尊敬する人を面接で質問されたら|答え方のポイントと例文

コラムの目次

  1. 尊敬する人を聞かれたときの答え方を知っておこう
  2. 面接官が尊敬する人を質問する意図
  3. 尊敬する人の質問に答えるポイント2つ
  4. 尊敬する人を質問された場合の回答例文
  5. 尊敬する人の質問は適性や能力と関係ない
  6. 尊敬する人がいない場合は人物から一度離れよう
  7. 面接で尊敬する人について聞かれたら理由を答えることが大切

尊敬する人を聞かれたときの答え方を知っておこう

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就活生から

「尊敬する人を聞かれた時の答え方を教えてください」
「尊敬する人として誰を答えたら評価されますか」

と聞かれることが多くあります。しかし、「尊敬する人」について深く考えたことがないという就活生は多いのでは?「尊敬する人」を聞かれたら、どのように答えるべきなのでしょうか。そこでこの記事では、尊敬する人が採用面接の質問として相応しくない理由と、質問された場合の答え方について紹介していきます。

面接官が尊敬する人を質問する意図

尊敬する人について上手に答えるには、まず面接官の質問の意図を知っておく必要があります。質問の意図を理解していないと、的外れな答えになったり内容が薄くなったりするのです。面接官の知りたいことを的確に伝えて、充実した回答にしましょう。

自己分析力を見るため

尊敬する人について考えるとき、自分に持ってないものや今後なりたい姿を想像する就活生が多いのではないでしょうか。このように考えるには、自分の長所や短所を理解しておかなければなりません。つまり、面接官が尊敬する人について質問する場合「自分のことを理解しているかどうか」という自己分析力を見ているのです

尊敬する人との違いや自分に足りないところを交えて説明することで、自分のことを客観的に判断できていると評価されるでしょう。また、尊敬する人と同じ志を持っていると伝えても、自分の長所を理解していることで伸ばして行けそうだと判断される可能性が高いです。

将来なりたい姿を知るため

尊敬する人について聞くことで、将来どんな人になりたいのかを知りたいという意図があります。将来なりたい姿とは、単純に尊敬する人の職業や最終的な経歴だけでなく、物事に対する取り組み方や大切にしていた価値観などがあげられます。面接官は就活生の将来なりたい姿を聞くことで、自社に合うかどうかを判断していると言えるでしょう。

企業にも大切にしている価値観や目指している姿があるので、そこと大きく離れていないかどうかが注目されます。企業の価値観は社員の働き方にも影響してくるので、もし大きくズレていると就活生側が成長できる機会は少なく、早期退職に繋がる可能性もあるのです。企業としては内定辞退や早期退職を避けたいので、なりたい姿を確かめることでお互いのマッチ度を確かめる傾向にあります。

尊敬する人の質問に答えるポイント2つ

尊敬する人について上手に答えると、面接官からの評価を上げることができます。評価が上がると面接官の印象に残り、採用を前向きに考えてもらうようになるのです。ただし、先ほども述べたように尊敬する人が誰なのかを伝えるだけでは評価を得られません。尊敬する人について答えるポイントをおさえて、効果的にアピールしましょう。

①なぜ尊敬しているのかを伝える

尊敬する人について質問されたら、理由を答えることで価値観も伝えましょう。例えば尊敬する人としてイチローを取り上げる場合、「結果を残していることを尊敬しているのか」「ストイックな姿勢を尊敬しているのか」で価値観の伝わり方が変わってきますよね。面接官は、この価値観の部分に注目しているのです。

また、尊敬する人の「すごいな」「素敵だな」と思うところは、自分がなりたい姿であるとも言えます。つまり、尊敬する人を通して自分が目指す姿も面接官に伝えていることになるのです。このように、尊敬している理由を伝えることで価値観や将来のビジョンを知ってもらえます

②尊敬する人を見習って実践していることを伝える

尊敬する人について答える際は、実際に見習っていることも伝えましょう。そうすることで、ただ憧れているだけではなく、理想に近づくために努力している印象を与えることができます。尊敬する人から学ぶだけでなく、自分の生活に落とし込んで少しずつ現状を変えていこうという姿勢は、社会人になっても大切です。

