目次
- 派遣から正社員を目指すならキャリアプランを明確にして行動指針を立てよう!
- 派遣から正社員就職を考えている人にまず伝えたい2つのこと
- 派遣から正社員就職を実現できる人は多くいる
- 経歴面の不利をカバーする対策が重要になる
- 本当に派遣から正社員になる? メリット・デメリットの両面から理解しよう
- メリット:雇用が安定し将来的なキャリアアップが目指せる
- デメリット:仕事の量や責任が増えプライベートが圧迫される可能性がある
- 派遣から正社員になるには? 代表的な4つのルート
- ①派遣先の企業で正社員登用を狙う
- ②紹介予定派遣に切り替える
- ③転職活動をして正社員採用で入社する
- ④派遣元の企業で無期雇用派遣になる
- 派遣から正社員を目指すベストな方法を見極める3ステップ
- STEP①派遣から正社員を目指す目的を明確にする
- STEP②正社員になるうえでの不安要素を洗い出す
- STEP③目的を達成しやすく不安要素が少ないルートを選ぶ
- 正社員が絶対の正解ではない! 雇用形態にとらわれないキャリア選択をしよう
- 正社員登用試験では何をする? 試験に合格するコツも解説
- ①書類選考:業務経験を棚卸ししてから自己PRを作成する
- ②筆記試験:事前に出題パターンをつかむ
- ③面接:正社員になった後の活躍イメージを伝える
- 派遣から正社員転職を目指す! 転職活動で実践したい3つのコツ
- ①正社員経験が少ない人向けの求人サービスを活用する
- ②「雇用の安定性」以外にも自分なりの志望動機を持つ
- ③今の業務や働き方への不満から正社員になりたい理由を深掘りする
- 派遣から正社員になる方法を理解し素早く行動を起こして理想をかなえよう!
派遣から正社員を目指すならキャリアプランを明確にして行動指針を立てよう!
こんにちは、キャリアアドバイザーの今井です。
派遣から正社員を目指している人から、よくこんな相談を受けます。
派遣社員と正社員では働き方が大きく異なるので、キャリアチェンジは難しそうと感じるかもしれません。
しかし、キャリアの目的を明確にして適切な準備をすれば、あなたが心配するほど正社員のハードルは高くないですよ。着実に行動をおこしていけば、必ず理想はかなえられます。
この記事では、派遣社員から正社員になれる方法や選考突破のコツなどを解説します。記事を読めば、正社員になるために今からまず何をすべきなのかイメージでき、安心して最初の一歩を踏み出せますよ。
派遣から正社員就職を考えている人にまず伝えたい2つのこと
派遣社員から正社員を目指すとなると、周囲から難しいと言われたり求人の応募条件を満たせなかったりして、自分に自信が持てなくなる瞬間があるかもしれません。
自信がなくなると視野も狭まってしまい、派遣から正社員なんて無理だと諦めてしまう人もいます。自分の選択肢を自分で狭めないためにも、これから伝える2つのことを意識してキャリアチェンジに臨みましょう。
派遣から正社員就職を実現できる人は多くいる
「派遣社員としての業務経験しかない自分が正社員になれるのか」「派遣社員から正社員になるのはかなり厳しいだろう」そう思って一歩踏み出せずにいる人もいるかもしれません。
派遣社員から正社員を目指す人にまず伝えたいのが、正社員就職を実現できる人は多くいるということです。派遣から正社員になる方法はたくさんあります。だからこそ、より自分の希望や状況に合ったルートから正社員就職にチャレンジすることが大切ですよ。
また、正社員になるにはいくつか選考や試験を突破する必要があるものの、キャリアチェンジの軸をしっかり持ち計画的に対策に取り組めば十分乗り越えられます。
本田 百合香
経歴面の不利をカバーする対策が重要になる
派遣社員から正社員になることは十分可能です。しかし正社員の採用では、同じ職場で長く働けるかや、会社の将来を担うメンバーとして積極的に仕事に取り組めるかといった点が重視されます。
そのため、一定期間で職場が変わり社員をサポートする形で働くケースが多い派遣社員は、正社員採用の場面では経歴の観点で少し不利になる可能性があります。
