目次
- 業界研究ノートは就活成功に近づくツール
- そもそも業界研究ノートとは?
- 業界研究ノートを作る3つの目的
- ①志望動機の質を高めるため
- ②業界への理解を深めて入社後のギャップを無くすため
- ③自分に合っている企業を見つけるため
- 業界研究ノートを作成した方が良い人の特徴
- 業界を絞って就活を進めている人
- 自分に合っている業界がわからない人
- 業界研究ノートに必要な物
- ノートと筆記用具
- スクラップ用の文具
- 四季報・業界地図
- 業界研究ノートに絶対書くべき7つの項目
- ①業界名と気になる企業名
- ②業界の特徴
- ③業界に関連した最近のニュースやトピックス
- ④業界トップ企業
- ⑤関連する業界・業種
- ⑥平均年齢、年収
- ⑦その他自分で気づいたことや考察
- 業界研究ノートをまとめる際の注意点
- インターネットの情報だけに偏らないようにする
- あとから書き足せるようにスペースを空けておく
- フォーマットも紹介! 業界研究ノートの例
- 例①「商社」
- 例②「銀行」
- 例③「コンサル」
- 例④「メーカー」
- 例⑤「マスコミ」
- シーン別で解説! 業界研究ノートの活かし方
- 説明会
- インターン
- ES・面接
- 内定後
- 業界研究ノートでやりたいことを明確にして就活を進めよう!
業界研究ノートは就活成功に近づくツール
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。
「業界研究ノートって作った方がいいんですか?」
「業界研究ノートに書くべき内容を教えてほしいです」
業界や企業選びを進める就活生からこのような相談を受けることがあります。業界研究の必要性は感じているものの、どんなやり方が万全なのか不安を抱いている人も多いですよね。
この記事では、就活成功に近づくツールとして業界研究ノートを紹介するとともに、目的や使い方、フォーマットについてもお伝えしていきます。
業界研究を深めて「就活を成功させたい」「志望企業の内定を獲得したい」と考えている人は最後まで読んでくださいね。
そもそも業界研究ノートとは?
就活生
キャリア
アドバイザー
業界研究ノートは業界についての情報をまとめたノートのことですよ。就活の情報整理にとても役立つツールの1つです。
業界研究ノートとは、業界ごとに業界研究をし、得た知識や情報をわかりやすくまとめたノートのことです。
業界研究ノートを作ることで、就活で役立つ情報を記録することが可能になりますし、興味のある業界を調べまとめることで、志望業界とのミスマッチを無くすこともできますよ。
自分でまとめるからこそ頭の中で情報を整理しやすく、選考前にはノートを見直すだけで対策ができたりと、非常に便利なツールです。
また、業界研究ノートに似た言葉で企業研究ノートもあります。企業研究ノートについてはこちらの記事で詳しく解説していますよ。
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業界研究ノートを作る3つの目的
まず初めに、業界研究ノートを作る目的について3つ紹介します。
目的がわかっていないままとりあえず業界研究ノートを作ってみても、メリットを最大限活用することは難しいでしょう。これから紹介する3つの目的を理解することで、業界研究ノートの使い方を自分なりに見い出せるので、ぜひ参考にしてください。
①志望動機の質を高めるため
就活では面接や書類選考など、あらゆる場面で志望動機を問われることになり、志望動機の質は就活の結果に影響すると言えます。そのため、質の低い志望動機では内定を勝ち取ることは難しいでしょう。
業界研究ノートを作ることで、業界や企業の理解が深まり、説得力のある志望動機につながります。業界についてしっかり調べてまとめたからこそ、一歩踏み込んだ質の高い志望動機になるということです。
質の高い志望動機を作りたい人はこちらも参考にしてください。
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②業界への理解を深めて入社後のギャップを無くすため
業界ノートの作成は業界への理解を深めることに最適です。自分で業界の情報を集めてノートにまとめることで、業界の仕組みや情報を理解しやすくなるでしょう。また後からノートを見返せばすぐに業界の全体像を掴むことができます。
