目次
- 転職しないほうがいい業界は人による! 転職を成功させるには業界の理解が不可欠
- 最初に押さえておきたい! 「転職しないほうがいい業界」の2つの真実
- 誰にとっても「転職しないほうが良い業界」は存在しない
- 自分なりの避けたい条件を明確にして転職活動に臨むことが大切
- 転職しないほうがいいと言われることが多い業界に見られる4つの特徴
- ①将来性が見込めない
- ②離職率が高い
- ③労働環境が悪い
- ④年収水準が低い
- 転職しないほうがいい業界は一般論! 業界の特徴を理解したうえでの判断が必須
- あなたが転職しないほうがいい業界を発見! 15の業界を徹底解剖
- ①介護業界
- ②飲食業界
- ③娯楽業界
- ④美容業界
- ⑤ホテル業界
- ⑥ブライダル業界
- ⑦教育業界
- ⑧運送業界
- ⑨建築業界
- ⑩小売業界
- ⑪保険業界
- ⑫自動車製造業界
- ⑬広告業界
- ⑭出版業界
- ⑮マスコミ業界
- あなたにとって転職しないほうがいい業界とは? 適職を見つける4ステップ
- ステップ①これまでの仕事で苦手だと感じたことを書き出す
- ステップ②将来どうなりたいかをキャリア・働き方の2軸で明確化する
- ステップ③業界分析をおこない各業界の特徴を把握する
- ステップ④転職の軸と照らし合わせながら自分に合った業界を絞り込む
- 要チェック! 転職における業界選びで失敗しないための3つのポイント
- ①実際にその業界で働いている人の話を参考にする
- ②調べるのが難しい点については面接で確認する
- ③転職エージェントに相談してプロの意見をもらう
- 自分にとっての転職しないほうがいい業界を見極めて納得のいく転職をしよう!
転職しないほうがいい業界は人による! 転職を成功させるには業界の理解が不可欠
こんにちは。キャリアアドバイザーの今井です。
転職しないほうがいい業界について気になっている人から、このような相談を受けることがあります。
同じ職種であったとしても、業界によって働き方や年収水準などが大きく異なるため、転職において業界選びは重要です。そのため、自分の興味のある業界が転職しないほうがいいと言われていると、不安になってしまいますよね。
ただ、先に結論を言うと、誰にとっても転職しないほうがいい業界というものは存在しません。
転職しないほうがいい業界というのは、あくまで一般論であるため、自分なりに避けたい条件と各業界の特徴をしっかりと理解したうえで、自分にとっての転職しないほうがいい業界を見極めることが大切ですよ。
この記事では、自分にとって転職しないほうがいい業界を見極めるための方法や各業界の特徴について解説していきます。転職の業界選びで迷っている人には有益な情報ばかりなので、ぜひ参考にしてくださいね。
最初に押さえておきたい! 「転職しないほうがいい業界」の2つの真実
「世の中には転職しないほうが良い業界もある」と聞くと、どうしても気になってしまいますよね。転職は人生における一大イベントでもあるため、業界選びで失敗したくないという気持ちはよくわかります。
ただ、転職しないほうがいい業界について気になっているのであれば、最初に知っておいてほしい事実が2つあります。まずはこの事実を押さえたうえで、どのように業界を選ぶべきか考えていきましょう。
誰にとっても「転職しないほうが良い業界」は存在しない
そもそもですが、誰にとっても「転職しないほうがいい業界」というものは存在しません。
人それぞれ価値観はさまざまです。「転職しないほうが良い」というのはその人の価値観にもとづいた見解であるため、すべての人に当てはまるとは限りません。
たとえば、仕事選びにおいて年収水準を重視する人にとっては、年収水準の低い業界は「転職しないほうが良い業界」と言えるかもしれません。
しかし、仕事選びにおいて年収水準よりもやりがいを重視する人にとって、年収水準が低いという理由だけで「転職しないほうが良い業界」にはなりませんよね。
このように、人によって価値観が異なる以上、誰にとっても「転職しないほうがいい業界」というものは存在しないのです。
自分なりの避けたい条件を明確にして転職活動に臨むことが大切
自分のやりたいことや興味のある業界であれば、転職しないほうがいいと言われている業界であっても、積極的にチャレンジしたほうが良い場合もあります。
ただ、転職しないほうがいいと言われているのには何かしらの要因があるため、その点を理解し、自分なりの避けたい条件と照らし合わせることで、より自分に合った業界が見えてくるようになります。
