目次
- 天職を見つける第一歩は経験を整理し仕事に求めるものを見極めること!
- まず押さえておきたい「天職」に関する基礎知識
- あらゆる仕事のなかで最も自分の性質に合った仕事
- 「適職」との違い
- 判断基準にしよう! 天職と言える5つの条件
- ①仕事を苦に感じない
- ②自分が取り組んでいる仕事に意義を見出せる
- ③将来に向けた目標が明確である
- ④生涯この仕事をしていたいと感じる
- ⑤仕事をすることにお金を稼ぐ以上の目的がある
- 「天職を見つけたい!」そう考えるあなたへ伝えたい3つのこと
- ①「天職」に運命的に出会う確率はかなり低い
- ②天職とはいえ好きなことだけできるわけではない
- ③働くうちに「自分にとっての天職はこれだ」と気づくこともある
- 天職は見つけ出すものではなく経験から見出すもの! 丁寧な振り返りが重要
- 【第二新卒】これまでの就業経験から天職を見出そう! 自己分析5ステップ
- ステップ①現職が天職と言えない理由を書き出す
- ステップ②解消したいギャップに優先順位をつける
- ステップ③それぞれのギャップを解消できる環境を書き出す
- ステップ④仕事をしていて「好き」「得意」と思えたことを振り返る
- ステップ⑤身に付けたスキルを棚卸しする
- 【既卒】経験の棚卸し×価値観の明確化で天職を見出す4ステップ
- ステップ①これまで興味を持ったものを書き出す
- ステップ②アルバイトをしていて楽しいと思った瞬間を書き出す
- ステップ③リストから仕事に求めるものをピックアップする
- ステップ④経験と価値観をもとに求める環境を整理する
- 要チェック! 天職に就くための5つの近道
- ①先入観を持たず「これが天職かも」という視点でまず考える
- ②とにかく視野を広く持って情報を集める
- ③経験や知識を身に付け仕事を楽しむ意識を持つ
- ④周囲の目を気にせず挑戦する
- ⑤仕事以外の人生経験も積み上げる
- 多角的な視点で考えよう! 今の仕事を天職にする4ステップ
- ステップ①今の仕事をしていて楽しいと思える瞬間を棚卸しする
- ステップ②その瞬間を経験するために必要なことを考える
- ステップ③必要なことをもとにした理想のビジョンを立てる
- ステップ④理想のビジョンに近づくための小さな目標を立てる
- ミスマッチに要注意! 天職を探すうえでの注意点
- 「天職」を追い求めすぎて盲目的にならないようにする
- 「これだ!」と思うものがあっても本当に天職か冷静に考える
- その仕事への転職や将来続けていくことが現実的か考える
- 天職探しは4ステップの自己分析で求めるものを明確にすることから始めよう!
天職を見つける第一歩は経験を整理し仕事に求めるものを見極めること!
こんにちは、キャリアアドバイザーの今井です。
天職に就きたいと考えている人から、よくこんな相談をもらいます。
今の仕事が合っていないと感じたり、自分に合っている仕事は何なのかと考えた時、「自分の天職は何なんだろう」と思うこともあるでしょう。仕事をする以上は、誰しも天職に就きたいと思うものですよね。
天職に就くためにまず必要なのは、あなたのこれまでの経験を整理し、仕事に対して何を求めているのかを明確にすることです。その条件に当てはまる仕事を探していくことで、あなたにとっての天職を見つけることができますよ。
この記事では、天職の探し方や天職を見つけるためのポイントを解説します。ここで一緒にこれまでの経験を丁寧に振り返り、あなたの天職を明らかにしましょう。
まず押さえておきたい「天職」に関する基礎知識
あなたは「天職」の意味を正しく理解できているでしょうか? 天職を探すステップに進む前に、まずは天職とは何かを正しく理解することが大切です。ここからは、天職に関する基礎知識を解説していきます。
あらゆる仕事のなかで最も自分の性質に合った仕事
天職とは、この世にあるあらゆる仕事のなかで最も自分自身の性質に合っている仕事を指します。天から授けられた、あなたの天性に合った仕事とも言えますね。心の底からその仕事が好きだと思えて、かつ自分の得意なことや性格に合っている仕事が天職です。
ただし天職の定義は、人によって変わるものと思っておきましょう。自分に合った仕事というのは、あなたの価値観にぴったり合致する仕事です。つまり天職の定義や条件は、あなたが持っている価値観によって変わるということになりますね。
「適職」との違い
天職と似た言葉に「適職」というものがあります。一見するとこの2つは同じような意味合いに思えますが、それぞれ区別して覚えるのがおすすめです。
天職と適職の定義は人によりますが、区別しやすいポイントはその仕事が好きと思えるかどうかです。つまりその人の性質に合っており、かつ心の底から好きと言える仕事なら天職、得意ではあるものの、さほど好きではないものも含まれる仕事は適職に近いと言えますね。
