目次
- 「第二新卒はやめとけ」は軸がないから! 軸がつくれたら確実にステップアップできる
- まずは知っておきたい! そもそも第二新卒とは?
- 新卒・既卒の違い
- 「第二新卒はやめとけ」と言われる3つの理由
- ①新卒と比べると第二新卒の求人数は少ないから
- ②新卒よりも選考突破の難易度が上がるから
- ③新卒入社の人を優遇する企業もゼロではないから
- 不利なだけじゃない! 第二新卒の転職活動に追い風が吹いているわけ
- ①中途枠では若手として成長性をアピールできる
- ②中途採用だからこそエントリーできる企業・職種がある
- ③第二新卒を積極採用する企業が増えている
- 第二新卒の転職は明確な「転職の軸」が欠かせない!
- 5ステップで誰でもできる! 説得力のある軸の作り方
- ステップ①今の会社を辞めたい理由をリストアップする
- ステップ②転職の結果どんな自分になっているかイメージする
- ステップ③「なりたい自分」になれる環境をリストアップする
- ステップ④5年後・10年後のキャリアイメージを考える
- ステップ⑤今の職場では実現できないことか考える
- 企業に絶対刺さる軸の答え方・伝え方3ステップ
- ステップ①まずはどんな軸をもっているか伝える(結論)
- ステップ②なぜその軸を持っているのか理由を伝える(理由)
- ステップ③その軸を企業でどう実現できるか伝える(どう活かすか)
- 転職を決めたらまずしておきたい4つの準備
- ①転職のスケジュールを3カ月を目安に立ててみよう
- ②前の職場での活躍や経験を整理してみよう
- ③退職理由をまとめよう
- ④第二新卒が応募可能な企業を調べ企業研究をしよう
- 成功確率が格段にアップ! 転職活動をするうえで知っておきたい3つのポイント
- ①「転職する!」と決めたら早めに動き出すことが重要
- ②新卒とは違う第二新卒の選考対策をチェックする
- ③仕事を辞めるのは内定をもらってから
- 要確認! ネガティブな退職理由の言い換え例文5選
- ①給料が低い・上がらない
- ②昇進やキャリアアップが望めない
- ③残業が多い
- ④別の仕事がしたい
- ⑤人間関係がうまくいっていない
- 自分では対処しきれない事情で転職するならそのまま伝えよう!
- 確実に対策しよう! 第二新卒転職での頻出質問と答え方5選
- ①「退職理由はなんですか?」
- ②「この会社を選んだ理由はなんですか?」
- ③「前の仕事ではどんなスキルが身につきましたか?」
- ④「将来のキャリアプランを教えてください」
- ⑤「学生時代は何に力を入れていましたか?」
- 「転職しない」決断をした人はどうする? 今の職場でできる4つのこと
- ①上司に不満に思うことを相談してみる
- ②職場内での異動を検討する
- ③スキルや知識を得る場として仕事に取り組む
- ④副業をしてみる
- 第二新卒になるなら自分のことを深く知るのが希望のキャリアを叶えるカギ
「第二新卒はやめとけ」は軸がないから! 軸がつくれたら確実にステップアップできる
第二新卒としての転職を考えている人から、よくこんな相談をもらいます。第二新卒の転職について調べていると、「やめとけ」などの言葉を見かけることは多いでしょう。こんなネガティブな言葉を見かけてしまえば、不安になってしまったり、転職をするタイミングがわからなくなってしまうのは当然のこと。
ただ結論から言えば、「転職の軸」さえしっかりと持っていれば、第二新卒でも希望のキャリアを手に入れるチャンスはたくさんあります。
とはいえ、「やめとけ」と言われるにはそれなりの理由があるからであって、「本当に今転職をするべきかどうか」は、しっかりと見極めることが大切です。
この記事では、今が転職のタイミングなのかを確認する方法から、転職活動を成功に導く最大のポイントである「転職の軸」の見つけ方まで、キャリアアドバイザーのアドバイスを交えて解説しています。第二新卒での転職を成功させるためのヒントをふんだんに盛り込んだので、悩んでいる人はぜひ参考にしてみてくださいね。
まずは知っておきたい! そもそも第二新卒とは?