派遣社員から正社員になるには、これまでの業務経験を振り返って説得力のある自己PRを作成したり、正社員を目指すルートを見極めたりして、この経歴面の不利をカバーする対策が必要になることは覚えておきましょう。
松下 建都
そのための対策はこれから解説していきますよ。
本当に派遣から正社員になる? メリット・デメリットの両面から理解しよう
派遣社員から正社員になると待遇面のメリットが大きい一方、主にプライベートや精神面でのデメリットもあるのが現状です。
派遣社員から正社員になりたいと思うけれど、具体的に仕事や生活がどう変わるのかイメージできないからなかなか決めきれない──。そんな不安がある場合は、これから解説するメリット・デメリットをよく理解しておきましょう。さまざまな観点から自分に合ったキャリアをあらためて考えることができますよ。
メリット:雇用が安定し将来的なキャリアアップが目指せる
- 雇用が比較的安定している
- ボーナスや退職金がもらえる
- 昇進やスキルアップが目指せる
基本的に無期雇用で働く正社員は、有期雇用で働く派遣社員と比べて雇用が安定しているというメリットがあります。また、派遣社員では支給されるケースが少ないボーナスや退職金なども、正社員になれば支給対象になりますよ。
昇給や昇進のチャンスが多いのも、派遣から正社員になるメリットの一つです。派遣社員に対する昇給制度を設けている会社は少なく、仕事を頑張っても給与に反映されにくかったり上のポジションに行けなかったりする傾向があります。
正社員に対してはほとんどの企業が成果や勤続年数などに応じた昇給・昇進制度を整えているので、自分の頑張りが給与やポジションに反映されやすいです。頑張った分だけ自分に返ってくれば、モチベーションも維持しやすいですよね。
米田 有希
ただしボーナスや退職金は支給される条件が会社ごとに決まっているため、正社員になれば必ずもらえるわけではありません。
デメリット:仕事の量や責任が増えプライベートが圧迫される可能性がある
- 責任が増えてプレッシャーを感じる
- プライベートの時間を確保しづらい
- 人間関係の悩みが増える可能性がある
派遣から正社員になると会社から任される仕事の量や責任が増えて、派遣社員として働いているときよりも強いプレッシャーを感じる人が多いです。
仕事の忙しさから残業や休日出勤が増えて趣味の時間が取れなくなるなど、プライベートが圧迫されてしまうというデメリットもあります。趣味が生きがいという人にとっては大きなストレスになってしまうかもしれません。
また、正社員になると業務範囲が広くなり派遣社員として働いていた頃よりも多くの部署や職種の人とかかわる機会があります。そのため、人間関係の悩みが増えてしまう可能性も少なからずありますよ。
本田 百合香
もちろん一概にそうとは言い切れませんが、こうした可能性もあることをふまえて冷静に判断することが大切です。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
派遣から正社員になる際のデメリットを減らすための工夫として、不安や迷いを一人で抱え込み過ぎないことが挙げられます。正社員になると業務の範囲が広がったり、派遣社員では経験していない業務を担当したりして、抱え込み過ぎてしまうと周りが助けられない状態になってしまうこともあります。
もしも新しい業務やわからないことが出てきたときは、どんな些細なことでも周りに助けを求めることが大切です。遠慮せずに周りに助けを求めることで、周りも状況に合わせた手助けやアドバイスをすることができ、大事になってしまう前に対処できますよ。
また、正社員になって責任や業務量が増えた際、周りとうまくコミュニケーションを取りながら仕事を進めないと、なかなか目標に到達しないことも予想されます。周りと助け合いながら業務に取り組む姿勢を身に付け、自分が理想とするキャリアを築いていきましょう。
派遣から正社員になるには? 代表的な4つのルート
