目次
- 理想の転職をかなえるなら年齢別のニーズを満たしたアピールが必須!
- 転職の難易度は年齢で変わる? まずは年齢ごとの転職事情を理解しよう
- 転職者の年齢層は20代後半~30代前半が多い
- 年齢が若い方が転職しやすい傾向にある
- 年齢が上がると求められるスキルも高くなりやすい
- 今の年齢で転職に踏み切るのが不安……そんなあなたに伝えたい3つのこと
- 「35歳以上の転職は厳しい」といった通説はなくなりつつある
- 企業は年齢よりも「採用するメリット」に注目している
- 年齢ごとに市場で求められるスキルを理解すれば理想の転職はかなう
- 年齢別で解説! 転職市場で求められるスキルと転職の難易度
- 20代前半:仕事に対する意欲やポテンシャル
- 20代後半:社会人としての基本的なスキル
- 30代前半:即戦力として活躍できる専門的なスキル
- 30代後半:チームをまとめられるリーダーシップ
- 40歳以上:即戦力となるスキルとマネジメント経験
- 年齢関係なく転職を成功させるには「市場×企業」のニーズを満たしたアピールが必須!
- 【20代】高いポテンシャルのアピールが転職成功のカギ!
- ①前職で身に付けた社会人としての基礎スキルをアピール
- ②転職してからのキャリアプランを伝えて将来性をアピール
- ③志望先で活かせそうなスキルを伝えて戦力になることをアピール
- 【30代】即戦力人材だとアピールするための3つのポイント
- ①これまでに培った専門性の高いスキル
- ②マネジメント経験で発揮したリーダーシップ
- ③部下の育成経験で得た指導力
- 【40代】豊富な経験を活かして企業へ貢献できることをアピールしよう!
- ①スキルと経験を活かして即戦力で活躍できることをアピール
- ②豊富なマネジメント経験による統率力をアピール
- ③新しい環境にも対応できる柔軟性や協調性をアピール
- 志望企業が自分の年齢の人材に求めるものをリサーチする方法
- 自分と同年代の社員の働き方を調べる
- キャリアパスから年齢ごとに求められるレベル感を知る
- 就職エージェントに相談する
- 転職を失敗させないためには? 活動開始前にチェックしておきたい3つのポイント
- ①自分の市場価値をチェックする
- ②転職の目的を明確にする
- ③転職後のキャリアを描いておく
- 年齢は関係ない! 年代別のアピールポイントを駆使して選考を突破しよう
理想の転職をかなえるなら年齢別のニーズを満たしたアピールが必須!
こんにちは、キャリアアドバイザーの今井です。
「自分の年齢的に転職はできるのかな」と迷っている人から、このような相談を受けることがあります。
自分は転職できるのか、転職に年齢の限界はあるのか、今の年齢でも果たして転職はできるのか、悩む気持ちはとてもよくわかります。
結論から言うと、転職の年齢に限界はなく、どの年代でも転職することは可能です。ただ、自分が思い描く理想の転職をかなえたいなら、年齢ごとの転職市場で求められるスキルを知る必要があります。そのスキルに合わせたアピールをすることで、企業が求める人材とマッチしたと評価され、転職を成功させることができますよ。
この記事では、キャリアアドバイザーのアドバイスをふまえ、年齢ごとの転職事情、転職市場で求められるスキル、年齢別の企業へのアピールポイントなどを解説していきます。自分の年齢に合わせたアピールポイントを理解して、転職を有利に進めていきましょう。
転職に対して不安があるときはこちらの記事も参考にしてみてください。転職の不安解消法を詳しく解説しています。
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転職は不安なことが多いですよね。良い転職先は見つかるのか、転職先でうまくやっていけるのか……そう考えるとなかなか一歩踏み出せない人も少なくありません。この記事では、専門家のアドバイスを交えて転職の不安を解消する方法や成功に導く心構えを解説。一緒に新たなキャリアへ自信に満ちた一歩を踏み出しましょう。
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転職の難易度は年齢で変わる? まずは年齢ごとの転職事情を理解しよう
転職したいと考えた際に気になるのは「年齢が転職にどのくらい影響するのか? 」という点ですよね。確かに年齢によって採用側が求めるスキルや経験は変わってくるため、選考にも大きく影響してきます。
そこで、まずは年齢ごとの転職事情について詳しく解説していきます。この内容をしっかりと理解して、自分の年齢ではどのような転職が可能なのかをチェックしていきましょう。
転職者の年齢層は20代後半~30代前半が多い
厚生労働省が日本の就業者の状況を把握する目的で毎年実施している労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)平均結果の概要によると、年によってばらつきはあるものの、25歳〜34歳の年齢層の転職者数が最も多いことがわかります。