誰にでも当てはまる「転職しないほうがいい業界」というものが存在しない以上、業界選びで失敗しないためには、自分なりの避けたい条件を明確にしたうえで転職活動に臨むことが大切ですよ。
本田 百合香
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
転職先を探すうえでは、キャリアアップや理想の仕事、やりがいを求めることも大切です。しかしそれだけを求めて転職先を探すのではなく、これだけは避けたい、もっと改善したいというマイナス面に目を向けましょう。そうすることで自分の理想がより明確化され、マッチする環境を探しやすくなりますよ。
たとえば、「残業や休日出勤が常態化している」「毎日PC作業で人とかかわることがほとんどない」などが挙げられます。
頭で考えるだけでは整理しきれないため、これだけは嫌だということを優先順位をつけながらリスト化しておくのがおすすめです。
転職しないほうがいいと言われることが多い業界に見られる4つの特徴
業界によって転職しないほうがいいと言われる理由はさまざまですが、転職しないほうがいいと言われることが多い業界には、いくつかの特徴があります。
そこでまずは、転職しないほうがいいと言われることが多い業界に見られる4つの特徴についてチェックしていきましょう。これらの特徴を理解しておくことで、業界分析をおこなう際の手助けになるはずです。
①将来性が見込めない
転職しないほうがいいと言われることが多い業界の特徴としては、将来性が見込めない点が挙げられます。
将来性の見込めない業界は、今後衰退していく可能性が高く、最悪の場合はなくなる可能性もあります。そのような状態では雇用が安定せず、長期的なキャリアを築きにくくなります。
また、衰退を続けている業界では、キャリアアップや給与アップを実現するのも難しく、仕事のやりがいや成長を感じられなくなってしまうかもしれません。
このような理由から、将来性が見込めない業界は転職しないほうがいいと言われることが多いのです。なお、将来性が不安視されている業界の特徴としては、以下のものが挙げられます。
- AI(人工知能)や機械によって代替される可能性が高い
- 業界全体が縮小傾向にある
- 社会的なニーズが減っている
②離職率が高い
転職しないほうがいいと言われることが多い業界は、離職率が高い傾向にあります。
離職理由は人によってさまざまであるため、離職率が高いという理由だけで危険やブラックとは言い切れません。ただ、一般的には職場や仕事に対して不満があって退職する人が多いため、離職率が高い業界は転職しないほうが良いと言われることが多いのです。
また、世間一般では「ホワイトな業界や企業は簡単に人が辞めない」といったイメージが定着しているため、その裏返しとして、離職率が高い業界は敬遠される側面もあります。
厚生労働省の雇用動向の調査結果によると、令和4年の業界全体の離職率は約15.0%となっています。離職率が平均より高い業界は転職しない方が良いというイメージを持たれる傾向にあるようです。
- 宿泊業
- 飲食業
- 生活関連サービス業
- その他のサービス業
松下 建都
とはいえ、業界の離職率はあくまで全体の数値です。業界内のすべての企業が当てはまるとは限りませんよ。
③労働環境が悪い
転職しないほうがいいと言われることが多い業界の特徴としては、労働環境が悪い点も挙げられます。労働環境が悪い例としては、以下のような環境が考えられます。
- 拘束時間が長く残業が発生しやすい
- 忙しくて有給休暇を取れない
- 職場内の雰囲気が悪い
- 肉体的や精神的に負担のかかる業務が多い
たとえば、常に人手不足の業界であれば、どうしても一人当たりの負担が大きくなり、残業が発生しやすくなったり、有給休暇を取りづらくなったりします。また、常に業務に追われている状態では心に余裕がなくなり、職場全体もギスギスした雰囲気になりがちです。
そういった理由もあり、労働環境が悪い業界は転職しないほうがいいと言われることが多いのです。
④年収水準が低い
年収水準の低さを理由に、転職しないほうがいいと言われている業界もあります。
たとえば、下記のような業界はそもそも利益があまり上がらないため、従業員に還元できる利益が少なく、年収水準も低くなりがちです。
- もともとの利益率が低い
- 新規参入が多く価格競争になりやすい