派遣社員から正社員を目指す場合に特に気になるのが「どうすれば正社員になれるのか」という部分ですよね。正社員になるまでの方法がわからなければ具体的な行動を起こせないので、目指すならその手段の理解がまず必要です。
そこでここからは、派遣社員から正社員を目指せる代表的な4つのルートについて解説します。それぞれのルートの利点や難しさについて詳しく説明するので、正社員までの道のりをイメージするうえでの参考にしてくださいね。
①派遣先の企業で正社員登用を狙う
- 一定の条件や正社員登用試験をクリアしたら派遣先の正社員になれる制度
- 正社員登用のタイミングや制度の有無は企業次第
- 今の派遣先で働き続けたい人や職場の雰囲気を見てから正社員になりたい人におすすめ
派遣社員から正社員になる方法の1つ目は、派遣先の企業で正社員登用を狙うことです。企業によっては、派遣社員が一定の条件や正社員登用試験をクリアしたら自社の正社員として採用する制度を設けているケースがあります。
この制度を活用すれば、職場は変えずに雇用形態だけを派遣から正社員に切り替えることができますよ。
今働いている職場を変えたくない人や、しばらく派遣社員として働いて職場の雰囲気を見てから正社員になりたい人におすすめの方法です。
米田 有希
働いた経験がある職場で正社員になれるなら安心ですよね。ただし、派遣社員の正社員登用制度がない企業もあります。この方法で正社員を目指すならまず派遣先に制度があるかどうかを確認してみましょう。
正社員登用についてもっと詳しく知りたい人はこちらの記事の解説もチェックしておきましょう。
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②紹介予定派遣に切り替える
- 6カ月後に正社員や契約社員などの直接雇用に切り替える前提で企業に派遣される制度
- 正社員として直接雇用されるかどうかは確約されていない
- 計画的に正社員になるチャンスをつかみたい人や職場の雰囲気を見てから正社員になりたい人におすすめ
派遣社員から正社員になる方法の2つ目は、正社員や契約社員などの直接雇用を前提として企業に派遣される「紹介予定派遣」として働くことです。
紹介予定派遣の派遣期間は最長6カ月で、期間が終了するまでに企業と派遣社員の間で合意に至れば直接雇用に切り替えられます。
紹介予定派遣は遅くとも6カ月後には直接雇用になれるかどうかの結論が出るため、計画的に正社員になるチャンスをつかみたい人におすすめの方法ですよ。正社員になる前に派遣として職場や業務を知れるのもメリットの一つです。
紹介予定派遣として採用されるためには、選考の段階から6カ月後を見据えて正社員として活躍する意欲を示し、派遣期間中に頑張りたいことを企業に伝えるなどの工夫をしましょう。
本田 百合香
ただし、紹介予定派遣の場合はあくまで直接雇用での採用です。必ずしも正社員として雇用されるわけではなく、契約社員としての入社になる可能性もあります。そのため、派遣先の企業と契約を結ぶ前に雇用形態をよく確認することが大切です。
③転職活動をして正社員採用で入社する
- 自分のペースで対策を進められる
- 選考を勝ち抜くために入念な準備が必要になる
派遣社員から正社員を目指す方法の3つ目は、一般の転職活動をして正社員採用で企業に入社することです。
企業の都合や派遣期間に合わせて正社員になれるタイミングが決まっている正社員登用や紹介予定派遣と異なり、転職活動は自分の好きなペースで進められます。そのため、じっくり企業研究や自己分析を重ねてから挑戦することもできますし、反対に短期集中で取り組んで早期に正社員になることもできますよ。
自分のタイミングで正社員就職を目指したい人におすすめの方法です。
松下 建都
ただし、転職活動では正社員経験がある人と同じ土俵に立つことになるため、志望動機や自己PRなどの選考対策に人一倍力を入れ、正社員として入社後に活躍する意志と具体的なビジョンを企業側に伝えることが大切です。
