目次
- BtoCとは何かを知ることは企業選びの指針になる
- まずは押さえておきたいBtoCとは?
- BtoCとBtoBの違い
- ①意思決定者
- ②商品
- ③金額
- ④購入サイクル
- ⑤ブランド意識
- ⑥マーケティング手法
- ⑦知名度
- BtoC以外のビジネスモデルについても知っておこう
- ブランド・ジャパン2021のBtoC総合ランキング
- BtoC企業のメリット
- 知名度が高くモチベーションにつながりやすい
- 「世の役に立っている」という実感を得やすい
- 購入までにかかる期間が短く、成果が見えやすい
- ブランドを構築するおもしろさがある
- BtoC企業のデメリット
- 成果につながらないこともある
- 知名度の高さから、内定獲得は非常に難関
- BtoB企業のメリット・デメリット
- メリット:経営が安定していることが多い
- メリット:社会への広い貢献ができる
- メリット:競争率が低い傾向にある
- デメリット:優良企業かどうかの判断が難しい
- デメリット:成果が見えづらい
- BtoCについて知りたい学生からよくある質問に回答!
- BtoCとBtoBの違いを知って自分に合った企業を選ぼう
BtoCとは何かを知ることは企業選びの指針になる
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。
「BtoCという言葉を聞いたことがあるけど、意味まではわからない」
「就職先にはどちらを選んだら良いのかな」
という声をよく聞きます。就活をすすめる中でBtoCという単語をよく聞くようになったものの、その言葉の意味をよく知らない人も多いのではないでしょうか。しかし、BtoCという言葉をよく知らないまま就活を進めるのは少し危険です。就職先を考えるうえで、BtoCは絶対に頭に入れておくべきもののひとつだからです。
この記事では、BtoCとは何なのかについて、似た意味の言葉であるBtoBと比較しながら徹底解説していきます。どのような人がBtoC企業を選ぶべきなのか、そして実際にBtoC企業にはどんなものがあるのかについてもお伝えしていくので、業界・企業研究に役立て自分の志望先選びに活かしてみてくださいね。
まずは押さえておきたいBtoCとは?
BtoCについて理解を深める前に、まずはBtoCという言葉の意味を理解しておきましょう。BtoCとは、Business to Consumerの略で、企業(business)が一般消費者(Consumer)をターゲットにしてにおこなうビジネス形態のことを指します。
簡単にいうと、一般消費者に向けて商品やサービスを提供している企業のことです。家電メーカーや食品会社など、日常の身近にある企業が該当すると考えていいでしょう。BtoC企業は一般消費者の目に触れる機会が多く、就活においても毎年学生から絶大な人気を誇っています。
BtoCとBtoBの違い
就活生
キャリアアドバイザー
いい疑問ですね。この際なので、BtoCとBtoBの違いについてビジネスモデルレベルから知っておきましょう! 業界研究にも役立ちますよ。
BtoCと並んで耳にするのがBtoB。次に、BtoCとBtoBの違いについて見ていきましょう。まず、BtoBとはBusiness to Businessの略になります。BtoCのCはCustomerであり、消費者に向けて製品やサービスを展開する企業でしたが、BtoBは一企業がターゲットです。
ここからはさまざまな項目ごとにBtoCとBtoBを比較していきます。多角的に、BtoCとは何か・それぞれの違いとは何かを把握していきましょう。
①意思決定者
- BtoC:消費者
- BtoB:部署や企業のトップ
BtoCの場合、購入するかを決める意思決定者は消費者個人です。加えて意思決定までのプロセスも至って簡単で、多くの場合消費者が一人の意志で購入するか決めるでしょう。
しかしBtoBの場合、そもそも購入を決断するのは部門のトップや場合によっては社長など、責任ある立場の人です。加えて意思決定のプロセスも複雑で、購入までにさまざまな商品やサービスを比較・検討し合理的基準に基づいて判断されます。
②商品
- BtoC:完成品
- BtoB:完成品に必要な素材やパーツ、社内ツール
BtoCの商品は至って簡単で、誰もがすぐに使えるような完成品です。たとえば化粧品や自動車、日用品などが挙げられますね。その点BtoBの商品は基本的に完成品ではないことが多いです。ひとつの完成品を作るのに必要な素材やパーツなどのほか、社内で使用するツールなどが挙げられます。
ビジネスモデルと併せて説明をすると、BtoB企業がつくった商品をBtoC企業が購入し、それを素材やパーツとしてひとつの商品をつくり上げ、消費者に売るというようにイメージすると良いですね。
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③金額