業界全体の年収水準が低ければ、仮に大きな成果を残したとしても、他の従業員とのバランスもあり、大幅な給与アップにはほとんど期待できません。いくら仕事を頑張っても「業界全体の年収水準が低いから」という理由で給与アップが望めなければ、人によってはモチベーションが下がってしまいますよね。
そのような理由から、年収水準が低い業界は敬遠される傾向にあるのです。
転職しないほうがいい業界は一般論! 業界の特徴を理解したうえでの判断が必須
自分の興味のある業界が転職しないほうが良いと言われていると、人によっては「やめたほうがいいかな?」と躊躇してしまうかもしれません。
ただ、転職しないほうがいい業界というのは、あくまで一般論です。避けたい条件は人によって異なるため、業界の特徴を理解したうえで、自分にとっての転職しないほうがいい業界を見極めることが重要です。
次章で転職しないほうがいいと言われる要素を持つ主要な業界の特徴について解説しているので、業界選びの参考にしてみてくださいね。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
「公務員は安定しているから辞めるべきではない」「◯◯業界は将来的になくなる可能性があるとテレビや雑誌で言っていたから転職すべき」など、仕事に対するイメージや意見を耳にすることもあると思います。
しかし、外からの評価が常に正しいとは限りません。「転職した方が良いと言われている業界だから」という理由だけで安易に転職を決めてしまうと、後々うまくいかなかったときに後悔したり、他責思考が身に付いてしまうリスクがあります。
実際に需要がなくなるので転職をするべきとの判断、転職をしないという判断は、自分の意志でおこなうようにしましょう。
そしてそのためには、業界や企業に関する情報収集が欠かせません。世の中には注目を引くためだけに流されている情報が多くあります。情報を集めることは大切ですが、一番重要なのはその出典元やデータの根拠までを調べることですよ。
あなたが転職しないほうがいい業界を発見! 15の業界を徹底解剖
自分に合った業界を見つけるためには、一般論に流されることなく、各業界の特徴をしっかりと理解したうえで判断することが必要です。
そこでここからは、転職しないほうがいいと言われる要素を持つ主要な15業界の特徴について解説していきます。その業界に向いている人の特徴も紹介しているので、業界選びの参考にしてくださいね。
米田 有希
もちろん働きやすい環境が十分に整った企業も多くあります。この業界には転職しないほうが良いんだ、という見方ではなく、それぞれの業界知識を深める前提でチェックしてくださいね。
①介護業界
介護業界は、高齢者や心身に障害をもつ人などを対象に、さまざまなサービスを提供することがおもな仕事で、介護職員やケアマネージャーなどが代表的な職種です。
介護の仕事は介護を必要とする人に対して、直接身の回りのお世話をしたり、相談にのったりするため、感謝される機会も多く、やりがいを感じやすい点が魅力です。近年は少子高齢化の加速もあり、介護業界は拡大を続けており、今後もニーズが高まっていくことが期待できますよ。
ただ、介護業界は慢性的な人手不足に陥っており、やりがいがある分、一人当たりの負担が大きくなりがちです。また、介護は肉体労働の側面もあるため、ある程度の体力が求められることも認識しておいた方がいいでしょう。
- 人とかかわるのが好きな人
- 人の役に立つのが好きな人
- 力仕事が苦にならない人
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②飲食業界
飲食業界は、レストランや居酒屋といった、飲食品を提供する店舗で調理や接客をすることがおもな仕事で、ポジションによっては店舗の運営にも携わります。
飲食業界の仕事は、接客を通して感謝されたり、自分の調理した料理に喜んでいる姿を間近で見られたりするなど、やりがいを感じやすい仕事です。また、未経験であっても採用されやすい点も魅力と言えます。
一方、飲食業界は全体的に利益率が低いため、年収水準は低い傾向にあり、長時間労働を強いられることも多く、体力が求められます。
ときにはクレーム対応もしなければならず、さらに売上を管理する立場であればノルマのプレッシャーもあるため、やりがいがある分ストレスのかかる仕事でもあります。
本田 百合香
飲食店は基本的にシフト制であるため、土日や祝日にも勤務することが多いことも認識しておいた方がいいでしょう。
- 調理や接客が好きな人