- 料理が得意×料理が心の底から好き=料理人が天職
- 料理が得意×料理が苦ではない=料理人が適職
本田 百合香
判断基準にしよう! 天職と言える5つの条件
天職の定義について解説しましたが、それをもとにいきなり天職を探すのはなかなか難しいですよね。よりあなたにぴったり合う仕事を探すなら、天職がどういったものかを具体的に知っておく必要がありますよ。
ここからは、天職と言える仕事の5つの条件を紹介していきます。天職を探す際には、この5つに当てはまるかどうかを考えてみてくださいね。
①仕事を苦に感じない
天職と言える仕事の条件は、何よりも仕事を苦に感じないことです。仕事をしていて楽しいと思えたり、やりがいを感じられる状態が長期的に続く仕事は、天職と言えるかもしれません。
ただし、仕事をしていて常に楽しいと思えることは稀でしょう。大変なことや苦しいことはもちろんあり、そういったときであっても楽しいと思っていなければ天職と言えないというわけではありません。
大変なことを乗り越えることができ、乗り越えたときに「何だかんだ楽しかったな」「また頑張ろう」と思える仕事が天職だと考えましょう。
松下 建都
大変なことに直面しても積極的に学びを得ようと行動ができたり、大変なときこそ燃えるという仕事も天職に該当しますね。
②自分が取り組んでいる仕事に意義を見出せる
日々仕事をしていて「誰かの役に立っている」「自分が仕事をすることには意味がある」と思えるのも天職の条件です。
どんなに楽しいと思っていても、その仕事に意義を見出せていなければふとしたときに虚しくなってしまうかもしれません。すべての仕事は誰かの役に立っているものですが、それを自覚できないのであればそれは天職とは言いづらいですよね。
米田 有希
それまでは仕事の意義がわからなくても、後から学んだり実感できるような出来事を経て意義を見出せることもあります。それによって仕事が天職と思える場合もありますよ。
そもそも働くことに意義を見出すことができないときは、こちらの記事が参考になります。悩みを抱えている人はぜひ見てみてください。
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③将来に向けた目標が明確である
仕事をするうえで長期的な目標を立てることができ、将来のビジョンが明確な状態であることも天職の条件の一つです。
好きだと思える仕事だとしても、「長くは続けていけなさそう」「この仕事を続ける将来がイメージできない」と思っているなら、それは天職とは言えないかもしれません。自分のライフスタイルや将来的なビジョン、理想像を思い浮かべた時、そこに合致する仕事がより天職に近いでしょう。
本田 百合香
その仕事でキャリアアップするイメージができたり、プライベートについて考えたときに「プライベートを充実させるにはこの仕事が必要」と思えるようなら、その仕事は天職と言えるでしょう。
④生涯この仕事をしていたいと感じる
「この仕事を生涯ずっと続けていきたい」そんな仕事に出会えたなら、それはまさしく天職と言えますよ。
一つのことを長く続けていれば飽きることもあれば、別のことに興味を持つこともあるでしょう。それでもほかの選択肢より魅力的だと思える仕事なら、それはあなたにベストマッチな仕事です。
松下 建都
どれだけ仕事をしても飽きることなく、かつ将来に不安を抱くようなこともない仕事は、あなたにとっての天職と言える可能性が高いですよ。
⑤仕事をすることにお金を稼ぐ以上の目的がある
仕事をする目的を「生活をするため」としている人も多いかと思いますが、仕事をするうえで収入を得るよりも重要な目的があると感じられるなら、それも天職と言えますよ。
たとえば収入が大きく変わる見込みがなかったとしてもその仕事を続けたい、収入が多少下がるとしてもその仕事をしたいと思える状態を指します。
米田 有希
収入を抜きにしてもその仕事がしたいと思えるなら、それは趣味に近い感覚ですよね。そのため基本的には仕事を楽しむことができ、前向きに取り組むことができます。
「天職を見つけたい!」そう考えるあなたへ伝えたい3つのこと
「天職」と聞くとどうしても良いイメージを持ちすぎてしまったり、期待を膨らませすぎてしまうことがあるかもしれません。もちろんそのイメージどおりの仕事に就いている人もいますが、そういった人はほんの一握りです。
天職を見つけるうえでは、仕事に対する理想を追い求めすぎないことも大切ですよ。ここからは、天職を見つけたいと思ったときに覚えておいてほしい3つのことを解説していきます。
①「天職」に運命的に出会う確率はかなり低い
「天職」と聞くと、ある日突然、運命的に出会うようなイメージを持っている人もいるかもしれません。もちろん偶然天職に出会うこともあるかもしれませんが、そういった出会い方ができる可能性は非常に低いことを覚えておきましょう。