- BtoC:基本的に安価、万でおさまる範囲であることが多い
- BtoB:6桁を超える額が動くこともよくある
商品の金額にも大きな違いがあります。BtoCの場合は消費者がターゲットであるため、手軽に購入しやすい額で商品の金額が設定されていることが多いです。つまりコストに対して商品一つ一つの単価が低いため、いかに多くの商品を売り上げるかが重要になります。
その点BtoBの場合、企業が顧客のビジネスであるため受注単価は大きめです。場合によっては億を超える金額が一度の取引で動くこともあります。また企業同士の関係が継続しやすく、一度取引をすると安定収益が見込みやすいのも特徴の一つです。
キャリアアドバイザー
受注単価が大きいからこそ、購入するかは会社の存続にかかわります。だからこそ意思決定者も組織や部門のトップが多く、購入までのプロセスも複雑なのですね。
④購入サイクル
- BtoC:短いスパン
- BtoB:長いスパン
先ほどもお伝えした通り、BtoBの場合は意思決定のプロセスが複雑であり購入の決断までに長い時間を要します。またかかる金額も大きい分、一度に購入する商品やサービスの消費にかかる期間も長めです。そのため購入サイクルもおのずと長めになります。
逆にBtoCの場合は短い期間で商品を購入します。皆さんもたとえば服を買いに行った際、目の前の服を買おうか買わないか、2~3か月も迷う人は少ないですよね。そのため、BtoCではハイペースで商品を投下することになります。
⑤ブランド意識
- BtoC:高め
- BtoB:低め
BtoB企業に比べてBtoC企業では強くブランド意識を持つ必要があります。一般消費者に対し、「ブランド」は購買行動に大きく影響します。特に化粧品で考えるとそれがわかりやすいのではないでしょうか。化粧品会社各社は自社のブランドに対しイメージを明確に作り、押し出していますよね。そのイメージや世界観が好きという人も多いのではないでしょうか。
その点BtoB企業の場合はブランド力はそれほど重視されません。かかる金額の大きさや自社に与える影響などを考えると、大切なのはブランドよりも商品の本質的な良さです。それをいかに論理的に売り込めるかが重要になります。
⑥マーケティング手法
- BtoC:消費者の感情に訴えかける
- BtoB:相手にとっていかに役立つかを訴える
BtoCで押し出すべきは消費者の感情に訴えかけること。BtoBの場合は合理的に・論理的に訴えかける必要があります。特にBtoBの場合、何度もお伝えしている通り商品ひとつひとつの単価が高く、購入するかどうかは企業の存続につながります。企業の利益を伸ばすために役立つ商品であると理解してもらえるよう、費用対効果の高さなどをわかりやすくアピールしなければなりません。
その点BtoCの場合は、一般消費者に対しそれほど合理的な説明は求められていません。実際、商品の購入の決め手は商品そのものの効果だけではなく広告のイメージやブランド感、CMで起用されていた俳優であった人も多いのではないでしょうか。合理的なプロセスを踏むよりも、消費者の感情に訴えかける傾向にあります。
⑦知名度
- BtoC:高め
- BtoB:低め
BtoC企業はターゲットを一般消費者としている以上、一般消費者からよく知られているといえます。つまり知名度は高めですね。逆にBtoB企業の場合、企業との取引がメインになるため、一般消費者との直接のつながりは少なく、あまり社会にその名が出ることは少ないといえます。つまりBtoC企業に比べると知名度は低く、学生の中にも就活をおこなう中で初めて名前を知った企業も多いでしょう。
そのため、必然的にBtoC企業は就活において、一般消費者であった学生から人気を集めやすい傾向にあり、その分内定獲得難易度も高めといえます。しかしBtoB企業は購入で動くお金の額が大きいため、経営が安定しており隠れた優良企業も多いです。就活では見知ったBtoC企業だけではなくBtoB企業にも目を向けてみると良いですね。
BtoB企業についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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BtoC以外のビジネスモデルについても知っておこう
ここまで、BtoCとBtoBのビジネスモデルやその違いについて広く紹介してきましたが、実は社会にはそれ以外にもさまざまな形態のビジネスモデルがあります。BtoCの理解を深めるのに合わせて、ほかのビジネスモデルについても知っておきましょう。
Consumer to Consumerの略。一般消費者が一般消費者に対してモノやサービスを提供するビジネスモデル。
メルカリやヤフーオークションが挙げられる。インターネットの普及で、消費者が直接売買ができるプラットフォームが生まれたことで普及したモデル