なぜこの年齢層の転職が多いかというと、今後のキャリアを考える重要なタイミングといえるからです。仕事である程度の実績を積んでいたり、専門的なスキルも身に付いたことで、キャリアアップを狙った転職を検討する人が増えてきます。
また今後のライフプランを考えて、転勤のない会社への転職やワークライフバランスの整った会社への転職などを考えるタイミングでもあります。
松下 建都
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
転職者のボリュームゾーンはデータからもわかる通り、20代後半から30代前半となっていますが、それ以外の年齢層でも一定数の転職者はいます。特に急成長している企業では、現場の人手が足りず、経験やスキルがそこまでないとしても、幅広い年齢層を採用している傾向があります。
また成長にともない、人員が増えた結果、新たな部署が創設された場合にはマネジメント層が不足してきます。そのような理由から管理職経験者を補充したいといった求人もあり、転職者へのニーズは企業ごとによって違っているわけです。未経験、経験あり問わず、幅広い年齢層の求人が出ていることもあり、年齢だけで転職をあきらめる必要はないといえるでしょう。
年齢が若い方が転職しやすい傾向にある
転職は年齢が若い方が有利になりやすい傾向にあります。というのも、若い年代はスキルや実績はあまりないものの、新しい環境を受け入れる適応力や柔軟性などを持ち合わせており、入社後のポテンシャルに期待できるからです。
未経験からの入社なら、できるだけ若い年齢で転職した方がうまくいく可能性は高いことは覚えておきましょう。
本田 百合香
特に新卒入社から3年以内に転職を考えている人を「第二新卒」と呼びます。企業としても第二新卒の採用は積極的におこなっているところが多いですよ。
第二新卒についてはこちらの記事で詳しく解説しています。第二新卒ならではの対策法がわかるので、併せて参考にしてみてください。
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年齢が上がると求められるスキルも高くなりやすい
年齢が高くなるにつれ、企業が求めるスキルや経験のレベルも高くなる傾向にあります。特に30代以降は未経験職種の求人が減り、専門的なスキルを持っていたり、マネジメントを経験していたりする求人が増えてきますよ。
- 専門職として活躍してきた経験
- チームのマネジメントの経験
- 特定の業界での知識や長い経験
- 特定の業界で必要な資格
これらは若い年代では身に付けるのが難しく、実際の仕事を通じて磨いていくものばかりです。そのため、転職を繰り返していてスキルや経験が身に付いていなかったり、就業経験が少なかったりすると、転職活動ではどうしても不利になってしまいます。
松下 建都
逆に言えば、スキルや経験があればキャリアアップを目指した転職も目指せるということです。年齢だけでなく、自分の能力も踏まえたうえで転職活動が成功しやすいかを判断するのが大切ですよ。
自分は今転職した方がいいのかな? と転職のタイミングに迷うこともありますよね。こちらの記事で転職のベストタイミングについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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今の年齢で転職に踏み切るのが不安……そんなあなたに伝えたい3つのこと
「今の自分の年齢で転職がうまくいくかな? 」そんな不安は尽きませんよね。転職を考える際に年齢が気になるのはとても自然なことです。
ここからは年齢による不安を和らげて、転職成功の可能性を高めるために知っておきたい大事なことをお伝えします。どれも転職活動を進めていくうえで必要な情報ばかり。内容をチェックして、自分の転職活動に活かしてくださいね。
「35歳以上の転職は厳しい」といった通説はなくなりつつある
「35歳以上での転職は厳しい」と聞いたことはないでしょうか? 確かにデータを見ても、20代後半〜30代前半までの転職者数が多いこともあり、求人数が少なくなるのも事実です。
ただ、厚生労働省が日本の就業者の状況を把握する目的で毎年実施している労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)平均結果の概要によると、15歳〜24歳の転職者数よりも35歳〜44歳の転職者数の方が上回っています。このデータから「35歳以上の転職は厳しい」といった通説はなくなりつつあると考えていいでしょう。
米田 有希
少子高齢化の影響もあり、人手不足の企業が増えています。だからこそ、年齢が高いことによる転職の難易度は下がってきているといえますね。