業界についての知識が浅いと、入社後「思っていたのと違う」とギャップを感じてしまうかもしれません。こうした事態を避けるべく、業界研究ノートを作って、業界への理解を深めておく必要があります。
③自分に合っている企業を見つけるため
どの就活生も、自分の性格や価値観、将来像に合った企業に就職したいという思いがありますよね。業界ノートを正しく作成することで、自分の強みや弱み、自分が持っているスキルに志望業界が合っているかどうかまで確認できます。
自分に合った業界・企業を見つけるためには、知らない業界や興味がない業界であっても幅広く見ておくと良いでしょう。
そのなかで、業界研究ノートを作成しておくことで、自分に合う・合わないが見えてくるはずですよ。
自分に合う仕事の探し方はこちらで解説しているので参考にしてください。
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就活ではさまざまな企業の人から話を聞く機会があり、沢山の情報を得ることができます。しかし業界研究ノートを作成してないと「〇〇について話していたはずだけど何だっけ」と記憶があいまいになったりすることがよくあります。
業界研究ノートを作成しておけば情報が一元化され、必要なときに情報を取り出すことができるため効率的に就活が進められますよ。
業界にかかわる質問は業界研究ノートがあればバッチリ!
また面接では、企業の志望動機以外にも「業界を志望した理由」を聞かれることも多く、業界研究ノートはこのような質問にも活かすことができます。
担当した学生の中には「志望動機は完璧に作ったけど、業界の志望動機は準備してなかったので、面接で戸惑った」という話をよく耳にします。ほかにも「〇〇業界の課題は何だと思いますか?」「〇〇業界の気になるニュースは?」などもよく聞かれる質問の1つですので、そういった質問の対策にも業界研究ノートが役立ちますね。
業界研究ノートは、企業選びから志望動機の作成、面接対策まで就職活動では多岐にわたって活用できるものです。うまく活用できれば、きっと内定率も高まるでしょう。
業界研究ノートを作成した方が良い人の特徴
業界研究ノートは基本的にどの就活生にもおすすめですが、特に、下記の2つの特徴に当てはまる人には役立つでしょう。
- 業界を絞って就活を進めている人
- 自分に合っている業界がわからない人
なぜこれらの特徴に当てはまる人が作成したほうがいいのかをこれから紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
業界を絞って就活を進めている人
就活生
私は○○業界で働きたいです!
業界を絞っているからこそ、1つの業界に対して深く研究することが求められます。なぜかというと、業界を絞った就活をしている人は絞った業界について深掘りをしていくことで、同業界のなかで選択肢を多く持つことが可能となります。
そのため、業界研究ノートを作ることで将来性や成長性の理解を深め、業界内にある企業同士や関連する業界同士の関係性の理解を深めていきましょう。数多くの業界を見ていては見つからなかったことが、業界を絞って深掘りしていくことで、質の高い業界研究を実現できることでしょう。
業界を絞る際の注意点はこちらで解説しています。
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自分に合っている業界がわからない人
就活生
どの業界が自分に合っているのかまだわからないや……。
自分に合っている業界がわからない人にも業界研究ノートの作成はおすすめできます。業界研究ノートでは、業界の強みや弱み、必要なスキルなどを理解することが可能です。また、業界の性質や将来性が見えてくることで、自然と興味が持てる業界が見つかります。
自分に合った業界選びをを難しいと感じている人も、業界研究ノートを自分なりにわかりやすく作ることで、自分に合っている業界を認識することができます。
そのためには、業界研究をする前には自己分析をして自分の価値観を理解しておくことは非常に大切です。自分の価値観と業界研究ノートを照らし合わせながら自分に合いそうな業界を見つけていきましょう。
自分の価値観を明確にしたい人はこちらも参考にしてください。
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キャリアアドバイザーコメント吉田 実遊プロフィールをみる
