目次
- 進め方を把握してUターン就職を成功させよう
- まずはUターン就職とは何かを理解しよう
- Uターン就職とは
- Uターン就職を希望する人が増加
- Uターン就職の5つのメリット
- ①地元なので環境に馴染みやすい
- ②実家に何かあっても安心できる
- ③地価が安い
- ④満員電車や都会の喧騒を避けられる
- ⑤生活と仕事のバランスを取りやすい
- Uターン就職の5つの注意点
- ①選考がスムーズにいかない場合がある
- ②交通や生活が不便になる
- ③仕事数や求人数が少ない
- ④地域によっては独特の風習がある
- ⑤勉強会やコミュニティが少ない
- Uターン就職に踏み切る前にやるべきことは?
- しっかりと情報収集をする
- なぜ地方の企業なのかを考えておく
- 仕事とプライベートの将来像も考えておく
- 家族や親戚に相談しておく
- Uターン就職が向いている人
- 地元が好きな人
- プライベートを大事にしたい人
- 都会が合わない人
- 地元に貢献したい人
- Uターン就職の情報の集め方
- 全国規模の就職活動イベント・セミナー
- Uターン専門の就活サイト
- 地元のハローワーク
- Uターン就職の志望動機と例文
- 愛着ある製品に携わりたい
- 地元の活性化に貢献したい
- 地元で長く働いていきたい
- 自分のキャリアビジョンと合っている
- 小さい頃からの憧れ
- Uターン就職のときに面接で聞かれる質問と回答例
- なぜ地元で働きたいのですか?
- なぜ弊社を志望しているのですか?
- 今後のキャリアについてどう考えていますか?
- 情報収集をしっかりしてUターン就職を実現させよう!
進め方を把握してUターン就職を成功させよう
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく、
「Uターン就職が気になっているけどメリットはあるのでしょうか?」
「Uターン就職は実際にどういったところに注意すればいいのでしょうか?」
といった質問を受けます。Uターン就職にはメリットが数多くあるものの、デメリットや注意点もまた多いため、成功させるには、その特徴や進め方をしっかり把握することが重要です。
そこで当記事では地元に貢献できるUターン就職の魅力を徹底解説していきます。Uターン就職をする際に迷うであろう志望動機の書き方、面接で聞かれやすい質問の回答例についても紹介しますので、Uターン就職が気になっている方はぜひご覧ください。
当記事を読めばUターン就職のメリットや具体的な進め方がわかり、自分のスタイルに合ったキャリア選択ができるようになるでしょう。
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まずはUターン就職とは何かを理解しよう
Uターン就職を希望している人は、まずUターン就職とは何かをしっかり理解しておきましょう。Uターン就職を希望していても、知識・理解がなければ、当然良い就活にはなりません。
周りがそうしているから、流行っているからといって考えもなしにUターン就職をすると、後々誤ったキャリア選択に後悔してしまうおそれもあります。
そうならないためにも、ここからはUターン就職とは何かを詳しく解説していきます。
Uターン就職とは
- 進学や就職を機に地方から都市部に移住した後に、再び故郷に戻ること
具体的な例を挙げると、「茨城県出身の人が東京都の大学に進学し、就職の際にまた故郷である茨城県に帰る」といった状況がUターン就職に当てはまります。
Uターン就職に似たようなものとしては、他にも「Iターン就職」「Jターン就職」の2つが挙げられます。
この2つがUターン就職とはどう違うのかを以下で見ていきましょう。
Iターン就職
- 就活を機に都市部から出身地とは異なる地方に移住することを指す
「東京都で生まれ育った人が沖縄県に移住して働く」のような状況が当てはまります。
Uターン就職との違いは、都会から故郷である田舎にUの字で帰るのではなく、生まれ育った都会から田舎にIの字を描くように一直線に移住するところです。
Iターン就職をする理由としては、「都会の喧騒を避けるためにのんびりした田舎に暮したい」といったものが挙げられるでしょう。
Jターン就職
- 故郷である田舎から進学や就職などの目的で都会に移住し、再度故郷に近い地方都市に移住すること
Jターン就職は、故郷から都会に移住するはじめの段階はUターン就職と同じですが、その後故郷ではなく、そこに近い地方都市にJの字を描くように移住する点が異なります。
都会を避けることができ、なおかつ故郷の近くに住むことから、何かあればすぐに家族のもとに駆けつけることができるのが魅力です。
Uターン就職を希望する人が増加
近年Uターン就職を希望する人が増加しています。増加している背景には新型コロナウイルスの蔓延が関わっており、理由としては、「すぐに家族に会える」や「感染のリスクが低い」「苦境にあえぐ地元に貢献したい」といったことが挙げられます。
また、近年はネットが社会に普及しており、リモートワークを導入している企業も増えていることから、就職のためにわざわざ都市部に移住する必要性も徐々に薄くなっています。
ワークライフバランスがとりやすいリモートワークが浸透してきており、自宅でもできるフリーランスでの働き方を選択する人が増えていることなどからも、都会ではなく故郷に戻るUターン就職熱は今後もしばらく続くものと考えられます。
Uターン就職の5つのメリット