米田 有希
第二新卒は前の職場で働いていた期間が短いので、「採用してもすぐに辞めてしまうのでは……」と不安に感じる企業もあります。その不安を解消するために重要なのは、転職を決意した理由と、志望企業で長く働いていく意思を伝えること。つまり「転職の軸」なのです。
明確な期間などの決まりはないものの、一般的には「学校を卒業後、企業に新卒入社してから1〜3年が経っているうえで転職を考えている人」を指す
第二新卒に関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてみてくださいね。
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新卒・既卒の違い
本田 百合香
第二新卒・新卒・既卒は、就職活動をしているとよく目にするワードですよね。それぞれ意味する内容が違うので、自分がどれに当てはまるのかを確認してみましょう。
新卒は多くの場合「今年度中に学校を卒業する見込みで、卒業後就職予定の学生」のことを言います。また、入社後の社内でも「今年度中に学校を卒業し新しく入社した人」を指して新卒と呼ぶこともありますよ。
既卒には明確な基準はなく、「学校を卒業後就職しておらず、社会人経験がない人」のことを言います。企業にもよりますが、一般的には卒業後3年までを既卒と呼ぶことが多いですね。
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「第二新卒はやめとけ」と言われる3つの理由
「第二新卒として転職活動を始めようかな……」と悩んでいる人の中には、「第二新卒はやめとけ」と言われたり、そんな文言を見て不安に感じてしまった人もいますよね。
第二新卒が必ずしも転職に不利ということはありませんが、「やめとけ」と言われているのには理由があります。特に求人数や選考突破の難易度などは新卒のときとは違うので、内定獲得への第一歩としてまずは現状を把握しておきましょう。
転職に対して不安が大きく、なかなか一歩踏み出せない……そんなときは、こちらの記事を参考にしてみてください。あなたの不安を解消するヒントが見つかるはずです。
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転職は不安なことが多いですよね。良い転職先は見つかるのか、転職先でうまくやっていけるのか……そう考えるとなかなか一歩踏み出せない人も少なくありません。この記事では、専門家のアドバイスを交えて転職の不安を解消する方法や成功に導く心構えを解説。一緒に新たなキャリアへ自信に満ちた一歩を踏み出しましょう。
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①新卒と比べると第二新卒の求人数は少ないから
- 新卒採用:たくさんの人員をまとめて確保するための大規模な募集
- 中途採用:人手不足の解消や人員の強化のための小規模な募集
松下 建都
企業が人員を確保したいと思ったとき、一番の機会は新卒採用です。そこでたくさんの人員をまとめて確保するので、自然と新卒の採用枠が多くなります。
新卒採用には企業文化を若い世代に引き継いだり、将来性のある人材を確保するなどのさまざまな目的がありますが、特に採用規模に着目したとき、新卒採用が企業の将来を支えるための多くの人材を確保する目的なのに対し、中途採用は人手不足の解消や人員の強化のための限られた人数の募集が目的。求人サイトで募集人数が一桁の求人をよく見かけるのは、中途採用をする目的が限られているからでもあるのです。
②新卒よりも選考突破の難易度が上がるから
- ライバルにスキルを積んだ経験者もいる
- 企業から「前職と同じように早いうちに仕事を辞めるかも」というマイナスイメージが抱かれた状態でのスタート
米田 有希
中途採用の少ない採用枠を勝ち取るには、スキルや経験のアピールや、企業が第二新卒に感じている不安を払拭する必要があります。
第二新卒は、前の職場を早いうちに退職したという経歴があるため、「入社しても同じように早いうちに辞めてしまうのでは」と不安に感じてしまう企業も多いのです。
選考突破のカギは、この懸念をしっかりと払拭できるかどうかにあります。コツをつかんでいないと、少し難しく感じるかもしれませんね。懸念の解消方法は記事後半で詳しく解説しているので、合わせて確認しておきましょう。
③新卒入社の人を優遇する企業もゼロではないから
- 新卒は企業文化を受け入れやすい
- 将来を見すえた早いうちからの育成ができる
- フレッシュな人材を迎え入れることで職場に刺激を与えられる
本田 百合香
企業が新卒を優先するのは、初めて社会に出る新卒は会社の文化を受け入れやすいうえに、将来に期待した早いうちからの育成ができるメリットがあるからです。
フレッシュな若手を迎え入れることで、職場に刺激を与えたいと考える企業も多いでしょう。転職活動をしていると、実際に新卒との求人数の差が目につくことがあるので、こういった面で不利に感じる人もいるかもしれませんね。
第二新卒と新卒の就活の違いについてはこちらの記事もあわせて参考にしてみましょう。
第二新卒の転職は新卒就活と別物! まずすべき6つの対策を大公開
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
求人数や選考突破の難易度、置かれている立場など、さまざまな部分において新卒と第二新卒では状況が違います。
状況が違うということは、対策も違うということ。上の解説をふまえ、新卒時代と同じような準備や選考対策をしたとしても、第二新卒という立場での転職活動には通用しないことをまずは理解しておきましょう。
その上で、企業側が抱く第二新卒に対する不安や第二新卒ならではのデメリットなどを正確に把握し、それを払拭できるような事前対策を行うことが重要です。
また、デメリットだけでなく第二新卒ならではのメリットや強みもあることから、何をアピールすべきなのかを意識した対策をすることで、理想とする転職を叶えることができるでしょう。
不利なだけじゃない! 第二新卒の転職活動に追い風が吹いているわけ
- 中途枠では若手として成長性をアピールできる
- 中途採用だからこそエントリーできる企業・職種がある
- 第二新卒を積極採用する企業が増えている
第二新卒は一見不利なことが多く見えるので、転職が成功するイメージがうまくできないこともありますよね。しかし、最近は第二新卒を積極的に採用している企業も増えています。また、第二新卒として不利に思えることも、視点を変えれば第二新卒だからこそアピールできる強みに変換できるのです。
第二新卒年の就活は不利な面だけでないと理解できればモチベーションもぐんと上がるので、ここでしっかりチェックしておきましょう。
松下 建都
まずは第二新卒ならではの強みと今の転職市場の実態を知り、どんなことがプラスになるのかを確認してみましょう。