上述したとおり、業界が定まっていない人こそ業界研究ノートを作成することおすすめします。最初は書き写すだけでもかまわないのでやってみると、そのうち「面白そう」「社会にすごく貢献しているな」など自分なりの見え方が生まれてきますよ。書くことで発想も広がるので、業界や企業選びの軸が定まるのではないでしょうか。
また、やりたい仕事や職種が決まっている人も業界研究ノートを作成した方が良いですね。同じ仕事や職種でも、業界によって扱うものやスタイルが変わることもあるからです。担当した学生の中に、当初「自分はプログラマー希望だから、IT業界だけを研究すればいいから簡単だ」と言っていたものの、あとからIT業界の中にはソフトウェア、ハードウェア、アプリケーション、電子マネー運営などさらに細かい業界があることを知ってあわてていた人がいましたよ。
このように業界研究ノートは業界選びや企業選びに役立てることができます。ここまでで紹介した特徴に当てはまる人たちはぜひ就活の早い段階で作成してみてくださいね。
業界研究ノートに必要な物
業界研究ノートを作るためには、下記の物が必要になります。
- ノートと筆記用具
- スクラップ用の文具
- 四季報・業界地図
業界研究ノートを作るにあたって、まずはこの3つを揃えることから始めましょう。それぞれのポイントについて解説していきます。
ノートと筆記用具
業界研究ノートを作成するためにノートと筆記用具は欠かせません。ただし、気を付けたい点としてはノートや筆記用具なら何でもいいというわけではないことです。
ノートと筆記用具を用意する際のポイントを解説しますね。
- ノート
普通のノートよりも新しい情報を追加しやすいルーズリーフがおすすめ - 筆記用具
書き直しが可能なシャープペンシルを使う
線を引くときのために定規も用意する
スクラップ用の文具
次にスクラップ用の文具として、のりやはさみを用意しましょう。スクラップとは、必要な情報を切り抜くことで、業界研究ノートに切り抜いた情報を張り付けることを指します。
のりを選ぶ際、簡単に剝がれないものを選びましょう。業界研究ノートは就活の面接前や情報をまとめる際に持ち歩くことが多く、そうした場面でも剥がれないことが大切です。
また、ノートや切り抜いた紙がよれたりしないように、液体のりよりもテープのりの方がおすすめですよ。
四季報・業界地図
業界ノートに記入する情報として、業界や企業の情報がわかりやすくまとめてある四季報や業界地図も用意しましょう。もちろんネットを使用することもできますが、ネットは簡単に情報を得られる分、情報の信憑性や網羅性は本に欠ける場合があります。
四季報や業界地図であれば信憑性の高い情報がわかりやすくまとめてあるため、業界研究の最適なリサーチ方法と言えます。1冊1,500~2,000円程で購入できるため、気になった人は購入してみてはいかがでしょうか。
キャリア
アドバイザー
ときどき先輩から四季報や業界地図を譲り受ける就活生もいますが、最新の動向を掴むために、最新版も必ずチェックするようにしてくださいね。
就職四季報についてはこちらの記事でも紹介しています。ぜひ企業研究に役立ててみてください。
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業界研究ノートに絶対書くべき7つの項目
- 業界名と気になる企業名
- 業界の特徴
- 業界に関連した最近のニュースやトピック
- 業界トップ企業
- 関連する業界・業種
- 平均年齢・年収
- その他自分で気づいたことや考察
業界研究ノートを作る目的、そして業界ノートを作るための必需品について理解できたと思いますが、実際に業界研究ノートをどのように書けば良いのか悩みますよね。
これから紹介する7つの項目を押さえた書き方だと業界研究をスムーズに進められるので、ぜひ実践しましょう。
①業界名と気になる企業名
業界名と気になる企業名は必ず書くようにしましょう。履歴書やエントリーシート(ES)は業界研究ノートを見ながら書くことがあるため、正式名称で記載することがポイントです。
また、株式会社や有限会社などの法人格も企業によって位置が異なることから、記載する際には注意が必要です。面接や書類選考で企業名を間違えることのないように注意しましょう。
業界名を書くときは、大分類、中分類、小分類と細かく分けるのがおすすめです。細かく分けることで、業界についての理解が深まり就活がスムーズに進められます。面倒に感じますが、後々楽をするためにも細かく記載しましょう。
- 不動産業界→デベロッパー・仲介業者・販売業者
- 自動車業界→自動車製造メーカー・自動車部品メーカー・自動車販売業者
