようにしていた。私はサークル活動で進んで幹事などまとめ役の仕事を引き受けていたが、自らさまざまな経験をすることによりさらに時間を有効活用したいという考えのもとでのことだった。幹事として全体に気を配りながら行動した結果、楽しみながらもさまざまな経験値を積むという、2倍分の時間を得るような体験ができた。
そのため私は大学では時間をどう有効活用するかで経験が変わることを学んだ。今後も時間を有効に使い先を見据えた余裕のある行動を心掛けることで、目標に向かいコツコツと精進していきたい。
キャリアアドバイザー
エピソードが2つとも、考えて行動した結果について明確に示されているところが良いポイントです。「こういうことを心掛けた」で終わってしまう学生もよくいますが、結果が明示されてこそ納得できるものです。非常に説得力のある小論文だと言えるでしょう。
選考で小論文が求められやすい業界や企業
小論文は主に病院や福祉に携わる企業で求められやすいです。業界への関心はもちろんですが、人と話すことが多い業界になるので、自分の考えをアウトプットする力を見ています。また、仕事の正確さが人命にかかわることもあるので、丁寧さや正確性も重要な評価ポイントです。
同様にマスコミでも小論文を求められることがあります。マスコミ業界は人に情報を伝える業界ですから、時事問題への関心は不可欠ですし相手を惹きつけるような文章力も重要視されることが多いです。また言葉を扱う仕事である以上、誤字脱字は大きなマイナスポイントになるでしょう。
マスコミ業界の中でも言葉を扱う出版社の就職を目指す学生は小論文対策が必須です。出版社への就職について詳しくはこちらの記事を読んでみてくださいね。
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出版社の就職に不可欠な4つの対策|仕事内容やトレンドなど完全網羅
出版社の就職では、トレンドや仕事内容について理解し、選考対策をする必要があります。今回の記事では、出版社の就職に不可欠なトレンドや仕事内容について紹介しています。また、出版社でもとめられるスキルやおすすめの対策もキャリアアドバイザーが解説しているので、人気の出版社への就職を目指す人はチェックしてみてくださいね。
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ポイントを押さえて説得力のある小論文を書こう
小論文は構成とステップを押さえれば簡単に書くことができます。大切なのは自分の感想ではなく意見を主張することと、その意見に具体的な根拠をつけることです。読み手に伝えるための文章ではなく、読み手を説得させるための文章であるということを意識しましょう。
また書き方には細かいルールや気を付けるべき表現があるなど注意点も多くあります。それらをしっかりと理解したうえで対策を重ねれば、スムーズに上手な小論文が作成できるようになりますよ。
企業はなぜ選考で小論文を求めるのでしょうか?