企業は年齢よりも「採用するメリット」に注目している
企業は転職者の年齢を気にしてはいますが、それよりも入社することで企業にとってどんなメリットがあるかを重要視していますよ。
当たり前のことですが、給料を払うからにはそれ以上の活躍を期待しているのです。たとえば、何か専門的なスキルを持っていたり、チームをマネジメントできたりと、入社によるメリットが大きいと判断されれば、転職もしやすくなるでしょう。
逆にスキルも経験もないとなると、ポテンシャルを評価するしかなくなるので、年齢の若い人材を採用したいと考える企業もでてくるわけですね。
本田 百合香
年齢を気にして転職に足踏みする必要はありませんよ。自分がどんなスキルや経験を積んできたのかをアピールできれば、理想の転職はかなえられるのです。
年齢ごとに市場で求められるスキルを理解すれば理想の転職はかなう
先ほど企業は採用するメリットを重視すると解説しましたが、この年代はこんな採用メリットがあるという市場価値はある程度決まっています。
- 20代:新しいことを吸収する柔軟性や積極性
- 30代:特定の分野にかかわる専門的なスキルや経験
- 40代:チームをまとめるマネジメント経験
この年代ごとに求められるスキルとは、いわば企業の多くが採用したいと思っているスキルの目安といえます。つまり、これらのポイントを抑えたうえで選考に臨むことができれば、選考を突破できる確率も上がるということです。
米田 有希
年代ごとに求められるスキルはあくまで目安の話なので、企業研究からどんな人材がほしいのかをチェックすることも忘れてはいけませんよ。
キャリアアドバイザーコメント松下 建都プロフィールをみる
採用において企業が求職者に求めているのは、若さだけではないため、年齢を気にしすぎる必要はありませんよ。ただ、年相応のスキルや経験は求められます。
たとえば、年齢を重ねた人が転職活動する際、企業側は即戦力を求める傾向にあるため「あなたが弊社に入社した後、これまでの経験やスキルを活かしてどのような活躍ができそうですか? 」といった具体的な質問をされます。
つまり、転職を成功させるには、自分のこれまでの実績や経験が活かせる仕事は何かを考え、応募先を決めることが大切なのです。
自分だけでなく企業側にもメリットを提示できるような転職をする。そのためにはしっかりと自己分析をすること、過去の経歴の棚卸しをしてスキルや経験を見える化することが大切です。
年齢別で解説! 転職市場で求められるスキルと転職の難易度
転職市場で求職者に求められる要素は年齢とともに変わってきます。理想の転職をかなえるには、年齢の違いによって企業はどんな人材を求めているのかをしっかりと理解しておくことが大切です。
ここからは、転職市場で求められるスキルと転職の難易度について解説していきます。自分の今の年齢と照らし合わせてみて、求められるスキルや転職の難易度をチェックしていきましょう。
20代前半:仕事に対する意欲やポテンシャル
- なぜその仕事に就きたいのかという熱意
- 将来的にどんな活躍ができるのかというポテンシャル
20代前半は、社会人になってからまだ日が浅いですよね。そのため、専門的なスキルよりも新卒と同じように入社後のポテンシャルを評価されやすい傾向にありますよ。
ポテンシャルを評価するということは、企業は将来のあなたの活躍に期待するわけなので「なぜこの仕事に就きたいのか」「将来的にはどんなふうに活躍したいのか」など、仕事への想いと転職先での将来像をアピールしていくことが重要です。
本田 百合香
「20代歓迎」「第二新卒歓迎」といった若手を募集する求人も多く出されているので、転職を目指しやすい年代といえますね。
第二新卒の転職はやめとけと言われることもあります。こちらの記事でその真相について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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「第二新卒はやめとけ」は無責任な意見! 軸づくりのための必須対策
第二新卒としての就活を始めようとしたとき「第二新卒はやめとけ」と言われた経験がある人もいますよね。第二新卒の就活には厳しい局面もあり、不安になることも多いでしょう。そんなあなたのために、この記事では専門家のアドバイスを交えて第二新卒の就活方法や面接での頻出質問・回答方法まで解説していきます。
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未経験職種への転職はキャリアチェンジとも呼ばれます。こちらではキャリアチェンジの転職成功の秘訣を解説しているので、あわせて参考にしてくださいね。
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キャリアチェンジ成功の手引き|基礎知識から選考対策まで一挙公開!