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④派遣元の企業で無期雇用派遣になる
- 派遣元の企業と期間の定めがない雇用契約を結んだうえで派遣される制度
- 正社員ではないが派遣期間以外でも給与や休業手当などを受け取れる
- これまでの派遣の働き方をなるべく維持したい人におすすめ
厳密には正社員という雇用形態には当てはまりませんが、派遣社員よりも安定した雇用形態で働きたいなら、派遣元の企業で無期雇用派遣になるという選択肢もありますよ。
通常の登録型の派遣は、派遣先の企業が決まってから派遣元と期間限定の雇用契約を結ぶ有期雇用契約です。一方無期雇用派遣は、まず派遣元の企業と期間の定めがない雇用契約を結んだうえで、通常の派遣と同じように派遣先企業で一定期間働くという働き方になります。
正社員ではないものの、派遣先での勤務が終わった後も派遣元の企業と雇用関係にあるため給与や休業手当などを受け取れる点が大きなメリットです。昇給やボーナス、退職金も支給対象になります。
派遣社員として企業に派遣されるスタイル自体には変化がないため、これまでの派遣の働き方をなるべく維持したい人におすすめの方法です。
本田 百合香
ただし無期雇用派遣の場合は常に派遣元の企業の業務命令下にあるので、登録型の派遣と違って派遣先の企業を自由に選べなかったり、自分の都合で派遣のタイミングを決められなかったりといったデメリットがあります。
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キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
派遣から正社員になるとしても、自分に適したタイミングがわからないと悩む人もいますよね。自分に適したタイミングを見極めるためには、派遣先での業務を問題なく遂行できるかに注目してみましょう。
派遣先で担っている業務を滞りなくできるようになったということは、正社員として求められている基礎的な能力やスキルが身に付いていると考えても差し支えありません。また、業務をスムーズにおこなえることで自信も培われ、正社員として働くための心構えも整いやすいはずです。
そのほか、派遣としての契約期間が満了する時期に合わせて、正社員になれるように準備することもおすすめです。契約満了となるタイミングで上司への相談や転職をすれば、企業側としてもあなたを正社員として受け入れやすくなります。
派遣から正社員を目指すベストな方法を見極める3ステップ
これまでの解説で、派遣社員から正社員になるルートは主に4つあると説明しました。ただ、どの選択肢が自分にマッチしているのかなかなか決めきれないこともありますよね。
そこでここから、派遣社員から正社員になるルートの選び方について解説します。3ステップですぐ実践できるので、正社員になるための第一歩としてぜひ取り組んでみてくださいね。
STEP①派遣から正社員を目指す目的を明確にする
派遣社員から正社員になりたいと思ったら、まず正社員を目指す目的を明確にしましょう。目的をしっかり整理することで自分の価値観や状況に合ったルートを選びやすくなりますよ。
たとえば収入を安定させることだけが目的なら、正社員に限らず無期雇用派遣という選択もあります。正社員という雇用形態が重要だと感じる場合は、無期雇用派遣ではなく正社員登用や紹介予定派遣、転職活動のなかからルートを決めていくことになります。
松下 建都
また、正社員になる目的がはっきりしていれば、今後キャリアチェンジを進めるなかで最初から最後までブレない選択ができますよ。
正社員を目指す目的を整理するためには、次のような観点から自問自答して考えをまとめることをおすすめします。
- 正社員になってどんな働き方や生活を実現したい?
- 今の働き方や労働環境のどんな点に不満や不安を感じる?
- 正社員になればその不満や不安は解消される?
- 正社員になること以外にも不満や不安を解消できる方法はない?