ただ待っているだけでは、天職に出会うことはできません。自分に合った仕事がしたいという強い意思を持って自ら行動し、ぴったりな仕事を見つける努力をすることが天職に就くための近道ですよ。
本田 百合香
受け身の姿勢で天職が見つかるのを待つのではなく、自分から見つけ出すことで天職に就くことができます。詳しくはこの先で解説しているので、参考にしてくださいね。
②天職とはいえ好きなことだけできるわけではない
天職の条件に「仕事を苦に感じない」というものもあるとおり、天職であれば基本的には楽しい、やりがいがあると感じながら仕事に取り組むことができる可能性が高いものです。とはいえ、いついかなるときも仕事を楽しいと感じられることは稀でしょう。
仕事をするうえでは、ときにはつらいと感じることや苦しいこと、苦手なことに向き合わなければならないこともあります。思い通りにいかずに悩むこともあるはずです。天職は必ずしも楽にできたり、自分が好きな作業ばかりなわけではないことは忘れないでくださいね。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
いくら天職とはいえ、仕事として取り組む以上、苦労する場面や思い通りにいかないことは必ずあり、得意なことや好きなことだけやっておけば良いというわけではありません。
ただ、天職と思えるかどうかによって、仕事に対する考え方や姿勢は大きく異なります。きつい仕事やつらい場面に直面した際、「きついけどこの仕事は自分にとっての天職だから」と思うことができれば、忍耐強く仕事に取り組むことができるでしょう。
また天職と思える仕事であれば、普通の仕事に比べて苦労や困難を乗り越えた際の達成感も大きくなります。不得意な仕事を克服することができれば、どのような仕事でも楽しいと思えるようになる可能性もあるのです。
自分自身の考え方や姿勢次第で、どんな仕事も楽しみながら取り組めるようになるというのは、天職と思える仕事ならではの魅力です。その実現に向けて、目の前の一つひとつの課題にしっかりと取り組むことが大切ですよ。
③働くうちに「自分にとっての天職はこれだ」と気づくこともある
天職を探す時、「今の仕事ではなく別の天職を探そう」「天職なら最初から楽しいことばかりなはず」と考えることがあるかもしれません。しかし、必ずしも今している仕事が天職でなかったり、初めから楽しいことばかりなわけではありませんよ。
仕事と前向きに向き合うには、ある程度の時間が必要な場合が多いです。最初はうまくいかなかったとしても、仕事を続けるうちにできることが増えたり、楽しみを見出せるようになり天職となる場合もあることを覚えておきましょう。
米田 有希
仮に今の仕事が天職でないと思ったとしても、単純に仕事を楽しめるほどのスキルや経験が足りていなかったり、周囲の人との関係構築をすることで仕事に楽しみを見出せることもあります。
天職は見つけ出すものではなく経験から見出すもの! 丁寧な振り返りが重要
あなたにとっての天職は、あなた自身の価値観や仕事に求めるものによって変わります。何を大切にしたいのか、何を得たいのかを考えた時、それにぴったり当てはまる仕事が天職です。
そういった仕事が受け身の姿勢で待っているだけでやってくることはほとんどありません。つまり天職に就くための一番の近道は、自分で天職を見出しそれを仕事にするための努力をすることです。
そのためには、まずこれまでのあなたの経験を丁寧に振り返り、どのような価値観を持っているのかを明確にする必要があります。詳しい方法をこの先で解説していくので、一緒にあなたにとっての天職を探してみましょう。
【第二新卒】これまでの就業経験から天職を見出そう! 自己分析5ステップ
第二新卒の場合、現職に何かしらの不満があり「天職を見つけたい」と思っているのではないでしょうか。その際に必要なのが、現職でどのような経験をしてきたのかを整理することです。
これまでの就業経験は、あなたの仕事に対する価値観に大きく影響しています。現職に対する不満や良い点を整理することで、天職の条件が見えてきますよ。ここからは、現職での経験を深掘りして天職を見つける方法を解説していきます。
ステップ①現職が天職と言えない理由を書き出す
まずは現職と天職の間にあるギャップは何か、どうして天職と言えないのか、その理由を書き出してみましょう。つまり、今の仕事に抱いている不満や改善したいと感じている点ですね。
- 自分のスキルを十分に活かせていないと感じるから
- 仕事内容に苦手意識を持っているから
心当たりのあるものは、すべて書き出してみてください。頭のなかで考えているよりも、紙に書き出すことで思考が整理でき、ギャップが明確になる可能性がありますよ。
本田 百合香
自覚がなかったとしても、些細な不満の積み重ねが大きな不満につながっている場合もあります。ここでは時間をかけて自分と向き合い、不満要素を明らかにしてくださいね。