Uターン就職が増えているのは前述したとおりですが、当然そこにはUターン就職によるメリットが大きいという背景があります。Uターン就職の方が現代の働き方に合っていると考えている人も少なくないでしょう。
就活を機に故郷に戻ろうか迷っている人にとって、Uターン就職におけるメリットの理解は欠かせません。以下の内容を参考にすることでメリットを理解し、自分に合っている就職方法なのかを確認しましょう。
①地元なので環境に馴染みやすい
地元は自分の生まれ育った街であるため、当然ながらそこの交通利便性や治安、住環境などはすでに把握しており、生活の勝手がわかっている状態で仕事に取り組むことができます。
一方で、Uターン就職をせずに他地域に居住地域を移すと、これまでの生活スタイルを変えることになり、慣れない環境で新たな仕事に勤めるのは非常にストレスがかかります。そのため地元に住むことで生活環境が安定することは仕事が軌道に乗るうえで非常に大きなアドバンテージになるでしょう。
地元で働く魅力については、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。地元で働くことに向いてる人の特徴や志望動機の例文についても紹介しています。
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地元で働くことは、慣れ親しんだ土地で、家族や友人と生活を共にしながら働けるなど、さまざまなメリットがあります。しかし人間関係が固定されやすかったり、求人の数が限定されてしまう可能性もあるなど、考慮すべきデメリットがあるのも事実です。そこでこの記事では、地元で働くことを考えている人が知りたい情報や対策をキャリアアドバイザーのアドバイスを交えて解説します。進路選択に役立つ情報ばかりなので、ぜひチェックしてくださいね。
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②実家に何かあっても安心できる
実家が地方にある場合、都会に移住すると、どうしても家族と会う機会が極端に減り、お互いどうしているかがわからず常に不安がつきまといます。特に親が高齢になってきた、身内に介護が必要な人がいるといった場合は、なおさら不安が尽きることはないでしょう。
しかしUターン就職によって地元で勤務ができれば、そのような悩みは格段に減ります。特に近年は新型コロナウイルス蔓延により、県外に行くのははばかられるので、家族の近くに住めるメリットはさらに増えていると言えるでしょう。
③地価が安い
地方の強みは何といっても地価が安く、住宅費を抑えられる点です。地方では都会に比べて年収が低い傾向にありますが、住宅費も圧倒的に安く、低い年収をカバーすることもできます。
一方都会の場合は、商業施設や娯楽施設が多いことから生活に不便を感じることは少ないですが、地価をはじめ、賃貸や物価などの生活コストが高くなってしまいます。ワンルームで8万円ほどかかるような物件も珍しくないため、年収が高いとはいえ生活は厳しくなるでしょう。
④満員電車や都会の喧騒を避けられる
首都圏の生活に対する不満としてよく聞くのが、満員電車をはじめとした人混み。都会では基本的な移動手段として公共交通機関を使う人が多いことから、通勤をするうえで混雑は避けられません。中には満員電車のストレスのせいで仕事に対するモチベーションが低下している人もいることでしょう。
Uターン就職により地方に移住すれば、場合によっては車が必要になりますが、少なくとも都会の喧騒により窮屈な目に遭うことはなくなります。人混みを回避できれば新型コロナウイルスの感染リスクもグンと下がるため、地方の方が感染するかもしれないストレスも感じずに済むでしょう。
⑤生活と仕事のバランスを取りやすい
総務省統計局のデータによると、平均通勤時間が長いのは神奈川県や東京都、埼玉県などの都会であり、一方短いのは大分県や鹿児島県、鳥取県などの地方であるとの結果が出ています。(出典:総務省統計局[平成28年社会生活基本調査])
通勤時間が減れば、当然自分のことに当てる時間も増えるため、都会よりも地方の生活の方が充実しやすいと言えるでしょう。
Uターン就職の5つの注意点
近年Uターン就職の関心が高まっているとはいえ、都会と地方のどちらの暮らしに合っているのかは人それぞれです。Uターン就職にはメリットがある反面、注意点もあり、人によっては都会での就職の方が良いという人もいるかもしれません。
これらを把握せずにUターン就職に取りかかってしまうと、のちのち「やっぱり都会の方がよかった」といった事態にもなりかねません。以下で解説する注意点を参考にすることで、今一度Uターン就職が自分のスタイルに合っているのかを確認しておきましょう。
①選考がスムーズにいかない場合がある
選考がスムーズに行かない理由はスケジュール調整が難しいことに原因があります。地方で就職するということは当然遠くてもそこまで足を延ばさなければなりません。
しかし、就活はそれだけに力を入れられるとは限らず、就活と学業、人によってはアルバイトなども同時進行でおこなわなければなりません。スケジュールがよりタイトになれば、下手をすると、就活と学業が共倒れになってしまうことも考えられます。
また、地元に戻るには金銭面での負担も考慮する必要も出てくるため、都会で就活をおこなうよりもいろいろな事情を考えて行動する必要があるでしょう。
②交通や生活が不便になる
地方は首都圏のように電車やバスの路線が張り巡らされているわけではないため、移住先の交通インフラや志望先の所在地によっては、自家用車がなければ通勤にかなりの時間を要してしまう可能性もあります。
