公務員と民間の併願で注意すべき点|スケジュールやメリットも解説

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  • 徳差 佳奈

    小学生~高校生の時にガールスカウトに12年間所属。ミャンマーの難民支援のほか、東北の防災キ… 続きを読む

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    大学卒業後、ポートに新卒入社。メディア広告の営業とマーケティング職としてファーストキャリア… 続きを読む

  • 持田 伊織

    大学時代、「目の前のお客様に励ましを送る」ことを指針としていたゴスペル部で日々活動。大学卒… 続きを読む

コラムの目次

  1. 公務員と民間の併願は事前準備を怠ると共倒れも
  2. 意外に多い! 公務員志望者の民間併願
  3. 選考スケジュールを把握しよう
  4. 公務員のスケジュール 
  5. 民間企業のスケジュール
  6. 併願は言うべき? 隠すべき?
  7. 公務員:回答の方向性を準備しよう
  8. 民間:企業の特性を把握しよう
  9. 検討前に押さえておきたい! 併願のメリット・デメリット
  10. メリット①:失敗してもリスクの分散できる
  11. メリット②:SPI・時事問題や面接など対策が共通
  12. デメリット①:スケジュール・準備が大変
  13. デメリット②:ひとつの対策に集中できない
  14. 併願を成功させる3つの秘訣
  15. ①最新のスケジュールを把握
  16. ②対策の共通点と相違点を洗い出す
  17. ③公務員・民間のインターンを活用
  18. 対策の違いや共通点を3つの視点から解説
  19. 試験勉強:公務員の対策がカギ
  20. 自己分析:重視する点を理解しよう
  21. 選び方:まずはそれぞれの特性理解から
  22. 就職後もチェンジも可能
  23. 民間企業から公務員
  24. 公務員から民間企業
  25. メリット・デメリットも把握した上で自分の希望を照らし合わせよう

公務員と民間の併願は事前準備を怠ると共倒れも

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。

「どちらかがうまくいかなかった時に保険をかけておきたい」
「希望するキャリアプランだと民間でも公務員でも実現できる」

就活生の中にはそのように考えて公務員と民間の併願を検討する人が多くいます。「併願は可能ですか」とよく聞かれますが、もちろん可能です。

一方で、メリット・デメリットを把握したうえで、専願よりも事前準備がかなり重要です。記事ではスケジュールやメリット・デメリットを解説しますので、「併願を検討する人」「併願で就活を乗り越えたい人」には必読の情報を伝えています。

意外に多い! 公務員志望者の民間併願

まずは、あなたの就活生仲間はどれくらいが併願をしているのでしょうか。マイナビの「2021年卒大学生公務員イメージ調査」によると、公務員志望の学生のうち85.3%は民間企業との併願を予定しているといいます。

実際に併願した数ではないにせよ、かなり割合で願を検討していることがわかりますね。それではメリット・デメリットを把握しながら、もう少し詳しく見ていきましょう。

選考スケジュールを把握しよう

民間企業と公務員の主なスケジュール

併願を検討する上でもっとも重要なのは、選考スケジュールを押さえておくこと。上手にスケジュールを組み立てておかないと、「選考準備が間に合わない」「選考の日程がバッティングしてしまった!」などという事態に陥ってしまうこともあり、両方とも中途半端な対応になりかねません。

選考スケジュールを把握は、ホームページなどでなるべく早い段階におこないましょう。公務員試験・民間就活のどちらも全力で挑めるよう逆算して準備をすることが大切です。

それぞれの自治体や企業によって、選考スケジュールはばらばらですので、ここでは大まかな時期を解説します。

公務員のスケジュール 

地方公務員は、3月~4月に願書受付が始まって、1次試験が5~6月、2次試験が6~7月におこなわれ、8月ごろには合否が出ます。

国家公務員もほとんど同様のスケジュールで進みますが、選考日程は志望する職種によってばらつきがあります。関心のある自治体や職種の選考日程などは早めにホームページなどで情報を集めておきましょう

  • 願書受付:その年の試験案内が自治体や国家公務員の職種ごとにホームページ等で公表されます。近年はインターネットからの願書受付が主流になっています
  • 1次試験:筆記試験による選考です。教養・専門・論文試験・専門記述試験などが実施されます。広範かつ専門的な知識が求められるため、早めの対策が必要です。
  • 2次試験:面接試験などが実施されます。個別面接、集団面接の両方がおこなわれる場合が多いです。

