目次
- 法人営業と個人営業の違いを理解して自分に合う営業スタイルを見極めよう
- 法人営業と個人営業は何がどう違う? おもな3つの違い
- 違い①営業をおこなう相手
- 違い②営業活動の進め方
- 違い③扱う商材の金額・数量
- 法人営業と個人営業のどっちが向いている? 迷ったときに役立つ5つの基準
- ①自分の性格や能力がどちらの業務に合っているか
- ②希望の年収をかなえやすいのはどちらか
- ③よりやりがいを感じやすいのはどちらの業務か
- ④自分の理想のキャリアに近づけるのはどちらか
- ⑤どちらの働き方が自分に合っているか
- 法人営業と個人営業には3つの違いがある! 理想の将来像に近づけるほうを選ぼう
法人営業と個人営業の違いを理解して自分に合う営業スタイルを見極めよう
こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。営業職に興味を持っているものの、法人営業と個人営業の違いがわからない学生からよくこんな質問をもらいます。
「法人営業と個人営業は何が違うのでしょうか? 」
「自分にどちらが向いているのかわかりません」
法人営業と個人営業の仕事には働き方や仕事内容の面で大きな違いがあり、具体的にどのような違いがあるかわからないと就活の方向性に迷いますよね。
まず言えるのは、この2つの仕事には業務内容や顧客から求められることなどに大きな違いがあるということ。そのため、自分の適性やキャリアに合わせてどちらを志望するかを慎重に判断する必要があります。
この記事では、法人営業と個人営業の違いを3つの観点からわかりやすく解説します。どちらを選べば良いか見極める判断基準も紹介するので、就活の職種選びで迷ったときの参考にしてくださいね。
法人営業と個人営業は何がどう違う? おもな3つの違い


就活生

キャリアアドバイザー
一番の違いは、営業をおこなう相手ですね。相手が違うことで、営業活動の進め方や扱う商材の規模にも違いが出てきます。
ここからは、法人営業と個人営業の違いについて「営業をおこなう相手」「営業活動の進め方」「扱う商材の金額・数量」の3つの観点からくわしく解説します。両者の違いがわかれば、働くイメージもわきやすくなりますよ。
違い①営業をおこなう相手
法人営業と個人営業の一番大きな違いは「営業をおこなう相手」です。法人営業は顧客企業の担当者に、個人営業は一般消費者に自社商品・サービスを提案します。
たとえば、法人営業と個人営業の両方がいる保険業界の場合、営業相手には以下のような違いがあります。
- 法人営業:企業の人事に事業保障や福利厚生としての保険を提案する
- 個人営業:一般家庭に死亡保険や医療保険、学資保険などを提案する
個人営業の場合は、契約するかどうかを最終判断する「決裁者」に対して直接商談をおこなうことができるので、その場ですぐ意思決定ができます。
一方で法人営業の場合は、顧客企業の担当者が決裁者でないことが多く、その場で意思決定ができません。そのため意思決定に時間がかかり、長期的な提案活動が必要になります。
違い②営業活動の進め方
法人営業と個人営業では、顧客へのアプローチ方法や提案方法、意思決定の流れなど、営業活動の進め方にも違いがあります。
法人営業と個人営業の営業活動の進め方
| 営業活動 | 法人営業 | 個人営業 |
| アプローチ方法 | 展示会、電話・メール、定期的なオフィス訪問 | 電話、店頭説明、飛び込み訪問 |
| 提案方法 | 論理的な提案が求められる | 個人の感情に働きかける提案が求められる |
| 意思決定の流れ | ①担当者と商談する②担当者が社内の決裁者と検討する③稟議が下りる④契約が成立する | ①決裁者である個人と直接商談する②契約が成立する |
営業活動の進め方で特に違いが出るのが「提案方法」です。
法人営業の場合、契約を成立させるには顧客企業の担当者に社内稟議(会社としての意思決定の手続き)にかけてもらう必要があります。
そのため法人営業には、顧客企業のなかで稟議が通りやすくなるように、費用対効果など誰が聞いても納得できるような論理的な提案が求められます。
一方個人営業は、目の前の顧客が決裁者であるため「わかりやすい」「安心感がある」などポジティブな感情を持ってもらえるような提案が必要になります。
違い③扱う商材の金額・数量
法人営業は会社単位での契約になるため、一般的に個人営業よりも法人営業のほうが一度の契約で扱う商材の金額・数量が大きい傾向があります。
たとえば、携帯電話会社の法人営業と個人営業では、契約の数量に以下のような違いが出ます。
- 法人営業:会社の従業員複数人分の社用携帯を契約する
- 個人営業:契約者本人の1人分の個人携帯を契約する