また、地方だと商業施設などの充実性も都会よりは劣る傾向にあります。特にコンビニや飲食店の数は地方の方が少ないため、頻繁に利用している人にとっては十中八九、不便に感じることでしょう。
したがって交通利便性や住環境において不便を感じる可能性があることは十分に考えておくべきです。
③仕事数や求人数が少ない
やりたい仕事があってUターン就職をするのであれば、求人数が少なくともあまり関係はありませんが、とりあえず故郷に戻ることを前提にして仕事を探すといった場合は、仕事数の少なさは死活問題となります。
はじめから企業の選択肢が少なく、さらに選んだ企業で必ず内定を獲得できる保証もないため、都会よりも仕事を探しづらいというのはひとつの事実と言えるでしょう。
そのため明確な志望先が決まっていない状態でUターン就職を希望している場合は、必ずしも自分に合った職場が見つかるとは限らないことをあらかじめ理解しておく必要があります。
④地域によっては独特の風習がある
Uターン就職のように元々その地域の出身であれば、すでになじみ深い風習であるため、あまり気にならないかもしれませんが、配偶者や家族も一緒に移住するとなると、慣れない環境でストレスを与えてしまいかねません。
Iターン就職のように訪れたことがない地方に移住する場合は特に地元とは違う環境になることが多いため、念入りに調べたうえで移住を決めるようにしましょう。
⑤勉強会やコミュニティが少ない
東京都のような都会だと、勉強会やセミナーが多く開催されていますが、地方になるとそういったコミュニティが不足しがちなので、学習環境に物足りなさを感じてしまう人もいるでしょう。
そういったコミュニティを通して将来的なスキルアップを目指している人にとって、地方への移住はいささか不便になることは理解しておくべきです。
ただしネットの発達でロケーションは無関係になりつつある
ここまでUターン就職の注意点を紹介してきましたが、その中でもロケーションに関しては近年のネットの発達で無関係になりつつあります。
たとえば、企業の中には面接をWebでおこなうところも多く、リモートワークも徐々に浸透してきていることから、就活のスケジュール管理をしやすく、仕事を選ぶ際に交通の利便性に関して考慮する必要もなくなっています。
Uターン就職ではロケーションに関する悩みがネックでしたが、以前に比べるとその問題は解決されてきており、Uターン就職の敷居は格段に低くなっていると言えるでしょう。
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Uターン就職を考えている就活生は、都会と地方を比べた場合「労働環境」に違いが生じやすいという点を心得ておくようにしましょう。一般的に、大手企業は都会に本社を構えている場合が多いのですが、同じ企業でも本社と地方にある支社では、賃金や福利厚生に差があることも珍しくないです。
たとえば、都会は福利厚生を使って家賃補助を受けたり、スポーツジムに通うことができるのに、地方ではそのようなサービスが充実していないこともあります。また都会は仕事のスピード感から、昇進やキャリアステップが明確なのに対して、地方は働きながら決めていくという曖昧さもあるでしょう。
Uターン就職はメリットもある一方で、格差が生じやすいことも挙げられます。Uターン就職を希望する就活生は、単に「地元が暮らしやすい」といった理由だけではなく、入社後の仕事内容や労働環境なども理解したうえで決めることをおすすめします。
Uターン就職に踏み切る前にやるべきことは?
ここまでUターン就職のメリットや注意点について見てきましたが、ここからはそれらの内容を踏まえて、Uターン就職に踏み切る前にやるべきことについてお話しします。
Uターン就職は思い付きで成功するほど甘いものではないため、上記のことを参考にして事前に対策を講じておきましょう。
しっかりと情報収集をする
Uターン就職をするうえで何より優先されるのが情報収集と言えるでしょう。
Uターン就職に限った話ではありませんが、就活において情報収集は成功を左右するカギとも言えます。というのも、情報収集ができていなければ、キャリア選択を誤ってしまうことで、自分の思っていたような仕事ができない可能性が非常に高いからです。
転職率は特に若手社員によるものが高い傾向にありますが、これはほとんどの場合、情報収集が足りずに入社してしまい、入社前と入社後のギャップを感じてしまうことに原因があります。ネガティブな理由からの転職は、就活の際に情報収集をおこなっていない人が陥る典型例と言えるでしょう。
Uターン就職の場合は都会よりも求人数が少なく、妥協して入社してしまうことも増えますので、入社後の転職に陥ってしまう確率がより高くなるので注意しましょう。
情報収集のコツはこちらを参考にしてみてください。
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やりたいことが実現できる求人はあるか
Uターン就職をすることで地元で勤務をするメリットは確かにありますが、それは自分のやりたいことを実現できる環境であればこそです。そもそもやりたくない仕事内容であったり、自分の望んでいない内容であったりすれば、仕事が充実しないのは明白となります。
Uターン就職を希望していて明確にやりたいことがある人は、まず地元に自分のやりたいことを実現できる求人があるのかどうかを調べましょう。そして地元に自分の本当にやりたいことがないのであれば、Uターン就職以外を検討して見るのも1つの手です。