- 人が喜んでいる姿を見るのが好きな人
- 体力に自信がある人
③娯楽業界
娯楽業界は、ゲームや映画、カラオケといった、余暇を楽しむための施設やサービスを提供するのがおもな仕事です。
娯楽業界の仕事は楽しい時間や素敵な思い出を提供し、人を楽しませることができる点が魅力です。また、自分の好きなものをプロデュースできたり、多くの人に影響を与えられたりするため、そういった部分でやりがいを感じられる仕事でもあります。
ただ、娯楽業は景気に左右されやすい側面があります。景気が悪くなると娯楽費に回せるお金も減るため、安定性の部分ではやや不安のある業界と言えるかもしれません。
- 人を楽しませるのが好きな人
- 自分の好きなものにかかわる仕事がしたい人
- たくさんの人に影響を与えられる仕事がしたい人
松下 建都
もちろん企業によってはニーズの増減に左右されない安定した基盤を構築しているところも多くあります。一概に安定していない業界なのだとは決めつけず、興味のある企業があればじっくり調べてみましょう。
④美容業界
美容業界は、美容師やエステティシャンをはじめとした、顧客の美をサポートしたり引き出したりするサービスを提供するのがおもな仕事です。
美容業界の仕事は、自分のセンスや技術を活かして人を喜ばせることができ、顧客から感謝されることも多いため、やりがいを感じやすい仕事です。また、近年は男性向けの美容にも関心が高まっているため、今後も成長性の見込まれる業界と言えます。
米田 有希
美容系のビジネスは起業しやすいため、経験やスキルを積めば将来的に独立を目指せる点も魅力ですよ。
その一方、美容業界は新規参入しやすい分競争率が高く、常にスキルを磨きつつ、トレンドにも敏感である必要があります。基本的に立ち仕事で拘束時間も長いため、体力が求められる仕事でもありますよ。
- 自分のセンスを活かせるような仕事がしたい人
- 人と話すのが好きな人
- 将来的に独立も視野に入れている人
⑤ホテル業界
ホテル業界は、宿泊施設における接客やサポート、レストランや結婚式場などで各種サービスを提供するのがおもな仕事です。
ホテル業界の仕事は、ホテルや旅館といった非日常の空間で、高い接客スキルを身につけることができる点が魅力です。ホテルや旅館には外国からの旅行客も多く訪れるため、語学力を活かせる場面も多いですよ。
その一方、宿泊施設は24時間営業のところが多く、夜勤や長時間シフトにも対応しなければならないため、体力的な負担の大きい仕事でもあります。また、ホテル業界は国内の景気だけでなく、国際情勢の変化の影響も受けやすいため、波のある業界と言えます。
- 高度な接客スキルを身につけたい人
- 語学力を活かしたい人
- 夜勤に抵抗がない人
⑥ブライダル業界
ブライダル業界は、結婚式や披露パーティーを実施する顧客に対し、サービスやサポートを提供するのがおもな仕事です。
ブライダル業界の仕事は、人生において特別なイベントとなる結婚式にかかわり、多くの人の幸せをサポートできるため、やりがいや喜びも大きい仕事です。
また、結婚式はウェディングプランナーをはじめ、スタッフ全員が結婚式の成功のために力を合わせて頑張るため、そうした部分にも充実感を感じながら働ける業界といえます。
一方、結婚式という人生の一大イベントにかかわることから、失敗できないというプレッシャーも大きく、顧客の都合に合わせて土日や祝日の勤務も少なくないため、生活リズムを安定させたい人にとってはストレスや体力的な負担が大きい仕事でもあります。
また、近年は未婚率が高く、挙式しない夫婦も増えているため、市場規模は縮小傾向にある点も認識しておく必要があります。
- 多くの人の幸せにかかわる仕事がしたい人
- チーム一丸となって成功を目指すような仕事がしたい人
- 自分のアイデアやセンスを活かしたい人
⑦教育業界
教育業界は、教員や講師、教材や教育機器の開発といった、教育全般に携わる業界です。
教育業界の仕事は、教育を通して社会の発展に貢献できる点が魅力です。特に教員や講師といった、直接教育をおこなう職種であれば、生徒たちの成長を間近で見ることができ、大きなやりがいを感じられる仕事と言えます。
本田 百合香
なかには少子化の影響で将来性に不安を感じる人もいるかもしれませんが、教育や指導はAI(人工知能)やロボットによる代替が難しいため、将来性のある業界と言えますよ。
ただ、教員は慢性的な人手不足が続いており、一人当たりの負担が大きく、長時間労働になりがちです。長く働き続けるためには、教育に対する熱意が求められるとも言えます。
