内定ブルーを正しい対処法で乗り越えよう|陥る原因も完全網羅

この記事のアドバイザー
コラムの目次
誰でも内定ブルーになる可能性がある
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。
「苦労して内定をもらったけど、なんだか気持ちが落ち込みがちです」
内定の喜びを一緒に分かち合った学生に数か月後に連絡をとってみると、そんな気持ちを打ち明けてくれる人がいます。内定をもらった学生のなかには、「内定企業でいいのか」「社会人としてやっていけるのか」など、不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。
就活の疲れで体力的に弱っているときは、心も弱りがちです。あまりに落ち込みすぎると、残された学生生活を楽しめませんし、社会人生活の準備が滞り、スタート時から差をつけられてしまうこともあるかもしれません。内定ブルーになる原因を把握し、正しい対処法を知り、内定ブルーを乗り越えましょう。
内定ブルーとは

港くん

キャリアアドバイザー
そうなんですね。張りつめていた緊張がゆるみ、入社後の不安などで内定ブルーになる学生はたくさんいるんですよ。

港くん
内定先の企業でうまくやっていけるか不安だし、本当にこの会社でよかったのか……。

キャリアアドバイザー
不安な気持ちになりますよね。一緒に解決策を探ってみましょう。
就活で企業から内定を得た学生が、さまざまな要因から気持ちが沈む状態を、内定ブルーといいます。結婚前の花嫁の漠然とした不安感を指す「マリッジブルー」になぞられて、こう呼ばれています。
不安な気持ちになる原因や、期間・深刻さは人によってまったく異なるので、内定ブルーの定義は非常に広いといえます。
半数以上が内定企業でいいのか不安に
「本当にこの会社でいいのか」と不安になったことのある就活生の割合
資料:マイナビ学生就職モニター調査
内定ブルーになる人は多いとお話しましたが、実際にどれくらいの人が内定ブルーに陥ってしまうのでしょうか。落ち込んでいると感じる程度の人もいれば、深刻な場合もあります。マイナビの2020年卒マイナビ学生就職モニター調査(7月の活動状況)によると、不安になったことがある学生の割合は52.8%となり、実に半数近くが感じていました。この数字だけでも内定ブルーになる人が多いことが分かるでしょう。
内定ブルーになる6つの原因

学生が内定ブルーになるのは、さまざまな原因が考えられます。複合的に重なっている可能性がありますが、漠然とした心配事や不安を少しでも可視化することで、気持ちがやわらいだり、とるべき対処法もわかるでしょう。内定直後に陥りがちな原因から、入社直後までの原因まで順に説明します。
①辞退した企業への未練や後悔
2020年卒 マイナビ学生就職モニター調査(8月の活動状況)によると、就活生が内定を受ける企業数は平均2社程度です。このことから、多くの人が1社に絞るために内定辞退を経験していることがわかります。内定辞退する際に、辞退先に魅力を感じることも多いはずです。「自分の選択は正しかったのか」と、辞退した企業に未練を感じたり後悔するようになります。
②ベストな選択なのか不安
内定を辞退したにも関わらず、自分で選んだ企業が本当にベストなのか漠然とした不安にさいなまれることもあります。2020年卒マイナビ学生就職モニター調査(7月の活動状況)では、「不安になったことがある学生」のうち、「不安は解消されない」と答えたのは62.0%でした。
③内定企業にギャップがあった
「どうしてもこの企業から内定をもらいたい」そう思って念願の企業から内定を得ても、口コミサイトで悪い評判を目にしてしまうこともあるかもしれません。また、内定者懇親会に出席してみて、自分が想像していた雰囲気や社風と違っていたというギャップを感じることもあるでしょう。
④企業でうまくやっていけるか不安
入社日が近づいてくると、実際に働くことに対する不安が大きくなる場合があります。「営業に配属されてからノルマを達成できるだろうか」「接客係としてうまくサービスできるのだろうか」といった気持ちになる人も多いのではないでしょうか。
⑤社会人になる不安
学生から社会人になるのは大きな変化です。学生の時よりも責任の重さや精神的な負担も重くなります。よく「学生気分でいたら社会でやっていけない」といわれるように、学生の時は大目に見られていても、スケジュール管理やマナー面などで社会人になると厳しい目で見られるようになります。
たとえば、学生の時は約束をすっぽかしたり遅刻したり課題を提出しなくても許されていた部分もあるかもしれません。そうした甘えを取り去り、社会人としてうまくやっていけるか不安になる人もいます。大きな環境の変化で、初めてのことばかりに不安を覚える人も多くいるでしょう。
⑥働きたくない
「働き始めたら家と会社の往復」「社畜として働く」など、働くことをマイナスにとらえた表現があります。入社が直前にせまり働くことに現実味が増してくると、「働きたくない」という気持ちになる人もいるかもしれません。学生時代よりプライベートな時間が少なくなってしまうのでは?と心配をする人もいるでしょう。やりがいも多くありますが、マイナスな気持ちになってしまいます。
キャリアアドバイザーコメント
桑原 翔
自信過剰すぎる学生と、極端に自信がない学生が内定ブルーになりやすいように思います。まず、自信過剰な方の場合、内定を獲得することでもっといい企業から内定もらえるんじゃないかと考えてしまうケース。本当にこの会社でよかったのだろうかと思い、色々と悩み始めてブルーになるパターンですね。
他方、自信のない方の場合は、口コミサイトや周りの意見ばかりを鵜呑みにしがちです。自分で決めたことに自信がもてないために、周りに流されてしまって最終的に内定ブルーになってしまう方が多いようです。
脱「内定ブルー」!乗り越えるための7つの対処方法