ステップ②解消したいギャップに優先順位をつける
現職を天職と言えない理由を書き出したら、次は解消したい不満に優先順位をつけましょう。
「これを解消しない限りは絶対に天職と言えない」と強く思える不満は優先順位を高めに、「不満はあるけどこの要素があっても天職と言えなくはない」と思う不満は優先順位を低めに設定してみてください。
天職を見つけるうえでは、この優先順位をもとにして天職の条件を洗い出すようにしましょう。
松下 建都
すべてのギャップを一気に解消すると考えるとハードルが高く思えるかもしれませんが、優先順位の高いものから少しずつ解消していくようにすると希望をかなえやすいこともありますよ。
ステップ③それぞれのギャップを解消できる環境を書き出す
解消したいギャップに優先順位をつけたら、次はどのような環境なら解消できるのかを一つひとつ考えてみましょう。
- 人間関係が良くない:社員の雰囲気、人柄、年代など関係構築がしやすいと思える要素を整理する
- 仕事内容が好きでない:今以上に興味を持てる仕事に就く
どのような環境ならギャップを解消できるか考えるときは、できるだけ具体的にイメージすることが大切です。天職を見つけるために必要な要素になるので、しっかり考えてみてくださいね。
米田 有希
ここでぼんやりとしたイメージしか持てずにいると、次に転職する企業を検討する際にも「結局自分にとってどんなところが良いんだろう」と悩んでしまう可能性がありますよ。
ステップ④仕事をしていて「好き」「得意」と思えたことを振り返る
現職での経験をもとに天職を見出す際には、天職とのギャップに感じる部分だけでなく、天職の条件を満たしていると思える点も整理しておきましょう。
ギャップを解消できたとしても、「この点は転職前の方が良かったかも……」と感じる部分があっては天職に就くことはできません。現職の良い点、次の企業でも変えたくない点も欠かさずにピックアップしておいてくださいね。
- 顧客から直接感謝の言葉をかけられたこと
- 新商品の企画でアイディアを出すこと
ステップ⑤身に付けたスキルを棚卸しする
最後に、現職で身に付けたスキルを棚卸ししましょう。これまで身に付けたスキルを活かすことができれば、仕事で活躍することができますよね。そうすることで仕事への満足度が上がり、天職と思える可能性が高まります。
- PCスキル
- コミュニケーション能力
- 論理的思考力
身に付けたスキルは些細なことで構いません。現職をとおしてできるようになったことや、得意になったことがあれば書き出しておきましょう。
本田 百合香
スキルを棚卸ししておくことで、仮に転職をするとなった際にも自己PRがしやすくなります。いち早く天職に就くためにも、ここでしっかりと自分の強みを整理してくださいね。
【既卒】経験の棚卸し×価値観の明確化で天職を見出す4ステップ
これまで社会人として働いたことのない既卒の場合は、過去の経験を幅広く棚卸しして仕事に求めるものを明確にすることが重要です。まずは過去を丁寧に振り返り、あなたが持っている価値観を明らかにすることから始めましょう。
ステップ①これまで興味を持ったものを書き出す
まずはこれまでの出来事を丁寧に振り返り、興味を持ったものや楽しいと思ったことを書き出してみましょう。
どのような出来事が天職につながっているのかはわからないため、学校、プライベート問わずさまざまな視点で興味を持てることを探してみてください。直接仕事にできなかったとしても、天職を見つけるヒントになる可能性があります。
松下 建都
これまでの経験を振り返る際には、自分史を作成するのがおすすめです。時系列順に過去の出来事を整理できますよ。
自分史の作り方や活用法は、こちらの記事で解説しています。参考にしながらこれまでの経験を振り返ってみましょう。
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就活をするうえで自分史を作成すると、自己分析を効率的に進められます。今回は自分史の作成方法と自己分析の仕方をキャリアアドバイザーが解説します。自分史を活かせる質問例や回答例も紹介しているので、自己分析の際の参考にしてみてくださいね。
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ステップ②アルバイトをしていて楽しいと思った瞬間を書き出す
天職について考えるうえでは、やはり仕事に関する経験を振り返ることも重要です。そこで、これまでしてきたアルバイトでの出来事も整理しておきましょう。特に楽しいと思ったことや、やりがいを感じたことをピックアップしてみてください。
このときにおすすめなのが、モチベーショングラフを使った振り返りです。モチベーションが上がっている時点での出来事を整理することで、楽しいと思った瞬間が見つかりやすくなります。
本田 百合香