- 人に物事を教えるのが好きな人
- 人の成長を見るのが好きな人
- 教育に対する熱意がある人
⑧運送業界
運送業界は、さまざまな物を運ぶのがおもな仕事で、その他、荷物や商品の在庫管理・仕分けなどもおこないます。
運送業界の仕事は、運送のための移動に多くの時間を費やすため、人とコミュニケーションを取る機会が少なく、一人で黙々と仕事がしたい人に適しています。チームで協力しておこなう作業もあるうえ、取引先や送り主と接するポジションもあるため、完全に孤独というわけではありません。
ただ、運送業界は深刻な人手不足が続いており、一人当たりの負担が大きくなりがちです。働き方改革関連法により、2024年4月からは運送業界にも残業時間の上限(年間960時間)が設けられるようになったため、その影響も含めて今後の業界の動向に注目と言えますね。
- 一人での作業が好きな人
- 長時間の運転が苦にならない人
- 体力に自信がある人
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⑨建築業界
建築業界は、家屋やマンション、ビルなどの建築に携わる仕事です。
建築業界の仕事は、建築物という形で世の中に成果物が残るため、達成感や社会に貢献している実感が湧きやすい仕事です。スキルを高めることで、収入が上がりやすい点も魅力と言えます。
一方、建築の仕事は基本的に肉体労働で、長時間労働も発生しやすい仕事です。運送業界と同様、2024年4月からは建築業界にも残業時間の上限(年間960時間)が設けられるようになったため、労働環境は徐々に改善されていくかもしれませんが、依然として体力勝負な側面があることは確かです。
松下 建都
ただ、建築業界の労働環境は会社によって大きく異なる傾向があるため、企業選びが重要とも言えますよ。
- 大きな達成感を得られる仕事がしたい人
- 体力に自信がある人
- スキルを高めて高収入を目指したい人
⑩小売業界
小売業界は、コンビニやスーパー、百貨店やスポーツ用品店といった、商品を仕入れて消費者へ販売するのがおもな仕事です。
小売業界の仕事は接客がメインとなるため、人とかかわる機会が多く、顧客に合わせて臨機応変な対応ができる人はやりがいを感じやすい仕事です。また、小売業は起業との相性も良く、将来的に自分のお店を持つことも不可能ではありませんよ。
その一方で、小売業界は価格競争になりやすいこともあり、年収水準は低い傾向にあります。また、基本的にシフト勤務なため、土日や祝日に休みが取りづらい業界です。さらに、近年は通販の普及や一部の商品(書籍やCDなど)ではデジタル化が進んでいるため、実店舗による販売は減少傾向にあります。
米田 有希
ただし、商品によっては実店舗の需要が減らないケースも考えられます。たとえば、時計や宝石といった高級品は、実際に手に取って選びたいという人も多いため、そういった商品であれば、今後も実店舗による販売は残ると予測されていますよ。
- 接客が好きな人
- 相手に合わせて臨機応変な対応ができる人
- シフト勤務に抵抗がない人
⑪保険業界
保険業界は、生命保険や火災保険といった、さまざまな保険商品を取り扱う業界です。
保険商品は長期契約のものが多く、顧客に寄り添いながら仕事を進められるのが魅力です。また、保険業界は成果主義のところが多く、自分の頑張り次第で年収が上がるため、やりがいを感じやすい仕事ですよ。
ただ、企業によっては厳しいノルマを課されることもあり、プレッシャーのかかる仕事でもあります。また、日本は少子高齢化が加速していることもあり、保険に加入する母体数は年々減っています。さらに近年は保険に加入しない人も増えていることから、業界全体は縮小傾向にあるのが実情です。
- 営業が得意な人
- 人と話すのが好きな人
- 成果が給与に直結する仕事がしたい人
⑫自動車製造業界
自動車製造業界は、自動車本体や自動車の部品を製造するのがおもな仕事です。
自動車製造業界の仕事は、単調な作業が多くマニュアル化されているため、細かい作業や単純作業を黙々とこなすのが好きな人に向いています。また、自動車製造は製造業のなかでも年収水準が高いため、収入が安定しやすい点も魅力と言えますね。
一方、自動車製造業界の仕事は基本的に立ち仕事で、残業も多いため、体力的に負担のかかる仕事です。また、日勤と夜勤を繰り返すシフトの工場が多いため、生活リズムが狂いやすく、その部分できついと感じてしまう人も多いようです。