内定ブルーになる原因を見たところで、実際に内定ブルーを乗り越える方法を考えてみましょう。あわせて、どのような原因に最適かご紹介してきます。上記の原因一覧とあわせて参考にしてください。
①休息をしっかりとる
就活の疲れや、最後の大学生活が大詰めとなり、心身ともに負担がかかります。自分でも気づかないうちに疲れがたまっているかもしれません。まずはしっかり休息をとって体を休め、規則正しい生活や栄養のある食事をとることを心がけましょう。
- ②ベストな選択なのか不安
- ③内定企業にギャップがあった
- ④企業でうまくやっていけるか不安
- ⑤社会人になる不安
- ⑥働きたくない
②気分転換する
必要なスキルを磨いて社会人や内定企業で働く準備をしたり、大学の卒論を書いたり、内定を獲得してからも非常に多忙な日々を過ごすことになるでしょう。そんな時は、趣味に没頭したり食事や運動を楽しんだりして気分転換をはかりましょう。
- ④企業でうまくやっていけるか不安
- ⑤社会人になる不安
- ⑥働きたくない
③就活生仲間と思いを共有
実際に働くことに対して不安な気持ちになった時は、友人と不安を共有して「自分だけが不安なわけじゃないんだ」と思うだけで、不安が和らぐはずです。親や先輩にそうした思いを打ち明けるのももちろんいいですが、同じ思いを持っている就活生と共有することで、精神的な負担が軽くなることもあるでしょう。
- ①辞退した企業への未練や後悔
- ②ベストな選択なのか不安
- ③内定企業にギャップがあった
- ④企業でうまくやっていけるか不安
- ⑤社会人になる不安
- ⑥働きたくない
④他の内定者と交流する
内定後に企業が懇親会や研修を開く場合は、こうした場を活用しましょう。同じ悩みを共有したり、情報交換で疑問を解消したりすることができます。入社前の課題や提出書類などで情報を交換することもできます。また、ある程度人間関係が出来上がっていると、入社後に安心してスタートをきれるでしょう。
- ③内定企業にギャップがあった
- ④企業でうまくやっていけるか不安
- ⑤社会人になる不安
⑤内定企業をしっかり調べる
「しっかり内定企業で活躍できるのか」「内定企業にギャップを感じている」という人は、内定企業をできる限り調べることをおすすめします。あらためて企業について知ることで、自分の考えが勘違いだったことに気づくかもしれません。しっかり内定企業のことを知り、不安な部分を可視化することで、具体的に必要なスキルややることも見えてきます。
疑問があれば、企業の担当者に聞くのもいいでしょう。企業側も学生の不安を解消するために交流会やグループワークなどさまざまな取り組みをおこなっており、快く回答してくれるはずです。
- ②ベストな選択なのか不安
- ③内定企業にギャップがあった
- ④企業でうまくやっていけるか不安
キャリアアドバイザーコメント
長尾 美慧プロフィール
内定に関して心配な点・懸念点があるうちは、それを払しょくするための動きをしましょう。人事の人と面談を重ねることもひとつの手です。入社後に「聞いていた話と違うじゃないか」とならないように、分からない点を明確にすり合わせていきましょう。
⑥関連業務の勉強をする
自分が携わる業務が分かっている人は、必要な知識を身に付けたり資格取得の勉強をすることもいいでしょう。「業務に必要なスキルを身に付けている」という実感があれば、安心感につなげることができます。入社時に有利な位置に立てると考えることもできます。