これらの観点から正社員を目指す目的を明確にすることで、4つのルートのなかから自分の希望に合うルートと合わないルートを判断しやすくなるはずです。
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STEP②正社員になるうえでの不安要素を洗い出す
派遣社員から正社員になる目的をはっきりさせた後は、次の項目を参考にして、正社員を目指すうえで不安な要素を洗い出してみましょう。
- 正社員を目指すうえで不安な要素の例
- 選考や試験の難しさ
- 正社員になれるタイミング
- 仕事の多さ
- 労働時間の長さ
- 責任の大きさ
- 休みの取りにくさ
- 職場の雰囲気や人間関係のトラブル
不安要素を洗い出しておくことで、なるべく精神的な負担が少ない状態で正社員就職を叶える方法を選択しやすくなります。
たとえば、職場の雰囲気がわからないままで就職するのが不安なら、正社員になる前に職場で働くことができる正社員登用や紹介予定派遣のルートが合っていると考えることができますよね。
複数の不安要素が出てきたら、ルート選びの基準になるよう、特にどの要素の不安が大きいのか順位を考えてみましょう。
本田 百合香
できるだけ不安は少ないほうが前向きなキャリアチェンジにつながりますよね。
STEP③目的を達成しやすく不安要素が少ないルートを選ぶ
最後は、STEP①とSTEP②の両方で考えた内容を考慮し、4つのルートのなかから自分にとって一番目的を達成しやすく不安要素も少ないルートを選びましょう。
たとえば、正社員を目指す目的として「特定の分野でのキャリアアップ」を掲げていて、不安要素として一番に「いつ正社員になれるかわからない点」、次に「職場の雰囲気が事前にわからない点」を挙げている人の場合は次のようになります。
- 職場や業務内容が定期的に変わる無期雇用派遣を選択肢から除外する
- 正社員になれるタイミングが明確に決まっていない正社員登用を除外する
- 就職前に職場の雰囲気を詳しく知ることが難しい転職活動より、6カ月後の直接雇用を前提に派遣として働ける紹介予定派遣を選択する
このように、順序立てて考えれば、自分に合った正社員の目指し方を決めやすくなりますよ。
米田 有希
ここで紹介した選び方はあくまで参考なので、自分が一番納得できる方法でルートを検討してみてくださいね。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
派遣から正社員になる場合、どのようなルートを選ぶにしても、なぜ正社員になりたいのかという目的を決めておくことが大切です。目的が曖昧なままだと、正社員になるためのさまざまな行動に悪影響が出てしまう可能性がありますよ。
たとえば、転職で正社員を目指す際、正社員になる目的が定まっていないと、志望動機や目標を十分に伝えることが難しくなります。また、転職活動がうまくいかなかったときに踏ん張れず、結果として正社員になる夢を諦めることになってしまうかもしれません。
さらに、仮に正社員になったとしても、正社員になる目的がはっきりしていないと、仕事に対するモチベーションが低下し、成果を出すことや困難を乗り越えることが難しくなる可能性もあります。そのため、まずは自分の正社員になる目的を明確にし、それに合致するルートを選ぶことが重要です。
正社員が絶対の正解ではない! 雇用形態にとらわれないキャリア選択をしよう
派遣社員としての働き方に不安や不満を感じて正社員を目指そうと考える人は多いでしょう。しかし、次の例のように、派遣社員から正社員になって後悔するケースも少なくありません。
- 時給制から月給制になったことで派遣時代よりも月収が少なくなった
- 仕事に追われて趣味の時間や家族との時間が大幅に減った
- 想像以上に仕事の責任が重く、精神的につらいと感じる
正社員の場合は雇用が安定していてキャリアアップが望める半面、派遣社員として働いていたときよりもプライベートが圧迫されてしまう可能性があります。正社員としての働き方が自分に合っていないと、せっかく頑張って就職したとしても短期間で辞めることになるかもしれません。