民間企業のスケジュール

企業によってばらつきがあるので注意が必要ですが、一般的には3月から採用情報が解禁され、6月から選考が解禁されています。

多くの企業はこれに則って採用スケジュールを組んでいますが、最近では「通年採用」をおこなっている企業や、3月から選考を開始している企業なども増えています。

気になる業界の採用スケジュールの傾向だけでも、早めにナビサイトやホームページなどで情報を集めておくと良いでしょう。口コミや企業の採用ホームページを見て、自分の志望する業界・企業の情報を早い段階で集めておきましょう。

キャリアアドバイザーコメント

持田 伊織プロフィール

民間に集中するタイミングを見極めよう

公務員も種類によって異なりますが、一番厄介なのは公務員も民間も同時並行で行われていることです。例えば、公務員の筆記試験時期は例年大手有名企業の選考の山場と被ることが多いですし、公務員の面接試験時期は内定式前の民間就活最後の追い込みの時期とも被ります。両方とも得ようとするのは悪くはないですが、リスクも高くことも理解しましょう。

「大手は興味を持っていないので、夏までは公務員に集中しよう!」など自分の中で民間のスケジュールも把握した上で時期を決めて行動しましょう。

また、公務員と民間の併願の際に一番困ることは民間就活における面接対策です。いつから民間に集中するかは人それぞれ異なると思うので最低限下記の3点だけは考えておくことをおすすめします。

①なぜ公務員を目指すのか
②公務員になって何がしたいのか
③どんな公務員を目指しているのか

この3つの質問には必ず答えられるように自己分析を進めましょう。これさえ出来ていれば民間に集中しよう!と思った際にどんな業界・職種で就活すべきかが判断しやすく、民間就職もうまくいく方が多いです。

併願は言うべき? 隠すべき?

併願する人が頭を悩ませているのが、併願していると正直にいうか隠すかという問題です。

特に公務員試験の面接では、民間との併願をしているかどうか聞かれる場合もあります。そういった場面ではどうするべきでしょうか。

公務員:回答の方向性を準備しよう

先ほど多くの人が併願をしているというデータがある以上、正直に併願している旨を伝える方が誠実であるという印象を与える可能性もあります。一方、併願をしていることを伝えることで本命の志望先に本気度がうまく伝わらないという可能性も出てきます。

併願しているからといってそれが理由で不合格ということはありません。一方で、一貫性のない回答やあやふやな回答をすると、マイナスな印象を与えてしまうことも。どちらを答えるにしても、事前に回答の方向性をしっかり考えておきましょう

民間:企業の特性を把握しよう

難しいのが、民間企業で聞かれた時です。結論からいうと、企業の特性や雰囲気を把握したうえで、答えましょうとアドバイスしています。

たとえば、ベンチャー企業の場合、求めれられる人材は挑戦的かつ行動的である傾向が強くあります。一方、公務員はどちらかといえば安定志向が多い傾向にあり、ベンチャー企業の採用担当者にとってみれば、「安定志向なのかな」と思われ、社風や企業の雰囲気に合致しないと判断される可能性があります。

大企業では安定志向の学生が比較的多い傾向にあるので、そうした懸念は持たれにくいと考えてもいいでしょう。いずれにしても企業の特性をしっかり把握することが重要です。

キャリアアドバイザーコメント

塩田 健斗プロフィール

企業選びの軸がぶれていなければ伝えてOK!

民間企業の面接などにおいて併願先を聞かれた際に意識してほしいことは、「企業選びの軸に合っている会社に絞って伝えること」です。

まず併願先を採用担当が聞きたい理由を考えましょう。採用担当はその質問の中で「会社選びの軸と併願先に一貫性があるか」を気にします。こちらを確認することで、その学生の「論理的思考力」と「企業選びの軸が自社に寄せた内容ではなく、本当の意味での意思決定軸」であるかを見極めることができます。

そのため「民間企業の営業職」と「公務員」を受けている際には「公務員でやりたい領域」に近い事業内容に取り組んでいる民間企業に絞ってお伝えいただくとよいかと思います。例えば公務員で「まちづくり」がしたいのであれば、不動産や建設業界などは一貫性を感じることができます!