第二新卒の転職活動についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてみてくださいね。
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「第二新卒はやばい」は信じる必要ナシ|企業の本音を知って行動開始
第二新卒として就活を始めようとするとき、「第二新卒はやばい」と言われたことがある人もいるのではないでしょうか。第二新卒は企業からの懸念を抱かれやすいもの。まずはその解消がマストです。この記事では、そんな企業の懸念解消法や求人の探し方を専門家と一緒に解説しています。
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①中途枠では若手として成長性をアピールできる
- 会社の文化を受け入れやすい
- 早いうちから育成ができる
- 教育コストが削減できる
米田 有希
中途採用の募集に集まるのは、すでに社会人経験を積んだ人たちですよね。そんなライバルと差をつける要素の1つに「若手人材である」という強みがあります。
前の項目で説明したように、企業が新卒を採用する利点を兼ね備えているのも第二新卒の魅力です。
まだ若手である第二新卒は、多くの場合前の職場の文化に染まりきっていないために、育成がしやすいのです。
また、就業期間は短かったとしても研修などを通じて社会人としての最低限のマナーは身についていることが多いので、教育コストの削減にもつながることを魅力に感じる企業も多いですよ。
②中途採用だからこそエントリーできる企業・職種がある
本田 百合香
第二新卒は新卒に比べると応募できる企業の数は少なくなるかもしれませんが、応募できる採用枠や職種の選択肢は広がります。
第二新卒として転職活動をするなら、中途採用への応募がメインになります。中途採用枠に応募できるのは、新卒にはない第二新卒ならではの特権です。
中には新卒採用をしていない企業や職種もあるので、掘り出し物と言える募集に巡り合えるかもしれません。
③第二新卒を積極採用する企業が増えている
転職活動をしていると、自然と「売り手市場」「人手不足」「少子高齢化」などのワードが耳に入ってくることがあるのではないでしょうか。
厚生労働省が発表している「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)」によると、入社後3年以内に退職した大卒の人の割合は31.5%と約3割に上ります。
若手の人材の確保が少しずつ難しくなっているなか、仕事を辞めてしまう人も多くなっているのが現状です。辞めた分の人員補充のためにも中途採用は重要であり、そのなかでも新卒に近いメリットのある第二新卒に注目する企業が増えていますよ。
松下 建都
実際に多くの大手企業でも第二新卒を積極採用しています。こうしてみると、第二新卒の選択肢も順調に広がっていると思えますよね。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
上記でご紹介した日本を代表するような大手企業が採用枠をつくるなど、第二新卒に追い風が吹いていることは間違いありません。
けれど採用枠があることと選考を突破できるかどうかはまったくの別問題です。採用枠が増えているとはいえ、新卒採用に比べればまだまだ採用数は少なく、選べる企業の数も限られるのは事実。
選択肢が少ないということは、そこに応募する人の数も多くなるので、特に大手企業の第二新卒枠は競争率が高くなります。
競争率の高い選考を突破するには、しっかりとした事前準備や選考対策はもちろん、前職である程度の経験やスキルを身につけておくことが重要です。
中途枠の中では若手人材であるという第二新卒ならではの強みは、同じ第二新卒のライバルは全員が持っている武器。だからこそ前職の経験を活かし、差別化されたあなたならではの強みもアピールできるようにしておきましょう。
第二新卒の転職は明確な「転職の軸」が欠かせない!
- 早期離職の懸念を払拭できる
- 志望理由に説得力を持たせることができる
- 入社後のミスマッチを防ぐ
第二新卒として転職をするうえで一番のカギとなるのは「転職の軸」です。仕事をするうえで大切にしていることは何かを伝え、志望企業こそが求めている環境であるとアピールすることで、早期離職の懸念を払拭できます。
それだけでなく、今の自分がもっとも大切にしているものがわかるので、どんな企業に応募するかを見極める指標になり、入社後のミスマッチを未然に防ぐこともできますよ。
米田 有希
転職活動に役立つばかりか、入社後に希望のキャリアを実現するためにも必要なこの転職の軸。ここは特に力を入れて対策をしましょう。
5ステップで誰でもできる! 説得力のある軸の作り方
実際に社会人として働くことで、新卒のときから価値観が変わったという人もいますよね。説得力のある転職の軸を作るために、まずは自分がおかれている状況を客観的に見て、「今」仕事をするうえで何が一番大切なのかを明らかにしましょう。
自分が心から納得できる転職の軸でなければ、説得力を持たせることはできません。ここからは、説得力のある軸の作り方を5ステップにわけて解説していきます。
ステップ①今の会社を辞めたい理由をリストアップする
まず、今の職場で抱えている悩みや、なぜ転職したいのか、どんなときに転職したいと感じるのかを書き出し、それらが今の職場で改善できないか考えてみましょう。異動で解決できたり、時間が解決してくれるものもあるかもしれません。
本田 百合香
転職をしなければどうしても解決できない悩みがあった場合は、それが今自分が一番必要としている「転職の軸」になります。
- 残業が多い
- 今とは違った働き方がしたい
- 上司が高圧的で職場の雰囲気が悪い
- ほかにやりたいことがある
ステップ②転職の結果どんな自分になっているかイメージする
転職の軸がわかったら、次は転職をしてその悩みを解決した結果、どんな自分になっているかをイメージしてみましょう。
たとえば、「裏方ではなく、人の前に立って仕事がしたい!」という気持ちを転職の軸にしようと思ったとき、具体的には何をしていればそれが叶えられるのかをイメージしてみてください。
- 定時帰宅ができて限られた時間に効率良く業務を進める意識をしたメリハリのある生活ができる
- 上司の機嫌をうかがうことなくのびのびと仕事ができる
- 顧客ファーストな理念を掲げている企業で売上よりもお客様を第一に考えた仕事ができる
- 個人主義ではなくチーム全員で協力して1つの仕事に取り組み助け合いながら仕事ができる
ステップ③「なりたい自分」になれる環境をリストアップする
「なりたい自分」のイメージがはっきりしたところで、今度はそれに近づくためには具体的にどんな環境が必要かを深掘りしてみましょう。このときに思い浮かんだものが、企業選びをするうえでの判断基準になりますよ。
松下 建都
企業選びの基準をはっきりさせることで、志望理由に説得力を持たせることができ、企業側にも「なぜ入社したいのか」という部分を納得してもらいやすくなります!