- 金融業界→銀行・生命保険・損害保険・証券・クレジットカード
自動車業界に興味があり、分類を細かくわけるために業界の情報を集めたい場合はこちらの記事の解説が参考になります。
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業界に興味が湧いた理由まで書こう
業界名と気になる企業名を記載する際、興味が湧いた理由まで書いておきましょう。理由まで書いておくことで、面接やESで書く志望理由の内容に一貫性や説得力を持たせられます。
また、理由を具体的に書くことで、就活の軸が定まりやすくなります。興味を持った理由を言語化し、一貫性や説得力のある志望理由を作りましょう。
さらに、その時点で業界が絞り切れていない人でも、興味が沸いた理由まで書いておくことで、後々業界を絞る際に業界や企業を選ぶ際に1つの判断基準になるというメリットもありますよ。
- 業界の規模が一番大きいから
- 業界全体の成長速度が早いから
- 世の中の根幹を支えている不可欠な業界だから
②業界の特徴
業界研究ノートに絶対書くべき項目の2つ目は、業界の特徴です。業界の特徴とは、下記の3点のことを指します。
- 業界の市場規模
- 業務内容とビジネスモデル
- 業界の将来性と課題
特徴を書いておくことで、業界のことを深く知ることができます。また、業界とのミスマッチを避けるためにも特徴を把握しておくことは大切です。それぞれ順番に紹介していきますね。
各業界の詳しい特徴についてはこちらを参考にしてください。
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業界の市場規模
業界の特徴を書く際、業界の市場規模も書きましょう。市場規模とは、事業分野における市場の大きさのことを言い、市場で商取引がおこなわれる見込み総額のことです。
業界研究ノートに、ここ数年の市場規模を書き込んでおくことで、その業界の現状理解につながります。
- 業界全体の成長性
- 業界全体の規模感
- 景気変動に左右されやすいか否か(例:〇〇ショック時に売上大幅減→景気に敏感)
- 財務省「法人企業統計調査」
- 業界地図
業務内容とビジネスモデル
次に、業界や企業の業務内容やビジネスモデルを書きましょう。業務内容を書き出すことで、どのような素質・能力が適しているか、社員に求められているものを知ることができます。
また、企業や業界のビジネスモデルを書き出すことも大切です。なぜなら、将来性があって利益率が高い企業に就職するためには、ビジネスモデルを把握する必要があるからです。
ただ単にネットや業界地図に載っていることを書き出すのではなく、「自分の強みにマッチしている部分はどこなのか」を考えながら書き起こしましょう。
業務内容やビジネスモデルを把握するには、企業のホームページ(HP)やナビサイトを見ることがおすすめです。詳しい業務内容の把握の仕方はこちらを参考にしてください。
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業界の将来性と課題
最後に、業界の将来性と課題を書きましょう。業界を選択をする際にいくら自分に合ったところがあったとしても、そもそもその業界の将来性がなく課題が山積みであれば、その業界を選択することは最善とは言えないですよね。
そのため、業界の将来性と課題を調べるのは、その業界や企業を選ぶにあたっての重要な判断基準となります。
企業HPなどから以下の項目をチェックしましょう。
- 数年の利益推移や平均年齢
- 企業の売上高、経常利益、営業利益、純資産
- 中期経営計画などのビジョン
これらをチェックをするだけでは意味がありません。課題や改善点は何なのかを自分なりに見つけ出し、業界研究ノートに書き起こしましょう。
③業界に関連した最近のニュースやトピックス
就活では、業界や企業の最新の動向を把握しておく必要があります。数年経てば世の中のトレンドが大きく変わることも珍しくないため、その業界や企業が変化に対してどのように対応しているかを知ることが業界選択の判断基準の1つにもなります。
また、業界に関連した最近のニュースやトピックスを把握することで、その業界の動向を知ることができるので知識も深まることでしょう。
- インターネットを利用する
- 日本経済新聞を読む
- 経済誌を購読する
- インターンに参加して生の声を聞く
- OB・OG訪問をおこなって社員に聞く
インターンの就活への活かし方はこちらを参考にしてください。