小さな努力を積む姿勢が面接官に伝われば「入社後も同じように仕事を頑張ってくれそう」と想像してもらうことができます。ここでも「なぜ尊敬する人に見習ってそれをしているのか」という理由を伝えましょう。目的がなくただやっているだけでは「流されてやっているだけ」「主体性がない」というマイナスの印象を与えます。

キャリアアドバイザーコメント

伴 美寿々

尊敬する人を分析して自分に足りないものや達成する方法を考えよう

尊敬している人を掲げる際に、その人を徹底分析する必要があります。これができていればアピールして深く追及されても困りません。例えば「人を惹きつけられる魅力があるから尊敬している」だととても浅いですよね?人を惹きつけられる人は、「どんなことをやってきたのか」「どんなことを意識して生きてきたか」「どんな目標を掲げて行動してきたか」を徹底分析しましょう。

ここがわかるからこそ尊敬できるはずです。分析したうえで、自分に足りないものを考え、どう達成していくか、それが志望する企業で活かすことができる力なのかをつなげて考えましょう!最終的に企業で再現できない力であればアピールしても軸がずれてしまうので、分解したうえでしっかりと考えて整理することが面接前に必要です!【伴】

尊敬する人を質問された場合の回答例文

質問する人について質問されたら、実際にどのように答えればいいのでしょうか。アピールポイントの内容を参考に、例文もあわせて確認するのがおすすめです。OKとNG、両方のパターンの例文をチェックして、答え方の参考にしてください。

例文①

例文

私が尊敬しているのは母です。母は気遣いが上手な人で、私が何も言わなくても落ち込んでいる時は声をかけてくれます。どうして落ち込んでいることが分かるのか聞いたところ、「いつもと違うから」という答えが返ってきました。
私も母のように気遣いができる人になりたいと思い、困っている人がいればサポートするようにしています。御社でもお客様の悩みを解決し、「利用してよかった」と満足していただける仕事をしたいと考えています。

キャリアアドバイザーコメント

遠藤 美桜

尊敬する行動について分析を深めて努力すべき点を見つけよう

構成はとてもいいと思います。改善する点としては、抽象度の高い回答になっているので、具体化するとより良くなると思います。改善方法としては、尊敬している母親は「どうして気遣いができるような人になったか」を分析してほしいと思います。

例えば「いつもと違う変化に気づくのはなぜなのか?」を考えるべきです。そして、そうするためにはどういったことが自分には足りないのか・どうしていくべきなのかを見つけ、企業で困った人をどのようにサポートすべきなのかまで、具体的に分析したうえで伝えられるほうがいいですね!

例文②

例文

私の尊敬する人は、片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんです。近藤さんの著書はミリオンセラーとなり、アメリカの雑誌TIMEの「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれました。私は、近藤さんの「ときめくかどうか」を基準に捨てるものと残すものを選ぶ方法によって、自分の部屋を大掃除を成功させた経験があります。

「ときめくかどうか」で判断することで自分の内面を見つめることができ、今も私が物事を選択する時の軸になっています。近藤さんのメソッドで自分を変えられたように、私も周囲に影響を与えられる人物になりたいと思っています。

この例文では、尊敬する人として片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんを取り上げています。冒頭の経歴紹介はなくてもいいですが、面接官が知らない場合も想定して軽く触れておくと親切です。近藤さんによって大掃除を成功させたという原体験を元にしており、現在もメソッドを取り入れていることで、本当に尊敬しているということが伝わります。

NG例文①

NG例文

私が尊敬しているのは、豊臣秀吉です。豊臣秀吉は、もともとは農家の子で、武士ですらありませんでした。しかし、手を尽くしてどんどんのし上がっていき、最終的には天下統一まで果たしたのがすごいなと思います。単に天下を治めただけではなく、茶の文化を広めたり、升のサイズを決めたりと、現在の日本にも伝わるものをいくつも作っている点も、尊敬しています。