- 業務時間内に終えるのが現実的な業務量を調整してもらえる
- 活発な交流があり上下関係に過度に敏感になることがないフランクな雰囲気
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
なりたい自分になれる環境が思いつかない場合は、逆に「こんな環境だけは嫌だ」という観点で考え、書き出してみるのがおすすめです。
たとえば、「休日出勤があるのは嫌だ」「体育会系のノリがある環境は嫌だ」など、どんな内容でも構わないので、あなたが転職するうえでこれだけは避けたいという部分を考えることで、自ずともとめる環境が見えてきます。
前職の経験の中で環境面における嫌だったポイントなどを考えるのも良いでしょう。
また、現時点で興味のある業界や職種がある程度イメージできている人は、実際にそこで働く人の経験談などを聞くのも有効な手段です。
「なりたい自分」のイメージを実現できる仕事をしている人の話を聞くことで、より具体的にもとめる環境などがイメージでき、企業選びの基準も明確になるでしょう。
ステップ④5年後・10年後のキャリアイメージを考える
次に、自分の未来を思い浮かべてみましょう。企業が第二新卒へ抱える懸念として一番大きいのは「早期離職のリスク」。
まずは自分自身に次の職場で長く働くビジョンがなければ、いくら「長く働く意思があります!」と伝えても、説得力がありませんよね。
5年後や10年後、どんなふうに働いていたいか、どんなキャリアを積んでいたいかをまずは具体的にしてみましょう。その際、大切にしている軸を貫き通せるかどうかも確認してみてくださいね。
米田 有希
面接官と将来像を共有することで、「この人なら目標に向かってしっかりと成長してくれそうだな」とプラスのイメージを持ってもらうことができますよ。
- 自分はもちろん部下の仕事・プライベートを充実させられるようなマネジメント能力のある上司となって人材育成に携わる
- 積極的に意見を発信し自分主体となってベストセラー商品を開発する
ステップ⑤今の職場では実現できないことか考える
ここまでできれば、かなり将来像がはっきりしてきましたよね。では最後に、改めてその環境は今の職場で手に入れることができないのかを考えてみてください。
第二新卒としての転職には、メリットだけでなくデメリットもあります。今までの職場で積み上げてきたもの、それらを手放さざるを得ない状況であるのかを落ち着いて考えてみましょう。
本田 百合香
どうしても転職なしには実現できないようであれば、今が転職のタイミングといえます。ここまでで明らかになった転職の軸を大切にして企業選びをし、面接ではっきりと伝えることができれば不利になることはありません。自信を持って転職活動に挑んでください。
- 部署異動
- 上司に相談して現状を打開する方法がないか考える
企業に絶対刺さる軸の答え方・伝え方3ステップ
- まずはどんな軸をもっているか伝える(結論)
- なぜその軸を持っているのか理由を伝える(理由)
- その軸を企業でどう実現できるか伝える(どう活かすか)
松下 建都
転職活動を成功に導くには、転職の軸を明確にして終わりではなく、それを面接の場でわかりやすく伝えるのも大切なポイントです。
ほんの少し工夫をするだけで、面接官に刺さる伝え方を身につけることができるのです。ここからはその3つの手順を解説します。しっかりと確認して転職の軸を最大限に活かし、面接を突破しましょう。
ステップ①まずはどんな軸をもっているか伝える(結論)
転職の軸をわかりやすく説明するには、まず初めに結論から伝えることが重要です。「私の転職の軸は〇〇です」と簡潔に伝えましょう。
結論以外のことから話し始めてしまうと、一番に伝えたい部分の印象が薄れてしまったり、聞き手が結論を理解するのに時間がかかります。面接は限られた時間の中で最大限に自分の魅力をアピールしなければならないので、「短い時間でわかりやすく」はとても重要です。
米田 有希
「結論から話す」というのは普段から意識していなければなかなか難しいものです。面接の場でうまくできる自信がない人は、今の職場で上司に報告や説明をするとき、最初に「結論から言うと~」を付けるようにしてみると良いですよ。
- 今の職場で上司に報告などをするとき「結論から言うと」から始める
- 伝えたいことは1つにしぼる
- 周りの人の会話に耳を傾け「結論から話しているか」「自分ならどの手順で話すか」を考える
ステップ②なぜその軸を持っているのか理由を伝える(理由)
「なぜその軸であるのか」という理由は結論の後に伝えましょう。このときのポイントは、要点だけを整理して伝えることです。
たとえば転職の軸が「顧客の笑顔を直接見られる仕事がしたい」なら、その軸を立てるまでの経緯は「普段は裏方だけど、現場のヘルプに行ったときに顧客の笑顔を見てやりがいを感じた」という説明で伝わりますよね。
ここへの補足は、「普段裏方でしている仕事」「顧客の笑顔を見たとき思ったこと」などにまとめましょう。
本田 百合香
長くなりすぎないよう、「説明」ではなく「補足」を意識すると簡潔にまとめやすくなりますよ。
ステップ③その軸を企業でどう実現できるか伝える(どう活かすか)
最後に、志望企業に入社後、転職の軸をどのように活かしながら仕事をしていくかを伝えましょう。このときのポイントは、5~10年後の長い未来を見すえることです。
前にも解説したとおり、企業が第二新卒に対して一番に懸念しているのは早期離職のリスクです。それを払拭するために、長期的なキャリアビジョンで締めくくりましょう。具体的であればある程思い描く未来像を面接官と共有できて、説得力が増します。
松下 建都
転職の軸を活かした結果「いつ」「どんな状態になっていたいか」を伝えることを意識すると良いですよ。
- 入社1年目:企業の商品について誰よりも詳しくなる
- 入社5年目:営業を通してクライアントに最適な商品の提案、さらに一歩踏み込んだ課題解決ができる営業のスペシャリストになる
- 入社10年目:営業での経験を活かして商品企画・開発の分野で活躍しベストセラー商品を作る
転職を決めたらまずしておきたい4つの準備
米田 有希
希望のキャリアを手に入れるためには面接対策も重要ですが、具体的な転職のスケジュールを立てたり、企業研究をしたりと、対策を始める前の準備も大切です。