キャリアチェンジを考えているけど自分にはできるものなのか、そもそもキャリアチェンジって何? と疑問に思う人もいるでしょう。この記事では、専門家のアドバイスを交えてキャリアチェンジの意味やその方法、成功させるコツを解説しています。ここでキャリアチェンジ成功に向けての一歩を踏み出しましょう。
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20代後半:社会人としての基本的なスキル
- 社会人としての基本的なマナーやスキル
- 特定の業界や職種の経験やスキル
20代後半となると、20代前半の転職よりも社会人としての基本的なスキルをみられやすくなります。そのため、転職先でも活かせる社会人スキルをアピールしていくことが大切ですよ。
たとえば、上司と円滑にやり取りできるコミュニケーション能力や仕事を計画通りに進める計画性などは、どんな仕事にも共通していますよね。それらをアピールしつつ、自分のポテンシャルや会社にどんな貢献ができるのかを伝えていきましょう。
松下 建都
経験のある職種への転職を目指す場合は、専門性をアピールするのも効果的です。たとえば「営業職を2年以上経験してきました」と伝えることで、即戦力としての活躍を期待して、選考が有利に進みますよ。
30代前半:即戦力として活躍できる専門的なスキル
- 特定の業界や職種の専門的なスキル
- 後輩を育成する指導力
30代前半に突入するとポテンシャル面よりも「特定の専門スキル」が評価されやすくなる傾向にあります。一定年齢を重ねてきたからこそ、ある程度の実績や実力はあるだろうと期待するわけです。だからこそ、30代での転職では特化したスキルや知識のアピールが欠かせません。
たとえば、「10年以上エンジニアとして仕事をしてきた」「営業職として5年間目標を達成し続けた」など、経験年数や実績をアピールするのがいいでしょう。そうすることで、あなたが身に付けた専門性が伝わりますよ。
米田 有希
また、30代となると後輩への指導も仕事に含まれてきますよね。会社によっては、部下の育成を任せたいと考えて求人を出しているケースもあります。もし部下の育成経験があるなら、その経験をアピールしてみてもいいでしょう。
30代後半:チームをまとめられるリーダーシップ
- 特定の業界や職種の高度な専門的なスキル
- チームをマネジメントできるリーダーシップ
30代後半では、専門性に加えて「マネジメント能力」も必要とされるケースが多くなります。部下を持つポジションとして、リーダーシップを発揮できる人材を求める求人が多くなっていくのです。
これまでの経験のなかで、チームのリーダーとなってマネジメントをしたり、プロジェクトの中心人物としてマネジメントしたりした経験がないか振り返ってみましょう。それらの経験のなかで、会社にどのような貢献をしたのかまで伝えることで、あなたのリーダーシップをアピールできますよ。
本田 百合香
この年齢になると、未経験の業界や職種の転職はかなり難しくなってきます。専門的なスキルもしくはマネジメントスキルのアピールが必要不可欠ですよ。
40歳以上:即戦力となるスキルとマネジメント経験
- 即戦力として活躍できる専門的なスキル
- マネジメント経験による統率力
40代ともなると、即戦力としてのスキルはもちろん、長いキャリアから得た「マネジメント経験」が評価される傾向にあります。求人数もかなり少なくなり、思ったような転職ができるかどうかは、自分の経験次第になってきます。
専門性の高いスキルとマネジメントスキル、それぞれをしっかりとアピールするためにも、積み上げてきた実績を振り返っておきましょう。そのスキルを活かして、どんな貢献ができるかを伝えられれば、転職を成功させることは十分可能です。
松下 建都
ほかにも、年齢が高くなってきたからこそ「新しい会社に適応できるかどうか」という柔軟性もみられやすいです。そちらのアピールも欠かさずしていくことが大切ですよ。
年齢関係なく転職を成功させるには「市場×企業」のニーズを満たしたアピールが必須!
ここまで年齢別の求められるスキルや転職の難易度を解説したとおり、年齢によって求められるスキルはバラバラです。さらに、企業によっては年齢関係なく、20代でも専門性の高いスキルを重視したり、30代でも未経験を募集していたりもします。
つまり、転職を目指すうえでは、年齢による一般的な市場価値を知るのと同時に、企業が求めるニーズに合っているかまで理解する必要があるのです。そのうえで、ニーズに沿ったアピールができれば、企業が求める人材だと評価され、自分が理想とする転職をかなえられますよ。
ここからは、転職市場で求められるスキルを踏まえて、年代別のアピールポイントについて深く掘り下げて解説していきます。自分の年齢だとどんなアピールが効果的なのかを理解し、選考を突破していきましょう。
【20代】高いポテンシャルのアピールが転職成功のカギ!