検討前に押さえておきたい! 併願のメリット・デメリット

併願時のメリット・デメリット

公務員と民間就職の併願を検討する上で、併願のメリットとデメリットを完全に理解しておきましょう。公務員就職・民間就職のどのような部分にそれぞれ期待や不安を感じているのかということと、併願のメリット・デメリットを照らし合わせて考えることでどちらか一本に絞るのか、併願するのかをより明確にすることができます。

それでは、併願のメリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。

メリット①:失敗してもリスクの分散できる

併願のメリットはなんといっても、失敗のリスクを分散できるということです。公務員試験は、倍率が高く試験日が重なることも多いため、複数の試験を受けることが難しいです。公務員一本に絞ると、就職浪人となってしまうリスクが高まってしまうのです。

民間の選考は公務員試験よりも早い時期におこなわれる場合も多いため、うまくいけば内定を1社以上確保した状態で公務員試験に臨むことも可能。リスクを分散させつつ、メンタルの安定をはかれるというメリットは、多くの人が併願を選択する主な動機といえるでしょう

メリット②:SPI・時事問題や面接など対策が共通

実は、公務員試験と民間企業の試験内容は共通な部分も多くあります。例えば、SPIテスト「能力検査(非言語分野・言語分野)」と、公務員試験で用いられる「数的処理・文章理解」はよく似ています。筆記に関しては公務員で用いられる試験の方が難易度が高い場合が多く、公務員試験問題を中心に対策をすると良いでしょう

また、併願することで受験回数が増え、筆記試験・面接の実践経験を積むことができます。特に面接は回数を重ねることでより良くなっていくでしょう。試験の場数を踏んでいくことは、場慣れという意味でも効果的です。

デメリット①:スケジュール・準備が大変

公務員試験は、民間と比べても多くの勉強量が必要。民間企業の選考を受けながら一定の勉強量を確保することはかなり難しいです。そのため、併願をおこなう場合は、早期から計画的に勉強を進めていかなければなりません。スケジュールや準備の面が非常に大変なので、覚悟を持って早め早めに動いていく必要があります

どの自治体・職種で働きたいのか、民間就職をする場合はどんなことをどんな会社でやりたいのかをある程度固めておかないと「自治体・職種の優先順位」や「公務員試験と民間選考対策のバランス」を上手にはかれなくなってしまいます。そんな時に重要なのが説明会やインターンシップです。入念な情報収集もカギとなります。

デメリット②:ひとつの対策に集中できない

ただでさえ公務員試験の対策が必要な上に、民間選考では企業によって様々な選考の方法がありますし、それぞれの企業研究が必要なので、なかなかひとつの対策に集中できないというデメリットがあります。

公務員試験は試験の内容が盛りだくさん。民間企業の選考でも活かせる教養択一試験の一般知能分野(数的処理・文章理解)だけでなく、一般知識分野(人文科学・自然科学・社会科学)・専門択一試験(法律系・経済系・政治系・その他)といった専門的な勉強も幅広くおこなわなければなりません

キャリアアドバイザーコメント

徳差 佳奈プロフィール

なぜ併願するのかをしっかり考えよう

民間と公務員とを共通のものと考えず、対策も含めてできるだけ分けて考えてもらえればと思います。 一方で、併願することにより、スケジュールはもちろんですが、同時並行するとどちらも中途半端になり、なかなかうまくいかなくなってしまうというのがあります。

私自身も就活生の時に、民間と公務員を併願しどのように進めるかで非常に苦戦しました。ですので、個人的には3年の冬までに念入りに勉強をする、就活が始まってきたらそちらにシフトする。この進め方が人生の先輩としてはおすすめしたい進め方です。

大前提大事なのは「なぜ民間と公民を併願するか」です。もちろんリスクヘッジという観点で併願するのは良いのですが、併願していることで採用をする側としては「なぜ併願しているのか」という疑問を持ちます。ここに対しての適切な回答がなされないと求めている内定にはたどり着けず、本末転倒になってしまいますのでご注意ください!

併願を成功させる3つの秘訣

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就活生

デメリットを聞いたら少し不安になってきました…。

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キャリアアドバイザー

公務員試験と民間選考の併願を上手に進められるよう、ポイントをお伝えします!