地元企業のインターンに参加してみる
インターンは企業に直接赴くことで仕事を体験することができるため、業務内容に加えて雰囲気といった企業の実態を身をもって知ることができるのが魅力です。
入社前に企業の内部をのぞける機会はそうなく、自分のやりたいことを実現できるかどうかを調べるにはもってこいの方法と言えるので、志望している企業があるのであればぜひ参加しておくのがおすすめです。
なぜ地方の企業なのかを考えておく
面接官
(地方の企業は都会の企業よりも年収が低い傾向にあるし、求人数も少ないのに、なぜ地方に戻ってきたんだろう……。)
Uターン就職に踏み切る前には、なぜ地方の企業なのかを明確にしておく必要があります。なぜなら、理由が決まっていないと、その後の就活方針にズレが生じ、結果的に誤ったキャリア選択をしてしまう原因となるからです。
なぜ地方に戻ってきたのかは面接官にとっては気になるところでしょう。
選考の際に地方の企業にした明確な理由を述べられれば、意欲や熱意を効果的にアピールすることができるので、地方の企業を志望する理由は必ず自分の中で確立しておくようにしましょう。
仕事とプライベートの将来像も考えておく
Uターン就職をする際には仕事とプライベートの将来像を考えておくことも重要です。というのも、Uターン就職には時間的にも金銭的にも負担がかかり、そう何度も繰り返せるものではないからです。
仕事とプライベートの将来像が決まれば、今何をするべきかが明確になります。しかし逆に行き当たりばったりでなんとなくUターン就職をしてしまっては、「なんか思っていた感じと違う」といった具合になったときに取り返しがつきません。
就活生
この企業に入社することで経験を積み、将来的に〇〇の仕事をしよう!
といったように明確なビジョンを考えておきましょう。
将来像を明確にしておくとキャリアプランもより決まりやすくなります。面接で聞かれることもあるので、できるだけ具体的なキャリアプランを練っておきましょう。
家族や親戚に相談しておく
就活生
親に帰ってきてほしいと言われている。
就活生
身内の面倒を見なければならない。
などの諸事情があって地元に帰る人もいますよね。そういった人は地元に住む両親や親戚とよく相談しておくことがおすすめです。
自分と家族で就職に関して思い違いが生じないようにUターン就職をする旨は早めに打ち明け、選考が始まる前によくよく相談しておきましょう。
仕事もプライベートも充実させるためには、自分がUターン就職をすることで影響を与える人たちとあらかじめ相談をしておくことが大切なのです。
Uターン就職が向いている人
Uターン就職は人によって向き不向きがあることも理解しておきましょう。
Uターン就職はその気になれば誰でも可能であり、誰でもそのメリットを得ることはできますが、人によってはデメリットの方を感じてしまう場合もないわけではありません。Uターン就職では基本的に都会から地方に移住することになるため、地方での生活スタイルに向いていない人もいるからです。
Uターン就職が向いている人とはいったいどのような特徴を持っているのかを紹介します。
地元が好きな人
地元が好きではない人がUターン就職をおこなっても、好きではない場所で働いたり生活したりするのはストレスが溜まるので、当然充実感を得にくくなります。
人によってUターン就職の成功の定義は異なるとは思いますが、大体の人が仕事がうまくいって楽しい生活を送れていれば成功と捉えるはずです。そのため地元愛が強ければ、そこで働いていること、生活していること自体に満足できるため、結果的にUターン就職の選択が正しかったと言えるでしょう。
プライベートを大事にしたい人
Uターン就職のメリットにおいて前述したように、地方では通勤時間が少ない傾向があり、その分時間を自分のことに当てられます。また、すでに慣れ親しんだ地域であることから、環境に適応するのは比較的容易となり、精神的にも落ち着き余裕が生まれます。
すなわちUターン就職によって地元に住めば、時間のみならず精神的にも余裕が生まれ、プライベートが充実しやすくなるのです。
都会が合わない人
都会が合わない人もUターン就職には向いているでしょう。なぜなら、地方であれば都会ならではのデメリットを受けないで済むからです。
都会が合わない理由としては「満員電車がいやだ」「密集していて開放感がない」「息苦しい感じがする」といったものが挙げられます。これらに当てはまっている人は地方での暮らしの方が生活スタイル的に合っていると言えるでしょう。
地元に貢献したい人
地元に貢献したい人はUターン就職にぴったりであると言えます。というのも、地元に貢献したいという気持ちこそがUターン先の企業がもとめる要素だからです。
いくら地元に帰りたくて地元の企業を志望しても、そこで何かに貢献したいという熱意や動機がなければ、企業が採用してくれる可能性は低いと考えられます。貢献の意欲がない人を雇うメリットがないからです。逆に地元や企業に貢献したい思いさえあれば、能力が多少低かったとしても、企業にとっては魅力的な人材に思えます。
したがって地元に貢献したい人は地元の企業でも歓迎されやすく、Uターン就職に向いている人であると言えるでしょう。
キャリアアドバイザーコメント堀内 康太郎プロフィールをみる
Uターン就職には向いている人がいる一方で、「変化やスピード感を好む人」には向いていない場合があります。大企業が集中する都会は、入ってくる情報量が多く常に変化や進化をしながら成長するのに対して、地方の企業は緩やかになります。そのため、「常に新しい情報を取り入れ、最前線で働きたい」と思う人にとって、物足りなさを感じてしまうかもしれませんね。