アルバイトであったとしても、仕事として取り組んでいた以上は天職を見つけるうえで非常に重要な要素になります。「この仕事が楽しかったなというような経験をピックアップしておきましょう。
モチベーショングラフの作成法や、上手な活用法はこちらの記事で解説しています。
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キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
正直、これまでアルバイトにあまり意欲的に取り組んだことがなく、楽しいと思った瞬間が思い浮かばない人もいると思います。アルバイトに対する取り組み方や考え方は人それぞれなので、意欲的に取り組まなかった自分自身を責める必要はありません。
アルバイトで楽しいと思った瞬間が思い浮かばない場合は、アルバイト先の同僚に相談し、自分がどのような場面で活き活きと働いているかを聞いてみてください。第三者から見てあなたが活き活きしている瞬間は楽しさや喜びを感じている可能性が高く、これまで気づけなかった部分を知るきっかけになるかもしれません。
また今でもアルバイトを続けているのであれば、これから楽しさを見つける努力をすることも大切です。たとえば「今日はほかの人が気づかない場所を掃除する」「自分から先に挨拶する」など、自分のなかでその日の目標を設定し、一つずつ達成することができれば、楽しさや達成感を感じることができますよ。
ステップ③リストから仕事に求めるものをピックアップする
これまでの経験の振り返りができたら、次にあなたが仕事に対して何を求めているのかを考えていきましょう。このとき急に求めているものを考えようと思ってもなかなか思いつかないこともあるので「14の労働価値」を基準に考えるのがおすすめですよ。
- 能力の活用:能力やスキルを発揮できる
- 達成:仕事が良い結果につながったと実感できる
- 美的追求:美しいものをつくることができる
- 愛他性:たくさんの人の役に立てる
- 自律性:自律できる
- 創造性:自らのアイディアで新しいものを生み出せる
- 経済的価値:お金を稼ぎ生活の質を上げることができる
- ライフスタイル:自分に合っていたり、望む生活ができる
- 身体的活動:仕事をとおして体を動かす機会を得られる
- 社会的評価:社会から高い評価を得られる
- 危険性、冒険性:リスクを冒してでもわくわくするような経験ができる
- 社会的交流性:多くの人とかかわりながら仕事ができる
- 多様性:多種多様な活動ができる
- 環境:職場環境が自分に合っていると思える
これはアメリカの教育学者ドナルド・E・スーパーが提唱したもので、人が労働に求めるものをリストにしたものです。このなかからあなたが仕事をするうえで大切にしたいと思えるものをピックアップしてみましょう。
松下 建都
あまり多すぎても実現が難しくなるので、5つ程度に収めるのが良いですよ。またあわせて優先順位をつけることで、天職を見つける際に役立ちます。
ステップ④経験と価値観をもとに求める環境を整理する
経験と仕事に求めるものが明らかになったら、そこからどのような職種・環境であれば天職と言えるのかを考えてみましょう。
- 経験:アルバイトで顧客に直接お礼を言ってもらうとモチベーションが上がった
- 価値観:達成、愛他性、社会的交流性
- 天職:接客業、営業
天職を探すには、どのような仕事があるのかを理解しておく必要があります。もしあまり多くの職種を知らないと思うなら、まずは業界研究から始めましょう。
業界研究を効率的に進めるには、業界研究ノートを活用するのがおすすめです。作り方や活用法はこちらの記事で確認してくださいね。
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業界研究ノートは就活成功に近づくツールです!今回は周りと差をつける業界研究ノートの作り方を紹介していきます。キャリアアドバイザー監修のもと、業界研究ノートに書くべき7つの項目や業界研究ノートの例も紹介しているので、業界研究ノート作成の参考にしてください。
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キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
ここまで天職を見つけるための自己分析の方法をステップに分けて解説しましたが、それでも天職が見つけられない場合は他己分析を活用してみてください。自分の主観で天職が見つからないのであれば、自分以外の人の客観的な視点で探すのも有効な手段となりますよ。
そもそも他己分析とは、他者から見た自分の印象や評価を知ることです。客観的な視点で自分自身を分析することで、これまで自分では気づかなかった特徴などを知ることができます。