20代での転職は専門的なスキルや経験があまりないからこそ、自身が秘めているポテンシャルをいかにアピールするかが転職成功のカギを握ります。
ここからは、20代が転職に臨むうえで意識したい3つのアピールポイントについて解説していきます。若手人材ならではの強みをしっかりとアピールして、転職を成功へと導いていきましょう。
①前職で身に付けた社会人としての基礎スキルをアピール
20代とはいえ、社会人を経験してきたからには何かしら身に付けた基礎的なスキルがあるはず。選考では、仕事のエピソードと合わせて、どんな基礎スキルを身に付けたのかをアピールすることが大切です。
たとえば「打合せに向けて上司と協力して資料の準備をした」という経験は、コミュニケーション能力や計画性が発揮されていますよね。このような日々の仕事のなかで身に付けた社会人スキルは、どこの企業でも必要だからこそ効果的なアピールにつながりますよ。
- 上司からの指示を受けて何度かやり取りをしながら資料を作成した→コミュニケーション能力
- 失敗したことに対して次回から改善した→改善能力
- 上司から言われた仕事での目標を達成した→実行力
米田 有希
今では当たり前にこなしている業務でも、社会人になってから身に付けたのなら、それは社会人としての基礎スキルといえますよ。選考では基礎スキルを身に付ける前と後をエピソードで伝え、自身の成長性までアピールしていきましょう。
②転職してからのキャリアプランを伝えて将来性をアピール
20代は、会社で経験を積んで将来的に大きく貢献してほしいというポテンシャル面を評価されるケースが多いです。
そのため転職の選考では、入社後はどのようなキャリアを歩み、5年後、10年後にどんな仕事をしていたいかというキャリアプランを伝えると良いでしょう。応募企業のホームページや募集要項から情報を得て、できるだけ具体的な将来のキャリアを描いてみてください。
- 営業職として経験を積んで10年後には営業チームの中心的な存在となる
松下 建都
20代はこれからの成長を期待される年代です。しっかりとしたキャリアプランを伝えることで、「この人の将来が楽しみだ」という成長性を感じてもらえる可能性が高くなりますよ。
キャリアアドバイザーコメント本田 百合香プロフィールをみる
第二新卒や既卒の転職活動では、豊富な社会人経験や専門性のあるスキルを持っていないことがほとんどです。そのため、企業側にアピールするポイントは、仕事に対する意欲や新しいことにチャレンジする積極性などのポテンシャルがメインとなるでしょう。
入社後に成長が期待できる、伸びしろがある人材であるなど「将来性のアピール」が大きな評価につながります。
ただ、同時にすぐに仕事を辞めてしまうのではと思われる年代でもあります。そこで大切になるのが、退職理由の整理です。今の仕事を辞める理由をしっかりと分析し、説明できるようにしておきましょう。やる気を伝えるのと同じくらい、すぐ辞める人ではないことを伝える必要がありますよ。
③志望先で活かせそうなスキルを伝えて戦力になることをアピール
20代の転職では、専門性の高いスキルや経験をアピールしにくいからこそ、企業が求める人材に合わせたスキルをアピールしていきましょう。
たとえば、マーケティング職へ転職を目指す場合、論理的な思考や数値をみる能力が高いことを伝えると、仕事内容と自身の特性が合っているというアピールにつながります。企業研究をしっかりおこない、会社の社風や仕事内容から、どんなスキルのアピールが効果的かを見極めていきましょう。
- 実力主義の会社の求人→目標に向かって行動して目標達成した経験
- チームで仕事を進める会社の求人→チームで一つの仕事に取り組んできた経験
松下 建都
専門性の高さよりも、自身のスキルによって転職先にどう貢献できるかを伝えるのがポイントです。
【30代】即戦力人材だとアピールするための3つのポイント
30代は企業から即戦力として活躍してほしいと思われる年代です。これまでに培ってきた経験から身に付けたスキルやマネジメント能力などのアピールが大切になります。
ここからは、30代で転職を成功させるための3つのアピールポイントについて解説していきます。アピールポイントを踏まえつつ、自分ならどんなアピールができそうかを一緒に考えていきましょう。
①これまでに培った専門性の高いスキル
30代の転職は、専門的なスキルや経験は持っていて当たり前という視点でみられやすいです。たとえば、「プログラマーを10年続けてきた」「事務職を7年経験している」など、特定の業界や職種の経験が求められます。
選考のなかでは「〇〇という仕事を5年経験した」といった形で経験年数をアピールしましょう。一言であなたがどれだけの経験を積んできたのかが相手に伝わりますよ。