- ④企業でうまくやっていけるか不安
- ⑤社会人になる不安
キャリアアドバイザーコメント
塩田 健斗プロフィール
内定が決まった後入社するまでの期間は、有効な時間の使い方は自己研鑽です。内定をもらって入社を決めた会社での働き方をイメージしながら、どういったスキルや経験があれば入社後すぐにスタートダッシュを切れるのかを考えて時間を使いましょう。たとえば長期インターンなどでスキルを磨くこともできるかと思いますし、アルバイトに全力で打ち込むことで仕事に活かすことができます。
「ちゃんと企業でやっていけるのか」は学生の時点ではわかりませんよね。やるべきことをやることで、こうした不安感も自然となくなるはずです。
⑦就職活動を再開する
「この企業でいいのか」といった人は、一度辞めてしまった就活を再開するのも選択肢のひとつです。「やりたいことが違うけど、この企業しか受からなかった」という人も少なからずいるでしょう。結果として新たに内定を獲得できなくても、他の企業にあらためて触れることで、内定企業の良さに気づくこともあるかもしれません。たとえ希望した企業と縁がなかったとしても「やれることはやった」と納得感を得られるはずです。
- ①辞退した企業への未練や後悔
- ②ベストな選択なのか不安
- ③内定企業にギャップがあった
キャリアアドバイザーコメント
長尾 美慧プロフィール
就活を継続する場合は、内定先の魅力に感じている点だけでなく懸念点も払しょくするような企業に絞って見ていきましょう。ただ、内定承諾期限というものもあるので、内定先に不安点を相談しつつ「〇〇会社だけ受けきるまで待ってほしい」という交渉をしてみましょう。
懸念点や不安な点がない場合は、入社を決断してもいいかと思います。就活をだらだら続けて内定承諾をのばしていたら企業の温度感が下がってしまう可能性もあります。
内定承諾書を出してしまった後であっても、もし本当に内定を辞退したいと思うようでしたら、ぜひこちらの記事を確認してみてください。
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https://careerpark-agent.jp/column/541

エージェントへの相談も選択肢
「本当にこの企業でいいのか」と悩み、就活の再開を視野にいれている人は、就職エージェントを活用してみるのも手です。何百人、何千人と就活生の悩みに寄り添ってきている就活のプロから、適切なアドバイスをもらえます。
アドバイスを受けることで内定先の企業に迷いなく就職することにつながりますし、仮に就活を再開することになっても迷わない企業の選び方を指南してくれるはずです。また、すでにエージェントサービスを利用している就活生は担当アドバイザーに気軽に相談してみましょう。
内定ブルーを解消して迷いなく社会人生活へ
誰しもがおちいる可能性のある内定ブルーですが、原因をしっかり分析し、正しい対応をすることでうまく乗り越えられます。不安や心配事をしっかり解消したうえで、社会人生活を迎えましょう。
36の質問に答えるだけで、自己分析しよう


内定を勝ち取るには、自己分析が必須です。自己分析を疎かにしていると、選考で説得力のある回答ができず、自己理解の甘さを人事に見透かされます。
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お久しぶりです。就活中はおかげさまで内定を獲得できました。でも、なんだか最近気持ちが沈みがちなんです。