今が転職時! と決断したときに、何から始めたら良いのかわからず足踏みすることがないよう、ここからは転職準備の流れを4ステップで解説していきます。一緒に転職に向けての準備を整えましょう。
①転職のスケジュールを3カ月を目安に立ててみよう
まずは転職のスケジュールを立てることから始めてみましょう。新卒に比べ卒業というゴールのない第二新卒は、「いつまで」という目標を立てないとメリハリがつきにくくなってしまいます。
多くの人が転職活動にかかる時間はおよそ3カ月ほど。まずはこれを目安にスケジュールを立ててみてください。ポイントは、いくつかにわけた大きな目標を設定することです。転職の成功から3カ月を目安に逆算し、そのスケジュールに沿って対策を進めていきましょう。
- 10月には転職
- 9月には内定を獲得したい
- 8月までに10社エントリーする
②前の職場での活躍や経験を整理してみよう
前の職場で得たスキルや成功体験は、転職活動の際大きなアピールポイントになるので、面接で必ず伝えましょう。
もし何かスキルを得た場合は、そのスキルを身につけるためにした努力や過程を書き出してみてください。スキルといえるものがなくても、仕事を成し遂げた経験や、うまくいったことなどもアピールになるので、そのときのことを思い出して整理してみてくださいね。
- 顧客アンケートの「親切な店員」部門で全国3位を獲得した
- 営業に関する先輩のノウハウをまとめたシートを社内に共有し営業部の仕事のクオリティ底上げに努めた結果、営業成績がその月の目標を大きく上回った
③退職理由をまとめよう
退職の理由は面接の場で必ず聞かれるので、転職の軸を立てる際に考えた退職理由を簡潔にまとめておきましょう。ネガティブな理由でも構わないので、まずは素直に「一番の理由はこれ」と考えたものを書き出してみてください。
本田 百合香
退職理由と転職の軸が一緒になってしまう人は、軸を立てる一歩手前の不満を考えてみると整理しやすくなりますよ。また、「ここが嫌だった」という主観的な言い方ではなく、「こういう問題・事実があった」という客観的な言い方でまとめましょう。
④第二新卒が応募可能な企業を調べ企業研究をしよう
転職の軸を活かせる職種・業界で、実際に第二新卒が応募可能なところはあるかチェックしましょう。中には新卒や経験者のみの募集もあるので、未経験職種に挑戦したいのか、今の仕事をベースにさらにステップアップしたいのか、目的に合わせて探してみてください。
志望企業が定まったら必ず企業研究をしましょう。自分がその企業で長く働いていけるか、理想の自分を実現することができるかをしっかりと確かめるために、いろいろな方法を駆使して情報を集めてくださいね。
- 志望企業のHPやパンフレットを見る
- 社員のブログを見る
- 志望企業が発売している商品を使ってみる
- 実際に店舗に行ってみる
第二新卒から大手就職を目指したい人はこちらの記事を参考にしてみてください。志望理由の深掘りの方法についても詳しく解説していますよ。
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第二新卒でも狙える大手企業110選|将来性×意欲のアピールで攻略
第二新卒で大手企業を目指すのは、決して簡単なことではありません。みなさんの中にも、挑戦したいけどどんな対策をしたら良いかわからない……そんな人もいるでしょう。この記事では、専門家のアドバイスを交えて第二新卒で大手を目指すための対策を解説。希望のキャリア実現に向けて一緒に対策を固めましょう。
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成功確率が格段にアップ! 転職活動をするうえで知っておきたい3つのポイント
松下 建都
転職を成功させるには、基本的な対策はもちろん、コツを押さえておくことが重要です。
第二新卒での転職は新卒のときよりもスピード感を意識する必要があったり、新卒のときとは違った選考対策が必要になります。新卒のときの就職活動と第二新卒の転職活動の違いを意識した対策をし、転職の成功率を上げましょう。
①「転職する!」と決めたら早めに動き出すことが重要
- 若手ならではの強みを押し出すことができる
- ポテンシャル採用を狙いやすい
転職すると決心したらできるだけ早いうちに動き出すのがおすすめです。前にも解説したとおり、第二新卒だからこそ押し出せる強みはたくさんあります。今持っている武器を最大限に活用するため、決断をしたら早めに動き出しましょう。
また、第二新卒として転職活動をすることで、企業側も「ポテンシャル採用」としてスキルや経験よりも人柄、素養などを重視してくれる可能性が高くなります。スキルを押し出すのが難しい未経験の職種にチャレンジするときは、第二新卒の期間内に転職活動を始めるのがおすすめです。
ただ、焦って転職先を決めてしまうとミスマッチに気づかないまま入社してしまう可能性があります。大切なのは、冷静に状況を整理して自分なりのベストタイミングで転職を進めること。そのための方法はこちらの記事で解説しています。
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転職したいと考えているけど、自分に合ったタイミングがわからないと悩んでしまう人もいますよね。転職のタイミングは時期や年齢、状況などで変わってきます。この記事では転職のタイミングを見極めるための必須知識について解説しています。
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キャリアチェンジを目指し未経験の職種に挑戦するなら、こちらの記事も合わせて参考にしてみてくださいね。
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②新卒とは違う第二新卒の選考対策をチェックする
新卒と第二新卒では面接で問われる内容が異なります。「なぜ退職を決意したのか」「前職で身についたスキルはあるか」など、第二新卒ならではの質問に答えるための対策が必要です。
特に退職理由に関しては、ポジティブな言い換えをするかしないかで面接官の受け取る印象はかなり変わります。前の項目でまとめた退職理由を、「こういった問題があった」から「こういうふうにしたかった」と言い換えてみましょう。