①最新のスケジュールを把握

まずひとつ目のポイントは、最新のスケジュールを把握すること。公務員試験も民間の選考も、その年によって試験の日程が多少前後する場合があります。まずは、最新のスケジュールを把握することから始めましょう。

その年に受験しない方も、受験する年にどんな日程で動いていくかイメージをしておくことが大切です。試験の日程から逆算して、いつからどのように準備や試験対策を進めていくか計画を立ててみてください。

②対策の共通点と相違点を洗い出す

併願のメリットとして、試験の内容に共通点があるとお伝えしましたが、対策の共通点と相違点を洗い出すことで、それぞれにかかる対策の時間がより明確になります。試験対策の優先順位を決められます。

試験勉強における賢い優先順位の立て方の一例
  • 優先度1位:公務員試験にある内容 & 民間選考にはない内容
  • 優先度2位:公務員試験にある内容 & 民間選考にある内容
  • 優先度3位:公務員試験にない内容 & 民間選考にある内容

もっとも優先したいのは「民間試験にはないが公務員試験にある試験内容の対策」です。つまり、公務員試験独自の内容になります。

なぜなら、民間選考で場数を踏むことができないからです。併願を考えている人は、まず公務員試験の対策から開始し、民間の選考時期が近づいてきた段階でだんだんと民間選考対策の割合を増やしていくスケジュールの立て方をおすすめします。

キャリアアドバイザーコメント

塩田 健斗プロフィール

民間の面接で場数を踏んで公務員にのぞもう

民間企業と公務員試験の対策において共通点と相違点を見出す上においてはまずは選考形式が合致しているかを確認するとよいかと思います。共通点としては「面接」があるため、民間企業で場数を踏むことで公務員の2次試験などに活かすことができるかと思います! 面接は一定特殊な雰囲気で行われるため、経験を積んでおくことで面接の場においても緊張などせずに本来のパフォーマンスを発揮できるようになります!

私の感覚にはなりますが、民間企業の面接のほうが公務員の面接に比べて難易度が高いと感じています。民間企業で内定が取れていれば、それは自身を持って公務員の面接を臨んで良いと思いますよ。

逆に相違点としては筆記試験の内容です。公務員の1次試験に関しては民間企業で言うSPI(言語・非言語)と共通する内容はあるものの、より範囲が広いため別途対策が必要です。
特に大手の民間企業を併願する場合は1次試験の対策をしておくことでカバーできますが、SPIの対策が公務員の1次試験をカバーすることはできないので注意が必要です。

③公務員・民間のインターンを活用

公務員を志望者向けのインターンシップは各地で実施されています。公務員と一口に言っても、それぞれの自治体や職種によって雰囲気や仕事内容は様々です。

多くの場合、公務員志望の学生を対象にしたインターンが夏休みに実施されているので、実際の現場を体験して働く環境や仕事の内容についての理解を深めましょう。面接の際に、より具体的に想いやビジョンを語れるかどうかという部分にもつながってきますね。

民間企業のインターンも参加してみることをおすすめです。民間企業では多くの場合、夏休み・冬休みを中心にインターンが実施されています。

夏は公務員・冬が民間がおすすめ

併願する場合、おすすめしているのは夏は公務員のインターン・冬は民間のインターンで、両方とも経験するパターンです。

公務員は夏しか実施しないこともあり、上記のスケジュールですと両方を経験することができます。また、冬の民間企業のインターンはより採用を意識した内容になっており、試験に向けた場数を踏む・就職活動の雰囲気を掴むという意味でも、いい経験になるでしょう。

対策の違いや共通点を3つの視点から解説

併願を成功させるポイントのひとつとして、「対策の共通点と相違点を洗い出す」ということを紹介しました。ここからは、具体的に「試験勉強」「自己分析」「選び方」という3つの視点からそれぞれの違いや共通点を整理してお伝えしようと思います!

試験勉強:公務員の対策がカギ

試験勉強における公務員と民間企業の最も大きな違いは、筆記試験の出題範囲です。

受ける職種によってそれぞれの科目の出題数はかなり違いますが、公務員試験は試験日程の違う職種をいくつか併願する人が多いです。そのため、広範で専門的な試験科目を網羅的に対策することが必要となります。

民間企業では、主に国語や数学に関する問題(例えばSPIなど)が出題されます。試験の種類によっては英語や一般常識が出題されることがありますが、ほとんどの企業では公務員の試験ほどの範囲と専門性を求められることはありません

公務員の試験勉強は、一朝一夕で対策できるような範囲と専門性ではないため、より早いうちからの準備が必要と言えます。それぞれの具体的な試験対策の違いや共通点を見ていきましょう。

公務員:範囲が広く、専門性が求められる

公務員の試験は、先述した通り「教養択一試験」「専門択一試験」「論文(記述)試験」が課され、広範かつ専門的な対策が必要という特徴があります。また、公務員試験では「配点比率」というものが重要になってきます。この配点比率とは、どの種目をどの程度重視するかという割合を示す指標です。