またプライベートでも、都会は交通機関が発達していることから、休日はデパートや美術館巡り、ライブなどのエンタメなどさまざまな活動やイベントに参加することができますよね。都会の雰囲気に居心地の良さを感じるのであれば、Uターン就職は向かないかもしれません。
とはいえ就職には「正解」「不正解」といった答えはありません。自分はどのような働き方を望むのか、しっかり自己理解したうえでUターン就職が「向いている」「向いていない」を見定めるといいですよ。
Uターン就職の情報の集め方
メリットやデメリットを理解したうえでUターン就職を決意したら、実際に地元企業の情報収集をする必要があります。その際にどこで情報を集めればいいのかよくわからない人もいるのではないでしょうか。
Uターン就職は地方の企業が対象となるため基本的に求人数が都会に比べて少ないです。したがってUターン就職における情報収集はかなりシビアになることが予想されます。
しかし、正しい情報の集め方を知っていれば多くの情報を仕入れることができ、自分の就活軸に合った企業を見つけやすくなります。以下の説明を参考にすることで、就職先の選択肢を少しでも広げられるようにしましょう。
全国規模の就職活動イベント・セミナー
はじめに挙げられるのが全国規模の就活イベント・セミナーです。たとえば、都市部の大きな会場で開催される合同企業説明会などがこれに当たります。そこには開催地や近隣のみならず全国の企業が参加することから、地元の企業も参加している可能性が非常に高いです。
そのときのイベント・セミナーによって参加企業は異なりますが、いくつかの会場に赴いて地元の企業にあたれば、かなりの量の情報が集まるはずです。また、イベント・セミナーでは企業が対面で説明をしてくれることが多く、質問も受け付けているので自分の知りたい情報を効率的に集めることができるでしょう。
Uターン専門の就活サイト
就活サイトの良いところは、イベントやセミナーとは違い、ネットを通してどこからでも求人を探すことができるところ。さらに業種や職種などの条件を打ち込むことも可能なので、イベント・セミナーよりも自分の条件を基にした企業探しができるでしょう。
ただし、企業の詳細はサイトに記載してある情報からしか判断できないため、気になったことがあれば、企業に直接確認するなどして情報を集めるしかないので注意が必要です。
地元のハローワーク
ハローワークの強みは相談員と話し合いながら自分の条件に合った企業を探すことができる点です。
学生の中には、あまり明確な就活軸を持っていない、どの企業がいいか全くわからないといった人もいると思います。そういった人は一度ハローワークで第3者に意見をもとめるのがおすすめです。
ハローワークでは新卒者のみを対象とするブースなどを開設しているところもあり、スタッフが相談にのってくれます。自分の就活軸が明確になっていない人には特に役に立つはずです。
また、ハローワークは就活サイトとは違い、求人を掲載するのにお金がかからないという特徴も持っています。就活サイトなどには掲載されていない求人もあるかもしれないので、ハローワークで一度情報収集をしてみると良いでしょう。
キャリアアドバイザーコメント鴨川 未奈プロフィールをみる
Uターン就職を希望している就活生は、ぜひ一度は地元のハローワークを利用することをおすすめします。今伝えたように、ハローワークは専門のスタッフがいますので、疑問や不安に思ったことをマンツーマンで支援してもらえるメリットがあります。
またハローワークは地域ごとに運営されているため、求人情報は地域ごとに密着しています。そのため、専門のスタッフから意外と知られていない地元優良企業の情報や、求人票には書かれていない生の企業情報を教えてもらえる場合があります。地方特有の今後成長する業界や衰退する業界など、地元に特化した話も聞けるかもしれませんね。Uターン就職の場合、「離れてしまって、情報が集めにくい」といった声も聞かれるので、地元ハローワークを頼ってみてはいかがでしょうか。
近年はコロナの影響でオンラインで就職相談を受付けている所も多くありますので、まずは地元のハローワークのホームページを確認してみてくださいね。またハローワークインターネットサービスでは、ハローワークで受付けた全国の求人を検索できるのでとても便利ですよ。
Uターン就職の志望動機と例文
Uターン就職を希望する際に気になるのが志望動機。どのような志望動機にすれば選考を通過しやすいのか悩んでいる人が多いと思います。
地元の企業に就職する場合、志望動機としてよくありがちなのが「地元だから」という決まり文句ですが、面接官からすれば「地元だから就職したい」という理由は納得感は持てません。
そのためUターン就職における志望動機は自分の強みを加えたり、明確なキャリアプランを提示したりと、アレンジすることで、効果的に自分をアピールする必要があるのです。
愛着ある製品に携わりたい
愛着のある製品に携わりたいという思いは、地元企業に勤めたい動機として非常に効果的であると言えます。他の企業ではなく、まさにその志望先の企業でなければならない理由になるからです。
企業の製品に関することで志望動機を作りたい場合に注意すべき点は、本当に愛着のある製品を選ぶことです。
本当に愛着がある製品であれば、そう思った理由やエピソードなどは深く考えなくともすぐに出てきます。しかし無理やり愛着を出そうとすると、こじつけのように思われてしまう可能性もあり、面接などで深掘りされれば、答えられないといった事態に陥ることも考えられます。