キャリアアドバイザー
規模の大きな仕事に対して強いやりがいを感じる人は、法人営業に向いている可能性がありますよ。
法人営業(BtoB営業)のやりがいや求められる適性については以下の記事で解説しているので、あわせて参考にしてください。
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キャリアアドバイザーが読み解く!個人・法人営業に向いてるのはそれぞれどんな人?
個人はホスピタリティの強い人、法人は論理的思考力に自信がある人
個人営業は人一倍ホスピタリティが強く、人の役に立ちたいという思いが強い学生におすすめしています。住宅や自動車の営業が良い例ですが、個人営業はお客様の笑顔や感謝の言葉に直接触れる機会が多いため、それが大きなやりがいにつながるのではないかと思いますね。
一方、法人営業は論理的思考力に自信がある人や、BtoBのビジネスに興味がある人におすすめしています。法人営業では大企業の役員などを相手にすることも多く、高度な論理的思考力が求められる機会が多いので、そういった能力の高い学生は活躍できる印象がありますね。
法人営業と個人営業のどっちが向いている? 迷ったときに役立つ5つの基準


就活生
営業を目指しているのですが、法人営業と個人営業のどちらを選べば良いんでしょう。

キャリアアドバイザー
両方とも職種としての魅力があるため、自分がどちらに向いているかで判断するのが良いですよ。

就活生
どうすれば向き不向きがわかるんでしょうか?

キャリアアドバイザー
これから紹介する5つの基準に沿って考えれば、自分の向き不向きが見えてくると思いますよ。
ここからは、法人営業と個人営業のどちらに向いているか迷ったときに役立つ5つの基準を解説します。基準に照らし合わせて考えて、より自分に合っていると感じたほうの職種について調べてみましょう。
①自分の性格や能力がどちらの業務に合っているか
法人営業と個人営業では業務の進め方や顧客へのアプローチ方法が違うため、適性のある性格や求められる能力にもそれぞれ特徴があります。
たとえば法人営業では、以下のように効率的に営業活動を進めるためのスキルが求められます。
- マーケティングスキル:見込み顧客を戦略的に見極める
- 資料作成スキル:顧客企業内で前向きに契約を検討してもらうための資料を作成する
一方個人営業では、以下のように顧客から信頼を得るための力や結果が明確に出る環境で頑張れる力が必要になります。
- コミュニケーション能力:コミュニケーションを通して相手の心をつかむ
- ストレス耐性:成果主義の環境に負けないメンタルを作る