そのため、正社員になることをまずゴールとして描くのではなく、今後の仕事や人生で何を一番大事にしたいのかをよく考えたうえで、その手段として正社員はどうか、という視点で考えることが大切です。
松下 建都
そのうえで、雇用形態にとらわれずに自分の理想をかなえるためのキャリア選択をしましょう。
正社員登用試験では何をする? 試験に合格するコツも解説
派遣先の企業で正社員登用を狙う場合は、勤続年数や職場での実績など派遣先の企業が定める登用の基準をクリアしなければなりません。なかにはその見極めとして「正社員登用試験」を設けていることもありますよ。
そこでここからは、一般的な正社員登用試験の概要や試験に合格するコツを解説します。正社員登用に向けた準備を進めるうえで参考にしてくださいね。
米田 有希
正社員登用試験は書類選考や筆記試験、面接などさまざまな過程を突破しなければならないため、試験対策が非常に重要です。しっかりとチェックしておきましょう。
①書類選考:業務経験を棚卸ししてから自己PRを作成する
正社員登用試験では、希望者を募った後にまず書類選考が実施されるケースが多いです。必要な書類は、履歴書のほか、正社員を目指す理由(志望動機)や正社員になった後の目標などをまとめる「自己PR文」もあります。
自己PR文の提出を求められたら、次のような内容を簡潔にまとめて記載しましょう。
- 派遣先の企業で担当した業務や過去の成果
- 正社員登用試験を受けた理由
- 正社員になった後の活躍イメージや目標
- 正社員になりたい意欲や熱意
自己PRで説得力のある内容を書くためには、内容の裏付けとなる業務経験の棚卸しが必要です。派遣されてから今までにどのような業務を担当したか振り返り、それぞれの業務での成果や工夫した点を書き出してみましょう。
これまでの業務経験を具体的に思い出しておけば、正社員になった後の活躍イメージや目標を考える際にも役立ちますよ。
本田 百合香
業務日報や仕事のスケジュール帳、メールのやりとりなどをさかのぼって見返すと業務経験を思い出しやすくなります。
②筆記試験:事前に出題パターンをつかむ
書類選考のあとは、SPI(適性検査)や小論文などの筆記試験が実施されるケースが多いです。SPIでは、性格検査と能力検査の2種類のテストを受けることになりますよ。
- 性格検査:個人の性格の特性を測定する。普段の行動や価値観について聞く問題がでる
- 能力検査:論理的思考力を試す。言葉の意味や数学などに関する問題がでる
性格検査は自分の考えを正直に答えれば問題ありません。能力検査は言葉の意味や数学などさまざまな出題項目があり、全体的には中学~高校レベルの知識で回答できると言われています。
ただ、学校を卒業してから年数が経っていると問題の解き方や考え方を忘れてしまっている場合もありますよね。そのため、能力検査については参考書などを活用して勉強しておき、事前に出題パターンをある程度つかんでおけると安心です。
小論文は、「自分の強み・弱み」「入社後にどんな活躍をしたいか」などのテーマで400~1200字程度の作文を作成することが多いですよ。
- SPI対策 これが本当のSPI3だ! 2025年度版
- 小論文対策 何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55
③面接:正社員になった後の活躍イメージを伝える
正社員登用試験の最後には、書類選考や筆記試験だけではわからない応募者の能力や人柄などを知るために、人事担当者や役員などとの面接が設けられているケースが多いです。
正社員登用の面接では、主に次のような質問をされやすいですよ。
- 自己紹介をお願いします
- あなたの強みと弱みは何ですか?
- なぜ正社員になりたいと思ったのですか?
- これまで携わった業務とその業務に取り組むうえで工夫した点を教えてください
- 正社員になったらどのように活躍したいですか?