志望動機を伝えるうえで、「この製品を選んだ方が有利」といった製品はありませんが、最低限本当に愛着のある製品について述べるようにしましょう。
例文
私は貴社の扱う医療機器の販売に携わりたく志望いたしました。医療機器メーカーの中でも貴社を志望した理由は、高齢化社会で医療機器の販売競争が激化している中、医療機器メーカー売上トップ〇に位置している貴社に魅力を感じたからです。
特に貴社が販売している血圧計は家族の愛用の製品であり、いつも祖母がお世話になっていることから特別な思い入れがあります。医療機器は病気の治療や予防として活用されるものであるため、他の製品よりも人の人生に直接的に関わっています。
私は学生時代のアルバイトでコミュニケーション能力を培ってきましたので、その経験を活かすことで、貴社が開発する人の役に立つ製品の販売に携わりたいと考えております。
キャリアアドバイザー
携わりたい製品を扱う企業の特徴と製品を実際に使用していることを述べることで、メーカーに興味を持っていること、メーカーの製品に愛着を感じていることを表現できています。また、自分の強みをその製品に関する仕事に活かしたい気持ちも伝わってきます。
地元の活性化に貢献したい
地元の活性化に貢献したいという志望動機もUターン就職では有効です。
しかし、このフレーズを単体で使用すると、何を活性化させてどのように貢献したいのかがわからず、単に決まり文句として言っているだけと思われてしまうため、それを避けるために必ず具体性を盛り込みましょう。
自分にはどのような強みがあり、それをどこに活かすことで地域に貢献できるかを明確にすると、志望動機の説得力が増して他の学生と差別化が図れるでしょう。
例文
私は地元である〇市をさらに活性化させたいと考え、貴所を志望いたしました。
私が地元を活性化させたいと思う理由は〇市の観光客が少ないからです。〇市の知名度はあまり高いとは言えず、近年は新型コロナウイルスの影響もあって、市外からの訪問者はさらに少なくなっています。
しかし、〇市には山や海、川などの自然、テーマパーク、特産品など数多くの観光資源に溢れているため、それらを有効に利用することで、観光客の流入を図ることができ、より〇市が活性化するのではないかと考えております。
私は地域政策学部に所属していたので、そこで学んだ知識やスキルを活かしてイベントの企画や広報活動の推進を図り、〇市の活性化に貢献していきたいと考えております。
キャリアアドバイザー
地元の抱える問題点と改善方法を指摘することで、入社後に何をしたいのかを明確に示すことができています。また、自分が今持てる知識を仕事に役立てたいことについても述べることで、より地元に貢献したい姿勢を表わすことができています。
地元で長く働いていきたい
Uターン就職では地元で長く働いていきたいという志望動機も効果的です。
企業側からしたら、雇った社員に辞められるのは大きな痛手になります。採用にかけた労力や研修にかける費用が無駄になり、人材も不足してしまうからです。
地元で長く働いていきたいことを伝える際には短絡的な理由にならないよう心がける必要があります。単に「地元だから」という理由では何の説明にもならず、説得力に欠けるので、その企業だからこそ長く働ける理由を述べるようにしましょう。
また、長く働ける理由として「福利厚生が整っているから」といった志望動機を挙げると、後ろ向きなイメージとなってしまうので、そうならないようポジティブな理由を意識しましょう。
例文
私が貴社を志望したのは地元で長く働いていきたいと感じたからです。私は「日常的に地元市民の皆様に安心を与えられる」ことを就活軸としています。
そして、貴社は郵便の配達や窓口業務をはじめ、多角的なサービスを展開し、顧客に対して日々安心を提供していることから、自分の就活軸と合致しており、長く働き続けることで地元に貢献できると考えております。
また、貴社は安定的な基盤を持っているにも関わらず、それに満足することなく、新たな事業展開に力を入れています。私は常に向上心をもって仕事に取り組みたいと考えていますので、挑戦の姿勢を崩さない貴社であれば、モチベーションを維持しつつ勤務できると考え、志望いたしました。
キャリアアドバイザー
自分の就活軸を明らかにして、地元で長く働きたい理由と組み合わせることで、短絡的な理由にならないよう意識できています。福利厚生などのネガティブな理由にもなっていないので、マイナスのイメージになることはないでしょう。
自分のキャリアビジョンと合っている
Uターン就職の志望動機としてぜひ言及しておきたいのは、自分のキャリアビジョンについてです。なぜなら、自分の持っているキャリアビジョンを明示することで、その企業への志望度の高さが面接官に伝わりやすいからです。
たとえば、
- 現場で経験を積むことで将来は〇〇として働きたい
- 仕事にひたむきに取り組んでいきたい
という主張を比べてみると、より信憑性が感じられるのは前者でしょう。キャリアビジョンを提示すると、面接官は、志望者がその企業で働くことによって達成したい目標をしっかり理解することができ、より志望動機に納得がいくのです。
キャリア形成の考え方のコツについてはこちらを参考にしてみてください。
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キャリア形成とはなりたい自分に近づくためのステップ! 考え方を徹底解説