具体的な第二新卒ならではの頻出質問や退職理由の言い換え例文はこの先の内容で紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
③仕事を辞めるのは内定をもらってから
- 無職期間がない
- 金銭的な余裕がある
- メリハリをつけやすくなる
米田 有希
仕事を辞めてから転職活動をした方が、時間の確保がしやすく転職がスムーズになるのでは? という疑問を持つ人もいますよね。確かに時間確保の面では退職後に転職活動をする方がメリットがありますが、退職は転職先が決まってからにするのがおすすめです。
この理由について一番に言えるのは、無職の期間が長引くと転職の成功率が下がる傾向にあるということです。転職をするために辞めるとしても、再就職まで時間が空くと企業に「計画性がないのでは?」と懸念を抱かれてしまう可能性があります。
仕事を続けながら転職活動をするのは大変ですが、結果的にはメリハリが付き、転職活動が長期化するのを防ぐこともできるので、なるべく内定をもらってから退職するのがおすすめです。
要確認! ネガティブな退職理由の言い換え例文5選
本田 百合香
第二新卒ならではの面接対策として、ネガティブな退職理由の言い換えは重要です。ポイントは退職理由を前向きな表現にすることと、その結果今後どのように働きたいのかを伝えること。
ここからは、5つのよくある退職理由をポジティブな表現に言い換えた例文を紹介します。自分の退職理由はどのように言い換えるのが効果的か、ここでイメージを固めてみましょう。
①給料が低い・上がらない
●給料が低いことで具体的にどんな問題があったかを伝えよう
給料が低いと生活が苦しくなり精神的な負担になりやすく、仕事のパフォーマンスが落ちてしまう場合もあります。給料が低いことで起きた具体的な問題を伝えると、納得感を持ってもらいやすくなりますよ。
前職は給与水準が低く、生活にゆとりがありませんでした。
先輩にお話を伺うと5年後もほとんど昇給が見込めず、将来を不安に感じるようになりました。今後は成績に応じて昇給やインセンティブが得られる環境で仕事へのモチベーションを高め、不安にとらわれない環境で働きたいと思い、転職を決意いたしました。
②昇進やキャリアアップが望めない
●仕事へのモチベーションにかかわる問題を伝えよう
仕事の成果が見えないと、どうしてもモチベーションが下がってしまうことがありますよね。その場合は、モチベーションを上げ、自分の力を最大限に発揮できる環境を得るための転職であることを伝えましょう。
前職は年功序列の文化が根強く、継続的に好成績を残しても一定年数在職していなければ昇進ができませんでした。今後は成果に応じたポジションを得られる環境で仕事へのモチベーションを高め、裁量権のある環境で働きたいと思い、転職を決意いたしました。
③残業が多い
●実際にどの程度残業していたのか、なぜ残業しなければならなかったのかを伝えよう
残業時間が多い場合は、具体的にどの程度残業していたのかを「週〇時間残業していた」と伝えましょう。「単に時間管理ができないのでは」と懸念を持たれることを避けるために、なぜ残業しなければならなかったのかも言えると良いですね。
前職では週20時間以上の残業を前提にしなければこなせないほどの業務量が割り当てられており、勉強をする時間がありませんでした。
今後はただ与えられた業務をこなすだけでなく、自らのスキルアップにも時間を割けるようなメリハリのある働き方がしたいと思い、転職を決意いたしました。
④別の仕事がしたい
●前職での不満を転職先でどのように解消できるかを伝えよう
別の職種にチャレンジしたい場合は、前の職場で感じていた不満やできなかったことをふまえ、これからの職場でいかに解消できるかを意識してみましょう。特にまったく別の職種に挑戦する場合は、退職理由や転職理由は深掘りして聞かれることが多いので、しっかりと自分と向き合って答えを見つけてくださいね。
前職ではショッピングモールで販売員をしていました。来店客数が多く、やりがいはありましたが、顧客一人ひとりと向き合う親身な接客をすることができませんでした。今後は顧客と一対一で向き合い最適な提案ができる営業職に就きたいと思い、転職を決意いたしました。
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
転職理由を「別の仕事がしたい」と回答する場合、いくつかの注意点があります。
1つ目は「なぜ最初からその仕事をしなかったのか」と聞かれる可能性がある点です。第二新卒は前職の在籍期間が短くなるため、そもそも最初から今希望している仕事を選べば良かったのではないかという疑念を抱かれやすくなります。
対処法としては、まず前職を選んだ理由をしっかりと伝えることが大切。そのうえで前職を経験するなかで価値観が変わったきっかけや、新しい仕事を選んだ理由など、今にいたるまでのプロセスを丁寧に説明しましょう。転職理由や志望理由に説得力が生まれ、企業の疑念も解消することができます。
2つ目の注意点は、長続きしない人という印象になる可能性がある点です。企業のなかには、第二新卒に対し「採用してもすぐに辞めてしまうのでは」という不安を抱いている場合があります。
そのうえ今とはまったく別の仕事がしたいといわれたら、飽き性で長続きしない人なのではないかという不安を抱かれてしまうかもしれません。
これらの不安を払拭するためにも、まったく新しい仕事でなければならない理由はもちろん、新しい仕事でどんなキャリアを実現したいのかまでしっかり伝えましょう。
⑤人間関係がうまくいっていない
●人間関係のマイナス要素は客観的に伝えよう
人間関係が原因で転職をする場合は、「協調性がない」と思われてしまわないよう、「チーム同士が敵対していた」というようなマイナス要素を「競争をし互いを高め合っている」というように、客観的にはどう見えるかを意識して伝えましょう。
前職では競争をしながら切磋琢磨して仕事をする環境はありましたが、チームの垣根を超えて協力する文化がありませんでした。今後は社員が一丸となって業務に取り組み、知識や経験を共有したうえで互いを高めていける環境で働きたいと思い、転職を決意いたしました。
自分では対処しきれない事情で転職するならそのまま伝えよう!