上記の質問のなかでも、正社員になった後の活躍イメージについては正社員登用試験で特に重視されます。回答内容を参考に、応募者を正社員にしたほうが会社にとってメリットが大きいかどうかを検討するからです。
入社後の活躍イメージといっても、面接官に納得してもらうためには話の根拠が必要になります。派遣社員としての経歴や派遣先の企業で身に付けたスキルや知識を具体的に説明し、これまでの経験が正社員登用後の活躍にどうつながるのかを論理的に説明しましょう。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
派遣先で正社員になるには、試験対策だけではなく、日頃の業務の取り組み方も重要です。日々の勤務態度に問題ないことが前提となり、遅刻や欠勤がなく、基本的なビジネスマナーや規律をしっかり守っていることが重要です。
また、業務においても、指示されたことだけをやるという姿勢ではなく、自ら考えて行動することが求められます。それだけではなく、周囲を巻き込める力もポイントです。たとえば、困っている同僚がいたら率先して助けたり、社内の問題があれば解決のためにチームに働きかけたりすることが求められます。
さらに正社員を目指すのであれば、職場にいる正社員を観察して学ぶことも重要です。正社員の仕事の取り組み方やコミニュ二ケーションの方法を参考にし、自身のスキルを向上させましょう。このような姿勢で業務に取り組むことが正社員への道へつながりますよ。
派遣から正社員転職を目指す! 転職活動で実践したい3つのコツ
転職活動で派遣社員から正社員就職を目指す場合は、正社員としてキャリアを積んできた人と同じ土俵に立って内定を勝ち取らなければなりません。そのため、経歴面での不利をカバーするための工夫が必要です。
そこでこれから、派遣社員から正社員転職を成功させるための3つのコツを解説します。転職で正社員を目指す場合はぜひ実践してみましょう。
転職活動がうまくいくか不安な人は、まずこちらの記事を読んでその不安を取り除くことから始めましょう。
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①正社員経験が少ない人向けの求人サービスを活用する
派遣社員からの正社員転職を成功させるコツの1つ目は、求人の探し方です。特に正社員経験が少ない人向けに求人を紹介している転職サービスを活用しましょう。
- 「転職サービス 未経験」「転職サービス 派遣から正社員」などでネット検索する
- ハローワークインターネットサービスを使う
転職や中途採用の求人は、新卒の就職活動の求人よりも非常に内容が幅広いです。たとえば応募条件として正社員として数年以上の専門的なキャリアが必要な求人もあれば、未経験者歓迎の求人もあります。
そのため、自分に合う、正社員経験が少ない場合でも応募できる求人を効率的に探す必要があります。
転職求人サービスには若手社会人や未経験者、非正規雇用で働く人などに特化したものもあるので、これらを活用して求人に応募すれば選考をスムーズに進められる可能性が上がりますよ。
米田 有希
効率的に転職活動を進めるには、最初の求人の探し方から工夫することが大切ということですね。
求人を探すうえでは、就職エージェントに非公開求人を紹介してもらうのも1つの手です。非公開求人についてはこちら記事で詳しく解説していますよ。
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転職を検討していると、非公開求人への応募を考えるときもあるのではないでしょうか? 非公開求人は一般には公開されていない求人なので、応募方法やコツは事前にしっかりと押さえておく必要がありますよ。この記事では、専門家のアドバイスを交えて非公開求人に応募する方法や注意点について解説していきます。
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②「雇用の安定性」以外にも自分なりの志望動機を持つ
派遣社員から正社員転職を叶える2つ目のコツは、正社員を目指すうえで雇用の安定性以外にも自分なりの志望動機を持つことです。
雇用の安定性は正社員という働き方の大きなメリットであるため、目的として持っておくことはもちろん問題ありませんが、志望動機として雇用の安定性だけを挙げてしまうと「意欲が低いのかもしれない」「正社員ならどこでもいいのでは? 」と受け取られてしまう可能性があります。
企業は、正社員に対して長期的に活躍してもらい業績に貢献してほしいと考えています。そのため志望動機でも、たとえば「正社員になって〇〇分野でキャリアアップをしたい」など、長期の活躍がイメージできるような内容を答えたほうが選考突破につながりやすいですよ。
本田 百合香
せっかくの選考で入社への思いを誤解されてしまうのは避けたいですよね。
転職をする際の志望動機の書き方はこちらの記事で例文付きで解説しています。
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転職時の志望動機を作成する際、意識するポイントやどんな内容にすれば良いのか悩むことがありますよね。特に異業種への挑戦となると、志望動機が作りにくく感じることもあるでしょう。この記事では、専門家のアドバイスと35の例文を交えて転職時の志望動機の作成法を紹介していきます。
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③今の業務や働き方への不満から正社員になりたい理由を深掘りする
派遣社員から正社員転職を成功させる3つ目のコツは、派遣の業務や働き方に対する不満から正社員になりたい理由を深掘りすることです。
以下の例のように「なぜ」を繰り返して、自分が重視している価値観が見える程度まで理由を深掘りしてみましょう。
- 派遣社員としての業務や働き方のどのような点に不満を感じるか?