キャリアアドバイザー
これまでの経験を振り返り、上記の能力を発揮できたと思う出来事があるか考えてみましょう。
②希望の年収をかなえやすいのはどちらか
一般的には契約の取引額が大きい法人営業のほうが、個人営業よりも基本給が高い傾向があります。しかし、個人営業は成績に応じたインセンティブが付くことが多く、自分の頑張り次第で法人営業よりも高い年収を目指すことが可能です。
給与体系の比較
| 違い | 法人営業 | 個人営業 |
| 固定給 | 高め | 低め |
| インセンティブ | 少ない | 多い |
| 年収の安定性 | 高い | 低い |
そのため、給与体系で考えると、安定的に高収入を得たい人は法人営業、できるだけ早く大きく稼ぎたい人は個人営業が向いていると言えます。
③よりやりがいを感じやすいのはどちらの業務か
法人営業と個人営業では交渉相手や営業手法、取り扱う商材の規模などが異なるため、仕事でやりがいを感じることにも違いがあります。そのため、どちらの業務がよりやりがいを感じるものかを考えるのも、仕事選びの観点の一つです。
- 法人営業のやりがい:顧客との長期的な信頼関係構築が成果につながる、扱う金額や数量が大きく社会に大きなインパクトを与えられる
- 個人営業のやりがい:顧客個人の生活や人生に深くかかわることができる場合がある、一般顧客と直接かかわるため感謝されることが多い
両者の特に大きな違いは、誰に対してどのような影響を与えるのかです。法人営業は規模の大きな仕事を通して広く社会に影響を与えられます。一方、個人営業は顧客との一対一のやりとりで顧客個人の生活や人生に深く影響を与えることができます。

キャリアアドバイザー
自己分析をとおして、自分の活動が広く社会に影響を与えることにワクワクするタイプなのか、それとも一人の生活や人生に深くかかわりたいタイプなのか、考えてみましょう。
④自分の理想のキャリアに近づけるのはどちらか
法人営業と個人営業では、営業担当者として現場で活躍した後のキャリアパスも異なります。法人営業の場合は、そのままマネジメント層にキャリアアップする人もいれば、インサイドセールスやマーケティングなど営業職以外へ進むケースもよく見られます。
- 法人営業のマネジメントポジションに就く
- インサイドセールスを担当する
- マーケティングにかかわる
- 事業・商品開発にかかわる
個人営業の場合は、営業部門のリーダー・管理職になるほか、販売力やコミュニケーション能力を活かして営業企画や販売促進にかかわったり、コンサルタントとして活躍する道もあります。
- 営業部門のリーダー・管理職を担う
- 営業企画・販売促進にかかわる
- コンサルタントになる
マーケティングの仕事内容については以下の記事でくわしく解説しているので、気になる場合はチェックしてみてください。
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コンサルタントの仕事内容については以下の記事で解説しています。営業職の後のキャリアとして検討したい場合はぜひ確認してみてくださいね。
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⑤どちらの働き方が自分に合っているか
法人営業は企業の担当者が営業相手であるため、基本的には平日の営業時間に勤務することが多いです。一方、一般消費者が相手である個人営業の場合は、一般消費者の仕事がない平日夕方以降や土日などに営業活動をすることになります。
そのため「絶対に土日は休みたい」という人は、個人営業ではなく法人営業のほうが合っています。反対に「人が少ない平日に休めるほうが良い」という場合は個人営業の働き方がマッチする可能性が高いですよ。
キャリアアドバイザーが読み解く!個人営業と法人営業で内定を獲得する学生の特徴に違いはある?
求められるスキルが異なるため大きく違う
顧客と直接コミュニケーションを取る個人営業は、元気の良さや相手に好かれる第一印象が何よりも重要です。そのため、個人営業で内定を獲得する学生は面接官との会話を楽しみ、明るくハキハキと話せるコミュニケーション能力が備わっていることが多い印象があります。
一方で法人営業で内定を獲得する学生は、高い論理的思考力を持っていることが多いです。面接でも物事を構造的にとらえ、筋道を立てて話すことができる人は企業からの印象も良い傾向にありますよ。
法人営業と個人営業には3つの違いがある! 理想の将来像に近づけるほうを選ぼう
この記事では、法人営業と個人営業の違いを「営業をおこなう相手」「営業活動の進め方」「扱う商材の金額・数量」の観点から解説しました。
これらの違いによって、法人営業と個人営業は同じ営業職であっても、実際にどのような仕事をするのか、どのような能力を求められるのかが異なります。どちらの仕事にもそれぞれの魅力があるため、より理想の将来に近づけるほうはどちらかを考えてみてくださいね。
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法人営業と個人営業は、何がどう違うんでしょうか。