米田 有希
ほかにも、高いスキルをアピールするなら、具体的な実績や成果を伝えるのも効果的です。たとえば「新規プロジェクトを軌道に乗せた」「課題を自分のスキルで解決した」などのエピソードはわかりやすいですね。できるだけ具体的に話すことで、スキルのレベルが高いことが伝わります。
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30代の転職活動では、これまでの経験や実績、そして即戦力としてすぐに活躍できることをアピールする必要があります。職務経歴書や面接では、具体的な数値やエピソードを交えて、わかりやすく伝えましょう。
たとえば、経理部門で10年勤務しており、業務効率化のために自分が中心となって経費精算システムを導入し、処理時間を半分に短縮したなど、入社後にすぐ活躍できる人材であることを表現できるよう、過去の業務の棚卸しをしておきましょう。
ほかにも、自分では業務に精通しているため、できて当たり前と思い込んでいることも他の人からみると意外とすごいスキルかもしれません。職務経歴書を書いた後には、キャリアアドバイザーなどのプロにチェックしてもらうと良いですよ。
②マネジメント経験で発揮したリーダーシップ
30代はこれまでの経験を活かして、プロジェクトのリーダーを務めたり、チームをまとめたりとマネジメント経験を積んでいる年代でもあります。だからこそ、企業に対しては、マネジメント経験を通したリーダーシップが効果的なアピールにつながりますよ。
アピールする際は、実際に経験したエピソードを用いて、どのようにマネジメントしてきたのか、それによって会社にどのように貢献したのかなどを伝えていきましょう。
- 前職では3年間、チームのリーダーとしてマネジメント経験を積んできました
- プロジェクトリーダーとして2つの部署をまとめながらプロジェクトを軌道に乗せました
本田 百合香
課長や部長などの肩書が必須というわけではありません。企業はチームやプロジェクトの中心人物として貢献してくれる人材を求めていますよ。
③部下の育成経験で得た指導力
30代ともなれば、後輩ができて仕事を教えたり、面倒をみたりすることもあるでしょう。このような後輩の育成や教育の力を求めている企業はたくさんあります。
後輩のことを考えて、どのような点に気を付けて指導していたのか、後輩はどのように成長したのかなどを伝えていきましょう。そうすることで、周りの成長に貢献してくれる人材であるというアピールにつながりますよ。
- 一緒に営業へと同行して気付いた点はその都度指導していました
- 部下と1日1回ミーティングする時間を作って質問や相談を受けるようにしていました
松下 建都
部下の育成経験は、マネジメント経験とまではみなされない可能性が高いですが、30代としてアピールしやすいポイントではあります。企業の求人内容も踏まえて、育成経験のアピールも積極的にしていきましょう。
【40代】豊富な経験を活かして企業へ貢献できることをアピールしよう!
40代ともなると社会人経験も豊富になり、専門性の高いスキルや経験、マネジメント経験などを活かして会社に貢献できる点をアピールすることが重要になってきます。
ここからは、40代が転職を目指す場合に意識したいアピールポイントを解説していきます。40代の転職は、ほかの年代に比べて難易度が高いからこそ、アピールポイントを理解して選考に臨んでいきましょう。
①スキルと経験を活かして即戦力で活躍できることをアピール
40代にもなると、社会人として十数年以上のキャリアを築いていますよね。そのなかで培った経験やスキルは、20代や30代にはない40代だからこその強みです。
企業としては、専門性を活かしてプロジェクトに貢献したり、企業が抱える課題を解決したりと、即戦力で活躍してほしいと考えています。選考のなかでは、これまでの経験を活かして、企業にどんな貢献ができるのか、具体的に伝えるのが大切ですよ。
- プログラマーとして15年間活動し、プロジェクトの立ち上げから軌道に乗せるまでを何度も経験してきた
米田 有希
自分がこの会社に入社する場合、どんな貢献ができてどんな結果を出せそうかという視点を持って、自身の魅力をアピールしていきましょう。
②豊富なマネジメント経験による統率力をアピール
先ほども解説したとおり、企業が40代の転職者に求めているのはマネジメント経験を有している人材であるケースが多いです。しかも、40代ともなると、30代よりも求められるハードルも高くなります。
たとえば、「数十人規模のマネジメント経験がある」「会社の中枢を担う部署のマネジメント経験がある」など、規模や責任が大きい経験を求められやすくなります。さらに、これらの経験のなかでどんな実績を上げたのかもアピールすることが重要です。