松下 建都
転職をした理由の中には、ハラスメントやリストラ、会社が倒産してしまったなど、自分で対処することができないものもあります。その場合は、事実をそのまま伝えましょう。
転職をせざるを得なくなってしまった経験を踏まえ、志望企業では安心して働くことができると感じる理由も添えられると、さらに印象がアップしますよ。
ハラスメントやリストラに関しては言いにくい点もあるかもしれませんが、自分では対処しきれない事情があっての転職理由については企業も理解してくれるはず。事実はそのまま伝えてくださいね。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
教育研修制度や資格取得支援など、社員の教育環境に対する不満が転職理由となる場合は、そのまま伝えない方が良い場合もあります。
教育環境のせいで自分が成長できないという印象になる伝え方をしてしまうと、自分の成長に対して受け身というマイナスイメージにつながるリスクがあるためです。主体性や行動力があれば、どんな環境でも自己成長できると考える企業も多いですからね。
前職における実際の教育制度など、事実の部分はそのまま伝えても問題ありません。そのうえで、自分自身をさらに成長させるためにより充実した教育環境をもとめているなど、前職の環境を否定することなくポジティブな内容で伝えることができれば、マイナスイメージにつながることはないでしょう。
確実に対策しよう! 第二新卒転職での頻出質問と答え方5選
米田 有希
前にも解説したとおり、第二新卒の転職ならではの質問は必ずされます。新卒のときの経験だけではカバーできないので、確実に対策をしましょう。
ここからは第二新卒での転職の面接で特に聞かれることの多い5つの質問と、その回答例文を紹介します。一つひとつにしっかりと答えられるよう、例文を参考に自分自身の回答を用意して、対策を完璧にしていきましょうね。
①「退職理由はなんですか?」
●ネガティブな退職理由はポジティブに言い換えよう!
退職理由の答え方については、前の内容で解説したとおりネガティブな退職理由を前向きな表現にするのがポイントです。例文のように前職でやりがいを感じていた部分にも触れられると、より好印象を残せますよ。
回答例
前職では接客業をしており、多くの顧客とかかわり喜んでいただけることにとてもやりがいを感じていました。しかし既存のものを売り出すのではなく、自分自身が作り上げたものでより多くの顧客に喜んでいただけるような仕事がしたいと感じ、転職を決意いたしました。
②「この会社を選んだ理由はなんですか?」
●前の職場の退職理由を踏まえ志望企業でどんなふうに働きたいか伝えよう!
企業が志望理由を聞くのは、「うちの会社でも同じような理由ですぐに辞めてしまわないかな?」と不安に感じているからです。しっかりと志望理由を伝えることで、早期離職の懸念を払拭することができます。
退職理由を踏まえ、入社後にはどんなふうに働いていきたいか、どんな活躍をしたいかを具体的に伝えましょう。
回答例
御社を志望したのは、ベストセラー商品にとどまらず、積極的な新商品の開発に魅力を感じたからです。自分で一から商品を開発できる環境で、これまで肌で感じてきた「顧客の生の声」を活かしながら仕事をしていきたいと思っています。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
退職理由が「給与が低いから」などの条件や福利厚生面である場合、志望動機に退職理由を関連付けるのは基本的におすすめしません。
条件面が志望動機となると、企業側に熱意や志望度の高さは伝わりにくくなります。また、企業に「うちより福利厚生など条件面が充実している会社はある」と評価されてしまえば、選考を突破できる確率は格段に下がってしまいますよ。
そもそも企業が第二新卒に抱える最大の不安は「またすぐに辞めないか」という部分です。条件面を退職理由にする人材は、今後もし条件面の変化があればすぐに転職するだろうと評価されるため、第二新卒ならではの不安を払拭することができません。
もしどうしても条件面などを志望動機に加えたい場合は、企業理念や社風などと関連付けてアピールするのがおすすめです。
「社員の生活が第一」という理念や「オンオフのある環境によって社員のモチベーションを最大化する」といった社風を大切にしている企業もあるため、企業がアピールしているポイントをもとに条件面の魅力も伝えることができれば、ネガティブな志望動機にはならないでしょう。
③「前の仕事ではどんなスキルが身につきましたか?」
●転職後にも活かせるスキルをアピールしよう!