- 細かい作業や単純作業が好きな人
- 安定した収入を得たい人
- 夜勤が苦にならない人
⑬広告業界
広告業界は、主に企業の情報や商品・サービスをビジネス目的で世の中に知らせる仕事です。
広告業界の仕事は、テレビCMや看板広告、Web広告など、私たちが目にする機会の多い広告に携われるため、影響力の大きい仕事です。また、人々の記憶に残るような広告を作るためには、独自性が求められるため、クリエイティブな仕事がしたい人にはやりがいを感じやすい仕事と言えますよ。
ただ、広告制作の現場においては、複数のプロジェクトを同時並行で進めることも多いため、労働時間は長くなりがちです。納期も守らなければならないため、時間との戦いにもなりやすく、プレッシャーを感じることも多いかもしれません。
- 最新の情報に敏感な人
- クリエイティブな仕事がしたい人
- マルチタスクに抵抗がない人
⑭出版業界
出版業界は、書籍や雑誌などの出版物を世に送り出すのがおもな仕事です。
出版業界の仕事は、書籍や雑誌といった形で成果物を世に送り出すことができるため、やりがいを感じやすいのが特徴です。自分の手がけた書籍がヒットすれば、喜びもひとしおでしょう。
一方、近年はインターネットやSNSの普及により、出版業界は縮小傾向にあるため、将来性を不安視する声もあります。ただ、紙媒体は苦戦を強いられているものの、電子出版の分野は拡大を続けています。
また、最近は書籍を朗読した「オーディオブック」など、新しいコンテンツも続々と生まれているため、出版業界全体で見ればそこまで将来性を不安視する必要はないと言えるでしょう。
- 本が好きな人
- トレンドに敏感な人
- マルチタスクが得意な人
⑮マスコミ業界
マスコミ業界は、新聞やテレビなどのメディアを通じて、人々にさまざまな情報を届けるのがおもな仕事です。
マスコミ業界の仕事は、多くの人に情報を伝えることができるため、社会に対する影響力も大きく、やりがいを感じられる仕事です。
本田 百合香
仕事を通して著名人と接触する機会もあり、一般の人ではなかなかないような出会いがある点も魅力と言えますね。
その一方、情報は鮮度が命とも言われているため、放送や出版に合わせてスケジュールがタイトになりやすく、長時間労働を強いられることも珍しくありません。また、世の中の動きや不測の事態によって臨機応変な対応が求められるため、フットワークの軽さも必要な仕事だと言えますよ。
- 人々に情報を届けるのが好きな人
- 好奇心旺盛な人
- フットワークが軽い人
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
上記ではさまざまな業界について解説しましたが、人には向き不向きがあります。向いているかどうかでその業界で働くことがメリットになることも、デメリットになることもありますよ。これは人の性格や環境によって異なるので、一律に答えることはできません。
たとえば、介護業界は高齢化が進む日本では常に人材を求めており、転職しやすいというメリットがあります。誰かを助ける仕事にやりがいを感じる人にとっては大きなやりがいを感じられる仕事と言えるでしょう。
しかし、転職しやすいということは人手不足が慢性化しているということです。忙しさに追われることが苦手だったり、決まった仕事を決まった時間だけこなしたいと考えている人にとっては、ミスマッチな選択となってしまう可能性がありますよ。
あなたにとって転職しないほうがいい業界とは? 適職を見つける4ステップ
世の中には数多くの業界が存在するため、どうやって自分に合った業界を絞り込んでいけば良いのか迷ってしまう人もいるかと思います。選択肢が多すぎると、かえって悩んでしまいますよね。
そこでここからは、自分にとって転職しないほうがいい業界を見極めて適職を見つけるための手順を4ステップで解説していきます。業界選びで悩んでいる人は、ぜひ参考にしてくださいね。
ステップ①これまでの仕事で苦手だと感じたことを書き出す
適職を見つけるにあたって、まずはこれまでの仕事で苦手だと感じたことを書き出してみましょう。自分の不得意分野がわかれば、それをもとに避けた方がいい業界もわかるようになり、自ずと適職にたどり着きやすくなります。
たとえば、下記のように苦手な仕事から考えていくと、選択肢が絞りやすくなりますよ。
- 人と話すのはあまり得意ではない → できればあまり人とコミュニケーションを取りたくない → 一人で仕事を進められる運送業界や自動車製造業界の仕事が向いているかもしれない