豊臣秀吉の活躍があったからこそ、その後の戦国時代、さらには現在の世の中にも繋がっていると確信しています。私も豊臣秀吉のような時代を変え、後世に何かを残せるような人物になりたいと思います。

この例文では、なぜ尊敬しているのかが明確になっていません。人物の説明がメインになっていて、肝心の尊敬する人から学んだこと、成長に繋がったことが提示できていないのもマイナスです。最後に将来のビジョンを述べていますが、「時代を変える」「後世に何かを残す」と漠然でイメージが湧きません。

NG例文②

NG例文

尊敬する人は今はいません。しかし、御社には素晴らしい社員の方がたくさんいると思うので、社会に出る中で見つけて行きたいです。

キャリアアドバイザーコメント

村井 俊介

尊敬する人をこれから見つけたいという回答はビジョンが描けていない印象を与える

この答えですと「自分のビジョンが描けていない」と面接官が受け取る可能性があります。自分のビジョンは必ず話せるようにしておきましょう!抽象度が高くてもいいですが、将来自身がどうなっていたいかを話せることは大切です。

そして、その企業でどうなっていたいかなどまで話せるといいですね。そうすることで「この学生は弊社で働いているイメージがついている」「この学生は会社に貢献できる」と面接官にイメージさせることができます。

尊敬する人の質問は適性や能力と関係ない

公正な採用選考の基本|厚生労働省によると、尊敬する人の質問は、採用面接において配慮するように言われています。それは、就職差別につながる恐れがあるからです。

まず、企業が採用選考を実施するにあたり必要なのは「応募者の基本的人権を尊重すること」「応募者の適性・能力のみを基準として行うこと」とされています。ですから、そもそも尊敬する人は適性や能力と関係ないので、質問内容として相応しくないのです。

仮に、面接官が就活生の尊敬する人を聞いて採用するかどうかを判断するつもりがなくても、把握してしまうことで合否に影響を与える可能性があると危惧されています。尊敬する人の質問は「本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握」に該当します。このように企業側が配慮すべきとされる事項は他にもあるので、採用面接を受ける側としても知っておきましょう。

採用選考時に配慮すべき事項

<a.本人に責任のない事項の把握>
・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること
<b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
<c.採用選考の方法>
・身元調査などの実施 (注:「現住所の略図」は生活環境などを把握したり身元調査につながる可能性があります)
・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施

尊敬する人がいない場合は人物から一度離れよう

そもそも「尊敬する人がいない」という就活生もいますよね。明鏡国語辞典によると、尊敬とは「その人の人格・識見・業績・行為などを優れたものとして尊び敬うこと。」とあります。尊敬する人がいない場合は、いきなり人物に絞るのではなく、ここにあるような人格、識見、業績、行為に焦点を当てて考えてみましょう。すごいと思う性格の人や、自分にはできないことを成し遂げた人が思いつきませんか?

それでも思いつかない場合は、普段自分が使っている製品から考えてみてもいいでしょう。例えば、毎日当たり前のように使っているスマートフォン。スマートフォンの本体もそうですし、どのアプリにも必ず開発者がいます。開発者がいなければこの世に存在しなかったと考えると、すごいと思いませんか?このように、自分の身近にある物の原点を探っていくのもおすすめです。

面接で尊敬する人について聞かれたら理由を答えることが大切

尊敬する人を質問することは、厚生労働省の「公正な採用選考」では配慮するように記されています。しかし、すべての企業の面接官に浸透しているとは限らないため、質問される可能性も0ではありません。多くの場合で、面接官が尊敬する人を質問するのは人柄や価値観を知りたいという意図があることが多いです。

そのため、質問への回答を否定せずに素直に答えておくのが無難と言えます。尊敬する人について答える場合は「なぜ尊敬するのか」という理由を踏まえることが大切です。面接官は尊敬する理由から「どのような価値観を大切にしているのか」を見ています。また、尊敬する人=理想像とも捉えられるので、将来のビジョンが明確になっていることも大切です。

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