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④業界トップ企業
業界トップ企業とは、その業界で一番規模が大きい(=売上高がトップ)企業のことで、リーディングカンパニーと呼ばれる企業です。業界トップ企業を書き出すことで、業界内の企業の立ち位置や違いまで知ることができます。
また、業界1位の企業だけでなく、企業名だけで良いので最低でも業界トップ5位までの企業名を書き出すと良いですよ。
- トップ企業同士に共通している点を把握できる
- 競合他社との差別化を図っている点を把握できる
⑤関連する業界・業種
関連する業界・業種を調べることで、広く業界を理解することが可能になり、より広く業界の動きを捉えることができます。たとえ、その時点で興味がある業界・企業が限られていたとしても、関連する業界・業種を調べておくことで視野を広げることが可能です。
また、関連の業界・業種を調べていく過程で興味を持つこともありますし、自分に合った最適な業界・業種を見つけられる可能性があります。
そのため、業界研究をする際は初めからあなた自身の可能性を閉ざさないためにも、業界研究ノートには関連する業界・業種を記載しておきましょうね。
⑥平均年齢、年収
業界研究ノートに絶対書くべき項目の6つ目は、興味を持っている業界の平均年齢・年収です。就活をしていると誰しも年収は気になるところですが、業界によって大きく差があるのは事実です。
年収情報を業界研究ノートに書き出して業界ごとの比較をしてみることで傾向が見えてくるでしょう。年収を重要視している人は比較して年収の高い業界を選んでみるのもよいですね。
また、平均年齢を調べる理由は、企業の人員構成を把握するためです。平均年齢が低ければ若手社員が多いことや離職率の高いことを想像できます。一方で、平均年齢が高い企業は離職率が低く長く勤める人が多いと捉えられますね。
- 平均年齢:有価証券報告書
- 離職率:四季報、厚生労働省「雇用動向調査」
⑦その他自分で気づいたことや考察
業界研究ノートに就活での気づきや考察を些細なことでもいいので書き出しておきましょう。見返すことで、就活に役立つはずです。
業界について情報をまとめているときの考察だけでなく、企業説明会やインターンを通じて感じたこと、就活を通じて出会った人のことについても記入することをおすすめします。
また同じ企業説明会やインターンでも、感じることは人によって異なります。自分で書いたノートを就活仲間に内容を見せ合うことで、新たな発見を見つけることができるかもしれません。
- 実際に働いている人への印象
- 企業訪問や説明会などで魅力に感じたこと
- 企業訪問や説明会などで不安に感じたこと
キャリアアドバイザーコメント加藤 大智プロフィールをみる
上記7つの中で特に「②業界の特徴」が重要になるでしょう。企業選びの軸に「安定性や将来性」を考える人も多くいるかと思いますが、そんな人は特に業界の現状や将来性を深く調べることで、応募の選択肢に入れるか入れないかの判断材料にもなります。
加えて上記7つ以外にも「自分の活かせるスキルや経験」を書いても良いでしょう。ある程度自己分析ができた学生は、業界の特徴と自分を照らし合わせて考えることができるはずです。
たとえば「大学で学んだことと事業内容が一致している」「塾講師のアルバイト経験が仕事に活かせそう」など、自分のスキルや経験の中で役立ちそうなものがあれば書いておきましょう。のちに自己PRなど、自分のアピールポイントを考える際に役立つはずですよ。
業界研究ノートをまとめる際の注意点
ここまで、業界研究ノートに絶対書くべき7つの項目を紹介しました。ここからは、業界研究ノートをまとめる際の注意点を紹介します。
- インターネットの情報だけに偏らないようにする
- あとから書き出せるようにスペースを空けておく
これから紹介する2つの注意点を押さえて書くことで、今後の就活に活きる業界研究ノートを作ることができますので、ぜひ参考にしてください。
インターネットの情報だけに偏らないようにする
業界研究ノートをまとめる際、インターネット情報だけでなく直接人に話を聞くことを心掛けましょう。インターネット情報は一昔前の話や信憑性に欠ける内容も中にはあります。
実際に志望業界で働いている社会人に話を聞くことで、肌で感じている業界の感想や不満点を教えてくれるため、リアリティのある意見を知ることができますよ。
- 説明会に参加する
- OB・OG訪問をおこなう