Business to Employee略。ビジネスモデルというより、企業が従業員に対して商品やサービスを提供する形態のことを指す。ビジネスよりも福利厚生の意味合いが強く、社員食堂など生活に役立つサービスが挙げられる
Business to Governmentの略。ターゲットが一般消費者や企業ではなく官公庁や地方自治体であり、そういった組織に対し企業がモノやサービスを提供する。建設コンサルなどがその例。
入札という独自の手続きのもと受注を目指し、もし入札ができた場合は国や地方に認められたということで企業のブランディングともなる
Government to Citizen(Consumer)の略。官公庁や地方自治体などの行政が市民(消費者)に対し商品やサービスを提供するモデル。住民票の電子申請やスポーツ施設の電子予約などが例として挙げられる
Direct to Consumerの略。メーカーがECサイトを経由して直接一般消費者に商品を提供するモデル。
基本的にモノは製造された後商社などの卸売業者を介して小売店に並ぶが、間に人が介入すればするほど販売価格が高くなりメーカーの利益は減る傾向にあった。メーカーから消費者に直接販売することで、その間のコストを削減することにつながる
ブランド・ジャパン2021のBtoC総合ランキング
- YouTube
- UNIQLO ユニクロ
- MUJI 無印良品
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- 日清食品
- Amazon
- Disney
- TOYOTA トヨタ自動車
- Apple
ブランド・ジャパンとは、5万人以上の消費者とビジネスパーソンが企業、商品、サービスの延べ1,500ブランドを評価する日本最大のブランド価値評価調査です。BtoCの評価は、フレンドリー(親しみ)、コンビニエント(便利)、アウトスタンディング(卓越)、イノベーティブ(革新)の4つのスコアで構成され、1,000の企業、サービス、商品を評価します。誰もが良く知る企業が多いのではないでしょうか。BtoC企業とは何か、イメージを膨らませるために役立ててくださいね。
キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
BtoC企業の中でも、お客様(カスタマー)に対して掲げている目標は企業によって大きく異なります。ここが顕著にあらわれているのが「社風」や「ビジョン」です。「商材を通じて誰にどんな影響を与えることを目標としているのか?」は、同じ商材を扱っていても方向性が様々ですよね。社風やビジョンをあまり見ない学生さんも多いと思いますが、これは非常に大事なポイントです。
たとえば、サークルで考えてみましょう。あなたは大学内の野球サークルに入りたいと考えているとします。そして大学内には2つ野球サークルがあります。1つは関東の大学内大会で優勝を目指しているサークルで、もう1つは週末だけ練習をしてたまに大会に参加することを目標としているサークルです。それぞれ目指しているところが全然違いますよね。これが企業でいう社風やビジョンになります。
自身が目指している環境には同じ志を持った人が多いので一緒に働きやすくなりますよね!また、社風やビジョンは企業によって特徴的なものも多いので、そこに共感できれば「志望理由」としても唯一無二のものになりそうですよね。自分に合った企業を見つけるためにも、社風やビジョンに注目してみましょう。
BtoC企業のメリット
ここまでBtoCとは何かについての説明をしてきましたが、実際にBtoC企業に就職するにあたりどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、BtoC企業のメリットについて解説していきます。それぞれのメリットが自分にとってもメリットにあたるのか、自分に合うのかを考えながら読んでみてくださいね。
知名度が高くモチベーションにつながりやすい
先ほどもお伝えした通りBtoC企業のターゲットは私たち一般消費者であり、その分知名度が高いです。親近感も沸きやすいですし、人によっては「誰もが知る企業で働けている」ということがモチベーションにつながることもあるでしょう。
「世の役に立っている」という実感を得やすい
BtoC企業で企画・製造・販売している商品は、身近なところで目にすることができます。さまざまな場面で、消費者が自社の商品を喜んで手に取っている姿を目にしたり、商品の感想を直接聞けることもあるでしょう。人々の生活をを支え、世の役に立っているという実感を得やすいのもBtoC企業のメリットのひとつです。
特に世の中を支えたい、社会貢献がしたいという人にとっては大きなやりがいを感じられる企業でしょう。
購入までにかかる期間が短く、成果が見えやすい
BtoC企業で取り扱う商品の購入スパンは比較的短め。つまり、企画から購入までの期間が短いため、成果が非常に見えやすいです。