(回答例:収入が不安定である点) - なぜ①の点に不満を感じるのか?
(回答例:収入が不安定だと人生設計が立てにくいから) - なぜ②の点は自分にとって重要なのか?
(回答例:人生設計がある程度立てられれば先行きが見えて安心できるし、計画的に行動できるから)
上記の例の場合では、安定した収入を得て人生の見通しを立て、安心した状態で計画的に行動できるようになることが正社員を目指す理由と言えます。
転職活動では、どの企業の選考を受けるか、どんな志望動機を話すかなど判断する機会が多くあります。そのため、最初から最後までブレずに決断するには「現状のどのような点を変えるために転職するのか」をはっきり自覚して自分なりの判断軸を持っておくことが重要になります。
松下 建都
自分のなかに明確な判断軸があれば選択を迫られたときでも迷わずすぐ決断できますよ。
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
正社員は派遣社員と比較し、会社側から求められることが異なります。その違いを把握しておくことで、派遣から正社員を目指す転職活動で、企業側に納得感のあるアピールをすることができるのです。
たとえば、企業は正社員に長く働いてほしいと考えています。そのため、会社の理念やビジョン、方針を理解してくれる人材を求めていて、その人材が長期間にわたって積極的に仕事に取り組んでくれることを期待しているのです。
正社員になるための転職活動を成功させるためには、会社のホームページや求人情報を通じて、理念やビジョンを事細かに把握し、それらを踏まえた志望動機や自己PRを考えてみましょう。
転職の軸を自分なりに立てるためには自己分析が欠かせません。こちらの記事もチェックしておきましょう。
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派遣から正社員を目指す4ステップ! 転職成功のカギは軸の明確化
派遣から正社員になるルートは具体的に4つあります。どの選択肢があっているかは状況や目的によって変わるため、まずは詳細を知ること他大切です。この記事ではキャリアアドバイザーが派遣から正社員になる方法を詳しく解説します。
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正社員になりたい理由をまとめたものは自己PRにもなります。転職における自己PR対策についてはこちらの記事を参考にしてくださいね。
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35例文|転職の自己PRは「企業との接点」を軸にして組み立てよう
転職は新卒での就活よりも難易度が上がるもの。自己PRはどんな内容にすれば良いのか不安に感じることもあるでしょう。この記事では、専門家のアドバイスを交えて転職時の自己PRについて解説しています。
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派遣から正社員になる方法を理解し素早く行動を起こして理想をかなえよう!
ここまで、派遣社員から正社員になる4つのルートや、正社員を目指すうえで重要なポイントなどを解説してきました。
ルートによって正社員になれる確実性や選考突破に必要な対策などが異なります。そのため、正社員になる目的を明確にし、一番目的を叶えやすく不安要素も少ないルートを選択することが大切です。
自分に合った正社員の目指し方を理解して、理想のキャリアを叶える一歩を踏み出しましょう。
正社員になるのは難しいと思って諦めず、まずはチャレンジしてみましょう。