より他己分析を効果的に実施するコツは、立場の異なる複数の人に意見を聞くことです。たとえば、親や兄弟などの家族であれば、幼少期など長い期間を見たうえでの人間性、友人であれば長所、アルバイト先の同僚であれば仕事への姿勢などを知っていますよね。
上記のとおり、立場や関係性が異なることで、自分について詳しく知っているポイントも異なるため、より幅広く自分自身を理解するためにも、他己分析では立場の異なる複数の人に意見を聞くのがおすすめですよ。
要チェック! 天職に就くための5つの近道
天職の見つけ方が理解できたとしても、あなた自身の視野が狭かったり情報収集が不十分だと「これは自分にとっての天職じゃない」と思い込んでしまい、なかなか天職が見つからない可能性がありますよ。
天職を見つけるには、自分から天職を探そうとする意思や視点を持つことが重要です。ここからは、いち早く天職を見出すための心構えについて解説します。
①先入観を持たず「これが天職かも」という視点でまず考える
天職を探すなかで出会った職種には「これは絶対に自分の天職じゃない」と思えるものもあるかもしれません。しかしそこで切り捨ててしまわず、まずはその職種についての理解を深めることが重要です。
自分から選択肢を狭めてしまっては、天職が見つかりにくくなってしまいます。もし自分の価値観や求めているものと合致する職種があれば、「これが自分にとっての天職になるかもしれない」という気持ちで向き合ってみましょう。
米田 有希
自分に合わないイメージだったとしても、仕事への理解を深めることで「意外と自分に合ってるのかも」と思えることもあります。先入観を持たず、まずはその仕事を理解する意識を持ちましょう。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
世の中にはたくさんの仕事があり、自分の知っている仕事は限られるからこそ、先入観を持たず、幅広い仕事に興味を持つことが、天職を見出すうえで重要です。ただ、すべての仕事を天職と捉えるうえで、いくつか注意点があります。
まず、何よりも注意すべきは焦らないということです。一刻も早く天職を見つけたいといった気持ちから、焦りが生まれてしまうのは仕方がありません。しかし、その焦りから本当ならミスマッチのある仕事を無理に天職だと思い込み、入社後つらい部分や合わない部分を我慢し続ければ、心身を壊してしまいます。天職を見つけるうえで、焦りや我慢を続けることは、大きなリスクにつながるということを絶対に忘れないでください。
また、すべての仕事を天職と捉えるようになったからといって、簡単に天職に出会えるわけではありません。数ある仕事のなかで自分が天職だと感じる仕事に出会うには、それなりに時間がかかるものです。すぐに見つからないからといって、焦る必要はありませんよ。
②とにかく視野を広く持って情報を集める
天職を探すうえでは、幅広い視野を持って情報収集をすることが重要です。元から気になっていた業界があるとしても、それに限定することなくこれまで興味のなかった業界・職種にも視野を広げてみてください。
また情報収集をするうえでは、多くの媒体を活用しましょう。
- 複数の求人サイトで検索する
- 周囲の社会人経験がある人に相談する
- ハローワークの窓口に相談する
- 就職エージェントに相談する
仕事に求める条件が明確になったら、それを書き出して条件に当てはまるものがないか周囲に相談してみるのも良いでしょう。特に一緒に働いている人やあなたのことをよく知る人に相談することで、客観的に見てあなたに合っていると思える仕事がわかりますよ。
本田 百合香
社内の人に相談するときは、「辞めてしまうのかも」といった混乱を招かないよう信頼できる相手に絞って相談するのがおすすめです。
③経験や知識を身に付け仕事を楽しむ意識を持つ
転職することを前提に天職探しをするとしても、まずは現職から得られる経験や知識をしっかりと身に付けることが大切です。できることが増えれば仕事をするうえでのストレスも減り、これまでよりも仕事が楽しめる可能性があります。
また転職先でも能力を発揮しやすくなるので、「天職だと思ったのに違ったかも……」といったギャップを感じることなく仕事ができるかもしれませんよ。
松下 建都
スキルを身に付けることで、今の仕事も楽しめるようになる可能性があります。結果として転職をせずに済むことも考えられるので、仕事を楽しむために経験や知識を身に付ける意識を持ちましょう。
④周囲の目を気にせず挑戦する
仕事探しをしているうちに天職に近いと思えるものが見つかったとしても「こんな仕事、周りに無理だと言われてしまうかも」と周囲の目を気にしてしまってなかなか動き出せないことがあるかもしれません。
仮に転職するとなると周囲への共有が必要になるので、どう思われるかが気になることもあるでしょう。しかし、あなたの人生はあなたにしか決められません。自分の意思を一番に尊重し、希望の実現に向けて勇気を出して一歩踏み出してくださいね。