こういった成果は昇給や昇進などの個人の成績にもつながりやすいため、成果が見えやすい環境で働きたい人はやりがいを感じやすいと考えられますね。
ブランドを構築するおもしろさがある
BtoC企業の販売戦略においては「ブランド構築」が肝となります。マーケティングでも、ブランドイメージを明確にしたうえでそれを押し出すことが重要です。
先ほどの化粧品の例ひとつとっても、各社のブランドイメージは大きく違いますよね。そのイメージが、その商品やブランドを企業が作り上げた努力の結晶です。こういったマーケティング戦略を打ち出せることもBtoC企業の魅力の一つであり、人によっては大きなやりがいにつながることでしょう。
キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
BtoC企業を志望する就活生の特徴としては「人々の生活を豊かにしたい・楽しくしたい」「地方との情報格差を改善したい」など、ベクトルが外に向いている人が多い傾向にあるかと思います。「多くの人に影響を与えることをしたい」という学生も多いですね。
ブランド・ジャパンのアンケート結果にもありますが、誰もが知っている有名な企業が名を連ねています。「皆が知っている企業で働きたい」などと発言する学生は当然通りません。会社のネームに引っ張られるのではなく、ご自身がその会社で何を実現させたいのか、その土俵がその会社にあるのかを見失わないでくださいね。
BtoC企業のデメリット
BtoC企業にメリットがあればもちろんデメリットも存在します。BtoC企業を選ぶか決める際には、メリットだけに目を向けずにきちんとデメリットも把握しておきましょう。メリットとデメリットを比較し、どちらが自分にとって大きな影響を与えるか考えて志望先を選んでくださいね。
成果につながらないこともある
BtoC企業のターゲットは一般消費者です。そしてマーケティング戦略も消費者の感情に訴えかけていることからもわかる通り、購入には消費者の感情が大きく影響します。そのため、売れる理由が論理的に整っているのにもかかわらず、なぜか購入につながらないことも起こり得ます。
また価格競争にも陥りやすく、どんなに良い商品を生み出したとしても消費者は安いものに流れてしまうこともよくあります。そういった理由から、うまく成果につながらないこともあると押さえておきましょう。
知名度の高さから、内定獲得は非常に難関
使い慣れた思い入れのある商品に携わりたいという思いから、BtoC企業を志望する学生は多くいます。加えて、企業研究をうまく進められていない学生の場合「とりあえず」で見知ったBtoC企業にエントリーすることもあるかもしれません。
このような理由から、BtoC企業は毎年非常に倍率が高くその中から内定を獲得するのは至難の業と言えます。
キャリアアドバイザー
仮に内定を獲得できても、周囲の同期もレベルの高い人ばかりです。入社後も希望部署に行けなかったり、思い描いた活躍ができない可能性もあることも併せて知っておきましょう。
BtoB企業のメリット・デメリット
ここまではBtoC企業についてそのメリットやデメリットをお伝えしてきました。そのうえで、「じゃあBtoB企業はどうなんだろう?」と疑問に思った学生も少なくないかもしれませんね。志望先の決めるための情報として、最後にBtoB企業のメリットとデメリットについてお伝えしていきます。BtoC企業と照らし合わせながらぜひ考えてみてください。
メリット:経営が安定していることが多い
BtoBの場合、企業のニーズは明確であることが多いためBtoCに比べ消費者心理の影響を受けにくく流行にはさほど左右されません。また受注単価も高いうえに一度契約を結べば長期間・そして継続的な受注が見込めるため、比較的経営が安定していることが多いです。
キャリアアドバイザー
大きな金額を扱い、規模の大きな契約ができるのもこのBtoB企業の魅力といえますね。
メリット:社会への広い貢献ができる
BtoB企業で扱う商品は、完成物でなくその完成物を構成する素材やパーツであることが多いです。つまり、自社の商品がひとつの完成物だけでなく複数の完成物に使われていることもよくあるもの。
たとえば繊維メーカーであれば、普段着用する衣類にも繊維は含まれていますし、大学やオフィスなどで使用する椅子にも繊維が使われていますよね。自社の商品が幅広いところで使われていることから、広く社会に貢献していると感じられるのもBtoBのメリットのひとつです。
メリット:競争率が低い傾向にある
先ほどもお伝えした通り、BtoB企業は一般消費者からの知名度は低め。つい先日まで一般消費者だった学生からしても、業界研究をきちんとしなければ知っている人は少ないでしょう。そのため、学生からの応募数もBtoC企業に比べると少なく競争率も低めといえます。比較的内定ももらいやすいかもしれませんね。
デメリット:優良企業かどうかの判断が難しい