- マニュアル通りに進めるのはあまり好きではない → なるべく自分の判断で自由に動ける仕事がしたい → 顧客に合わせて臨機応変な対応が求められる小売業界や飲食業界の仕事が向いているかもしれない
松下 建都
書き出す際は、マインドマップ(自分の考えをクモの巣のようにまとめて視覚化する手法)を活用するのがおすすめですよ。
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ステップ②将来どうなりたいかをキャリア・働き方の2軸で明確化する
苦手な仕事から選択肢を絞ったら、自分が将来どうなりたいかをキャリアと働き方の2軸で明確化してみましょう。
転職先に求める条件は色々あるでしょうが、すべての希望がかなうような転職先はめったに見つからないものです。そこで、将来どうなりたいかをキャリアと働き方の2軸に絞ることで、最低限かなえたい条件が固まってきます。
たとえば、「30歳までに〇〇としてスペシャリストになりたい(キャリア)」+「土日祝日はしっかり休みたい(働き方)」の2つで考えたものが、自分のなかでどうしても譲れない条件となり、それが転職の軸となるのです。
米田 有希
転職の軸が定まれば、業界選びや企業選びにも迷いが生じにくくなり、面接での志望動機にも説得力が生まれますよ。
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ステップ③業界分析をおこない各業界の特徴を把握する
転職の軸が定まったら、続いて業界分析をおこない、各業界の特徴を把握しましょう。
転職の軸が定まっても、自分の希望条件をかなえられる環境でなければ、意味がありませんよね。適職を見つけるためには、業界に関する情報を集めて、各業界の特徴を把握しておくことも必要なのです。
業界分析の方法については、以下を参考にしてみてくださいね。
- 業界の上位に位置する企業のサイトを見る
- 業界に特化した書籍やサイトを見る
- 社会人でも参加可能な業界研究セミナーに参加する
- OB・OGを訪問する
本田 百合香
業界によっては偏ったイメージや、ひと昔前のイメージが定着していることもあります。そうしたイメージだけで判断してしまわないよう、業界分析はしっかりとおこなうようにしてくださいね。
ステップ④転職の軸と照らし合わせながら自分に合った業界を絞り込む
業界分析が完了したら、最後に転職の軸と照らし合わせながら、自分に合った業界を絞り込んでいきましょう。
自己分析と業界分析がしっかりできていれば、自分に合った業界の絞り込みもスムーズにいくはずです。もし、うまく絞り込めないのであれば、転職の軸がしっかりと固まっていないか、業界分析が不十分である可能性が考えられます。その場合は、自己分析や業界分析を再度おこなってみてください。
時間はかかるかもしれませんが、丁寧に分析を重ねていけば、自分に合った業界は必ず見つかりますよ。
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キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
自分にとっての適職を見つけることには、いろいろなメリットがあります。たとえば自分の興味や情熱に合った仕事ができるので、自然とモチベーションが高まるでしょう。やりがいを感じながら仕事に取り組むことで、日々の業務に対する意欲が持続しやすくなります。また多少の困難でも、立ち向かい続ける気持ちを持つことができる可能性がありますよ。
また、適職は自分の強みを活かせる仕事であるため、自然と高いパフォーマンスを発揮できます。成果を出すことで評価も上がりやすくなるため、昇格・昇給などキャリアの発展にもつながるでしょう。
適職を見つけるための努力は、将来的に大きなリターンが返ってくると言えるのです。
要チェック! 転職における業界選びで失敗しないための3つのポイント
転職における業界選びで失敗しないためには、事前の情報収集や分析がとても大切です。とはいえ、なかには調べるのが難しい情報もあり、自分一人の力では行き詰まりを感じてしまうこともあるかもしれません。
そこでここからは、転職における業界選びで失敗しないための3つのポイントについて解説します。これらのポイントを押さえておくことで、自分に合った業界が見つかりやすくなりますよ。