米田 有希
周りの目を気にしても、良い結果にならないばかりか希望がかなえられなかった際に後悔につながる可能性が高いですよ。あなたを思ってのアドバイスでないのであれば、気にしないことが一番です。
⑤仕事以外の人生経験も積み上げる
天職を探すとなると仕事のことにばかり意識が向きがちですが、仕事が人生のすべてではありませんよね。天職を見つける手掛かりは、プライベートで過ごす時間のなかにあることもありますよ。
社会人として仕事をするなかで、プライベートでの過ごし方や考え方も変わったはずです。プライベートでは何を大切にしてきたかを振り返ったり、これからさまざまな経験を積むことも天職を見つけるうえでは役立ちますよ。
本田 百合香
たとえばこれまで行ったことのない土地に出向いたり、やったことのない取り組みに挑戦することで天職の手掛かりが見つかることもあります。新しいことに積極的に触れる機会を持ちましょう。
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
プライベートから天職の条件が見つかる可能性があることは理解できるものの、具体的に何をすれば天職を見つける手がかりとなるような経験が積めるのかがわからず悩む人も多いと思います。
プライベートにおいて、天職を見つけるきっかけとなりやすいのが趣味です。仕事とは違い、誰かに強制されるわけでもなく、対価が発生するわけでもありませんが、ただ自分が好きだからという理由で多くの時間を使うのが趣味ですよね。
つまり、自分が心から好きだと思えるもの、夢中になれるものが趣味なのです。そのなかで仕事としても活かせるようなスキルや知識があれば、それはまさに天職になり得る可能性が高く、大きな手掛かりになります。
実際、趣味がきっかけで天職に出会えた人もたくさんいます。もし今の時点で趣味がある場合は、ただ楽しむだけでなく、この経験や知識が仕事にならないかといった視点も意識してみてください。
多角的な視点で考えよう! 今の仕事を天職にする4ステップ
これまでの経験から天職の条件を考えた時、「今している仕事も天職に近いかも」と考えられる可能性がありますよね。一刻も早く天職に就きたいと思うなら、現職への考え方や向き合い方を変えてみるのも一つの手です。
天職は見出すものであり、見方を変えるだけでも今の仕事に前向きに取り組めるようになる可能性も十分にありますよ。ここからは、今の仕事を天職と捉えるための方法を4ステップで解説します。
ステップ①今の仕事をしていて楽しいと思える瞬間を棚卸しする
まずは、今の仕事をしていて楽しいと思えたり、やりがいを感じられることがないかを考えてみましょう。少しでも仕事をしていて前向きになれることがあれば、それが現職を天職と捉えるためのヒントになることがあります。
- 売上目標を達成できたとき
- 一緒に仕事をしている人から感謝されたとき
- 自分のアイディアをもとに企画書を作成しているとき
ここでは現職に就いてからの経験を丁寧に振り返り、できるだけ多くの要素をピックアップできるように意識してみましょう。多ければ多いほど現職を天職と捉えられるポイントがあるということなので、モチベーショングラフなどを活用しながら考えてみてくださいね。
松下 建都
なかなか浮かばないときは、周囲に聞いてみるのもおすすめです。どのような仕事のときに自分が活き活きとしていたかを聞いてみて、客観的な視点で考えてみましょう。
ステップ②その瞬間を経験するために必要なことを考える
仕事をしていて楽しいと思える瞬間が棚卸しできたら、次はどうすればその瞬間をこれまでよりもたくさん経験できるかを考えてみてください。
- 売上目標を達成できたとき→毎月の売上目標を確実に達成できるよう工夫する
- 一緒に仕事をしている人から感謝されたとき→普段の仕事からサポート役に回ることを意識する
- 自分のアイディアをもとに企画書を作成しているとき→もっと企画の仕事をする機会を増やす
このステップでは、現実的かどうかよりも自分がどうしたいかを重視して考えてみてください。天職に就くためには、どうすれば自分の能力が活かせるか、どうすれば仕事に前向きになれるかを検討することが重要です。
本田 百合香
現時点では現実的に感じられなくても、できることが増え裁量権が与えられれば実現できる可能性は十分にありますよ。
ステップ③必要なことをもとにした理想のビジョンを立てる
次に、今後どのようにステップアップしていけば理想に近付くことができるか、もしくは理想の働き方をかなえたうえでどのようにステップアップしていけるのかを考えてみましょう。
- 売上目標を達成し続け業績を上げて大きな仕事を任せてもらい、より達成感のある仕事をする
- サポート役として活躍し他部署にも及ぶ幅広いサポートができるようなポジションを得る
- 営業から企画の部署に異動し商品企画をしてヒット商品を生み出す