前職で身についたスキルを伝えるときは、転職後にも活かせるものを選ぶのがポイントです。転職後、スキルを活かしてどんなふうに活躍できるかを面接官と共有することで、印象アップを狙うことができますよ。
回答例
前職での経験によって、顧客の抽象的な感想から物事を多角的に見るスキルが身につきました。「良いけど微妙」と感じるのは色が原因か、形が原因か、今着ている服が原因かなど、あらゆる視点から掘り下げることで潜在ニーズを引き出すことができます。
④「将来のキャリアプランを教えてください」
●中期的な「やりたいこと」と長期的な「なりたい姿」を想像しよう!
将来のキャリアプランを伝えるポイントは、中期的な目標は「やりたいこと」、長期的な目標は「なりたい姿」を想像することです。
たとえば5年後と10年後のキャリアプランについて説明するとき、5年後は具体的に達成していたい目標を、10年後はそこからキャリアを積んだ先にどんなポジションを得たいかなどを伝えると、長期的に見た将来像を面接官と共有しやすくなります。
回答例
御社に入社後、5年後には会社の代名詞となるような大ヒット商品を生み出すことが目標です。そこからさらにキャリアを積み、10年後には競合他社に負けない戦略や販売方針を考えていける立場を目指したいと思っています。
⑤「学生時代は何に力を入れていましたか?」
●志望企業で活かせる経験を伝えよう!
一見新卒の就職活動のときに聞かれそうなこの質問ですが、実は第二新卒での転職活動の際にも聞かれることがしばしばあります。
新卒での面接の際に伝えたことが、転職先へのアピールとして活かせるものであればそのまま伝えても問題ありませんが、もしかみ合わない場合は、言い換えたり別の内容を用意して対策をしておくと良いですよ。
回答例
私は学生時代、アパレルショップでのアルバイトに力を入れていました。顧客が求めているのはどんな商品かを敏感にキャッチできるよう常にアンテナを立てることに注力しており、そこで得たスキルは御社での商品企画の仕事にも活かせると感じています。
「転職しない」決断をした人はどうする? 今の職場でできる4つのこと
本田 百合香
転職をするか検討を重ねた結果、「しない」という選択をした人も中にはいますよね。職場を変えなくとも、上司に悩みを相談したり、副業をしたりと、環境や仕事内容を変える手段はほかにもあります。
ここからは、今の職場でもできる4つのことを提案していきます。転職をしない決断をした人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
①上司に不満に思うことを相談してみる
- 上司からアドバイスをもらえたり自分にはない打開策を提示してくれる可能性がある
- 上司としての立場から穏便な問題解決をしてくれる可能性がある
転職を考えた原因が何であっても、可能であればまずは上司に相談してみるのが良いでしょう。少しハードルが高いかもしれませんが、面談の機会をもらい、今抱えている悩みや不安を一対一で打ち明ける時間を作ってもらうのが良いですよ。
松下 建都
同じ会社で経験を積んだ上司だからこそ、今の自分の中にはなかった有効な打開策を教えてくれる可能性もあるので、一度検討してみてください。
②職場内での異動を検討する
- 転職をしなくても職場環境をガラッと変えられる可能性がある
- 社内で得た人脈や功績を手放さずに済む
業務内容が原因で転職を検討していた人は、「部署を異動することで解決ができないか」という選択肢をぜひ検討してみてください。
米田 有希
異動が実現するまでには時間がかかるかもしれませんが、これまで社内で広げてきた人脈やキャリアを転職によって一度手放すことを考えると、そちらの方が良い選択である場合もあります。
③スキルや知識を得る場として仕事に取り組む
- スキルを身につけることで転職活動で有利になる
- 転職先で即戦力としていち早く経験を積める
前の内容で「転職は早いうちに」と解説しましたが、もし転職の理由が「同じ職種でスキルアップがしたい」などであれば、一概に早めに転職するべきとは言えません。
今の職場で昇進できる見込みがあったり、実績となるような大きな仕事を任せてもらえそうな場合は、それを優先するのも良いでしょう。
本田 百合香
どちらにせよ将来的には転職を考えているという場合でも、即戦力採用に挑戦する機会もあるので、専門性を高めていきたい場合は今の職場で得られる知識を吸収しきってからの転職もおすすめです。
④副業をしてみる
- うまくいけば収入が増える
- 職場自体に大きな不満がない場合は労力が少なく希望を叶えられる可能性がある
業務内容が原因で転職を検討しているものの、今の職場にそれ以外の不満はないという場合、副業をするのも希望を叶える手段の1つです。最近は副業を許可している企業も多く、その内容も多岐にわたるので、理想の働き方ができる方法が見つかるかもしれませんね。
第二新卒になるなら自分のことを深く知るのが希望のキャリアを叶えるカギ
第二新卒の転職活動は難しい面もありますが、的確な対策ができればむしろ押し出せる強みが多くあります。転職を成功に導くカギは、転職の軸を決めることです。そのために、まずは自分のことを深掘りして考えてみましょう。
面接対策だけでなく、自分に合った転職先を探し、希望のキャリアを実現するためにも軸探しは重要です。自分の選択が後悔のない「決断して良かった!」と思えるものになるよう、ゆっくり今の自分と向き合ってみてくださいね。
第二新卒とは一般的に学校を卒業後、企業に新卒入社してから1〜3年が経っているうえで転職を考えている人を指します。