キャリア形成とは仕事の経験やスキルを計画通りに積んでいくことです。このビジョンが明確だと周囲と差別化できますよ。 この記事ではキャリア形成のために必要な力や方法などをキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画も参考に、学生のうちから考えを深めておきましょう。
記事を読む
例文
私は介護を通して日常生活に支障のある高齢者の方々を手助けしたいと考え、介護業界を志望いたしました。
私の身内には介護が必要な者がおり、介護職には常日頃から興味を抱いていました。介護業界内にある数多くの企業の中から貴社を選んだ理由は、貴社であれば自分のキャリアビジョンを実現できると感じたからです。
私のキャリアビジョンは、若いうちから介護の経験を積み、現場のリーダーである介護福祉士として高齢者の生活を支えることにあります。貴社ではキャリアアップのための研修制度が非常に充実しており、入社後、早期のうちに専門的な知識やスキルを身につけることができるため、私の目標達成を後押ししてくれる環境であると考えております。
キャリアアドバイザー
企業の特徴を具体的に述べることで、自分のキャリアビジョンが実現しやすいことを伝えることができています。また、キャリアビジョン自体も明確になっているので、面接官は志望度の高さを感じることでしょう。
小さい頃からの憧れ
志望動機で小さい頃からの憧れについて言及するのも良いでしょう。
小さい頃から憧れていた仕事に就きたいというのは実際にある話で、取り繕った志望動機に比べれば断然信頼性があるので、憧れている職業があるのであれば、迷わず志望動機として使うことをおすすめします。
ただし、これにも必ず理由は必要です。理由もなく「なりたかった」と言われても面接官には全く響きません。自分がその仕事とどのように出会い、どのような理由で目指すことになったのかについても述べることで、より志望度の高い志望動機にしましょう。
例文
私は地元の治安を守りたいと思い、警察官を志望いたしました。私が警察官を目指したきっかけは、幼い頃に白バイ隊員の交通取り締まりを見かけたことです。
その白バイ隊員は悪質な運転をしている交通違反者を取り締まっており、違反者から地域の人々を守る姿に感銘を受けたことを今でも覚えています。それ以来、私は地域の治安を守る警察官に憧れており、大学時代にはインターンにも参加しました。そして警察業務の一端を体験し、治安を守りたいという思いを再確認することができました。
警察官になった際にはどんな職務にも耐え、治安を守るために精一杯取り組んでいく所存です。将来的には、幼い頃に見た交通課の警察官を目指し、犯罪者たちを取り締まることで、お世話になってきた地元に恩返しをしたいと考えております。
キャリアアドバイザー
小さい頃から憧れている理由をエピソードを交えて述べることができています。また、今後の取り組み姿勢についても言及することで、仕事に対する志望度の高さを効果的にアピールできています。
Uターン就職のときに面接で聞かれる質問と回答例
他の選考同様、Uターン就職の選考でも最重要とされるのは面接です。面接では志望者の人間性や価値観を見て、本当に企業とマッチする人材なのかが判断されます。そのため、この場で答えた内容によっては内定までの距離が近くも遠くもなるでしょう。
しかしUターン就職では、面接で聞かれる質問をある程度割り出すこともできます。その質問とは以下の3つです。
- なぜ地元で働きたいのですか
- なぜ弊社を志望しているのですか
- 今後のキャリアについてどう考えていますか
これらの質問の特徴とその回答例を紹介するので、参考にして質問への対策を講じておくことで、本番でより自分を効果的にアピールできるようにしましょう。
なぜ地元で働きたいのですか?
なぜ地元で働きたいのかは面接官が真っ先に疑問に感じる点でしょう。Uターン就職においては以下の点に注意して質問に対する返答を考えておきましょう。
- 地元で働きたい理由に具体性を持たせる
- 地元でなければならない理由にする
地元で働きたい理由を伝える際に非常に重要となるのが具体性です。具体性がない理由は理由になりません。
たとえば「地元に帰りたかったからです」と伝えても、地元で就職する意味が伝わらないため、アピールとしてはむしろマイナスに働く可能性もあります。
一方、具体性を重視して「自分の生まれ育った地域であるため、この地の風土や慣習、地域性や人間性も把握しており、他地域で働くよりも人のために貢献できるから」のように言われた方が、地元で就職する必要性が伝わるでしょう。
回答例
私が地元で働きたい理由は、高齢となった両親の面倒を見ながら生活を送りたいと考えたからです。最近は特に新型コロナウイルスの蔓延により、県外などに住んでいてはなかなか両親と顔を合わせることができません。両親の面倒を見るのは長男としての務めですので、地元で就職することを決意いたしました。
なお、地元企業の中でも御社を志望したのは、御社が地域密着型の企業であり、地元民の方々とのコミュニケーションを人一倍大切にされているからです。私は地元の地域性や人間性も把握しているので、地元民と円滑にコミュニケーションを取ることができ、御社に貢献できると考えております。
キャリアアドバイザー
地元で働きたい理由として、家庭の事情に加えて、地元だからこそ活かせる自分の強みを挙げることで、地元で就職する意味をしっかり伝えることができています。話の内容に具体性を持たせることで、地元でなければならない理由の信憑性が増しています。
なぜ弊社を志望しているのですか?