- インターンに参加する
あとから書き足せるようにスペースを空けておく
また、業界研究ノートをまとめる際、あとからでも情報を書き足せるようにスペースを空けておきましょう。就活を進めていると、あとで書き足したい情報がきっと出てきます。その際、ノートいっぱいに調べた内容を書いていると、新しい情報を書き足すことができません。
また、無理に書き足せたとしてもわかりづらいノートになってしまいます。わかりやすく業界研究ノートをまとめるためにも、あとから書き足せる余白スペースを取りましょう。
フォーマットも紹介! 業界研究ノートの例
業界研究ノートのフォーマットは下記のとおりです。
業界研究ノートには、これまで解説した項目を入れてフォーマットにしていきましょう。フォーマットがあることで、業界研究ノートを見やすくなります。ここからは、業界別にフォーマットの使用方法を5つの例を交えて紹介しますね。
例①「商社」
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例②「銀行」
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例③「コンサル」
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例④「メーカー」
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例⑤「マスコミ」
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業界研究ノートをまとめる際の注意点、そして業界研究ノートの書き方について理解できたと思いますが、実際どのシーンでどのように活用すれば効果的なのか悩みますよね。
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説明会
業界研究ノートは説明会でも役立つツールとして使えます。業界研究ノートの説明会での活かし方は、①説明会で得た情報をもとにノートを作成する方法と、②説明会前に作成したノートをもとに説明会でより理解を深める方法です。
- 説明会後にノートを作成
説明会で業界や企業の知識を得た際に分かりやすく体系だったフォーマットで情報を整理することが可能 - 事前にノートを作成したうえで説明会に参加
あらかじめ、業界の情報をまとめた業界研究ノートを持って説明会に参加することで、情報知識を補うために使えるため、より理解を深めることが可能
キャリア
アドバイザー
ノートを作成する中では疑問に感じる点も出てくるでしょう。予め説明会で知りたいことを明確にするために、事前に業界研究ノートを作成してから説明会に参加する方がおすすめです。
効率よく業界研究ができる学内説明会については、こちらの記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
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インターン
インターンでも業界研究ノートは活用可能です。ただし、インターンの時点では、業界研究ノートの基本的な項目は埋められている場合が多いですが、インターンならではの情報を整理していくと良いですよ。
- 実際にインターンに参加してみて感じた業界や企業の特徴、働いている人の特徴
- 志望している学生の雰囲気
- 社内全体の環境や教育制度の整備について思ったこと
上記のように、実体験に基づいた情報を書き残しましょう。
また、インターンはその業界・企業で働いている人と直接接点を持つことができる貴重な場ですので、事前に調べて書いていた「業界の魅力」「業界の将来性と課題」といった項目を実際に働いている人にヒアリングしてみるのも良い使い方ですね。
その他インターンで聞くべき内容はこちらの記事を参考にしましょう。
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インターン期間中は質問することで会社の実情を知れる絶好の機会なので、事前に質問をまとめておきましょう。 この記事では、インターンで使える質問や注意点、質問の仕方などをキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画も参考に、充実したインターンにしてくださいね。
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ES・面接