①実際にその業界で働いている人の話を参考にする
転職における業界選びで失敗しないためには、実際にその業界で働いている人の話を参考にしてみましょう。実際に働いている人であれば、業界のリアルな実態がわかっており、有益な情報に期待できますよ。
ただし、実際に働いている人の話を参考にする際は、主観的な情報と客観的な情報の見極めが大切です。たとえば、単に「残業が多い」といった主観的な情報は、多い少ないの感じ方は人によって異なるため、やや信憑性に欠けると言えます。
それに対し、「残業時間は毎月〇時間ほどある」といった情報であれば、客観的な事実に基づいている分、信憑性も高く参考にしやすいです。
本田 百合香
実際に働いている人の話を参考にする際は、なるべく客観的な情報を聞き出すようにしましょう。
②調べるのが難しい点については面接で確認する
いくら業界分析をおこなっても、調べられる範囲の情報では疑問が解消されないこともあるかと思います。その場合は、面接の場で直接確認してみましょう。
たとえば、具体的な仕事の進め方や職場環境などは、直接聞かないとわからない部分もあるはずです。
仮に面接で不明点を確認した結果、自分のイメージと大きく違っていた場合には、その後の選考や内定を辞退することもできます。不明点が残ったままでは、入社後のミスマッチにもつながりやすくなるため、調べるのが難しい点については面接で確認することをおすすめします。
- 「少しでも早く仕事に慣れるために、1週間の仕事の段取りを教えていただけないでしょうか?」
- 「私はチームの方々と意見を交わしながら仕事を進めていきたいと考えておりますが、それが可能な環境でしょうか?」
松下 建都
ほとんどの面接では逆質問の時間が設けられているため、そのタイミングで確認してみましょう。入社後に後悔しないためには、事前に疑問を全て解消しておくことが重要です。
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③転職エージェントに相談してプロの意見をもらう
転職における業界選びで失敗しないためには、転職エージェントに相談してプロの意見をもらうのも効果的です。
転職エージェントは転職のプロとして、各業界のリアルな実態について精通しているケースも多く、そうしたプロの意見は業界を選ぶ際の有益な情報となるはずです。
転職エージェントは一部のサービスを除き、基本的に求職者側は無料で利用できます。もちろん、相談したからといって転職を強制されることはないので、迷ったときは転職エージェントに相談してみるのもおすすめですよ。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
業界を選ぶ際によくある失敗として、SNSなど根拠のない情報を鵜呑みにしてしまうというものが挙げられます。もちろんなかには本当の情報も紛れていることがあるので、絶対に間違っているというわけではありませんが、競合他社が悪意を持って口コミを書き込んだり、退職者がそのときの感情のままに書き込んでいる可能性も0ではありません。根拠のない情報のみを鵜呑みにするのは避けましょう。
さまざまな軸で自分に合う仕事かを判断することも大切
また、業界選びの際には複数の軸で自分とのマッチ度を判断するようにしましょう。たとえば「収入が高い」という希望は転職活動において重要な要素ですが、それだけを基準に業界を選ぶと仕事そのものの満足度ややりがいを見失ってしまう可能性があります。
収入が高いからといって長時間労働やハラスメントが慢性化していては、長くは続きませんよね。自分の価値観やライフスタイルに合っているかどうかを、さまざまな軸で判断することが重要です。
自分にとっての転職しないほうがいい業界を見極めて納得のいく転職をしよう!
ここまで、自分にとっての転職しないほうがいい業界を見極めるための方法や各業界の特徴などを解説しました。
転職しないほうがいい業界というのは一般論であり、誰にとっても転職しないほうがいい業界というものは存在しません。大切なのは周りの意見に流されず、自分にとっての転職しないほうがいい業界を見極めることです。
そのためには、自分なりの避けたい条件と各業界の特徴をしっかりと理解することが不可欠です。本記事で解説した内容を参考にしながら、ぜひ自分にとっての転職しないほうがいい業界を見極めて、転職を成功させてくださいね。
転職しないほうがいい業界かどうかを判断するのは、最終的には自分自身だと考えるようにしましょう。