同じような試験内容でも、例えば国家一般職では「専門択一」の配点が高く、地方公務員試験では「面接」の配点が高いといった具合に配点に違いがでてきます。どの試験対策から優先的に取り組んでいくかということもひとつのテクニックとなってきます。

民間:問題に慣れることが重要

民間選考の試験勉強は、公務員試験の「教養択一試験」内で出題される「数的処理・文章理解」に近い問題が課されます。範囲も狭く、基本的な知識・スキルを応用すれば解けるような問題が数多く出題されるため、ひたすら問題を解き、出題傾向を掴んで問題に慣れることが大切です。

具体的には、「SPI」や「玉手箱」「C-GAB」などの試験が存在していて、ほとんどの企業はこのうちのどれかを採用しています。この中でも特に使用率が高いのが、リクルートキャリア社が作成する「SPI」です。志望企業が固まっていなかったり、どの試験を使用するかわからなかったりする場合は、「SPI」から対策することをおすすめします

自己分析:重視する点を理解しよう

まず自己分析をおこなう目的をおさらいしましょう。「自分がどのような事に興味を持っているのか」どんな強みがあるのか、どんな環境でイキイキと活動できるのかなどを知ることで、就職先選びの軸を持つこと。

もうひとつは、これまでの経験を棚卸しすることで、選考におけるエントリーシートや面接などの場面で、自分のことを採用担当者に伝えられるようになることです。公務員も民間企業も、その2つの目的はもちろんどちらも大切な視点ですが、傾向としてどちらをより重視するかということに違いがある場合があります。その部分について詳しく解説していきます。

公務員:これまでの経験をアピールしよう

自治体や職種などによって差はありますが、傾向として公務員の試験では、これまでの経験や何かに取り組む姿勢を重視する場合が多いです。なぜなら、公務員は住民の生活環境をより良くすることが職務であり、国や自治体の政策に深く関わっていくことから、新人職員であっても大きな責任が伴う立場にあるからです。

そのため、公務員を採用する際、信頼に足る人物であるかという部分が厳しく見極められ、その判断材料として過去にフォーカスされやすいという特徴があります。

公務員試験に臨む際には、これまで所属してきた組織の中でどのような貢献をしてきたかということや、これまで取り組んできたことに対してどれだけ真摯に向き合ってきたかということなどを中心に自分自身を掘り下げ、アピールできるように準備をすることが大切です。

民間:可能性をアピールしよう

民間企業の場合も業界や職種によって大きな差がありますが、試験ではこれからの意気込みや、目標を重視する場合が多いです。なぜなら、民間企業では経済的な利益を生み出すということが求められますが、その業界で通用する知識やスキルは選考段階で身に付いている事が少なく、学生は会社に入ってから知識・スキルを磨いていく立場にあるからです。

そのため、民間企業では、今後の働きに期待できるかという部分が厳しく見極められ、その判断材料として未来にフォーカスされやすいのです。

民間の試験では、これからどのように働いていきたいかということや、どのように会社や地域に貢献していきたいかということなどを過去の経験と紐づけながら考え、伝えられるように準備をする必要があります

選び方:まずはそれぞれの特性理解から

公務員と民間企業では、志望先の選び方にも共通点と違いがあります。共通点としては、自分の強みを活かせるかどうか、自分のやりたいこと・実現したいことに近づけるかどうか、自分が希望する待遇や働き方に近いかなど。自己分析を基に考えた自分が重視する軸と照らし合わせながら志望先を決定していくという部分が挙げられます。

そして、選び方の違いは組織の枠組みや組織の多様性という部分が大きく関わってきます。公務員の場合と民間企業の場合の志望先の選び方の違いについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

公務員の志望先

公務員の志望先を決定する上でまず把握しておきたいのは、国・県・市区町村など担うべき役割の違いについてです。 国家公務員の中でも「官僚」は中央省庁で国の予算案や政策案、法律案の策定等をおこないます。また、地方の出先機関で働いている国家公務員は、中央省庁で策定された政策を遂行したり監督する役割を担っています。

また、県の公務員は市区町村の枠組みを越えた広域にわたるサービスを提供し、市役所・区役所・町村役場で働く公務員は地域住民の生活を支えより良くするための行政サービスを実施しています。

国・県・市区町村という枠組みの違いによって、サービスを提供する範囲や、国民・市民社会との距離が変わってきます。公務員の志望先を選ぶ時、こうした枠組みの違いも考慮する必要があるということが民間企業との違いのひとつであると言えます。