ここでは、できるだけ長期的な目線で考えることがポイントです。最終的なゴールをどこにすえるかを考えてみてくださいね。
ビジョンがなかなか立てられないときは、こちらの記事が役立ちます。例をふまえて解説しているので、参考にしながら今後のビジョンについて考えてみましょう。
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面接対策としてキャリアビジョンを考える時、難しく感じることがありますよね。キャリアビジョンを考えるコツは、今と理想の将来像、そこへ近づくためにするべきことを見極めること。この記事では、専門家のアドバイスを交えキャリアビジョンの例文から考え方まで解説していきます。
記事を読む
ステップ④理想のビジョンに近づくための小さな目標を立てる
最後に、今の地点から最終的なゴールに近づくためにどのようにステップアップしていけば良いのかを考えてみましょう。小さな目標を立てて考えることで、理想の実現までの道筋が見えてきますよ。
- ゴールに近づくために必要なスキルは何か
- どのような経験を積めば良いか
- 過去に自分のようにステップアップした人はどのようにキャリアを積んでいたか
なかなかビジョンが浮かばないときは、上司や先輩に今後について相談したうえでどのようにキャリアアップしていけば良いかを相談してみましょう。自分よりも経験を積んでいる分、より多くの選択肢を知っている可能性がありますよ。
ミスマッチに要注意! 天職を探すうえでの注意点
天職を探すうえでは、いくつか注意しておきたいポイントもあります。この点をしっかり理解できていないと思わぬミスマッチにつながったり、なかなか天職が見つからなくなってしまう可能性もありますよ。
ここから解説する注意点を念頭に置きながら、冷静にあなたにとっての「天職」と向き合ってくださいね。
「天職」を追い求めすぎて盲目的にならないようにする
天職を探すうえで注意したいのが、盲目的になりすぎないことです。天職を探す際には自分の希望を明確にすることが重要ですが、多くの希望にこだわりすぎるといつまで経っても天職を見出せない可能性がありますよ。
譲れる点と譲れない点を整理し、場合によっては仕事をするなかで天職と思えるようになるという点も考えながら理想の環境を探すことが大切です。
松下 建都
何事もはじめから完璧を目指さず、柔軟性を持って天職を探してみてください。なかには仕事の経験を積むことでギャップが解消される場合もありますよ。
「これだ!」と思うものがあっても本当に天職か冷静に考える
もし職種や企業を探していくなかで「これだ!」と思うものがあったとしても、それに飛び付くのではなくまずは本当に天職と言えるのかを冷静に考えてみることが重要です。
希望に合う職種や企業が見つかると視野が狭まってしまったり「この点は重視してないし、仮に不満に思っても何とかなるだろう」と考えてしまうこともあるでしょう。しかし一度踏みとどまり、本当に自分にとっての天職なのかを今一度考えてみてください。
米田 有希
たとえば仮に収入を重視していなかったとしても、あまりにも給料が低くては生活ができなくなってしまいますよね。そのような事態を防ぐためにも、冷静に検討することが大切ですよ。
その仕事への転職や将来続けていくことが現実的か考える
自分にとっての天職の条件がわかり、それにぴったり当てはまる仕事が見つかったとしても、目指すのがあまりにも現実的でなければ仕事をしようにもできませんよね。また将来性がなければ、せっかく天職に就いても手放すことになるかもしれません。
そのような事態が起きないか、その仕事に就く現実的なビジョンを持てるかどうかは冷静に考えましょう。仮にハードルが高いなら、まずは天職に就くために必要なスキルや経験を身に付けることから始める必要があります。
本田 百合香
見つかった天職に向けて一直線に進むのが、必ずしも近道とは言えません。今の自分を客観視し、希望の実現に向けて必要な材料がそろっているのかを冷静に見てみましょう。
天職探しは4ステップの自己分析で求めるものを明確にすることから始めよう!
ここまで、天職の条件や天職を見つける方法、ポイントについて解説してきました。
天職を見つけるには、まず4ステップの自己分析でこれまでの経験を丁寧に振り返り、あなたが仕事に求めるものを明確にすることが重要です。そのうえで自分にとっての天職の条件を明確にし、当てはまる業界・職種や企業を探してみましょう。
天職は運命的に巡り合ったり偶然見つけるものではなく、見出すものです。自ら天職をつかみにいくという意識を忘れず、一歩一歩着実な対策を重ねることで天職に近づいていくことができますよ。
「ずっと続けていけるほど好き」と「お金を稼げるほど得意」が両立する仕事はそう簡単には見つからないものです。それにぴったり当てはまる仕事が、あなたの天職と言えるでしょう。