本田 百合香
40代は求人数がかなり限られるため、マネジメント経験のアピールはほぼ必須になってきます。これまでの経験を振り返り、アピールできる経験を見つけていきましょう。
③新しい環境にも対応できる柔軟性や協調性をアピール
企業が40代の転職で不安視する点の一つとして、新しい環境に適応する柔軟性が挙げられます。特に1社で長く勤めてからの転職となると、「うちの会社のルールに適応できるかな」「ほかの社員とうまくやっていけるかな」という懸念がどうしても生まれてしまいます。
だからこそ、自らの柔軟性や協調性をアピールしていくのが大切になりますよ。たとえば「会社経験は1社でも部署異動を数年に一度していて、各部署で結果を出している」と伝えれば、新しい環境でも問題なさそうという印象に映りますよね。
松下 建都
会社が変わるとルールや文化もまったく変わってきます。そこにうまく適応できることをしっかり伝えて、好印象を得ていきましょう。
キャリアアドバイザーコメント米田 有希プロフィールをみる
40代からの転職では、これまでの実績や経験を活かすことも大切ですが、忘れてはならないのが、柔軟性や協調性をアピールすることです。これまでの会社での成功体験や、やり方に固執すると、新しい企業で実力を発揮できない恐れがあるからです。
特に入社後にギャップを感じやすいポイントは「仕事の進め方」です。事前に上司に根回しが必要だったり、決裁のスピードが前の会社と比較するとかなり遅いなど、企業文化の違いを感じることもあるかもしれません。
前の会社で当たり前だったことが、次の会社で通用しないことも多くあります。自分の力を過信することなく、転職先でもチームワークを意識して仕事を進めていける人は、どこの会社でも自分の実力を発揮できますよ。
志望企業が自分の年齢の人材に求めるものをリサーチする方法
ここまで年齢別の求められるスキルや市場価値などを解説してきましたが、企業がどんな人材を求めているかを知るには企業ごとのリサーチが欠かせません。
そこで、ここからは志望企業が自分の年齢の人材に求めるものをリサーチする方法について解説していきます。リサーチ方法を実践して、自分が目指す転職先が求めている人材への理解を深めていきましょう。
自分と同年代の社員の働き方を調べる
興味がある企業の社員が、どのような働き方をしているのかを調べてみましょう。特に同年代の社員がどんな働き方をしているかがわかると、自分に置き換えて考えられるのでイメージしやすくなります。
本田 百合香
調べ方はさまざまな方法があるので、自分に合うやり方を試してみてくださいね。
- 企業が運営するSNSの発信内容を見る
- ホームページに掲載されている仕事の流れなどをチェックする
- 社員インタビュー記事を読んで仕事内容をチェックする
企業によっては、実力主義の社風で20代から管理職を目指せる企業もあれば、年功序列でゆっくりと昇進する企業もあります。自分が転職する業界や職種によって求められるスキルも変わってくるので、同年代の社員の働き方はしっかりと分析しておきましょう。
キャリアパスから年齢ごとに求められるレベル感を知る
松下 建都
企業によっては、ホームページや求人情報のなかに将来的なキャリアパスを示しているところもありますよ。
入社して何年はこの程度のスキルを求めているなどの情報が載っているので、今の自分と照らし合わせてレベル感が足りているかどうかを測ることができます。
もし、レベル感が足りているなら転職はうまくいく可能性が高まりますよね。逆に足りないのであれば、自分でスキルを高めたり、資格を取得したりする必要があるかもしれません。このように、レベル感を知ることで、今の自分に足りているもの、足りていないものが客観的にみえてきます。
就職エージェントに相談する
就職エージェントに相談してみるのも、企業が求める人材をリサーチするのに有効な方法です。就職エージェントは多くの企業と連携しながら転職者をサポートしているため、業界や職種、企業が求める人材をよく理解しています。自分の年齢や持っているスキルなどを踏まえて話を聞いてみれば、転職がうまくいきそうかどうかのアドバイスをしてくれますよ。
本田 百合香
企業が求める人材のリサーチのみならず、転職活動に関する不安や悩みなどを相談することも可能です。もし聞きたいことがあれば、積極的に活用してみてくださいね。
転職を失敗させないためには? 活動開始前にチェックしておきたい3つのポイント
- 自分の市場価値をチェックする
- 転職の目的を明確にする
- 転職後のキャリアを描いておく