企業研究

民間企業においても、組織同士の縦横のつながりとそれぞれが担うべき役割が定まっている場合もありますが、公務員との大きな違いは組織の多様性という部分です。

その企業が営むビジネスの内容、企業内部の制度、取引先の違い(法人を相手に事業を行う:BtoB・消費者を相手に事業を行う:BtoC)、企業が目指している方向性や大切にしている価値観など、民間企業の組織はその在り方が多様です。

そのため、民間企業の志望先を選ぶ際には、各企業が属する業界や特徴を分析し、自分の志向とどれだけ合っているかということを考えることが大切です。

就職後もチェンジも可能

これから長いキャリアを歩む就活生にとって「民間から公務員」「公務員から民間」といったキャリアチェンジをする人も多いと思います。ファーストキャリアを決めるにあたって、「民間から公務員」「公務員から民間」に転職する場合のメリット・デメリットを押さえておくことは重要です。

またこれから紹介するメリット・デメリットはあくまで傾向にすぎませんので、組織の大きさや業務によっても大きく異なってきます。参考程度にしておくといいでしょう。

民間企業から公務員

民間企業から公務員に転職する際には主に以下の3つの道のりがあります。ここでは詳しく触れませんので、調べてみましょう。

民間→公務員の転職方法
  • 一般枠:30歳以下の人が対象という場合が多い
  • 社会人経験者枠:30歳以上・民間企業等で勤務した年数5年以上という場合が多い
  • 各省庁・地方自治体による公募

次に、民間企業から公務員になる場合のメリットとデメリットを紹介します。それぞれの職場や仕事内容をどのように捉えるかは人それぞれですが、一般的に言われているメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット
  • 一般枠:30歳以下の人が対象という場合が多い
  • UIターンの選択肢になる
  • 生活が安定する
デメリット
  • 働き方が大きく変わる場合がある
  • 組織文化の違いに戸惑う可能性がある

民間企業で身に付けた知識やスキルを地域のために活用することができたり、地方へのUIターンを希望する際、キャリアの選択肢の1つとして公務員も視野を入れる人も多いでしょう。民間企業よりも福利厚生や休日が充実している場合が多いため生活が安定したりと、民間企業から公務員へ転職するという道には様々なメリットがあります。

一方、これまでの働き方や、比較的保守的な組織文化の違いにうまくなじめない可能性もあります。

公務員から民間企業

公務員から民間企業への転職はどうでしょうか。公務員から民間企業への転職は、転職サイトからの応募や転職エージェントの活用、ハローワークでの相談、企業への直接問い合わせなど、一般的な転職の方法を用いて転職活動を行います。

メリット
  • 働き方の選択肢が広がる
  • より裁量を持って働くことができる
  • キャリアの積み方の自由度が高まる
デメリット
  • スピード感の違いに戸惑うことがある
  • 個人の意思や考えを求められる
  • 生活の安定性を失う可能性がある

民間企業では、いくつかの仕事を掛け持ちしたり、働く時間や場所を柔軟に決められたりするなど多様な働き方が認められやすいという特徴があります。
また、決裁のプロセスも企業によってはある程度個人の裁量が認められ、自分の考えやスキルをより仕事に反映させることが可能になります。


キャリアの積み重ね方も自由度が高まり、自分の目指したい方向へ近づきやすくなる可能性もあります。 民間企業ではより社会の変化に対してスピーディーに対応することが求められます。十分に検討しないまま走り出すような事も日常茶飯事。そんなスピード感の違いに最初は戸惑うかもしれません

メリット・デメリットも把握した上で自分の希望を照らし合わせよう

併願はスケジュールの組み立てや準備が大変だったり、公務員の試験対策に集中できなくなったりといったデメリットもあります。

ある人にとっては併願をして場数を踏むほうが合っていて、またある人にとっては公務員試験対策に一本集中するほうが合っているというように、人によって合う対策の方法には違いがあると思います。

自分の場合、どのような方法で対策を行うと公務員試験合格に近づくのか、ということを一番に考えて公務員と民間の併願をするかどうか検討してみてください。

記事の監修責任者

北原 瑞起きたはら みずき

新卒でポート株式会社へ入社。入社2年目に年間1億2千万円の売上を記録し、全社の年間MVPを獲得。現在は、リクルーティングアドバイザーグループの責任者として、年間300社の採用支援及び、年間2,000人の学生の就活相談に乗り、企業と学生の最良なマッチング機会の創出をおこなっている。プロフィール詳細

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