自社を志望する理由もUターン就職の面接においてよく聞かれる質問です。
その質問に対する返答の中でも、「Uターン就職ができる企業を探していて御社を見つけました」といった受け身的な理由はあまり好ましくありません。というのも、こういった理由の場合、条件次第でその志望先以外の企業で働くのもありだと伝わってしまうからです。
そのため、志望先の企業を選んだ理由は以下の点に注意して答えるようにしましょう。
- ポジティブな理由にする
- その志望先でしか成し得ないことについて述べる
志望先を選んだ理由は、本心ではないにしろポジティブなものを心がけるのが大切です。また、その志望先でしか実現できないようなことを提示できれば説得力はグンと上がります。
たとえば、企業研究の際にその企業を偶然見つけたにしても、「その企業でしかできないことがある」「自分の強みを最大限活かせる」といった志望理由を伝えることができれば、面接官も自社を選んだことに納得しやすくなるでしょう。
回答例
私が御社を志望した理由は、私の強みである語学力のスキルを最大限活かせると考えたからです。
地元では外国人の数や外国とのつながりを持つ企業の数が少ないですが、御社は翻訳業、通訳業を請け負っているため、語学力を駆使することで地域に貢献できるのは地元でも御社しかないと考えております。
私は学生時代に留学経験があり、日本語が話せない環境で外国人とたくさんの関係を築いてきましたので、コミュニケーション力にも自信がございます。御社では商品サービスの営業活動もおこなっているため、留学で培ったコミュニケーション力も役に立つと考えております。
キャリアアドバイザー
地元において自分の強みを活かせる企業が少ないこと、志望先でこそ自分のスキルが活かせることについて言及することで、その企業でなければならない理由を効果的に伝えることができています。
今後のキャリアについてどう考えていますか?
今後のキャリアも面接官からしたら気になるポイントです。
将来のキャリア形成ができているかどうかは、志望者の仕事に対する熱意やモチベーションに直結しています。入社後の明確なビジョンがある学生とない学生であれば、ほぼ確実に前者の方が企業に貢献してくれる期待値が上がり、内定獲得の確率も同時に上がるでしょう。
今後のキャリアについて述べる際は以下の点に注意しましょう。
- 現時点の自分の強みで実現できるような常識範囲内のビジョンにする
- 入社後に努力する姿勢もアピールする
キャリア形成は現実的な視点で述べなければなりません。たとえば「入社後数カ月で企業をリードできるような存在になりたい」というのは具体性がなく、ほとんど実現不可能なことであるため、逆に自己分析や企業研究不足を疑われてしまいます。
したがって、キャリアについて質問されたときは、現時点での自分の強み、あるいは入社後の努力によって得られるであろう能力値から、実現可能と判断できる目標について言及しましょう。
回答例
私はいずれ、御社の新規プロジェクト企画において中心的な役割を担いたいと考えております。それを実現するためには、まず多くの実務を経験する必要があることは理解しており、現在すでにキャリアプランへの第1歩として、独学で資格取得に向けた勉強を始めております。
キャリアプランの実現のためだけに仕事をこなすのではなく、目の前の仕事に全力を尽くすことで、必要なスキルをコツコツと身につけていき、地道な努力こそ怠らないよう努めていく所存です。
キャリアアドバイザー
最初にキャリアプランを明確に提示し、そこに向かって努力ができる姿勢を示すことで、目標に対して意欲的に取り組めることをアピールしています。上ばかりでなく目の前のことも1つずつこなしていく姿勢も表わすことができれば、より企業に貢献できる印象を残すことができるでしょう。
情報収集をしっかりしてUターン就職を実現させよう!
就活を勝ち抜くためには情報収集がとても大切です。特に、Uターン就職の場合は都会よりも求人数が少なく、情報が手に入りづらいのも実情です。
少しでも充実したUターン就職を実現させるためにも、あらかじめ綿密な情報収集をおこないましょう。
また、自分がそもそもUターン就職に向いているかどうかを確かめるのも重要です。自分のやりたいことやキャリアプラン、Uターン就職のメリットなどを見返すことで、後悔のないようなキャリアを歩んでいきましょう。
キャリアアドバイザーコメント根岸 佑莉子プロフィールをみる
今お伝えしたようにコロナの影響もあり、地元志向の就活生が増えています。大学入学時は都会の就職を希望していたものの、長引く自主期間に孤独を感じ、家族や地元の温かいぬくもりを求めてUターン就職へ転じた就活生も多いのではないでしょうか。また両親から都会の一人暮らしを心配されて、地元の就職を促された就活生もいました。
他にも、近年SDGsの関心が高まっていることもあり、地元や格差社会が生じやすい地方の「問題を解決したい」「もっと、よくしたい」と思う就活生も増えているように感じます。支援した学生の中にはSDGsの「産業と技術革新の基盤をつくろう」に共感し、地元のインフラを整備する企業を目指した人もいました。
U・I・Jターン就職が増えている理由は、社会背景や社会をよくするために「私にできることは何だろう」と考えた時、都会より生まれ育った地方の方が自分にできることをイメージしやすいからという背景があるのではないでしょうか。