転職を進めていくにあたって、年齢関係なく気を付けたいポイントがいくつかあります。このポイントを無視してしまうと、自分が思い描いた転職がかなえられない可能性も出てきてしまいます。
そこで、ここからは転職活動を始める前にチェックしておきたい3つのポイントについて解説していきます。どのポイントも活動を進めるために重要なことばかりなので、チェックしたうえで実践していきましょう。
こちらの記事では、転職活動の流れについて詳しく解説しています。いつ何をやるべきなのか紹介していますので、あわせて参考にしてくださいね。
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転職の流れは4段階で理解! 「いつ何をやるか」を期間別で知ろう
転職を成功させたいと思っても、流れが理解できないとうまくいく確率は下がってしまいます。まずは、おおまかな流れを理解して、理想の転職をかなえていきましょう。この記事では転職の流れについて詳しく解説しています。
記事を読む
①自分の市場価値をチェックする
先ほど年齢ごとに求められるスキルや転職の難易度を解説しましたが、これはあくまで一般的な話です。あなた自身の市場価値はどのくらいなのかをチェックしなければ、思い通りの転職がかなえられるかどうかはわかりません。
そこで転職活動を始める前に、自分の市場価値を理解することが大切です。自分ではなかなか判断しにくい内容なので、就職エージェントなどに相談するのがおすすめです。
- 就職エージェントにかなえたい転職を目指せそうか聞いてみる
- 転職診断ツールを活用して評価をチェックする
- 同年齢・同職種の平均年収をチェックする
松下 建都
実際に自分の市場価値を算定してみると、思っていたよりも良い転職ができそう、思ったよりも難しそうなど、転職のイメージをつかむことができます。その結果を踏まえて、転職するかどうかを判断すれば、後悔することも少なるでしょう。
②転職の目的を明確にする
転職を考える理由が「何か今の職場が合わないから」のような漠然とした理由だとしたら注意が必要です。理由をはっきりさせないと、仮に転職がうまくいったとしても、次の転職先で同じ課題に直面する可能性が高くなってしまいます。
そこで大切になるのが、転職の目的を明確にすること。目的が明確になれば、自分はどのような仕事がしたいのか、どのような会社に転職したいのかがみえてきますよ。たとえば、転職の目的には以下のような項目があります。
- 個人のスキルを向上させるためにプログラマーとして活躍できる会社に転職したい
- もっと規模の大きい仕事をするために営業職が活躍している企業に転職したい
米田 有希
先に転職の目的を明確にしておけば、転職先の条件を絞ることもできます。理想の転職をかなえるだけでなく、効率良く進めていくためにも目的を明確にすることは重要なのです。
③転職後のキャリアを描いておく
転職は一時的な待遇アップや環境の変化をもたらすだけでなく、将来のキャリアにも大きな影響を与える重大な決断ですよね。
だからこそ、自分は転職先でどんなキャリアを歩んでいきたいのかを考えておくことが重要です。具体的には、5年後、10年後の自分を想像してみましょう。これらを前もって描いておくことで、キャリアに合った転職先を選ぶことができるようになりますよ。
- 将来的にどんなポジションで働いていたいか
- どんなスキルを磨いて自分の強みにしていきたいか
- 会社にどのように貢献していきたいか
本田 百合香
将来のキャリアは選考のなかでも聞かれる頻出質問でもあります。自分の将来性をアピールするためにも、長期的なキャリアビジョンを描くようにしてみてくださいね。
キャリアビジョンについては、こちらの記事が参考になりますよ。キャリアビジョンの作り方を詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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年齢は関係ない! 年代別のアピールポイントを駆使して選考を突破しよう
ここまで、年齢ごとの転職事情、転職市場で求められるスキル、年齢別の企業へのアピールポイントなどを解説してきました。
年齢関係なく転職を目指すうえでは、年齢ごとの市場価値と企業が求める人材を知ることがとても重要です。自分の年齢ではどんなアピールが効果的なのか、企業の求める人材にアピール内容が合っているかを見極めて、転職を成功させることができますよ。
この記事の内容を参考に、自分のアピールポイントを理解して、理想の転職をかなえていきましょう。
社会人経験をある程度積んでいるからこそ、今後の将来を考えて転職を検討するわけですね。