知名度の低さはデメリットともなり得ます。たとえば、誰もが知るような大手のBtoC企業であれば、有名な分その企業が優良企業かどうかはすぐにわかりますよね。仮に何か不祥事があった場合も、すぐに全国ニュースになることが予想できます。
しかしBtoB企業であれば知名度が低い分手持ちの情報が少ないため、その企業が優良企業かどうかの判断をすぐに付けることは難しいでしょう。BtoBの企業すべてが隠れた優良企業というわけではありません。BtoB企業を受ける際には、事前にBtoC企業よりも綿密な企業研究を欠かさずおこなうようにしましょう。
デメリット:成果が見えづらい
BtoB企業の場合、自分の努力や成果、かかわった商品などが目に見える形で世に出ることは多くありません。そのため成果を目に見えて実感したい人にとっては、あまりやりがいにつながらない可能性もあります。
また一度の契約や購入の額は大きい反面、購入に至るまでの期間は少し長めです。自分の提案やサポートがすぐに購入につながるわけではないので、そういった面でも、「自分の取り組んだことがわかりやすく成果として表れる」ことにやりがいを感じる人には少し物足りないかもしれませんね。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
BtoC、BtoBの企業が向いている学生の特徴に、極論大きな差はないです。企業はユーザーからお金をもらい利益を得ているので「目の前の人の課題解決をしたい」「喜んで頂ける姿を見たい」などのやりがいはどちらも該当するはずです。ただ誰に対して、どんな瞬間にやりがいを感じるのかは職種によって異なるでしょう。
エンドユーザーに対してリサーチやマーケティングをしたい場合はデスクワークがメインであり、エンドユーザーと顔を合わせる事も最小限です。皆さんの中にもアルバイト経験がある方もいらっしゃると思いますが、小売りサービスであれば対面でお会いできます。その対価としてその場で商品やサービスを購入して頂けるため、お互いの満足感を得る瞬間を共有しやすいですよね。
営業であれば、アポ取りをしたのち、訪問へ繋げて自らの足で稼ぎます。華やかに見える営業部隊も、影では資料作成、プレゼン練習、電話など地道なことも多くおこなっています。どのフィールドで体現するかは皆さんの価値観になるかと思います。ご自身が対峙する相手が【企業】なのか【対面:消費者】なのか【数字に基づくリサーチ・マーケ】(企業様からのご依頼で動くので、企業側ですね)なのかを考えて進めていくといいと思います。「どんな瞬間にやりがいを感じるのか」を深めていきましょう!
BtoCについて知りたい学生からよくある質問に回答!
「BtoC」の意味を知りたい学生や、「BtoC」企業に就職するメリットデメリットを知りたい学生もいるでしょう。そういった学生からよくある質問にキャリアアドバイザーが回答するので、「BtoC」企業に興味がある学生は参考にしてくださいね。
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BtoCってなんですか?
BtoCとは「Business to Consumer」の略で、小売業や飲食業など企業から一般消費者へ商品やサービスを提供するビジネスモデルを指します。BtoCは消費者がターゲットであるため、手軽に購入しやすい金額が設定されていることが多いですね。
類似するBtoBという用語は「Business to Business」の略で、一般企業を相手に商品を提供することを指します。 -
BtoCの企業の魅力はなんですか?
BtoC企業は直接消費者に商品やサービスを提供するため、世の中に役立っているという実感が得やすいことが魅力といえます。また、顧客との直接的なコミュニケーションを通じてマーケティングや商品開発、サービス改善などのおもしろさに気付くこともできるでしょう。
さらに知名度が高い企業が多いため、人によっては「誰もが知っている企業で働ける」ことがモチベーションになる場合もありますね。
BtoCとBtoBの違いを知って自分に合った企業を選ぼう
BtoCとBtoBの違いは、BtoCが消費者に向けて製品やサービスを展開するのに対し、BtoBは企業に向けて展開するというものでした。BtoCは広く一般に認知される必要があるため、ブランド力の確立やリピーターとして継続的に購入してもらうための工夫を惜しまずおこなっています。
先ほどブランド・ジャパン2021で紹介したBtoC企業はどれも有名なものでしたが、どれもフレンドリー(親しみ)、コンビニエント(便利)、アウトスタンディング(卓越)、イノベーティブ(革新)が高いことが納得できる取り組みをおこなっていることがわかりました。現状に満足せず改善を繰り返すことが、愛される製品やサービスづくりの根底を支えているのです。
BtoCと並んでBtoBって言葉もよく聞くのですが、どう違うのでしょうか。