ESや面接では、説明会やインターンを通して作った業界研究ノートを参考にし、対策を立てましょう。業界研究ノートは、業界や企業の情報がすでに書き残されているため、何度も調べる手間が省けます。ですので、就活をスムーズに進めるためにも、ESや面接の段階で、業界研究ノートを完成させておきましょう。
また、業界研究ノートは志望動機を話すときや自己PRをするときに役立ちます。役立つ理由を解説していきます。
志望動機
志望動機を作成する際に業界研究ノートが役立ちます。その理由は、業界研究ノートには業界や企業のことが細かくまとめられているため、志望動機を考える材料が十分にそろっているからです。
たとえば、不動産業界であっても業界のことはもちろん、デベロッパーや媒介業者といった業種別のことも業界研究ノートにまとめてあるはずです。そのため、深くリサーチした情報を志望動機に組み込むことが可能になり、説得力のある志望動機を考えられます。
志望動機を考える際は、細かく情報が書かれた業界研究ノートを参考にし、説得力や一貫性のある内容を作り上げましょう。
志望動機を書く際のポイントについてはこちらで解説しています。
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自己PR
自己PRは、企業側に自分のことをアピールする絶好の場です。企業が求める人物像に自分がマッチしていることを伝える必要があります。
たとえば、企業側が協調性を大事にしていると企業理念として置いているのに、自己PRで「1人でコツコツ物事を進めることが得意」と話すと企業は「採用したい」と思えないですよね。そのようなことを避けるためにも、業界研究ノートを参考にし、できるだけ企業の強みや弱みを自分の性格とマッチさせましょう。
自己PRのテクニックはこちらで解説しています。
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内定後
内定を得たからといって業界研究ノートを捨ててしまうのでは非常にもったいないです。内定後から入社までの間でも業界の知識を深めることは、入社準備という点は大切なことです。
なぜなら、内定後から入社までの間にもその業界・企業では新しいことが発信されているため、最新動向は常にチェックしておくことで、入社後から力を発揮するためには業界研究は続けていきたいですね。
また、業界研究ノートでまとめた業界全体のビジネスモデル・将来性や課題などから、その業界で活躍するために入社までに自分に足りない点などを洗い出すこともできます。
キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
内定後も業界研究ノートを活用する学生は多くいます。よく目にするのは、ノートの続きに業界関連の新聞記事などをスクラップする人です。就活は終わったのに、なぜそのようなことをするのかをたずねると「業界関連のニュースやトレンドの知識があった方が、入社後仕事もしやすくなるだろうし、先輩社員とも話が合うと思って」といった答えが返ってきました。
また就活に引き続き、国内外の同業他社を調べ、業界研究ノートにまとめる人もいますよ。就活期間の限られた時間では「まだ足りない」と感じて、内定後も業界研究を続ける人もいます。自分が入社したい企業のことだけではなく、業界全体が社会に求められていることや成長性などを明確に見出すことができれば、仕事に対する誇りややりがいもさらに高まるのではないでしょうか。
これまで就活のために使っていた業界研究ノートを継続して入社に向けて使うと考えると、非常に価値の高いノートになりそうですね。就活限りではもったいないので、内定後もぜひ活用してみてくださいね。
業界研究ノートでやりたいことを明確にして就活を進めよう!
今回は業界研究ノートの作り方を解説しました。業界研究ノートについて知らなかった人や業界研究ノートの活用方法がわからなかった人には役立つ内容だったのではないでしょうか。
業界研究ノートは作る目的や作り方を理解することができれば周りの学生と差がつく就活をすることができるはずです。
そのため、業界を絞って就活をしたいと考えている人や自分に合っている業界がわからない人は今回紹介した業界研究ノートを用いて、自分がやりたいことを明確にして就活を進めていきましょう。
業界研究にはノートを使うことがおすすめと聞いたのですが、そもそも業界研究ノートって何でしょうか?